結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年06月06日(火曜日)

9・12の石原靖曠講師の紹介と銀座のMUJI・UNIQLO・OK

9・12(火)
商人舎15周年記念セミナー。

レジェンドセミナー。
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東京の大崎ブライトコアホール。
12時半開会。
17時40分終了。

18時から、
結城義晴の新刊本の出版パーティ。

できるかぎり多くの皆さんに、
お集まりいただきたい。

講演者は、
石原靖曠先生、86歳。
島田陽介先生、86歳。
鈴木哲男先生、74歳。
結城義晴、70歳。

考えてみると、
高齢者ばかり。

けれど今回はあえて、
年寄りの言うことを聴いてほしい。

松下幸之助。
「志を立てるのに、
老いも若きもない。
そして志あるところ、
老いも若きも
道は必ず開けるのである」
50年のキャリアの中で、
見てきたこと、
成し遂げてきたこと。
そしてこれからやるべきこと。

そんなことをそれぞれに語ってもらう。

今日は石原靖曠先生の紹介。
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早稲田大学法学部出身。
ブルーチップ㈱に入社して、
スーパーマーケットや小売業の指導を始める。

その後、独立して、
1971年、スペシャリティ研究所を設立。
コンサルティングに奔走。

私が商業界に入社した1977年のころは、
渥美俊一、川崎進一、奥住正道など、
第一世代の巨匠の先生方の次の世代で、
新進気鋭のコンサルタントだった。

アメリカに住んだり、
日本に戻ってきたり。

ノンフード分野を中心に、
大局的なモノの捉え方は絶品。

今も全国に根強いファンが多い。

とにかく優しい先生で、
私もファンだった。

著書は多い。
そのなかで主なものを紹介しよう。

「だから客が集まる小売業の鉄則」
―目指せ! ソリューションストア
(2004年、日本経済新聞社)
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「なにが小売業をダメにした」
―お客を「創る」企業を目指せ!
(2001年、日本経済新聞社)
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「これからの流通戦略がわかる本」
(2004年、PHPビジネス選書)
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「サム・ウォルトンと倉本長治」
不朽の商人哲学、その実践者と提唱者
(2021年、ディスカヴァーebook選書)
〈この本はkindleで無料で読める〉
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「変わり続けるアメリカ小売業」
(2001年、商業界)
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「新アメリカ流通業革命」
(1996年、商業界)
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「最強のホームセンター ホームデポ」
(1992年、商業界、Excellent company in USA)
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「スーパードラッグストア開発戦略」
(1991年、商業界)
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「1990年代はディスカウントストアの時代」
―21世紀への小売業革命
(1990年、商業界)

アメリカの専門家。
ディスカウントストア、
ホームセンター、
ドラッグストアのオーソリティ。

日本のスーパーセンター開発は、
石原イズムで行われた。

そして商業界では長らく、
リテールマネジメントスクール校長。
だからサム・ウォルトンと倉本長治の本も書いた。

今でも、良いことを言ってくださる。
目からうろこがぼろぼろと落ちる。

商人舎15周年特別セミナー。

商人舎と何らかの関係をもった人、
商人舎で学んだ人、
私の講義や授業を受けた人、
このブログを読んでくださっている人、
私の本や先生方の本を読んだことのある人。

ぜひぜひ、集まってください。

必ず、確かな未来が見えてくる。
確かな未来をお見せする。

9・12(火)
よろしく。

さて今日は銀座。
日本橋やぶ久銀座店。IMG_42703

そばがうまい。IMG_42603

千野和利さんとランチミーティング。
一般社団法人離島振興地方創生強化理事長。
もちろん元阪急オアシス社長・会長。IMG_42683
フードストアソリューションズフェアの打合せ。

