結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年09月10日(水曜日)

商人舎9月号「’25アメリカの歩き方」は26都市圏視察ガイド

月刊商人舎、本日発行!!
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特集は、
’25アメリカの歩き方
US-Retail[必携]視察ガイドブック
商人舎2025年9月号

[Cover Message]
アメリカ人自身は自分の国を「America」とは言わない。「The US」とか「The States」と呼ぶ。一方、外国人は「アメリカ!」と発しながら、あこがれてきた。ところがそのアメリカ合衆国への外国人観光客が激減している。政権の外国人排斥や関税政策が友好国の人々を中心に心理的逆風となっている。
だがUS-Retailの成長と革新は止まっていない。視察し、見学し、研究することの価値は高まるばかりだ。その成長と革新を見るだけでも、勇気と元気が湧いてくる。われわれ日本の小売業もやれるのだ。
商人舎9月号恒例の米国小売業特集。「US-Retail必携視察ガイドブック」は全米の26都市圏の歩き方を示す。われわれはまだまだ進化できる!!
商人舎2025年8月号目次

アメリカ合衆国は50州。
本土の48州とアラスカ州、ハワイ州。
さらに首都機能を担うワシントンD.C.。

この51地区は商務省国勢調査局によって、
4つの Region(リージョン)に分けられ、
さらに9つのDivision(ディビジョン)に、
細分化される。

⑴ウェストリージョン
⑵ミッドウェストリージョン
⑶サウスリージョン
⑷ノースイーストリージョン

この4Regionごとに、
訪れてみたい26の都市圏を、
流通中心にガイドしよう。

[ウェストリージョン]
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ロサンゼルス都市圏
サンディエゴ都市圏
サンフランシスコ都市圏
サクラメント都市圏
シアトル都市圏
ポートランド都市圏
ラスベガス都市圏
フェニックス都市圏
ホノルル都市圏
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[ミッドウェストリージョン]
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シカゴ都市圏
ミネアポリス都市圏 
セントルイス都市圏
シンシナティ都市圏
202509_Chicago

[サウスリージョン]
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ダラス都市圏
ヒューストン都市圏 
オースティン都市圏
サンアントニオ都市圏 
フェイエットビル都市圏 
アトランタ都市圏
マイアミ都市圏 
シャーロット都市圏 
ワシントンDC 都市圏
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[ノースイーストリージョン]
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ニューヨーク都市圏
ロチェスター都市圏
ボストン都市圏
フィラデルフィア都市圏
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ん~、こうして都市圏の名称を上げるだけで、
もう気分は高揚してくる。

それぞれの都市圏に素晴らしい店がある。
驚くような売場、うきうきする商品がある。

どこにもなかった‽!
「アメリカの歩き方」

堪能してください。

それから、
[編集長渾身のルポルタージュ]
キューポラのある「川口の陣」
オーケーの新規参入と

ヤオコー、ベルク、サミットの応戦

8月28日(木)、
オーケー川口中青木店がオープンした。ok-kawaguchi4

二宮涼太郎オーケー㈱社長。
「川口にはいろいろなお客さまがいるので、
しっかり対応していきたい」
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中通路のエンド部分では、
スモークサーモン、生サーモンを展開する。
新店オープンでは試食を行い、
顧客に必ず味わってもらう。ok-sarmon

ヤオコーはどう戦ったか。
サミットはどう反応したか。
そしてベルクは?
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まず盆商戦真っ只中の8月15日(金)、
それから盆明けの週末の8月23日(土)。
そしてオーケー開業の8月28日。

三度も川口を訪れて、
つぶさに取材、調査した。

Epilogueは、
「強み」の出し方と激戦地の闘い方

是非、このルポルタージュで学んでほしい。
そのうえで川口を訪れてほしい。

最後に[緊急特別寄稿]
今、商品部と商品開発に
求められていること
〈中村徹トルティーノ代表取締役〉
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月刊商人舎9月号、
今月もいい出来栄えです。

「われわれはまだまだ進化できる!!」
元気と勇気が湧いてきます。

ご愛読をお願いします。

〈結城義晴〉

2025年09月09日(火曜日)

