結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年07月14日(月曜日)

ロピア倉賀野店の開業とツルヤ・ベイシアSupercenterの臨店

Everybody, Good Monday!
[2025vol㉘]

2025年第29週。
7月第3週。

昨日から群馬県高崎市。
今日7月14日は、
「ロピア倉賀野店」オープンの日。

朝5時半に迎えの車が来て、
20分ほどで到着。

そして出迎えてくれたのが、
ズラリと並んだロピア開業日名物。
福島道夫取締役の「賄い」だ。IMG_7449

これまで極上ビーフの朝カレーが多かった。
しかし北関東営業本部で出店が相次いでいる。
7月3日、ロピア ららぽーと新三郷、
7月9日、ロピア伊勢崎店、
そして14日、倉賀野店。

そこで賄い朝食もメニューが変わる。
今日は極上すき焼き丼ともつ煮込み。
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オープンメンバーの全員への福島さんの心遣いだ。
私は完食。おいしくいただいて朝から満腹。

そして福島さんと準備中の店を見て回る。
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オペレーションの課題を指摘して、
すぐに改善策をチーフと話し合う。

私は準備作業の邪魔にならないように、
店づくりと開発商品をチェックする。
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オープン予定は10時。
7時ごろには店の前に行列ができつつある。
先頭の人は6時に並んだと言っていた。

ぽつりぽつりと雨が降ってくる。
台風5号の接近が危ぶまれていた。
だから朝の集まりは多くはなかったが、
一日中行列は途絶えることがなかった。
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8時になると、恒例の朝礼。
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全員が「肉のロピア」の売場に集まって、
ロピアの理念と七大用語を斉唱。IMG_2510

倉賀野店を運営するチーフたちと店長のガッツポーズ。IMG_2512

9時になると青空が見えてきた。
台風が太平洋岸を北上したらしい。
行列も長くなった。
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ゆっくりとミスターマックスの施設内に誘導する。
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外はすっかり青空。
お客がどんどん集まってくる
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9時15分、予定より45分前倒しして、
いよいよオープン。

入場制限をしながら顧客を入店させる。
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入店前の入り口スペースで、
オリジナル大型バッグの販売。
ショッピングカート用のキーも大人気。
これまで15万個が売れた。
この売場の前も大賑わいだ。

購入した顧客はロイヤルカスタマーになってくれる。IMG_7587

鮮魚の「日本橋魚萬」。
9日にオープンした伊勢崎店も同じだが、
内陸部の高崎で、鮮魚は人気が高い。
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精肉の「肉のロピア」が核売場で、
まんべんなく顧客が滞留している。
みんな、丁寧に商品を吟味している。IMG_7602

そしてレジが混雑し始める。
そこで精肉売場の最後のポイントで、
日配・グロサリー売場への入場を制限。
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安全と混雑を考えてのことだ。
顧客は文句を言わずに、並んで待った。
待っている人たちには試食を配る。

長い長い入場待ちの行列ができた。
青空の下、その行列が短くなることはなかった。
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倉賀野店の店づくりには、
福島さんの知見が十二分に活かされて、
新しい仕掛けが満載。
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もとのスーパーマーケットは500坪ほどだった。
それを完全に改造して、紳士服売場を撤去し、
変則的な特徴のあるレイアウトをつくった。

それが実にいい具合に顧客を誘導する。
ワンウェイコントロール型店舗に仕上がっている。
それを見て私も大満足。

ロピアを辞して前橋へ。
ツルヤ前橋南店。IMG_4413 (002)

群馬県初進出の店。
月刊商人舎2021年1月号。
「ツルヤ『群馬前橋』の陣」IMG_4406 (002)

青果部門は関西スーパー流のワンウェイ方式。IMG_4407 (002)

第一コンコース奥の青物売場が凄い。IMG_4408 (002)

奥主通路は冷蔵平ケースの鮮魚売場。
ウナギを前面に出してプレゼンテーションしていた。IMG_4411 (002)

酒売場には長野産のワインがずらり。IMG_4409 (002)

そして金色のパッケージのオリジナル珈琲のエンド。IMG_4410 (002)

1000坪40億円がツルヤの標準店。
ゆったりと買物できる店だ。
クレンリネスも満点。 IMG_4412 (002)
素晴らしい店であることは、
まったく変わらなかった。

