結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年05月21日(火曜日)

第1回令和名人会中止判断と駆け込み減資の「ゲリラと正規軍」

5月の台風だった。
初夏の低気圧前線で、
強風と豪雨。

正午の天気図。SPAS_COLOR_201905210300

実は今日5月21日は、
第1回令和名人会の日だった。

1989年に始めたゴルフ名人会。
オリジナルメンバーは、
故小森勝さんが中心で、
浅香健一さん、鈴木國朗さん、
そして結城義晴。

小森さんは当時から、
コンビニ経営のトップコンサルタント、
浅香さんは立地調査のオーソリティ、
鈴木さんは商品と売場づくりの第一人者。
私はこの昭和から平成に変わった年に、
月刊食品商業編集長に就任した。

しかも1月1日付という異例の発令だった。

その結城義晴編集長誕生を記念して、
筆者の先生方が寄り集まって、
ゴルフコンペを開催してくださった。

白鳳カントリー倶楽部。

編集長に就任直後、
1月7日に昭和天皇ご崩御。

その日のうちに平成と改元され、
1月8日から平成元年となった。

そしてこの年の11月、
ベルリンの壁が崩壊し、
翌々年にバブル崩壊、
ソビエト連邦の解体。

激動の時代が続く。

1995年には阪神淡路大震災。

私は必至の思いで雑誌を作り続けた。

編集長就任ゴルフコンペのあと、
小森、浅香、鈴木、結城の4人で、
ゴルフの愛好会を始めていた。

初めは会の名称もなくて、
自分たちで「迷人会」などと言ったりした。

2カ月に1回くらいの頻度で、
このゴルフ会は続いた。
毎月ラウンドする場合もあった。

どんどんゴルフの腕が上がっていった。

もちろん全員の仕事は、
ますます忙しくなった。

何しろ新編集長だから、
次々に原稿依頼をした。

小森さんも、浅香さんも、鈴木さんも、
毎月のように何本も原稿執筆して、
そのうえで迷人会に参加してくれた。

皆さんのご協力もあって、
雑誌の部数は伸びに伸びた。

しかしゴルフのほうは、
一定レベルまで上がって、
そこで停滞し始めた。

不思議だ。

仕事がうまくいけばいくほど、
ゴルフはうまくいかない。

部数が伸びれば伸びるほど、
スコアはダウンした。

私は1996年に、
㈱商業界取締役編集担当に昇格し、
99年に月刊販売革新編集長を兼務し、
21世紀に入って2002年に専務取締役、
翌2003年に代表取締役社長に就任した。

その間も、名人会は細々と継続した。
私にとってはストレスからの解放の効用があった。

2007年、任期満了で社長を退任し、
翌2008年に㈱商人舎設立、
同年、コーネル大学RMPジャパン設立、
副学長に就任。

翌2009年4月、
立教大学大学院特任教授に就任。

このころから少しずつ、
私はゴルフに本腰を入れ始めた。

2011年3月11には、
東日本大震災が起こった。

日本は驚くべき復興を遂げた。

そうしたら2013年9月、
小森勝さんが逝ってしまった。
65歳だった。

それでも名人会は、
電通の土井弘さんを新メンバーに迎えて、
続けられた。

それから6年、平成は令和に変わった。

振り返って考えてみると、
私たちの迷人会改め名人会は、
平成時代の30年間続いたものだった。

だから後付けながら、
私たちの歴史を「平成名人会」と名づけた。

そして再出発する会を、
初めから「令和名人会」と名乗ることにした。

長々と綴ってきたが、
今日がその令和名人会のスタートの日だった。

しかし初夏の台風のごとき荒天。
やむなく2日前の日曜日に、
中止の決断を下した。

ゴルフは自然との闘いだ。
だから雨が降ろうが風が吹こうが、
プレイする。

亡き小森勝さんは、
そうした信念の人だった。

しかし、令和名人会の平均年齢は、
64.8歳。

今日の豪雨強風では中止はやむを得ない。

何が難しいって、
ゴルフの中止くらい難しいことはない。

しかしそれをした。
これからの令和名人会には、
きっと晴れ間が見えてくるだろう。

令和拡大名人会をたびたび開催する。
レギュラーメンバー以外の皆さんの、
ご参加を募りたい。

さて、今日の本論。
昨日の月曜日の日経新聞「経営の視点」
編集委員の田中陽さんが鋭い指摘。

日経きっての流通の専門家。

タイトルは、
「ポイントか商人の矜持か」
「10月の消費税率引き上げを控えて
中堅の百貨店やスーパーなどで
首を傾(かし)げたくなる戦略が散見されている」

「”駆け込み消費”ならぬ”駆け込み減資”だ」

50社超の企業が「減資を実施または計画」

なかには100年超の歴史を誇る老舗もある。

「ポイント還元支援など
政府の消費増税対策が受けられる
中小企業に自ら”格下げ”したのだ」

今回、減資を決めた小売業の大半が
資本金を5000万円までにした。

中小企業基本法第二条が、
「中小企業の範囲」を規定する。

①製造業・建設業・運輸業その他の業種
「資本の額(資本金)又は出資の総額が
3億円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が
300人以下の会社及び個人」

