結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年08月22日(火曜日)

インショップ惣菜店の「量り売りポテトサラダ」O157感染事件

第99回夏の甲子園準決勝。
広陵高校の中村奨成捕手。
大会中の本塁打6本で、
PL学園時代の清原和博を抜いた。

すごい選手が出てきた。
将来が楽しみだ。

決勝はその広島の広陵高校と、
埼玉の花咲徳栄高校。

一方、その埼玉の惣菜店の商品で、
O157感染事件。

埼玉県熊谷保健所は、
食品衛生法第55条に基づいて、
営業停止命令の処分を下した。

埼玉県熊谷市の食彩館マルシェ籠原店の、
インショップ惣菜店「でりしゃす籠原店」。

いずれも、
(株)フレッシュコーポレーションの事業部。
この店で販売したポテトサラダを、
食べた顧客6人が、
腸管出血性大腸菌O157に感染した。

そのうち5歳の女児が意識不明の重体、
4歳の男児と60歳の女性が、
重症で入院した。

このポテトサラダは、
県外の食品加工工場から仕入れし、
「ハムいっぱいポテトサラダ」、
「リンゴいっぱいポテトサラダ」として、
販売した。

営業停止処分は21日からの3日間。
原因となった食材、
ポテトサラダの流通経路、
店舗オペレーションなど、
現在、調査中。

同社はホームページに、
「お詫びとお知らせ」を掲載。

しかしその後、
でりしゃす熊谷店からも、
O157の感染者が出て、
事件はちょっと広がりを見せている。

問題はこのポテトサラダが、
量り売りセルフ方式で、
販売されていたこと。

(株)フレッシュコーポレーションは、
スーパーマーケット27店、
惣菜ショップ17店を経営。
群馬県太田市の本部がある。

1978年に「フジマート」として創業。
1980年、(株)フジマート設立。
1995年には、社名を、
(株)フジタコーポレーションに変更。
1999年に、問題の惣菜チェーンの展開開始。
現在は、スーパーマーケットの3フォーマットを展開。
フジマート、マルシェ、アバンセ。
さらに惣菜のでりしゃすを営業している。

2016年には、
(株)ゼンショーホールディングスの子会社、
(株)日本リテールホールディングスに、
買収されて、その傘下にある。

そして今年、社名を、
(株)フレッシュコーポレーションに変更。
したがって業界では、
この社名はあまり知られていない。

むしろフジマート、
そしてフジタコーポレーションが、
北関東の企業として知られる。

しかししばらくの間、
日本中の食品小売業では、
量り売りの惣菜とポテトサラダが、
売れないことになるだろう。

原因を徹底的に究明して、
その原因を断つ努力をしたいものだ。

量り売りに関する衛生問題も、
今一度、徹底しなければならないだろう。

さて、今日の午前中は、
商人舎magazineWeb会議。
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また新しい提案がなされて、
さらに充実したWebサイトとなります。

私の隣から、
Webコンサルタントの猪俣慎吾さん、
商人舎編集スタッフ鈴木綾子、
Facebook担当の内田憲一郎さん、
システム担当のプラージュ渋谷将之さん。
商人舎ゼネラルマネジャー亀谷しづえ。
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その後、新横浜から新幹線。
すぐに丹沢山系が見えてくる。
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名古屋を越え、米原へ。
その途中からいい天気。
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伊吹山に雲がかかる。
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彦根に着いて、駅前の平和堂。
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そして平和堂の皆さんと交流。
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右から人材育成課の三輪亮介さん、
取締役店舗営業本部長の福嶋繁さん、
一般食品部長の黒川信一さん、
人材育成課長の小椋秀男さん。

ポップアップストアの話で盛り上がった。

それにしてもO157。
徹底的に感染原因を究明し、
対策措置を講じなければ、
量り売りそのものへの、
大きな不信感はぬぐえない。

〈結城義晴〉

2017年08月21日(月曜日)

「自分の強み」を知って「じぶんをよく使おう」

Everyone! Good Monday!
[2017vol34]