それから、
ベイシアスーパーセンターへ。
「パワーモール前橋みなみ」の核店舗。
ツルヤと真正面から競合する。IMG_4415 (002)

その一丁目一番地。IMG_4417 (002)

食品売場は「ベイシアフードパーク」。
ネーミングが変わった。
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主通路が広くて買いやすい。IMG_4419 (002)

右奥のコーナーは牛乳売場で、
これが広い店のマグネットとなっている。IMG_4420 (002)

惣菜売場が改善されて、よくなった。IMG_4421 (002)

ロピア、ツルヤ、ベイシア。

強い企業の個性豊かな競争。
それが現在の日本のチェーンストアだ。

ずっと福島さんにご案内いただいて、
心から感謝したい。

その後、高崎から新幹線に乗って、
横浜に戻った。

午後3時に白幡小学校。
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私の子どもたちがここを卒業した。
そして私はPTA会長をやった。IMG_4427 (002)

このグランドを使って練習をした。
ソフトボールの監督だった。IMG_4426 (002)

白幡文化スポーツクラブの総会。
会計監査の役を担っている。

無事に審議を終わらせて、
そのあと懇親会。

白楽の中華レストラン福臨門。
実においしくてしかも安い。IMG_4429 (002)
4月に赴任したばかりの新任の校長と意気投合。
子どもたちの教育に全力を挙げる。
社会人となったばかりの先生たちも、
しっかり教育する。

福岡生まれの52歳、同郷だ。
体重99キロ。

素晴らしい校長と話して、
気分は爽快だった。

朝5時前に高崎で起きて、
夜9時過ぎまで横浜で飲んで話した。

長い一日だったが、
充実していた。

ありがとう。

では、皆さん、今週も。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2025年07月13日(日曜日)

ロピアの群馬県初進出2店と生鮮市場TOP改装店を駆け巡る

また暑い日曜日が戻ってきた。

上越新幹線で暑いあつい高崎へ。

駅前のLABI1 LIFE SELECTヤマダ高崎。
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商人舎流通SuperNews。
ロピアnews|
7月群馬県初出店/ミスターマックス内に伊勢崎店、倉賀野店

ロピアの群馬県初出店。
oic_lopia_gunma
それを見に行った。

高崎駅の改札口まで、
OICグループ取締役の福島道夫さんが、
車で迎えに来てくれた。

本当にありがたい。
㈱ロピア社長、㈱関西ロピア社長を歴任。

そしてロピア伊勢崎店へ。
7月9日オープン。
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ミスターマックスが運営する、
オープンモール型ショッピングセンター。
「ミスターマックス伊勢崎ショッピングセンター」
核店舗のミスターマックス、
準核店舗のダイソーに続いて、
ロピアの店がある。
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オープン5日後の日曜日。
凄い客数。
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鮮魚部門の「日本橋魚萬」には、
客が群がっている。
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青果の「八百物屋あづま」から鮮魚へ続く。
そのつながりが実にいい。
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惣菜の「GOCHISOU MARCHE」から、
「肉のロピア」へと店の奥に行くにしたがって、
客数が増えている。

福島さんにずっとご案内いただいて、
食品売場へ。

ロピ太のイラストが入ってマヨネーズ。
その大量陳列がロピアの特徴だ。
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この店には44席のイートインコーナーがある。
そしてMTOのショップがずらり。
Made To Order。
注文を受けてから製造する。
だから作り立て。

顧客が行列をつくっている。IMG_7421 (002)

取締役の中島英則さん。
鍵を握る人だ。
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後ろ髪引かれつつ伊勢崎店を後に、
ロピア倉賀野店へ。
明日オープン。

ミスターマックス倉賀野店内の店。
2025年1月に「うおかつ倉賀野店」が撤退。
その跡にロピアが入った。IMG_7426 (002).jpg2

うおかつ倉賀野店を大胆に改造。
しかもほかのテナントなども動かして、
驚くべきリニューアルが成立した。

青果部門の主通路は広い。IMG_4354 (002)

精肉部門も主通路が驚くほど広い。
変形売場は大胆な改造の効果だ。IMG_4353 (002)

レイアウトを引くのは福島さんの役目だが、
説明を受けてその発想の自由さに驚かされた。IMG_7428 (002)