②卸売業
「資本の額又は出資の総額が
1億円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が
100人以下の会社及び個人」

③サービス業
「資本の額又は出資の総額が
5000万円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が
100人以下の会社及び個人」

そして④小売業
「資本の額又は出資の総額が
5000万円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が
50人以下の会社及び個人」

これによって、
資本金が5000万円以下の小売業は、
中小企業と定義されて、
政府の支援対象の条件を得る。

「ポイント還元だけでなく、
キャッシュレスを導入する店舗には
端末の導入費用が補助される。
至れり尽くせりの支援策に見える」

顧客はポイント還元される店で買う。
そちらを選ぶ。

だから減資して資本金を5000万円にする。
これは企業会計上、
許されないルールではない。

しかし田中さん。
「減資は企業にとってあまり
いいイメージを持たれない資本戦略の一つだ」

「信用力低下リスクもはらむ」

「資本力のある大手と、
そもそも政府の支援対象となる中小店に挟まれて
消費増税後の中堅小売業は
苦戦が予想される」

その通りだ。

「政府の誘い水を逃す手はない
と判断したのだろう」

この気持ちもわかる。

「小売業は機を見るに敏であり、
それが商才でもあるが
“信用という名を捨てて
支援という実を取る”
ことに大義があるのか」

「ポイント還元の期間はわずか9カ月。
持続的社会を目指す時間軸のなかでは
あまりにも刹那的すぎる」

田中さんの主張。
「信用、信頼の無形なものが
土台となる小売業や飲食業。
抜け駆け的な行為や
正直で透明性のある社会を
故意にゆがめることが
どれだけ社会的な損失を招くか」

「商人道の矜持(きょうじ)が試されている」

難しい問題だ。
ゴルフの中止以上に難しい。

マイケル・サンデルの「白熱教室」で、
議論してもいいテーマでもある。

特に「減資した企業」の立場に立って。

私は田中陽さんとは別の視点から、
2つの根本的な問題点があると思う。

第一に問題なのは、
政府であり、行政である。
間違いない。

競争は公平公正でなければならない。
市場原理に基づいて、
正々堂々の競争がなされるべきだ。

政府や行政はそれを促す立場にある。
それが一番経済全体を活性化させるからだ。

消費増税に絡めて、
一部の国民の人気取りとして、
軽減税率や中小企業の保護を織り交ぜる。
そこにあいまいな原則を盛り込む。

ここに問題の根源がある。

一方、第二の問題は、
減資する企業群とそれができない企業群が、
分断されている事実である。

田中陽さんの指摘のように、
社会的信用は何よりも重要であるし、
商人の矜持を持ち続けていたいと思う。

しかし、それでも消費増税を機に、
一気に消費者の購買マインドが、
冷え込んでしまう危険性も大きい。

そこで「機を見るに敏」な企業が出てくる。

反対に上場企業や資本金が巨大な企業は、
減資などできようもない。

そこで小売業界が分断されてしまった。

分断されて互いに文句を言い合うことに、
私は問題があると思う。

そうして士農工商の序列は、
依然として続けられていく。

分断されているからだ。

協会や団体が乱立していることにも、
問題があるだろう。

またしてもしてやられた。
そんな気分だ。

最後に私の著書から引用。

「正規軍とゲリラ」

正規軍は、勝たなければ、
すなわち負けである。
ゲリラは、負けなければ、
それで勝ちになる。

ベトナム戦争におけるアメリカ軍は
明らかに前者であったし、
ベトコンは確かに後者であった。

古くは共和制時代の
ローマ軍とカルタゴ軍の間でも、
長らくこの対立関係が続いた。

湾岸戦争ではなぜか、
ブッシュもフセインも
正規軍とゲリラ軍に分かれつつ、
どちらも勝った気でいた。

減収減益が相次ぐ今。
そして、消費マインドが
停滞しきった観のある現在。

「勝たねば負け組」には、
つらい逆風が吹く。
「負けねば勝ち組」には、
意外にも順風が潜んでいる。

「勝ちに不思議の勝ちあり。
負けに不思議の負けなし」
この野村克也の言葉の、
勝ちの不思議は「神風」である。

「勝った負けたとさわぐじゃないよ」
と歌う水前寺清子は、
「あとの態度」を大事にする。
これは「負けに不思議なし」を言っている。

あなたはゲリラか、はたまた正規軍か。
逆風を選ぶか、順風を好むか。

どちらであっても、
小売流通業は常に、
不思議の神風を感じる
機会にめぐまれている。

ビジネスそのものが、
不思議の神風を知るために、
為されている。

しかし、そのとき、
これだけは忘れてはならない。

労働法無視のゲリラになるな。
顧客不在の正規軍になるな。
『メッセージ』(商業界刊)より

最後の最後は、
働く人たちと顧客が、
どう判断してくれるか。

ここにかかっていると思う。

そして最後の最後の最後には、
どの企業が生き残ったかという事実が、
それを示してくれる。

恐ろしいことだが。

〈結城義晴〉

2019年05月20日(月曜日)

