結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年06月18日(金曜日)

ロピア・万代・ライフ・関ス・コノミヤの「それぞれの歌」を聴いた。

アートホテルの自室で目覚めると、
安治川から大阪湾が見える。
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そのベイタワー大阪の、
ロピア。
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㈱関西ロピア4号店。
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9時開店だが、その前に店に入ったら、
青果部門は完璧にできあがっていた。IMG_39591

ボリューム陳列があっという間に完成する。IMG_39571

青果事業部部長の持田将さんと中林さん。IMG_39551

三元豚ロース切り身は、
この陳列量。
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惣菜部門は昼に向けて、
つくり立てアイテムを満載にしていく。IMG_39661

冷凍食品の陳列線は長い。
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良く売り、より良く補充する。
グロサリーも陳列に乱れはない。IMG_39691

チェックスタンドの上部に、
ロピアのショッピングバッグが陳列されている。IMG_39751

これはおなじみの保冷バッグ。
トレーダー・ジョーのものに似ているが、
あれよりもサイズが大きい。
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小型の保冷バッグも用意してある。
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それからピザ用の保温バッグ。
大型ピザが5枚入る。
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そしてマイバスケット。
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ショッピングバッグも、
これだけ品揃えすると、
陳列が様(さま)になる。
これもトレーダー・ジョーと同じだ。

店頭ではオープン77日祭のお知らせと、
インスタグラムの告知。
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店長をはじめ店のスタッフが、
次々に楽しそうに、
インスタグラムに動画や写真をアップする。
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アクセス数が跳ね上がっている。
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その柴田昇さん。
㈱ロピア執行役員。
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土日曜日はいまや、
ロピア全店随一の売上げを誇る。

大阪環状線の弁天町駅に隣接する。
だから商圏は環状線沿線全域。
私はそれがこの店の特長で、
売上げは必ず伸びると予言していた。

昨日は万代渋川店。
知識商人大学のランチタイムに、
必ず視察する。
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いつも旬の商品が、
「今日はこれです」と主張する。
自慢の青果部門。
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水産部門は大きめのサクや大型パックが増えてきた。IMG_39201

ランチタイムの惣菜部門。IMG_39261

どれにしようかと悩むほどに充実。IMG_39271

よりどり2パック580円。
美味くて、量があって、安い。
それが万代の惣菜の特長。
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今日は弁天町から高石へ。
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南海本線高石駅。
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大阪府高石市は堺市の南にある。
南は和泉市と泉大津市に隣接。
典型的なベッドタウンだ。

駅前に アプラたかいし。
市民文化会館と図書館、
そしてショッピングモール。
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その1階にコノミヤ 高石店。
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青果が安い。鮮魚も精肉も安い。
グロサリーはナショナルブランドを、
これも安く売る。
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完全に土着したスーパーマーケット。

駅の反対側の商店街のはずれに、
ライフ高石店。
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1972年3月24日に開業し、
昨2020年1月29日に建て替え改装オープン。

ライフの得意のパターンで、
2層の中型総合スーパーだ。

1階食品フロアはライフの標準型。
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これが現在、日本の標準を示す店だ。

そしてライフとコノミヤに、
直角に挟まれるように、
関西スーパー高石駅前店。
6月14日リニューアルオープンしたばかり。IMG_39901

商人舎流通スーパーニュース。
関西スーパーnews|
高石駅前店(大阪府高石市・604坪)刷新IMG_40091

2014年オープンの1フロア604坪。
屋上と前面に駐車場117台。
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入口にデジタルサイネージ。
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店舗右サイドの青果部門のコンコースは、
広くて快適な店づくりとなった。
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店舗左翼の惣菜売場も、
大胆に刷新した。
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しかし今回のリニューアルは、
1週間で仕上げた。

関西スーパーは2025年までに、
全店を改装する計画を持つ。

今、最も重要で効果の上がる政策だ。

この高石駅前店はそのモデル。

売場を見ていると、
服部正隆店長がやってきた。
アポイントなしで訪問して恐縮。

いろいろと話を聞いて、
私なりに注文を出して、
そのあとで写真。
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ライフ、コノミヤとのガチンコ競合。
しかし良い店です。

月刊商人舎6月号の特集タイトルは、
「競争は商人を鍛える」
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[Message of June]
自分の歌を歌え。

