結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年08月04日(金曜日)

食品メーカー6社が北海道で進める「商品は競争・物流は協調」

今日も1日、商人舎オフィス。

月刊商人舎8月号の責了日。
執筆が残っているのは、
私の短い原稿ばかり。

表紙のCoverMessage、
Message of August、
結城義晴の述懐、
そして評論。

今月は校正をせず、
単行本の執筆。

それでも全部責了しました。
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デザイナーの七海真理さん、
本当にありがとう。

今月号も、
いい雑誌になりました。

表紙はとても気に入りました。

さて今日は将棋の王座戦の、
挑戦者決定戦。

将棋界には八つのタイトルがある。
そのうちの七つは、
藤井聡太が保持している。

だから七冠と呼ばれる。
名人、竜王、王位、王将、
棋王、棋聖、叡王。

残るたった一つの王座を、
永瀬拓也が持っている。

その永瀬王座への挑戦者。

トーナメントを勝ち抜いて残った二人が、
藤井名人・竜王、21歳と、
豊島将之九段、33歳。

豊島は攻守のバランスが良くて、
「序盤・中盤・終盤すべてに隙がない」。

2014年からすでに、
将棋ソフトを使って研究を始めた。
将棋ソフト研究の先駆的存在だ。

竜王、名人を獲得し、
三冠だった。

それらを結局は藤井に奪取された。

愛知県一宮市出身で、
岐阜県瀬戸市生まれの藤井とは隣県人。

ともに中京圏の棋士。

共通点が実に多い。

藤井が先手。
いつものように「初手お茶」のあと、
いつものように2六歩。

豊島は8四歩と応じた。IMG_5764

最後は両者1分将棋。

逆転逆転の目まぐるしい闘い。IMG_5765

藤井が最後に、
9八角という妙手を放って勝ち切った。

そして挑戦者となって記者会見。
どんな問題にも、
謙虚に丁寧に答える。IMG_5773
いつも思うけれど、
日本の若者は素晴らしい。

さて、食品メーカー6社が、
北海道で共同配送の再構築を進める。

味の素㈱(藤江太郎社長)
カゴメ㈱(山口聡社長)
日清オイリオグループ㈱(久野貴久社長)
㈱日清製粉ウェルナ(岩橋恭彦社長)
ハウス食品グループ本社㈱(浦上博史社長)
㈱Mizkan(吉永智征社長)

10月から北海道の2つの物流拠点を、
1カ所に集約する。
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共同出資の物流会社F-LINEが仲介をする。
現状と比べると配送件数は約21%減、
二酸化炭素排出量は約16%減。

とくに北海道では2024年問題が深刻だ。

配送の人手不足、
物流コストの上昇、
脱炭素への対応。
この課題を克服するために、
共同物流が広がっている。

さらに商品の保管拠点、配送車両を、
共同利用する。

狙いは3つ。
⑴6 社共同配送の推進
⑵中・長距離幹線輸送ルートの再構築
⑶物流の整流化・各種標準化の実現
(伝票電子化・外装サイズ標準化など)

2016年4月からすでに、
2拠点での共同配送は始まっていた。

商品は競争。
物流は協調。

それはメーカーも小売業も、
さらに卸売業も同じだ。

困っているところから、
イノベーションは起こる。

これは全国的な傾向となる。

F-LINE(エフライン)の旧商号は、
味の素物流。

2019年4月に、
カゴメ物流サービス、
ハウス物流サービスの運送・倉庫事業を統合。

共同配送だけでなく、
物流機能自体の会社統合も進むだろう。

それはやがて、
巨大なインフラとなる。

情報分野のプラネットのようになる。

それはもう明らかだ。

コロナは時間を早めたのだ。

〈結城義晴〉

2023年08月03日(木曜日)

私の信条「追い詰められること」と菊竹清訓の「狂気」

今宵の月。
右上が少し欠けた。??????????