それにしても千野さんの行動力には、
驚かされる。

いまも日々、離島を飛び回って、
その産業振興のために奔走している。

経営者とはこうでなくてはいけない。
千野さんに会うと、
必ず私も元気になる。

やぶ久の隣は、
無印良品。

東京の旗艦店で、
ホテルが併設されている。IMG_42723

1階の食品売場。
天井はスケルトンで、
開放感にあふれている。IMG_42713

すべてがプライベートブランド。IMG_42733

45年前、商業界に入社したとき、
西友が「素材缶詰」を開発した。
オリジナルブランドだった。

堤清二さんと上野光平さんが、
思い入れを込めたプロジェクトだった。

㈱ドゥ・タンク・ダイナックスが実戦部隊だった。
こちらは故小野貴邦さんが引っ張っていた。

そのスタディを「販売革新」誌で特集した。

それが無印の試作品だった。

今、フルラインの商品がこんなに揃って、
銀座に大型店を構える。

商人舎発足の会では、
当時の社長の松井忠三さんに、
発起人になっていただいた。

店を訪れると必ず、
そのときのことを思い出して感謝する。

地階は食堂。
MUJI Diner。IMG_42743

2階は雑貨。IMG_42753

ボーダーの子供服もかわいい。IMG_42763

ファブリクスもいい商品が揃っている。IMG_42773

隣にはユニクロの銀座店がある。
かつてのプランタン百貨店の建物。IMG_42913

ファーストリテイリングCEOの柳井正さんにも、
商人舎の発起人になっていただいた。

わたしはユニクロ製品を愛用しているし、
店を訪れるたびに感謝している。IMG_42843

この店からユニクロフラワーの販売を始めた。IMG_42823

ユニクロは社会的な活動にも積極的だ。IMG_42873

地階への階段がある。
この地下1階と2階に、
この秋、オーケーが出店する。IMG_42863

店の外から見るとこの駐車場のところに、
オーケーの搬入口ができる。IMG_42883

おそらくオーケーにとって、
横浜のみなとみらい本社下の店舗とともに、
会社の顔になるに違いない。IMG_42893

ダイエーのプランタン百貨店が、
今、ユニクロとオーケーになろうとしている。

店舗サイズとしては、
百貨店よりも衣と食の専門店のほうが、
はるかに適していると思う。

銀座の表通りのユニクロとオーケー。
その裏の無印良品。

観光スポットにもなるだろう。

商業の現代化の側面がここに現れている。

〈結城義晴〉

2023年06月05日(月曜日)

9・12「商人舎15周年記念セミナー」と続く「値上げラッシュ」

Everybody! Good Monday!
[2023vol㉓]

2023年第23週。
6月第2週。

昨日の日曜日に、
月刊商人舎6月号を責了して、
今日は商人舎オフィス。

全員で9月の特別イベントの打合せをした。

ジャジャーン!!
発表します。

商人舎15周年記念セミナー。

株式会社商人舎を発足させたのが、
2008年2月1日。

その発足の会は2008年4月17日でした。

あの高揚感は私の中に残っていて、
昨日のことのように思い出される。
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そのときに私は宣言した。
商業界で30年、商業の近代化に邁進してきた。
それは故倉本長治先生の遺志だった。

「これから商人舎で30年をかけて、
商業の現代化と知識商人の養成に励みます」

立教大学大学院で5年間、教鞭をとった。
コーネル大学RMPジャパンを創設した。
商人舎のミドルマネジメント研修も、
海外研修も継続してきた。

イオンの米国研修も、
平和堂米国研修も、
万代知識商人大学でも、
ロピアの様々なチーフ研修も、
一企業の問題ではない。
知識商人の養成を視野に入れてきた。

その30年の折り返し点が今年だ。

まだまだ掲げた課題には迫れない。

だからこれから15年間、
もっともっと命の限り、
商業の現代化に尽くしていきたい。
知識商人を養成していきたい。

そのためのキックオフをしたい。

それが商人舎15周年特別セミナーだ。

すでに発表している。
レジェンドセミナー。
ビッグ4が贈る小売産業へのエール。
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今年9月12日(火曜日)。
9・12(火)
午後12時半から夕方17時40分まで。
その後、結城義晴の新刊本の出版パーティも開きます。
9月の頭に発刊予定。

東京の大崎ブライトコアホール。

できるかぎり多くの皆さんに、
お集まりいただきたい。

石原靖曠先生と島田陽介先生。
それから鈴木哲男先生と結城義晴。

今週のブログは毎日、
先生方のことを紹介する。
ご期待ください。

特別セミナーでは、
12時半から夕方の17時40分まで、
順番に力のこもった講演をしていただく。

50年のキャリアの中で、
見てきたこと、やってきたこと、
そしてこれからやるべきこと、
どうやってやり遂げるか。

そんなことを的確に指導してもらう。

多くの人々にお声掛けをするつもりだ。
是非、ご参集願いたい。

申込書などの詳細は、
今週中に明らかにする。

商人舎と何らかの関係をもった人、
商人舎で学んだ人、
私の講義や授業を受けた人、
このブログを読んでくださっている人、
私の本や先生方の本を読んだことのある人。

ぜひぜひ、集まってください。

必ず、確かな未来が見えてくる。
確かな未来をお見せする。

さて、商人舎流通スーパーニュース。
帝国データバンクnews|
「食品195社」6月値上げは3575品目/前年の1.5倍
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㈱帝国データバンクの調査。
「食品主要195社」価格改定動向。