2017年第34週にして、
8月第4週。
O

第99回夏の甲子園も、
ベスト4が決まって、
今日は休養日。

残ったチームは、
広島の広陵高校、
奈良の天理高校、
西東京の東海大学菅生高校、
そして埼玉の花咲徳栄高校。

東北勢は姿を消した。

そして準決勝は、
広陵vs天理、菅生vs徳栄。
したがって決勝は東西対決となる。

甲子園大会の決勝が近づくと、
毎年のように夏の終わりをイメージする。

しかし準決勝戦・決勝戦を前に、
札幌の小学校は今日が始業式。
さらに釧路市の夏休みは、
お盆休みの16日に終わっている。
確か、軽井沢も同じだった。

夜の蟬首に飛び付く一期かな
〈朝日俳壇より 熊谷市 時田幻椏〉

(大串章選評)
「首に飛び付く」がまさに一期一会。
忘れられない一瞬だ。

さらに一句。
重力と浮力のはざま海月か
〈同 小平市 桂木遙〉

「海月」は「クラゲ」。
「水母」あるいは「水月」とも書く。
重力と浮力のはざま。
巧いねえ。

茄子漬の鮮度は色に噛む音に
〈同 七尾市 本谷眞治郎〉

一歩一歩、秋に近づく。

今週の結城義晴のスケジュール。
今日は横浜商人舎オフィス。
夕方、(株)メガスポーツのお二人が来社。
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二宮大祐さんと髙野久美さん。
二宮さんは常務取締役経営管理本部長、
髙野さんは経営管理本部人事部部長。

メガスポーツは、
イオングループの専門店チェーン。
スポーツオーソリティのバナーを中心に、
もう170店ほどを展開する。

二宮さんは昨年、
月刊商人舎11月号に登場してもらった。
当時はイオンリテール人事・総務本部長。
その特集は、
働き方改革×人材マネジメント

明日は午前中、商人舎Web会議。
午後、週刊女性セブンのインタビュー。

夕方、滋賀県彦根入り。
明後日は一日中、
平和堂で講演と講評など。

木曜日は夕方、軽井沢へ。
そして金曜日はゴルフ。

相変わらず、
出張や旅行が多いが、
絶好調です。

さて「今日の名言」。
日経ビジネスONLINE。

人は何か
自信を持って
誇れるものを

持っているはずです。
(為末 大 元プロ陸上選手)

「それは全く別の人生に踏み出しても
通用する普遍性があると思います。
不安を感じたら、自分の来し方を
棚卸ししてみてください」

ピーター・ドラッカーの指摘する、
「自らの強み」である。

「ほぼ日」の巻頭言
糸井重里のつぶやき。

「この人は生き生きしてるなぁ、
と思える人と、
まぁ、そうでもない人がいます」

どこが違うのか。
糸井重里さんの観察。

「じぶんを、
よく使うんです」

あるいは、
「空いてるじぶんを働かせる、という感じ」

そんな人は、
「目の前に
『じぶんができそうなこと』があると、
ひょいっとそれを
はじめちゃうんですよね」

「得か損かだとかも、
あんまり考えてないことが多い」

「やってほしい人がいて、
『じぶんができそうなこと』なら
考えはじめちゃう、
やりはじめちゃう、
連絡しちゃう、
スタッフを呼んじゃう」

「すぐに一歩進めちゃうんですよね」

もちろん何かをしてもらう側もうれしい。
しかしそれ以上に、
「じぶんを、よく使う人自身の
活性も上がってる」

これは、顧客と商人の関係そのもの。

糸井の好きな野球選手のたとえ。
「じぶんの出番をいつでも探していて、
すぐにバット持って立つものだから、
打席が増える。
だから、それで経験も増えていくし、
解決上手にもなる」

こういう選手がいるチームは強い。

そこで大事なこと。
「じぶんでなんでもかんでもやらないこと」
そして「休むということ」

「生まれたときからずっと
心臓が動いているように、
リズムを刻みながら
『じぶんを、よく使う』こと」

「生き生きしている人は、
つまり、よく生きているんです」

生き生きした商人。

「この『生き生きしてる人』のように、
会社とかチームも、
『じぶんを、よく使う』ことが、
気張らずにできたら、
いい会社になるんだろうな」

いい店にもなるし、
いい部門にもなる。
いい売場もつくれるし、
いい商品も生まれる。

「そういえば、モテる人って
『とにかくマメ』だっていうし」

糸井さんもモテる。
とにかくマメなんだろう。

マメな商人。
それが好きな商人。

自分をよく使う人は、
自分の強みを知る人でもある。
O

では、みなさん、
今週も、自分をよく使って、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2017年08月20日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その48】鰯雲・鱗雲

猫の目で見る博物誌――。
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猫の目は、季節を先取りする。
立秋を過ぎて、ふと、窓辺で空を見る。
そこに鰯雲など見つけたりする。