自分の歌を歌え。
自分の絵を描け。
自分の夢を追え。

自分の足で歩け。
自分の手でつくれ。
自分の頭で考えよ。

関西スーパーも、
ライフもコノミヤも、
万代もロピアも。

自分の歌を高らかに歌う。
卑屈になってはいけない。
正々堂々、自分らしさを追い求める。

それがポジショニング戦略である。

〈結城義晴〉

2021年06月17日(木曜日)

「緊急事態宣言解除」と万代知識商人大学6期のSCM講義

新型コロナウイルスの緊急事態宣言。
9都道府県が期限通り20日で解除。
沖縄だけが継続される。

第69回新型コロナ感染症対策本部で決まった。20210617corona_2

東京・大阪など7都道府県は、
「まん延防止等重点措置」に移行。
神奈川・埼玉・千葉の3県と合わせて、
10都道府県に重点措置が取られる。

新たな期限は7月11日まで。

重点措置地域では飲食店の営業時間が、
午後8時までとするよう要請される。

酒類提供は午後7時まで認められる。

ただし東京の新規感染者は432人で、
やや増加傾向にある。

専門家たちが指摘する、
1日100人を切ってはいないが、
予定通り(?)緊急事態宣言の解除を決定した。

リスクマネジメントの基本は、
「最悪を覚悟して、
最善を尽くす」

残念ながらそれは貫徹されていない。
科学的態度も徹底されてはいない。

こうなったら仕方がないじゃないか。

それもわからないではないが、
希望的観測で動くことは危険だ。

野球やサッカーやゴルフでも、
囲碁や将棋やマージャンでも、
そして経営や商売や仕事でも、
よくあることだ。

悪循環のトレンド。

そこから脱するには、
やれることを徹底しながら、
辛抱するしかない。

さて万代知識商人大学第6期。

いつもの万代本社に隣接する会議棟。
ここが私たちの校舎だ。
??????????

その大会議室を使って、
ソーシャルディスタンシングで講義。
今年の受講生は32人。
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6月の4回目の講義テーマは、
サプライチェーンマネジメント(SCM)と、
オペレーションマネジメント。
??????????

司会進行は津田睦さん。
人事部マネジャー。
??????????

まず結城義晴が、
今日一日で何を学ぶのか。
事前に丁寧にガイダンス。??????????

いつものマネジメント体系図。

そのなかでオペレーションマネジメントは、
どう位置づけられるのか。
サプライチェーンマネジメントと、
オペレーションマネジメントとの関係は、
どのようになっているのか。??????????

渋川PC(プロセスセスセンター)に移動。IMG_38731

渋川PCは精肉のセンター。
東大阪、南大阪、奈良の店舗をカバーする。IMG_38611

畜産部シニアマネジャーの吉田秀史さん。
PCの概要と目的を説明。
吉田さんは知識商人大学3期生。IMG_38641

渋川PCセンター長の田村将吾さん。
田村さんは知識商人大学第2期生。
教え子たちが活躍している。
うれしい限り。
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2班に分かれてセンター内の視察。
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受付に掲げられる告知も、
万代のPOPと同じ仕様。IMG_38821

まず畜産プロセスセンター。
不織布のツナギに着替える。
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そして加工場の視察。IMG_38851
この先は紹介できない。
悪しからず。

しかし万代の畜産を支えるPCだけに、
最新の設備が導入され、
その物量も圧倒的に多い。

まだまだキャパシティはある。

1階にもどって今度は、
保管庫と出荷についてのレクチャー。IMG_38891

出荷ブースは長い。
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吉田さんはメガホンをもって、
丁寧に説明してくれる。

この仕分けブースも冷蔵庫のなかと同じだから、
どんどん体が冷えてくる。IMG_38921

ハンディターミナルで、
検品のデモンストレーション。IMG_38931

私が指名されて、
デモンストレーターとなる。IMG_77821

スキャンすると、
間違いが出てくる。IMG_77831

1時間半のセンター視察を終えて、
最後のまとめ講義。
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センターの前で、
田村さんと吉田さんと写真。IMG_39171

二人とも責任のある仕事を担っていて、
いい顔をしている。IMG_E39191

再び会議棟に戻って、講義。
講師は松岡俊行生鮮商品部担当取締役
万代知識商人大学2期の級長。
子会社
アルヘイムフードサービス㈱社長を兼務。
同社は万代が買収したベーカリー会社。
??????????

詳細なパワーポイントの資料をもとに、
センターの開設・運営の意義と、
サプライチェーンの重要性を話してくれた。??????????

ランチタイムを挟んで、
午後は外部講師。
高野保男さんが2時間ほど講義。??????????

