結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年11月04日(木曜日)

第54回食品産業功労賞贈呈式・祝賀会の「知識集約産業」

今日は朝から商人舎オフィス。
月刊商人舎11月号の最後の執筆。

必死で書き続けたけれど、
途中で切り上げて、
夕方、東京の紀尾井町へ。
ホテルニューオータニ東京。

エントランスには「草月」。IMG_80451

第54回「食品産業功労賞」贈呈式。
日本食料新聞社主催・農林水産省後援。IMG_79721
わが国食品産業界に貢献し、
偉大な功績を残した功労者が、
毎年、顕彰される。

日本食料新聞社の今野正義会長CEOが、
燕尾服をまとって開会のあいさつ。

さらに選考委員長が選考経過を報告。
桜庭英悦さん。
元食料産業局長で内閣官房内閣審議官、
高崎健康福祉大学客員教授。

贈呈式は、特別功労賞から始まって、
生産部門、技術部門、流通・情報部門、
そして外食部門まで。
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特別功労賞は、
村上秀徳 食品産業センター前理事長。

生産部門は8名の経営者。
伊藤雄夫イトウ製菓会長
大沼一彦日東ベスト会長
木下紀夫シマダヤ社長
小路明善アサヒグループホールディングス会長
殿村育生カステラ本家福砂屋社長
永谷栄一郎永谷園ホールディングス会長
藤井幸一サンマルコ食品社長
吉田康ブルボン社長

技術部門。
郡昭夫ADEKA相談役
築野富美築野食品工業社長

そして流通・情報部門では、
加藤徹さんに食品産業功労賞が贈られた。
㈱万代リテールホールディングス社長、
㈱万代油脂工業社長。
もちろん、㈱万代の前社長。

受賞者の紹介VTRが会場に流れた。
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そして壇上の金屏風の前で、
今野会長から表彰状を授与。
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流通・情報部門は加藤さんのほかに、
田中正昭日本酒類販売㈱代表取締役社長、
堀内達生㈱ファーマインド代表取締役社長。

最後に外食部門。
妹川英俊わらべや日洋ホールディングス会長、
佐伯保信大起水産会長。

今日、同時に授与式が行われたのが、
第30回「食品安全安心・環境貢献賞」

こちらは企業が表彰されるが、
今回は4社が表彰された。

その1社が㈱イトーヨーカ堂だ。

イトーヨーカ堂の評価理由は、
「消費者・取引先と実変する、
サーキュラーエコノミーの活動」

サーキュラーエコノミーは、
「循環型経済」のことだ。

日本食料新聞社の杉田尚社長が、
プレゼンターとして、
三枝富博社長に贈呈。
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三枝社長が代表して、謝辞。
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贈呈式の最後は、記念撮影。
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表彰された企業の関係者やマスコミが、
50人ほど集まって、
あちらからもこちらからも、
記念の写真撮影。
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贈呈式が終わると、
祝賀交流会。

会場には関係者が300人余り参加した。

コロナ下で、
例年よりも参加者を絞り、
ソーシャルディスタンシングを堅持。IMG_80201

当選したばかりの石破茂衆議院議員も、
来賓の祝辞。
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石破さんは元農林水産大臣で、
食品産業にも造詣が深い。

その石破大臣時代の2008年から09年まで、
私は農水省の専門委員会に呼ばれた。
委員会では毎月のように議論し、
私はオーガニックの提案をした。

選挙演説を繰り返した直後だからだろう、
今日のスピーチはいつも以上に、
「見事」の一言。

乾杯のご発声は中野勘治さん。
三菱食品㈱元会長。
現在は、食品産業文化振興会会長。
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受賞した加藤徹さんは、
うれしそうだった。
もちろん、私もうれしかった。
おめでとうございます。
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國分勘兵衛さんとも久しぶりに話した。
国分グループ本社㈱会長兼CEOで、
食品産業功労賞の選考委員。
國分さんは第37回、2004年の受賞者だ。
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小濵浩正さんとも久々にお会いした。
現在、㈱カスミ相談役で第43回の受賞者。
日本チェーンストア協会前会長。
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田中茂治さんは、
㈱日本アクセス元社長・会長で、
現在は伊藤忠商事㈱理事。
田中さんも第50回受賞者で、
現在は選考委員。
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ファイブ・ア・デイ協会のお二人。
池田健太郎理事長と高木直子事務局長。
高木さんは日本食料新聞社の
百菜元気新聞編集長。
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井上淳さんは、
日本チェーンストア協会専務理事。
食品安全安心・環境貢献賞の選考委員も務める。IMG_80391

