結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年11月21日(火曜日)

万代知識商人大学前夜とヤオコーの新PB「Happiness」

11月も下旬。
せわしなくなってきた。

午前中に商人舎オフィスに出て、
午後は、2時39分新横浜発、
東海道新幹線のぞみで関西へ。IMG_9259.JPG3

富士山は雲に隠れている。
でも、秋晴れのいい天気。
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雄大な裾野はかすかに見えるが、
頂はすっぽり雲の中。
残念。
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富士川の橋を渡る。IMG_9273.JPG3

2時間半で新大阪。

「ようこそ! 新大阪駅」
もう顔を入れての撮影はしない。
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大阪上本町の定宿、
シェラトン都ホテル大阪。

クリスマスツリー。
時間とともに色が変わる。
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トナカイのガラスのオブジェ。
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ツリーは緑色に変わった。
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明日は万代知識商人大学。
もう8期を迎えた。

その前夜はいつも、
万代の幹部の皆さんと会食。

今日は近鉄百貨店の銀座アスターだった。

中華料理とビール、紹興酒で、
楽しんだ。

11月17日に、
和歌山市初出店の紀伊川辺店がオープンした。
その新店の状況や紀北の競争について、
丁寧に話を聞いた。

アメリカのスーパーマーケット、
日本の情勢など意見交換して、
実に有意義だった。

私の隣、真ん中は阿部秀行社長。
その右隣が芝純常務。
私の左が和久正樹取締役。
そして亀谷しづえ商人舎GM。IMG_9984 (002).jpg3

最後はいつものように、
阿部さんとツーショット。
明日はよろしく。
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さて商人舎流通スーパーニュース。

ヤオコーnews|
PBの新ライン「Happiness」発売/11月は8品目でスタート

ヤオコーの新プライベートブランド。
「 Yes! YAOKO」に健康ラインが加わる。
「Happiness(ハピネス)」
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顧客の健康志向は高まり続けている。
そこで+α“健康”のラインを加えた。

満を持して、という感じだ。

11月のラインアップは8品。
これから増えていく。

「Happiness」のメッセージ。
「健康になるための食事」ではなく、
「健康になることで、
“幸せ”な生活を送っていただきたい」。

原材料を「足す」か「引く」にこだわった。

「足す」原材料は、
食物繊維、タンパク質、乳酸菌、ビタミン、
ミネラル、コラーゲンなど。

「引く」原材料は炭水化物(糖質、カロリー)、
塩分、アレルゲンなど。

このラインは、
ライフスタイルブランドという。
多様化する。

これによってYes! YAOKO は、
4ラインとなる。

レギュラーブランドの「 Yes!YAOKO」
クオリティブランドの「yes! Premium」
ライフスタイルブランドが、
今回の「Happiness」。

そして最後のコンペティティブブランドが、
ライフコーポレーションとコラボする「Star Select」。

スター・セレクトは競争的な価格で提供する。
低価格を実現させて利益を確保するためには、
「量」が必要となる。
だからライフと協力する。

これで欧米型のラインナップができあがった。

この体系は米国のウォルマート、クローガー、
ウェグマンズ、HEBと同じだ。

イギリスのテスコ、セインズベリー、
フランスのカルフールなどとも、
体系は同じだ。

日本ではイオンが4つのメインラインをもつ。
トップバリュ、
トップバリュセレクト、
トップバリュグリーンアイ、
トップバリュベストプライス。

この分類とラインナップを商人舎は、
プライベートブランドの体系と主張している。

ヤオコーはよく勉強してくれている。
それはうれしいことだ。

〈結城義晴〉

2023年11月20日(月曜日)

「正しい答えよりも正しい問いを探せ」

Everybody! Good Monday!
[2023vol㊼]