精肉からグロサリーの売場へ。IMG_7429 (002).jpg2

そこでまた説明を受けた。IMG_7438 (002).jpg2

加工食品、菓子、冷凍食品、日配品。
ロピアの商品力が飛躍的な進化を遂げている。
それがこの創造性豊かなレイアウトに活かされている。

グロサリーのエンドに並んでいたのが、
マグナムボトルのワイン。
1本1199円。
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これは明日、買って帰ろうか。
しかし大混雑だろう。

高崎の郊外、夕日が沈む。
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台風5号が日本列島に近づいている。
明日は関東地方に影響が出そうだ。
それが心配だ。

一方、昨日の千葉県・松戸市。

生鮮市場TOP松戸古ヶ崎店
改装オープン。

生鮮市場TOPは、
マミーマートが進める新フォーマット。

山本恭広編集長が取材に行った。

松戸市は東京都のベッドタウン。

最近は子育て世代を中心に人口増。
2024年に人口50万人を突破。
千葉市、船橋市に次ぐ都市。

店舗は松戸駅から北に2㎞弱。
幹線道路沿いには、
6月26日にヤオコー松戸古ヶ崎店がオープン。top1

売場面積557坪、年商18億円。
青果と惣菜を両翼に配置したヤオコーの標準モデル。yaoko-matudo

埼玉県を代表するチェーン同士のガチンコとなった。

旧マミーマート松戸古ヶ崎店を、
6月24日から改装休業。

生鮮市場TOPとして、
7月12日にリニューアルオープン。top2

生鮮市場トップ36号店。
このフォーマットは、
マミーマート83店舗中4割を超える。

マミーマート標準店からの転換で、
平均1.4倍の売上げ増を果たす。
1店舗当たり年商30億円。

開店は朝8時。
1時間経過しても入店待ちの車列。top3

フリースタンディングタイプのため、
駐車場は約130台分でやや手狭だ。

売場面積は約630坪。top4

先頭の青果売場は壁面に「八百清」の屋号。top4-1

トマトの箱売りを展開する。
精肉売場は最も力を入れる売場。
牛肉「一頭買い」をアピール。top5

鮮魚売場の壁面は海をイメージしたブルー。top6

続いて惣菜とインストアベーカリー。top7

「デリカテッセン・トレードショー2025」で、
開催されたお惣菜・お弁当大賞で、
全11部門受賞をアピール。

最終コーナーは冷凍食品売場。top8

アイキャッチの「!」は、
生鮮市場TOPのキービジュアル。

チェックアウトゾーンは、
セルフレジを中心に増設された。top9

マミーマートの生鮮市場TOPは、
OICグループのロピアをモデルにしている。

それでもこの繁盛。

一つの完成されたフォーマットも、
進化させねばならない。

その進化は止まってはいけない。
クリエイティビティこそ、
店づくりの醍醐味であり、
顧客が最も期待するものである。
(明日につづきます)

〈結城義晴〉

[追伸]
私の行動を見ると、
ロピアのオープンにばかり、
行っているように思われるかもしれませんが、
どんな会社のどんな店にも行きます。
時間が許す限り。

万代の新店にも行きましたし、
古くは荒井伸也さんがトップのころには、
サミットのオープンには大抵行っていました。
関西スーパーも北野祐次さんの時代には、
いつも新店オープンを見せていただきました。
ロヂャース2のときにも。

いずれもいい勉強になりました。

是非、ご連絡ください。

2025年07月12日(土曜日)

ひこばえの会で話した「無印のころ」と「起業家精神」

ちょっと涼しい土曜日。

東京・自由が丘へ。
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いつもの花屋・モンソフルール。
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ほおずきを提案していた。
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大学生のころ、歌をつくった。
メロディーとコード進行は覚えているが、
歌詞は確かではない。

御免。

作詩はいばらみちをさん。作曲は私。
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ほおずきの隣には、
ハイビスカス。
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家に帰ると、
道端にハマオモト。
もう枯れそうだ。
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夕方、再び家を出て、
白幡クラブの会計報告書にサインをした。
ささやかな地域ボランティア。

その足で日ノ出町へ。

仲間が集まると、
いつもの万喜多へ。IMG_4314 (002)

高校時代の同人誌「孼(ひこばえ)」の仲間。
7人いるけど、今日は4人。

ずっと正月に会っていたが、
コロナが収まったころから、
3カ月に一度、集まることにした。

左の廣部秀一は一番の多作家で、
長い小説を書いていた。

その隣の関孝和が世話人で、
関も小説家だった。

右の城戸康は詩人だった。
私は城戸の作品が好きだった。IMG_4318 (002)