ソーシャルディスタンシングで、
なおかつマスク着用。
それでも少しずつ前の方に人が集まる。IMG_80411

最後の最後はもちろん、
今野正義会長CEO。
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意義のある贈呈式でした。
ありがとうございました。

どんな産業も変わっていく。
産業革命によって栄えた繊維産業も、
その後の重工業や機械産業も。
コンピュータ産業やIT産業すらも。

そして、
日本の食品産業も変わってきたし、
今後も必ず変わる。

労働集約産業から、
知識集約産業へ。

この、産業の変容を、
知覚し、体現した者が、
産業への貢献者となり、
産業の功労者となる。

そんなことを、勝手に思った。

〈結城義晴〉

2021年11月03日(水曜日)

文化の日の「迷惑をかけない文化と商売」

文化の日。
日本国憲法が公布された日。
憲法記念の日は5月3日で、
こちらは日本国憲法施行の日。

新しい政治体制の中、
新しい憲法論議が行われるのだろう。

祝日法の示す趣旨は、
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」

自由と平和は感覚的にわかるが、
文化は実は難しい。

「文化」は「文治教化」の略だそうである。
「刑罰や威力を用いないで導き教える」
それが文治教化の意味。

欧米から入ってきた文化は、
ラテン語の”cultura”。
「耕作する・育成する」という意味。

ラテン語がヨーロッパ言語の生みの親で、
英語もフランス語も”culture”と表記する。

社会人類学者の鈴木二郎さんが、
文化を二つの側面から説明している。

第一は、
学問、芸術、宗教、道徳のように、
主として精神的活動から
直接的に生み出されたもの。

人間の営みを充実向上させるうえで、
新しい価値を創造するという意味。

鈴木さんは、
一口に「知性や教養」ともいえると、指摘する。

そしてこの場合、
「文明」と対比して使われる。

物的な所産を「文明」と呼び、
精神的な活動の所産を「文化」という。

こちらはドイツで生まれた考え方だ。

第二は、
あらゆる人間集団が
それぞれもっている生活様式を
広く総称して文化と呼ぶ。

個別文化はそれぞれ、
独自の価値をもっているから、
個別文化の間には、
高低・優劣の差がつけられない。

こちらはイギリスやアメリカの、
文化人類学の主張で、
日本では第二次世界大戦後に普及した。

「文化の日」の文化は、
第一の考え方だ。

文化勲章受章の9人の人たちを見ると、
そう理解される。

真鍋淑郎さんは、
ノーベル物理学章受賞の気球科学者。

森重文さんは数学者。
岡崎恒子さんは分子生物学者。
川田順造さんは文化人類学者。

岡野弘彦さんは歌人。
絹谷幸二さんは洋画家。
牧阿佐美さんは舞踊家。
尾上菊五郎さんは歌舞伎俳優。
長嶋茂雄さんはプロ野球選手・監督。

素晴らしいことだ。

夕方の晩秋の空。
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雲が動く。
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そしてすぐに日が暮れる。
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夜空にも雲は白く浮かぶ。
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「ほぼ日」の糸井重里さん。
毎日のエッセイは今日のダーリン。
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「マルコ・ポーロの東方見聞録のように、
異邦人の目でいまの日本を
見て歩いたとしたら、
日本は、すべての人がマスクをしている”
ということを書かずには
いられないのではなかろうか」

同感だ。

「ワクチンの接種率が
世界の最上位のほうに近づいても、
一日あたりの感染者数が
どれだけ少なくなったとしても、
日本の人たちは、ほとんど
マスクをして外出しているし、
おそらく手を洗ったり、
三密を避けることも続けている」