鰯雲は「いわしぐも」。
鰯の群のように見えるから、
あるいはこの雲が出ると、
鰯が大漁になるから。
いわし雲20140922072012
鱗雲(うろこ雲)ともいうし、
鯖雲(さばぐも)などとも呼ばれる。

魚の鱗のように見えるからだし、
鯖の背の斑紋のように見えるから。

それでも、「鰯雲」がいい。

鰯雲日和いよいよ定まりぬ  
〈高浜虚子〉

専門用語では「巻積雲」、
「けんせきうん」。

学術名はcirrocumulus(シーロキュムラス)、
もちろんラテン語。

巻雲「けんうん」(cirrus、シーロス)と、
積雲「せきうん」(cumulus、キュムラス)、
それを合成したもの。

巻雲はすじ雲、積雲はちぎれ雲。

巻積雲の略号は「Cc」。
巻雲は「Ci」、積雲は「Cu」。

「絹積雲」とも書いて、
こちらも「けんせきうん」と発音する。

雲は、
大気中にかたまって浮かぶ、
水滴または氷晶のこと。
英語で、cloud。

その雲のなかで、
白色の非常に小さな雲片が、
多数の群れをなすもの。
魚の鱗や水面の波のような形状ができる。
それが巻積雲。

雲には分類がある。
雲形(うんけい)という。
雲をその形状によって分類したもの。

世界気象機関が、
「国際雲図帳」を発行している。
そしてこの雲図帳では雲を、
その形から10の「類」に分類している。
これを十種雲形(十種雲級)と呼ぶ。
雲形Wolkenstockwerke

その10種類も大きく4分類される。
第1が「上層雲」、
第2が「中層雲」、
第3が「下層雲」、
そして第4が「対流雲」。
読んで字のごとし。

巻積雲は第1の上層雲。
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巻雲は上層雲、積雲は対流雲。

巻積雲の雲形は、
高積雲(こうせきうん)とよく似ている。

高積雲の略号は「Ac」。
小さな塊状の雲片が群れをなして、
斑状や帯状の形をつくる。
白色で一部灰色の陰影をもつ。

「まだら雲」、「ひつじ雲」、「むら雲」など、
これも多彩な呼び名がある。

巻積雲と高積雲の判別の仕方。

第1に、雲のできる高さの違い。
巻積雲は上層雲で、
高積雲は「高」の字がついているのに、
「中層雲」。

だから鰯雲が高い所にでき、
鱗雲はそれよりもちょっと低い。

第2に一つ一つの雲の大きさは、
巻積雲の方が小さい。
鰯の方が羊よりも小さい。

第3に雲の厚さ、薄さは、
巻積雲の方が薄い。
だから太陽の光が透けるし、
鰯雲には影ができない。
ひつじ雲には影がある。

熱帯低気圧が接近するときには、
まず巻雲(すじ雲)が現れる。
その次に、巻積雲(鰯雲)が出てくる。

この2つの雲が順番に現れると、
天候の悪化が近づいていると判断できる。

地球上の低緯度から高緯度まで、
広い地域で、ほぼ1年中見られる。

日本では、
台風や移動性低気圧が多く近づく、
晩夏や秋に特に多く見られる。
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だから、鰯雲、鱗雲、鯖雲は、
いずれも秋の季語である。

鰯雲ひとに告ぐべきことならず  
〈加藤楸邨〉

鰯雲こゝろの波の末消えて 
〈水原秋櫻子〉

秋がやってくる。

夏がゆくと、秋になります。
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猫はその夏から秋への変わり目が、
好きです。

どんなものも、
変わろうとするときに、
魅力が出るのだと思います。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2017年08月19日(土曜日)

夏の甲子園・仙台の逆転サヨナラと都市別暮らしやすさ順位

連日の夏の甲子園。
第99回全国高校野球選手権大会。

第3回戦はベスト16の激突。
その3回戦の最後の試合は、
春夏連覇に挑んだ大阪桐蔭高校登場。
二度目の連覇を達成すれば史上初の快挙。

対戦相手は仙台育英高校。

いい投手戦だった。

大阪桐蔭が8回表に1点先取し、
9回裏の仙台育英の攻撃も、
3番、4番が倒れてツーアウト。

誰もがもう終わりかと思った。

しかし野球はツーアウトから。
5番打者がセンター前ヒット、
それから盗塁。
6番打者はフォアボールで、
ツーアウト1塁2塁。
そこで7番はショートゴロ。

万事休す。

打者は1塁ベースに頭から滑り込んで、
ゲームセット。

と思ったら、1塁手の足が離れて、
なんとセーフ。

ここから途中出場の8番打者。
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インコースの直球を振り抜いた。DSCN9652.JPG7

