結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年04月16日(火曜日)

クルーグマンの「米億万長者への警告」と「日本の規制緩和」

桜の季節も終わります。
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かわりにサトザクラが咲いた。
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今日は東京・小平。
第一屋製パン㈱。
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毎月の取締役会。
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お陰様で役員、社員、
皆、頑張っている。

横浜商人舎オフィスに戻ると、
裏の遊歩道に、
ハナミズキが咲いた。
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風に揺れて美しい。
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花は次々に咲き乱れる。
季節は移ろっていく。

しかしこのところ心は晴れない。

午後2時半ごろ突然、
㈱プログレスデザインの皆さんが来訪。
大歓迎。

中が社長の西川隆さん。
右が取締役営業部長の柳本浩三郎さん、
左がエグゼクティブアドバイザーの工藤敏晴さん。IMG_4889 (002)4

3時には北村純一郎さん来社。
商業界元営業部長。IMG_4892 (002)4
現在は広告プランナー。
月刊商人舎の営業も担当してくれている。

さて ニューヨーク・タイムズ。
有名な「コラムニストの眼」

ポール・クルーグマン博士が書いている。
ニューヨーク市立大学大学院センター教授。
2008年度ノーベル経済学賞受賞。
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このコラムが「市場を動かす」と言われるほど。

日経新聞に掲載。

タイトルは、
「なぜトランプ氏を支持する
億万長者たちがいるのか」

面白い。

「トランプ前米大統領の陣営が
資金繰りに行き詰まっていると報じられている」

「そこで、彼は右派の億万長者たちを口説いている」

たとえばイーロン・マスク。

「少なくとも一部の億万長者たちが、
前回の選挙を覆そうとし、
司法省を使って政敵を追及したり、
何百万人もの不法移民を一網打尽にして
収容所に入れたりするなどの
権威主義的な意図を隠そうともしない人物に、
多額の資金を提供することはかなりありそうだ」

