結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年06月27日(月曜日)

國分晃の「ステルス値上げは長期的な勝者になれない」

Everyone! Good Monday!
[2022vol㉖]

2022年第26週。
6月最終週にして、
金曜日からはもう7月。

2022年も半年が過ぎようとしている。

「コロナは時間を早める」
そう言ってきたが、
梅雨明けまで早まった。
IMG_36632

暑いけれど木々は、
生き生きとしている。
IMG_E36542

気象庁は今日、
九州南部と東海・関東甲信が、
梅雨明けしたとみられると発表。IMG_36662

なんとも自信なさげだが、
関東甲信も東海も、
平年より22日早い。
九州南部も平年より18日早い。

気象庁用語の「平年」とは、
平均的な気候状態を表す。
30年間の平均値に平滑化処理を加えて、
平年値は算出される。

つまりは30年間の平均値である。

関東甲信は、
観測史上最も早い梅雨明けだ。

九州南部も東海・関東甲信も、
観測史上最短の梅雨だった。

だから梅雨商戦はさっさと売り切って、
夏本番の売場に刷新しなければならない。
IMG_36562

一方、経済産業省は昨日の日曜日、
「電力需給逼迫注意報」を発令した。

今年5月に経産省の審議会で導入が決められ、
発令したのは26日が初めてとなる。

翌日の電力需要に対する供給の余力を
「予備率」と呼ぶ。
その予備率が3~5%の見通しになれば、
電力需給逼迫注意報が発令される。

予備率が3%を下回る見通しならば、
「電力需給逼迫警報」となる。

磯崎仁彦官房副長官は今日、
電力需給逼迫注意報の発令に関して、
節電を呼びかけた。
「使っていない照明を消すなど
無理のない範囲で節電、省エネへの
ご協力をお願いしたい」

商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
電力需給ひっ迫注意報発令で首都圏店舗で節電対応

セブン&アイ・ホールディングスは、
素早く反応した。

セブン‐イレブンは、
1都8県の約8800店舗。
1.フライヤー(揚げ物の)仕込みは、
前後の時間に振り分け、
電源はセーブモードまたはOFFにする
2.ドリンク類の補充に伴い、
ウオークインの開閉はなるべく避け、
前後の時間で補充等を行う
3.トイレの便座ウオーマーの電源OFF
4.給湯ポットはなるべく1台で運用

イトーヨーカドーは、
首都圏中心の98店舗。
1.店内照度の調整
すでに食品売場・衣料雑貨ともに基本照度を
100ルクス下げて対応しているが、
追加で什器照明の一部消灯を実施する
2.顧客への理解と協力を促す、
店頭での節電ポスターの掲示

セブン&アイらしい対応だ。

さて日経新聞の「月曜経済観測」
國分晃さん登場。
国分グループ本社㈱社長兼COO。
img_greetings02国分晃
聞き手は編集委員の田中陽さん。

値上げニュースに関して。
「この1年間で約65%のカテゴリーで
値上げが確認された」

値上げ幅が大きいカテゴリー。
「直近(5月)の実売価格の前年同月比では
ハードチーズ(37%上昇)、
プレミアム食用油(33%上昇)、
食パン(6%上昇)など、
原材料が輸入に頼るものが目立つ。
一方、主食のコメは8%の下落だった」

