結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年09月03日(日曜日)

「私たちには、ストもございます」の社会志向コンセプト

いつものように、
書かなければならない原稿を抱えている。

それでもゆったりと日曜日を過ごした。

単行本を書き終えて、
一段落。

そんなにゆっくりとは、
していられないのだが。

「三越には、ストもございます」
1951年に流行した言葉だとか。

朝日新聞「天声人語」

私が生まれる前の年の暮れ。
百貨店史上初のストライキ。
三越の労働組合が決行した。

朝鮮戦争は、
1950年6月25日から1953年7月27日まで。

その真っ只中の年末。

歳末セール中で営業したい会社側。
賃上げや解雇問題で対立した労組。

会社側はアルバイトを雇って、
日本橋店など3店舗を開けた。

しかし労組がピケラインを張った。
客が入れない。

問屋は「入れないと手形が不渡りになる」

警察は「ピケを解かなければ実力行使する」と警告。

その周辺を平和運動の僧侶らが、
太鼓をたたいて回る。

72年前の朝日新聞の記事。
「デパートのストらしい風景」と書いた。

西武池袋本店のストと臨時休業。
〈abema newsより〉
seibunosuto

コラム子。
「大手百貨店では61年ぶりと聞き、
時の流れを感じた」

「ストがこれだけ珍しくなると、
その印象も世代で異なってくるのではないか」

「懐かしいと感じるか、
なんだこれはと思うか」

しかし朝日らしい。
「ストは憲法で保障された
労働者の権利である」

私もそう書いた。

「迷惑をかけるなどと思わず、
不当な扱いを受けたら交渉手段として
堂々と行使すれば良いのだ」

労働者の肩をもつ。

「私たちには、ストもございます」

組合の指導者たちは、
「スト」は戦術だから、
日常茶飯でやるものだ、
やれなければいけない、
と、組合員を鼓舞する。

私も若い委員長のころに、
そう言ったことがある。

経営者側は、
管理職や派遣スタッフを総動員して、
意地でも店を開ける。

なぜやらないのかと、
不思議に思う。

あっさりと「臨時休業」では、
それこそお客様にご迷惑をかける。

日経新聞の8月31日の記事。
「セブン&アイの誤算」

「グループの祖業であるヨーカ堂の有名なロゴは、
平和の象徴である”ハトのマーク”だ」

「である」が重なって、
ちょっと違和感のある文章だ。

「グループの祖業ヨーカ堂のロゴは、
平和の象徴”ハトのマーク”だ」

こちらの方がいい。

「だがとても平和とは言えない
約60年ぶりの百貨店ストライキが、
池袋という都内有数のターミナル駅で
起きてしまった」

先の天声人語とは、
違う受け止め方だ。

ストライキは「平和とは言えない」のか。

ストなどやれるのは、
世が平和だからだと思うが。

テレビに出てくる顧客たちも、
組合に対して同情的な声を発していた。

その日経新聞の「春秋」

「閉じたシャッターの前に組合員たちが並び、
“ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません”と
道行く人たちに謝っている。
強い日差しの下、長袖の白いワイシャツが
汗で腕に貼り付いていた」

「丁寧で低姿勢な語りかけは、
ストと聞いて連想する
往年のたけだけしい姿とはだいぶ違う」

「ひときわ目立つ横断幕には
“池袋の地に百貨店を残そう!”とあった」

「自分たちの雇用の維持ではなく、
職場が地域で果たすべき役割を
第一に掲げる」

「ストをした人たちも、
おとといはつらかったのではないか。
その熱意が今後の店作りに
生かされるよう願う」

労働者としての立場。
百貨店人としての立場、
商人としての立場。

その間にあって、
どう考えるか。

マーケティングコンセプトの発展段階。

第4番目に「顧客志向コンセプト」があって、
その次の5番目は「社会志向コンセプト」だ。

商人の立場は「顧客志向」だが、
“池袋の地に百貨店を残そう!”は、
社会志向である。

組合もストライキも、
社会志向コンセプトの中にある。

コンセプトが発展していることは確かだ。

〈結城義晴〉


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