結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年05月03日(金曜日)

第72回憲法記念日の続「プラグマティズム」考

72回目の憲法記念日。
快晴。

1947年、昭和22年に、
日本国憲法が施行された日。

令和元年と変わった5月1日、
「即位後朝見の儀」が執り行われた。
天皇即位55

新天皇の国民に向けた最初の「お言葉」。

「日本国憲法および
皇室典範特例法の定めるところにより、
ここに皇位を継承しました」

今日の憲法記念日にも、
改憲論議が盛んだ。

しかし「最初のお言葉」で、
その冒頭に使われた「日本国憲法」は、
もちろん改憲されたものではない。

現在の日本国憲法は、
有名な「前文」のあとに、
11の章と103の条で構成されている。
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その第一章こそが「天皇」である。

章立ては以下のようになっている。
第一章 天皇
第二章 戦争の放棄
第三章 国民の権利及び義務
第四章 国会
第五章 内閣
第六章 司法
第七章 財政
第八章 地方自治
第九章 改正
第十章 最高法規
第十一章 補足

第一章の第一条は、
「天皇の地位・国民主権」。

条文は、
「天皇は、日本国の象徴であり
日本国民統合の象徴であつて、
この地位は、主権の存する
日本国民の総意に基く」

我々の憲法は「国民主権」を謳っているが、
その前に天皇の位置づけがなされる。

それが日本国憲法だ。

例えばこんな文章はどうか。
――日本国の主権は国民に存する。
そしてその国民の総意に基づいて、
天皇の地位は日本国の象徴であり、
日本国民統合の象徴であると定める――。

国民主権と象徴天皇。
象徴天皇と国民主権。
日本国憲法では、
この関係は切っても切れない。

第二条は「皇位の継承」。
「皇位は、世襲のものであつて、
国会の議決した皇室典範の
定めるところにより、
これを継承する」

新天皇の「最初のお言葉」は、
この第一章第二条を示している。

第三条は、
「天皇の国事行為と内閣の責任」

「天皇の国事に関するすべての行為には、
内閣の助言と承認を必要とし、
内閣が、その責任を負ふ」

以下、第四条は、
「天皇の権能の限界、天皇の国事行為の委任

天皇は国政に関する権能を有しない。
そして「国事に関する行為を委任する」。

第五条は「摂政」

「摂政」は「せんしょう」と読む。
天皇とはこの場合、
天皇に代わって政務を摂ること、
またはその役職。

万一の場合、摂政を置くことができる。
しかしその摂政も国民主権のもとに、
天皇の名で国事に関する行為を行う。

第六条は「天皇の任命権」

国会の指名に基づいて、
内閣総理大臣を任命し、
内閣の指名に基づいて、
最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第七条は「天皇の国事行為」
10の国事行為が定められている。
憲法改正、法律、政令及び条約の公布や、
国会の召集、衆議院の解散などなど。

第八条は「皇室の財産授受の制限」
これは国会の議決に基づく。

ここまでが第一章。

「最初のお言葉」は、
「この身に負った重責を思うと、
粛然たる思いがします」

この「重責」とは主に、
第七条の天皇の国事行為に対する、
今上天皇の責任感を意味する。

最後の言葉は、
「歴代の天皇のなさりようを心に留め、
自己の研鑽に励むとともに、
常に国民を思い、国民に寄り添いながら、
憲法にのっとり、
日本国および日本国民統合の象徴としての
責務を果たすことを誓い、
国民の幸せと国の一層の発展、
そして世界の平和を切に希望いたします」

「国民を思い、国民に寄り添い」がいい。
しかしやはり言葉自体は、
「上から目線」だ。

それが天皇である。

憲法第二章は、
問題の「戦争放棄」である。
改憲の焦点はここにある。

そして第二章には、
第九条しかない。
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第九条は、
「戦争放棄、軍備及び交戦権の否認」
「1 日本国民は、
正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する」

我々は、
戦争と武力を、
永久に放棄するのだ。

「2 前項の目的を達するため、
陸海空軍その他の戦力は、
これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない」

しかし自衛隊の実情は、
陸海空軍である。

ここで昨日のこのブログのテーマが、
顔を出してくる。
「プラグマティズム」

戦争を望む悪魔を除いて、
改憲論者はプラグマティストであり、
護憲派は非プラグマティストであろう。
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プラグマティズムの説明を試みると、
とても紙数が足りないけれど、
第1の特徴は、
唯一の絶対的真理の探究を放棄する。
それが実用主義の本質である。