この調査はとても有益だ。

飲食料品の値上げ品目数は、
2023年5月31日までに、
累計2万5106品目だった。

昨2022年に値上げされた累計品目数は、
2万5768品目だった。

5月末でその97.4%に達した。

そして6月単月の値上げ品目数は、
加工食品と調味料を中心に3575品目。

昨年6月は2419品目だったから、
今年は約1.5倍となった。

つまり値上げラッシュは続いている。

6月以降の推移を調べている。

パン製品約1500品目が値上げする。
業務用小麦粉の原材料の値上げが原因だ。

2カ月連続で1カ月当たり3000品目超の値上げ。

8月以降は、
乳価改定を受けて乳製品が値上げの予定。
今秋にかけて1カ月当たり、
2000品目前後の値上げが続く。

しかし価格転嫁も一応、一巡した。
値上げペースは今年後半にかけて、
減速の兆しがみられる。

食品全体の急ピッチの値上げは、
今春を境にピークアウトしているようだ。

それでも電気・ガス代の高騰は、
新たな値上げ圧力となる。

7月には年内値上げ累計3万品目に到達する。

電気代・ガス代は製造業に限らない。
小売業も卸売業も、家庭内でも、
人々はみな苦しむ。

そこでいかに自分の値上げコストを克服して、
人々に貢献できるか。

攻めの経営と守りの経営。
その二兎を追わねばならない。
「両利きの経営」であり、
「トレードオン」である。
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ビッグ4の先生方も、
「トレードオン」を合言葉にして、
小売産業の未来を語る。

では、みなさん、
今週も、攻めよ、守れ。
どちらもやろう。

大谷翔平のごとく。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年06月04日(日曜日)

日曜日の責了と老子の「大道廃れて仁義あり・智慧出でて大偽あり」

6月第1日曜日。

横浜商人舎オフィスに出て、
月刊商人舎6月号の最後の責了。

午後8時くらいまでかかって、
すべて終わりました。

定義集と編集後記。
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デザイナーの七海真理さん。
ほんとうにありがとう。

表紙、Message。
素晴らしいデザインでした。

編集部の皆さんにも、
ご執筆、感謝します。

良い雑誌が出来上がりました。

今月号も、
すべて自前の原稿でした。

いわばすべてプライベートブランド。
それが商人舎の特長です。

すべてに私が目を通して、
ストーリーや文章を直します。

結城義晴の実印が押された雑誌。
ご愛読のほど、お願いします。

コロナ禍のまえ、
老子に凝っていた。

老子は中国の春秋戦国時代の哲学者。
諸子百家のうちの代表的な人物だ。

「道家」は老子を始祖とする思想である。

その道家の思想による宗教を「道教」という。
中国三大宗教は儒教・仏教・道教。

現在の中華人民共和国に、
こういった宗教はあるのだろうか。

大道(たいどう)(すた)れて、
(ここ)に仁義あり。

智慧出でて、
安に大偽(たいぎ)あり。

六親(りくしん)和せずして、
安に孝慈(こうじ)あり。

国家昏乱(こんらん)して、
安に忠臣あり。

大いなる道が廃れだしてから、
それから仁義が説かれるようになった。

知恵が働きだしてから、
それから大きな虚偽が行なわれるようになった。

家族が不和になりだしてから、
それから孝子や慈父が出てくるようになった。

国家が混乱しだしてから、
それから忠臣が現われるようになった。
(『老子』蜂屋邦夫訳注、岩波文庫)
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老子は「無為自然」を貴(たっと)んだ。

