結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年09月30日(日曜日)

ジジと彦根城[日曜版2012vol40]

ジジです。
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今日はピアノのうえ。

ひんやりして、
きもちいい。

ユウキヨシハルのおとうさん、
けっこう、いそがしい日々を、
おくっています。
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今週は、お城にいってきた。
シガ県のヒコネ城。

まず、いろは松のお堀ばたを、
あるいていきます。
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そうすると、お堀のところに、
お城がみえてきます。
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中にはいっていく。
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でも、ここは、ほんの入り口の始まり。
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お堀のうちがわにまたお堀があって、
そのうちがわのお堀に、
橋がかかっている。
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ここをわたると、表門。
そしてミュージアムがある。
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それから登りはじめます。
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ヒコネ城は山のうえのお城です。
「山城」といいます。
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お城をみるのに、
山登りみたい。

登っていくと、
高いヤグラがでてきます。
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橋もわたしてあります。
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また、ヤグラ。
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そして石でくまれた壁。
石垣。
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ヤグラ。
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お城は、このくりかえし。
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でも、その途中に鐘がありました。
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「時報鐘」といいます。
ヒコネの街がみおろせる。

そしていよいよ、
天守閣。
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りっぱです。
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むかしのお城は、
うつくしい。
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「国宝彦根城」だそうです。

よこにまわってみる。
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うつくしい。
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うつくしい。
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おとうさんは、
天守閣にも登った。
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びわ湖がみえる。
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こちらにも、びわ湖。
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日本でいちばんおおきな湖。

天守閣は、いがいに、せまいです。
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堪能した。

そうしたら、こんどは、
反対側から、山を下りる。
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石垣とヤグラ。
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そしてすごい下り坂。
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降りてきたら、
お堀の黒門。
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いいお城です。
ヒコネ城。

とおくからも、
見える。
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ホテルのお部屋からも、
見える。
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夜も、きれいです。
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よるのお堀。
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昼のお堀。
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おとうさんは、
とてもよろこびました。
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なんどもなんども、
ヒコネをおとずれていて、
ヒコネ城には、
登ったことがなかった。
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よかった、よかった。

「余は満足じゃ」
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おとうさんは、そうは、
いいませんでしたが。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2012年09月29日(土曜日)

糸井重里「イメージの刷り込み」とミンツバーグ「芸術的右脳型組織論」

今夜のおぼろ満月。
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明日は十五夜。
しかし、台風17号日本列島に接近。
今夜のおぼろにかすむ月を、
明日の十五夜の代わりに見ておこう。
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台風17号によって、
沖縄・鹿児島は暴風圏に突入。

厳重な警戒が必要。
くれぐれも、油断なきよう。

明日から明後日にかけて、
日本列島を縦断する恐れがあるという。

立教大学総長室からメールあり。
「台風17号が接近していますが、
10月1日の授業については、
台風の進路等により
休講などの特別措置を取る場合があります。
変更がある場合は、
10月1日午前6時に大学ホームページ、
Twitter、Facebookページ、
緊急連絡システムでお知らせします」

月曜日の私のサービスマーケティングも、
朝6時に開講が決定されます。
さて、立教大学でも、
ホームページやTwitter、Facebookページが、
最初の連絡手段となっていて、
その次に緊急連絡システムがある。

かつての電話では、
まったくなくなった。

どんどん変化していく。
私がマスメディアに職を得たのは、1977年。
㈱商業界に入社して、編集部に配属された時。
それから私は30年ほど、
雑誌メディアで仕事してきた。
つまり1カ月に1回のペーパーによる報道。5年前の2008年に商人舎で、
インターネットのホームページとブログで、
仕事を始めた。「紙から網へ」。
雑誌・書籍のペーパーから、
デジタルのインターネットのホームページやブログへ。今年からはそれに、
ソーシャルネットワークのfacebookが加わった。

もちろん私は「紙と網」の両方が必要だと考えて、
今では毎月1日に月刊『商人舎』を限定部数で発刊している。

5年前の商人舎発足の会。
「商業界での30年は折り返し点。
これからまだ30年現役を続ける」

私はそう決意し、宣言して、
ネットによる報道を始めたが、
いったいこの領域は、
どんなふうに変わっていくのか。

想像もつかない。
現在、私は、朝、目がさめると、
すぐにパソコンを開く。
そしてfacebookを見る。しばらく前まではメールを開けて、それを見た。
それから自分のブログやホームページに、
書き込みがないかどうかチェックした。さらに35年前、商業界に入ったころは、
出社するとまず、手紙やはがき、
メモなどが届いていないかを確認した。朝の仕事始めの手順や様式が、
まったく変わってきた。この変化のスピード、
ますます早まるに違いない。