「JAL・ANA、苦肉の協調・競争」とライフ「BIO-RAL」の全国展開

ゾロ目の9月9日。

身内の話で恐縮だが、
従弟の結城靖博が永眠した。

私に1カ月遅れて、
福岡市早良区脇山村小笠木で生まれた。
だから一番親しい従弟だった。

私の祖父弥一郎が結城一族の長で、
名付け親となった。

私は父の転勤で横浜に引っ越した。
福岡に残った靖博は小学生の時から、
村一番の秀才で、
西南学院の中高一貫教育を受け、
西南学院大学に進んだ。

中学・高校・大学と、
バスケットボールに打ち込んだ。

身長が足りなかったので最後は事務方を担い、
九州大学連盟の事務局長をやった。

そして百貨店の岩田屋傘下のサニーに就職した。
まったくの偶然だが私と同じ世界に入って、
精肉のバイヤーとなった。

上司のチーフバイヤーは、
萩原政利さんだった。
萩原さんはその後、
西友の物流本部長・商品本部長を担い、
最後はサニー代表取締役社長に就任した。
現在は商人舎特別顧問。

靖博はサニーを退社して、
いろいろな事業をやっていた。

靖博の父、私の伯父の信行は100歳で逝った。
「ナマンダブ」の達人だった。
告別式で靖博に会った。

その伯父を追うように、
10月の73歳の誕生日前に、
急逝してしまった。

冥福を祈りたい。

私は一日中、商人舎オフィス。
夕方にはスクワット。
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大村崑さんの真似。
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靖博の分も、私は頑張る。

さて、日経新聞の記事。
「ANA・JAL、苦肉の協業」

日本航空のJALと全日本空輸のANA。
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手荷物検査と搭乗ゲートの入場口システムを、
全国8割の75空港で共通化した。

主要6社の国内線事業は2024年度、
実質的に営業赤字に転落した。

そこで各社は、
「競争と協調」によって、
生き残りを模索する。

JALとANAは国内10空港において、
離着陸支援の地上業務の資格も統一した。

背景にあるのは国内線の窮状だ。

新型コロナウイルス禍を経て、
オンライン会議が普及した。
それによって利幅の大きいビジネス客が激減した。

そこで減少分を補おうと、
レジャー客の取り込みに動いた。

その結果、割引セールが乱発され、
運賃の下落を招いた。

これは小売業の安売り競争の構図とそっくりだ。

ANAの国内線売上高営業利益率は、
19年度が10%で24年度は1%。

JALと同様に国の補助金なしでは赤字。

スカイマークなどを加えた主要6社は、
国内線事業の営業損益が、
18年度を100とした場合、
23年度が7.3、24年度はマイナス15.7。

海外の航空業界は低価格のLCCの台頭で、
急激に再編が進んだ。

米国では大手は3社に集約された。
デルタ、ユナイテッド、アメリカン。

欧州でも3社に集約されてきた。
ドイツのルフトハンザ。
イギリスのブリティッシュエアウェイズ。
フランス・オランダのエールフランスKLM。

短距離はLCC、
中長距離の国際線は大手。
機能分化と棲み分けが進んだ。

日本はANA・JALの複占。
この2社がLCCなどに出資して、
系列化を進めた。

その2社も国内線の窮状が続く。
記事の結論はあいまい。
「さらなる再編機運が高まる可能性がある」

しかし複占の次は独占しかない。
それは独占禁止法に触れる。

だから国際的なグローバル企業に、
それぞれが関係をもつことになるか。

短距離はLCC、
中長距離は世界企業か。

日本のチェーンストアは、
世界企業を跳ね返した。
米国ウォルマート、英国テスコ、
仏国カルフール、独国メトロ。

航空機は国の支援を得て、
何とか残るのだろうが、
「複占」の次は「独占」ではなく、
国内企業の「全滅」である可能性もある。

JALもANAも、
サービスレベルの高さの実感からすると、
国際的に高い水準にあるから、
消滅することはない。

念のため。

さて、商人舎流通SuperNews。

ライフnews|
オーガニックPB「BIO-RAL」Amazonでの全国販売開始

ライフコーポレーションのBIO-RAL。
オーガニックを中心にしたPB。
ビオラル

9月8日(月)から「Amazon.co.jp」で、
全国販売を開始。

まだやってなかったのか、と思った。
しかし物流やロットの問題を考えると、
難しかったのだろう。

首都圏と近畿圏にはリアル店舗がある。
それ以外のエリアにも、
オンラインで販売する。

BIO-RALは2024年度で410アイテム。
売上高90億2800万円、前年比28.3%増。

しいたけごはんの素。

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有機大豆使用油あげ。
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ライフのポジショニングにとって、
骨格になるブランド。

