結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年11月03日(土曜日)

全米80位ハリスティーター社長フレッド・モーガントールに出会う

アメリカも日本も11月3日。
アメリカ・ニューヨーク市一帯は、
巨大ハリケーン「サンディ」の被害に遭った。

日本は文化の日。
しかし土曜日と重なった。

サンディの被害は広範だった。
小売店舗にも被害を及ぼした。

ウォルマートは直撃後は267店舗を閉鎖、
しかし1日で190店近くが回復。

小型店展開のウォルグリーンは、
最大750店舗閉鎖。

しかしこちらも1日で、200店以上を復活させた。

ウォルマートは2005年のカトリーナ来襲時に大活躍し、
その後、対策マニュアルも充実して、
「グローバル・エマージェンシー・マネジメント」セクション中心に、
今回も素早い対応だった。

私たちは今日、
ワシントンDCから鉄道で、
そのニューヨークに向かう。

昨日のワシントンDC滞在2日目は、
忙しかったし、サプライズの出会いもあった。

朝8時に専用バスに乗り込み、
ワシントンDC郊外のフェアファックスへ。
一昨日は東側、昨日は西側のエリアを視察。

ポトマック川には秋の日差し。
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フェアファックスまでの道中小一時間は、
もちろん車中講義。
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そして見えてきましたウェグマンズ。
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私が重要だと考える企業には、3回は訪れる。
ウェグマンズ2店目の訪問。
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地下の6400平方フィート(180坪)の酒売り場で話を聞く。
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応じてくれたのはアート店長。
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ワインは国別、品種別、価格別などの分類ごとに、
工夫のある提案。

ショップ入口にはお勧めの10ドル以下のワインのボリューム陳列。
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朝からの対応に感謝。
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インタビューへの感謝の意から、
皆、1本2本と次々にワインを購入。

フードサービス部門は昼食需要に合わせ、
料理の仕込みや陳列で忙しく立ち働いている。
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インストアベーカリー売り場で作業する二人。
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チーズとクリームをのせたパン種を、
一気にロールしていく。
お客の前で調理作業を行って目で楽しませる。
エンターテインメントそのもの。
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酒売り場と連動したワイン販促が売り場の随所にある。
店舗入り口では6ドルワインの提案。
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奥主通路のデリ売り場のそばでは、
10ドル以下ワイン、20ドル以下ワインの大量陳列。
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ウェグマンズでは食べる楽しさ、食べ物の美しさを、
商品で、メニューで、情報で、
そして体験させることでお客に訴えている。
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これはチーズのカッティング試食を告知するディスプレイ。
11月3日11時に実施と告知するパネルボード。
美しい書体で書かれている。
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さてニューヨーク州に本拠を置くウェグマンズの出店を、
迎え撃つのがハリスティーターとジャイアントフーズ。

先に向かったのは、ハリスティーター。
いわゆるアップスケール型を志向するスーパーマーケット。
年商48億2600万ドル、204店舗。
全米チェーンストアランキング80位。
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スーパーマーケットでは、
66位にウェグマンズ、
75位にセイブマート、
78位にウィンコ・フーズ、
そして82位の分解されたアルバートソンが位置する。

ハリスティーターもなかなかの企業。

売り場はショップ形式で構成されている。

各売り場にはデザインの異なる屋根や欄間を設けて、
独立した専門店の集合体に見せている。

入り口すぐに専門店のような花売り場。
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「ファーマーズマーケット」と呼ぶ青果売り場。
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デリやミート部門は対面式。
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アーチ形に凝った天井の下ではビールなどの酒を展開。
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視察中にサプライズ。
ハリスティーターの会長兼CEOのフレッド・モーガントール氏が、
部下を数人引き連れて臨店。

すかさず浅野秀二さんがあいさつ代わりのインタビュー。
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そして記念写真。私の隣がフレッド氏。
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さらにジャイアントフーズ。
オランダ・アホールドグループ傘下のアホールドUSAが運営する。
東海岸中部3州とワシントンDCでドミナントを図る。
ローコスト型のスーパーマーケット。
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入り口を入ってすぐの壁面にキャンベルスープのディスプレイ。
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店づくりはコンベンショナル型の典型。
そのリニューアルしたばかりの店舗。

価格訴求で固定客を持つ。
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改装直後で、設備は真新しいし、
床はピカピカ。
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ジャイアントフードはこの地元エリアで
最も高い市場シェア率、32.0%を誇る。

処方箋薬局にはしっかりとお客がついている。
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それにしても、店内にスタッフの数が多いし、
売り場が整然としている。
こちらもCEOでも来るのかと思いきや、
ライバルのフレッド・モーガントール氏の臨店情報が伝わっていた。

