結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年09月15日(木曜日)

平和堂米国視察事前勉強会・報告会と夏原&結城の誕生祝い

突然の日経新聞一面トップ記事。
「三菱商事、ローソンを子会社化」

NHKまで追随報道し、
他紙も追いかけるように記事にした。

もう、既成事実になったかのようだ。

Daily商人舎でも、
この顛末を整理した。

私の見解。

「商社出身の優秀な経営者が
小売業を経営することは、
商社マンの小売業化である」

これには多くの事例がある。

住友商事の荒井伸也さんに始まって、
ライフコーポレーション岩崎高治さんまで。

新浪剛史さんも、
まさにローソンで小売業化した経済人だ。
サントリーホールディングス社長。

しかし、
「小売業が商社の完全子会社になるのは、
小売業の商社化である」

それはうまくはいかない。
絶対に。

例外的にうまくいくとすれば、
コンビニという業態そのものが、
すでに商社化していて、
それがコンビニ業態の
真価を意味する場合。

しかしこれはない。

コンビニの代表セブン-イレブンは、
あくまで、小売業だ。
徹底して、小売業だ。
鈴木敏文さんが退任したとしても、
世界に冠たる小売業だ。

ローソンはそのセブンに、
小売業という面で、
遠く及ばない。

だからローソンのコンビニそのものが、
商社化を志向して、
そちらに活路を見出そうとする。
今回は、三菱商事側から見た、それだ。

ファミリーマートは、
サークルK サンクスと統合して、
膨張的成長を志向した。

そこでローソンは商社化する。
机上で考えればそんなところか。

しかしフランチャイズのコンビニは、
加盟店が1店1店、小売店である。

それを無視して商社化する発想は、
論理的な矛盾をきたしている。

三菱商事の総売上げや総資産に、
ローソンの売上げや利益を加えても、
微々たるものだ。

一方、ローソンの社員や加盟店は、
大三菱の一員になったと、
喜ぶかもしれない。

しかし小売業が、
小売業の精神をなくしたら、
小売業の使命を果たせない。

今日も朝から大忙し。

南彦根の平和堂本社へ。
ビバシティ彦根の隣にある。
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今日は終日、
アメリカ視察事前勉強会・報告会。

平和堂本社4階会議室に、
10月に参加する37名が参集。
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午前は結城義晴の講義。
アメリカ視察事前ガイダンス。
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2011年から始まったアメリカ研修は、
この10月で12回目になる。
参加した平和堂幹部・社員は、
474名にものぼる。
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アメリカに学ぶべき、
根本的な問題を整理し、
事前の宿題を課す。
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午後は4月に実施された、
第11回視察メンバーが集まって、
研修報告会。
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アメリカで学びとったことを、
日本の自分たちの店舗に活かす。

この報告会はその成果を発表する場だ。

はじめに第11回の副団長を務めた、
島津克さんが代表して、
感謝と決意のあいさつ。
アルプラザ香里園支配人。
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6人1チームで6班に分かれて、
それぞれがスライドで発表する。
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聞いているのは、
夏原平和社長をはじめ、
経営幹部、商品部課長や、
エリアマネジャーなどと、
12回目の視察メンバー。
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取り組んだ実践内容や成功事例を発表し、
それらを共有することで、
会社全体の取り組みにつなげる。
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それが午後の報告会の狙いになる。

前回の視察成果を聞いた、
次回メンバーの意識は、
ますます高まる。

発表が終われば、
次々に質問が飛ぶ。
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鋭い質問もどんどん出る。
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そして2班ごとの発表が終わると、
結城義晴の講評。
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これを3回繰り返し、
全6班の報告が終わる。
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私はすべてを聞いて、
その成果を評価しつつ、
課題を投げかける。
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そして全体総括。

ここではドラッカーの、
イノベーションの原理を語った。
第1は、機会を徹底して分析する。
第2は、自分の目と耳で確認する。
第3は、焦点を絞り、単純なものにする。
第4は、小さくスタートする。
第5は、最初からトップの座を狙う。

つまり、
小さなイノベーションを繰り返しつつ、
大きなイノベーションの志を持つこと。

報告会の最後のまとめは、
冨岡勇夫さん。
東海営業部部長で、
第11回視察団の団長を務めてくれた。
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「1日で終わらせず、
1店舗で終わらせず、
皆を巻き込んで、
イノベーションをつないでいこう」
そう、力強く、まとめてくれた。

最後は全報告に対する、
夏原平和社長からの総評。
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「今日の資料の写真を見て、
うちの店かと驚いた」
笑顔で語る。

つまり、成長と進化を、
少しだけほめてくれた。DSCN8966-1
「アメリカの現物を見て感激したら、
自分でどう実現するか。
皆さんの判断、実践力です。
スピードを上げて、また変わった、
と言われる平和堂になろう」

「そして、もっともっと
広い視野を持って学ぼう」

夏原さんの言葉にあるように、
アメリカ視察を通じ、
価値観を共有し、
平和堂は今、
好循環企業になりつつある。

それは、私もうれしい限りだ。

報告会は終了したが、
12回視察団はそのまま残り、
今回のアメリカ研修の課題を、
班ごとに丁寧に議論し合う。

そしてその課題を、
これも班ごとに発表する。
それを私が講評する。
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「観察せよ。考察せよ、
そして議論せよ。
コンフリクト(対立軸)からの
議論も必要だ」

これが今日の最後のメッセージ。
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一方、いつものように、
報告会を終えた前回の第11団は、
本社食堂を借り切って懇親会。
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開会のあいさつは三田村勝彦さん。
副団長でアルプラザ茨木支配人。
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「利他と無私」について語ってくれた。

宴も半分ほど終わったころ、
サプライズ。

電気が消え、
ハッピーバースデーの歌声とともに、
花束の贈呈。
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今日9月15日は、
夏原社長の72回目の誕生日。

バースデーケーキも用意された。
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けれどもケーキは二つ。

「どうしたの?」
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私の9月2日の誕生祝いもしてくれた。
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皆からの拍手に、心が満ちてくる。
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うれしそうな顔。
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夏原さんのローソクは7本、
私は6本。

夏原さんが突然、
どちらが早く吹き消せるか、
競おうと言い出す。
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受けて立って
2人一緒にフゥ~!
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皆が笑って見ていた。DSCN9000-1

子供じみた二人だった。
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ありがとう皆さん。
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私からもささやかながら、
お酒好きの夏原さんに、
壺入りの焼酎をプレゼント。
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夏原さんは心遣い、気遣いの人だ。
社長のその気質が、
社員にも受け継がれたのだろう。

皆が社長の誕生日を心から祝っている。

最後は夏原さんを囲んで、
全員で記念の写真。
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充実した一日だった。
ありがとうございました。

小売業は、
小売業の精神と技術を、
失ってはいけない。
それがなければ、
小売業の使命を果たすことは、
絶対にできない。

〈結城義晴〉


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