もちろん全ての人が、
それについていく必要はない。

しかし商売をしている人、
商売をしている会社は、
それについていかねばならない。

会社がついていくということは、
トップマネジメントや幹部、ミドルマネジメントも、
その流れについていかねばならないということだ。

一方、こんな考え方、見方もある。
糸井重里の『ほぼ日』。
その巻頭言「今日のダーリン」。

「いろんなものごとが向上していくということを、
ぼくらはついつい、グラフ上の
『右肩上がりの直線』としてイメージしてしまいます」

糸井さんはこれを「イメージの刷り込み」と表現する。
イメージは「ものごとをわかりやすくしてくれる」。
しかし「まちがった型にはめこんで自由を奪うことも」ある。

これ、実に鋭い。
「同じような角度で均一に向上していくのではなく、
停滞する時期があったり、
そのあとで角度を変えてぐんと上るときもある」

「進化とは、階段をひとつ登っては、
しばらく停滞することの繰り返しによって、
成し遂げられるものです」

〈結城義晴『メッセージ』より〉

「そういう不規則な階段状の線が、
らせん状に(バネのように)上っていく感じです」

イメージに関してもうひとつ例を挙げる。
それは「ピラミッド型」の組織図。
ツリー状の図形。

そうすると、
「どうしたって、上のほうに位置している上司と、
フラットな意見のやりとりはできにくくなるでしょう」

そこで考える。
「同じパフォーマンスを出す組織が、
『ピラミッド型』じゃなく描けたら、
所属している人たちの意識も、
変わるんじゃないかと思うんですよね」

ヘンリー・ミンツバーグは、
カナダ・マギル大学経営大学院教授。
『人間感覚のマネジメント』のなかで、
組織の6つの基本部分を説明しつつ、
基本のイメージ図を提示し、
それをさらに展開して、
いくつもの組織パターンを解明した。

6つの基本部分は以下。
第1に、「戦略尖」
=組織全体をまとめるマネジャー

第2に「中間ライン」
=作業核と戦略尖をつなぐハイアラキー

第3に「作業核」
=仕事を遂行する人々

これ以外に、
第4に「テクノ構造」
=分析を支援する技術スタッフ

第5に「支援スタッフ」
=組織内部へのその他サービスを提供するスタッフ

そして最後に第6に「イデオロギー」=組織文化

ミンツバーグは、経営における実践を重視し、
さらに芸術的要素や正確な意味での右脳的要素を大切にする。

組織図に関しては。
最近では、マトリックス型の組織イメージまで考案され、
活用されている。

糸井さんはその鋭い感性で、
「向上」や「組織」のイメージ図に対して、
疑問を感じ、提案している。

このアートの要素が、
糸井重里とミンツバーグを繋いでいるのかもしれない。

日本列島の西のほうに、
台風の大きな渦がやって来ていることをイメージしつつ、
東京湾のおぼろ月を眺めながら、
そんなことを考えた。

2012年の9月も、
もう20数時間となった。

<結城義晴>

2012年09月28日(金曜日)

8月の失業率・消費者物価・消費支出とサムの「世間に逆行せよ」

今週はどういうわけか、
疲れた。

9月の商人舎標語。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」

平櫛田中の言葉。

標語をつくって発表しただけでなく、
それを実践した。
「おまんまうまいよ」は、
実感した。

ちょっと太った。
だからかもしれない、
疲れる。

それとも、
季節の変わり目だから?

とにかく今週、
疲れた。

今日も午後、
横浜の商人舎オフィスに出社。

そして夕方、湘南ライナーで池袋へ。
立教大学池袋キャンパス。

ビジネスデザイン研究科委員会。
MBA大学院の教授会のようなもの。

所は15号館マキムホール10階会議室。
16人ほどの先生方が参集して、
後期最初の委員会。
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その10階の通路から池袋の街を臨む。
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眼下には、キャンパスと夕闇の街。
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委員会が終って、
エレベータホール。
笠原英一教授(左)と庄司貴行教授(右)。
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(無断で写真掲載、ご容赦)

私たちの研究室と会議室のあるマキムホール。
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本館にも秋の気配がたっぷり。
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蔦の絡まる立教大学のキャンパス、
夕闇のなかでも美しい。
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どうぞ、ご訪問ください。
ご案内します。

そしてビジネスデザイン研究科にも、
志願してください、入学してください。

2年間の濃密な学習で、
得難い勉強ができますし、
経営管理学修士をとることができます。

もちろん結城義晴の講義も、
1年間たっぷりと受講することができます。
F&Bマーケティングが前期で40時間、
サービスマーケティングは後期で40時間。
2年次にはゼミで学ぶこともできます。

さて今日は総務省から三つの発表。
第1は8月の完全失業率。
季節調整値は4.2%。
前月比0.1ポイント改善。

完全失業者数は272万人、
前月比10万人減。

これは小売りサービス業にとっても、
悪くない数値。

第2は、8月の全国消費者物価指数。
2010年を100として指数化したもので、
生鮮食品を除いたベースで99.6。
前年同月比0.3%ダウン。

カテゴリー別には、
テレビ7.1%マイナス、
冷蔵庫29.6%マイナス。
外国パック旅行価格もマイナス8.5%。

しかしガソリン価格は1.4%プラス。
宿泊料はで7.7%プラス。
昨年夏の震災の影響の反動。

消費者物価指数は、まあ、トントン。

第3は、消費支出で1.8%増。
家計調査では、2人以上の世帯の消費支出は、
1世帯当たり28万6036円。
物価変動の影響を除いた実質で、
前年同月比1.8%プラス。
7カ月連続前年同月をクリア。