アメリカでもトップの店回りは大騒ぎとなる。
競合企業までも巻き込んで。

そしてウォルマート・スーパーセンター。
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ウォルマートはCEOの店舗訪問でも、
ひっそりと単独行。
大騒ぎはしない。

私、かつて静岡の沼津店で、
第3代目CEOのリー・スコットに出会った。

通訳を一人だけ連れて、
突然の訪問だった。

そのウォルマートの改装したばかりのスーパーセンター。
なぜかロゴの花びらのマークが小さい。
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入ってみて驚いた。
売り場のいたるところで、
意欲的な実験がなされていたのだ。
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ノンフードの売り場はアクションアレイ・スタイル。
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陳列線が通路側を向いている。
コーナー化した売り場。

生地のカッティング販売の売り場は大きなスペースがとられていた。
お客の相談にアドバイスしながら対面で販売する。
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食品売り場もさまざまな仕掛けが施されている。
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生鮮食品の動線にアクションアレーを増やしたり、
斜めにオープン平ケースをセットしたり。

実験をしておいて、
データをとりつつ、
改善を試みる。

成功したら水平展開をする。

私は何よりもウォルマートの意欲を感じた。
「完全復活」は結果の数値がよくなることではない。
イノベーションの気運が、
社内に盛り上がることなのだ。

この店、しばらくは定点観測が必要だ。

次にウォルマートのそばのウェグマンズへ。
3店目の視察。

私は野菜中心のデリメニューとスープでランチ。
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フードサービス部門では、ターキーの試食販売のデモ。
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早くも、感謝祭に向けて、
メニュー提案をしている。

さらにカフェへの階段には、
「ファミリー・ムービー・ナイト」のお知らせ。
ウェグマンズカフェで映画を見ながら、
食事をしてもらおうという販促。
地元密着の企画だ。
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そんなことに感心しつつ晩秋の空を見上げる。
風が出るとやはり冷える。
ダラスの28度が懐かしい。
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郊外エリアの視察を終え、
ダウンタウンに戻る。
まずはトレーダー・ジョー。
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入り口にはジョージ・ワシントンの、
ハワイアンスタイルのイラスト。
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店内はごらんのように大人気。
レジには長蛇の列。
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奥主通路までお客が並ぶ。
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まだまだ並ぶ。
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一列に並ばせて長蛇の列になっても、
お客は文句ひとつ言わないし、帰らない。
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記念に店頭で写真撮影。
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そしてワシントン最後の視察店ホールフーズ。
店のそばで消防車が集まって大渋滞。
何やら、不穏な雰囲気。
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それでも店は相変わらず大繁盛。
店内ツアーをしてもらう。
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多層階店舗に必ず設置されているエスカレーター。
カートは右のレーン、
お客はエスカレーターで上がる。
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これ、ダラスのウォルマートでも採用していた。
スーパーセンターとサムズの2層店舗で、
1階と上階をつなぐエスカレーターが同じもの。
多層階店舗のカートショッピングを便利にする設備。

われわれは普通に地上階へ上がる。
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そしてキャロリン・ジェシカさんとツーショット。
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ついでに参加者を代表し、独身の安島英城くんも。
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ワシントンDCの店舗視察も無事終了。
せっかくワシントンDCに来て、
何も見ないのはもったいない。

リンカーン記念館に行ってみようと、
バスに乗車した途端に、エンジントラブル。

全く回復の見込みなし。
代わりのバスが来るのを待っていたら、
時間が間に合わない。

そこで歩いて向かうことにした。
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これが疲れた体にはいい刺激になった。

街並みを眺めながらの散策は、意外に好評。
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見えてきました、
パルテノン神殿のような、
白亜のリンカーン記念館。
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お決まりの階段での全員記念写真。
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団長の重田博さんと写真。
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㈱ユニバース取締役商品部長。

代車がやってきた。
昨日の派手なバス。
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その車窓から見たメモリアルタワー。
晩秋の空、雲、木々。
ワシントンDCは美しい街だ。
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そしてホテルに戻ると早速、
第3回セミナー。
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コモディティとノンコモディティの商品戦略、
企業のマーチャンダイジング戦略、
PB商品の整理と開発の課題などなど、
商品問題を中心に2時間。

途中、滑舌があやしくなったり、
笑いが抑えられなくなったり、
少々疲労によるハイテンション。
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今日は、バストラブルもあったが、
参加者の皆のおかげで、
無事に一日を終了。
今日も充実していた。

11月の商人舎標語。
朝に希望、
に努力、
夕に感謝。

<結城義晴>


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