そして重要なこと。
「値上げによる
ブランド、代替商品へのシフトは
起きていないようだ」

ブランドスイッチは起きていない。

地域的な値上げの濃淡。
「競争環境として、
寡占が進んでいる北海道は
値上げが浸透している」

「例えばマヨネーズは、
メーカーの値上げ幅は約20%だが、
実売価格では約25%上昇している。
これは安く売られすぎていたのを
修正したことも背景にある」

「首都圏は過剰店舗で競争が激しいから
約8%の上昇にとどまった」

生活者は値上げを痛感しているのか。

「キャッシュレスでの買物が多くなり、
財布から現金を取り出して支払いするよりも
支出増の痛さが和らいでいるのかもしれない」

「おそらく、値上げの痛さを
生活者が実感するのは、
今年の秋だと思う」

「ビール類が5~15%前後値上げする。
値上げ前には相当な仮需も生まれるだろう」

正念場は秋だ。

「ボージョレ・ヌーボーは、
フルボトルで4000円台になるとみている。
昨年の2倍だ」

「ボージョレ市場が
消滅してしまうのではないかと
危惧しているくらいだ」

「小麦の政府売り渡し価格は
秋に再び改定(値上げ)されるだろうから
様々な製品の価格に波及する」

最後に日本の物価水準に関して。

「値上げしても販売数量が変わらず、
売上高が増えていることを見ると、
やはり”安すぎた”のではないか。
安くしようと”頑張りすぎていた”気がする」

ステルス値上げした商品は、
瞬間的に成功しても、
長期的な勝者にはなれない」

「ステルス値上げ」は、
価格やパッケージは変えず、
容量やサイズを縮小させて行う、
実質的な値上げのことだ。

「ステルス」は、
敵のレーダーをかいくぐる戦闘機のこと。
ステルスのように見つかりにくい、
実質的な値上げのこと。

英語では、
シュリンクフレーション(Shrinkflation)。
Shrink(縮小)とInflation(インフレ)の合成語。

國分さんはこのステルス値上げを、
「長期的な勝者にはなれない」と断じる。

これは正しい。

ヨークベニマル十二章にある。
「広告にウソやハッタリは禁物。
お客さまは一度はだませても、
二度はだませない」
???????????????????????????????
マーケットや顧客は見抜いている。
しかもステルス値上げは、
SNSで拡散される。

いいインタビューだったし、
いい答えだった。

では、みなさん、今週も、
長期的な勝者を目指そう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年06月26日(日曜日)

サルトルの「人間は自由の刑に処せられている」について

猛暑が続く。

昨日はその猛暑の中で、
ゴルフをした。

今日は家から一歩も出ずに、
静養した。

日中、外は暑い。
内はエアコンで涼しい。

ランチはパスタで、
一杯だけワインを飲む。

そして午睡する。

夕方になると、
日中の暑さが残ったまま、
少し涼しい風が吹いてくる。

中学・高校生のころの、
夏休みの1日。

あれを思い出して、
ゆったりした気分になった。

疲れたら、休む。
休んだら、動く。
そして疲れたら、休む。

人間の一生は、
この繰り返しだ。

しかし、
「人間は自由の刑に処せられている」
ジャン=ポール・サルトル。

「人間は自由である。
人間は自由そのものである。
もし……神が存在しないとすれば、
われわれは自分の行いを正当化する、
価値や命令を眼前に見出すことはできない。
……われわれは逃げ口上もなく孤独である。
そのことを私は、
人間は自由の刑に処せられている
と表現したい」
(『実存主義とは何か』伊吹武彦訳)
41ZJDXN222L._SX338_BO1,204,203,200_
サルトルは考えた。
神はいるのか、いないのか。
??????????