「なぜ億万長者たちは
そのような人物を支持するのか」

「単純な答えの一つは、
バイデン氏が再選する場合より
トランプ氏が勝つ場合のほうが、
富裕層の納税額がほぼ確実に減り、
企業の規制も緩和されるということだ」

「しかし、億万長者が
トランプ氏を支持するには、
減税の見込みだけでは十分ではないはずだ」

いろいろと理由を上げる。

だが言いたいことはこれだ。
「トランプ氏が政権に返り咲けば、
米国はもっと恐ろしい場所になるだろう」

「それは億万長者にとっても、
税率が数%下がることよりも
ずっと重要なはずだ」

「トランプ氏が米国の民主主義にもたらす危険は明白だ」

クルーグマン教授は主張する。
「プーチン大統領が権力の座につくのに貢献した、
ロシアのオリガルヒたちの経験から学ぶべきだ」

「オリガルヒたちは結果的に、
ひとたび独裁者を擁立してしまえば、
自分たちの富は思ったほど盾にならず、
シベリア送りになる可能性があることを知った」

クルーグマンの言い回しが面白い。
翻訳がもうちょっと上手なら、
もっと面白いのに。

結局、トランプは、
「億万長者からの支持を得るだろう」

「もしトランプ氏が勝てば、
彼らは自分たちの選択を
後悔することになるだろうか」

「私の推測では、そうなるだろう。
だが、その時にはもう手遅れだ」

クルーグマン、悲観的だ。

米ミリオネアたち、
露オリガルヒの轍を踏むな。

頼む。

一方、日経新聞の「大機小機」
こちらはコラムニスト一直氏。
匿名コラムニストだが、
多分、経済学者。
「成長力アップに政治改革不可欠」

「規制緩和といえば、
英国のサッチャー政権の”小さな政府”、
新自由主義の考え方のもとで、
第2臨調が進めた国鉄民営化を思い出す」

その後、経済的規制の原則自由化、
社会的規制の最小限化を目標に、
規制緩和が行われてきた。

細川政権も橋本、小泉両政権も、
経済構造改革を重要な政策課題に掲げた。

小売業にとっては、
大店法の規制緩和、
酒類免許の緩和や薬事法改正などなど。

「しかし、第2次安倍政権以降、
規制緩和や規制改革という声を
あまり聞かなくなった」

そして岸田政権の「新しい資本主義」も、
規制緩和から離れている。

「現在の政治構造では
これが簡単ではない」

「自民党など主要政党が
それぞれ強力な利益集団や組織を
選挙母体としているからだ」

今回の自民党の派閥と裏金問題も、
規制緩和できない構造をあぶり出している。

根本はそこにある。

一直氏。
「現在の選挙制度に問題があるのなら
国民が声をあげなければならない」

同感だ。

福沢諭吉は150年以上も前に述べている。
「政治が悪いのは
政治家を選んだ国民が悪いのだ」

米国ミリオネアたちも、
日本国民も、
学ぶことができないのか。

このまま悲観していていいのか。

心が晴れない理由は、
世界の政治にある。

せめて規制の緩和だけでも、
頼む。

 

〈結城義晴〉

2024年04月15日(月曜日)

“過去の延長”ではなく“未知の世界”ではトップの役割は大きい。

Everyone, Good Monday!
[2024vol⑯]

2024年第16週。
4月第3週を迎えて、
横浜の桜の季節は終わる。

ツツジのシーズンがやってきて、
同時に新緑の季節。

商人舎オフィス裏の遊歩道。
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2週間後にはもうゴールデンウィーク。

今、1年で一番過ごしやすい時期だ。

去年はどうしていたのだろう、
一昨年はどうだっただろう。

振り返ってみると、
COVID-19 の影響下にあった。
だからこんなに解放された気分ではなかった。

新型コロナウイルスの感染法上の分類が、
昨年連休明けの5月8日から5類に変わった。
季節性インフルエンザと同じとなった。

今、この晴れ晴れしい気持ちは、
コロナ禍から脱したからだろう。

しかしロシアによるウクライナ侵攻は終わらない。
イスラエルによるガザ地区への攻撃も、
イランによるイスラエルへの爆撃も、
深みにはまっていくばかりだ。

世界はどこに向かっているのだろう。

商人舎流通SuperNews。

スーパーマーケットの決算発表が続く。
2024年2月期決算。

アークスnews|
売上高5916億円4.5%増・経常利益184億円12.1%増

㈱アークスの売上高5916億円、
前期比4.5%増。
営業利益168億3100万円(前期比13.5%増)、
経常利益184億3900万円(前期比12.1%増)。

営業利益率2.8%、経常利益率3.1%、
それぞれ0.2ポイントの改善。

既存店客数が前期比1.2%増、
1点単価6.4%増。

1人当たり買上点数同3.2%減、
客単価同3.1%増。
既存店売上高4.3%増。

グループの期末総店舗数は377店舗。

良い成績だった。

なお横山清アークス社長は、
5月の株主総会で代表取締役会長に就任、
子会社の㈱ラルズの猫宮一久社長が、
アークス代表取締役社長に就任する。
古川公一アークス副社長は、
代表権のない副会長に就く。

横山さんは88歳の米寿。
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猫宮さんは63歳で、
コーネル大学RMPジャパン「伝説の一期生」。
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かつて北海道は、
「日本のカリフォルニア」と言われた。
総合スーパー企業が残らず進出した。

その総合スーパーの競争は、
一応の決着がつきそうだ。
最後に西友が9店舗を、
イオン北海道に売却し、
イトーヨーカ堂も撤退する。

スーパーマーケットは鼎占の状況だ。
猫宮さんの真価が問われるときがきた。

月刊商人舎1月号で、
横山さんのインタビューをした。
タイトルは、
横山清の「競合は成長の粮」
「似て非なるもの」を追求し続ける!