万代知識商人大学第4期の「戦略的人間力経営」講義

読売新聞の巻頭コラムが、
「編集手帳」
今日は堺屋太一さんの「団塊」の世代と、
その子どもたちの「団塊ジュニア」がテーマ。

「団塊」とは鉱業の専門用語で、
「堆積岩中に周囲と成分の異なる物質が、
丸みを持った塊となっている状態」

それを堺屋さんは世代に当てはめた。

その日本の団塊世代は、
戦後の1947年から49年生まれ。
私よりちょっと上の世代だ。

団塊ジュニアはその子どもたちで、
1971年から74年ごろの生まれ。

かつて国は楽観していた。
「団塊ジュニアが適齢期になれば、
人口は増える」

しかしこれが大きな読み違い。
それが日本国を苦境に陥らせる。

「堺屋太一さんは生前、
“3番目の日本”を創ろうと唱えた」

明治の「強い日本」
戦後の「豊かな日本」
それに続く「楽しい日本」

まさにその通りだ。

さて私は昨夜、大阪入りして、
今日は朝9時から万代知識商人大学。
2016年から初めて、
今年はもう第4期になった。

団塊ジュニアの世代、
それ以降の世代が中心となる。

東大阪市渋川にある㈱万代本社会議棟。

32名の第4期生が元気に集う。
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進行は津田睦さん。
人事部マネジャー。
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前回の今期第2回講座テーマは、
「ロジカルシンキング」だった。
このテーマに関して、
全員にレポートを課したが、
ニ人の4期生がその内容を発表した。

山中一高さん、宇治樋ノ尻店店長。
客数増についての施策を、
ロジカルシンキングでまとめた。
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もう一人は生駒裕香さん。
デイリー部バイヤー。DSCN9170-1

三つのテーマを発表したが、
業務の中の自らの時間管理が面白い。
よく勉強した。
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二人の発表内容はとても良かったが、
私は発表スタイルについて、
さらに要望を出した。

パフォーマンスを高める方法。

そして講義。

今日のテーマは、
「ヒューマンリソースマネジメント」

マネジメントには大きく分けると、
6つの体系がある。
その一つが今回。

午前の第1・2講義は私が担当する。
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講義テーマは「戦略的人間力経営」
“Strategic Human Resource Management”
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人は資産である。
活かされる存在である。

その資産の強みを、
どのように活かしていくのか。

1日を通してそれを学んでいく。DSCN9180-1

まず最初に「人間力経営」の意味。
心の力・頭の力・技の力。
人間力経営はその掛け算の力である。

そして万代のマネジメントの特性と、
最近の万代の組織や人材の傾向を分析。

それから戦略的人的資源管理の三段階、
Human Resource Managementの変遷。
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さらに日本のマネジメント教育が有する、
共通の特徴と理論的な背景。
それがもたらした弊害。
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いつものように、
マネジメント体系図を示して、
全体の理解を促す。
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最後はドラッカーとミンツバーグに至る。
午前9時から休憩をはさんで2時間30分、
一気に語った。
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昼食は万代渋川店で弁当を購入。
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購入のために毎月、店を見る。
一丁目一番地は青果部門。
葉物フェアーを展開中。
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果物コーナー。
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万代の強みの鮮魚部門。
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サバのタイムサービス。
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そして惣菜部門。
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ここで毎月、新作の弁当を食べる。
今日は中華丼。

ご飯がうまい。
あっさりしてコクのある味もいい。

最後にデイリー部門。
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ランチの後の午後の第3講義は、
「万代の労務管理」がテーマ。
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講師は河野竜一さん。
取締役人事部門担当。

万代カレッジでは、毎回、
万代幹部が講義をする。
これが企業内大学の良さである。

河野さんは1期から続けて、
労務管理について講義している。
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少子高齢化によって、
人口動態がどう変化していくのか、
その時の経営環境は、
どのように変わっていくのか。

最初から4期生の心をつかむ。

さらに労働基準監督署で起こった実例の数々、
具体的、実務的に労務管理の手法を講義。

わかりやすく、かつ身近な事例ばかりで、
4期生にとっては関心の高い内容だった。DSCN9201-1

2時間の講義はあっという間に終わった。

来期は、さらに講義時間を増やそう。
河野さん、よろしく。
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第4・第5講義は再び結城義晴。
ここでドラッカーのマネジメント手法を、
簡潔に解説指導。

そして最後は、
ケン・ブランチャードのリーダー手法。DSCN9218-1

リーダーシップの4つのスタイルと、
部下の発達4段階。
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これらを組み合わせることで、
発達段階に応じた教育訓練ができる。DSCN9215-1

4期生一人ひとりに、それぞれの、
リーダーシップ・スタイルを聞いていく。DSCN9211-1

後列では阿部秀行社長と、
河野取締役も聴講。
お二人にも自分自身の、
リーダーシップ・スタイルを聞いた。DSCN9217-1

万代カレッジでは、
一つのテーマを終日、徹底的に学ぶ。

これによって理解を深める。

受講生はそれを毎月、
自らの業務に活かして検証していく。
これを繰り返す。
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終日聴講してくれた加藤徹さん。
万代知識商人大学理事長、
そして親会社の㈱万代油脂工業社長。DSCN9221-1