無から一切の万物を創造した神が、
存在するならば、
あらゆるものは現実に存在する前に、
神によって本質を決定されている。

これを「本質が存在に先だつ」と言う。
有神論である。

しかしもし神がいないとしたらどうなるか。

あらゆるものはその本質を、
神によって決定されずに、
現実に存在してしまうことになる。

これを「実存が本質に先だつ」と言う。

そしてサルトルはこれが、
人間のおかれている根本的な状況である、
と主張した。

人間はあらかじめ本質を持っていない。

だから人間とは、
彼が自ら創りあげるものに他ならない。

人間は自分の本質を、
自ら創りあげることを義務づけられている。

その意味で人間は自由である。
しかし自由である分、
自分自身に全責任が跳ね返ってくる。

だから人間は、
「自由の刑に処せられている」

逃げ口上も言い訳も意味はない。

サルトルはフランスの哲学者。
1905年6月21日生まれで、
1980年4月15日没。
51yDaJspQ1L._SX342_BO1,204,203,200_

シモーヌ・ド・ボーヴォワールは、
籍を入れない妻だった。
二人は慣習からも自由だった。

サルトルは3歳のときに、
右目を失明して、強度の斜視となった。

1973年、68歳で残った左目を失明した。
それまで左目で読み書きをしていた。

それでも自由を求めた。
自由の刑に処されつつ。

晩年は口述筆記などをして、
ものを考え、ものを書き続けた。

商売も仕事も、
自由である。

人に制約されることなく、
神にも決定づけられず、
自分で決めることができる。

しかし自由の刑に処せられている。

私はときどき、
「商売の神様」を持ち出すけれど、
それはあらゆるものを決定する神ではない。

追認してくれる神である。

その意味で有神論の神に対しては、
サルトルに同意している。
51uWuein5WL._SY291_BO1,204,203,200_QL40_ML2_

自分がやってきたことを、
正当化する必要はない。

誰も「正当化せよ」と命じているわけではない。

しかし私たちは孤独である。
商売や仕事には逃げ口上も利かない。

結果が示されるだけである。
自分自身に跳ね返ってくるだけである。

それが「自由の刑」である。
喜ばしき「自由の刑」である。

〈結城義晴〉

2022年06月25日(土曜日)

「使い過ぎと使わな過ぎ」の「真贋」と「情操」

猛暑だった。

群馬県伊勢崎市では40.2度を観測。
6月の国内最高気温を更新。

群馬県は桐生市でも39.8度、
栃木県は佐野市で39.7度。
埼玉県は鳩山町で39度を超えた。

観測史上最高気温が続出。

東京都心では35.4度。
今年初めての猛暑日。

横浜市は32.8度。

関東地方を中心に高気圧に覆われて、
晴れ間が広がるとともに猛烈な風が吹いた。

東京湾を横切るアクアラインは、
横風のため40キロ規制が続いた。

その猛暑暴風の中、
予定が入っていたのでゴルフをした。

散々な内容だったが、
なんとか凌いだ。
そして終わってから考えた。
suingu
ひどく風が強いから、
その風にボールが煽られて、
ミスショットが出る。

そう思いがちだが、
そうではない。

風が強くて暑いから、
身体に力が入り過ぎる。
その結果、
自分のスイングがおかしくなって、
ミスショットが増える。

どんな状況の中でも、
自分のフォームと自分のスイング、
自分のリズムと自分のテンポ、
自分の実力と自分の戦略。

それを貫徹しなければならない。

中部銀次郎。
「ゴルフで起こったことは、
鋭敏に反応してはいけない。
柔らかくやり過ごすことである」
410G8BMYK7L._SX291_BO1,204,203,200_
これは仕事や商売にも当てはまる。

現在の閉塞状態にも、
鋭敏に反応してはいけない。
柔らかくやり過ごすことだ。

「ほぼ日」の糸井重里。
毎日書くエッセイが「今日のダーリン」
p_itoi-448x484

1999年6月6日以降23年間、
1日も休まず書き続けられている。

私のブログは2007年8月10日から、
15年近くになる。
そしてこれもずっと続く。

その糸井さんのエッセイ。

「肩がこるとか首がこるとか、
腰が痛いとか背中が痛いとか」

何らかの治療を繰り返してきたが、
最近は治療院よりも、
ジムに通っているそうだ。

このジムで、トレーナーに言われた。
「硬いとか痛いとかいうのは、
おおざっぱにいえば
筋肉を使いすぎているか、
使わなすぎてる状態ですから」

「わっ、そういえばそうだよと、
目からうろこでした」

「たとえば、
デスクワークを続けていると、
ずっと同じ姿勢でいるから、
同じ筋肉が固定されている。
つまりは、使わなすぎている
ということですよね」

「スポーツ選手の場合だったら、
使いすぎているケースです」

「子どもは、遊びながら
身体をいつも動かしてるものなぁ」

そこで糸井の考察。
「硬いとか痛いというのは、
使いすぎているか、
使わなすぎている」という言葉は、
「身体のことだけじゃないように
思えるんです」

同感だ。

「”思考のこりや痛み”も、
あたまやこころのどこかを、
使いすぎたり使わなすぎたり
しているせいじゃないか、と」

倉本長治の商売十訓。
その第二訓が、
「創意を尊びつつ良いことは真似よ」
BK-4785502800_3L

これはイノベーションを意味している。
創意を尊ぶは「クリエーション」、
良いことを真似るは「イミテーション」。

創意を尊び過ぎてもいけないし、
真似るだけではもっといけない。

商売の場合は得てして、
「真似る」に傾き過ぎる。

それはいけない。

月刊商人舎2020年4月号。
特集「真似る」
「模倣の経営戦略」の真贋
202004_cover-448x634
実にいい特集だった。
今、読み直してみて、
輝きは失せないどころか、
輝きは増している。