冒頭で横山さんは語った。
「これから起きることは
“過去の延長”というよりも
“未知の世界”になってきます」

その通り。

「そういう時代では
トップの役割は大きい」

横山清が選んだ、その「トップ」こそ、
猫宮一久である。

頑張れ。

アークス以外にも決算発表があった。

リテールパートナーズnews|
年商2522億円7.4%・経常利益25.0%/増収増益

営業収益2522億円(前年同期比7.4%増)、
営業利益67億4000万円(27.6%増)、
経常利益77億2500万円(25.0%増)。

営業利益率2.7%、経常利益率3.1%。

㈱丸久、㈱マルミヤストア、㈱マルキョウの、
3スーパーマーケットチェーンの持ち株会社。

増収増益の着実な成果を上げた。

アークスおよび㈱バローホールディングスと、
「新日本スーパーマーケット同盟」を形成する。

昨2023年3月に㈱ハツトリーの株式を取得し、
6店舗を傘下に加えた。

2月29日時点の店舗数は240。

さらに、
エコスnews|
営業収益1300億円5.9%増・経常利益59億円31.1%増

連結営業収益1300億円(前期比5.9%増)、
営業利益57億1400万円(30.6%増)、
経常利益59億2800万円(31.1%増)。

当期純利益は35億7800万円で、
122.2%増だった。

営業利益率4.4%、経常利益率4.6%。
収益性が高まった。

期末のグループ店舗数は130店。

アークス377店、
リテールパートナーズ240店、
エコス130店。

スーパーマーケット産業も、
三桁チェーンが当たり前になってきた。

感慨深い。

“過去の延長”ではなく、
“未知の世界”。

トップの役割は大きい。

では、みなさん、今週も、
頑張れ。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2024年04月14日(日曜日)

イトーヨーカ堂に「財務的な規律を働かせる」ことに反対する。

今年の桜も終わる。
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それでも空に映える。
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桜前線は北に向かう。IMG_E36324

夕暮れが迫ってくる。
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夕陽が沈む。
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今日の日経新聞「社説」
「ヨーカ堂の遅すぎた経営改革を教訓に」

いつも書くけれど、
この新聞の社説で、
小売商業を取り上げてもらうのは、
とてもありがたい。
感謝している。

セブン&アイ・ホールディングスが、
傘下の「スーパーストア事業」に関して、
株式の上場を検討すると発表。

社説はこの問題を取り上げた。

「祖業のヨーカ堂が長く低迷し
分離せざるを得なくなった原因は、
構造改革の遅れにある」
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「構造改革」?

ん~、そう簡単に片づけてほしくはない。

社説。
「かつて小売りの優等生とされたヨーカ堂は
2000年代以降、縮小の道をたどった。
時代の変化への対応が遅れた結果だ」

「時代への変化の対応」?
これも簡単に言い切れる問題ではない。

「衣料品や雑貨、食品を扱う総合スーパーは
消費者ニーズからずれていった」

これは「総合スーパー業態」の問題を指摘しているようだ。

「過去の成功体験が
経営改革を遅らせた面もある」

「過去の成功体験」を目の敵にしていたのは、
鈴木敏文前会長である。

社説は「2000年代以降」と言うけれど、
鈴木さんは2015年まで現役会長として、
イトーヨーカ堂も統括していた。

「昨年には衣料品の自主企画をやめ、
今年に入って北海道や東北、信越からの撤退を表明した。
24年2月期まで4期連続の最終赤字だ」
これは最近のイトーヨーカ堂のこと。

「不採算事業を抱えながら抜本的な改革を先送りし、
縮小均衡に陥ったのは多くの日本企業にあてはまる」
いつの間にかセブン&アイと、
日本の小売業全体の話になっている。

「セブン&アイの井阪隆一社長は10日の記者会見で、
上場によって財務的な規律を働かせる考えを示した」

「高収益のコンビニエンスストア事業に依存したままでは、
ヨーカ堂再建のスピードは上がらない」
これもセブン&アイの話だ。

ただしこの件に対してだけ、
社説は褒める。
「妥当な経営判断と言える」

イトーヨーカ堂の再建に際して、
財務的な規律が有効なのだろうか。

「そごう・西武の売却の過程では
従業員との対話不足が目立ち、
ストライキにまで発展した。
今回のスーパー事業の再編について、
必要性と将来像を社員に
丁寧に説明することが欠かせない」

