結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年07月09日(水曜日)

ニチリウ・バイヤーセミナーの「理論化・体系化」と「楽しさ・面白さ」

「チェーンストアは、
小売業であり、

卸売業である」
ゴドフリー・レブハー。

1950年代の米国ジャーナリストの言葉。

鋭い。

チェーンストアの卸売業機能を担うのが、
商品部であり、バイヤーである。

カリフォルニア大学のデルバート・ダンカン教授。
「小売業は、
バイヤー(買う機能)であり、

セラー(売る機能)である」

買う機能が商品部であり、
売る機能が店舗である。

今日も、
ニチリウバイヤーセミナー。

梅雨明けの大阪は暑い。
けれど私たちはホテルに缶詰。
それはそれで快適だ。

2日目の午前中は結城義晴の講義。
3時間2講座。
IMG_7289
バイヤーの機能や仕事に関しては、
実践や経験が極めて重要だ。

しかしどんな仕事にも、
セオリーやメソッドはある。
それがバイヤーやマーチャンダイザーの場合、
意外にも理論化・体系化されていない。
企業のなかで継承されていないことも多い。

それを私がやっている。

初めにスライドを使って
「コモディティ化現象」を講義する。IMG_7290

「コモディティ化」とは、
⑴企業間における技術的水準が同質化して、
⑵製品やサービスの差別化が困難になること。
⑶どのブランドを取り上げてみても、
顧客からするとほどんど違いが見いだせない状況。

世界中の大潮流だ。
ブランドや商品のコモディティ化の進捗を、
バイヤーは大前提として仕事をしなければならない。
IMG_7293

工業型商品のコモディティグッズ、
農業型商品のノンコモディティグッズ、
情報型商品のノンコモディティグッズ。
それらの価格政策。

プライベートブランドは、
このコモディティ化現象によって、
主に4つに分類される。
IMG_7295

さらに競争のマーケティングも、
バイヤーの必須の知見だ。
取引先をカテゴリーごとに、
4つに分類しておかねばならない。

第1講義の最後は、
マーケティングの分析手法。
その中からSWOT分析とPPM分析。
IMG_7297

PPM分析における、
製品のライフサイクル。IMG_7306

これらの分析手法は商品開発の際に、
論理的なベースになる。
参加者たちも真剣だ。
IMG_7299

短い休憩をはさんで、
プライベートブランドの体系。
講義内容はより具体的になる。
IMG_7300

テスコやイオン、セブン&アイの事例。
PBを受託するメーカーの動静。
一番重要なところだ。

さらにバーチカルマーチャンダイジング。
垂直統合の大きな錯覚や誤解。
この講義は今、突っ込んで指摘する人はいない。

最後はチェーンストアのアパレル問題を、
一気呵成に語った。
IMG_7311

午後は昨日に引き続いて、
グループディスカッション。
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議論して結論を導き、資料をつくる。
いまやパソコンでの資料づくりは当たり前だ。
IMG_7319

そして9つの班の発表。
IMG_7325

受講者は、
プレゼンテーション内容を聞いて、
質問する。
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それに対して発表者が答える。
最後に結城義晴が講評する。
IMG_7331

発表内容は食品から衣料、住関連まで、
多岐にわたった。
IMG_7333

それぞれに商品開発の視点が良かった。
しかも2日間で学んだ
マーケティングの分析手法を使って発表してくれた。IMG_7338

ニチリウグループ企業の、
地域資源を活かした提案もあった。
IMG_7348

バイヤーたちは市場をよく勉強しているし、
グループでの議論や情報交換を通じて、
新たな知見を得る。
しかもグループ企業の理解も深める。
グループワークのいいところだ。

セミナーの最後は、
バイヤーの仕事の締めくくり。
すなわちサプライチェーンマネジメント。

最後にバイヤーのコミュニケーション。
ドラッカーのコミュニケーションを講義する。
IMG_7354

バイヤーの意義とその魅力を語ると、
参加者たちの表情が輝いてきた。
IMG_7355

2日間の講義を通して、
仕事の面白さと深さを感じてくれたら、
講義した甲斐がある。
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最後に拍手をもらった。
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ご清聴に感謝したい。

参加者全員を送り出して、
日本流通産業㈱人事総務部のお二人と写真。
IMG_E7364
人事総務リーダーの松吉知子さん。
部長の酒井幸男さん。

このバイヤーセミナーは、
年々、充実して、
成果が顕著になってきた。

来年も開催される。

商人のことを英語で、
Merchantという。

マーチャンダイジングする人。

チェーンストアの主役のひとつが、
バイヤーであり、マーチャンダイザーである。

朝日新聞「折々のことば」
第3439回。

心のスタミナが
充分ではなかったので、
マラソン練習には苦労しました。
〈増田明美〉
増田明美

長距離ランナーとして、
めざましい記録を打ち立てた。
が、度重なるアクシデントに苦しんだ

「とくにマラソンでは、
心のスタミナが重要です」

「昔、修行僧のような顔つきで走っていたら、
ピクニックに行くようにして完走した
マラソンの先輩に、
楽しまないと続かないよと言われ、
人生の走りまで変わった」
〈『公研』6月号より〉

仕事は長いマラソンのようなものだ。
ピクニックに行くように、
楽しまないと続かない。

バイヤーの仕事は本来、
楽しいものだ。

健闘を祈る。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 結城さんの「バイヤーセミナー」。
    とても興味があります。
    メーカーも、バイヤーが学んでいることを学ぶのは、大いに意義があると思います。
    お客様に憑依することが、営業活動、マーケティング活動の基本だと思うからです。

    • 吉本さん、ありがとうございます。

      メーカーの方、卸売業の方、関連産業の方、
      大歓迎です。

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