糸井重里の最後の一言。
「いまはぼく自身に
“情操の時間”が
必要な気がしてならない」

「情操」とは日本大百科全書では、
「道徳、宗教、芸術、学問など
社会的価値をもった感情の複合」という意味だ。

「絵画や音楽を鑑賞するとき、
情動のようなはっきりしたものではなく、
なんとなく心が洗われるとか、
身が引き締まるとかいう感じになることがある。
このような漠然とした、
いくつかの感情が複合したような状態をいう」

「この情操を身に備えた人間は、
社会的価値のうえで高く評価される」

つまり「情操」によって、
「使い過ぎや使わな過ぎ」が防止される。
糸井重里はそれを言う。

商売における「模倣の経営戦略」も、
「情操」が欠けると「真似」に傾く。
そして真贋(しんがん)の「贋(がん)」になる。

「真贋」とは「本物と偽物」という意味で、
「贋」は「偽物」のことだ。

商人にも人間にも、
「情操」は必要だと思う。

〈結城義晴〉

2022年06月24日(金曜日)

マックスバリュ木更津請西店刷新開業と「独立消費」の享楽円

日本気象協会の発表。
「2022年梅雨明け予想」
20220621_tokiwa

今年の梅雨明けは、
異例の早さになりそうだ。

九州南部から東北南部まで、
予想は「6月下旬」。

最も早い梅雨明けの地域ばかり。

東北北部は7月中旬の予想。

その梅雨の合間の強風の日。
朝から東京湾アクアラインを使って、
車で千葉県木更津へ。

午前8時過ぎに、
イオンタウン木更津請西に到着。IMG_36332

商人舎流通SuperNews。
マックスバリュ関東news|
買物体験型店舗「MV木更津請西店」6/24改装開業

マックスバリュ関東㈱が、
この近隣型ショッピングセンターの核店、
マックスバリュ木更津請西店を、
大規模改装した。

今日はそのリニューアルオープンの日。

2009年10月28日開業のスーパーマーケット。
売場面積は712坪と十分なスペースを有する。
そのうえ客数も売上げも伸びつつあった。

その期待の店舗を、
「買物体験型スーパーマーケット」として、
大胆に蘇らせた。

この新フォーマットの1号店は、
2020年10月のマックスバリュおゆみ野店(千葉市)、
2号店は2021年7月の東習志野店(習志野市)、
3号店が2022年3月の津田山店(川崎市)。

木更津請西店は4号店である。

それぞれに想定を超える成果を上げ、
また問題点も浮かび上がって来た。

だから今回はある意味での集大成である。IMG_36452

私もこの店の快適さは実感している。IMG_37382

島田諭社長に案内してもらいながら、
丁寧に写真を撮って、
それからイートインスペースで、
単独インタビュー。
IMG_37642
木更津の海をモチーフにした、
Café&Dine(カフェ・ダイン)。