孔子の仁や義も、
無為自然のうちに行われるのが良い。

会社で言えば、
社風のようなものが出来上がっていて、
誰もが自然に、
仁の思いやりや義の道理にかなったことを
するのがいい。

ところが、仁や義を強調しすぎるきらいがある。

それは大道が廃れてしまったから、
仁や義を説かねばならなくなったのだ。

老子はそう言う。

小賢しい智慧が生まれたために、
大きな虚偽がはびこるようになった。

六親(父・母・兄・弟・妻・子)が、
仲良く暮らせなくなったから、
孝行息子や慈父・慈母が評判になってきた。

国家が混乱して、
悪政が行われ、敵に攻められたりすると、
忠実な臣下が登場してくる。

孔子は五常、五徳を説いた。
仁・義・礼・智・信である。

会社でも組織でも、
それが強調されてばかりいると、
お説教臭くなる。

老子はそういった空気を察知して、
無為自然を説いた。

老子はジャーナリスティックでも、
あったということだ。

今の中国に必要なのは、
この無為自然だろう。

もちろん日本にも、
無為自然は必要だ。

孔子がいて、
老子がいる。

それが古代の中国の思想の奥の深さである。

私たちも無為自然の態度をもち続けたい。
説教臭くなく、ね。

〈結城義晴〉

2023年06月03日(土曜日)

台風2号「大いなるものが過ぎ行く野分かな」

台風2号。マーワー。

沖縄を直撃。
日本列島の梅雨前線も刺激して、
各地で大雨被害をもたらした。
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地震列島の上に台風列島。

わが日本国は、
自然災害の宝庫ともいえる環境にある。

その自然災害は6種類に分けられる。
⑴地震
⑵津波
⑶風水害(台風、洪水)
⑷竜巻
⑸火山爆発、火砕流
⑹干ばつ

日本でも最近は竜巻が起こっていて、
すべてそろっている。

干ばつに関しては、
人間の手によって灌がいを施すことで、
克服した。

それ以外は、
事前に防災したり、
被害を小さくしたり、
被災後の復旧・復興をするしかない。

不気味なのは、
地震が増えていることだ。
火山の活動も活発だし、
津波が発生する頻度も高まる。

そして台風だ。

2号がこれだけの威力を示し、
これだけの被害をもたらすと、
このあとが心配になる。

こういった時にこそ、
小売業、サービス業の役割はさらに重くなる。

月刊商人舎webContents。
常盤勝美の2週間ウェザーMD予報
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「2週間」という単位の予報が、
マーチャンダイジングや店舗運営に、
ぴったりのタイミングで役に立つ。

活用してください。

さて糸井重里さんも、
この台風を心配している。
今日のダーリン。

「天気というのは、
同じ時間の、同じ日本のなかでも
まったくちがっていたりして、
“雨が続いてます”とか言っても、
“こっちは晴れてるけど”
なんてことになりがちです」

「ただ、今回の大雨は
ちょっとないくらいの広範囲で、
しかも危険だったりもするから、
共感度も高そうです」

「天気が自由に変えられるものならと、
心から祈ります」

それはできないけれど。

ひとこと。
「天然自然への感謝も畏怖も、
人間の力の大きさも小ささも」

不思議なことに台風の前では、
人間の器を考えてしまう。

歴史に残っている名句。

吹き飛ばす石は浅間の野分かな
〈『更科紀行』松尾芭蕉、45歳の句〉

「野分」は台風のこと。

強い野分の風は、
浅間山の小石までも吹き飛ばしてしまう。

雄大な光景を短い言葉で描き切った。

鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分かな
〈与謝蕪村『自筆句帳』〉

「鳥羽殿」は白河天皇退位後の離宮。

台風が吹きすさぶ中、
五六騎の武者が鳥羽殿へ急ぐ。

私は北斎の浮世絵のような情景が、
頭に浮かんでくる。

大いなるものが過ぎ行く野分かな
〈高濱虚子『五百句』より〉

明治、大正、昭和初期の巨匠。

「おおいなるもの」がいい。

巨人のような大いなるものか、
超自然の大いなるものか。

この「大いなるもの」の前では、
謙虚にならざるを得ない。

台風2号、被災された方々に、
お見舞いを申し上げたい。

〈結城義晴〉

2023年06月02日(金曜日)

商人舎6月号の「責了」とリオン・ドール&ヤオハンの「経営統合」

月刊商人舎6月号の最終責了の日。
最後はいつも私の原稿。

今月も書き続けた。
ぜんぶ書き上げたが、
責了まではいかなかった。

すみません。
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シンプルな「台割」です。IMG_E42473