この面では好ましい数値が出ている。

「猛暑の影響が大きい」
炭酸飲料やジュースなど飲料への支出が、
前年同月比9.7%増。
発泡酒・ビール風飲料も8.3%増。
自動車購入を含む「交通・通信」は前年同月を8.5%。

ただし住居支出は8.5%マイナス。
8月の消費支出は、いい傾向。

月間の完全失業率、
消費者物価指数、
そして消費支出。

マクロデータを知っておく必要がある。
全体の動きやトレンドは、
個別の動きに決定的な影響を与えるからだ。

法律によって、
生活やビジネスが制約を被ったり、
ご利益を受けたりする。
これは、全体の問題が、
個の問題に影響することの代表例だ。

そんなことが積み重なって、
マクロのデータが出来上がる。

しかしそのトレンドのなかで、
わが店、わが社の政策のユニークさが求められてくる。

ウォルマートの創業者サム・ウォルトンは、
言い残している。

“Swim upstream!”
〈川上に向かって泳げ〉

つまり世間に逆行せよ。

ますますこの傾向は、
強くなってきていると思う。

誰かが「こうせよ!」と先導する。
それにそのまま従うと、
もう手遅れということが多い。

第一、これでは面白くない。

今日、『AJSネットワーク』10月号が、
事務所に届いた。
オール日本スーパーマーケット協会の機関誌。
私は毎月、もう59回、連載を書いている。
「スーパーマーケット応援団長の辛口時評」

今月は「AJS50周年に思う」
今月6日に行われた50周年記念式典に、
参加して感じたこと。

私は同じ方向を目指すことと、
その中で違いを出すことを書いた。

スチュー・レオナードとイータリー。
どちらも時代を画するユニークなスーパーマーケットで、
日本流にいえば、「おかず屋」。
おかず屋である点では、
スチュー・レオナードとイータリーは、
いわば同志といえる。

「両者は正反対のことを主張します。
しかしこれが現代の企業や店舗の
存在価値なのだと思います。

知恵を共同仕入れしつつ、知恵を化学反応させ、
おのおの独自の世界を創り出す。

その差異を否定してはいけないし、
むしろ奨励されなければならない。

自由闊達で、切磋琢磨する。

ほんとうの大学や大学院のような風土が
どんな組織にも求められています。

AJSメンバーの次の50年が、
今、始まったのだと思います」

同じことを学ぶし、
同じ方向を志向する。

しかしそれぞれがやっていることは、
個性的でユニークで、
場合によっては全く正反対。

そんな店や企業や、
経営者や店長、知識商人が、
求められている。

今週も「毎日更新宣言」、
ご愛読くださって、
心から感謝。

良い週末を。

<結城義晴>

2012年09月27日(木曜日)

監督・政治家・経営者の「人間のどろっとした部分」と「品性ある腹芸」

私の好きなスポーツ・コラム、
豊田泰光の「チェンジアップ」。
今日のタイトルは「いい人より勝てる人」

のっけっから、こう始まる。
「阪神の和田豊監督は
きっといい人なのだろう」。

14日の巨人戦でスクイズを仕掛けたが、
失敗して負けた。
監督和田の敗戦の弁。
「1点を取りにいって、
逆に流れを変えてしまったかな」

これに豊田が噛みつく。

「もしそう思ったとしても、
そこまで正直に答える必要はない。

前中日監督の落合博満なら
『みたまま書けばいいだろ』で終わりだろう」

「相手ベンチを疑心暗鬼にさせることのない素直さ、
悪くいえばすごみのなさにより、
心理戦の段階で負けている可能性はある」

この後が豊田らしくて、いい。
「私の知る限り、
勝てる監督は
みんな腹黒かった」

もう一人、今年、
監督デビューした日本ハムの栗山英樹

「そのさわやかなイメージに『腹黒い』はないけれど、
少なくとも相当の腹芸を持っていそう」

栗山は、何度も言う。
「選手を信じてやっている」

豊田は、見抜く。
栗山のこの「美しいフレーズにも、
責任をさりげなく選手に
預けるような微妙な響きがある」

「これをさらっと言えるのが
監督としての資質」
栗山英樹をべた褒め。

そして最後に、和田への注文。
「人間のどろっとした部分を出せれば、
いい監督になるに違いない」

このコラムを読んでいて私は、
昨日の安倍晋三自民党新総裁を思い浮かべた。

「人間のどろっとした部分」
安倍晋三にあるのか、出せるのか。

野田佳彦には、
ペロッとしたしたたかさが垣間見える。
しかしまだ「凄味」は出てこない。

小泉純一郎には、
どろっとしたものがあるのに、
それを感じさせない「凄味」があった。

福田康夫、麻生太郎から、
鳩山由紀夫、菅直人まで、
みんな、「どろっ」が欠如。

それを過剰に有する小沢一郎は、
逆に国民や政治家からの人気が全くない。

人々からの「人気」と、
政治家・リーダーとしての「どろっ」。
両方必要であることは言うまでもない。

さてさて、橋下徹には、
「どろっ」もあるし、
「人気」も一応、ある。
特に関西方面での熱烈な人気。
しかしそれは逆に他の地域では、
不人気であることを表わしている。