島田社長がここでも、
この店の意図を熱く説明してくれた。

ここで新作のジェラートをいただいた。IMG_37572
なかなか美味。

店長の松野邦彦さんも、
月刊商人舎の愛読者で、
よく勉強している。IMG_37672

最後に4人そろって写真。IMG_37712
私の隣から島田社長、松野店長、
そして下村恭徳第1エリア統括マネージャー。

月刊商人舎7月号で、
紹介しよう。

試食のためにいろいろと買物をした。
その感想も雑誌に書こうか。

マックスバリュをあとに、
近隣のせんどう木更津店へ。IMG_37832

青果、鮮魚、精肉がしっかりしている。
そのうえ惣菜は値ごろを抑えている。IMG_37902
一言で言えば、
「商売」をしている。

それがせんどうの強みだ。

昨年9月13日、せんどうは、
ヤオコーと資本・業務提携を締結した。
そして10月14日付で、
ヤオコーの持分法適用会社となった。
持株比率は43.18%。

しかしまだヤオコーのオリジナルブランドは、
せんどうの店には並んでいない。

これからじっくりと、
シナジー効果を狙うのだろう。
慌てることはない。

さて日経新聞「大機小機」
今日のコラムニストは一礫氏。
タイトルは、
「独立消費」をかき立てよう

故下村治氏の経済理論を応用する。
「投資が一定期間後にもたらす生産力に着目し、
需要中心のケインズ理論に
産出の理論を統合したものだった」

池田勇人内閣の高度経済成長プランナー。
下村理論が日本の高度成長を支えた。
411JjPEgQXL._SX298_BO1,204,203,200_

下村氏は投資を3分類した。
⑴比例感応投資
⑵予想感応投資
⑶独立投資

比例感応投資は、
「利潤の大きさに関わり、
従来の生産水準や雇用を維持するための投資」

これを怠ると生産が落ちてしまう。

予想感応投資は、
「見込み利潤の変化に感応して
盛り上がったり冷めたりする」

独立投資は、
「創業者利潤を目指した、
企業家の創造的活動から出てくる」

これら3投資によって、
一定期間後に一定水準の生産能力が生まれる。

その生産水準をケインズの有効需要に対比して
有効産出と名付けた。

「有効需要と有効産出の
高水準での均衡を目指したのが、
1960年代の高度成長だった」

「だが、その後、
日本経済の流れは趨勢的に変化する」

「日本経済のエンジン役は、
国内総生産(GDP)の6割を占める、
個人消費に移った」

個人消費を活気づけるために、
コラムニストは、
下村理論の投資に関する分類を、
個人消費に応用して考える。

「比例感応消費」は、
現在の生活水準を
維持するために必要な消費だ。
削れば生活水準が低下してしまう。

故上野光平先生の言葉を借りれば、
「生活マネジメント」の消費。
私の言葉で表せば、
「禁欲円の消費」だ。

「予想感応消費」は、
見込まれる所得の変化に応じて増減する。
これは所得に応じた消費である。

「独立消費」は、
生活水準や所得の変化と関係なく、
皆が支出したくなる消費。
これが「生活エンターテインメント消費」。
「享楽円消費」である。

コラムニスト。
「下方硬直性をもつ比例感応消費、
所得次第の予想感応消費に対し、
独立消費が個人消費活性化の鍵を握っている」

「家計部門の現預金残高は1000兆円を超え、
消費原資は潤沢だ」

「独立消費をかき立てる新商品の登場が待たれる」

「買物体験型スーパーマーケット」は、
間違いなく「独立消費」を拡大させる。

大いに社会貢献してもらいたいものだ。

〈結城義晴〉

2022年06月23日(木曜日)

ロシアへの「制裁のパラドックス」と住友精神「自利利他公私一如」

日本の政治は停滞している。
参議院選挙が公示され、
選挙運動が始まったが、
選択肢が少ない。
いや、ない。

小売業やサービス業でも、
店の選択肢、品揃えやメニューの選択肢が、
少ない状況が生まれると、
顧客は買い物が面白くなくなり、
消費は停滞してしまう。

飲食店に関しては最近、
どの店も味がまずくなった。

あくまでも個人の見解であるけれど、
原材料の高騰や物流費などの上昇が、
値上げを招き、
その値上げを抑えるために、
また原材料のグレードを落とし、
それが味の停滞を生んでいる。

こんなときにも、
変わらぬ味を提供できる店は、
人気が上がる。

さて日経新聞電子版の記事。
「経済制裁のパラドックス」
客員編集委員の脇祐三さんが書く。
「なぜロシアへの打撃は限定的か」

「国際的な制裁は、
本質的には政治的な手段、
ポリティクスである。
狙い通りの経済的な効果が
あるわけでは必ずしもない」

「対ロシア制裁では、
制裁を科す側も経済的な打撃を受ける。
その点で、過去の経済制裁とは異なる
“制裁のパラドックス(逆説)”が続く」
??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????

記事はタイトルのままで、
それほど新鮮味はない。

「国際的な経済制裁によって
制裁対象国が行動を変えた例は、
ほとんどない」

「兵糧攻めのように相手国の政権を
じわじわ締め上げようとしても、
物資が不足してくると、
独裁政権に近い人々は物資を得られる半面、
一般の人々は苦しむ
という展開にもなりやすい」