2023年第47週。
11月第4週。

木曜日は勤労感謝の日の祝日。
アメリカではサンクスギビングデー。

翌日はブラックフライデー。
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そして週末。

年末商戦の前哨戦。
この週末で大勢が決する。
そのくらいに考えておいた方がいい。

私は火曜日から3日間、
関西へ出張。

万代知識商人大学第8期の講義。
マーケティングとストラテジック。
商売上は一番重要な内容となる。

43ページのテキスト。

毎年、店舗クリニックをして、
マーケティングリサーチを実践する。

さて週末、
新聞各紙が世論調査をして、
岸田文雄内閣支持率低下を報じた。
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2012年末、自民党が政権復帰してから、
最低の支持率。

各紙によって調査の結果が違う。
毎日は21%、読売が24%、朝日が25%。
産経も27.8%。

新聞ごとに調査結果が異なる。
操作をしているわけではないだろうが、
政府に対する新聞の姿勢が、
調査結果から見える。

朝日の調査のほうが読売より、
政府支持率が高いのはちょっと意外だ。

支持率は低いし、
不支持率は高い。

しかし野党はむしろ、
「首相の首のすげ替え」を恐れている。

支持率の低い政権のほうが、
対峙しやすいからだ。
これも情けない。

支持率が低い内閣には、
支持率が低下する理由がある。
その理由を明らかにして、
国民のためになる政策に改める。

そのために野党がいるはずだ。
しかし支持率の低い政権のほうが、
いざ、選挙になれば、
野党に追い風が吹く。

だから岸田政権のまま、
総選挙を迎えたいというのが野党だ。

しかしそれは違う。
このままバラマキが続いて、
経済が悪化したら、
国のためにならない。

そのことの方が深刻な問題なのだ。

一方、地方政治。

広島県の安芸高田市。
石丸伸二市長と、
市議会の対立。

ユーチューブで公開されいている。
実に面白い。

石丸市長は41歳。
京都大学経済学部を出て、
三菱UFJ銀行に入行し、
ニューヨーク駐在の分析アナリストとなった。

生まれ故郷の安芸高田市の市長選が、
無投票となりそうだったので、
2020年、急遽、銀行を退職して立候補。

見事、当選。
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次々に新しい政策を打ち出したが、
市議会がそれを潰し続ける。

そこで市議会と対立する。

私の目から見ても、
堕落し、癒着しきった議会。

中には正義の味方のような、
議員も出てきて、
議会に反論しつつ、
市長を支援する。

市長側の論理性と、
高齢の市議会側の非論理性が、
やり取りの中から際立って、
実に面白い。

国政レベルでも、
論理と論理の闘いをしてほしいものだ。

企業の経営も店の運営も、
論理性が貫かれていなければならない。

ただしその論理性に対する考え方が重要だ。

ピーター・ドラッカー。
「重要なことは、
正しい答えを見つけることではない。
正しい問いを探すことである」
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岸田文雄にはどうも、
この「正しい答え」だけ、
求めようとする姿勢が強いようだ。

しかし「正しい答え」らしきものを、
側近や官僚から与えられても、
問題は解決されない。

「正しい問い」を発する。
それが足りない。

それは問題意識に依拠する。
その問題意識が希薄である。

ドラッカー。
「間違った問いに対する正しい答えほど、
危険とはいえないまでも
役に立たないものはない」

今、日本の状況は、
ここにある。

朝日新聞「折々のことば」
第2913回。

義務の附着しておらない
権力というものが
世の中にあろうはずが
ないのです。
(夏目漱石)

「権力や金力を持つ者は
“相当の徳義心”をもって
それを使いこなさないといけない」

「”叱る権利”を持つ教師には、
叱りっぱなしではなく教える義務があり、
富者は、金銭をどう用いれば
社会にどういう影響が出るかの
見識にもとづいて”所置”できなければ
“世の中にすまない”」

「札束で人心を買うような腐敗は
言うまでもなく」

講演「私の個人主義」から。
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「間違った問い」に、
いくら正しい答えを出しても、
それは役に立たない。
害を及ぼすだけである。

会社の経営にも、
店の運営にも、
その時々の「正しい問い」が必要である。

それは何か。
そのために考え続けるのだ。

では、みなさん、今週も、
問い続けよう。
問い続けるなかから、
正しい問いが生まれる。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年11月19日(日曜日)