大切に、根気よく育ててほしい。

〈結城義晴〉

2025年09月08日(月曜日)

大好評!!特集「In-Store MD」と「新生産年齢人口」

Everyone, Good Monday!
[2025vol㊱]

2025年第37週。
9月第2週。

9月というのにまだまだすごく暑い。
だから今日はアロハ。

「セルコレポート」が届けられた。IMG_5322 (002)
艱難は商人を鍛える」の連載は41回。

「倉本長治の艱難」の第3回目。
倉本は不本意ながら、
戦後、公職追放される。

その背景を語る。

艱難をバネにして、
商業界運動を創っていく。

それから面白いものが届いた。IMG_5317 (002)

「FRUX 2030 Design Note」
㈱フルックスホールディングスのグループ。

デザインノートは長期経営計画書ではない。
「未来への”思い”」のノート。IMG_5319 (002)
2030年に向かって、
会社も個人も「ありたい姿」をイメージし、
一歩ずつ前進したい。

そのために企画された。

社長の黒田久一さんらしくて、
とてもいい。

青果の仲卸業から始まって、
青果加工業へ転換し、
さらにミールソリューションカンパニーへと進化する。

それがこのDesign Noteに、
簡潔に描かれている。

大いに期待したいものだ。

さて月刊商人舎8月号。
お陰様で急に売れ始めた。
年極購読の申し込みも増えた。

特集は、
In-Store MDへようこそ!
商人舎8月号
チェーンストアは、
業種チェーンストアの1.0から、
2.0の業態チェーンストアへ、
そして3.0のフォーマットチェーンストアへ変わった。