科学には科学の基準がある。
宗教には宗教の基準がある。
プラグマティズムは、
多元的な捉え方を主張している。

「それぞれのドラッカー」も、
ある意味でプラグマティズムである。

プラグマティズムは第2の特徴として、
多元的な真理を許容するとともに、
民主主義的なプロセスを重んじる。
つまり他者との協力を重視する。

改憲論に関して言えば、
だから思想的にも強行突破はできない。

しかしプラグマティズムには、
鄧小平「白猫黒猫論」のごときもある。
うまくいけば他は犠牲にしてもいい。

革命とはそういうものだから、
それはそれで悪くはないけれど、
「儲け第一主義」に陥る危険性もあって、
こちらはいただけない。

儲かりさえすれば、
他は犠牲にしてもいい。

「憲法」に関する『大辞林』の定義。
「国家の基本的事項を定め、
他の法律や命令で変更することのできない
国家最高の法規範」

したがって日本国憲法に関しては、
うまくいけば他は犠牲にしてもいい、
とはならない。

もちろん日本国憲法には、
第九章「改正」がある。
その中の第九十六条は「憲法改正の手続」

「1 この憲法の改正は、
各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、
国会が、これを発議し、国民に提案して
その承認を経なければならない。
この承認には、特別の国民投票
又は国会の定める選挙の際
行はれる投票において、
その過半数の賛成を必要とする」

憲法改正の条件は、
国会議員の3分の2、
国民の過半数。

しかし国民の場合、
投票の際に「棄権」があるから、
実際は過半数以下でも可能である。

結局は21世紀に、日本国民が、
プラグマティズムを支持するのか。

だから改憲のためには、
米国的なプラグマティズムの普及、
護憲のためには、
欧州的な観念論的哲学の堅持。

そこが隠れた焦点となるだろう。

〈結城義晴〉

2019年05月02日(木曜日)

「前日と翌日が祝日の祝日」のプラグマティズム考

曜日の感覚がなくなった。
木曜日だ。

今日の5月2日は4月29日と並んで、
この10連休で最も根拠の薄い祝日だ。

国民の祝日に関する法律第3条第3項。
「前日及び翌日が”国民の祝日”である日は
休日とする」

昨日の5月1日が1年限りの、
天皇即位による祝日となって、
今日は「前日と翌日が祝日の祝日」。

私は飛び石連休というのは、
いい制度だったと思っているが、
「前日と翌日が祝日の祝日」など増えると、
飛び石連休は撲滅されてしまう。

商売としてみれば、
飛び石のほうが、
顧客を楽しませる工夫の余地が、
はるかに多いのではないかと思う。

それでも今日は10連休のなかで、
商売にとって一息つく日だ。

アメリカの祝日には、
安易な変更が多い。

1968年に「月曜休日統一法」制定。
英語では「Uniform Monday Holiday Act」
これによって多くの祝日が、
月曜日にスライドした。

1月1日のNew Year’s Day。
これは変えようがない。
1月第1週月曜日、にはできない。

1月第3月曜日が、
Martin Luther King Day。
キング牧師誕生日は1929年1月15日だが、
今年のこの祝日は1月21日となった。

2月第3月曜日が、
Presidents’ Day。
初代大統領ジョージ・ワシントンと、
第16代大統領エイブラハム・リンカーン。
二人の2月生まれの偉大な大統領の、
誕生日を祝う祝日。

ワシントンは1732年2月22日生まれ、
リンカーンは1809年2月12日の誕生。

だから2月第3月曜日はまあ妥当か。

5月最終月曜日が、
Memorial Day。
“戦没者追悼記念日”。

南北戦争で亡くなった兵士を称える日、
それがすべての戦没者を追悼する日となり
今年は27日。

7月4日は、
Independence Day。
アメリカ合衆国の独立記念日。
1776年7月4日に独立宣言が採択された。
それを祝う日。

9月第1月曜日は、
Labor Day。
「労働者の日」だが、今年は9月2日。

10月第2月曜日が、
Columbus Day。
クリストファー・コロンブスが、
1492年10月12日に北アメリカ大陸を、
発見し到着した日を記念する祝日。

これも第2月曜となって、
今年は10月14日。

11月11日が、
Veterans Day。
“退役軍人の日”。
第一次世界大戦の休戦条約締結日が、
1918年11月11日で、
それを記念した祝日。

このベテランズデイは一度、
10月第4月曜日に設定されたが、
米国軍退役軍人会や多数の州、自治体が、
この安易さに反対して、
1978年から11月11日に戻された。
軍人の力は強い。

そして11月第4木曜日は、
Thanksgiving Day。
感謝祭の祝日。
メイフラワー号で宣教師たちが、
イギリスからアメリカへで移住した。
その最初の収穫のときに、
移住の際に助力した原住民に、
感謝の祝宴を開いた。

それに由来する祝日。

月曜日への移行ではなく、
もともとの木曜日が感謝祭の日で、
この週はサンクスギビング週間である。

そして12月25日が、
Christmas Day。
キリストの誕生日の祝日。
これも動かせない。

こうしてみると5日の祝日には、
根拠がある。
New Year’s Day
Independence Day
Veterans Day
Thanksgiving Day
Christmas Day