ウォルマート第3四半期「増収増益」と「米国消費減速感?」

商人舎流通スーパーニュース。
アメリカやヨーロッパの流通ニュースも、
常時公開している。

ウォルマートnews|
第3Q営収1608億ドル5.2%増/US部門は1094億ドル

2024年1月期の第3四半期業績。
10月末日の締め。

8~10月の営業収益、1608億ドル。
1ドル150円換算で24兆1206億円。

日本の企業の第3四半期は、
累計で発表されることが多い。

しかしアメリカは第3四半期ならば、
第3クオーターの3カ月分だ。
それがウォルマートは24兆1206億円。

前年同期比5.2%の増加。

営業利益は62億ドル(同9303億円)。
こちらは130.1%の増加。

純利益は4億5300万ドル(679億5000万円)、
ただし前年同期は18億ドルの純損失だった。
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事業部門は3つに分かれている。
第1のウォルマートUSは、
スーパーセンター、ディスカウントストア、
そしてネイバーフッドマーケット。
その総計は売上高1094億ドル、
16兆4128億円で4.4%増。
営業利益は49億8100万ドル(7472億円)、
2.2%減だった。

第2の国際部門が、
ウォルマートインターナショナル。
売上高は280億2200万ドル、4兆2033億円、
10.8%増。

営業利益は11億1700万ドル、
1676億円で29.7%の増加。

第3のサムズクラブは、
売上高219億9800万ドル、
3兆2997億円で2.8%の増加。

営業利益5億9300万ドル、
890億円で5.5%増。

第3四半期までの累計は、
営業収益4747億3700万ドル、
71兆2106億円で6.1%増。
営業利益197億5800万ドル、
2兆9637億円で32.9%増。
純利益100億ドル、1兆5026億円の85.3%増。

しかし日経新聞の記事は、
「米消費に減速感強まる」
ニューヨーク発。

「米国の小売り現場で、
減速感が強まっている」

はて。

国内総生産(GDP)の7割を個人消費が占める。
それは小売業の売上高と直結している。

第3四半期の数字を引き出す。

ウォルマートの既存店伸び率を、
「前の期の6.4%増から4.9%増へと鈍化」と記す。

「徹底した安売り戦略で
節約志向を強める消費者の支持が高く、
同業他社から顧客を奪ってきたが、
勢いに陰りが出ている」

株式の観点からだけ見ていると、
少しでも成長が鈍化すると、
黄信号を灯したくなる。

既存店に関しては、
「ターゲットは4.9%減で、
2期連続のマイナス」

「ホームデポは3.1%減と下げ幅を拡大」

「小売売上高は4月から9月まで、
6カ月連続で前月を上回った」

「7~9月の個人消費は4.0%増」だった。

小売りの現場にも変調の兆しはあろう。

「耐久消費財や高額消費が減速」している。
「食品や消耗品などの生活必需品を除いて、
買い控えの傾向が強まっている」

ウォルマートのダグ・マクミロンCEO。
「数週間か数カ月以内に
デフレが始まる可能性がある」

マクミロンはデフレが始まっても、
「わが社には追い風」と見ている。
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一方、賃金の動向。
「10月の税引き後給与は
これまで伸びが停滞していた高所得層でも
前年同月比プラスとなり、
全ての所得層で上昇した」

自動車産業のストライキなどがあって、
賃上げを獲得する動きが広がる。

そこで記者は言う。
「待遇改善による波及効果への期待がある一方、
人件費の増加で企業利益が縮めば
株主への還元が滞り、
消費に悪影響を与える可能性もある」

ここがよくわからない。
記者のスタンスもよくわからない。

アメリカ合衆国はさらに、
複雑な社会情勢になりつつある。
消費の変調も見られる。
デフレの予兆もありそうだ。

根底にあるのは、
ウクライナやパレスチナの戦争で、
アメリカ国民が、
大きな不安を感じていることだ。

政治的にも分断は顕著だ。
大統領選は来2024年11月である。
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複雑で不安で分断された社会。