社員に丁寧に説明することは欠かせない。
けれどそのまえに社員からの信頼こそが必須だ。

「上場後は連結対象とすることに
こだわらないとしつつも、
持ち株の一部は保有し続けるという」
――財務的な規律を働かせつつ、
支配は継続する、ということか。

「食品でコンビニとの連携を重視するためだが、
『親子上場』では
親会社と子会社の一般株主の利害が対立しかねない」

「連携効果を説明できなければ、
完全分離を求める声が強まることも想定すべきだ」

今のイトーヨーカ堂の幹部や社員にとって、
「上場」はモチベーションになるだろうか。

私はそうは思わない。

しかもヨークベニマルまで、
一緒くたにして中間持ち株会社の傘下にするらしい。

ヨークベニマルの幹部や社員は、
納得するのだろうか。

そのうえ社説は言う。
「上場の前提となる収益改善は容易ではない」
またイトーヨーカ堂の問題に戻る。

ヨークベニマルは、
着実に収益性を担保している。

そして最後に、
マーケットの悪条件を並べ立てる。

「物価高を背景に、
消費者は売り手や商品を厳しく選別している。
売場の魅力を高めるのが急務であり、
効率化へデジタル化投資も欠かせない」

「消費は節約とこだわりの二極化が進む。
安値競争で消耗戦に陥らないために、
付加価値戦略が欠かせない」

何が言いたいのか。
まったくわからない。

「すべての小売業に共通する課題である」

ん~、残念。

私は小売業の改革には、
現場の意志こそが大事だと考えている。
ずっとそのことを言っている。

トップが現場を信じて、
ともに汗をかく。

そうすれば不思議なことに、
小売業やサービス業は、
少しずつ蘇ってくる。

それがスタートである。

イトーヨーカ堂は、
まだ復活することができる。

ヨークベニマルは、
今も日本有数のスーパーマーケットだ。
こちらの上場ならば、
そう時間はかからない。

総合スーパーも、
スーパーマーケットも、
その違いもわからない人間たちが、
構造改革を唱えても、
財務的な規律を持ち込んでも、
社員や顧客や取引先の信頼が得られる店にはならない。

朝日新聞「折々のことば」
昨日の第3056回。

「同じところ」を
答え合わせ的に探すだけだと
もったいないな
〈柴崎友香〉

「『共感』というのは、
他人と同じ思いになること、
そこに自分の気持ちを探し当てることではなく、
むしろ『わからないからこそわかりたい』と
願うところに生まれるものだ」

「そこに必要なのは、向き合うというより
『横に並んで佇(たたず)む』ような姿勢なのだ」

『新潮』2018年11月号、
小説家・滝口悠生との対談、
「エモーショナルな言語を探して」から。

日経の社説に、
横に並んで佇むことを求めるのは、
無理なのかもしれない。

しかし流通担当の論説委員が書いているはずだ。
横に並んで佇んでほしいものだ。

さらにセブン&アイの経営陣も、
現場の中間管理職や社員と、
「共感」することが先決である。

小売業は共感の仕事である。

〈結城義晴〉

2024年04月13日(土曜日)

ブッダと聖書と論語と「商売」

ブッダの言葉。
「いかなる生物生類(しょうるい)であっても、
(おび)えているものでも
強剛(きょうごう)なものでも、
(ことごと)く、
長いものでも、
大きなものでも、
中くらいのものでも、
短いものでも、
微細なものでも、
粗大なものでも、
目に見えるものでも、
見えないものでも、
遠くに住むものでも、
近くに住むものでも、
すでに生まれたものでも、
これから生まれようと欲するものでも、
一切の生きとし生けるものは、
幸せであれ」
〈岩波新書〉
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ブッダは仏教の開祖。
ゴータマ・シッダールタ。

商売は幸せを供するものだ。

イエス・キリストの言葉。
マタイによる福音書、その6章。

「だから、言っておく。
自分の命のことで
何を食べようか何を飲もうかと、
また自分の体のことで
何を着ようかと思い悩むな。
命は食べ物よりも大切であり、
体は衣服よりも大切ではないか」

商売は命と体を与えるものなのだ。

「だから、明日のことまで思い悩むな。
明日のことは明日自らが思い悩む。
その日の苦労は、その日だけで十分である」

マタイによる福音書7章。
「求めよ、そうすれば、
与えられるであろう。
捜せ、そうすれば、
見いだすであろう。
門をたたけ、そうすれば、
あけてもらえるであろう」

