結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年09月22日(土曜日)

スマホ普及とネット接続の死角消滅、ノンストアリテイリングの可能性

秋分の日。

「秋めいてきた」と書いた途端、
秋そのものの陽気となった。

それもまた、すごく、いい。

自分が生まれた時だからだろうか、
9月の、夏から秋への移行期、
私は大好きだ。

今年は遅いと言われながら、
その秋を象徴する「秋分の日」に、
東京・横浜で、ほんとうに秋らしくなった。

秋分の日は春分の日と同じで、
昼と夜がほぼ半々。
実際は、昼が平均約14分、長い。

それでも「秋」を「分ける」と書くだけあって、
天候の区切りとして、気持ちの分け目として、
ふさわしい日だ。

日経新聞『春秋』が取り上げた。
「9月22日が『秋分日』になったのは
116年ぶり」

たいていは23日。

何故秋分の日が変わるのかと言えば、
国立天文台算出の「秋分日」をもとに、
毎年2月に閣議決定されるから。

「来年は23日に戻るが
4年後にはまた22日になる見込みだ」

そして22日が秋分の日という年は増えていく。
「今世紀の半ばごろから2年に1度、
終盤には4年に3度くらいのペースになるらしい」

結語は「やはり天文学は奥深い、というべきか」と、
あっけなくて、つまらない。

秋分の日は、また、そんな日かもしれない。

一方、朝日新聞の巻頭言『天声人語』。
昨日の民主党戦の野田三選をもじった。

「童謡の『どんぐりころころ』にも
たとえられる民主党の代表選だった。
三つのどんぐりがお池にころがり、
どじょうと戯(たわむ)れた」

巧すぎる!
座布団三枚。

どんぐりころころ ドンブリコ
お池にはまって さあたいへん
どじょうがでてきて こんにちは
坊ちゃん一緒に 遊びましょう

原口、赤松、鹿野の三候補がどんぐり。
その背比べは、五十歩百歩。
お池にドンブリコとはまって、
そこへどじょう宰相が出てきて「こんにちは」。
あとは「一緒にあそびましょう」。

ちなみに、この歌は、
作詞・青木存義、作曲・梁田貞。
大正時代の「赤い鳥運動」真っただ中につくられ、
戦後、小学校の教科書に採用されて普及。
金田一春彦は「日本三大童謡の一つ」と高く評価。

「ドンブリコ」と「ぼっちゃん」が、
擬音の掛詞(かけことば)のようになっていて、
それが考え落ちで面白い。

『天声人語』は、手厳しい。
「といっても、しょせんはお池の中の争い。
外に出れば、世間の風当たりはいまや暴風なみだ」

「腰の定まらぬ政治の責任は大きい。
外から敬意を持たれ、信頼される政府を持てないものか。
高望みなら、せめて平均点で機能する政治がほしい。
民主にせよ自民にせよ、それとも他にせよ」

ただしどうやら朝日新聞とても、
誰にやらせたら道が開けるとは、
明言できないらしい。

私は、首相になった者、
首相である者に、
全面協力して、
全力を発揮させるしかない
と思っている。

さて、今日は朝から、
東京・新座の立教大学。
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キャンパスを運動部の選手が疾走する。
見ているだけで気分がよくなる。

そのキャンパスのはずれにある合宿所。
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太刀川交流記念会館。
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立教大学の施設だが、
大学院ビジネスデザイン研究科の結城ゼミは、
もう一番の常連。
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静かで快適な環境のなかで、
2日間、研究執筆合宿。

私はみんなの話を聞き、
読書や執筆のそばに付き添い、
ときどき相談に乗る。
自分も執筆する。

静かで、心地よい時間。

さて、日経新聞に、
「ネット接続、『死角』消す」の記事。

東京メトロは全線全区間の車内で、
サイト閲覧を可能にする。
それも2012年年内のこと。

皮切りは、今年3月南北線の一部区間。
8月末には日比谷線の日比谷―中目黒など4区間、
9月13日には銀座線の銀座―神田など2区間。
都営地下鉄も年内に整備を進める。

携帯電話の電波を使う。
それをスマホを持っている人なら、
だれでも利用できる。

社団法人移動通信基盤整備協会は、
トンネル内に通信設備を設置する。
さらに大阪・名古屋の地下鉄路線にも広げる。

地上路線のトンネル部分でも、
東京急行電鉄は田園都市線・目黒線の一部区間で整備。
京王電鉄もネット利用を可能にした。

空の便は、日航が、
ニューヨーク線で有料の無線LANサービスを開始。
スマホで地上と同様のサイト閲覧ができる。
全日空も来年夏から欧米路線とアジア路線で部分的導入。

さらに洋上でも、
商船三井客船の「にっぽん丸」が
船内に無線LANの環境を整備。
郵船クルーズの「飛鳥2」も
船内の一角でネット有料サービスを提供。

すごい勢いで死角が消えている。
それもスマホ対応。

同じく日経の記事。
「競うネット通販スマホを狙え(下)」

イオンは、9月上旬、
インターネット・ショッピングを本格的にスタート。

Eコマース事業最高経営責任者は小玉毅さん。
イオンリンク㈱社長にして
㈱ダイレクト社長。

前者の役割は、
①インターネットを利用したサイトの開発・運営、
②eコマース事業のフルフィルメント&コンサルティング事業、
③顧客情報管理&マーケティング代行事業

後者は、通信販売業で、
TVショッピング、カタログショッピング、ネットショッピング。

その小玉さんのコメント。
「ネット通販では出遅れたが、
スマホに経営資源を集中して挽回する」。

イオンの強みは、
年間延べ20億人分に上る購入客のPOSデータと、
約2100万枚のカード会員の顧客属性データ。

会員別に特典や商品情報を提供する計画だ。

約700人の担当者が今、急ピッチで、
システム構築を進めている。

「ショールーミング」は、
実店舗で商品を触った後に、
割安な通販サイトで購入すること。

ウォルマートの「ピックアップ・トゥデイ」は、
同じ商品が低価格で販売されているネットで購買・決済し、
日時と店舗を指定して、店舗に受け取りに行く方法。
これは「小売り側が消費者をつなぎ留めるツール」。

イオンは実店舗とインターネットの融合を目指す。

NTTドコモの加藤薫社長の発言。
「アマゾン・ドット・コムのような存在を目指す」

野菜通販の「らでぃっしゅぼーや」「タワーレコード」などを子会社化。
「年内にスマホ向けサイト『dマーケット』で、
食品や健康機器などの販売を始める」

NTTドコモの優位性は「決済面での利便性」

さらにカタログ通販の千趣会。
「スマホとカタログの連携」を狙う。
AR(拡張現実)技術を活用し、
「写真では伝えきれない質感や商品特性を訴求」

「アマゾンと楽天の2強体制」。
これがネット通販業界の趨勢。
そこにスマホの登場。

小売業もカタログビジネスも、通信業も、
自らの強みを活かして、
ノンストアリテイリング・マーケットに参入する。

しかし私はストア&ノンストア・リテイリングこそ、
一番強い機能だと思う。

アマゾンと楽天を、
そこから急追するヒーローが登場する気がする。

<結城義晴>

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