最後に事務局と写真。
私の隣が河野取締役。
そして人事部マネジャーのお二人。
海野正敏さんと津田睦さん。
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万代も豊かな日本を実現させ、
さらに楽しい日本づくりに、
貢献してほしい。

もちろん万代知識商人大学は、
豊かな日本と楽しい日本を目指す。

心の力、頭の力、技の力によって。

〈結城義晴〉

2019年05月19日(日曜日)

コンビニ「24時間営業と見切り」問題への岡田元也とイリイチの解

今日は午後から新幹線のぞみ。
富士川を渡るが、富士は見えず。DSCN91409
西のほうから雲の軍団が北上中。

米原を超えて伊吹山。DSCN91519

そして佐和山城跡と、
彦根カントリー倶楽部。DSCN91539

新大阪に着いて、
小洒落たフランス料理。
「前芝料理店」

豚の頭のひき肉料理。IMG_63709

㈱万代の人事部マネジャー。
海野正敏さんと津田睦さん。IMG_63719
白ワインと赤ワインも少しだけ楽しんだ。

さて、昨日の続き。
生物学者の福岡伸一さん。
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why(なぜ)疑問と、
how(いかにして)疑問。

「why疑問文」は、
大きい問いであり、
深い問いでもある。

「大きな問いに答えようとすれば、
答えは必然的に
大きな言葉になってしまう。
大きな言葉には解像度がない」

「それは結局、
何も説明しないことに
限りなく近い」

そこで「小さなhow疑問」を、
解く行為に徹すること。

「いちいちのhowに答えないことには、
決してwhyに到達することは
できないからである」

そこでコンビニの24時間営業や、
「見切り」問題。

土曜日の日経新聞一面トップ。
「コンビニ 成長モデル転機」

中村直文さんの署名記事。
編集委員で流通の専門家。

セブン-イレブンの24時間営業。
東大阪市の加盟店オーナーが「待った!」

「ローソンも今期の出店数を減らし、
24時間営業をしない店の実験など
経営路線の修正を余儀なくされた」

さらに実質的な「見切り」のポイント還元。
セブン-イレブンが電子マネーnanacoで、
見切り分を本部もちで5%程度の還元。
相前後してローソンもPontaで、
6月から実験開始。

実質的な加盟店の「見切り」販売。

これによって廃棄は減り、
加盟店オーナーの負担は緩和される。

コンビニの4大原則。
鈴木敏文さんがつくり上げた鉄則。
⑴クレンリネス
⑵品揃え(欠品しないこと)
⑶鮮度
⑷フレンドリーサービス

この鮮度と欠品防止に対して、
「売れ筋でロスを出せ!」と指示が出た。

売れ筋商品に関しては、
ロスを出すくらい多めの発注で、
在庫をもって品揃えをせよ。
そうすれば鮮度がいい商品が、
絶対に欠品しない。

残れば廃棄してもよろしい。

これに対しても、
オーナーたちから反論が出た。

ここで鈴木さんの鉄則は、
「how疑問」から発したものだったが、
いまや「why疑問」となっている。

今の時代に沿った「how疑問」に、
正当な答えが求められている。
それが今回の「見切り」ポイント還元だ。

中村さんの結論。
「コンビニだけでなく、
チェーン経営の小売店は
割安な労働力に依存し、
規模拡大による収益の拡大を目指してきた」

「だが日本は人口減時代に突入し、
従来の成長モデルは通用しない」

最後の最後の言葉。
「デフレの中で長く続いてきた”安売り時代”が
大きく変わるかもしれない」

この最後のところは、
今回の論旨とずれている。

今日の日経新聞「総合面」
岡田元也イオン(株)社長
2面全面でインタビュー記事の展開。
okada
この中で、コンビニの24時間営業問題に、
解を出す。

「24時間営業が適正かどうかというのは
本質的でない議論だ」

「コンビニ業界で
本部がこれだけもうかっているのは
富の再配分に問題がある」

富の再配分の問題。
これは実は「how疑問」への解である。

そのうえで、
「加盟店にはもっと自主的な判断で
経営をする権利があるはずだ」

私は3月7日のブログで、
イヴァン・イリイチを引用して説明した。

「コンヴィヴィアリティ」、
「自立共生」の考え方。
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「社会は、新しい生産システムの
全体的効率に対する、
自立的な個人と一次集団の貢献度を
より大きくするような方向で、
再建されねばならない」

「その新しい生産システムは、
そのシステム自身が定めた
人間的な必要をみたすように
作られているのだ」

why疑問に答えているようで、
イリイチはhow疑問を積み重ねている。

〈結城義晴〉

2019年05月18日(土曜日)