「すべて求める者は得、
捜す者は見いだし、
門をたたく者はあけてもらえるからである」

これは、生き方の極意であり、
仕事の極意である。

「あなたがたのうちで、
自分の子がパンを求めるのに、
石を与える者があろうか。
魚を求めるのに、
へびを与える者があろうか」

そしてジェームズ・キャッシュ・ペニーの、
「ゴールデンルール」が以下だ。
「だから、何事でも
人々からしてほしいと望むことは、
人々にもそのとおりにせよ」

そして再びマタイの7章。
「狭い門からはいれ。
滅びにいたる門は大きく、その道は広い。
そして、そこからはいって行く者が多い」

「命にいたる門は狭く、その道は細い。
そして、それを見いだす者が少ない」

これは、大きな門はレッド・オーシャンであり、
狭い門とはブルー・オーシャンである。

7章の続き。

「偽(にせ)預言者を警戒せよ。
彼らは、羊の衣を着て
あなたがたのところに来るが、
その内側は強欲なおおかみである」

キリストは学び方を教えている。
学者やジャーナリスト、
コンサルタントの見分け方に通じる。

「あなたがたは、
その実によって彼らを見わけるであろう」

「茨(いばら)からぶどうを、
あざみからいちじくを集める者があろうか」

「そのように、すべて良い木は良い実を結び、
悪い木は悪い実を結ぶ」

「良い木が悪い実をならせることはないし、
悪い木が良い実をならせることはできない」

「良い実を結ばない木はことごとく切られて、
火の中に投げ込まれる」

「このように、あなたがたは
その実によって彼らを見わけるのである」
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kindleで0円で読むことができる。
手に入れておくことをお薦めしたい。

倉本長治。
「バイブルや論語には
金儲けは書いてない

でも金儲けの中には
バイブルや論語が

必要なのである」
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聖書や論語に、ブッダも加えておこう。
ユヴァル・ノア・ハラリも、谷川俊太郎も。

ときどき読むと心が休まる。
そしてやる気が出てくる。

最後に論語から。
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「子曰く、君子は義に喩(さと)り、
小人は利に喩る。」
〈論語第二巻「里仁」第四16〉

「損得より先に善悪を考えよ」は、
ここに発想を得たと思う。

「子曰く、これを知る者は
これを好む者に如(し)かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」
〈第三冠「雍也」第六20〉

知るより、好む。
好むより、楽しむ。

人生も仕事も、
こうありたい。

「子曰く、君子は和して同せず、
小人は同して和せず。」
〈第七巻「子路」 第十三23〉

世の中でも、組織のなかでも、
和して同ぜず、でありたい。

〈結城義晴〉

2024年04月12日(金曜日)

レンゴーとベイシアのネット会議と日本ホームセンター業界事情

オンライン会議、
オンライン記者会見、
オンライン取材。

毎日、それが増えた。

昨日は商人舎オフィスで、
レンゴー㈱の皆さんとの会議。
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右から縄田幸男さん、山本麻依子さん。

先日、京都の㈱マツモトの取材で同行した。
その取材記事の内容を確認し合った。

今日は朝から、
㈱ベイシアの幹部の皆さんの取材。

太田善治さんは、
執行役員食品本部長。
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そして大澤正樹さんは、
執行役員オペレーション本部長。IMG_3622 (004)4

凄くいいインタビューで、
座談会のようになった。

お二人とも30年選手。

人柄がとてもいい。
そのうえ論理的に語る。

当然ながら意気投合。

月刊商人舎5月号で、
全容を掲載します。

ありがとうございました。

さて、商人舎流通SuperNews。
チェーンストア中心の即日ニュース配信。
正確で素早い報道を売り物にしている。

今日は1日に34本の記事が載った。

決算発表の時期には、
ニュースが増える。

そのなかで、
DCMnews|
’23年営業収益4886億円2.5%増・経常利益7.3%減

2006年9月1日に㈱カーマ、㈱ダイキと、
㈱ホーマックが経営統合。
「DCM」の由来は、
「Demand Chain Management」。

2017年に㈱ケーヨーと資本業務提携し、
今年1月に子会社にした。

ホームセンター業態の勃興期には、
ドイト㈱が先駆者となり、
ケーヨーとカーマがリードした。

ドイトが1972年にホームセンター1号店を開発し、
カーマは1973年にホームセンター事業に進出、
ケーヨーはガソリンスタンド業から、
1974年にホームセンター業に参入した。