その環境のなかでは、
ウォルマートの増収増益は、
健闘と評していいだろう。

株価の動向だけを心配する高所得者たちは、
不安を感じているかもしれない。

その世界を見ているジャーナリストは、
同じように「消費の鈍化」を、
強く受け止めるかもしれない。

しかし必死の思いで生活している大衆は、
米国チェーンストアを頼りにしている。

それは何よりも店頭に、
よく表れている。

〈結城義晴〉

2023年11月18日(土曜日)

遅ればせながらの「セブンティー」とニッポンの「前向き姿勢」

秋の空。
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日経新聞の記事。

セブン-イレブンが
「入れたて紅茶」を始める。

「セブンカフェ」の紅茶版。

名づけて「セブンティー」

東京都内などの数店舗で、
すでに実験販売をスタートした。
来2024年以降の全国展開を目指す。
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3年後をめどに1000店規模まで広げる。

もっと広がると思う。

セブン-イレブン芝浦4丁目店が、
実験店の一つ。

レジ横の「セブンカフェ」とともに、
紅茶の専用機器を置いた。

顧客はレジでカップを購入する。
それを専用機にセットして、
3種類の茶葉から選ぶ。
ダージリン、アッサム、
そしてアールグレイ。

機械は茶葉から抽出して、
1分ほどかけてティーを淹れてくれる。

紅茶だけ飲むか、
ミルク入りか。

レモンティーはない。

温冷も選べる。

アイスティーの通常サイズが、
価格は税別102円、
ホットミルクティーの大サイズは232円。

価格はコーヒーと同じ。

紅茶の愛好者の比率と同じだけ、
このセブンティーは売れるだろう。

遅かったくらいだ。

昨2022年のコーヒーの国内消費量は、
43万2875トンだった。
4年ぶりに前年実績を上回った。
しかし直近のピークの2016年は、
47万2535トンだった。

8%減。

一方、紅茶は伸びている。
紅茶専門店などの売上げは、
22年末で417億円。
コロナ禍中で前年比では微減だったが、
20年比では4%増。

23年以降も増加傾向が続く見通しだ。

画期的だったセブンカフェほどではないが、
セブンティーは確実に定着するだろう。

ローソンとファミリーマートも、
紅茶の店内提供を始めている。

セブンカフェは2013年にスタートした。
10年前のことだ。
鈴木敏文会長時代。

それがあっという間に定着し、
すべてのコンビニが模倣した。

セブンティーも同じように定着するだろう。

「遅かった」のは、
コロナの影響かもしれない。

いや、コロナだからこそ、
始めたほうがよかっただろう。

ドラマ「相棒」では、
杉下右京があんなに、
ティーを宣伝してくれている。
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ときにはコーヒーじゃなくて、
ティーもいいだろう。

暑い夏のアイスティー、
秋のミルクティー。

いい試みだ。

同じ日経新聞「大機小機」
「日本経済、60年前とこれから」

コラムニストは一礫(ひとつぶて)さん。

1959年に東京大学入学の人。
そのころのことを回想する。

「混沌とした時代だったが、
希望はあった」

「10年間で国内総生産を2倍にする」
所得倍増計画。

その後、高度経済成長期。
さらに失われた30年。

「欠如していたものは何だったか」

2023年、日本はドイツに抜かれて、
GDP4位に転落しようとしている。

経済は複雑の度を増している。

「最も求められるのは、
前向きに考える姿勢だ」

1945年8月25日。
焦土と化した祖国を前に、
石橋湛山(ジャーナリスト、元首相)は書いた。
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「単に物質的の意味でない
科学精神に徹底せよ。
しからばすなわち
いかなる悪条件の下にも、
更生日本の前途は、
洋々たるものあること必然だ」

同感だ。

前向き、上向き、外向き。

セブンティーも、
その一つだ。

「Seven Tea」

音(おん)がいい。

愛好者比率に応じて、
確実に受けるだろう。

〈結城義晴〉

2023年11月17日(金曜日)