「結果的に相手国の政権による統制の強化、
独裁政権の延命につながる要素もある」

これが一般的な「制裁のパラドックス」だという。

サダム・フセイン政権のイラクにも、
制裁が科されたが、
この制裁のパラドックスが起こった。

ロシアのウクライナ侵攻に対しても、
国際的な制裁が続いているが、
それはどう違うのか。

「過去の制裁では、
制裁を発動する側への経済的な打撃は
ほとんどなかった」

「だが、今回は制裁を発動し、
強化する欧米で、
経済の逆風が強まっている」

結論は
「ロシアへの強い制裁は、
ロシアの力による一方的な現状変更を許さず、
ウクライナへの連帯を示すうえで、
必要なポリティクスだが、
欧米にとっての政治的なコストも
決して小さくない」

つまらない結論だが、
「制裁」にはもともと、
パラドックスが伴うものだ。

それを承知で制裁を加える。
武力による攻撃に、
経済による制裁で対峙する。

制裁を加える側にも、
痛手が生じる。

それも民主主義の理屈で制裁行動をとっても、
“非民主主義”の上のほうは何とも感じない。

これこそ「民主主義のパラドックス」だ。

今日は横浜商人舎オフィス。
ランチは岡野町の中華「萬興楼」。IMG_36382
この店の味もちょっとだけ落ちたか。

みなとみらいのランドマークタワーが見える。IMG_36392

午後3時に、
井上淳さん来社。
5月に日本チェーンストア協会副会長就任。
これまでは14年間、同協会専務理事だった。IMG_E36122

1967年(昭和42年)にこの協会が設立されて、
ずっと専務理事は経済産業省から迎えてきた。

しかしその専務理事が副会長になった例はない。

井上さんご自身の貢献が大きかったし、
これからもその力が必要だと認められたからだ。

今日はその井上さんと対談。

月刊商人舎7月号で、
この閉塞感への対応を語り合う。IMG_E36142
ご期待いただきたい。

最後に日経新聞「私の履歴書」。
今月は矢野龍さん。
住友林業の社長・会長を歴任し、
いま、最高顧問。
矢野龍
今日は「住友精神 無私の姿勢」

この住友精神がいい。

矢野さんが社長に就任して、
会社の屋台骨を支えるものが欲しいと考えた。

そして住友精神に辿りついた。

「住友の家祖、住友政友や、
その後、明治時代に総理事を務めた
広瀬宰平、伊庭貞剛らの先達が作り上げ、
長く受け継がれてきた事業精神は、
平たく言うと、
事業は自分の利益のためだけではなく
天下国家、国民のために
なるものでなければいけない、
そして、一見、相反するように思える
“公”と”私”は、実は
一つのものなのだという教えだ」

「自利利他公私一如(いちにょ)の精神」

「僕は、この住友の事業精神を、
住友林業の社員が理解し易いように工夫し、
経営理念と行動指針を自分で書いた。
社員手帳に明記して、
社内で主管者会議と呼んでいる、
年に2回の幹部会の場などで浸透させた」

「こんな経営理念といったものは、
往々にして美辞麗句の
仏作って魂入れずで終わってしまいがちだが、
僕は自分から率先して
経営判断のよりどころにした」

「社長になった1999年から、
会長を退いた2020年まで、
21年間続けた」

ロシアも中国も、
ウクライナもその制裁側も、
「自利利他公私一如」ならばいいのだが。

それは無理か。

しかし現在の閉塞感に向き合うには、
住友精神は拠り所となる。

〈結城義晴〉

2022年06月22日(水曜日)

True Data株主総会の報告と「紀文正月フォーラム」の予告

第26回参議院議員通常選挙。
公示された。

改選数は選挙区74人、比例区50人。

これに対して立候補者数は545人。
選挙区367人、比例代表178人。

1995年以来27年ぶりに、
500人を上回った。

女性候補者は過去最多。
全体の3割を超えた。

投開票日は7月10日(日)。

国政選挙のときには、
必ずこのブログで訴える。

選挙に行こう、
投票しよう。

投票日はいつも日曜日。
期日前投票が増えたと言っても、
やはり当日の投票が多い。

小売業、サービス業に従事する人たちは、
その日曜日に働く。

店は日曜日こそ書き入れ時だからである。

結果的に小売サービス業者の投票率は、
低くなる。

その人たちが投票行動に出れば、
政治が変わる。

だから、
選挙に行こう、

投票しよう。

商人舎流通SuperNews。
2つのニュース。
イオンnews|
全国135のイオン商業施設内に参院選「投票所」設置

期日前投票所は125カ所、
当日投票所は3カ所、
そして期日前と当日の両方が7カ所。
aeon_senkyo20220622

セブン&アイnews|
ヨーカドー、アリオなど27施設に期日前投票所

セブン&アイは、
期日前投票所が27カ所。
iy_senkyo20220622

顧客だけでなく、
そこで働く従業員は、
テナントの人たちも含めて、
投票しやすくなる。

店が投票所になる。
誇らしいことだ。

さて今日は朝から東京・浜松町。
日本生命クレアタワー。IMG_36232
その6階のコンベンションホール。

㈱True Dataの定時株主総会。
2000年10月の創業。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。