ドイトはPPIHからコーナンへ転売され、
カーマはDCMへと成長し、
この度、ケーヨーと経営統合した。

私は1977年に㈱商業界に入社し、
販売革新編集部に配属されると、
スーパーマーケットとホームセンターを、
メインに取材することになった。

だからホームセンターでは、
ケーヨーの岡本正さんや、
カーマの鏡味順一郎さんには、
ずいぶん勉強させてもらった。

ドラッグストアはまだ、
成長の前段階だった。

だから感慨深い。

そのDCMホールディングスは、
営業収益4886億円、前年同期比102.5%。
営業利益286億8500万円、95.4%、
経常利益274億1200万円、92.7%。

営業利益率5.9%、経常利益率5.6%。
収益性は悪くない。

店舗数はケーヨーを加えて840店。

日本のホームセンター産業は、
4兆円を超えるマーケットサイズで、
コロナ禍以降、DIYが復活して、
業界も好調に推移している。

コーナン商事news|
23年度年商4727億円7.7%・経常利益9.0%の増収増益

アークランズnews|
’23年営業収益3249億円、主力ホームセンター2.6%減

結果として順位は、
第1位カインズ、
第2位DCMホールディングス、
第3位コーナン商事、
第4位コメリ、
第5位アークランズ。

カインズは非上場、コメリは3月期決算。

いずれも5%以上の経常利益で、
好調に推移する。

アメリカのホームセンターは、
ホームデポとロウズによる「複占」である。

さて日本のホームセンターはどうなるか。

いまのところ5社が3000億円以上、
その下にナフコ、アレンザホールディングス、
ジョイフル本田などが続く。

「寡占」とみていいだろう。

昨年の商人舎6月号特集。
「2023日本小売業ランキング」
ポストコロナ時代の「業態」それぞれの理由
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この号の「ホームセンター」の項。

ホームセンターが
食品との親和性を高める理由

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結論は、
「ホームセンター全体の出店傾向として、
スーパーマーケットの誘致や共同出店が目立つ」

「アークランズはビバモール名で商業施設を開発して、核店舗としてスーパーマーケットを誘致している。近畿圏では万代、首都圏では昨年オープンした八王子でヤオコーを入れている」

「またニトリもニトリモールを開発して、万代、平和堂フレンドマート、オーケーを誘致する。2020年12月にニトリ傘下となった島忠にはロピアが出店している」

「カインズはベイシアとのコンビネーション出店が多いし、ジョイフル本田はジャパンミートとの共同出店が定石化している。どのスーパーマーケットも高い集客力と販売力で知られる企業ばかりである」

「ホームセンターの来店頻度を高める集客装置として、強いスーパーマーケットが欠かせなくなっているのだ。親和性の高い業態同士の相思相愛の出店戦略は、ウォルマートのようなスーパーセンターが存在しない日本ではきわめて有効である」

47年前に私が担当した2つの業態。
親和性を高めて好調である。

まだまだ上位集中は進みそうだ。

〈結城義晴〉

2024年04月11日(木曜日)

「降れば土砂降り」とベルク・ハローズ好決算の「マイルストーン」

商人舎4月号。
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巻頭に書いたのが、
[新年度に向けて]
’24マイルストーン現象の読み取り方 202404_yuuki-jihyo-768x512

“milestone”は、
街道に設置された目印の「マイル標石」のことだ。
2024年は2030年に向けた、
距離標石となる年だ。

同時に “milestone”には、
「節目」の意味がある。

2024年は標石の年であり、
その節目の年でもある。

その現象が起こっている。

かつて「北海道は日本のカリフォルニア」と言われた。
そして総合スーパー企業が例外なく、
北海道に店舗を開設して進出した。

しかし今、その「北海道カリフォルニア現象」が、
完全に終焉しようとしている。

これは小売り産業にとって、
milestone現象である。

その年に、私たちは、
どう考え、どう行動するのか。

そのことを書いた。

そして[Message of April]
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降れば土砂降り

北海道は日本のカリフォルニア。
夢をみようよ、
大志を抱け。

そんな風に、
カリフォルニアに行く気分で、
北海道に出た。

けれど夢はかなわない。
北海道はカリフォルニアほど、
暖かくはない。

うまい話ばかりじゃない。
難しいことばかり。
苦労ばかり。

カリフォルニアに雨は降らない。
けれど、降れば土砂降り。
降れば必ず土砂降り。

北海道は日本のカリフォルニア。
夢をみようよ、
大志を抱け。

そんな風に北海道に行った。
カリフォルニアに行く気分で、
北海道に出た。

けれど、
降れば土砂降り、
いつも土砂降り。

そこでいいことはあったかい?
なにかを学んだかい?
儲かったかい?