今月号のMessage of June。
ちょっと面白い。

楽しみにしてください。

七海真理さんのデザイン。
素晴らしい。

大いに気に入った。

こういった雑誌の中で、
わが『商人舎』のデザインは、
最高です。

読者の皆さんも、
このブログでそれを見る皆さんも、
楽しんでください。

さて商人舎流通スーパーニュース。

リオン・ドールnews|
6/2付でヤオハン(栃木)完全子会社化/北関東の店舗網強化

㈱リオン・ドール コーポレーションは、
福島県会津若松市に本部を置くスーパーマーケット。
福島県を中心に新潟県、栃木県、茨城県に、
86店舗を展開するリージョナルチェーンだ。
グループ売上高は720億円。

一方の㈱ヤオハンは、
売上高70億円のスーパーマーケット。
栃木県南部の栃木市を中心に9店舗を展開する。

リオン・ドールがヤオハンを完全子会社化する。
同社は現在、栃木県北部に8店舗をもつ。

その店舗群も今年2月に、
㈱ダイユーから譲り受けたものだ。

今回、ヤオハンの9店舗を加えて17店になる。

栃木県内のローカルチェーンとして、
一定規模を確保することになる。

ともにCGCジャパンの加盟企業で、
リオン・ドールはもちろん、
ヤオハンの従業員の雇用を継続する。

栃木県内にはもう1社、
㈱八百半フードセンター(片柳伸一社長)がある。
鹿沼市に本社があり、
こちらも「ヤオハン」の店名で、
鹿沼市、日光市に8店舗を展開する。
両社に直接の関係はないが、
八百半フードセンターも、
CGCジャパン加盟企業だ。

こういった経営統合の例は、
どんどん増えていくに違いない。

私はずっと言い続けている。
悪いことではない。

「和を以って尊しと為す」
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商人の本籍地と現住所。

この考え方を貫いて、
互いにハッピーな関係をもち続けてほしい。

リオン・ドールにはまた、
9店分の責任が生じる。
それは忘れてはならない。

さてさて糸井重里。
毎日書くエッセイ「今日のダーリン」
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「からだのどこかが
痛いとか硬いとかいうのは、
使いすぎているか、
使わなすぎているかなんです」

トレーナーに何度か言われていた。

「身体のことじゃなくても、思い当たる」
これが糸井の真骨頂。

「じぶんは数学が苦手だ、と思っている人は、
なるべく数字をあつかうようなことは
考えたくない」

「いやだなぁと思いながら、
読み飛ばしてしまったり、
数字の関係の仕事は
他の人にまかせっぱなしにしたりする」

「こういうことが習慣になってくると、
だんだんと数学的な思考を
“使わなすぎる”ようになる」

「おそらく、そういう脳の回路を
休ませ続けているのだろう。
これはこれで、
脳内の滞りをつくってしまって、
思考に不都合なことが
起こっているのではないか」

その通り。

「いまの社会というのは
分業で成立しているから、
不得意なことをやるほうが”効率がわるい”と
されているものだから、
しないでいることも自然になる」

「逆に、得意なことは
“効率がいい”からやりすぎてしまう」

もちろん会社や組織の中で分業して、
それぞれが得意なことをやるのは、
とてもいい。

自分の能力を伸ばしていくときも、
何かに集中するのが、
一番いい。

ドラッカーの言う「強み」である。

しかしひとりの人間として、
どこかを使いすぎるのも、
使わなすぎるのも、
よろしくない。

人間として、
まっとうであること。

それが「リベラルアーツ」の思想だ。

米国カレッジ・大学協会の定義。
「個人の能力を開花させ、
困難や多様性、変化へ
対応する力を身につけさせ、
科学や文化、社会などの
幅広い知識とともに、
より深い専門知識を習得させるための
学習方法」

使いすぎているか、
使わなすぎているか。

自分のこととして、
考えておきたい。

〈結城義晴〉

2023年06月01日(木曜日)

イオン「低価格衣料専門店」と将棋名人戦の「歴史に残る名手」

6月に入った。

今日から衣替え。
しかし最近はスーツを着る機会も少ない。
衣替えの大わらわなどない。

中学や高校は制服だった。

夏服への衣替えの日に、
冬服を着ていって、
全体朝礼などあると、
目立ってしまって嫌だった。

今日は一日中、
横浜商人舎オフィスで必死の執筆。
そしてゲラの校正も。
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日本ボランタリーチェーン協会は、
東京ドームホテルで、
全国大会が開催された。