打球はセンターオーバーの2塁打。
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3塁と2塁から二人の走者が生還。DSCN9655.JPG7
まさに劇的な逆転サヨナラ。

投手は呆然。
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感動した。

どちらを応援するでもなかった。
どちらも応援していた。

しかし、感動は深かった。
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たがいに礼をして、近づく。
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そして握手。
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健闘をたたえ合った。
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来年は記念すべき100回大会。
そしてこの後も準々決勝から、
準決勝、決勝と続く。
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しかしこのゲームには、
大いに感動させられた。

さて「都市の暮らしやすさ」
第1位に佐賀市が選ばれた。

野村総合研究所の調査を、
日経新聞が報じた。

国内100都市を対象に実施した、
「成長可能性都市ランキング」

総合ランキングは、
第1位に東京都特別区部。
第2位は福岡県福岡市、
第3位は京都府京都市。
1
そして第4位は大阪府大阪市、
第5位が鹿児島県鹿児島市。

福岡生まれの私としては、
チョット鼻が高い。

この調査は、
各都市の「強みと弱み」、
産業を生み出す力を探るもの。

転入者数や資本金3億円以上の事業所、
交通機関の利便性など、
131の指標をそれぞれ数値化。

各都市の住民を対象に、
ウェブアンケートを実施。

ポテンシャルランキング。
2
こちらは第1位に福岡市、
第2位に鹿児島市、
第3位に茨城県つくば市。

日経はなぜか、
「都市の暮らしやすさ」を強調。

評価視点別ベスト3。
3

こちらは第1位に佐賀県佐賀市。
第2位奈良県奈良市、
第3位に富山県富山市。

東京中心という側面も現れた調査だが、
それ以外の都市も上位に並ぶ。

私はこれらの都市に関して、
小売業やサービス業の、
ディテールを知る者だから、
その面からの暮らしやすさも、
ランキングしたいと思った。

つまり都市別のチェーンストアの、
ドミナントエリア構築が、
その都市の暮らしやすさに直結する。

チェーンストアは都市や県の、
その暮らしやすさに貢献している。

つくづくと思う。

甲子園大会は全都道府県から、
チームが選ばれて出場する。

第3回戦の感動で、仙台は、
少しポイントをあげたかもしれない。

残るチームは、
香川、西東京、
奈良、大分、
広島、宮城、
岩手、埼玉。

それぞれに暮らしやすさに貢献している。

〈結城義晴〉

2017年08月18日(金曜日)

マンデラ&オバマの「差別との闘い」と丸井「試着品だけの売場」

全国高校野球選手権。
通称「夏の甲子園大会」の第99回。

ベスト16が出揃って、今日明日、
ベスト8に絞り込まれる。

16チームは、
東日本から8チーム、
西日本からも8チーム。
東西均衡。

東北から4校、関東からも4校、
近畿が3校、中国・四国も3校、
九州から2校。

北海道と中部は姿を消した。

そして今日は3回戦の4戦。
香川の三本松高校と、
東東京の二松学舎大学付属高校。
三つの松と二つの松の対決。

面白い組み合わせだが、
唯一の公立高校の三本の松が、
5対2で勝利。

それ以外にも、
見ごたえのある組み合わせばかり。
夏本番です。

さて、今日も毎日新聞「余禄」
故ネルソン・マンデラ氏の言葉を引用。
南アフリカ共和国元大統領。
「われわれは自問する。
自分ごときが賢く、優雅で美しく、
才能ある素晴らしい人物で
あるはずがなかろう。だが、
そうあってはなぜいけないのか」

アパルトヘイトと闘った。
27年間、獄中で耐えた。
そしてその撤廃を勝ち取った。

その言葉は重い。

いま、世界最大最強の国の大統領が、
人種差別的な発言を繰り返す。
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8月12日、米国南部バージニア州で、
白人至上主義を掲げるグループと、
これに抗議するグループが衝突。
30人余りが死傷。
反対派のデモに参加していた女性が、
車でひき殺されてしまった。