近況を報告すると、必ず病気自慢から始まる。

ずいぶん飲んでから私は、
商業界の社長を辞めたころのことを、
思い出しながら話した。

最初の「無印」のころ、
横浜の関内にあった名刺屋に飛び込んで、
一枚の名刺をつくった。

肩書のないグレーの名刺だ。
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住所と電話番号、メールアドレスと、
結城義晴のblog[毎日更新宣言]のアドレス。

それだけの名刺。

その前のものは、
株式会社商業界代表取締役社長。
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株式会社商人舎をつくって、
その代表取締役の名刺ができた。
今も変わらない。

すぐにこんな名刺もできた。
コーネル大学RMPジャパン副学長。
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いずれも懐かしい。

最初のグレーの名刺を制作してくれたのが、
㈱日本名刺印刷。

その鈴木堅社長とはとても親しくなって、
雑誌などの印刷を一手に、
お願いするようになった。

商人舎編集スタッフの鈴木綾子さんは、
鈴木社長の義理の妹だ。
雑誌などのデザイナー七海真理さんは、
鈴木堅さんの実の妹。

古巣の商業界とは、
まったく関係しない人たちと出会って、
ゼロから出発した。

大変なことだったが、
それがよかったと思っている。

今、いろいろな人が、
会社から独立して仕事をしようとしている。

前職で一社員としてやっていた仕事や事業を、
断りもなしに自分のもののように始めたりする。

これは明らかなルール違反だが、
そんなことがまかり通るはずはない。
もちろんそんな事業は成功しない。

たった一人で、
あるいはわずかの仲間と、
ゼロから始める。

それが「起業家精神」であり、
企業家精神である。

そんなことを話した。

ピーター・ドラッカー。
「企業家は変化を当然かつ健全なものにする」

「彼ら自身は、それらの変化を
引き起こさないかもしれない。
しかし、変化を探し、変化に対応し、
変化を機会として利用する」

「これが企業家および企業家精神の定義である」

前職の仕事をそのまま盗むことなど、
起業家精神とは正反対の恥ずべき行為だ。

関君からは手製の線香花火を貰った。

今も「科学の祭典」のブース代表をしている。
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そのブースで子供たちに、
線香花火のつくり方を教える。

いい気分で孼の会は終わった。IMG_4320 (002)
無印のときにこそ、
自分の力が試される。

その自分の力を信じる。

そこから始めるのがいい。

〈結城義晴〉

2025年07月11日(金曜日)

セブン&アイ第1四半期決算の「努力は夢中に勝てへん」

月刊商人舎7月号の表紙。
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平原に赤い扉。
キリンがそれを潜り抜けると、
象に変わる。

野暮な説明だけれど、
これを「居抜き」出店と見立てた。

いかがでしょうか。

商人舎の表紙はいつも、
一捻りしたイラストを使います。

6月号の特集は、
「’25ニッポン小売業番付」
そのイラスト。
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これも面白い。
気に入っている。

編集部とデザイナーが、
楽しみつつイラストを探しまくり、
デザインに工夫を凝らしてつくります。

表紙も楽しんでください。

今日は1日、横浜オフィス。

毎月書いている「セルコレポート」が届いた。
連載「艱難は商人を鍛える」
第39回。
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午後に入って来客。
㈱寺岡精工リテイル事業部の皆さん。
私の左が取締役事業部長の齋藤文克さん、
営業グループ部長の甲斐圭一郎さん、
右が開発グループ部長の佐々木和哉さん。
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いくつかの質問に答えて、
いくつかのアドバイスをした。

それから夕方、スクワット。
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今日はノーマルスクワット50回。
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50回目はちょっとしんどいが、
普通にできるようになった。
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さて第1四半期決算が次々に発表されている。

商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
第1Q営業収益2兆7738億円1.6%増・純利益129%増

昨日の夕方に記者会見が開かれた。
私はオフィスでオンラインで見た。

画面には決算説明資料が移される。
しかし語り手の映像はない。
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セブン&アイはずっと顔を出さない。