豊島将之新将棋名人誕生と福岡伸一の「how疑問」

将棋界に新名人が誕生した。
豊島将之、29歳の天才。
史上初の平成生まれの名人である。

王位、棋聖の二冠を保有しているが、
さらに棋界最高峰の名人位を獲得。

第77期名人戦7番勝負の第4局を完勝して、
4戦連勝の完全制覇。
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133手目、豊島の6四桂の王手。
ここで佐藤名人が投了。
統領図
豊島将之は三冠となって、
羽生善治九段(48歳)の次の時代の、
令和の王者に名乗りを上げた。

佐藤天彦前名人もまだ31歳だが、
無冠となって出直し。

この令和の攻防も、
藤井総太七段の登場によって、
将棋界全体に活力が生まれた結果だ。

愛知県出身で、2007年に、
17歳でプロ入りしている。
これも超のつく天才だ。

藤井総太が岐阜県出身だから、
中部地方が逸材を輩出している。

羽生はもとより、豊島も藤井も、
本当に穏やかな性格で、
誠実な努力家だ。

それが日本の令和時代を象徴するようで、
頼もしいとともにうれしいことだ。

若いのに良い人柄で、
品格が備わっている。

それが日本人の一つの典型となって、
令和時代が幕明けた。

日本の小売流通の世界も、
こんな人材の登場が待たれる。

今日の朝日新聞「折々のことば」
第1465回。

大きな問いに
答えようとすれば、
答えは必然的に
大きな言葉になってしまう。
(福岡伸一)

「人間や生命がそもそも
なぜ存在するのかという問いは重要だが、
その解像度は低い」

生物学者の福岡さんは言う。

「それより身近な現象の有り様を
丹念に見るほうが世界の解像度は上がる」

ビジネスの解像度、
商売や商業の解像度、
それが問題だ。

例えばコミュニケーション。
「その本質は何かと問うより先に、
椅子をどのように並べたらいいか
考えるべきなのだろう」

編著者の鷲田清一さんにしては、
珍しくわかりづらい。

初出は「福岡伸一の動的平衡」
朝日新聞の連載コラムの昨年6月7日版。
タイトルは、
問い続けたい「いかにして」
福岡伸一

「世界の成り立ちの問い方として、
why(なぜ)疑問と、
how(いかにして)疑問がある」

「why疑問文は大きい問いであり、
深い問いでもある」

「なぜ私たちは存在するのか、
なぜ地球はこんなに
豊かな生命の星になったのか。
なぜ家族を作るのか、
科学や芸術を含む人間の表現活動は、
究極的にはwhy疑問に対する
答えを求める営みだ」

哲学といわれるものだ。

「しかしここに落とし穴がある」

「大きな問いに答えようとすれば、
答えは必然的に
大きな言葉になってしまう。
大きな言葉には解像度がない」

たとえば、
「世界はサムシング・グレイトが作った」
Something Greatは「偉大なる何者か」。

「それは結局、
何も説明しないことに
限りなく近い」

気をつけねばならないことだ。

「だから表現者あるいは科学者が、
まず自戒せねばならぬことは、
why疑問に安易に答える誘惑に対して
禁欲すること」

表現者や科学者に限らない。
政治家も経営者も実務家も、
学者もジャーナリストも。

「そして解像度の高い言葉で、
(あるいは表現で)丹念に
小さなhow疑問を解く行為に徹すること」

小さく始めよ。
シンプルに考えよ。

「なぜなら、いちいちの
howに答えないことには、
決してwhyに到達することは
できないからである」

商売にとっては、
この点が極めて重要だ。

日経新聞「私の履歴書」
今月は脚本家の橋田壽賀子さん。
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今日の「亭主関白」の稿で、
ドラマの脚本の書き方の神髄を語る。

「テレビの世界では視聴率は
絶対的なものと思われている。
しかし私はあまり気にしない」

「私が書くものは辛口ドラマと
呼ばれるようになるのだが、
確かにドラマで問題提起をして、
視聴者の共感を呼ぶのは容易ではない」

そこで橋田さん。
(1)身近なテーマ
(2)展開に富んだストーリー
(3)リアルな問題点――
この3つの要素を持っていれば、
必ず視聴者の心をつかむことができる。

福岡さんのhow疑問への回答そのものだ。

これは羽生善治や、
豊島将之、藤井総太の、
天才的行為と同じだ。

彼らの一手一手は、
how疑問への回答である。

そしてこれは、
私たちの仕事のやり方と同じである。

ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。

「コンビニの見切り問題」への回答も、
ここから解き明かされねばならない。
(明日へ続く)

〈結城義晴〉

2019年05月17日(金曜日)

令和元年のチェーンストア協会懇親会とセブンの「見切り」開始

今日は東京・赤坂見附へ。

お濠に新緑が映る。
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ホテルニューオータニで、
日本チェーンストア協会の
令和元年通常総会記念パーティ。DSCN9101-1

会長の小濵裕正さん。
カスミ会長。
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15分に及ぶスピーチだったが、
平成の小売流通業を総括し、
令和のチェーンストアの課題を整理して、
実に充実した内容だった。