政治家がプロ野球監督と、
根本的に違っていることは、
選挙や闘争に勝った結果として、
国家の安泰と国民の幸せを守らねばならない点だ。

中国や韓国との外交においては、
「人間としてのどろっとした部分」や、
いい意味での「腹黒さ」、すなわち「腹芸」は不可欠だ。

そしてこの人間の「どろっ」とした部分、
経営者やトップマネジメントにも、
必須の要件であると思う。

もちろんピーター・ドラッカー先生。
「マネジャーとしてはじめから
身に着けていなければならないものが
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」

私は、特に経営者やリーダーには、
「試練」が必須であると考えている。

試練こそが、
人間に「どろっ」としたものを植え付ける。
いくつになっても、遅くはない。
それを経験しておく必要がある。

失敗の数が多いほど、
人間には「どろっ」したものが定着する。
そして、この試練によって生まれた「どろっ」は、
真摯さと相反するものではない。

もちろん自分の失敗や試練を、
しょっちゅう口に出して、
売り物にする輩は論外であるけれど。

私がよく持ち出す『新約聖書』ローマ人への手紙5章。
「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」

「練達」とは練られた品性のことだが、
艱難⇒忍耐⇒練達となる。

「どろっ」としたものに品性が宿ることがある。
それを「練達」という。
この品性は艱難と忍耐から生まれる。

そして練達から生み出された希望は、
決して失望に終わることがない。

ちなみに「人気」は、
人間の「品性」を土台にしている。

「品性ある腹芸」。
品性ある「人気」と「どろっ」を両方持つこと。

とことん難しい領域だが、
これは挑戦してみる価値がありそうだ。

<結城義晴>

2012年09月26日(水曜日)

横綱日馬富士と安倍自民党総裁誕生の日、平和堂米国研修事前講義

第70代横綱日馬富士が誕生。
口上は「横綱を自覚して、全身全霊で相撲道に精進します」

このところ、モンゴル人の横綱が三代続いた。
朝青龍、白鵬、そして日馬富士。
本名ダワーニャム・ビャンバドルジ。

外国人横綱は、
曙、武蔵丸のハワイ勢とモンゴル勢で、
合計5人。

一方、自民党の第25代総裁には、
安倍晋三元首相が選任された。

このコメントは、
「政権を奪還するのは自民党のためではない。
日本を取り戻し、強く豊かな日本をつくっていくためだ」

「強く豊かな日本」

しかし2007年9月12日に突然の辞任。
「その責任が消えたわけではない。
この責任、経験を胸に刻んで頑張る」

1955年の自民党結党以降、現在まで、
二度の総裁は、今回が初めて。

さて安倍さんが退任した翌日、
私はブログを書いていた。

どんな内容だったのか。
自分でも興味があった。

2007年9月13日(木曜日)
安倍晋三総理、辞意表明の日
「誰がために」と「我がために」

この日、私はザ・リッツ・カールトン大阪で講演。

㈱商業界を退任して、最初の講演。
いやがうえにも、気分は高まり、士気高揚。

平和堂・夏原平和社長が、
わざわざこの講演を聴きに来てくれた。

私は平和堂の言葉を思い出した。
「商人よ、正人であれ」
商業界の同友・故成瀬義一先生の言葉。

この言葉と安倍退陣を結びつけた。
「政治家よ、正人であれ」

「正義」はひとつ。
正義は、共有できるし、
共有しなければならない。

何のために。
誰のために。

何のために、正しくあらねばならないかと考えると、
どうしても答えは、抽象的になる。

だから、誰のために、
私は正しくあらねばならないか、と考える。
すると、正義は、見えてくる。

安倍氏は「国民のために正人でなければならない」

「誰のために」が明確な職業人は、幸せである。

だから本来、安倍総理は、
日本でもっとも幸せな人でなければならない。
なのに、なぜ、
あんなに不幸せそうな顔をしていたのか。
悲しそうな顔だったのか。

「誰のために」がだんだん、
不明瞭になってしまったのだろうか。

これだけははっきりとしている。
「我がために」と考えるところには、
正義はない。薄い。
そして、そこには幸せはやってこない。

「商人よ、正人であれ」の場合の、
「誰がために」は、明白である。

「客のために」
「私のカスタマーのために」
「我が店のロイヤルカスタマーのために」

「誰がために」がはっきりしているから、
商人は幸せなのである。
安倍総理と同じくらいに幸せなはずなのである。

だから商人は、不幸せな顔をしてはならない。
商人は、悲しい顔を見せてはならない。

不幸そうな顔をした安倍総理、
悲しそうな顔だった安倍総理。

いま、第25代自民党総裁として、
復活。

「政治家よ、正人であれ」
ふたたびこの言葉を贈ろう。

さてまったく偶然にも、
安倍総裁誕生の今日、
私は滋賀県彦根市で講演。

㈱平和堂のアメリカ研修のプログラムの一環で、
7月に派遣された今年第1回メンバーの視察報告と、
10月研修に参加する第2回のための事前勉強会。20120926183218.jpg