スティーブン・デイカス社長に変わったから、
これも変わると思ったが、
そうでもないらしい。

2026年2月期第1四半期の営業収益は、
2兆7738億円、前年増減率1.6%増。

営業利益650億7600万円、9.7%増。
営業段階では増収増益。

しかし経常利益は533億円で3.1%減。
四半期純利益は490億円、129.2%増。

有価証券の評価益の減少で経常減益。
だがイトーヨーカ堂の店舗売却益によって、
純利益が大幅増加。

固定資産売却益は372億円。
あれだけの店舗を開発した、
時間と知恵と経費を想像すると、
悲しい372億円だ。

結果として営業利益率2.3%、
経常利益率1.9%。

厳しく言えばセブン&アイは現在、
並み以下の収益性の企業である。

国内コンビニエンスストア事業は、
営業収益2235億円、0.7%減。
営業利益545億円、11.0%減。

チェーン全店売上高は1兆3461億円で1.4%増。

海外コンビニエンスストア事業は、
営業収益2兆0936億円、3.2%増。
営業利益86億8700万円、94.2%増。

スーパーストア事業の営業収益は、
3395億円、5.5%減。
営業利益84億9600万円、294.8%増。

イトーヨーカ堂は営業利益53億7500万円、
前年同期は6億6200万円の営業損失。

ヨークベニマルは営業利益34億9200万円、
20.3%の減少。

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まだ過渡期のセブン&アイ。

営業収益は米国セブン-イレブン、
営業利益は国内セブン-イレブン。
その国内コンビニが減収減益。

全体を俯瞰するとまだまだ厳しい。

全社一丸となって、
頑張ってほしい。

それが見えないところが辛い。

朝日新聞「折々のことば」
第3441回。

好之者不如楽之者
〈孔子〉

「これを好む者は
これを楽しむ者に如(し)かず」

「好むというのは楽しむのには及ばない」

ある対象に執着する人は、
それと一体になれる人に、
所詮(しょせん)(かな)わない。
『論語』(金谷治訳注)雍也(ようや)第六から。

編著者の鷲田誠一さん。
なじみの理髪店主がふと呟(つぶや)いた。
「努力は夢中に勝てへんて、よう言いますね」

夢中でいると何と競うこともない、
だから無敵だ。

セブン-イレブンも、
イトーヨーカ堂もヨークベニマルも、
かつてはみんな仕事に夢中だった。

いまは、利益を上げることに努力している。

かつての自分たちに、
今の自分たちがかなわない。

夢中でいると、
競う必要がない。

努力は夢中に勝てへん、のだ。

〈結城義晴〉

2025年07月10日(木曜日)

商人舎7月号特集「居抜き」の是非の「トルストイ派と寺山修司派」

月刊商人舎、本日発刊!
2025-07商人舎

[特集]
「居抜き」の是非
店舗開発の標準化パラドックス

[Cover Message]
チェーンストア業界に「居抜き出店」が目立つ。ニッポン小売業番付第4位㈱パンパシフィック・インターナショナル・ホールディングス(PPIH)のドン・キホーテ、西友を買収して1兆3000億円規模の番付第7位に躍進する㈱トライアル・ホールディングス、ロピアを核に急速成長を続ける㈱OICグループ。
しかし話題の「居抜き店舗」が急増する現象は、撤退店舗の激増を前提としている。競争の激化、マーケットの縮小、さまざまなコストの高騰、人員の不足。それらの結果、起こるのが「閉店」と「撤退」、「居抜き」の急増。通常のスーパーマーケットやチェーンストアは指をくわえて、この「居抜き」の行進を見ていていいのか。
教科書通りの標準化思想は本来、多店化のスピードを上げるための方策でもあるが、皮肉なことにそれにこだわると物件が見つからず、結果としてチェーン化の速度は鈍る。これこそ現代チェーンストアのパラドックスである。さて、どう考え、どう決断するか。今、「居抜き」の是非を問う。
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目次。
2025商人舎7月号目次
いつものように特集のまえがき。
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特選のケーススタディが3本。

ドン・キホーテの居抜き出店作戦
PPIHの融通無碍な物件開発とマーケット開拓とは?
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ロピア花巻店の広域化作戦
イトーヨーカドー撤退店舗をどう変え、どう活かしたか?
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イオンスタイル竹の塚
ヤマダデンキとのコラボで旧イトーヨーカドーを凌駕する
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「店を再び元気にする」基本メソッド
居抜き物件の活かし方「チェックリスト」(新谷千里)
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今月号は巻頭にパネルディスカッション。
日本スーパーマーケット協会。
「食品流通の新しいカタチ」
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会長の岩崎高治ライフコーポレーション社長、
副会長の川野澄人ヤオコー社長、
服部哲也サミット社長。
それから原和彦アクシアルリテイリング社長、
大髙耕一路ヨークベニマル社長。