いいや、うまくはいかなかった。
あいつもあいつもあいつも。
そして誰もいなくなった。

カリフォルニアに雨は降らない。
けれど降れば土砂降り。
いつも土砂降り。

〈結城義晴〉
Thanks to Albert Hammond.
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“It Never Rains In Southern California”

さて、商人舎流通SuperNews。

イオンnews|
5/29付で土谷美津子執行役副社長が取締役就任

4月10日(水)開催のイオン㈱の指名委員会で、
土谷美津子さんが取締役候補となった。
現在、執行役副社長商品担当。
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5月29日の定時株主総会で決議され、
正式に確定し就任する。

おめでとう。

これでイオンの常勤取締役は4人となる。
岡田元也代表執行役会長、
吉田昭夫代表執行役社長、
そして羽生有希執行役副社長デジタル担当。

彼らは重任し、土谷さんが加わる。

男性2人、女性2人の体制。

女性の取締役を、
ことさらに強調する必要はないが、
それでもこれは実に、いいことだ。

イオンで働くすべての女性たちに、
大きなモチベーションとなる。

「ガラスの天井」などと言われて、
女性が組織の上のほうに上がっていくのは、
本当に大変だった。

イオンは会社を挙げて、
このガラスの天井を打ち破ろうとしていた。

それが成就しつつある。
産業にとっても、
いいことだ。

ただし羽生さんと土谷さんには、
大きなプレッシャーと責任がかかる。

お二人はすでにそれを乗り越えていると思う。

凄いことだ。

さて二つの2024年2月期決算。

ベルクnews |
営業収益3519億円13.2%増・経常利益150億円4.7%増

ベルクの営業収益3519億円、
前年比113.2%。

営業利益144億9500万円(103.4%)、
経常利益149億7200万円(104.7%)。

営業利益率4.1%、
経常利益率4.3%。

ハローズnews 
営業収益1954億円12.3%増/36期連続増収・11期連続増益

ハローズの営業収益1954億円、
対前年比112.3%。
営業利益108億7000万円(120.1%)、
経常利益108億9600万円(119.2%)。

36期連続増収、11期連続増益。

そして営業利益率5.6%、
経常利益率5.6%。

ヤオコーの3月期決算が、
1か月後に発表されるが、
この3社が2024年マイルストーンの年の、
エクセレントスーパーマーケットということになる。

やるべきことを一つひとつ、
やり遂げる。
やり続ける。

それがエクセレントな会社への、
いちばんの近道なのだ。

そのことを忘れてはいけない。

カリフォルニアには、
雨は降らない。

けれど降れば土砂降り。

そんなときにも、
やるべきことをやり遂げる。
やり続ける。

だからベルクもハローズも、
ここまで来た。

そしてそれは彼らの一里塚である。
それが商売の本堂である。
いくら賞賛しても足りないほどの、
マイルストーンである。

〈結城義晴〉

2024年04月10日(水曜日)

商人舎4月号発刊とセブン、イオン、ライフの決算発表

月刊商人舎本4月号本日発刊。202404_cover-page

特集は、
ドラッグストアの爆発点?!
[10兆円3万店]M&A産業の行方

[Cover Message]
薬剤師の数だけ「薬局」があった。そこからドラッグストア業界は始まった。酒屋やパン屋がまずコンビニエンスストアに変わったように、八百屋、魚屋、肉屋がスーパーマーケットに業態転換したように、薬局・薬店がドラッグストアに変貌した。だから圧倒的に数多の小企業の業界だった。
それが今や1兆円チェーンが3社も登場しようとしている。さらになんとトップ2社が経営統合して、2兆円を超え、3兆円を視野に入れる。彼らは世界第4位のドラッグストアチェーンとなり、アジアを目指す。そして「業界」は「産業」となった。
薬剤師の数だけ存在していた小さな店々が連続的な経営統合によって巨大チェーンとなり、産業のスケールは10兆円・3万店へと爆発する。その時に一番大切なものは何か。その爆発点の原理とはどんなものか。そしてその軌道は何処に向かうのか。「産業の論客」の言葉を噛みしめつつ、「M&A産業の行方」を描き出す。