会場には、
夏の第1班36名、秋の第2班42名、計78名に加え、
前列には経営幹部の皆さん12名が参集。
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はじめに永井敬一さんがアメリカ研修派遣の趣旨を説明。
教育人事部教育採用課長。
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そして今年夏の派遣者からの研修報告。
7つのチームに班分けされて、
各チームが課題を設けて視察研修を行った。
その課題報告と、仕事への取り組みや会社への提案を、
各チーム代表が発表。

その報告に対し、参加者から質疑応答がある。20120926183127.jpg

経営幹部からも、同じ研修会参加者からも、
次々に質問が飛ぶ。
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もちろん、私が最後に、発表に対する講評を述べる。
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第2回の派遣者は、そのやり取りを聞いて、
渡米前に課題を知り、学ぶ。

最後は、専務取締役の古川幸一さんのまとめ。
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こうして午前の報告会は終了。

ここで経営幹部の皆さんは退席。

右から専務取締役の中田俊数さん、
営業統括本部長。
今日は鋭い質問を投げかけた。
そして古川さん。
私の左隣は福嶋繁部長、
コーネル・ジャパン第3期生。
一番左が人事教育部部長の本持真二さん。20120926183045.jpg

午後は、今年秋の派遣者メンバーだけが残り、
私の事前講義と課題ディスカッションの時間。
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私は、なぜ、アメリカに学ぶのか、
何をどのように学ぶのかをレクチャー。
いつものように「虫の目」「鳥の目」「魚の目」で、
物事を見ることの大切さを説いた。
「心の目」で感じ取ることの重要さを語った。

秋の参加者は、各々の課題を持ち寄り、
チームとしての共通課題を決める。
90分に及ぶディスカッション風景。
みんな真剣。
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各チームが共通課題を発表したあとで、
ふたたび、それに対する私の講評。
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秋の団長・山本喜敬さんが、
最後にあいさつ。
アルプラザ八日市支配人。
『店ドラ』を持ち出して、
研修前の予習や準備を訴えてくれた。
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最後に、全員からのご挨拶。
一日お疲れ様でした。
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最後の最後は山本団長、人事教育部のお二人と写真。
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10月のアメリカ研修が今から楽しみだ。

商人は、不幸せな顔をしてはならない。
商人は、悲しい顔を見せてはならない。

<結城義晴>

2012年09月25日(火曜日)

ダイナム香港上場「初物尽くし」と星野リゾート「発散と充電」

昨夜の雨は激しかった。
東京・池袋の立教大学キャンパスにいて、
その後、サービスマーケティング講義終了後、
履修生たちと大学周辺で飲んでいるときにも、
大雨に見舞われた。

一雨ごとに、秋は深まる。

その立教大学池袋キャンパスに、
コーヒーショップ「タリーズ」がオープン。
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これは素直に、喜ばしい。

さて昨日のブログで、間違いをした。
中田秀幸さんからご指摘いただいて、
すぐに訂正した。
感謝したい。

日本チェーンストア協会の8月販売統計が、
7月のデータとなっていた。

7月は前年同月比マイナス4.9%、
8月はそれがマイナス1.3%。

心からお詫びして、
訂正します。

しかし7月は本当に悪かった。

8月は食品スーパーマーケットがマイナス1.6%、
総合スーパーとコンビニがマイナス1.3%、
百貨店がマイナス1.0%。

マイナス争いのトレンドで、
食品スーパーマーケットが一番悪かった。

さて昨日は、午後2時から、
PTB有識者懇談会。
PTBとは、一般社団法人パチンコ・トラスティ・ボードのこと。

パチンコホール経営企業の社会的地位向上を目指して活動する、
業界外の有識者・専門家による組織。

有識者懇談会は、
座長に、和田裕先生。
株式会社日本イノベーション代表取締役社長で、
流通業界で言えば故上野光平先生のような存在。

委員に元日刊工業新聞論説委員の岩崎秀雄さん、
ネットプレス株式会社代表取締役社長。
元経団連事務総長の三好正也さん、
株式会社ミヨシ・ネットワークス代表取締役会長。
元インドネシア大使の川上隆朗さん。

嘉悦大学経営経済学部教授の黒瀬直宏さん、
早稲田大学ビジネススクール教授の永井猛さん。

元東京証券取引所上場部上場審査室長の谷合孝昭さん、
元株式会社ジャスダック取締役兼執行役員の牛島憲明さん。

UIゼンセン同盟常任中央執行委員の内堀良雄さん、
生活・総合産業部会事務局長。
そして弁護士の三堀清さん。

私はPTB発足のときから、委員を務めている。

このメンバーに、
PTB第三者評価委員会委員長の横山和夫先生が加わる。
公認会計士で前東京理科大学教授。

はじめに、
㈱ダイナムジャパンホールディングスの上場の報告。
8月6日、香港証券取引所メインボードに上場。
7分のビデオが流された。
20120925142031.JPG
香港証券取引所は、
世界で7番目の時価総額を持つ。