松井康彦さんに出席してもらった。
商人舎Executive Producer。

泉田幸雄会長がご退任。
井原實新会長が決まった。

よろしくお願いします。

そのあとはホテルニューオータニ東京で、
国民生活産業消費者団体連合会の定時総会。
略して生団連。

経団連に対抗する組織。

故清水信次さんが創設したが、
素晴らしい発想とネーミングだった。

ここにも松井さんに行ってもらった。

小川賢太郎会長、
よろしくお願いします。

さて、日経新聞の記事。

「イオンが低価格衣料店、
30年に240店」

スクープなのだろう、
イオンからのリリースは出ていない。

すでにイオン船橋店で実験が始まっている。

低価格のプライベートブランドの衣料専門店。
つまり「トップバリュ」のアパレルの店だ。

記事には、
「シニアや若者向けなど6種類の店舗」とある。

2023年から30年までに240店を出店する。

ターゲットにするのはユニクロか。
ユニクロより割安な価格帯で挑む。

GUより安いのかどうかは、
書かれていない。

一部メーカー品が含まれるが、
約1万種類の衣料品を、
客層別に6種類に分けて、
それぞれブランド名を付けて店舗にする。

つまりマルチバナー戦略である。

タレントや著名作家を起用して、
流行を取り込む。

来24年2月までに、
首都圏のイオンリテールの3店舗でスタート。
2030年にはイオン九州やイオン北海道、
さらにフジなどの店舗の8割にインショップで出す。

240店になる。

ショッピングセンターにも単独出店して、
専門店チェーンを構築する。

たとえば機能性肌着。
PEACE FIT COOL(ピースフィットクール)。
ユニクロの「AIRism(エアリズム)」への対抗商品。
ユニクロより2割安い。
しまむらの製品より1%程度だが安くする。

この作戦。

大いにやるべし。
遅かったくらいだ。

ずいぶん前に松井博史さんが、
つくづくと言っていた。
「アパレル専門店、やりたかった!!」

マイカルやイオン九州の社長を歴任した、
イオンの元幹部だ。

松井さんは1947年6月21日生まれ。
東京大学文学部を卒業して東レ㈱に入り、
79年にジャスコ㈱に転身している。

だからアパレルに対しては、
思い入れが強かった。

あの頃やっていれば、
ユニクロに追いついていたかもしれない。

しかし、今からでも遅くはない。

イトーヨーカ堂は、
アパレルから撤退する。

それへの皮肉も入っているだろうし、
その撤退分のマーケットチャンスは、
確実に取ろうという意図もあるだろう。

ちょっと気になるのが、
客層別に6つのバナーをつくること。
マルチ・フォーマット戦略だ。

しかしこれはマーケットが狭くなり過ぎて、
オーバーポジショニングになりかねない。

そこはこの戦略の最も注意すべき点だ。

しかし、大いにやるべし。
ベンダーとの関係づくりがカギを握る。

さて、
第81期将棋名人戦。
その第五局。

渡辺明名人に、
藤井聡太六冠が挑戦していて、
ここまで渡辺の1勝3敗。

カド番に追い込まれている。

持ち時間9時間の2日制。
最長の時間が与えられて、
将棋界で最も歴史のある棋戦だ。

会場は長野県高山村「緑霞山宿 藤井荘」
奇しくも藤井の名前がついた高級旅館。

渡辺名人の先手で始まった。
初手は7六歩。
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藤井聡太は必ず、
「初手、お茶」
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二日目の一番の難所。meijinnsen3

AIの判定では渡辺が一時、
60%対40%で優勢だった。

しかし藤井の72手目「6六角」が、
怪しい手で、
渡辺は長考に次ぐ長考1時間16分。

長考したあとは悪手を指すことが多い。
渡辺ほどの達人がそれをした。

渡辺は正直に感想を述べた。
「6六角の対応を間違えてしまった。
違う手を指さなければいけなかった」

「長考した結果、間違えてしまった」

一気に形成は逆転して、
藤井聡太が見事に勝ち切った。

渡辺が投了すると、
藤井もすっと頭を下げた。
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終わってみれば藤井の完勝。

シリーズ成績を4勝1敗として、
20歳10カ月での名人位獲得。
史上最年少名人。
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これまでは谷川浩司十七世名人が、
21歳2カ月で奪取したのが記録だった。