ヨーロッパやアメリカの人たちとは異なる。

「日本の人たちは、
“マスク、いくらでもしますよ”と、
マスクを暮らしになじませるように
習慣化させている」

このことを、
日本人は”同調圧力”に弱いとか、
多数の行動に合わせたがるとか、
説明されることが多い。

「それがうまく
作用しているのだとしたら、
今回の場合は”いいこともあった”
と言えるのではないか」

糸井さんはこれを、
日本の人たちが、
“人に迷惑をかけない”というルールを、
無意識のレベルまで身につけているから、
と考える。

「日本人が、
根幹のところに持っている
ルールというのが、
ぼくには”迷惑をかけない”
であるように思えるのだ」

これにも同感。

記者会見などが開かれると、
特別謝る必要もないのに、
たいてい言う。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

善と悪、罪や罰、不道徳、
そういうものをすべて超えて
迷惑をかけない”ことを
なにより優先するのが、
いまの日本の最大最高の
ルールなのだとしたら、
マスク”は、そういうものの、
象徴みたいなものである」

これは鈴木二郎さんが定義した、
第二の「文化」である。

そして私たちの「商売」は、
この文化をこそ、
大事にしなければいけない。

いくらアメリカを学んでも、
日本の小売業・サービス業の違いは、
「迷惑をかけない文化」にある。

そしてこれは欧米商業に対して、
高低・優劣の差がつけられるものではない。

商売は文化だからである。

糸井さんは言う。
「おそらく、ぼく自身も、
そういう日本人のひとりだと思うよ」

結城義晴も、
そういう日本人の一人だ。

私はマスク、
どうも好きになれないけれど。

文化の日に、
迷惑をかけない第二の文化と商売のことを、
マスクしながら考えた。

〈結城義晴〉

2021年11月02日(火曜日)

True Dataのホームページ刷新と政界・企業の「敗者復活」

㈱True Dataのホームページが刷新された。
True Dataホームページ
〈企業理念(パーパス)〉

データと知恵で未来をつくる
ビッグデータは、
人びとの行動の積み重ねです。
わたしたちは
「データの真実」と「人間の知恵」で価値を生み、
より良い未来をつくります。

〈行動指針〉
社会へ貢献し、
持続的な成長を追求します。
地域や規模を超え、
あらゆる組織のデータ活用を支援します。
データやテクノロジーを使う人の
教育を推進します。

〈コーポレートスローガン〉
見えない真実を、見に行こう

よろしくお願いします。
この企業理念をつくる際にも、
ちょっとお手伝いした。

立教大学院のビジネスデザイン研究科で、
クレドをつくる講義をしていたが、
そんな感じで何度もなんども、
つくり直してもらった。

ホームページの全体も、
若いプロジェクトメンバーが製作した。

いい出来栄えです。

私たち8人の取締役も、
5人の執行役員も、
3人のアドバイザリーボードも、
写真入りで紹介されている。

今年7月21日にその撮影が行われた。

カメラマンは蓮井幹夫さん。
1955年生まれのアーティスト。
(森の隣の写真室より)蓮井カメラマン
ユニクロのCM撮影もしたし、
フェリーニ、オノヨーコ、
黒澤明、中村吉右衛門などの、
多くの人物のポートレートも撮影している。