レイバースケジューリングの概要を、
万代仕様で解説してくれた。IMG_39311

加藤徹さんと三人で写真。
加藤さんはこの大学の理事長にして、
万代リテールホールディングス社長。IMG_E39361

そのあとは内部講師。
竹中天志上野芝店店長。
この大学の第1期生。??????????
旗艦店舗の店長に育った。
その店舗オペレーション改善に関して、
丁寧な報告をしてくれた。

私の講義なども自分なりに咀嚼して、
そのうえ自分の改革事例を具体的にレポート。
竹中さんの講義はとてもよかった。IMG_E39371

最後に結城義晴の講義。
高野先生の作業システム論を、
結城義晴流に補足して、
サプライチェーンマネジメントの定義。
私、いま「定義集」にこだわっている。??????????

それからテイラリズムと、
フォーディズム。

アンドルー・シューハートと、
エドワーズ・デミング。

さらに大野耐一さんのトヨタ生産方式。
大野さんは米国のスーパーマーケットから、
ジャストインタイムを学び取って、
トヨタの生産システムを生み出した。
その極意のひとつが「自働化」である。
「自動化」ではない。??????????
最後に4つの総括。
キーワードは全体最適と、
「後工程はお客様」。

最後の最後は、
万代社長の阿部秀行さん。IMG_39421

私のやや難しい講義内容を、
万代の実情に即して、
わかりやすく丁寧に語る。IMG_39401

阿部さんと二人三脚で、
万代知識商人大学を推進する。
そんな感じになってきた。IMG_E39481
それにしてもこの企業内大学修了生が、
どんどん会社の要職を占めるようになった。

そのうえ万代の業績も好調だ。
それが何よりうれしい。

その万代にとっても今は、
最悪を覚悟して、最善を尽くす。
これしかない。

〈結城義晴〉

2021年06月16日(水曜日)

「軽くなった日本」とセブン&アイの「DX推進&ソリューション」

6月7日、林周二先生、ご逝去。
95歳の大往生。

ずいぶん前のことになるが、
箱根や奈良の旅をご一緒した。

優しい先生だった。

一方、昨2020年1月23日には、
クレイトン・クリステンセン教授が永眠。
イノベーション論の権威。
こちらは早すぎる。
67歳だった。

時代は変わりつつある。
確かに変わりつつある。
それを実感する。

今日は新横浜から新幹線のぞみ。
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三島を過ぎると、
この辺りに富士山があるはず。IMG_38371

もちろん梅雨入りして、
見えないことは想定内。

すぐに富士川を渡る。IMG_38421

白い鉄橋。IMG_38471

関ヶ原のあたりを過ぎるころ、
雲が山肌を覆い、水田は美しい。IMG_38541

昨日は通常国会の最終日前日。
菅義偉内閣への不信任決議案が提出された。
しかし衆院本会議で、
あっさりと反対多数の否決。

現状は与党の絶対多数であるから、
不信任されるはずもない。
内閣不信任案
二階俊博自民党幹事長など、
「不信任案を出したら解散する」と、
脅しをかけたが、
コロナ禍と東京五輪を控えて、
それもあり得ない。

与野党ともに、
政治への不信感を増幅させただけだった。

「英雄待望論」ではないが、
この日本を無私と利他の精神で、
強力に導く政治家が出てこないものか。

与党からでも野党からでも、
それ以外からでもいい。

もう、高齢者に属する身としては、
他力本願で祈るしかない。

日経新聞電子版経営者ブログ。
㈱IIJ会長の鈴木幸一さん。
毎週火曜日の朝、
私は必ず、読む。
鈴木幸一
「日本の世論というかメディアというか、
そもそもは政治なのかもしれないけれど、
なんだかすべてが軽くなって、
国民をあげて揚げ足取りの国に
なったのではないか」

同感だ。

鈴木さんは、
香港育ちの華僑の友人と話す。
いまや世界で活躍する富豪。
日本語も堪能。

「中国の存在が重くなるばかりだから、
余計に日本が軽くなっていることが
気になるのかな」
鈴木さんは軽口で言った。

華僑の富豪。
「日本の世論とか
過去に捉われているくせに、
すべてが軽くなり過ぎている」

「中国の経済的な繁栄も
わかりやすい例だけど、
国際社会で経済的な繁栄を勝ち取るには
その代償として、国内ではある意味で
経済問題以上に深刻で重い対価を
払ってきているわけね」