豪華なパネラーの発言は、
一言も見落とせない。syouninnsya7gatugou paneru

実にいい内容だった。

それから[新店の注目点]
サミットストアららテラス北綾瀬店
ブランディングと全従業員でサミットらしさをつくりあげる
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巻末に、
52週MD[2025年 下期編]
月別コンセプトと重点販促テーマを提案する
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7月号も全力で執筆し、編集しました。

そして[Message of July]
パラドックスから抜け出せ。

景気が悪くなると、皆が倹約する。
しかしその結果として需要が減る。
そしてさらに景気が悪化する。
「倹約のパラドックス」である。

落書き禁止の壁に、
「落書きするべからず」と書く。
それは許されるのか。
「落書きのパラドックス」と呼ぶ。

正しそうに見える前提。
妥当と思われる推論。
それなのに受け入れがたい結論。
それがパラドックスである。

標準化された店舗は、
出店スピードが早い。
しかし標準に適した物件は出にくい。
だから店舗開発は遅くなる。

パラドックスに陥らないためには、
正しそうに見える前提や、
妥当と思われる推論を、
疑ってみる必要がある。

正しいと言われてきた理論、
わかりやすそうな理屈を、
頭から信用してはいけない。
自分で考えなければならない。

今がよければいい。
リスクを背負わない。
目先の利益を追いかける。
それがパラドックスに陥る原因となる。

革新的技術によって先行した企業は、
その技術にこだわって革新性を喪失し、
新たな革新を果たした新興企業に打倒される。
「イノベーションのジレンマ」。

正しいと言われてきた理論、
妥当と思われている推論。
いつもそれらを疑ってかかれ。
そしてパラドックスの隘路から抜け出せ。
〈結城義晴〉
202507_message

最後に朝日新聞「折々のことば」
今日は第3440回。
編著は哲学者の鷲田清一さん。

幸福な家庭はすべてよく
(にか)よったものであるが、
不幸な家庭はみな
それぞれに不幸である。
〈トルストイ〉

ロシアの文豪の『アンナ・カレーニナ』の書き出し。
41BhRdf77jL
幸福については定義をしないまま、
味なことを言う人が多い。

歌人・演劇家の寺山修司の『幸福論』。
「不幸はいつも同じ顔をしているが、
幸福の顔は、それぞれ違っている」
200409000123

真逆。

鷲田さん。
「幸福を一つの達成と考えるか、
目的とは無関係な悦(よろこ)びと捉えるかの違いか」

「居抜き」の是非も、
この二人の幸福のとらえ方と同じ。

あなたはトルストイ派か、
寺山修司派か。

〈結城義晴〉

2025年07月09日(水曜日)

ニチリウ・バイヤーセミナーの「理論化・体系化」と「楽しさ・面白さ」

「チェーンストアは、
小売業であり、

卸売業である」
ゴドフリー・レブハー。

1950年代の米国ジャーナリストの言葉。

鋭い。

チェーンストアの卸売業機能を担うのが、
商品部であり、バイヤーである。

カリフォルニア大学のデルバート・ダンカン教授。
「小売業は、
バイヤー(買う機能)であり、

セラー(売る機能)である」

買う機能が商品部であり、
売る機能が店舗である。

今日も、
ニチリウバイヤーセミナー。

梅雨明けの大阪は暑い。
けれど私たちはホテルに缶詰。
それはそれで快適だ。

2日目の午前中は結城義晴の講義。
3時間2講座。
IMG_7289
バイヤーの機能や仕事に関しては、
実践や経験が極めて重要だ。

しかしどんな仕事にも、
セオリーやメソッドはある。
それがバイヤーやマーチャンダイザーの場合、
意外にも理論化・体系化されていない。
企業のなかで継承されていないことも多い。

それを私がやっている。

初めにスライドを使って
「コモディティ化現象」を講義する。IMG_7290

「コモディティ化」とは、
⑴企業間における技術的水準が同質化して、
⑵製品やサービスの差別化が困難になること。
⑶どのブランドを取り上げてみても、
顧客からするとほどんど違いが見いだせない状況。