蓮井さんが撮った結城義晴。
役員一覧ページのモノクロ写真。
一覧_結城さん

そしてポップアップページのカラー写真。ポップアップ_結城さん
さすが一流プロ。
私、リラックスしています。

ただし、この時点ではまだ、
願掛けの髭を生やしていた。
9月末日で剃り落としたけれど、
それもいいだろうと思う。

Big Data Marketingの会社。
飛躍します。

よろしく。

さて、戦いすんで日が暮れて、
衆議院議員総選挙のあと。

自民党では、
甘利明幹事長が辞任した。
立憲民主党は、
枝野幸男代表と福山哲郎幹事長が、
引責辞任する。

甘利幹事長は、
自身が小選挙区で負けたから。
枝野代表と福山幹事長は、
党が負けたから。

ん~、政治家は選挙が仕事なんだ。
それが判明したことになる。

政治そのもの、まつりごとのミスではなく、
選挙の失敗の責任を負う。
それが政党政治なんだろう。

甘利幹事長は何もしないうちから、
自ら責任をとった。

さぞかし、無念なことだろう。

甘利明、72歳。
枝野幸男、57歳、
福山哲郎、59歳。

いくつになっても、
気力・体力がある限りは、
敗者復活があったほうがいいと思うけれど。

これは比例代表復活とは全く違う。

しかし甘利明は、もうないか。

立憲民主党だって、
岡田克也元代表(68歳)や、
野田佳彦元総理大臣(64歳)も、
復活があっていい。

安倍晋三元首相は復活によって、
歴代総理最長記録をつくった。

もちろん若手がトップを担うのもいい。

執念だけの高齢者が、
ずっと居座るのは最悪だけれど。

これは会社も同じだ。

㈱ファーストリテイリングの、
㈱ジーユー代表取締役社長。
柚木治(ゆのきおさむ)さん。
56歳。
〈ファーストリテイリングのホームページより〉
柚木治
2002年9月、大抜擢されて、
エフアール・フーズ代表取締役社長就任。
永田農法を活用したユニクロ流の八百屋。

しかし、見事失敗。

それでも柳井正CEOは、
2008年9月に柚木さんを、
GOVリテイリング副社長にした。
それが現在のジーユーで、
柚木さんは2010年に社長になった。

それ以来、成長に次ぐ成長。

見事な敗者復活だ。

政界にも会社にも、
敗者復活は必須だ。

結城義晴著『Message』より。
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「敗者復活」

「敗者復活」の土壌は、社会には必ず存在する。
「敗者復活」の制度も、会社には、
用意されていなければならぬ。
それが、挑戦や進歩を生み出すものだからだ。

もし、万が一、
社員としてのあなたの会社に
「敗者復活」の仕組みがないと知ったならば、
そんな会社はサッサとやめなさい。

敗者が切り捨て御免で成敗されたり、
腹を切ってお詫びする、
あるいは社蓄として
飼いならされたりする組織からは、
退廃しか生まれない。

もし、経営者としてのあなたに、
常に弱気の虫が宿っているとしたら、
あなたには、企業を私する心が巣食っている。
会社を私有財産のように見ているから、
潰したくないと考え、
結局、安楽死の道を自ら選んでいるのだ。

土地もなく、人口も十五万人に満たなかった
海の上の都「ヴェネツィア」が、
千年もの歴史をつくったのは、
敗者に一度だけ復活のチャンスが
与えられていたからだった。
それが、オーソライズされていたからだった。

だから今、大店法運用緩和などに
惑わされることなく、
役員も社員も、
考えうる最強のフォーマットに
チャレンジすべきだ。
冒険すべきである。

あなたの客たちは必ずや、
そのことを待っている。
失敗したときにも、
「敗者復活」の社会と会社が、
あなたを勇気づけてくれる。

「正しきに依りて滅ぶる店あらば
滅びてもよし。断じて滅びず」

人生、自分の命についての復活は、
イエス・キリストの周辺にしか
なかったようだが、
ビジネスや仕事にくらい
「敗者復活」がなければ面白くない。
生きてゆく価値がない。

〈結城義晴〉

2021年11月01日(月曜日)

凪のような選挙後の年末年始商戦の「着眼大局・着手小局」

Everybody! Good Monday!
[2021vol㊹]

2021年第44週。
今日から11月。

衆議院議員総選挙が終わって、
2021年もあと2カ月。

現政権に近い読売新聞の社説。

小見出しに、
「盛り上がり欠いた論戦」と謳って、
「4年ぶりの審判の機会だった
にもかかわらず、
選挙戦が今ひとつ
盛り上がりに欠けたことは残念だ。
与野党のどちらにも、
“追い風”は吹かなかった」