事件後の3度目の記者会見。
トランプ大統領は繰り返した。
「白人至上主義者らと反対派の
双方に非がある」

米国ニュースではこんな意見も。
「放火犯とそれを捕まえようとしている人に
どっちも悪い、喧嘩してはダメだ、
というのは、放火犯に加担することだ」

これに対して、
バラク・オバマ前大統領。
ツイッターでつぶやいた。
「生まれた時から、
肌の色や育ち、
宗教で、
他人を憎む人などいない」
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もちろんオバマ氏は、
アフリカ系アメリカ人。

「人は憎むことを学ぶのだ。
もし憎しみを学べるのなら、
愛を教えることもできる。
愛は憎しみよりも、
人の心に
自然に生まれる」

このつぶやきが、
Twitter史上最多の「like」を集めた。
つまり史上最多の「いいね」

私のパソコン画面に、
ずっと張り付けてあるもの。

「差別語のための
私家版憲法十一箇条」

〈井上ひさし〉

第一条
人は生まれながらにして不平等である。

第二条
本人に責任のないことをからかったり、
笑ったりするのは無意味な上に、
卑劣な行為でもある。

第三条
そこでなによりもまず本人に
責任があるか、ないか、
それを確かめるべきである。

第四条
自分と違うという理由だけで、
人を笑い者にする権利は誰にもない。

第五条
人が表現することを止める権利は
なんぴとにもない。
人は社会的資源であることばを存分に使い
書きたいことを書く権利を保有する。

第六条
人は誰も、他人の為した表現にたいして
抗議を行う権利を保有する。

第七条
ことばを抹殺したからと云って、
また、たとえそれを、
どう言い換えたからと云って、
そのことばが示していた差別が
なくなったわけではない。

第八条
差別語には差別語の歴史があり、
わたしたちはその歴史と
勇気を出して向き合わなければならない。
そうする人間の数が
ふえることによってのみ、
歴史の暗部や秘部を
乗り越えることができるだろう。
つまりその差別語を作り出している
歴史的状況を大勢で意識的に
変えなければならない。

第九条
抗議は表現者へ直接に
行われるべきである。

第十条
人間でありながら
人間扱いされることのない
制度的差別はまだまだあるはず。
これからはそれらについて
じっくり考えることにしよう。

第十一条
抗議と、それに付随するやりとりは
すべて公開で行わなければならない。
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井上ひさしは差別と闘い続けた。

「本人に責任が
あるか、ないか」

私もこれを差別の基準と鉄則にしている。

さて日経新聞の記事。
「丸井 試着品だけの売場」
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(株)丸井グループ。
2017年3月期売上収益2370億円、
全31店舗。

試着用の衣料品と靴だけを置く売場を、
来春までに10店舗超に導入。

ちょうど月刊商人舎8月号特集。
「おためし」のおすゝめ
試食・試着・試用の
経験価値Marketing

偶然にもシンクロした。

丸井の試着だけの売場の対象は、
プライベートブランド商品。
靴とパンツのPB「ラクチン」シリーズ。

しかも今のところ、
女性向けの試着品だけを置いた売場。

来店客のニーズの一つは、
荷物を持ち帰りたくないこと。
それに応える。

顧客は売場でサイズや色を確認し、
店頭のタブレットを使って注文する。

店頭でサイズや色合いを確認できれば、
自分のスマートフォンで後日、
注文することも可能。
次回は同じ商品を、
ネット通販で購入することもできる。

丸井は注文を受けてから最短2日で、
顧客が指定した場所に配送する。
送料に関しては、
靴は無料、アパレルは3000円以上で無料。
もちろん返品も受け付ける。

売場面積は約80㎡で、
従来より約3割減。
在庫負担がなくなるし、
納品作業などの運営費用が圧縮できる。

現在は3店で試験導入中。
東京・吉祥寺店、静岡店、千葉県柏店。
来春までに横浜市、さいたま市などの、
10店舗超に広げる。
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販売効果を検証して、店舗数を増やす。
紳士向け商品を加えていく。

「ショールーミング」は、
顧客が店をショールームとして使う現象。

丸井は初めから、
店をショールームとする。
それが新しい「おためし」

つまり実店舗とネット通販を、
組み合わせたサービスだ。

リアルとネットの融合。

こういった商売には、
顧客の差別はない。
それが商売の尊さであるし、
良さである。

〈結城義晴〉

2017年08月17日(木曜日)