昨夜の満月。
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今日も1日、原稿と取り組む。

月刊商人舎8月号は、
私の原稿を口述筆記にしてもらった。

構想を練ってメモを書いて、
それを見ながら、
山本恭広編集長に向かって、
講演のように語る。

それを編集スタッフの鈴木綾子が、
原稿に起こしてくれる。

出来上がった原稿をみんなが手直しして、
最後に自分で完成させる。

いいものになった。
ありがとう。

でも、これが一番時間がかからない。

それから特集タイトルは、
亀谷しづえGMが、
凄くいいアイデアを出してくれて、
決まった。

最後の追い込み。

それが終わってから、
電車に乗って帰宅。IMG_6706 (002)3
帰ってからブログを書く。

いつものことだけれど、
そしてずっとやってきたことだけれど、
二つも三つも同時並行で仕事をする。

しかし、それが結局、
もっとも成果が上がる。

原稿書きは世の中で、
もっとも生産性が低い種類の仕事だ。

そんな職種の人は、
自分を追い詰めながら、
仕事を多能にこなして、
能率を上げるしかない。

1977年4月1日に㈱商業界に入社して、
販売革新編集部に配属された。

そして最初の雑誌の編集後記に、
自己紹介の記事を書いた。

販売革新1977年5月号。
今、その雑誌は手元にはないが、
こんなことを書いたと記憶している。

「博多生まれの横浜育ち。
学生時代は無頼派。
信条は追い詰められること」

それ以来46年間、
私は締め切り主義者である。

46年前に自ら書いた信条は、
いまも私を縛っているし、
私を支えてくれている。

ビル・ゲイツも語っている。
「なんでもギリギリにすると、
一番スピードが上がって効率がいい」

ゲイツの言葉は、
このブログで何度か紹介した。

いまもそれを実感している。

日経新聞の「私の履歴書」
先月は建築家の伊東豊雄さんだった。

基本的にこの1カ月の連載は、
毎月、自慢話のオンパレードだが、
中に、きらめく日がある。

伊東さんの連載は第7回。
「建築の師 身体的な思考法を学ぶ」

1965年、伊東豊雄は、
菊竹清訓建築設計事務所に入社する。

私も販売革新の駆け出しのころ、
菊竹清訓事務所で、
対談に立ち会ったことがある。

そのときに「カ・カタ・カタチ論」を、
直接聞いて教わった。
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「菊竹さんのもとで、僕は、
身体的にものをつくる姿勢を教えられた」

若い頃はこれが大事だ。

「言葉で説明するのは難しいのだが、
菊竹さんがつくる建築は、
コンクリートにまで
菊竹さんのアイデアが染み込んでいる気がする」

「実施設計まで進んだプロジェクトであっても、
しっくりこなければ白紙に戻す」

「すでに建設が進んでいた建物に
菊竹さんが不満げなので、
担当の遠藤勝勧さんがゼネコンに内緒で
夜中に梁を壊しにいったという伝説も残る」

凄い。

周りの人も、
それがわかっていた。

「論客ではあるが論理や理性だけで
建築をつくりあげることはしない。
まるで建築の内部に身体ごと入り込んで
設計するその手法は、
若い僕の身体に染み込んだ」

私もその内部に身体ごと入り込んで、
本や雑誌をつくりたい。

「福岡の旧家だった生家は、
戦後の農地改革で没落。
戦後の民主主義が日本の伝統文化を破壊した
という怒りが菊竹さんの仕事の核にあった」

「いつも笑顔をくずさない温和な人だが、
設計となると満身から毒気を放ち、
狂気をみなぎらせた」

私がお会いしたときにも、
温和な人だった。

けれど仕事においては、
満身から毒気を放ち、
狂気をみなぎらせた。

その点で菊竹さんは、
セゾンの堤清二さんと意気投合した。

これです。
大事なのは。

これからの5日間が私のそのときだ。

〈結城義晴〉

2023年08月02日(水曜日)