「日本だって
子供っぽい反応だと思っていたけど、
戦後から60年代、70年代と、
深刻だったよね」

1960年代は、
池田勇人と佐藤栄作両首相、
そして70年代は三角大福の時代。

最後に大平正芳が任期中に死んだ。
大平正芳
「ところが長いこと、
豊かさを享受しているうちに、
すべてが軽くなってしまったのかな」

その意味で与党も野党も、軽い。

池田・佐藤、三角大福は、
今よりずっと重々しかった。

重々しいとは、
落ち着いていて威厳が感じられること。
つまりは政争はしながらも、
国民を納得させていた。

深刻な重い対価を払わねば、
納得させることはできない。

これは産業も企業も同じだと思う。

さて商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
6/21付けで「グループDX戦略本部」を改組

「グループDX戦略本部」を改組して、
2つの本部を設置する。
「DX推進本部」と、
「DXソリューション本部」

グループDX推進本部には、
5つの部が設けられる。
⑴グループDX企画部
⑵グループDX統括部
⑶セキュリティ基盤部
⑷デジタルマーケティング部
⑸事業DX推進部

グループDXソリューション本部は4部制。
⑴IT戦略部
⑵ITインフラ部
⑶DXソリューション部
⑷グループデジタルシステム部

中身は今のところ、よくわからない。
しかしDXに本腰を入れ始めたことは確かだ。
これまでは戦略の絵図を描いていた。
これから推進とソリューションを始める。

そして9つの部に役割を分担した。

ただし、「深刻で重い対価」を覚悟しなければ、
表面を捉えただけのDXとなってしまう。

そのあたり百も承知だろうが、
高齢者に属する身として、
老婆心ながら一言。

時代は確かに変わろうとしている。
軽い方向に変わろうとしているかもしれない。

しかしそれは避けねばならない。

深刻な明日が待っていると考えて、
それを正面から受け止める態度が必要だ。
それが軽くなることから逃れる道だ。

〈結城義晴〉

2021年06月15日(火曜日)

[評伝]「流通革命」の林周二、逝く。「自ら軛を絶て」

林周二先生が逝去された。
1962年発刊の『流通革命』の著者。
東京大学名誉教授。
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6月7日、老衰のため永眠された。
大正15年(1926年)生まれの95歳だった。

清水信次ライフコーポレーション名誉会長と同じ。
ということは故渥美俊一先生と同年。

私の早稲田の恩師・故壽里茂先生とも、
私の父とも同じで、寅年。

岡田卓也イオン名誉会長相談役は一つ上、
故西川俊男ユニー創業者も一つ上。
伊藤雅俊イトーヨーカ堂創業者は二つ上。

故中内功ダイエー創業者は大正11年で、
四つ年上だった。

しかしそれらの流通革命者たちすべてに、
林周二は決定的な影響を与えた。

東京大学教養学部助教授時代、
弱冠36歳の気鋭の研究者のころ。
1962年9月11日からたった34日間で、
林はこの歴史に残る本を書き上げた。

月刊商人舎2015年12月号。
特集は、
「流通革命論」の軛を絶つ
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この号は保存版だ。
手元にある人は取りだしてほしい。
IDとパスワードを持つ人は、
クリックして読み直してほしい。

トップ論文は、
[結城義晴の「日本流通革命」評論記]
しかし革命の季節は去った?!

その[Prologue]「革命家の条件」より。

――流通革命運動の渦の中心にいたのが、
コンサルタントの故渥美俊一だった。
渥美も林、清水と同年の大正15年生まれ。

中内と渥美が扇の要のようになって、
若き商業者たちが、
「革命」の担い手となっていった。

林が理論的支柱で、中内や渥美が実戦部隊。
そこに意欲あふれる革命者たちが参集した。
中内は兵庫県の神戸から、
岡田は三重県四日市から、
西川は愛知県名古屋から、
伊藤は東京都北千住から、
清水は大阪府豊中から。

しかし林は、カール・マルクスと
フリードリヒ・エンゲルスのような関係を、
中内や渥美と結んだわけではなかった。

ポンと、預言書のごとき理論書を世に問い、
翌々年、その続編の『流通革命新論』を上梓して、
その後はさっさと研究の世界に
戻っていってしまった。

渥美は林著『流通革命』発刊の1962年に、
自らチェーンストア研究団体
「ペガサスクラブ」を立ち上げ、
中内・伊藤・岡田をはじめとする
全国の革命志望者たちを、
次々にオルグし、続々と組織化していった。
渥美も36歳だった。