消費増税や軽減税率に対しても、
きっぱりと意思を表明した。

小濵さんの一言ひとことは、
私なりの注釈をつけさせていただきつつ、
月刊商人舎6月号で再現しよう。

その後、自民党、公明党から、
政治家のスピーチ。IMG_69989
昭和・平成を通じて、
「経済一流・政治三流」と言われた。

現在は世界の50傑企業の中に、
トヨタしか入っていない。

経済も一流とは評しがたいが、
安倍長期政権は実現したものの、
政治三流は変わらない。
行政も官僚もそれに忖度している。

それが今年10月の軽減税率案として、
露出している。

乾杯の発声は久野貴久さん。
㈱日清オイリオ社長。DSCN9126-1

私は乾杯までの30分以上、
岡田卓也さんと並んで聞いていた。
イオン㈱名誉会長相談役。IMG_70049
大正14年生まれの御年93歳。
脚本家の橋田寿賀子さんが、
今月の日経新聞「私の履歴書」で、
その生い立ちを振り返っているが、
岡田さんは同年。

大正の末期に生まれ、
昭和、平成を生き抜き、
令和を睨み倒す。

杖をついてはいらっしゃるものの、
矍鑠とした姿は周囲を圧倒している。

本部席で小濵会長とともに、
清水信次協会名誉会長と懇親。
清水さんはもちろん、
㈱ライフコーポレーション会長、
日本小売業協会会長。
DSCN9130-1

その清水さんと恒例のツーショット。
DSCN9131-1

そして小濵裕正会長。IMG_70119
消費増税のこの時に、
小濵さんが会長でよかった。

私はそう思う。

その小濵さんの側近が、
取締役執行役の塚田英明さん。
コーネル大学ジャパン伝説の一期生。IMG_70069

この後、トップの皆さんと、
次々に懇親。

井出武美さんはイオンリテール㈱社長。IMG_70149

㈱平和堂会長の夏原平和さん。
三菱食品㈱社長の森山透さん。IMG_70179
夏原さんとは軽減税率に伴う、
タバコのポイント還元に関して話し合った。

㈱イズミ社長の山西泰明さん。
令和のチェーンストア産業に対して、
一言だけ私の見解を披露した。
IMG_70229

そして㈱フジ社長の尾﨑英雄さん。IMG_70249

㈱大創産業社長の矢野靖二さんと、
店舗運営本部長の山中尚也さん。IMG_70099

協会専務理事の井上淳さん。IMG_70139

いつも懇親会の最後は岩崎高治さん。
㈱ライフコーポレーション社長。IMG_70289

同常務取締役の森下留寿さん。IMG_70269

最後に日本経済新聞社編集委員の田中陽さん。
DSCN9134-1
今日のチェーンストア協会の懇親会。
令和時代に入って、
やや冷えた興奮状態だったと思う。

さて今日の商人舎流通Supernews。
セブン-イレブンnews|
今秋から消費期限迫った食品をポイント還元見切り

セブン-イレブンが、
ポイント還元方式の「見切り」を始める。
この秋と発表。

一方、ローソンは、
同じくポイント還元実験を、
愛媛県と沖縄県で始める。
期間は6月11日~8月31日、合計約450店。

このニュース、
実はローソンが先行して、
今朝、実験を発表する予定だったが、
セブンがそれを出し抜いた。

決まった顔ぶれが、
抜きつ抜かれつ。

それが令和の流通小売業だ。

〈結城義晴〉

2019年05月16日(木曜日)

「2019年版惣菜白書」から中食市場の新しい奔流を読み取る

新緑の気持ち良さ。
IMG_69849

「滔々たる荒川のほとり、
万緑の河畔あくまで緑。
その緑の中に一点
紅を点ずる者あり。
その名をお袖といふ」

この季節になるといつも、
口を突いて出てくる。
『人生劇場』二番の前口上。

今日は午前中に、
白幡文化スポーツ事業団の会計監査。
地域への私のほんの少しのご奉仕。

午後は東京駅へ。
IMG_69919

丸の内北口の天井。
IMG_69929

日本の首都の表玄関として誇らしい。
IMG_69939

それから徒歩で10分、
大手町プレイスウェストタワー。IMG_69859

フルクルタクシーが走っている。
km自動車が始めた迎車料金無料タクシー。
もう都内に1000台走行している。
IMG_69869
車体はロンドンのタクシーと同じで、
乗りやすいし車内空間が広い。

さて、商人舎流通Supernews。

日本惣菜協会news|
’18年惣菜市場10兆2518億円で9年連続伸長

「2019年版惣菜白書」が発表された。
一般社団法人日本惣菜協会の調査。
hakusho2019

協会による「惣菜の定義」――。
「市販の弁当や惣菜など、
家庭外で調理・加工された食品を
家庭や職場・学校・屋外などに
持ち帰ってすぐに
(調理加熱することなく)食べられる、
日持ちのしない調理済食品」