「うそは、ばれます」と「ほんと」の雑誌「ぐ~す~月刊とくし丸」

8月2日目。

今夜は美しい満月。
「スタージェン・ムーン」
Sturgeon Moon。
チョウザメの月。
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今年の8月はラッキーな月だ。

もう一回満月を見ることができる。
8月31日。
同じ月の二度目の満月を、
「ブルームーン」という。

しかもそれはスーパームーンだ。
今年一番大きな満月。

やはり8月はラッキーな月だ。
良いことがあるに違いない。

今日も1日、
単行本の原稿執筆と入稿。
章が一つ増えてしまった。

それから月刊商人舎の入稿。

今月号は私の執筆を最小限に抑えて、
山本恭広編集長と亀谷しづえGM、
そして編集スタッフの鈴木綾子が、
頑張ってくれている。

ありがたい。

朝日新聞「折々のことば」
昨日の第2808回。
「うそは、ばれます」
(俳句の師匠)

作家のくどうれいん。
「ありふれた料理や食材について書く時も、
ありきたりの描写にならないよう
心がけている」
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以前、俳句の会でみんなに褒められた時、
師匠に呼ばれこう釘を刺されたから。
「頭のなかで作っただけの
きれいな言葉を書いていないか。
本当にあなたの手触りがあるのか」
と糾(ただ)されている思いがした。

頭の中でつくっただけの、
きれいそうな言葉。

ありきたりの描写。

俳句の師匠はそれらを「うそ」と表現する。

それは物書きとして、
駄目です。

商売の実務でも、
POPをつくるときも、
報告書を書くときも。

自分の手触りのある言葉。
それが「ほんと」。

「ほんと」がなければ駄目です。
原稿執筆のときは、もちろんのこと。

「うそは、ばれます」

さて、
住友達也さん。
とくし丸の創始者。

また新しいことを始めた。

雑誌の創刊だ。

その雑誌が送られてきた。
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「ぐ~す~月刊とくし丸」IMG_E57433

とくし丸の全国稼働台数は、
8月1日時点で1147台。

雑誌の見開きで、
そのスーパーマーケットが一覧できる。IMG_E57483

北は北海道のダイイチから、
南は沖縄のりうぼうまで。
凄いラインナップ。
全国141社、2500店舗以上。
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とくしまるは1000台を超えて、
その伸びは止まらない。