2008年11月、
㈱プラネットが筆頭株主となった。

プラネットの玉生弘昌さんに依頼されて、
私は非常勤取締役に就任した。
前年に㈱商業界を退任していた。

このCRMを実践する会社は、
ポイントカードの普及とともに成長した。
(CRMはCustomer Relationship Management)

2017年7月に商号変更して、
㈱True Dataとなった。
ビッグデータ・マーケティングの会社となった。

そして昨年12月19日、
東京証券所マザーズに株式上場。

その後の初めての株主総会。

いろいろな出来事があったし、
数えきれないほどのイノベーションが生まれた。

感慨深い。

全役員、全社員、緊張の中で、
株主をお迎えした。

そして無事に総会を終了。
二つの審議事項は満場一致で可決された。

私も取締役に再任された。

総会後に取締役、監査役、執行役など、
幹部のみなさんが揃って、記念写真。
IMG_36252

もっともっと努力しよう。
誠心誠意、仕事に邁進しよう。

社会になくてはならない企業になろう。
True Dataならばそれができる。

最後の最後に玉生さんとツーショット。 IMG_E36352

私が商業界編集担当取締役のころ、
その商業界から刊行したのが、
『顧客識別小売業』である。
ゲーリー・ホーキンス著。
100000009001133590_10204

この顧客第一主義を実現させる会社は、
ホーキンスの考え方を礎に生まれた。

私が立教大学大学院教授として、
サービスマーケティングを教える際には、
この本をテキストの一部にした。

さらに大学院の講座では、
True Dataの越尾由紀さんに、
講義をしてもらった。

妙な縁がついて回った。

感慨深いことだ。
IMG_E36372
True Dataという会社は、
玉生さんが育て上げた。

会社も私もほんとうにお世話になった。
ありがとうございます。

横浜商人舎オフィスに戻って、
㈱紀文食品のみなさんの来訪を迎えた。

8月31日(水)・9月1日(木)と、
「紀文正月フォーラム」が、
開催される。
今年はリアル講演会だ。

その方針や内容をディスカッション。

年末商戦への取り組みを、
もう、始めている。IMG_35632
私の隣から、堀内慎也さん、
飯野沙紀さん、高柳謙一郎さん。
堀内さんは事業企画室正月ユニット部部長、
高柳さんは営業企画部部長。
飯野さんが営業企画部員。

高柳さんが、
しっかり目をつぶっていたので、
もうワンショット。IMG_35642

笑顔でもう1枚と促したら、
また目をつぶった。IMG_35652
今年の年末商戦に対して、
紀文食品が全力を挙げて提案をします。

私も特別の「檄」を飛ばします。

ご期待ください。

円安の上に原材料費の上昇、
物流費・光熱費等の高騰。
そして値上げラッシュ。

その中で光明を見出すには、
どう考え、どう行動するか。

考え方の違いによって、
成果は大きく変わってくる。

コロナ禍三度目の年末商戦は、
それが顕著である。

〈結城義晴〉

2022年06月21日(火曜日)