大谷翔平ア・リーグMVPと「国力の差を詰める」

大谷翔平。
米国アメリカン・リーグのMVP。
2年ぶりだが再び満票。
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満票の二度は史上初。

選ばれるだろうとは思っていたが、
凄いことだ。

Mr. Baseball。
世界一の野球選手。

想像もつかなかっただろうけれど、
一番喜んでいるのは多分、
正岡子規だ。
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九つの人九つの場を占めて
ベースボールの始まらんとす

大谷はいつも子規の気持ちでマウンドに上がる。
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今やかの三つのベースに人満ちて
そゞろに胸のうちさわぐかな
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エンゼルス6年目。
44本塁打のホームラン王、
95打点、打率3割4厘。
そのうえ10勝5敗、
防御率3.14、167奪三振。

誰も為しえなかったこと。

わが同胞として誇らしい。

来年も再来年も、その次も、
肘、肩、膝、腰のケアを忘れず、
活躍してほしい。

日経新聞のスポーツ欄。
「悠々球論」
執筆は権藤博。
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中日ドラゴンズで
1961年に新人王と沢村賞。
なんと35勝19敗。

全130試合のうち69試合に登板。
投球回数429.1回、
奪三振310、防御率1.70。

昔のこととて、
連投に次ぐ連投。

「権藤、権藤、雨、権藤」
この後、まだ続く。
「雨、雨、権藤、雨、権藤」

酷使がたたって、
30歳で現役引退。

しかしその後、
1998年に横浜ベイスターズ監督で、
38年ぶりのリーグ優勝と日本一。

その権藤博のコラム。

「オリックス・山本由伸、
楽天・松井裕樹、
日本ハム・上沢直之……。
メジャーへの挑戦が相次いでいる」

そしてDeNAの今永昇太。

「相次ぐスター流出で、
プロ野球の空洞化が心配されていた」

しかし。

「空洞化どころか、
メジャーと力比べをして、
日本のレベルもどんどん上がってきた」

「山本らが抜けたら、
穴を埋める人材がまた出てくる」

心配ごと。
「一つは資金力だ。
メジャーと肩を並べるには、
日本も年俸を上げなくてはいけない。
特にトップクラスの選手には報いたい」

その通りだ。

「メジャーと日本の年俸格差は、
そのまま国力の差だと私は思う」

本当に同感したい。

今、「Japan as Number One」時代の国力があれば、
メジャーに並ぶ日本野球界があるに違いない。

そこで権藤博。
「まずは野球から、
差を詰めていきたい」

実にいい。

私も、思う。

「まずはチェーンストアから、
差を詰めていきたい」

〈結城義晴〉

2023年11月16日(木曜日)

食品PB比率過去最高の「16.8%」の調査結果を考察する。

ボージョレ・ヌーボー解禁日。

2023年の日本の輸入量は約20万ケース。
前年比2割増で、
11年ぶりの増加だ。

コロナ禍が明けて、
需要が戻ってきている。

ただし秋の新種を飲む気分ではない。
「秋の風物詩」としての存在感は弱まった。

それよりも美味いワインを安く飲みたい。
ボージョレ・ヌーボーには、
その意味で割高感がある。

ワイン消費そのものは好調である。

今日は商人舎オフィス。
ランチを食べてから、
ダイエー・イオンフードスタイル横浜西口店。IMG_92213

できる限り覗くことにしている。IMG_92233

売場の管理も上々。
水準を維持している。
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ボージョレ・ヌーボーは、
それほど強調されていなかった。

CATCH&GOは、
相変わらず。
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認知の努力が必要だ。

会社に戻って来て、
午後の仕事に打ち込む。IMG_92263

さて昨日の日経新聞一面トップ記事。
「小売りの食品PB比率最高」
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食品販売額に占めるPB比率が、
10月に過去最高の16.8%となった。
統計がある2012年以降で最高。

