結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年10月13日(土曜日)

2014年までの「景気変調」と価格比較アプリの「価格透明化現象」

日経新聞コラム『大機小機』のコラムニスト隅田川氏。
「景気の変調」を語る。

ESPフォーキャスト調査は、
約40人の第一線エコノミストの今後の経済見通しを、
平均値(コンセンサス)化する。

第1は、来年再来年の景気変動。
来年の2013年度の後半からは成長率が高まり、
再来年2014年1~3月期には4.3%。
そして2014年度前半に、「その反動減が表れる」。

2014年4月には消費税率の引き上げが予定されている。
その前の駆け込み需要が、節目となる。

この2年後までの推移、
頭に入れておくべきことだ。

第2は、「景気が転換点を過ぎた」こと。
つまり「日本の景気は、既に後退局面入り」していて、
現在の足踏み状況は一時的で、
13年度後半に一時的に盛り返した後、
14年度に入ってから失速する。

私が信じるコラムニストのこの推移予想。
こうなる「可能性が高い」とする。

消費税導入以前、以後、
全体の基本の流れ。
頭に刻み込んでおきたい。

今日も、基本的にさわやかな秋の日。
朝から東京・池袋の立教大学。
結城ゼミは修士論文執筆の佳境に入っている。

一人ひとり、研究の進捗状況の報告をしてもらって、
調査の内容と実施に関して、
具体的な問題点をディスカッションする。

その後、今年のイヤーブックの写真撮影。

立教のキャンパスは、ほんとうに気分がいい。
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空を見上げると、
景気の変動など、
どうでもいい気になる。
20121013200618.jpg

立教の象徴・本館前では、
クラスやゼミ、サークルの写真撮影が行われている。
20121013200629.jpg

そして第4期結城ゼミの面々。
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右から、香川浩一郎、武藤麻代、
松井亮一、大塚英里、内田憲一郎。

これから1カ月が大事なとき。

私は再来週からアメリカにいっているが、
その私が不在のときの研究の進捗が、
各々の成果を決める。

頑張ってほしい。
心からそう願う。

さて昨日の日経新聞の大事な記事の解説、第2弾。

『消費』欄に掲載された短いヨドバシカメラの記事。
「店で堂々、ネットと価格比較」

ヨドバシカメラが全店でこの10月9日に、
全店導入した新サービス。

「商品と併せて表示したバーコードに
専用アプリをダウンロードしたスマートフォンをかざすと、
ライバル企業のネット通販や価格比較サイトで、
同一商品の売価を確認できる」。

これを「価格透明化現象」と呼ぶ。

ヨドバシカメラは、
価格比較の専用アプリを開発。
「バーコードを表示したカードで通販サイトへの接続を勧め、
ネット上の価格が店頭より低い場合は、
『今すぐ店員までお知らせ下さい』と呼びかけている」

これで店頭において、
他店や他のネット販売との価格比較が可能となる。

これまで顧客は、
事前にチラシやインターネットで、
価格比較をしてから買い物に出かけた。

しかし現在のアメリカでは、
スマートフォンでバーコード・スキャンし、
店頭で価格比較アプリを使用しながら、
買い物する頻度が高まる。

アメリカでは、スマートフォンのGPS機能と連動、
10キロ圏内の低価格販売店舗を調べることができる。

例えば価格比較アプリ「Shop Savvy」は、
まず第1に、アプリを起動し、
第2に店頭の商品バーコードをスキャンすると、
第3に最寄りの最安値と店舗が表示される。

この仕組みに似たサービスが、
ヨドバシカメラで始まった。

このスマホとアプリによる店頭価格比較は、
衝撃的なスピードで広がるに違いない。

それに応じた新たな価格j戦術やサービスアイデアも、
次々に考案されるはずだ。

その結果、これも私の今年の予想だが、
「価格意識は格段に高まる」。
2011年末段階で、
スマートフォンの世界出荷台数は、
4億9140万台。

2012年4月現在、
日本国内のスマートフォン普及率は23.6%。

内訳は、男性が61.1%で女性が38.9%だが、
女性に広がるにしたがって、
食料品・日用品などの購買への活用度が増える。

アメリカでは、小売業界の携帯用アプリ開発が活発だ。

マイヤー(Meijer)のハイパーマーケットは、
店内マップ検索アプリで10万点以上の商品を探すことができる。

ウォルマートはロールバック・アイテムの検索が可能だ。
ターゲットは、バーコードスキャナー機能を開発、
ホールフーズはレシピ検索ができるようにしている。

日経『消費欄』の短い記事は、
これからの日本の買い物の変化を予見させるし、
価格透明化現象の前のアプリ開発の必要性を認識させる。

そして「価格コンシャス」が高まった時の、
価格戦略の重要性を私たちに教えてくれる。

景気変動の推移と、
国民の価格意識の高まり、
そしてソーシャルネットワークの普及は、
小手先や物真似の売価操作テクニックを
無力にする。

もちろん、価格がすべてではない。

ノンコモディティ商品の開発が、
その時のサバイバル戦略であることは、
変わらないから、ご安心を。

ただしコモディティ商品は、
このトレンドから逃れることはできない。

良い週末を。

<結城義晴>


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