アジアでは東京、上海に次ぐ3番目。
ニューヨークの二つの取引所が、世界第1と第2。
東京が第3位。
ロンドンが第4位で、パリが第5位。
そして第6位の上海に次いで、香港。

香港証券取引所は、
東証よりもリーガル性(合法性)を重視する。
国際会計基準(IFRS)も遵守する。

ダイナムジャパンは過去5年間、
PTB評価委員会で財務、法務、
あらゆる側面からの監視と評価を受け続けた。
東証一部の上場企業とそん色ないという評価を得ていた。

それがコンプライアンス面の充実・強化につながり、
香港上場にも大きな役割を果たした。

香港取引所メインボードへのプライマリー上場第一号。
「プライマリー市場」とは、
株式が発行されて「最初に」投資家に売られるマーケット。

そしてパチンコホール初の株式上場。
有識者懇談会は、
第4弾メッセージの内容と文面が、
9割がた出来上がり、
その最終確認と意見交換の会議となった。

その後、立教大学14号館D602教室で、
サービスマーケティングの第1回講義。
90分の講義を2回。
15分の休憩を入れて、3時間話す。

来年1月21日まで、よろしく。

講義終了後、有志と一献。
いつもは必ず、卒業生を含めた聴講生が加わるが、
昨日は純粋履修生の大学院2年生だけで、
これはこれでとてもよかった。

そして今日、午前中は、
東京・大門でCCLの役員会。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
“Quick Search”と呼ぶ新しいシステムが開発され、
このデモも見せてもらった。

極めて使いやすいし、
ID-POSを活用したマーケティングが、
多様に展開できる。

私が指摘していた「ゼロ戦化現象」
この領域のシステム開発で陥りがちな現象。
それを脱するシステムの開発。

難しいことを易しく、
易しいことを面白く。
面白いことをより深く。

まずは、難しいことを易しく。
これです。

さて日経新聞連載の「経営塾・星野リゾート」が、
今日で終了。

社長の星野佳路さんの語りで、
昨日の第4回がよかった。

タイトルは「人事管理に社員自ら参画」。
つくづく、サービス業は、
マネジメントが大事だと教えてくれる。

星野リゾートの本社は長野県軽井沢市。
しかし全国で地方旅館やリゾートホテルを運営している。
だから正社員約1600人のうち、
地方勤務は約1500人。

この条件のなかで、優秀な人材を確保する。

そのために目指すのは、
「フラットな人間関係を持つ組織文化」
規模が大きくなっても、これが欠かせない。

そのために第1に、管理職は立候補制。
「学歴、職歴、性別に関係なく、
なりたい人に手を挙げてもらう」

星野さんは理想を語る。
「会社だけが人事を管理するのではなく、
各個人も自らのキャリア管理に参画する」

だから第2に、「管理職から降りるのも自由」
「給料は役職や貢献度の変化に合わせて上下する」

こうした動きを「昇格」とか「降格」と呼ばず、
「発散と充電」と称する。

荒井伸也さんがサミット㈱でやっていたことと相通ずる。
サミットでは「小錦の幸せ」と呼んだ。
かつて大関の小錦は降級しても、
相撲を撮り続けた。
ここには小錦の幸せがあるはずだ。

星野リゾートは同じように、
「降格」を「充電」と呼ぶ。

「社員は子育てや勉強など、
仕事以外のことの優先順位を高くしたいときもある」

目指すのは、
「多様な価値観や人生の中での優先順位の変化」に、
対応できる会社の在り方。

第3に、身分に関係なく、
必要な議論に参加できる。

正社員、パートタイマー、アルバイトの別はない。

「全員がメールアドレスを持ち、
情報の流れに垣根を設けず、
言いたいことを言いたい人に言える」
そんな「組織文化を築く」。

星野リゾートのマネジメント。
理想主義ではあるが、
それを貫くとイノベーションが起こる。

つまり従業員満足と顧客満足の一致。

世界に通用するホテル&リゾート企業づくり。
そのためのマネジメント改革。

理想主義に、
「過ぎたるは及ばざるがごとし」はない。
実現させさえすれば。
実現のめどが立っていれば。

これは昨日のサービスマーケティングの講義の趣旨と、
シンクロしている。

<結城義晴>

2012年09月24日(月曜日)

8月販売統計は百貨店・総合スーパー・コンビニ・食品SM皆▲1%台

Everybody! Good Monday!
[2012vol39]

2012年第39週。
もう9月最終週。
9月が行くのは速かった。

急に秋が深まった感じ。

いいこともいくつかありて夏終る
〈日経俳壇 横浜・神尾幸子〉

秋の日の ヴィオロンの 溜息の
身に沁みて ひたぶるに うら悲し

〈ポール・ヴェルレーヌ作、堀口大学訳〉

ちょっと秋めいてくると、
こんな感情が湧いてくるから不思議。

でも、9月の商人舎標語。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」

この心意気も忘れ難い。

秋分の日が終り、
彼岸が過ぎた。

秋灯や昼より長き夜の橋
〈日経俳壇 堺・野口康子〉

昼が短くなり、夜が長くなる。
橋も夜、長く見える。

実は今、その境目にあるが、
気分は急激に、秋。

来週月曜日からもう10月。

さて、商人舎秋のUSA研修会、
Specialコースのダラス・ワシントン・ニューヨーク。
定員となりました。
ありがとうございました。
これにて締め切ります。

次のUSA研修会は、
来年5月のBasicコースとなります。

残る今年のセミナーは、
第2回商人舎ミドルマネジメント研修会。
11月13日・14日・15日。
2泊3日の完全合宿制。
ミドルマネジメントが、
人が変わったように仕事に精を出し、
仕事が面白くなり、
イノベーションに立ち向かう。