ウエルシアホールディングス㈱会長にして、
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会会長。
池野隆光独白
202404_ikeno
10ページ1万5000字。
ロングロングインタビュー。

結城義晴は、
寡占から鼎占へのプロセスが、
産業の爆発点であることをシンプルに解明する。

もう一つ。
店舗研究特集は、
MEGAドンキ成増店
これは魔境のポジショニング戦略だ!
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3月13日、都内最大級のMEGAドン・キホーテ成増店がオープンした。ダイエー成増店撤退跡への居抜き出店だ。国内最大の総合スーパー企業となった㈱パン・パシフィック-インターナショナルホールディングス(PPIH)はポジショニング戦略でも抜きん出たユニークさをもつ。その経営理念と国内成長戦略を分析し、そしてしたたかな最新店の全貌をお届けしよう。

[特別写真構成]
最大級MEGAドンキ成増店、したたか!

写真100枚超、15ページ。
成増店を丸裸にする。

是非ともweb版商人舎で見てほしい。
流通専門カメラマン結城義晴の本領発揮!!
IMG_E35994

ダイエーがイトーヨーカ堂が、
西友がマイカルがユニーが、
捨ててきた部門とカテゴリーが、
ドンキ流に再構築されて、
魅惑的に表現される。

それは魔境のポジショニング戦略だ。
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目次。
202404_contents

[特別レポート]
総菜製造ロボットの未来
合言葉は「ロボフレ」202404_robot

CaseStudyは、
マックスバリュ東海
――惣菜盛り付け全工程の自動化

ベルク
――「巻き寿司」多品種盛付で自動化を実現
202404_robot-22-768x432

原島一誠ベルク社長、本誌初登場。
202404_robot-15-768x576
今度、ゆっくり話しましょう。

最後に[新店の注目点]
トップバリュ5割の特化型実験店
MZ世代ターゲットの「まいばすけっと仲町台駅南店」
202404_mybasket-1
突き詰めていくとこれは、
トレーダー・ジョーになってしまう。

さて、どうか?

商人舎4月号、
私がお勧めします。
IMG_E35974

さて今日は、
決算発表の日。
㈱セブン&アイ・ホールディングス、
イオン㈱とイオン北海道㈱、
そして㈱ライフコーポレーション。

夕方の17時から、
セブン&アイ。
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商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
営業収益11兆4718億円2.9%減ながら営業利益過去最高

井阪隆一社長がいつものように、
細かく説明した。
減収ながら過去最高益だった。
seven_isaka01

それから取締役や子会社のトップとともに、
質疑応答。
seven_sankasya1

ヨークベニマルの大高耕一路社長も初登場。
イトーヨーカ堂の山本哲也社長への質問も多かった。seven_sankasya2

昨日のこのブログで書いたように、
中間持ち株会社つくって、
スーパーストア事業を分離し、
再上場を狙っていく。

囲み取材にも多くのジャーナリストが集まった。
seven_kakomi

一方、イオン㈱の記者会見は、
15時30分から。
aeon_sankei

イオンnews|
営業収益9兆5536億円4.8%増/売上高・利益とも過去最高更新

イオンは過去最高を更新した。
来年の2月期には10兆円の大台を達成する。aeon_speaker

吉田昭夫社長はいつものように、
歯切れよく語った。??????????

質疑応答は多岐にわたった。
それにもよどみなく答えた。aeon_yoshida2

15時から札幌で開催されたのが、
イオン北海道の会見。
私はオンラインで参加した。
青栁英樹社長がやや早口で説明した。IMG_36075
西友の9店舗を譲受する件に、
質問が集中した。

北海道の鼎占の行方や、
イトーヨーカドーの3店を、
ロピアが譲り受ける話にも質問が及んだ。

ライフコーポレーションは16時から。
岩崎高治社長は上機嫌。
コロナ特需の2021年2月期を除けば、
すべての項目で過去最高。IMG_3608 (002)

ライフnews|
23年度営業収益8097億円と過去最高・20期連続増収
IMG_3609 (002)5

好調な2024年2月期決算。

コロナ禍のあと、
如何にスピードアップできるかが、
各社の実力となる。

〈結城義晴〉

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コロナは時間を早める

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流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

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