1台約150人の顧客がいる。
だからざっと17万人以上のお客さん。
3日もあれば全員と顔を合わせ会話できる。
そんなネットワークが確立された。

住友さんはずっと言っている。
「とくし丸はインフラでありメディアだ」

それも唯一無二のネットワーク。

このネットワークに向けて、
雑誌を創刊した。

凄い。

「ぐ~す~」は「偶数」のこと。
偶数月に隔月刊で発行する雑誌。

読者対象はとくし丸の顧客、
そしてとくし丸予備軍。
つまりスーパーマーケットに来店する、
高齢のお客さんたち。

デジタル化の時代に、
あえてアナログ雑誌で臨む。

それは読者対象が高齢者だから。

住友さんは言う。
「正直、雑誌が売れない時代です」

しかしそれは、
「置いておくだけでは」という条件がつく。
つまり本屋の棚に置いておくだけでは売れない。

新聞は毎日、自宅まで宅配してくれる。
販売店網を確立している。

だから激減したとはいえ読まれていた。

「ぐ〜す〜月刊とくし丸」は、
独自の販売網をもつ。
「今月、こんなのが出たよ」と、
毎回お届けできる。

「活字好き、雑誌好きの方々は、
年齢を問わず3〜4割はいます」

雑誌も同じ。

この雑誌は、
とくし丸提携スーパーマーケットのみの販売。
他では買えない。

その「ぐ~す~月刊とくし丸」には、
3つの「初」がある。

「初1」
80歳前後の高齢者を読者対象にしている。

「80歳前後の読者」を想定した雑誌は、
世界中見渡しても存在しない。

雑誌作りで重要なのは、
「ターゲットを限りなく絞り込む」こと。
つまりSTPマーケティング。

「ボンヤリしたターゲット設定だと、
結局は誰にも刺さらない誌面になりがちです」

「初2」
本文文字の大きさが、最大級である。

高齢者の方々でもとても読みやすい。

「おかげで誌面編集には、
おおいに苦労させられています」

わかる。
それでも各ページの袖には、
「つぶやき」とタイトルされた、
とくし丸関係者の言葉が入っている。
結構、細かい芸を見せている。

「初3」
とくし丸提携スーパーマーケットだけで販売する。
141社、店舗数2500、
とくし丸のバンを合わせると、
3600拠点。

書店でもコンビニでも買えない。
とくし丸ネットワークでしか買えない。

「たぶん出版業界では、
初の試みではないでしょうか」

実に面白い発想だ。
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住友達也さんは1981年、
23歳の時に徳島でタウン誌「あわわ」を創刊。
そして出版社を創業した。

もともとは出版人だ。
私と同じ。
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そのキャリアと情熱が込められた雑誌。
「ぐ~す~月刊とくし丸」

うそのない、ほんとの雑誌です。

〈結城義晴〉

2023年08月01日(火曜日)

そごう・西武の林拓二社長解任に思う

8月1日。

今日も一日、横浜商人舎オフィス。
単行本の原稿と入稿。

さらに月刊商人舎の原稿を手直しして、
タイトルをつけて入稿。

二つの仕事をやっている。
まあ、いつものこと。

頑張ります。

昨日の「徒然草」の続きが面白い。
昨日は「第四十五段」だった。

公世の二位のせうとに、
良覚僧正と聞えしは、
極めて腹あしき人なりけり。

僧正の寺のそばに大きな榎の木があった。
そこで人々は「榎木の僧正」と呼んだ。

そのニックネームが気に入らぬ良覚は、
榎木を切ってしまう。

人々は残った切杭(きりくい)を見て、
「切杭の僧正」と呼ぶようになる。

ならばと僧正は、
掘り返して切杭を捨てる。
すると大きな穴ができて、
今度は「堀池の僧正」と呼ばれるようになる

「榎木僧正」と呼ばれ、
「切杭の僧正」と言われ、
「堀池僧正」になった。

自業自得。

その次の「第四十六段」

柳原(やなぎはら)の辺(ほとり)に、
強盗(ごうとう)法印(ほういん)と号する
僧ありけり。

度々強盗にあひたるゆゑに、
この名をつけにけるとぞ。

「柳原町に強盗法印という坊さんがいた。
たびたび強盗被害に遭っていたので、
こんなあだ名を付けられたそうだ」

さらりと、これだけの話。

強盗法印も何か展開があるのかと思ったら、
たびたび強盗に遭うだけ。

なんとも拍子抜けするが、
そこが実に面白い。

さて、
そごう・西武の社長が交代した。
林拓二代表取締役社長は解任された。
私と同じ70歳。
〈そごう・西武ホームページより〉
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商人舎流通スーパーニュース。
セブン&アイnews|
そごう・西武新社長に田口常務が昇格/西武出身