この際、
倉本長治が全国組織していた商業界は
その受け皿となった。

レーニンは次のような言葉を残している。
「思想は大衆の心をつかんだ時、力となる」

林の基礎理論と渥美の実用化理論、
それらを大きくバックアップする倉本の思想。
それらが商業者大衆の心をつかんだ。

レーニンはさらに続ける。
「抽象的な真理など無い、
真理は常に具体的である」

林が抽象的に真理を追究したのに対して、
渥美は具体的にそれを求めようとした。
林が学者であったのに対して、
渥美は読売新聞記者だった。
そのジャーナリストであることが
渥美の「強み」だった。

大正14年生まれの警察官僚・柿嶋美隆は、
20世紀の革命家の五条件を指摘している。

第一に、理論家であること。
革命の理論と戦略の構築者でなければならない。
第二に、組織者であること。
同志を結集できるオルガナイザーであること。
第三に、扇動者であること。
「アジテーター」の要件を持つこと。
第四に、マキャベリズムの達人であること。
権謀術数を駆使できること。
そして第五に、カリスマ性があること。

渥美は、おもしろいくらい
この五つの条件を満たしている。
同じく中内功も革命家の五つの条件を、
実務家として、恐ろしいくらいに備えている。
そのうえ、戦中のフィリピン戦線で
死線をさまよった体験は、
中内に孤高の革命家の魂を備えさせていた。

毛沢東も革命家の条件を挙げている。
すなわち「若くて、無名で、貧しいこと」。
当時の中内や渥美は、この三つの条件も、
見事なくらいに備えていた――。

この流通革命の理論的支柱が林周二だった。

ただし結城義晴は、
その「軛を絶て」と言い切る。

[Message of December]
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自ら軛を断て。

あなたは縛られていないか。
会社に、上司に、組織に。
あるいは観念に、慣習に、古い理論に。

牛が曳かれてゆく。
首の上に木製の棒がつけられている。
(くびき)である。

牛は何も言わない。
ただひたすら下を向いて、
のろのろと歩いてゆく。

強制されているからか。
それが自分の役目だとでも
観念しているからか。
それとも何も考えていないからか。

商人はもともと自由である。
一人の顧客と対面するとき、
一人の商人は奔放である。

ところがその自由な商人のなかに、
いつのころからか軛につながれる者が出てきた。
社畜と堕す者が生まれた。

ひたすら命令に従う者、
顧客や市場よりも体制に迎合する者、
権力や理論に従属する者。

強制されているからか。
それが自分の役目だとでも
観念しているからか。
それとも何も考えていないからか。

2015年が終わろうとする今、
そんな軛を、自ら断ちたい。
正々堂々、顧客や市場と向き合いたい。

組織人でありつつ、
独立自営商人の気概をもちたい。
自分で考えぬく脱グライダー商人でありたい。

あなたは今も縛られていないか。
会社に、上司に、組織に。
あるいは観念に、慣習に、古い理論に。
〈結城義晴〉
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最後に告白。

拙著『コロナは時間を早める』
執筆中、もっとも意識した本が、
林周二著『流通革命』である。

最終段階で三つの章を割愛した。
その一つが、
「附章 コロナは『流通革命』の軛を断つ」
1万6994字の原稿も、
ゲラも出来上がっていた。
手元にそれが残っている。

この章は削除すべきではなかったかもしれない。

しかしその三刷が刷り上がってきた。
2021年6月17日発行。
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とてもその域に達することはできないが、
この本こそ、結城義晴の、
「ポスト流通革命論」である。

林周二先生のご冥福、
心から祈りつつ、
この三刷を捧げたい。

それにしてもしみじみと思う。
「革命の季節は去った」のだと。

合掌。

〈結城義晴〉

2021年06月14日(月曜日)

「マスクはパンツ並みに必須」と「目は口ほどにものを言い」

Everybody! Good Monday!
[2021vol㉔]
2021年第24週。
6月第3週。

やっと関東甲信地方に梅雨が来た。
平年よりも1週間遅い。

北陸や南東北は今週末に、
梅雨入りするらしい。

木本昌秀東京大学大気海洋研究所教授。
日本の気象界の最高権威。
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木本先生は警鐘を鳴らす。
「異常気象を超えた極端気象」
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今年の梅雨前線にも、
極端気象が影響を与えた。

一方、新型コロナの緊急事態宣言。
東京、大阪など10都道府県に出されている。
期限は今週日曜日の6月20日。

さて政府はどうするのか。

菅義偉首相がG7サミットから帰国した。
それとともに解除の検討を本格化させて、
木曜日の17日に解除を正式決定する。

新規感染者数は全国的に減ってきた。
緊急事態は解除されるだろうが、
そのあと、国民行動の制御はできるのか。
外食産業・観光業をはじめとする、
産業の再生はできるのか。