事業所向け給食、および、
調理冷凍食品やレトルト食品など
比較的保存性の高い食品は除外される。

惣菜をさらに分類すると、
5つに分けられる。
⑴米飯類
⑵調理麺
⑶調理パン
⑷一般惣菜
⑸袋物惣菜

このうち世間で「惣菜」と呼ばれているのは
⑷の一般惣菜で、和・洋・中華の惣菜、
そして煮物、焼物、炒め物、揚物、
蒸し物、和え物、酢の物、サラダなど。

⑴から⑸まであるということは、
「白書」が範囲とする「惣菜」は、
「中食」のこととなる。

「惣菜白書」に3つの市場が示されている。
2017年の内閣府「国民経済計算」より。
①内食市場35兆3281億円
②中食市場10兆0555億円
③外食市場25兆6561億円

これらを合算した食品市場は、
71兆0397億円。

私は1995年、
㈱商業界食品商業編集長時代に、
「中食市場動態調査研究会」に、
「専門委員」として参加した。

毎月1回ずつ議論を重ねて、
1年経過すると報告書を出した。

農林水産省が主催して、
座長は故田内幸一先生だった。
当時、日本大学商学部教授、
そして一橋大学名誉教授。
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㈱ロック・フィールドの岩田弘三さん、
㈱柿安本店の赤塚保さんが、
忙しいのに毎回、出席して、
持論を展開してくださった。

コンビニのバイヤーも参加していたし、
総合スーパーのバイヤーも顔を連ねた。
食品スーパーマーケットからは、
誰も選ばれていなかったと記憶している。

この研究会は3年ほど続けられて、
日本で初めて「中食」が正式に認知された。

日本は惣菜のメニューが豊富だ。
それは「中食市場」ととらえたからだ。

アメリカではドイツ語を借用して、
「デリカテッセン」と呼ばれるし、
「デリ」と略される。

「デリカ」は日本語。

米国のデリカテッセンは、
加工肉とチーズを中核として、
そこにサラダをはじめとする、
調理済食品が加わってくる。
IMG_6688-1-448x336

プリペアードフードの開発は、
ウェグマンズの貢献が大きい。
DSCN8286-1-448x336

日本惣菜協会の⑸袋物惣菜は、
「容器包装後低温殺菌され、
冷蔵にて1カ月程度の日持ちする
調理済包装食品」

ポテトサラダ等のサラダ、
肉じゃが、鯖の味噌煮など。

この分類の定義を見ていると、
多分にコンビニ業態の影響を受けている。

コンビニはまず、
⑴米飯と⑷一般惣菜を開発した。

その次に⑵調理麺、⑶調理パン、
そして今、⑸の袋物惣菜が伸びる。

さらに新たに、
レトルト惣菜や冷凍食品惣菜が、
伸びている。
7-11_20181127

つまりこれまでの定義では、
除外されていた領域だ。

2018年度の市場規模は10兆2518億円。
前年対比102.0%。

しかも2009年から9年連続の伸長である 。

souzai_20190516_09

業態別のスケール。
⑴コンビニ3兆3074億1600万円
⑵食料品スーパー2兆6824億1400万円
⑶総合スーパー9481億3700万円
⑷百貨店3596億3100万円
⑸専門店・他2兆9542億4600万円

⑴コンビニと⑵食料品スーパーは、
どちらも前年比102.4%。
⑶総合スーパーの伸びは102.9%。
⑸専門店・他は101.2%。

⑷百貨店だけが98.7%とマイナスである。

マーケットシェアは、
⑴コンビニが32.3%/0.2ポイント増
⑵食料品スーパーは26.2%/0.1ポイント増
⑶総合スーパーは9.2%/変わらず
⑷百貨店は3.6%/0.1ポイント減
⑸専門店・他29.0%/0.2ポイント減

惣菜の業態として、
市場をけん引するのは、
コンビニとスーパーマーケットである。

2016年に9兆8399億円だったが、
2017年に10兆円大台を超えて、
10兆0555億円。

そして2018年が10兆2518億円。
前年比2%強ずつ拡大している。

ここにレトルト惣菜と冷凍食品惣菜が、
確実に加わってくる。

そしてそれは、
家庭内にどんどん入り込んで、
内食を侵食していく。

宅配ビジネスやオンライン商売にも、
フレッシュ惣菜よりも乗りやすい。

同時にテイクアウト惣菜は、
外食をも飲み込んで、
「グロサラント」化していく。
「イータリー化」していく。
IMG_6556-1-448x336

もちろんいまだ、
「グロサラント」は、
収益性に大きな問題を抱える。

そしてこの面では、
10月の軽減税率導入の壁も立ちはだかる。

しかしそれらの課題は、
必ず解決されて、
惣菜と中食市場は、
食生活最大の成長領域になるに違いない。

それはこれらの概念の真ん中にある、
「家庭」や「ホーム」が変質し、
溶解し、拡散していくからだ。

したがって、
内食・中食・外食の枠を超えた、
新しいビジネスモデルが、
惣菜領域を席巻していくのである。

〈結城義晴〉

2019年05月15日(水曜日)