そしてそれが、長く長く続く。

そんな研修会。
第1回は大好評でしたが、
さらに改善・改良を加えて、
最高水準を引き上げています。

先生方も大張り切りで、
準備を進めています。

是非のご参加を。

さて今週は、秋本番。
日曜日の9月30日が十五夜。

それでも地域によっては秋の長雨も続いたり、
天候不順。

ブログ「常盤勝美の2週間天気予報」、
ご愛読ください。

明日の25日、ニューヨークの国連総会で、
バラク・オバマ米国大統領が一般討論演説。
続いて明後日の26日(水曜日)、
日本の野田佳彦首相が一般討論演説。

この日、自民党総裁選。
石破前政調会長、石原幹事長が激しく競い、
何だか変な感覚だが、安倍元首相も急追。

そして土曜29日、日曜30日は、
月見気分。

ほんとうにいい季節。

私の今週のスケジュールは、
今日午後2時から、
東銀座でPTB有識者懇談会。
PTBはパチンコトラスティボード。
パチンコホール業界の健全化産業化を果たすための第三者機関。
その有識者の会議体。

夕方から、立教大学。
ビジネスデザイン研究科の後期授業が始まる。
後期はサービスマーケティング。
来年の2月までの半年間。

明日は午前中、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱の役員会。
明後日は滋賀県の彦根で、
平和堂アメリカ研修会事前講義。

週末の金曜日は、
立教ビジネスデザイン研究科委員会。
これは教授会のようなもの。

まあまあ、ゆっくりと、
一つひとつ仕事していきます。

今日は、8月度の小売業の動向。
各協会の販売統計が今日、出揃った。

最初は、日本百貨店協会発表。
8月の全国百貨店売上高概況。

総売上高 4195億1974万円、
既存店前年同月比はわずかにマイナス1.0%。
4カ月連続マイナスながら、ほぼ例年並み。

地区別の増収は、東京。
さらに改装が終了した名古屋・神戸エリアがプラスに転じた。

商品別では、
8カ月好調の家電に加え、
紳士・婦人服・洋品、衣料品、化粧品がプラス。
季節を先取りした秋物商材は不調だったが、
猛暑により夏物需要が高まった。

帽子・サングラス・日傘等の盛夏商材も、
売上げを押し上げた。

惣菜1.3%、サービス0.8%は堅調。

回復傾向にある訪日外国人需要は、
売上げ・客数ともに前年対比約4割増と、
前月を上回る伸び。

ただし、中国問題で、9月以降は不透明。

次に日本フランチャイズチェーン協会発表、
コンビニエンスストア統計調査月報。

全店ベースでは8259億4700万円。
全国的に平均気温が高く、
広い範囲で猛暑日となる状態が続き、
夏物商材を中心に好調な売れ行きとなった。

ただし、昨年好調だったタバコ販売の反動もあり、
既存店売上高は前年を回復するまでには至らず。

既存店ベースでは
売上高7525億2300万円で、
前年同月比マイナス1.3。
来店客数12億5449万人、マイナス0.6%、
平均客単価600円、マイナス0.7%、
3カ月連続でマイナス。

ただし旺盛な出店増で、
全店では11カ月連続のプラス。

商品部門別の前年同月比。
日配食品は 6.0%、
加工食品は 5.1%、
非食品は0.5%がプラス、
サービスだけがマイナス4.9%となった。

そして先週金曜日に発表されたのが、
スーパーマーケット販売統計
日本スーパーマーケット協会、
オール日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会、
3団体の合計。

8月の総売上高は8429億4313万円で、
既存店前年同月比はマイナス1.6%。

食品合計は7306億5102万円で、マイナス1.5%。
生鮮3部門合計は2571億3101万円、マイナス2.6%。
うち、青果が1050億7202万円、マイナス2.7%、
水産が721億4171万円、マイナス4.0%、
畜産が799億1728万円、マイナス1.3%。

惣菜部門は811億9749万円で、マイナス0.2%。
日配が1575億0966万円で、マイナス1.5%、
一般食品2348億1286万円の、マイナス0.8%。

そして非食品は729億8391万円、マイナス1.8%。
その他383億0820万円でマイナス0.8%。

食品スーパーマーケットは、
全部門がマイナス。

概況を説明したのは、大塚明さん。
日本スーパーマーケット協会専務理事。
20120922132729.jpg
「7月に比べて数値は改善。
年間でも、上半期においても
8月は利益面で貢献する重要な月。
トレンドから言うと、
改善が図られたのでないかと、
少しほっとした」