世界中の大潮流だ。
ブランドや商品のコモディティ化の進捗を、
バイヤーは大前提として仕事をしなければならない。
IMG_7293

工業型商品のコモディティグッズ、
農業型商品のノンコモディティグッズ、
情報型商品のノンコモディティグッズ。
それらの価格政策。

プライベートブランドは、
このコモディティ化現象によって、
主に4つに分類される。
IMG_7295

さらに競争のマーケティングも、
バイヤーの必須の知見だ。
取引先をカテゴリーごとに、
4つに分類しておかねばならない。

第1講義の最後は、
マーケティングの分析手法。
その中からSWOT分析とPPM分析。
IMG_7297

PPM分析における、
製品のライフサイクル。IMG_7306

これらの分析手法は商品開発の際に、
論理的なベースになる。
参加者たちも真剣だ。
IMG_7299

短い休憩をはさんで、
プライベートブランドの体系。
講義内容はより具体的になる。
IMG_7300

テスコやイオン、セブン&アイの事例。
PBを受託するメーカーの動静。
一番重要なところだ。

さらにバーチカルマーチャンダイジング。
垂直統合の大きな錯覚や誤解。
この講義は今、突っ込んで指摘する人はいない。

最後はチェーンストアのアパレル問題を、
一気呵成に語った。
IMG_7311

午後は昨日に引き続いて、
グループディスカッション。
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議論して結論を導き、資料をつくる。
いまやパソコンでの資料づくりは当たり前だ。
IMG_7319

そして9つの班の発表。
IMG_7325

受講者は、
プレゼンテーション内容を聞いて、
質問する。
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それに対して発表者が答える。
最後に結城義晴が講評する。
IMG_7331

発表内容は食品から衣料、住関連まで、
多岐にわたった。
IMG_7333

それぞれに商品開発の視点が良かった。
しかも2日間で学んだ
マーケティングの分析手法を使って発表してくれた。IMG_7338

ニチリウグループ企業の、
地域資源を活かした提案もあった。
IMG_7348

バイヤーたちは市場をよく勉強しているし、
グループでの議論や情報交換を通じて、
新たな知見を得る。
しかもグループ企業の理解も深める。
グループワークのいいところだ。

セミナーの最後は、
バイヤーの仕事の締めくくり。
すなわちサプライチェーンマネジメント。

最後にバイヤーのコミュニケーション。
ドラッカーのコミュニケーションを講義する。
IMG_7354

バイヤーの意義とその魅力を語ると、
参加者たちの表情が輝いてきた。
IMG_7355

2日間の講義を通して、
仕事の面白さと深さを感じてくれたら、
講義した甲斐がある。
IMG_7360

最後に拍手をもらった。
IMG_7362

ご清聴に感謝したい。

参加者全員を送り出して、
日本流通産業㈱人事総務部のお二人と写真。
IMG_E7364
人事総務リーダーの松吉知子さん。
部長の酒井幸男さん。

このバイヤーセミナーは、
年々、充実して、
成果が顕著になってきた。

来年も開催される。

商人のことを英語で、
Merchantという。

マーチャンダイジングする人。

チェーンストアの主役のひとつが、
バイヤーであり、マーチャンダイザーである。

朝日新聞「折々のことば」
第3439回。

心のスタミナが
充分ではなかったので、
マラソン練習には苦労しました。
〈増田明美〉
増田明美

長距離ランナーとして、
めざましい記録を打ち立てた。
が、度重なるアクシデントに苦しんだ

「とくにマラソンでは、
心のスタミナが重要です」

「昔、修行僧のような顔つきで走っていたら、
ピクニックに行くようにして完走した
マラソンの先輩に、
楽しまないと続かないよと言われ、
人生の走りまで変わった」
〈『公研』6月号より〉

仕事は長いマラソンのようなものだ。
ピクニックに行くように、
楽しまないと続かない。

バイヤーの仕事は本来、
楽しいものだ。

健闘を祈る。

〈結城義晴〉

2025年07月08日(火曜日)