「サムサノナツハオロオロアルキ」とイオン「ここデリ」の本歌どり

「サムサノナツハオロオロアルキ」
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の一節。

毎日新聞巻頭コラム「余禄」が取り上げた。

賢治は岩手県の農業技術者だった。
その「賢治にとって、寒い夏は、
実らぬ稲と飢饉の到来を意味していた」

「グスコーブドリの伝記」
「サムサノナツ」を描く賢治の童話。
「青空文庫」で誰でも読める。
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東京は16日間だが、
仙台市は26日間連続の雨。
今月は気温が30度を超えた日がない。
日照時間も12時間余り。

原因は「やませ」
寒流の親潮の上を通って来る、
冷たく湿った東風。

今回の低温と日照不足は、
農業への影響が避けられそうにない。
もちろん商業への影響も甚大だろう。

さかづきを置きぬ冷夏かもしれず
〈星野麥丘人(ほしの・ばくきゅうじん)〉

「ふと冷夏を予感して不安になり、
酒杯を置いた」

農の民の予感か。

余禄の結語。
「時代変われど、天の気まぐれの下で
『オロオロアルキ』するしかない人間だ」

最近の「余禄」、なかなかよろしい。
少なくとも「天声人語」より、いい。

しかしその朝日新聞「折々のことば」
鷲田清一編著。
こちらは、すごくいい。

その第846回。

必要なのは
激越なオリジナリティではなく、
微妙な変化だ。
(鴨下信一)

鴨下はテレビドラマの演出家。
「ふぞろいの林檎たち」が代表作品。o0370035013891102680

「『本歌どり』こそ、
芸術創造の原点だ」

落語や歌舞伎、映画を例にとりつつ、
鴨下は説明する。

「まず型があり、
さらにそれをずらすから、
観客もどこがどう変わったかが
きちんと掴める」

「暮らしも日々、
その型の手入れを続け、
かつ少しずつ手直ししてゆくことで
保たれるのだろう」

これはクレイトン・クリステンセンの、
持続的な小さなイノベーションである。

日経新聞「ニュース一言」
岡崎双一さん登場。
イオンリテール(株)社長。
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「ここデリ」という言葉を
はやらせたい。

「スーパーで総菜を買い、
その場で食べることだ。
需要は確実にある。
それができる店がある、
という認知を広げたい」

イオンスタイルは、
店内に大型イートインを設ける。
100席以上の巨大なイートインだ。
さらに外食型売場を強化する。
これは注文後に調理するスタイル。00-0title1

地球イータリー化現象、
Grocerant。
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「買う場所」から、
「食べる場所」へ。

岡崎さんの「脱皮への意気込み」は、
イータリーやウェグマンズの、
本歌どりである。

それが総合スーパー業態を、
「オロオロアルキ」から、
脱皮させる。

〈結城義晴〉

2017年08月16日(水曜日)

2017年8月の「戻り梅雨?」と2016百貨店調査の「戻り梅雨!」

8月に入って、
16日連続の雨。
東京や横浜、関東の異常気象。

最高気温も30度を下回る。

梅雨が明けたら、陽気は梅雨入り。
「戻り梅雨」?

気象庁の天気用語事典では、
「梅雨が明けた後に再び
梅雨のような天気になること」

「7月下旬~8月上旬に、
梅雨前線を押し上げて、
梅雨明けをもたらした、
小笠原高気圧が弱まり、
梅雨前線が再び南下・活発化する」
それが「戻り梅雨」

しかし今年の8月上旬は、
西日本に前線があるわけではないから、
正確な意味での「戻り梅雨」ではない。

それでも8月の長雨としては、
1977年の22日間連続記録がある。

ちょうど40年前で、
私が(株)商業界に入社した年。

そのころのことは、
全然覚えていないけれど、
「思えば遠くへ来たもんだ」

Weekly商人舎。
日替り連載の火曜日は、
常盤勝美 2週間天気予報。

8月3週(8/14~8/20)の予報。
週後半は近畿以西も、
週前半に比べれば晴れ間が多くなる。

東北から東海にかけては、
曇りや雨のぐずついた天気が続く。

近畿以西は残暑傾向だが、
最高気温が35℃を超えるほどの
厳しい残暑というほどではなさそう。

しかし来週の8月4週(8/21~8/27)は、
前週に比べると太平洋高気圧が、
いくぶん勢力を盛り返す予想。
雨雲の通り道は東北地方付近まで北上。

少なくとも北海道は晴れる日が多い。
ポイントはそれ以外の地域。
基本的には前線や低気圧が、
本州付近に停滞する状況が続くため、
晴れのエリアと雨のエリアが拮抗する。