その通りだ。
(なぎ)のような選挙だった。

「自民党に不満を持ちながら、
野党にも政権を任せられないと考え、
投票所から足が遠のいた人は
少なくなかったのではないか」

それが投票率に現れた。
55.93%は戦後3番目に低い。

大宅映子さんが、
テレビの番組で言っていた。
「投票率5割を切ったら、
その選挙は無効にすべきです」

いいこと言うねぇ。

大勝利目前でも、
無効になるのならば、
政党も候補も投票を訴える。

無党派層に対して、
当時の首相森喜朗が口を滑らせた。
「関心がないといって
寝てしまってくれれば、
それでいいんですけれど……」何をか言わんや。

読売の社説。
「各党の訴えや候補者らに
魅力が足りなかった面も否めない」

与野党ともに、
この「魅力」が足りなかった。

だからつまらない選挙だった。

私の投票した神奈川7区。
ふたりの立候補者しかいなかった。
自民党と立憲民主党。
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自民党が僅差で勝って、
小選挙区で当選した。

12万8870票と、
12万4524票の差。

一方、立憲民主党の候補は、
並立の比例代表制で復活当選。

結局、二人とも当選した。

上下をつけるとしたら、
小選挙区のほうが上なのだろう。
直接対決で勝ったのだから。
だから甘利明自民党幹事長は辞任する。

しかしどちらも衆議院議員となった。
これでは投票の意味が薄れる。

重複立候補が可能な、
小選挙区比例代表並立制の問題点でもある。

1996年10月から、
中選挙区制度に代わって採用されて、
もう25年も続いている。

その間、日本には「失われた20年」が訪れ、
その後もずっと低迷期が続く。

では中選挙区制に戻せばいいかと言えば、
そうでもないところが悩ましい。

ちなみにドイツは
小選挙区比例代表併用制である。
こちらは基本が比例代表制で、
そこに小選挙区制度が組み入れられている。

制度はもちろん大事だ。

しかしその制度の運用は、
制度を使って何かをする者、
制度によって恩恵を受ける者、
双方に全体最適の志が求められる。
双方にそれぞれ異なる、
考え方があることを、
理解し納得する知性が要求される。

ブレーズ・パスカル。
『パンセ抄』断章一九八。
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「人間は
小さなことに対しては
敏感であるが、
大きなことに対しては、
ひどく鈍感なものである。
これこそは、
人間の奇妙な倒錯の
しるしである」

部分は小さなことであり、
全体最適は大きなことである。

私自身を含めて、
その大きなことに鈍感な選挙民は、
残念ながら、
いい国をつくることに貢献できない。

残念ながら。

以て自戒とすべし。

選挙が終わるたびに、
そう思う。

残念ながら。

さて、
今年も残すところ9週間。
アメリカでは、
ハロウィンが終わると、
サンクスギビングデーに向けて、
いっせいに年末商戦に入る。
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11月第4木曜日の25日が、
感謝祭のサンクスギビングデー。
その翌日の26日が、
ブラックフライデー。
翌週の月曜日が、
サイバーマンデー。

そしてクリスマスまでの1カ月が、
ホリデーシーズン。

日本でも11月に入ると、
年末までの計画がはっきりしてくる。

月刊商人舎10月号。
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㈱紀文食品の堀内慎也さんの原稿。

「2021年の年末商戦を構想する」

正月に対する消費者の意識の変化。202110_kibun20
トレンドで増加していた意識、
トレンドで減少していた意識。

コロナで増加した意識、
コロナで減少した意識。

4つの象限の中で、
トレンドでは減少していたけれど、
コロナで増加した意識をチェックする。

さらに昨年の「チャンスロスを取り戻す」
SRIデータでは 12月30日・31日に、
前年比5.8%の機会損失が出たと推計。
それを逃さない方法を考える。202110_kibun21

そして21年末の12月18日から、
1月7日までの曜日回り。
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年末年始は6連休が多い。
安近短の生活様式が増える。
高い在宅率も予想される。

それぞれの企業、それぞれの店が、
自分の商圏の傾向を読み取って、
自分の戦略に照らし合わせる。

そして実行する。

選挙で当選する手法と同じだ。

われわれの年末年始商売だけは、
凪のような状態は避けたい。

「魅力が足りなかった」とは、
断じて言わせない。

その心構えで、
今月を駆け抜けたい。

では、みなさん、
着眼大局、着手小局で。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2021年10月31日(日曜日)