だからそのインストアマーチャンダイジングも、
3.0へと変わらねばならない。

島田陽介先生から、
そのエッセンスを解読してもらった。

新谷千里さんには、
基本[5]原則と実践[8]原則を示してもらった。

実務技術特集です。

さらに第2特集は、
「広域商圏化の条件」8月号目次
ご愛読のほど、お願いします。

それから緊急開催。
商人舎バイヤーセミナー。
バイヤーセミナー
9月24日(火)・25日(水)
東京の晴海で開催。

バイヤー・マーチャンダイザーの、
仕事の技術を丁寧に伝授します。

仕事の技量が格段に上がります。
そして意識が変わります。

トランプ関税が影響を与え始める、
仕入れと調達の業務。

ローカルチェーンの皆さんが、
申し込んでくれています。
メーカーからも卸売業からも、
参加の申し込みがあります。

バイヤーの仕事を理解することで、
メーカーやホールセラーの仕事も、
格段に成果を上げることになります。

ご参加を検討してください。

さて日経新聞のコラム「大機小機」

コラムニストは烈兎さん。
タイトルは、
「新生産年齢人口」の構築を

「国民経済的に、高齢者の活用が
待ったなしの課題になっている」

「活用」と言われるのはしっくりこないが。

この30年間の15~64歳の生産年齢人口は、
8700万人から7300万人に激減。

一方で65歳以上の高齢者人口は、
1800万人から3600万人に倍増。

健康寿命は男性が73歳、女性は75歳。

コラムニスト。
「日本の生産年齢を、少なくとも
70歳にまで引き上げるべきことは明らかだ」

同感だ。

私も73歳になったが、
60代と何ら変わるものではない。

AIやDXが人手を減らす側面はある。
しかし「生身の人間ゆえ」に、
対応できる業務も少なくない。

「豊富な経験に裏づけられた、
立体的で多面的な対人関係や
事業遂行のノウハウ、
いわば仕事のソフトウエアはいまだに
人間、とりわけ高齢者に分があると思う」

「むしろAIやDXは
高齢者こそ活用していくべきものである」

その際、同一企業の終身雇用に
こだわる必要はない。

転職を前提とした、
経験値の横展開を促進すべきだ。

「蓄積された知見を、広く社会全体に
役立ててもらうのである」

これが重要だ。
「高齢者活用は経営者にも当てはまる」

経済産業省のリポート。
日本の最高経営責任者の在任年数は、
4~6年が44%と最多。
10年以上は約15%。

米国は10年以上が43%だ。

21年以上の在任者は日本の2%に対し、
米国は9%と4倍以上の比率だ。

さらに。
「CEOの在任期間が長い企業の方が、
PBR(株価純資産倍率)などの
経営パフォーマンス指標が高い」

「長期的視点から企業価値向上のために、
相応の長さの在任は有益である」

老害の弊害ももちろんある。

しかし在任10年以上となると
その多くは高齢者であろうが、
高齢ゆえに経営能力を欠いているわけではない。

「現場の働き手であれ経営者であれ、
元気な高齢者は宝物だ、という認識が重要だ」

同感だ。

「むろん、
高齢の女性は隠れた人材の宝庫であり、
その一段の活性化など、
多様性にも十分な配慮が必要である」

これにも同感。

「65~70歳の『新生産年齢人口』のための
社会システムを早急に構築していきたい」

個人差があるけれど、
75歳、80歳も働くことはできる。

私は85歳まで現役でありたいと思う。
その体調面、精神面の養生や調整を続ける。

では、みなさん、今週も、
真摯に働き続けよう。

Good  Monday!

〈結城義晴〉

2025年09月07日(日曜日)

石破茂自民党総裁の「辞任」と藤川球児タイガースの「優勝」

石破茂第28代自由民主党総裁。
夕方の6時から東京の首相官邸で、
辞意を表明した。
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一方、阪神タイガース。
兵庫県の甲子園球場で、
セントラルリーグの優勝を決めた。
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自民党の初代総裁は鳩山一郎。
1956年4月5日に就任して、
8か月後の1956年12月14日に、
日ソ国交回復を花道に退任した。
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二代総裁は石橋湛山。
リベラル派のトップだったが、
脳梗塞を発症して65日で辞任。
主治医は聖路加病院の日野原重明だった。

三代総裁が岸信介。
60年安保の時の首相。
3年4カ月。
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以下、池田勇人、佐藤榮作と続いて、
自民党の骨格が出来上がっていく。

その後、1970年代は、三角大福時代。
田中角栄、三木武夫、大平正芳、福田赳夫。

中曽根康弘は5年間。
自民党の内規で2期4年の任期を、
1年延ばした。

以後は竹下登、海部俊樹、宮澤喜一と続いて、
橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗。

そのあとに小泉純一郎。
「自民党をぶっ壊す」と叫びつつ、
郵政民営化を果たして、
任期満了の5年で交代。
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そして安倍晋三。
福田康夫、麻生太郎。

ここで民主党に政権を譲って、
安倍晋三の再任から復権。
これが長期政権となって、
そのあとは菅義偉、岸田文雄、石破茂。

戦後の歴代総理大臣の中で、
クリスチャンだったのが、
吉田茂、片山哲(日本社会党)、鳩山一郎、
大平正芳、細川護熙(日本新党)、麻生太郎、
鳩山由紀夫(民主党)、そして石破茂。

この中で自民党総裁のキリスト教徒は、
鳩山一郎、大平正芳、麻生太郎、石破茂。
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大平は惜しい早世だった。

麻生がキリスト者とは意外だが、
吉田茂の孫だから、
代々クリスチャンなのだろう。

どちらにしても自民党には今、
抜本的なコンセプトの突き詰めが必要だ。

もともとは保守系の自由党と、
中道系の日本民主党が、
1955年の保守合同によって、
自由民主党となった。

そこまで理念を遡らせる必要が、
あるのかもしれない。

石破茂のあとは、
小泉進次郎か高市早苗か。

技量で見れば、
私は林芳正もありだと思う。

とはいっても私は自民党支持者ではない。
そのほかの右も左も支持するものではない。

イデオロギーではなく、
もう少し原点的なところから、
日本の政治を考えていたいと思っている。

石破茂はこれから、
公明党委員長だった矢野絢也のように、
秀逸の政治評論家となるに違いない。

そっちのほうが向いていた。

一方の阪神タイガース。
球団創設90周年の節目に、
史上最速の優勝決定。
就任1年目の藤川球児監督の快挙。
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NHKの野球解説者を務めた後で、
優勝監督になったのは、
故星野仙一と原辰徳、
そして藤川球児か。