さらに七冠を達成。
これは羽生善治九段以来、
史上2人目の快挙だ。

渡辺は持っていたタイトルを、
すべて藤井に奪われて無冠となった。

ちょっと可哀そうな気もするが、
渡辺は必ず再起する。

私は確信している。

この五局を振り返ると、
三局目に渡辺が快勝した。

このときには歴史に残る名手を指した。
5九歩。

結局、藤井に勝つには、
歴史に残る手を考え出さねばならない。

それがとても印象に残った。

さてイオンの「アパレル低価格専門店」

歴史に残る一手となるか。

そんな名手でなくとも、
手堅い一手であればいい。

〈結城義晴〉

2023年05月31日(水曜日)

流通問題研究協会総会後の記念講演の「トレード・オン」

5月最後の日。

芝増上寺。
IMG_50483

その鐘楼を外国人観光客が写真撮影している。IMG_50523

そして東京タワー。IMG_50603

その前に建つ機械振興会館。IMG_50623

6回の607号室。

一般社団法人流通問題研究協会。
略称IDR。

1966年に発足した公益法人。
当時の管轄は通商産業省。
現在は経済産業省管轄。

林周二著『流通革命』の発刊が1962年。
この本のインパクトは大きかった。
日本商店連盟と日本専門店連合会が中心となって、
流通革命の研究をするために、
この協会は発足した。

初代会長は深見義一一橋大学名誉教授だった。
現在は玉生弘昌会長。
㈱プラネット会長。

その定時総会後の記念講演会。IMG_50653

司会は橋本佳往専務理事。IMG_50643

記念講演の講師は結城義晴。
テーマは、
「’23両利きトレード・オン」IMG_50683

1時間半をいただいたので、
持論を全面展開した。
IMG_50693

この協会の研究会では、
何度も講演しているテーマ。

副会長の皆さんをはじめ、
錚々たる人々がご聴講くださるので、
あらためてこの3年間に見てきたこと、
考えてきたことを話すことにした。

ご清聴を感謝したい。

講演会が終わると懇親会。

司会は橋本専務理事。IMG_50963

冒頭に玉生会長のスピーチ。
IMG_50743

玉生さんは総会ではもちろん、
講演会の冒頭でもスピーチし、
今日、三度目の挨拶。
IMG_50763

それでも玉生さんの話すことは、
機知に富んでいていつも面白い。
IMG_50793

乾杯の挨拶と音頭は、
岩田彰一郎さん。
アスクル㈱創業者で前社長。
現在は㈱フォース・マーケティングアンドマネージメントCEO。
IMG_50813

スタートアップ企業の応援と、
大企業のイノベーション力の強化を支援する。

月刊商人舎には、
2019年7月号で登場していただいた。
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玉生さんとの特別対談。
「明日来る」のイノベーションとは何か
taidanniwatatamasyou
今、読んでもいい対談だった。

その節は、
ありがとうございました。

今日の私の講演は、
ウォルマートやクローガーの報告が中心で、
巨大チェーンがマーケットのすべてを、
制圧してしまうような印象を与えたかもしれない。

しかしそれはすべてではない。

米国にも、
トレーダー・ジョーのような存在もある。
ナゲットマーケットのような小さな企業もある。

全体として大きな森のようなものが、
小売流通業やサービス業の在り方だと思う。

その意味でもトレード・オンである。

その岩田さんの音頭で乾杯。IMG_50863

その後は懇親。

フューチャー㈱の深谷紀子さん。
私のブログを愛読してくれている。IMG_50943

もちろん玉生さんともいろいろ話した。IMG_51043

中締めは廣瀬慎仁さん。
ライオン㈱流通政策部部長。IMG_50983

玉生さんも岩田さんもライオン出身だ。

その廣瀬さんの「一本締め」で、
お開きになった。
IMG_51013

東京タワー。
IMG_50873

東京タワー通りというが、
そこを下ってくると、
私が30年通った建物がある。
IMG_E51083

商業界会館。

取り壊されていた。
IMG_42283
確かに寂しいものがある。

けれどなぜかすっきりした気分もあった。

商業界創業者の故倉本長治主幹は、
日本商店連盟と日本専門店連合会などに、
深くかかわった。

設立の首謀者だった。

そして流通革命と中小商店が、
両立する世界を思い描いていた。

トレード・オフではなく、
トレード・オンであった。

私はその遺志を受け継ぐ決意だ。
改めてそう思った。

〈結城義晴〉

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