第一パンの「KYT」と在庫循環から見た「世界景気」の好転

今日の午前中は東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。

パン工場の現場でKYTに取り組む。
Kは危険、Yは予知、
そしてTはトレーニング(訓練)。
KYTを展開してから、
声掛けして事故を防止する。

そのためにKYMを頻繁に行う。
こちらは危険予知ミーティング。

重要なことです。

1963年、ジョン・F・ケネディ大統領が、
コンシューマードクトリンを発信。
「消費者の4つの権利」
その第1番目が、
安全である権利。

顧客や消費者、
そして働く人たちの安全を担保する。

そのためのKYTとKYM。
よろしくお願いします。

横浜商人舎オフィスに戻ったら、
「Meiji Marketing Review」が届いていた。
IMG_69709

私の連載は45回を数える。
季刊誌だから年4回発行で11年と1四半期。
「小売業のスーパーマーケティング」IMG_69739

今回のテーマは、
「商売の品格をマーケティングする」IMG_69759
手に入る皆さん、読んでみてください。

それから初摘み新茶も贈られてきた。
IMG_69779

㈱伊藤園特別顧問の江島祥仁さんから。
「新茶の香り漂う季節となりました」
IMG_69829
心から感謝します。
ありがとうございました。

さて昨日の日経新聞夕刊。
「社畜」漫画 共感広がる

「働き方改革関連法が順次施行される中、
過重労働やハラスメントに耐えて働く
“社畜”を描く漫画本が共感を集めている」

記事には「社畜」の説明がない。

しかしこの言葉は、
安土敏さんの秀逸の造語。
サミット㈱社長、会長を歴任しつつ、
作家となった。

あの荒井伸也先生。

その言葉を評論家の佐高信さんが広めた。

「家畜」は人間に飼い慣らされた動物。
「社畜」は会社に飼い慣らされた会社員。

「会社員でぶどり」は、
橋本ナオキ作。
劣悪な職場環境に
順応していたニワトリ会社員が、
後輩ヒヨコの突っ込みで
覚醒する4こま漫画。
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清水めりぃ作。
「ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話」
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とりのささみ。作の、
「テイコウペンギン」
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一方、人間が主人公の漫画も受ける。
「僕たちはもう帰りたい」
さわぐちけいすけの作品。
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読者は年齢、性別を問わない。
職業も多岐にわたる。

「社畜」化現象が進むほど、
社畜漫画が登場し、読まれる。

政府が「働き方改革」を提唱するほど、
「社畜」は増え、その漫画が作品化される。

その社畜の反対語が、
「脱グライダー人間」か。

私は「脱グライダー商人」と言っている。

故上野光平先生は、
「独立自営商人」と名づけた。
西友の実質的創業者にして、
流通産業研究所所長理事長。

飼い慣らされてはいけない。
忖度もつまらない。

会社に属していても、
「独立自営の志」をもちたい。

もう一つ日経新聞、
「大機小機」
コラムニストは富民さん。
「在庫循環からみた世界景気」

いつも素晴らしい。

「米中貿易戦争が始まって1年、
米中間の貿易は15%減少した」

ドナルド・トランプ大統領は、
そのうえで、さらに脅しをかける。

トランプはイソップを知らないらしい。
「北風と太陽」
北風と太陽

経済協力開発機構(OECD)の分析。
「米国が2千億ドル分の中国製品への関税を
10%から25%に引き上げると、
世界景気がさらに0.1%下がる。
すべてに25%が課されると、
0.3%押し下げられる」

国際通貨基金(IMF)の予測。
「今年の世界の成長率予想は3.3%だが、
3%程度に減速するかもしれない」

そこでコラムニストは、
世界景気を在庫循環から眺める。
「景気が悪化すれば
在庫が増え、
在庫調整が完了すれば
景気は浮上する」

これが原則。

「グローバル化で、
一国の過剰在庫が世界需給を変える」

世界景気を読むために、
世界全体の在庫を見る。

自分の店頭在庫もそこに含まれるが、
そんな小さなスケールではない。

「主要50カ国を合計した在庫投資額は、
過去50年に13回在庫循環があった」

その世界の在庫回転。
周期は4年弱、
調整期間は平均15カ月。

「昨年1月をピークに世界景気が減速し、
7~9月に過剰在庫が積み上がり、
10~12月から在庫調整が始まっている」

すごい分析。

「調整開始から半年、
一部の国に景気回復の兆しもある」

そこで富民さん。
「経験則では、
今年末には世界の在庫調整が
完了することになりそうだ」

世界半導体市場統計によると、
「世界の半導体市場は
昨年の4~6月から、
調整局面が始まっている」

「サイクルの山から谷までの調整期間は
平均5~6四半期だから、
今年後半にはシリコンサイクルも、
底入れする可能性が高い」

「貿易戦争の行方いかんで
多少遅れがでるかもしれない」

それはイソップを知らない男の所為だ。

「だが、在庫調整の進展とともに
年末には世界景気に
明るさが広がることになる」

明るい分析で頼もしい。

「今年の年末から来年は、
世界景気の好循環に入る」

もちろんそれが、
消費局面に影響を与えるまでには、
タイムラグがある。

しかしそのタイムラグを我慢しつつ、
自分の顧客の需要につなげる。

今年いっぱいは辛抱のとき。
来年は好循環に入る。

それを信じよう。

景気の周期は4年弱だ。

〈結城義晴〉

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