そうするとNHKで解説するのは、
監督として成功する条件なのかもしれない。

岡田彰布監督が、
2023年優勝、2024年2位で、
基礎を築いたチームを、
藤川がうまくまとめて、
独走優勝。

何しろ現時点まで、
セリーグ6チームの成績は、
1強5弱。

タイガースだけが勝ち越していて、
2位以下は全チームが負け数のほうが多い。

持ち駒はほとんど変わらず。
現有勢力で他に大きな差をつけた。
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これはマネジメントの勝利だ。
それは私にとってもうれしいことだ。

プロ野球に関しては、
もともと西鉄ライオンズのファンだった。

三原脩監督のもと、
中西太、豊田泰光、稲尾和久、仰木彬。

日本シリーズ史上初の、
3連敗からの4連勝でジャイアンツを破った。

東京のセリーグの、人気チームに、
福岡のパリーグの、個性チームが、
絵に描いたような逆転劇。
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1978年のオフ。
そのライオンズとタイガースで、
トレードが行われた。

阪神からは田淵幸一と古沢憲司。
ライオンズの真弓明信・若菜嘉晴・竹之内雅史。

私はそれ以来、タイガースファンになった。

1985年は吉田義雄監督のもと、
バース、掛布、岡田のクリーンアップで優勝。
日本シリーズも制した。

2003年は星野仙一監督、
2005年は岡田監督で、
セリーグ優勝。

さらに2023年も岡田が監督で優勝し、
日本一となった。

だから藤川監督以下、
選手諸君の躍動に期待しよう。

4番の佐藤輝明が今シーズンに覚醒して、
現時点で36本塁打、89打点の二冠王。
3番森下翔太は20本塁打、80打点でリーグ2位。
5番大山悠輔もリーグ3位の66打点。

3人で合計235打点。
チームの得点はリーグ最多の437点。
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エースの才木浩人は、
防御率1.62、12勝。
ともにリーグ1位。
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すべてがかみ合った最高のチームだった。

石破茂の辞任と、
藤川タイガースの優勝。

妙な日曜日だった。

〈結城義晴〉

2025年09月06日(土曜日)

「ゴルフ」と「仕事」と「顧客ロイヤルティ」の「時間より回数」

今日は高坂カントリークラブ岩殿コース。

立心会。
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左から大久保恒夫さん、中村博さん。

大久保さんは7月末日に、
西友副会長を退任して、
今、リテイルサイエンス㈱会長。
毎日、芝大門の会社に通っている。

元気です。

中村さんは中央大学大学院戦略経営研究科教授。
中大のビジネススクールを牽引している。

最近発表の論文を貰った。
『生活協同組合研究』
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「小売業のDXは
顧客ロイヤルティを高めるか?」
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この論文の中で中村教授は、
「お財布シェア」の概念を使う。
英語でShare of Wallet。

中村さんの説明。
「小売業を利用している顧客がどの程度、
家計の財布から小売業に支出しているかを示す、
顧客内シェア」

一人の顧客の支出のなかで、
特定の企業やブランドが占める割合。

顧客が特定の商品群に支出した金額のうち、
自社商品が占める割合。

この論文では、
グロサリーと日用品の期間購買金額を、
他店を含めた総支出金額によって、
割り算した値を利用者ごとに求める。

それを「お財布シェア」として考察する。

「お財布シェアは、
顧客ロイヤルティの代理指標となりえる」

お財布シェアがもっとも高いのは、
生協の個人宅配である。

この媒体に掲載する意味がここにある。

二番目に高いのは、
「徹底して低価格価値」を訴求する企業。
オーケー、コスモス、アークスなど。

「オムニチャネル・ショッパー」は、
リアル店舗とネット通販の両方を利用する顧客だ。

このオムニチャネル・ショッパーを増やすことが、
小売業のロイヤルティを高める戦略の一つとして、
有効であることを提案する。

鋭い指摘の論文だ。

さて立心会のゴルフラウンド。

暑かった。

けれど久しぶりに、
私の調子が良かった。

大久保さんと中村さんは、
スイング改造中。
いつもより悪かった。

次はそのスイングが完成に近づくだろう。

実は私もマイナーチェンジをしていて、
それが効果を出し始めた。

次回は10月となる。

楽しみだ。

ほぼ日の糸井重里さん。
毎日書くのが「今日のダーリン」

マルコム・グラッドウェル著。
『天才!』
「ある分野で一流になるには
1万時間の練習が必要だ」
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「吉本隆明さんは、
『10年間、毎日ひとつのことをやり通したら、
必ずいっちょまえになるよ』と言った」