㈱そごう・西武のホームページには、
まだ林社長が写真入りで載っているし、
リリースでの発表はない。

セブン&アイ・ホールディングスが、
ニュースリリースで発表した。
「当社子会社の経営体制の変更について」と。

新社長は田口広人取締役常務執行役員。

その他に山口公義取締役が、
取締役副社長に昇格する。

実施日は今日の8月1日。

日経の記事によると、
現在の役員体制は8人で、
そごう・西武側が6人、
セブン&アイ側が2人だった。

新たにセブン側から3人の取締役が就任して、
今度はそごう・西武が5人、
セブン&アイが5人となる。

田口新社長は1985年、西武百貨店入社。
いわばプロパーの人材だ。

そして2014年、
セブンネットショッピング取締役常務執行役員、
16年セブン&アイ・ネットメディア社長。

セブン&アイグループに約10年間在籍。

そごう・西武は米国のファンドに、
売却が決まっている。
フォートレス・インベストメント・グループ。

しかしその手続きを巡って、
決着が遅れている。

もともとは2022年11月、
フォートレスと基本合意がなされた。
売却完了日は23年2月1日とされた。

しかしそれが「3月中」に延期され、
さらに再度延期されている。

そごう・西武労働組合は、
7月下旬にスト権を確立して、
勝手な売却は許さないという姿勢。

出店予定のヨドバシホールディングス。

行政の東京都豊島区と、
地権者の西武ホールディングス、
そしてそごう・西武労組。

そごう・西武経営陣と、
親会社のセブン&アイ。

このなかで林前社長は、
西武池袋本店の改装について、
慎重姿勢を示したらしい。

それが解任の理由であるようだ。

セブン&アイには、
誰か短気な人間がいるのか。
ここは慎重に粘り強く、
話し合わねばならない。

この解任は反発を強めるだろう。

行方が心配だ。

西武池袋本店は、
新宿伊勢丹、日本橋三越、
阪急梅田、高島屋日本橋などと並んで、
日本を代表する百貨店だと思う。

最新の売上高順位は、
1位 伊勢丹新宿本店3276億円
2位 阪急うめだ本店2610億円
3位 西武池袋本1768億円

この日本第3位の百貨店の地下1階と1階に、
ヨドバシカメラが入るのは、
いかがかと思う。

ヨドバシは上階でもいいと、
妥協しているとも聞く。

強盗法印とまではいかないが、
良くないあだ名がついてしまうかもしれない。

堤清二さんが育てた百貨店、
上野光平さんが新入社員として働いた百貨店。
NYのブルーミングデールのようなデパート。

じぶん、新発見。
不思議、大好き。
おいしい生活。
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私の池袋西武を、
守ってくれ!

〈結城義晴〉

2023年07月31日(月曜日)

岩崎高治日本スーパーマーケット協会会長インタビューのこと

Everybody! Good Monday!
[2023vol㉛]

2023年第31週。

今日月曜日が、
7月最終日。

明日から8月。

空はもう秋か。
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それでも台風6号が、
沖縄に近づいている。
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今日は午後から東京・秋葉原。
㈱ライフコーポレーション東京本社。
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すぐ近くに店がある。
ライフ神田和泉町店。
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1階が駐車場で2・3階が売場の2層タイプ。
都心型の店舗でうまく運営すれば、
このエリアの日常生活消費を、
独占することができる。
そしてライフは旨く運営している。

今日は岩崎高治社長interview。
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岩崎さんは6月30日に、
日本スーパーマーケット協会会長になった。 IMG_58653

総会後の記念パーティーのスピーチ。
素晴らしかった。
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今日はその協会長としての抱負を、
具体的に聞かせてもらった。IMG_66773

新たな調査資料なども見せてもらった。IMG_66763

さらにスーパーマーケット産業にとって、
極めて喜ばしいことが実現しつつある。

私にとっても20年来の念願がかないつつある。
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いまさら言うまでもないことだが、
間違いなく日本のスーパーマーケットを、
牽引していく経営者であり、
リーダーだ。IMG_66923
清水信次さん亡き後、
ライフコーポレーションも、
成長を遂げるに違いない。

ありがとうございました。

月刊商人舎8月号ですべてを掲載する。
乞う、ご期待。

岩崎さんも9・12(火)には参加してくれる。
商人舎15周年セミナー。
これもうれしいことだ。
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それにしても、
ビッグモーター。

中日新聞「中日春秋」

吉田兼好の「徒然草」から。
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この古典エッセイの第四十五段に、
「良覚僧正」という僧の話が出てくる。