ほぼ日の糸井重里さん。
巻頭エッセイ「今日のダーリン」
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糸井さんも去年までは日常的に、
アレルギー対策のクスリを飲んでいた。

「今年はそれをやめたのだけれど、
あんがい安定している。
いつもマスクをしている生活の
おかげじゃないかな」

マスクの効用を説く。

「ひどい花粉症の知人たちも、
今年に関しては
あんまり花粉についての文句を
言ってなかった気がする」

「これもおそらく、
マスクをしていたせいなのではないか」

「女性のみなさんは、
化粧がらくになったと言っているね」

「もしかしたら、
人類の歴史のなかで、いまが最も
“目は口ほどにものを言い”
言える時代だと思う」

うまい! 同感。

「とにかくまだしばらくは、
マスクはパンツ並みに必須だ」

これにも賛成。

『コロナは時間を早める』
今日、三刷が出来上がった。
コロナ本
愛でたい。

この本の第五章は、
「コロナ禍のキャズム」
二番目の見出しで、
「イオンのマスク禁止論争」を書いた。

このブログでもちょっと取り上げたが、
一昨年から昨年初めにイオンで起こった事件。

「接客時におけるマスク着用の原則的禁止」
それがCOVID-19パンデミックによって、
完全にひっくり返った。

私は書いている。
「不思議なことは、現実に起こるものだ」

私も本来のあるべきかたちは、
接客のときには、
「マスク着用の原則的禁止」に賛同する。

しかし今や、
「マスクはパンツ並みに必須だ」。

さらに、
「目は口ほどにものを言い」は、
接客のときにこそ、
発揮されなければならない。

そういえば「ドクターX」の米倉涼子。
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手術のときにはマスクは必須である。

しかし、だから米倉の、
「目力(めぢから)」の演技がすごかった。

大辞泉では「目力」の意味は、
「目の表情や視線が他人に与える印象」。

追加の説明がある。
「特に、その人の意志や内面の強さなどが
現れているように感じさせる目の表情。
視線自体から感じる圧力・圧迫感」

ただし接客の「目力」には、
圧迫感はいらない。

優しい目、温かい目、穏やかな目。
そんな目がいいと思う。

マスクがパンツ並みに必須となると、
「目は口ほどにものを言い」も、
商売にとってますます重要になる。

そしてその人の考え方や感情を、
目から読み取ることも。

「風が吹けば桶屋が儲かる」式に言えば、
マスク必須でサングラスは売上げ不振かな?

「メガネの愛眼」の決算短信では、
サングラスは不振だそうだが。

さて今週の私のスケジュール。
水曜日・木曜日と大阪出張。
万代知識商人大学第6期は、
ソーシャルディスタンシングで、
快調に講義が進んでいる。

では、皆さん、今週も、
目は口ほどにものを言う。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2021年06月13日(日曜日)

G7の東京五輪後押しと「ノブレス・オブリージュ」

G7が開催されている。
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G7は「Group of Seven」。
先進国首脳会議。
あるいは主要国首脳会議。
そのトップが集まることから、
サミットSummitと呼ばれる。
「頂上」の意味。