横尾忠則さん。
「ぼくは、時間じゃないと思うんだよねー。
回数だと思うんだ」

さすが横尾忠則。
鋭い。

糸井さん。
「1万時間も、10年間も、
時間が面積的に捉えられている。
どこをとっても同じような
『のっぺり』した考え方なのだ」

「それに比べると、
横尾さんの言う『回数』というのは、
その都度の『ばらつき』が含まれた考えだと
思うのだ」

「人は、均質に一回ずつ、
なにかを続けることはできないし、
必ず同じ繰り返しには飽きてくるはずだから、
一回ずつどうしても異なることを
トライしたくなる」

「1万時間や、10年間という考え方で身につくのは、
『確実にまちがいのないものを生む技術』ではあろう
(一面の青々した田んぼのような景色を思う)が、
『(数字はともかく)すごい回数」の場合は、
それを実行するための脳や神経の回路が、
無数に生まれる」

「そして、ハズレも失敗は、
もちろんそこに含まれるはずなのだ
(無闇な森に恐竜が立っているようなイメージ)」

「均質でまちがいのないものを
大量につくる時代ではなく、
大当たりが、他のハズレの分までを
稼いでくれる時代だ」

「そのためには、小さく回数多く
試すことこそが方法なのだ」

顧客ロイヤルティも、
「回数」によって獲得できる。
「顧客が満足してくれた回数の積み重ねこそが、
『ロイヤルティ』になる」と私は言っている。

そして「ホッケースティックの関係」を提唱している。

糸井さん。
「AI に手伝ってもらうのも、
もちろんアリだろうし、
失敗と想像がつくのに試すのも
大事な回数のうちだ」

「10年や1万時間が来る前に、
当然、大いにイメージしながら
やってみるこったね」

顧客ロイヤルティだけでなく、
ゴルフも同じだ。

「キャリア10年」とか20年、30年とかで、
何年やっているかということよりも、
何万回スイングしたか、
何百回ラウンドしたか、
何千回ミスショットしたか、
それが技術力や精神力につながるのだと思う。

時間より回数。

仕事もそうだ。

〈結城義晴〉

2025年09月05日(金曜日)

大森壮蔵の「物と心」とマザー・テレサの「思考に気をつけよ」

台風15号、ペイパー。

各地に大雨をもたらした。
横浜も昼ごろに篠突く雨。

だが夕方には、
関東の東の海上に抜けた。

昨日までのミドルマネジメント研修会。
二度の理解度判定テストを実施した。

そして研修が終了してから、
1万字を目安としたレポートを課した。

成績を採点する。
テストが全体の5割、
レポートが5割。

テストに失敗しても、
レポートで取り返すことができる。

するとある一人の受講生。
講義が終わったその日のうちに、
レポートを仕上げて、
メールで送ってきた。

驚いた。

これまで1700人を超える履修生がいるが、
歴代でもいちばん早かった。
中身も悪くない。

私は朝から横浜商人舎オフィスに出社。
まだ月刊商人舎9月号の入稿が残った。

表紙にのせるCover Message。
特集の短いリード文。
そして編集後記。

さらさらと書いて、
最後の入稿。

それから荒天のなか、
東京・お茶の水へ。

新お茶の水ビルディング。
この建物の18階から20階までが、
井上眼科クリニック。IMG_5268 (002)

富田剛司先生が主治医。
元東邦大学医学部教授。
私の右目の三度の手術で執刀してくれた。

視力と視野と眼圧の検査。
そのあと診察。

このブログには何度も書いてきたが、
私は白内障、網膜剥離、
そして緑内障を患った。

今も4種類の点眼薬を、
毎日、朝、昼、晩と三度三度、
丁寧にさす。

検査の結果は、一進一退。
まあまあでしょう。

この井上眼科、
検査と診察のオペレーションが、
革新された。

待たせない。

この半年間で、
根本的に改革された。

眼科専門の病院で、
システム化は進んでいた。
しかし患者を待たせていた。

それが変わった。

嬉しいことだ。

薬局で目薬を買って、
JR御茶ノ水駅。
IMG_5270 (002)