「極めて腹あしき」と表現している。
怒りっぽい、意地悪い人である。

僧正の寺のそばに大きな榎の木があった。
そこで人々は「榎木の僧正」と呼んだ。

そのニックネームが気に入らぬ良覚、
榎木を切ってしまう。

人々は残った切杭(きりくい)を見て、
「切杭の僧正」と呼ぶようになる。

ならばと僧正、
掘り返して切杭を捨てるも、
大きな穴ができ、
今度は「堀池の僧正」と呼ばれることになる。

笑えない、哀しい僧正の話。

ビッグモーターの悪辣な商売に似ている。
保険金の不正請求が露見して、
問題化した。

今度は店舗前の街路樹に除草剤を撒いて、
故意に枯らしていたらしい。

「道路から店舗の車を見やすくするため」
などと疑われる。

アメリカにはカーマックスという、
中古車販売の会社がある。
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FORTUNEの働きがいのある企業ランキングで、
毎年100位以内にランキングされる。

最新の2023年版では85位だ。

従業員支持率83%、
極めていい会社だ。

第1四半期決算で売上高77億ドル。
130円で換算すれば1兆円。
年間売上高4兆円ほどになる。

規模も大きいが、
良い会社であろうとする。

そのパーパス。
To drive integrity by being honest & transparent in every interaction.
あらゆるお取引において、
正直さと透明性を守って、
真摯さ(インテグリティ)を推進します。

ドラッカーのIntegrityを、
パーパス経営の柱にしている。

ビッグモーター。
一度、会社を清算して、
出直すくらいでなければ、
再生は難しい。

倉本長治ならば、
「商売十訓」第一訓。
損得より先に善悪を考えよう。

ビッグモーターに対して言うことはない。

では、みなさん、今週も、
我々はIntegrityで。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年07月30日(日曜日)

国立環境研究所紅斑紫外線SITEと「過ぎたるは及ばざるがごとし」

先週火曜日の7月25日。
九州北部地方が最後に梅雨明けして、
全国的に2023年の梅雨が終わった。

毎日新聞の巻頭コラム「余禄」

「この時期、一年を通じて
最も強くなる紫外線は、
英語で紫を意味するvioletが
スミレとも訳されることから、
菫外線(きんがいせん)という別名を持つ」

紫外線は英語ではultravioletという。
略してUV。

UVカット商品など、
開発されている。

violetがスミレだから、
「菫」の「外」の線。

なかなかロマンティックな名称だが、
紫外線の方が定着した。

その紫外線の波長は、
10から400ナノメートル(nm)。
1ナノメートルは10億分の1メートル。
つまり100万分の1ミリメートル。

可視光線より短いが、
X線よりも長い。

その可視光線は 波長によって、
異なる色感覚をもつ。

紫が380~430ナノメートル、
青が430~490ナノメートル、
緑が490~550ナノメートル。
黄が550~590、橙が590~640、
赤が640~770ナノメートル。
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この最も短い波長の可視光線より、
もっと短い波長の電磁波が、
「紫の外側」という意味で「紫外線」と名づけられた。

それが「菫外線」でもある。

私はスミレの方が好きだな。

その紫外線は20世紀前半、
健康効果があるとされた。

ロンドンなどちょっとでも陽が射すと、
女性も男性も水着になって日光浴をした。

近年は白内障への懸念や美白ブームで、
敬遠される傾向が強いけれど。

しかし人気なのが、
国立環境研究所の紅斑紫外線サイトだ。

気象データをもとにして、
日光浴の推奨時間を、
全国12地点ごとに提供している。
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ほぼリアルタイム。