フランス、アメリカ、イギリス、
ドイツ、日本、イタリア、
そしてカナダ。

国際連合安全保障常任理事国とは違う。

常任理事国は第二次世界大戦後に、
その戦勝国で構成されたが、
G7は終戦から30年を経過した段階で、
世界のサミットに立つ国で構成された。

結果として、第二次大戦の敗戦国が、
三国ともメンバーに入った。

1回目は1975年11月、
フランスのランブイエで開かれた。
このときはG6。
カナダが未参加だった。

近代オリンピックもそうだが、
フランスはこういった時に、
何かと面倒を見たり、
主導権を採ったりする。

面白い国だ。

第2回は翌1976年6月で、
アメリカ・サンフアン。
カナダが参加してG7となった。

アメリカは最初からG7を先導する。
世界のリーダー国である。

第3回(1977年5月)はイギリス・ロンドン、
第4回(1978年7月)は西ドイツのボン、
そして第5回(1979年6月)が日本の東京。

G7を表現するときには、
開催順に国名が並べられる。

第6回(1980年6月)は、
イタリア・ヴェネツィア開催。

第7回がカナダ・オタワで、
その後は、順に開催国が回ってきた。

その間、ロシアが1回開催国となって、
G8の期間もあった。

日本は5度の開催国となっている。

今、開かれている第46回の場は、
イギリスのコーンウォール。

主役はこの人。
ボリス・ジョンソン英国首相。
The Prime Minister Boris Johnson Portrait

オーストラリアとインド、韓国が、
ゲスト国として招かれている。

ゲスト国はみなアジア・オセアニアの国。
中国問題が最大の課題だから、
これらの国が招致された。

テーマは、
COVID-19パンデミック問題、
中国の「一帯一路」対策、
そして東京オリンピック。

地球環境問題や温暖化問題、
民族問題や難民問題、
食糧危機問題など、
テーマは山積しているはずだ。

しかし東京五輪に関しては本来、
最初から決定しているはずだが、
G7各国首脳が賛同してくれたから、
これで最終的に確定したという感じだ。

それはそれでよかったのだろうが、
主催国としてもうちょっと、
自らの強い意志で開催を表明したかった。

自分の国のなかの反対意見を、
G7の外圧を利用して抑えた。

自分では決められず、
周りに後押しして決めてもらった。

そんな印象が私には残った。

もっと凛とした態度が欲しい。

G7では自分の国のことよりも、
世界のために何ができるかを、
熟考し、議論して、表明したい。

私はそう思う。

だから先進国首脳会議であり、
サミットなのだ。

こういった国際的な会議体はもとより、
国内の産業のなかの会議体、
さらに会社の中の会議体などでは、
自分の国や自分の会社、自分の部署を、
全体会議によって助けてもらうのは、
できるだけ避けたい。

私はずっとそう考え、
そう実行してきた。

自分のことは自分で解決する。
ここでこそ自助、共助、公助である。

サミットの国々には、
その心意気がなければいけない。

欧米各国首脳には、
ノブレス・オブリージュの精神がある。
フランス語の「noblesse oblige」。
直訳すれば「高貴さは強制する」

何を強制するか、
義務である。

つまり持てる者には義務が生じる。

古代ローマ時代には、
ユリウス・カエサルもアウグストゥスも、
このノブレス・オブリージュを実践した。
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街道をつくり、公共物をつくった。

イギリスでもフランスでも、
ボランティアはこの考え方に則っている。

現在はビル・ゲイツもジェフ・ベゾスも
この考え方を持つ。
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金儲けをしたら月に行くだとか、
イイネしてくれたら1億円をばら撒くだとか。
そんなことは断じてしない。

国とても、持てる者には義務が生まれる。

だからサミットであり、G7なのである。
だから凛としていなければならない。

一帯一路には、
ノブレス・オブリージュで立ち向かう。

もう忘れかけていたが、
この人にはそれがなかった。
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G7の映像を眺めながら、
持てる国の在り方を思った。

そしてノブレス・オブリージュは、
リーダーに求められる最低の教養である。

〈結城義晴〉

2021年06月12日(土曜日)

「DXはIT化とは異なる」とウォルマートの失敗

関東甲信地方はまだ、
梅雨入りしていない。

東海地方は1カ月ほど前の5月16日に、
梅雨入り宣言されたのに。
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「平年」ならば梅雨入りは、
東海が 6月6日ごろで、
関東甲信は6月7日ごろ。

東海が平年より早すぎるし、
関東甲信は遅い。

気象に関してはフォッサマグナを境に、
西日本と東日本が分断されたようだ。

「分断」はどんなことでも、
ご勘弁願いたいものだ。

「DX」という言葉、
新聞でも盛んに取り上げられる。 ???????????????????????????????????????????????????????????????????
Digital Transformation。
デジタルトランスフォーメーション。

昨日の日経新聞コラム「大機小機」
「DX、結果と目的を間違うな」
コラムニストは小五郎さん。

「コロナ禍によりITの導入が進んでいる」

『コロナは時間を早める』
その時間が早まる一番手は、
デジタル領域だ。

「DX化は”情報システム部”の延長ではない」

ごく当たり前と言えば当たり前。
月刊商人舎3月号でも特集した。
Retail「DX」商人舎3月号DX
コラム。
「現場業務の効率化は、
結果であって目的ではない」
これがこのコラムの言いたいことだ。