ホームから聖橋が見える。IMG_5272 (002)

今日は病院のハシゴ。

横浜に戻って、
浅間台歯科へ。

歯の治療。
こちらもずいぶん良くなった。

そしてオフィスに戻る。

全員で最後の校正をしていた。
それに間に合った。

私もざっとゲラをチェック。IMG_5276 (002)

全部終わって、
山本恭広編集長と写真。
IMG_5278 (002)

お疲れ様。

さて、朝日新聞「折々のことば」
編著者の鷲田誠一さん。
哲学者の大森壮蔵さんの言葉を、
3日連続で取り上げた。

1921年生まれ、1997年没。
東京大学名誉教授。
信条は「哲学とは、額に汗して考え抜くこと」

一昨日の第3472回。
想像を知覚から
取り去ることはできない。
〈大森荘蔵〉

「現実は虚構を藉(か)りて表現される以外にはない」

編著者。
「大森が最初にあげるのは、
物の知覚の中で、
ともに働きだしている虚構の視線だ」

例えば机は、眼に映る見え姿だけでなく、
ここからは見えない側面や背面、
ときには内部への想像をも含めて
はじめて机として了解される。

大森。
「虚に照(てら)されて、
実がはじめて実となる」
論文「三つの比喩」(『物と心』所収)から。61xr4c+C5TL._SL1200_

私たちは実際に見ている「実」の部分に、
見えない部分の「虚」を、
想像によって加えて、
たとえば机を見ている。

私の場合、視力は左目しかないが、
想像の力は両目であると考えることができる。

昨日の「折々のことば」第3473回。
彼の痛みは
わたしの感じる痛みに
似もしないし
異なりもしない。
〈大森荘蔵〉

「想像を知覚から取り去ることはできない」
大森は物を知覚することの次に、
他人の存在を例に挙げる。

「人は他人が屈(かが)む姿を見て、
痛いのだと思う」

「が、それが痛みかどうかを
確かめる術(すべ)はない」

「可能なのは、そんな時はわたしも痛いと、
自分の場合を想像的に重ねることだけだ」

「この虚構によって他人は
わたしにとって在る」

私たちは物の見える部分だけでなく、
見えない部分の「虚」を想像することで、
より正確な物の実態を知る。

他人に対しても同じだ。
その痛みを自分に当てはめて、
自分の想像によって、
他人の痛みを知る。

他人の痛みを想像によって知るからこそ、
私たちは他人を認識することができる。

愛する人もその意味で他人だ。

「折々のことば」第3474回。
わたしに今
想像できる死後風景は
ありえない。
〈大森荘蔵〉

「死んだらどうなるかと
人は思いを巡らす」

「が、死ねば人は
知覚も想像もできないのだから、
死後の世界はどこまでも
虚構としてしかありえない」

大森壮蔵は、
これが言いたかったのだ。

人間は死んでしまえば、
知ることも思うこともできない。

だから死後の世界は、
死ぬ前の「虚構」としてしか、
存在することはない。

物の知覚、他人の存在、
そして自己の死。

「人の生存の核心をなすものは、
いずれも虚構に支えられている」

鷲田さん。
「ということは、
一度かぎりで確定するものではない
ということか」
論文「三つの比喩」(『物と心』所収)から。

「虚構」すなわち「想像」。
それは「思う」こと、
「考える」こと。

自分の好む物も、
愛する他人も、
自分の死も、
すべて想像によって成り立っている。
想像の力で支えられている。

商売で言えば、
店や売場や商品も、
顧客も仲間も取引先も、
「虚」、すなわち「想像」、
つまり「思い」によって、
成り立っている。

ミドルマネジメント研修会の最後。
「マザー・テレサのことば」
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思考に気をつけなさい、
それはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさい、
それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい、
それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい、
それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい、
それはいつか運命になるから――。

テレサが「思考に気をつけなさい」と諭すのは、
「物」も「他人」も「自己の死」も、
「思い」に支えられているからなのだ。

〈結城義晴〉

2025年09月04日(木曜日)