日本経済新聞社と㈱インテージの調査。
全国の食品小売業のPOSデータ分析。

品目別にPB比率が高いのは、
冷凍野菜が最多で57%。
ハムが34%、
牛乳は32%。

イオンの「トップバリュ」は、
約5000品目の食品のうち、
2500品目を新商品に刷新する。

日用品などと合わせたPB売上高は、
2024年2月期に1兆円超。
前期比11%増。

イオンのトップバリュは、
大きく分けると4つの種類がある。
レギュラーブランドのトップバリュ、
クォリティブランドのセレクト、
ライフスタイルブランドのグリーンアイ、
コンペティティブブランドのベストプライス。
その全体の話だ。

一方のセブン&アイは、
PBの中の低価格の「セブン・ザ・プライス」を、
24年2月末までに160品に倍増させる。
これはプライスブランド、
あるいはコンペティティブブランドの話。

ベイシアは「ベイシアプレミアム」を始めた。
こちらはクォリティブランドだ。
既存PBは新製品に順次切り替えて、
24年2月までに100品目以上を展開する。

西友も生鮮食品の新PB「食の幸」の品目を増やす。
これもクォリティブランドだ。

ヤオコーもスターセレクトが一番伸びた。
ライフコーポレーションと共同開発した、
これはコンペティティブブランドだ。

「PBシフトの背景には、
食品価格の上昇がある」

値上げである。
帝国データバンクの調査では、
22年の食品値上げは約2万6000品目、
23年は1~10月の累計で3万品目を超えた。

メーカーのつくるナショナルブランドは、
放っておけばコモディティ化する。
いわゆる同質化である。

そしてカテゴリー全体が同質化してくれば、
PBにシフトしてくる。

ブランド価値が落ちるからだ。

欧米のように、
NBとPBで店頭の品揃えは完結する。

それに値上げが重なってきている。

トップNBとPBだけの品揃えといった店頭は、
私は歓迎しない。

しかしコモディティ化現象が進めば、
PBのシェアが高まるのは当然だ。

世界50カ国のPB比率は、
30%をはるかに超えている。
スイスが一番高くて5割に近い。
ミグロスという超巨大企業が君臨しているからだ。

イギリスやスペインも4割を超える。

世界各国と比べると、
日本のPB比率は10年くらい前には、
50カ国のうち30番目くらいだった。

それがこの10年くらいで倍増した。

その結果がこの16.8%の調査結果となる。

ただしコモディティ化現象は続く。
値上げが一段落しても、
それは続いていくだろう。

上限は日本の場合、
30%くらいだろうか。

製造業も卸売業も、
小売業もそのことは、
認識しておいた方がいいだろう。

そしてPBにも分類があることも。

現在の大きく分けた4分類が、
すべてではない。

今後、PBの世界に、
さらに新しいトレンドが出てくるだろう。
それも決して悪いことではない。

頭からPBを否定してはいけない。
無条件でPBを絶賛してもいけない。

マーケットがそれを決める。
顧客がそれを決める。

ただしポジショニング戦略を志向すれば、
他社にないわが社だけのブランドは、
競争上、必須である。

コモディティ化現象とは異なる論点から、
わが社ブランドをつくる必要がある。

精肉における独自ブランド構築の潮流が、
それをよく示している。

〈結城義晴〉

2023年11月15日(水曜日)

Planet Top Seminarの「青色青光黄色黄光、赤色赤光白色白光」

11月15日。
七五三の日。

この行事が始まったのが平安時代だ。

3歳の祝いは男の子と女の子とされ、
5歳は男の子、7歳は女の子とされる。

しかしこのことも、
よく考えねばならない。

午前中はオンライン会議。
(株)True Dataの取締役会。

AIとビッグデータによって、
新規出店の際の売上高を予測する。
SalesSensor。

これはいい仕組みです。

「神は現場にあり」

それが何よりも大事だ。
現場に役立つ「リアリティ」が必要である。

そんな開発をどんどん進めます。

ピーター・ドラッカーの言葉。
“Practice comes first”
実践が第一にくる。

“Theories follow events”
理論は現実に従う。

そして、
“As a rule, theory does not precede practice.”
「原則として、理論が実践に先行することはない」

午後は東京・汐留。IMG_92143

コンラッド東京。
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プラネット・トップセミナー2023。IMG_91673
非食品のメーカーと卸の、
まさしくトップの皆さんが、
ズラリと集まった。