「例えば、埋もれているデータを一元管理し、
全社で顧客データを活用できるようになっても、
そこに顧客視点がなければ、
真の付加価値は生まれない」

「サービスを実現する手段として
ITやデータをどのように生かすか」

「まず顧客や社会が求めるサービスが
何かを考えるのが先だ」

マーケティングである。

「その上で、
付加価値の提供に必要なデータ、
データ収集の方法などと検討する」

「DX化の推進には
組織横断的な取り組みが求められるが、
現場の抵抗や縦割りの組織文化が
ネックになることがある」

私は4つの壁を上げた。
⑴データそのものの壁
⑵経営資源の壁
⑶組織の壁
⑷マインドの壁
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コラムニストが指摘するのは、
⑶の組織の壁だ。

「社会の価値観が変わり、
営業部門からマーケティング部門へと
業務の主軸が変わるとすれば、
ビジネスモデルそのものを変える必要がある」

「DXが組織や業態の変革を伴うなら、
イニシアチブがとれる上級役員や
顧客に近い役員が旗振り役を担う必要がある」

これがCDOだ。
チーフ・デジタル・オフィサー。

「情報システムの専門家に
業務を理解させることではなく、
経営陣や執行部が
ITを学ぶことが重要になる」

Retail「DX」特集で、
㈱カスミの山本慎一郎社長と、
同感したポイントだ。
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「同時に、
ベンダーとの付き合い方も大事だ。
丸投げでは失敗を招く」

これも山本さんと語り合った。
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コラム。
「今後の業務のあり方を明確に示し、
インプットとアウトプットの情報を特定し、
具体的な仕様に落とし込む」

「事業のあり方や顧客への付加価値を
明確に示したうえで、覚悟を持って
能動的に発注できるかが問われる」

再び。
「DXはIT化とは異なる」

「事業そのものを変革させる契機であり、
アプローチも視点も
主体となるプレーヤーも変わる」

「従来の情報システム部が問題なのではない」

「経営者がDXに対する発想を
転換できるかが成否を左右する」

経営者に限らない。
組織の要所を支えるリーダーたちが、
会社を変革する契機ととらえる。

日経新聞の6月4日の記事。
「ウォルマート、DXで早変わり」
ニューヨーク支局からの報告。
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ウォルマートは、
約1500店に導入した戦略設備を
あっさり放棄する。

ネットと店舗を融合するDXの柱として
鳴り物入りで導入していたのが、
「ピックアップタワー
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このタワーは最大300箱の注文品を保管できる。
利用客は事前にネットで注文を済ませておく。
店を訪れ、タワーの読み取り機に
スマホに表示させたバーコードをかざすと、
注文しておいた商品が5~10秒で出てくる。

ネット通販は自宅で注文ができるが、
届くまでに時間がかかる。
リアルの店舗はすぐに商品を入手できるが、
売場をあちこち歩き回らなければいけない。

双方の利点を融合するモデルとして
支持を集めていた。

ウォルマートは17年から導入を始め、
約1500店に導入した。

私は導入直後の2018年にこのタワーを見た。
添乗員に注文しておいてもらって、
その購買を追体験した。

しかしあまり感心出来るものではなかった。

姿かたちは派手で目立つ。
人手もかからない。

しかし生鮮食品などは扱えない。
購買を完結できない。
そのくせ顧客は、
店舗にやってこなければならない。

記事も指摘する。
「タワーは温度管理が必要な生鮮品は
保管できない。
別の場所で受け取る必要があり、
消費者からは”二度手間になる”との
声があがっていた」

つまり顧客のショッピングが、
分断されてしまう仕組みだ。

DXによって、
こうした片手落ちの政策がなされても、
顧客は喜ばない。

ウォルマートはタワーのかわりに、
「マイクロ・フルフィルメントセンター」を拡大する。
「MFC」と略して使われる。

「ロボットを駆使し、
おもちゃや家電、医薬品から食料品まで
商品をかき集める店舗併設型の
自動配送システム」

「ピックアップからパッキングまでに
要する時間は5分。
青果や精肉など生鮮品については
スタッフが別途売場から集め、
一つにまとめる」

「消費者は自宅や職場でネット注文し、
車で店舗の駐車場に立ち寄る。
すると、スタッフがとりまとめた商品を
車のトランクに入れてくれる」

こちらは購買が完結する。

MFCはすでに、
ニューハンプシャー州セイラムで導入済み。
今後2~3年のうちに
100以上の店舗で稼働させる。

アルバートソンも、
MFCに力を入れる。

「ウォルマートはDXを中心に、
22年1月期に約1兆5000億円を投じる」

ウォルマートも間違うことがある。
私にはそれが面白かった。
しかしすぐに失敗を認めて、
方向転換ができる。

ショートタイムショッピングよりも、
ワンストップショッピングが優先される。
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何ごとも分断されてはならない。

〈結城義晴〉

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