第25回ミドルマネジメント研修会の「自ら、変われ‼」

第25回ミドルマネジメント研修会。
その最終日。

3日目の朝も理解度判定テスト。
IMG_8380

2日目の講義から設問が設けられる。
作業システム、計数管理と、
マネジメントとリーダーシップ。
IMG_8382

体を前傾し、集中して、
回答用紙に向き合う受講生たち。IMG_8385

私もその奮闘の姿を見て回る。
IMG_8384

30分間のテストが終わると、
会場はざわめく。
IMG_8387

答え合わせをする。
IMG_8389

笑顔の関西フードマーケットの面々。
IMG_8391

設問の山が当たった?外れた?
終わった後の笑顔がいい。
IMG_8392

こちらは万代の面々。
万代知識商人大学の10期生たち。
IMG_8393

2回の記述テストは、
受講生たちには大きなプレッシャーだ。
テストが終わると和んだ雰囲気になる。

3日目の第1講義は結城義晴が担当。
IMG_8394

テストの回答を示しつつ、
大事な事柄を再確認する。
これが理解を深める。
IMG_8401

それからケン・ブランチャードのメソッド。
4つのスタイルによるリーダーシップ実践法。
さらにパワーポイントを使って、
チームワークの考え方と手法。

チームマネジメントは、
アメリカの先進小売業に広がってきた。
従来型のマネジメントを180度転換する。

ウェグマンズ、ホールフーズ、
そしてウォルマートが採用している。IMG_8404
その手法を丁寧に講義する。

第2・3講義は井坂康志講師。
テーマは「ドラッカーのマネジメント」
IMG_8411

井坂講師はものつくり大学教授で、
NPO法人ドラッカー学会共同代表。
IMG_8414

スライドと平易な言葉、
わかりやすいアナロジーで、
ドラッカーの本質を語ってくれる。
ありがたい。

そして最後にQ&A。
4人の受講生が質問をしてくれた。

真っ先に立ち上がったのは、
㈱関西スーパーマーケットの坂田洋介さん。
IMG_8419

日本流通産業㈱の石井晋作さん。
IMG_8428

イズミヤ・阪急オアシス㈱の野口俊雄さん。IMG_8432

㈱万代の小野隆裕さん。
IMG_8435

井坂講師はそれぞれの質問に、
丁寧に答えてくれた。
その姿勢はIntegrityそのものだ。
IMG_8424

ありがとうございました。
IMG_5264 (002)

昼食を終えると結城義晴。
90分の総括講義。IMG_8467
ミドルマネジメントが知っておきたい、
「流通経営戦略理論」。

まず「チェーンストア理論」。
難しく考える必要は全くない。

ゴドフリー・レブハーの『チェーンストア』から、
チェーンストアの5つの条件。

M・P・マクネアの「小売りの輪論」

そして「チェーンストア2.0」の理論。
『商業経営の精神と技術』の概論。
その秀逸な点と集積すべき点。IMG_8448

それから私の持論「業態とフォーマット」
「ポジショニング戦略」
IMG_8464

最後はサービス・イノベーション。
「ホッケースティックの関係」は、
忘れないでほしい。

職場で、仲間とともに、
実現させてほしい。

そして「自ら、変われ‼」
Behaviorはいま、すぐに、
自分だけで変えることができる。

それがスタートだ。
IMG_8453

すべての講義を終えて、
ご清聴を感謝した。

スタンディング・オベーションで、
讃えてくれた。
IMG_8472

研修会の初日に私は、
73回目の誕生日を迎えた。

そして10時間以上の講義をした。
いつまでできるかはわからない。
しかし全身全霊を傾けて、
伝えるべきことを語る。

語り終わったときに、
拍手をいただく。
IMG_5267

変わろうとする知識商人たち。
それが何よりうれしい。

研修会が終了すると、
受講生たちはバス3台に乗り込んで、
熱海に向かう。
IMG_8478

最後のバスに乗り込む受講生たち。
ニコニコ顔で元気いっぱい。IMG_8474

その彼らを事務局全員で手を振って見送る。
受講生たちも手を振り返してくれる。
IMG_8483
心から健闘を祈った。

聞いただけ、知っただけでは、
何にもならない。

行動し、実行し、
そのプロセスで自分が変わる。
職場を変える、仲間を変える。
店を変える。

そして会社を変える、社会を変える。

それがあなたの仕事です。
それがあなたの役目です。

頑張れ。
ありがとう。

〈結城義晴〉

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