ニチリウ・バイヤーセミナーの52週MDとバイヤーズマニュアル

 関東付近に梅雨前線が復活。

気象庁、正しい判断だった。
ホッとしたことだろう。

しかし大阪は梅雨明けしたにもかかわらず、
蒸し暑い。

昨日夜からその大阪。

ニチリウグループ・バイヤーセミナー。
日本流通産業㈱が主催する。
1泊2日の研修会。

会場はホテルクライトン新大阪。
その2階がセミナー会場。
IMG_E7229

バイヤーセミナーは2021年に開始。
年1回の開催で、今年は4回目。

ニチリウグループの加盟企業から、
51名が参加。

毎年参加者が増えて、
定番のセミナーになってきた。IMG_E7211

10時半からスタート。IMG_7216
司会は松吉佐知子さん。
日本流通産業人事総務部人事総務チームリーダー。

初めにニチリウの活動の動画を視聴。
IMG_7220

講義は結城義晴と鈴木哲男さん。
鈴木さんは㈱REA会長で、
もちろん52週MDの開祖。

午前中は私の担当。
IMG_7226

ニチリウが創設されたのは1974年、
大規模小売店舗法が施行された年だ。

ニチリウ創設のトップたちは、
大いに危機感を持っていた。

それが共同仕入れ機構となった。

今もトランプ関税をはじめ、
危機感は強い。

だからこの6月23日、
Aコープ共同機構がニチリウに参加した。
9社で476店舗、2997億円の売上高だ。

ニチリウは16社、3生協、2641店。
2024年2月期で総売上高3兆8296億円。

全国の優良なチェーンストアが加盟する。

講義はそんなことを語った後、
まずは「コロナは時間を早めた」を、
スライドで講義した。

膨張と成長は重要な考え方だし、
トレードオンはバイイングにとっても、
今、必須の概念だ。

それからマネジメントの6つの体系、
マーケティングの位置づけを講義した。

バイイングはマーケティングだからである。IMG_7227

昼食をはさんで午後は、
鈴木哲男先生。

テーマは、
「バイヤーのための52週MD&ストアコンパリゾン」IMG_7231

店舗の52週MDを実現するために、
商品本部とバイヤーがなすべきことを、
具体的な事例をもとに、講義する。IMG_7234

鈴木先生自身の調査や各社の事例をもとに、
実践的な技術を解説してくれる。
バイヤーにとっても学ぶことは多い。IMG_7237
3時間を一気呵成の講義。
いつも以上に乗っている印象だった。

最後の講義は再び、結城義晴。IMG_7241

テーマは、
「実践バイヤーズマニュアル」
チェーンストアにおけるバイヤーの機能と位置づけ、
バイヤーとマーチャンダイザーの違い、
バイイングの基本、
取引先との関係づくりと条件などを講義する。IMG_7247

皆、真剣に聞いてくれる。IMG_7255

初日の講義の最後は、
ブルーオーシャン戦略。
「ERRCアクション・マトリックス」。
4つのアクションはバイヤーにとって、
必須の仕事である。

それから「バリューエンジニアリング」。
その5つの考え方。
4番目と5番目に力を入れてほしい。
とくに5番目に拒否感をもってはならない。IMG_7252

講義が終わると、
参加者は9つのグループに分かれて、
ディスカッション。IMG_7260

学んだことから課題を決めて、
その解決施策を検討する。
明日はその発表もある。IMG_7261

終日聴講してくれた田淵寿さん。
日本流通産業専務。IMG_E7259

夜7時からは、
交流を兼ねた食事会。
もちろん司会は松吉さん。IMG_7279

かんぱ~い。
IMG_7262

講師と事務局もかんぱ~い。
真ん中は、酒井幸男さん。
人事総務部部長。
IMG_7264

鈴木先生と事務局のお二人、
そして商人舎GMの亀谷しづえ。

ニチリウグループ企業の動向や、
関西マーケットの競争状況、
さらには激変するチェーンストア産業など、
話題は尽きなかった。IMG_7268

懇親会の終盤には参加者との撮影タイム。

サンエーの皆さん。IMG_7271

Bチームと有志の皆さん。IMG_7274

Aチームの元気な皆さん。IMG_7276

最後は1本締め。
IMG_7281

最後はサンエーの皆さんと、
アメリカ視察の話で盛り上がった。

皆さんをアメリカに連れて行って、
一緒に学びたい。
そう思った。
IMG_7284

ドナルド・トランプの書簡が届いた。
日本に対しては25%の関税をかけるという通達。

それを跳ね返す力は、
日本の政治にも経済にもない。

しばらくはそれを受け入れるしかないのか。

しかしこれによってバイイングは変わる。
かつてと同じソーシング活動は、
これからできないだろう。

それでも経済行為の本質は、
リスクを負うことだ。

ピーター・ドラッカー先生が、
力強く言い切った。

それは私たちに対する励ましの言葉だ。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

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(イーストプレス刊)

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