まず玉生弘昌さんのご挨拶。
(株)プラネット会長。
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プラネットは38年前に創業された。
そう阪神タイガースの日本一のとき。

この年はプラザ合意がなされた。

そして電気通信事業法が施行され、
通信事業が民間企業に開放された。

プラネットは製造業と卸売業を結ぶ、
付加価値通信網(VAN)を構築すべく、
ライオンなどのメーカー8社と、
卸売業200社からスタートした。

現在は資材サプライヤー155社、
メーカー851社、卸売業488社を結ぶ。
取引先データベースは47万件、
商品データベースは771社18万8628品目。

非食品流通世界の情報インフラとなった。

玉生さんはそのプロセスを、
わかりやすく説明し、
将来へのビジョンを語った。

いい話だった。

そして坂田政一社長。IMG_91803
競争と協調、そして変化対応を強調し、
2024年問題に対する問題解決を提案。
ロジスティックスEDIである。

それからPOSデータに関しては、
クレンジングサービスも提案した。
小売業のPOSデータは氾濫している。
しかしそれらはすぐに使えるデータではない。
フォーマットやコードがばらばらである。
標準化がなされていない。

だからそれらを使えるように、
整備しなければならない。
True Dataとプラネットが協働して、
このクレンジング(cleansing;浄化)をする。

基調講演は、
西村宏堂さん。
アーティスト/僧侶。
テーマは、
「自分を自由にするために。
相手を自由にするために。」IMG_91843
西村さんは、
メークアップアーティストであり、
浄土宗の僧侶である。
トランスジェンダーで、
LGBTQの人権活動家である。

自分が自由になるためには、
どうするか。
相手を自由にするためには、
どうしたらいいか。

まだまだ差別はある。

そこから自由になろう、という主張だった。

トップ・セミナーでの講演だからこそ、
意義のある内容だった。

企業経営者はマネジメントのために、
LGBTQを考え、行動しなければならない。

西村さんが紹介したのが、
「仏説阿弥陀経」の一節。
青色青光、黄色黄光、
赤色赤光、白色白光。

阿弥陀仏の浄土には、
荘厳な蓮の花が咲く。
青い色の花には青い光が射し、
黄色の花には黄色い光が射す。
赤い花には赤い光が射し、
白い花には白い光が射す。
それぞれが光り輝いて、
いずれも美しい。

自らの色にそのままの光の色。
それが尊い。

仏教はLGBTQの考え方と同期している。
西村宏堂さんの生き方、考え方は、
この阿弥陀経にある。

講演の後は懇親会。

開会のあいさつは松本俊男さん。
プラネット副社長。
IMG_91893
乾杯の音頭とご挨拶は、
掬川正純ライオン(株)会長。IMG_91943

そして懇親。

なんといってもこの会は、
玉生さんが主役だ。
IMG_92003

その玉生さんと講師の西村さん。玉生

坂田社長とツーショット。IMG_92103

松浦由治ピップ(株)社長には、
現在のアメリカ流通について、
長々と話してしまった。IMG_92073

(株)True Dataのお二人。
米倉裕之社長と島崎尚子取締役。IMG_92093

中締めのあいさつは、
糟谷誠一(株)PALTAC会長。
IMG_92053

一本締め。
IMG_92063
私の考え方の基本には井上ひさしがある。
「差別語のための私家版憲法十一箇条」
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その第一条は、
人は生まれながらにして不平等である。

第二条は、
本人に責任のないことをからかったり、
笑ったりするのは無意味な上に、
卑劣な行為でもある。

第四条は、
自分と違うという理由だけで、
人を笑い者にする権利は誰にもない。

青色青光、黄色黄光、
赤色赤光、白色白光。

それぞれに輝くことこそが尊い。

〈結城義晴〉

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