「イオンの3品目の値上げは価格凍結の中の”塩”である」

今日は夏至。

英語では、
“the longest day of the year”。

あるいは難しい言葉だが、
“the summer solstice”。

どうもしっくりこない。

日本語の「夏至」。
いいなあ。

しかし、ザ・ロンゲスト・デイ。
なんだか得をした気分だ。
毎年、思う。

沖縄は昨日、梅雨明けした。
梅雨明けの翌日が夏至というのは、
もっと得をした気分。

沖縄の人たちにも、
観光客たちにも、
お得感が膨らんだはずだ。

沖縄はあくまで快晴がいい。

私はさまざまな仕事が、
うまくいっている。
私が関係している仕事も、
なぜかうまく運んでいる。

結城義晴のバイオリズムが、
いい周期に入っているのか。

ただしバイオリズムは、
自分でつくらねばならないと思う。

今日は午前中、東京小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。

畑のトウモロコシ。
IMG_E36122

雄穂が先に咲いて、
真っ直ぐに伸びる。
IMG_E36142
梅雨は植物を育てる。

会社にとっても梅雨の時期がある。
そのあと、会社は伸びる。

必ず。

一方、イオンモール幕張新都心では、
報道向けの記者会見。
トップバリュの価格対応

会見場は、
イオンスタイル幕張新都心店。

流通スーパーニュース。
イオンnews|
PB「トップバリュ」3品目除き7月以降も価格据え置き

売場ではテレビメディア向けに、
記者会見が行われた。

その模様は夜のテレビ朝日で、
「報道ステーション」のトップを飾った。

土谷美津子トップバリュ㈱社長を、
テレビカメラが取り囲んだ。
IMG_34692

13時からは2階のラウンジで、
新聞・雑誌向けの記者会見。
月刊商人舎はこちらに参加。
IMG_34812

森常之さんと和田浩二さんによる記者会見。
森さんは副社長戦略本部本部長(左)、
和田さんは取締役マーケティング本部本部長。
IMG_34712

和田さんは、
コーネル大学ジャパンの伝説の第1期生。
当時はデーモンワールドワイドインクで、
トップバリュをサポートしていた。

現在はトップバリュ㈱に移籍して、
そのマーケティング本部長。IMG_34772
価格維持の具体的な取り組みについて、
適切な説明をしてくれた。

土谷社長はテレビの撮影が済んでから、
売場で記者の質問に答えてくれた。
IMG_34862
イオンは昨2021年9月13日から、
食料品約3000品目の価格を据え置いた。
もちろんトップバリュである。

さらに今年2022年1月1日からは、
日用品など約2000品目を加えて、
食料品・日用品約5000品目を、
6月末まで価格凍結した。

原材料とガソリンなどの高騰から、
さまざまな商品が値上がりするなか、
イオンの7月以降の対応に、
注目が集まっていた。

それをイオンは企業努力によって、
引き続き、現状の価格を維持する。

ただし3品目だけは、
10円~40円値上げする。
いずれもトップバリュベストプライス。

⑴マヨネーズ
⑵ノンフライ麺
⑶外箱を省いたティッシュペーパー

売場では「満足品質」の大きなPOPで、
トップバリュアイテムをボリューム展開する。
IMG_35012
この間の価格据え置きも奏功して、
トップバリュの売上げは、
2桁増で推移している。

アイテムによっては5割増である。

甘いものに塩を加えると、
さらに甘くなる。

あくまでも結果としてではあるけれど、
イオンの3品目の値上げは、

価格凍結の中の「塩」となった。

日経新聞電子版。
イオンを支え、
イオンにささげた
「チーちゃんの一生」

編集委員の田中陽さんが、
書いてくれた。

田中さんにしか書けない、いい記事だ。

5月20日に永眠された、
小嶋千鶴子さんの短い評伝である。
IMG_32342
ごく親しい人たちからは、
「チーちゃん」と呼ばれた。

私からも田中さんに感謝したい。
ありがとうございます。

リンクを張っておいたので、
記事は日経電子版で読んでください。

トップバリュ社長の土谷美津子さんも、
小嶋千鶴子さんの「作品」の一つだ。

すばらしい。

月刊商人舎4月号。
202204_coverpage-448x632
土谷さんに大いに語ってもらった。
イオン価格凍結宣言の「内側」

その[結城義晴の述懐]
最後のところに書いた。

「1980年の”ダイエー価格凍結宣言”は
中内㓛さんが自ら先頭に立って断行した。
渥美俊一先生もそれを後押しした。
2022年の”イオンの価格凍結宣言”は
土谷美津子が現場を掌握しながら、
伸びやかに、柔らかく、
粘り強く展開されている」

それが今日の記者会見である。
イオンの価格据え置き、
いい展開を見せている。

バイオリズムとは、
自分でつくるものだ。

〈結城義晴〉

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2022年6月
« 5月  
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人達の公式ブログ

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.