この5年間でアクセス数は倍増。

20代から40代の女性の9割が、
ビタミンD欠乏状態という調査もある。

コラムはシェークスピアで終わる。
「ベニスの商人」の台詞。
不満を漏らす裕福な女性に、
侍女が諭す。

「食べ過ぎても飢えても病気になる。
ほどほどの幸せほど、幸せなことはない」

「過ぎたるは及ばざるがごとし」
『論語』の「子曰、過猶不及」

孔子は中庸を説いた。

商売も同じ。

売れ過ぎてもよろしくはないし、
まったく売れないのも困る。

売れ過ぎると品切れを起こす。
売れないとロスが出る。

計画通りに売れるのがいいけれど、
ほどほどの売れ行きで、
少しずつ増えていくのが一番良い。

利益も同じだ。

利益が出過ぎるのも、
利益が出ないのも、
どちらも困ったことなのだ。

上げる数字、
下げる数字、
一定に保つ数字。

一定に保つとは、
「中庸」のことだ。

中庸は、
どちらにも偏らず中正なこと。

一定に保ちつつ、
少しずつ上げていく。

それがいい。

少しずつといっても、
ナノメートルレベルでは困るけれど。

1日中の原稿書きの合間に、
ふと、そんなことを思った。

〈結城義晴〉

2023年07月29日(土曜日)

「貧者よくオゴリ富者出シしぶる」と知識の「富者よくオゴル」

今日も商人舎オフィスに出社して、
一日中、原稿執筆。

単行本です。

外は暑い。
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けれどオフィスの中は涼しい。

狭いながらも楽しい我が家♪

エノケンこと故榎本健一の歌。
「私の青い空」
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ここのところ、
土曜・日曜も「わが家」に出て、
原稿を書いている。

なかなか思い通りに進まないけれど、
それでも構想が膨らんでいく。

狭いながらも楽しい我が家♪
愛の火影のさすところ
恋しい家こそ私の青空♪

いま、一番関心を持っているのが原稿だ。
その一部をここで書きたいところだけれど、
それは本ができるまで公開しない。
出来上がったら読んでください。

朝日新聞「折々のことば」
昨日の第2804回。

諺にも言えり、
貧者よくオゴリ
富者出シしぶる。

持てる者は、
自分のこと以外に、

一銭も出さぬものです。
(花森安治『暮しの眼鏡』から)

「懐が寒い人ほど
人によく奢(おご)り、
懐の温(あたたか)い人ほど
よく驕(おご)る、
というのが世の習(ならい)

さすが花森さん。
暮らしの手帳の創刊者。

うまいことを言う。

一昨日の「折々のことば」
第2803回。

信望を高める手段は、
贈与というか、
要するに、

自分が得たものをどんどん
配っていくことなんです。

(阿部謹也『対談 中世の再発見』から)
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「近代以前の西洋社会では、
“出世”は地位が上がることでも
富裕になることでもなく、
人びとのあいだで信望が
高まることを意味した」

信望が高いから、
重要な地位に着く。

それがいい。

リーダーシップの5段階。

ギリシャ、ローマ時代から、
「ノブレス・オブリージュ」といわれた。
noblesse oblige。

「それも物に限らず、
行為や会話、知識において
相手に与えるものが多いことだった」

見返りを求めず、
行為や知識を与える。

阿部謹也さんは西洋中世史家。
元一橋大学学長。

編著者の鷲田清一さん。
「そういえば”リベラル”の第一義も
気前のよさ」

ジョン・マックスウェル。
ミドルマネジメント研修会でも講義に使う。
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リーダーシップの5つのレベル。
第1レベルは地位によるリーダーシップ。
これが一番低いレベル。

第2は相互理解によりリーダーシップ。
コミュニケーションによるもの。

第3が成果によるリーダーシップ。
結果を出せばリーダーシップが生まれる。

第4が人材育成によるリーダーシップ。
人を育てることで信望が高まる。

そして第5は人間性によるリーダーシップ。
尊敬されることが人々を導く力になる。

自分が得たものを、
どんどん配っていく。
それによって尊敬される。
信望が高まる。

知識や情報は、
相互交流する。

与えれば与えるほどに、
跳ね返って来て、
得るものが大きくなる。

知識や知恵や情報に関しても、
「富者よくオゴル」がいい。

〈結城義晴〉

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