小雨降るハロウィン選挙、「一言重し百金軽し」

2021年、令和3年。
コロナ禍2年目の10月が終わる。

10月最後の31日、
今日はハロウィン。

横浜は朝から小雨模様。
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朝顔の花に雨滴。
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そして、
第49回衆議院議員総選挙、
投開票の日。

私の投票会場は、
横浜市立港北小学校。
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候補者のポスターボード。
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野党の立候補者統一によって、
与党と野党の2人しか、
ポスターは貼られていない。
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神奈川第7区。
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小選挙区と比例代表の二つの投票。
そして最高裁判所裁判官の国民審査。

日曜日に休みをいただいているので、
私は今日、投票。

終わりました。
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あまり意味はないと思うし、
使うこともないけれど、
投票証明書をもらってきた。
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私のはじめての国政選挙への投票は、
1972年12月10日。
第33回衆議院総選挙。

第1次田中角栄内閣時代、
中選挙区制だった。

それ以来、16回の衆議院選があった。
投票を欠かしたことはない。

私が生まれた1952年。
その10月1日に、
第25回衆議院議員総選挙が行われ、
故大平正芳は自由党公認で立候補し、
初当選した。

大平は池田勇人大蔵大臣の秘書官だった。

自由党は首相・吉田茂の党だった。

その後の1955年、自由党は、
鳩山一郎の日本民主党と、
保守合同を果たして、
自由民主党となった。

1951年秋、大平は、
70日間の全米視察旅行をした。

帰国後、池田に挨拶と報告に行くと、
池田勇人は言った。

「断らないで欲しい。
一生を決める事柄だから迷うのは分かるが、
本当に民主主義の政治を作っていくのには、
君のように勤勉で、かつ、
現場を大切にする男が必要なんだ」

「新しい国が君の出馬を要請している
と考えてくれ」
〈辻井喬こと堤清二著『茜色の空』から〉
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生まれ故郷の旧香川2区から、
42歳で立候補して当選した。

以後、亡くなるまで、
11期連続当選を続けた。

第68代内閣総理大臣。

大平にとって総選挙は、
向こうからやってきた、
政界への入り口だった。

いま、大平正芳のような政治家は、
いるのか。

50年近くも投票を続けて、
いつも、そのことを思う。

その大平正芳が残した言葉。
「一言重、百金軽」
一言重し、百金軽し。

政治家だけではない。
経営者も実務家も、
もちろん知識商人も。

人間の発するひと言は重い。
いくら積まれても金は軽い。

〈結城義晴〉

2021年10月30日(土曜日)

「一回」にすべてを掛ける覚悟とサービスの「即時性=消滅性」

今月も亀ヶ谷純子さんから、
達筆の手紙が届いた。
㈱カメガヤ名誉会長。IMG_7925 (002)1

偶然だが、
「ほぼ日」の糸井重里さんが、
毎日書いている「今日のダーリン」
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「書」に対して思いを述べる。

――長い巻紙に、
それぞれの書家の筆を動かした跡が、
何百年も前のものでも、
ずっと残っている。
いいとか美しいとかについては
わからないなりに、
俗人のぼくみたいなものが、
つい感じたのは、
「これ、途中で失敗できないんだ…」
ということだった――

その通りだと思う。

――一文字ずつ、一行ずつ、
書いていって、
どこかで書き損じがあったら
どうなるのだろう。
そんなことを何百年後のぼくが
心配してもしょうがないが、
だれよりも、書いていた人が、
それをやり通したからこそ、
いまもその書が残っている
ということなのだ――。

――「この一回」に
すべてを懸ける覚悟がなければ、
きっとどこかに失敗の
入り込むスキができてしまうだろう――。

そこで現在の自分たちを思い出す。

――いまの時代を生きているぼくらは、
大量に生産されるもの、
いくらでも複製できるものに
すっかり慣れきっている。

失敗をすることは、
その「豊富さ」を前提に許されている。
紙ならいくらでもある、
失敗したらやり直せる――。

すべてが大量生産・大量流通・大量消費。

――一回しかない試合を見逃しても、
録画で見られる。
写真だって、デジタルならば、
何枚撮ってもかまわない。
地図や道順を憶えなくてもナビがある。

そういうすべてが、
そうなったらいいだろうな
という夢が実現した
結果であるとも言える――。

結果として。

――その夢に近づいたことで、
「一回」しかないということへの
畏怖や緊張や集中は、
薄れていったし失なわれてきた――。

――しかし、「一回」「ひとつ」が
なくなったわけでないのだ。
人間の可能性を減らさないためには、
「一回への挑戦」に
あえて取り組むことが、
求められていくような気がする――。