現時点では、東海または関東まで
晴れのエリアが拡大し、
雨のエリアは北陸と東北という予想だが、
正直言って多少悲観的。
関東地方も雲の取れにくい天気が続く。

気温は関東以北の太平洋側を中心に、
平年並みか低め。
西日本ではやや高め。

常盤さんの天気予報は、
はっきりしていて、いい。

さて、日経新聞。
「2016年度百貨店調査」
dscn9017-31

既存店ベースの百貨店売上高合計は、
「低迷」。
回答204店の合計売上高は、
6兆786億円。
きわどく6兆円をキープ。
15年度比マイナス3.2%。

2003年度の調査開始以来、
売上高は最低。

9割を超す店舗が減収。
全体の8%が増収確保。

「百貨店商圏人口百万人説」
私がずっと唱えている。
だから日本の適正百貨店店舗数は、
127店といったところ。

204店の回答だが、
まだまだ閉鎖されるし、
不振は続く。

イオンリテールのイオンスタイル、
イズミのyoumeタウンなども、
百貨店のフォーマットのひとつだから、
この百貨店調査の対象以外に、
百貨店機能を果たす店舗が増えて、
既存の百貨店はますます厳しくなる。

今、東北出張中で、
日経MJが手元にないので、
店舗ごとの情報は得られないが、
調査全体の減少は2年ぶり。

免税売上高は減少、
富裕層の高額消費も低調。

主力の衣料品では、
何よりもeコマースとの競争激化。

伊勢丹新宿本店、西武池袋本店など、
都心基幹店も減収だった。

8大都市以外の地域は4.0%減。
前年比1.9ポイントマイナス幅が広がり、
10年連続の減収となった。

免税売上高に対して、
百貨店側からの回答は、
「増加する」が48%。
「減少する」は3.9%。

16年度の免税売上高は、
内容が変わった。
第1に「爆買い」の一服、
第2に単価の低い消耗品へのシフト。

しかし17年度の免税売上げは、
「堅調とみる百貨店が多い」

楽観的。

ただし訪日客1人あたりの購買金額は↓。
しかし客数は順調に↑。

インバウンド消費は、
16年末から回復基調にある。

日経の記事の結論。
「売上げの3割弱を占める衣料品は、
セールを前倒ししても、
前年実績を割り込む。
衣料品売り場を縮小し、
食品や雑貨売場に転換する店舗もある」
Isetan_Shinjuku_Ⅱ

しかし百貨店の衣料品売上げは、
実質、メーカーの店舗がつくっている。

そのメーカーが、
eコマースのモールや、
ショッピングセンターに出店して、
こちらで売上げをつくれば、
百貨店の売場で売る必要がなくなる。

日本の百貨店のほとんどが、
ファーストリテイリングとは違って、
自主MDをしていないのだから、
チャネルが変わっていくのは当然だ。

根本の問題はここにある。
ずっと。

一方、これも日経新聞の調査だが、
上場1582社の、
2017年4~6月期決算。

1082社が最終増益を確保、
これは全体の68%。

増益企業の比率は、
同期間では過去最高。

自動車や電機が好業績を牽引し、
化学や非鉄などの業種にも好影響が波及。

純利益は前年同期に比べて33%増、
08年の世界金融危機後で最高を記録。

全32業種のうち26業種が増益。
前年は8業種の増益だった。

4・5・6月の国内総生産(GDP)は、
年率換算で実質4.0%増の高い伸び。

4~6月期の平均為替レートは、
1ドル=111円強。
前年同期より3円程度の円安・ドル高。

「上場企業の海外M&Aなどによって、
業績が全般に下支えされている」

つまり海外で稼いで、
産業界の業績はいい。

しかし、百貨店をはじめ、
小売サービス業は、
そんなによくない。

日本の構造が見えてくる。
大企業は業積がいいが、
社員は消費しない。

法人は栄え、
個人は栄えず。

あるいは消費する意欲は衰える。

日本の8月の気候は、
「戻り梅雨?」だが、
少なくとも百貨店は、
梅雨前線が居座って、

「戻り梅雨!」だ。

自主的なマーチャンダイジング。
これなくしては産業として、業態として、
自律的な自立があるとは言えない。

〈結城義晴〉

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