「お盆はトータルでは前年に比べてプラス。
11・12日の土日がピークで、その反動か、
13日は売上げがつくれなかった」

「低価格商品に消費が移行している。
主だったスーパーマーケットに聞いても、
一昨年以降のこの低価格化の動きと戦うのが極めて難しい。
プライベートブランドの力の差もあり、
価格競争の激化に対応が遅れた企業では、
厳しい結果がでている」

「ドラッグストアやコンビニにも客がとられている。
いまスーパーマーケット業界には、
何十年か前の総合スーパーの傾向が見て取れるのではないか」

今夏はオリンピック年。
内食需要が伸びる追い風にもかかわらず、
マイナスのトレンドは改善されなかった。
この秋の商戦への取り組みは、
ふんどしを締め直してかからねばならない。

ゲストスピーカーは、
㈱ウオロク社長の葛見久則さん。
新潟をドミナントに
ウオロク33店、ウオマサ1店を展開し、
年商627億2400万円 (2012年3月期)。
20120922132742.jpg
「創業は昭和37年で、
今年スーパーマーケット開業50周年。
4年前に社長になった時から、
創業の精神を大事に、
パートナー社員を含めて皆が、
商売人にならなければならないと言っている」

「昨年の大震災の時、製配販が力を発揮していた。
我々が商っている産業、商売は大事だと強く思った」

「パートナー社員の皆さんで成り立っている商売。
皆に楽しく仕事をしていただく体制づくりが大事。
小集団活動を通して、
どうしたらお客様に喜んでいただけるのかを、
パートナー社員に自由に議論させ、
積極的に取り組んでもらっている」

「よいものは全社で共有。
さらに、評価制度を設け、
賃金体系へと反映させている」

「大事なことは、
仕事を通じて喜びを知る、
楽しさを知ること

それがひいては売上げ増、客数増につながる」

お客はどういう商品を嗜好しているのか。
「ひとつは、素材から惣菜、加工度の高い商品へと移行している。
生鮮でも加工度が高いものが動いている。
たとえば魚は丸物より切り身、
さらに焼くだけでいい味付けされた切り身へと、
簡便なものへのニーズが強い。
青果でもカット野菜が大きな伸びを示している」

加工度が高まればコストアップ要因となる。
ウオロクでは、値入コントロール、
作業改善のための現場教育、
PCセンター納品の強化などで対応している。

「もう一つの傾向は、全体的に低単価の商品へのシフト。
2000~3000円だったものが
1980円、1580円、980円へと価格軸が変わってきた。
量目の問題もあるだろうが、単価は下がっている」

「一方で、5000円クラスの商品も伸びているし、
美味しいものへの需要はある。
商品の価値にあった価格であれば売れる。
その対応が大事」
20120922132750.jpg

ウオロクは150坪サイズのスーパーマーケットから、
ホームセンター併設のスーパーセンター4500坪まで
郊外化、衣食住フルライン化、大型化を志向した時期もあった。

しかし、現在は、
食品でしっかり商売をしようと戦略を転換。
「住宅地で面積がとれない時は300坪だが、
普通は600坪サイズ。
市場がシュリンクする中で
適切な売上げを上げられる立地が限られてきている。
600坪では17~18億円売り上げないと採算が合わない。
そこで450坪サイズをこの秋、実験的に出店する。
基本のフォーマットを2つか、3つのタイプとして、
出店展開していきたい」
これはマルチ・フォーマット戦略。

新潟県内ではスーパーマーケットの出店が加速している。
CGC企業同士でも競争が激しくなっている。
最近はディスカウント業態で商売する企業も増えた。
昨今の低価格化によって、
「CGCのPB商品が差別化になっていない」
より一層安く仕入れるために、
新潟県下のCGC企業が共同する動きもある。

大塚専務理事の販売統計の補足。
「客数低下のなかで、
上位集中が進んでいる」

最後に、今日発表の日本チェーストア協会から、
チェーンストア販売統計月報
総合スーパーの状況を把握できる数値。

総販売額は1兆0417億2913万円。
既存店前年同月比では、
マイナス1.3%

食料品の販売額は6660億4636万円、
衣料品は979億9407万円、
住関品が2111億2828万円。
前年と比較すると、衣料品はプラス0.8%、
住関連もわずかにマイナス0.1と回復。
食料品だけが、マイナス1.5%。

気温が高めに推移し、夏物衣料、夏物商材は好調に推移。
しかし、野菜の相場安に伴う農産品の苦戦や
さんまの不漁などで水産品が不調となるなど、
食料品が苦戦。

結果、総販売額は6カ月連続で前年同月を下回った。

前年対比の売上げ数値を悪い方から並べると、
食品スーパーマーケットはマイナス1.6%。
総合スーパーはマイナス1.3%、

コンビニもマイナス1.3%。
そして百貨店がマイナス1.0%。

10月からの3カ月商戦。
ダウントレンドのなかで、
やはりふんどしを締め直す必要がある。

まずは、今週から。
では、みなさん、
Good Monday!

<結城義晴>

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