同感だ。

そこで私は「サービス」の定義を思い浮かべる。

フィリップ・コトラーは、
サービスの特徴を4つ挙げる。
(1)無形性
(2)非分離性
(3)変動性
(4)即時性⇒消滅性

この4番目の「即時性=消滅性」は、
生産と消費が同時に行われることを意味する。

店がサービスを提供する瞬間に、
顧客はそれを受け止めて、消費する。

一回にすべてを掛ける覚悟の、
「書」と同じだ。

糸井。
――「一回」や「ひとつ」は、
それだけで価値そのものなのだ――。

ありがとうございます。

この亀ヶ谷純子さんの手紙では、
月刊商人舎10月号の感想が書かれ、
決意が表明されている。

10月号の特別企画は、
’21秋のイオンリテールとイトーヨーカ堂
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ケーススタディは、
イオンスタイル横浜瀬谷と、
イトーヨーカドー八柱店。

イオンは、
私鉄駅直結のコンパクト型フード&ドラッグ。
イトーヨーカ堂は、
40年目の大改装で「iDrugCosme」を開業。

どちらもフード&ドラッグである。

イオンリテールの時系列決算。
1002-1
2001年2月期と、
10年後の2011年2月期。
そして直近の5年間。

同じくイトーヨーカ堂の時系列決算。
1004

どちらも、
小売業界の主役とは言い難い実績だ。
そこで今回、同時に取り組んだのが、
フード&ドラッグである。

特別企画の[あとがき」に私は書いた。
「いずれも”薬食同源”のコンセプトで、
それが現在のコロナ禍中において、
最強の小売業なのである」

「地震が来ようが、
台風に襲われようが、
コロナウイルスに席巻されようが、
不況が訪れようが、
この”薬食同源”のストアコンセプトは
揺るがない」

「だからイオンスタイル横浜瀬谷も
イトーヨーカドー八柱店も失敗の確率が低い」

フィットケアデポを展開する亀ヶ谷さん、
この「薬食同源」のマーケットに、
イオンとセブンが力を入れる現状を、
競争の激化だと読み取った。

私の結語。
「かつて栄華を誇った総合スーパー業態は
高度経済成長時代の小売業の象徴だった」

「対して、成熟時代から低成長時代に入った
現在の日本を象徴するのは、
フード&ドラッグの
コンビネーションストアである」

「そして、
既存のスーパーマーケット専業企業群が
決定的に後れを取っているのも、
フード&ドラッグである」

「20年前に”わき役”に回ったと評した
イオンリテールとイトーヨーカ堂は、
密かに”主役”への復活を狙っている」

さて、土曜日の今日も、
午後からオフィスに出て、
次の商人舎11月号の原稿書きと入稿。

考えてみると私たちの仕事は、
すべてが「即時性」と「消滅性」をもつ。

いま、ここで書いた原稿の表現は、
1分後に書いたら同じものとはならない。

だからこの一瞬に全力を込める。

「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」
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倉本長治も「書」の心を語っている。

〈結城義晴〉

2021年10月29日(金曜日)

関西スーパー臨時株主総会のH2O経営統合案可決

関西スーパーマーケット臨時株主総会。
エイチ・ツー・オー・リテイリング傘下の、
イズミヤ、および阪急オアシスとの、
経営統合案が可決された。

かつて北野祐次社長(当時)のもと、
日本のスーパーマーケットをリードしたのが、
関西スーパーマーケットだ。
北野祐次
それ以来の注目を集めたのが、
この経営統合だ。

親しい友人が、
この臨時の株主総会に出席していた。
だから逐一、報告を受けた。

日本経済新聞は、
電子版で30分おきくらいに、
速報した。

横浜商人舎オフィスで、
それらの情報をチェックしつつ、
原稿書きの仕事をした。

身が入らなかったけれど。

日経新聞はもとより、
朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、
そして産経新聞まで、
会場の伊丹市のホテルに、
多数の記者を張り付けて報道した。

午後、4時10分過ぎ、
関西スーパー取締役会の議案が、
僅差で承認された。

それまで、
怒号が飛び交うやり取りもあった。
まるで昭和時代の総会屋が、
乗り込んできたかのようだった。

結果は、私の考えた通りだった。

オーケーの主張する「反対」は通らなかった。

しかしまだまだオーケーは、
関西進出をあきらめてはいない。

関西スーパーの経営統合も、
これですんなり進むわけではない。

総会後、関係者とも電話で話したが、
まだまだ棘の道は続く。

関西スーパー自身は、
経営立て直しのプロセスにある。

イズミヤは弱体化していて、
総合スーパー店舗は残っているものの、
スーパーマーケット業態に収斂していく。

阪急オアシスも、
かつての革新力を薄めている。
日本の高質スーパーマーケットの未来は、
阪急オアシスの双肩にかかっているが、
しかしそれとてもたやすいことではない。

それでも3社を合わせると、
3700億円の年商規模となって、
関西にネットワークする㈱万代と、
㈱ライフコーポレーション近畿事業部と、
同等の売上げスケールとなる。

今回の件は、
ステークホルダーとは何かを、
明らかにした。

株主=取引先、
株主=従業員。
株主=顧客。

そこに阪急阪神グループの小売事業と、
関東のオーケーが絡んで、
日本中の世論の注目を浴びた。

図らずもオーケーの経営も明白になった。

会社は誰のものか。
私はそれを考え続けた。
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「顧客のもの」などと、
真理だけれど表面的な結論で、
片づけるわけにはいかない。

この「関西スーパーの一番長い日」は、
月刊商人舎11月号において、
分析を含めて記事を書く。

注目度は異なれど、
これからの日本の小売業界に、
次々にやってくる出来事である。

「コロナはM&Aを早める。」

そして、
「商人の本籍地と現住所」

本籍地だけで一生を終わる商人は、
極めて稀なこととなる。

株主の総意が決めたこと。

その結論を重く考えて、
関西スーパーも、
阪急オアシス、イズミヤも、
いち早く経営統合を終わらせて、
「自己革新」に向かってほしい。

不死身の魂と鋼の躯体を、
取り戻してほしい。

そう、北野祐次の創業の精神に戻ることだ。

『コロナは時間を早める』
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この第五章は、
「ブレイクスルーの『戦略計画』」

そのなかで私は書いている。

――「ブレイクスルー((breakthrough)」とは、
「break (破壊する)」と「through (通り抜けて)」
による造語である。

大きな障害を新たな方法で突破することだ。
その意味でイノベーションとはまた異なる。

「ブレイクスルー」の考え方が求められるのは、
未来が過去の延長線上にない時である。

こんな時には、
過去と現在をベースにした
考え方や方法が使えない。
過去の研究や分析は
役に立たないとは言わないが、
それだけでは不十分なのだ。

ではどうするか。

何よりも、
「原点や根本に帰る」ことである。
意外なことのように見えるが、
最もよりどころとするものに
頼るのである――。

それが関西スーパーにとっては、
北野祐次イムズである。

阪急オアシスにとっては、
阪急の創業者・小林一三の考え方であり、
千野和利のリーダーシップである。

イズミヤにとっては、
和田源三郎の精神であり、
和田満治の経営である。

それぞれ、原点にもどって、
そこからまた再出発し、
今度は融合に向かう。

商人の本籍地と現住所の考え方である。

「現住所」は三者が統合して、
新たに創り出すものだ。

〈関西スーパーも阪急オアシスもイズミヤも、
みんなこの本を読んでほしいな……〉

最後にウィンストン・チャーチルの言葉。
チャーチル⑵
Never, never, never, never give up.
決して、
決して、決して、

決してあきらめるな。

〈結城義晴〉

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コロナは時間を早める

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