それ以外の5日は、
Uniform Monday Holidayである。

このアメリカ人の安易さというか、
プラグマティズムというか、
私はあまり好まない。

日本はこの点ではアメリカとは、
一線を画すのがいいと思うのだが。

しかし、プラグマティズム。
アメリカを代表する哲学で、
実用主義、実際主義などと訳される。
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日本のチェーンストア理論などにも、
この考え方が転用された。

その代表者ウィリアム・ジェイムズの表現。
「最初のものから顔をそむけて、
最後のものに向かおうとする態度」

最初のものとは、
原理、範疇、仮想的必然性など。
最後のものとは、
結実、帰結、事実など。

ピーター・ドラッカーの
「基本や原則を補助線として使え」は、
プラグマティズムの影響を受けている。

中国の指導者・鄧小平に、
「白猫黒猫論」がある。
「白猫であれ黒猫であれ、
鼠を捕るのが良い猫である」
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しかしこれは本来、
四川省の古いことわざで、
鄧小平が好んで使ったのは、
「黄色い猫でも、黒い猫でも、
鼠を捕るのが良い猫だ」

英語では、
“Yellow cat, black cat,
as long as it catches mice,
it is a good cat.”

鄧のいう「黄色い猫」とは、
従来の中国共産党のイデオロギーだった。

鄧小平は1904年生まれ、1997年没。
毛沢東は1893年から1976年。

西郷隆盛が毛で、
大久保利通が鄧だとたとえると、
当たらずとも遠からずか。

この鄧小平のプラグマティズムが、
現在の中国の根拠になっている。

「強いものが勝つのではない、
勝った者が強いのである」

これもプラグマティズムの考えだが、
この思想や精神に関しては、
商売にも仕事にも有用である。

さて今日はその根拠の薄い祝日に、
湘南シーサイドカントリー倶楽部。
プライベートゴルフ。

メンバーは玉生弘昌さんを中心に、
中村武郎さんと牧野豊さん。
玉生さんは㈱プラネット会長で、
一般社団法人流通問題研究協会会長。

全員74歳の、玉生さんのご友人で、
そこに私が、加えていただいた。IMG_60689

開場は1967年。
相模湾に流れ込む、
相模川の河口に造られた河川敷コース。
海も近いし、大河沿いでもある。

面白いのは、アウトもインも、
ともにパー5とパー3が3ホールずつある。
したがってパー4も3ホール。

普通のコースはパー4が5ホールで、
パー5、パー3が2ホールずつ。

ヤシの木などたくさん配置されて、
南洋のイメージもある。IMG_60769

1番ホールと8番ホールは、
大きな池を巡るコース設定で、
私は好きだ。
IMG_60779

玉生さんのアプローチショット。IMG_60719

これはアイアンショットのアドレス姿。IMG_60759

距離はないけれど、
さまざまな仕掛けがあって、
楽しめる。
IMG_60729

52年の歴史があるので、
古木もある。
IMG_60739

曇り空から始まり、
小雨がぱらついて、
最後は快晴の初夏のような天気。IMG_60749
存分に楽しんだ。

さて朝日新聞一面の「折々のことば」
今日は第1450回。

類は友を呼ぶ
(ことわざ)

編著者の鷲田清一さん。

「気の合う者は、
自然と集まり、仲間となる」

「思いや好みの通じる人たちが
寄り集まるのは、
異質なところがあまりなくて、
心をほどいていられるから」

玉生さん、中村さん、牧野さんが、
まさにこれだ。

「でも、友人であるというのは本来、
“もう一人の自分”をもつことではなく、
自分のことを自分とは違う眼で
見てくれる人がいることであるはずだ」

ラウンドが終わって、
お茶を飲みながら、
小一時間、皆さんと歓談したが、
この鷲田清一さんの「友人論」は、
すごく当たっていると感じた。

「じっさい、
つきあいも長くなると、
逆に相手との違いが
より微細に見えてくる」

その通りだ。

しかし現代中国を創った鄧小平と毛沢東。
本当の友人だったのか。

鄧小平のプラグマティズムが、
今の習近平に引き継がれて、
中国を世界第2の経済大国に変貌させた。
これは確かだ。

今日のラウンドがあるのも、
安易な休日制度のお陰ではあるから、
それにはちょっとだけ感謝した。

〈結城義晴〉

2019年05月01日(水曜日)

令和元年初日に思う「二つ目の大事な日」

令和の新天皇の即位は、
2019年5月1日午前零時。
もちろん令和元年である。

今上天皇となった浩宮さまは、
実はもう59歳。
tennnousokui 19

1960年の昭和35年生まれ。

一つ年上に、山口百恵さん。
一つ年下に、バラク・オバマ前米国大統領。

いずれも引退している。

今上天皇は、いわば高齢でのご就任。

奈良時代の光仁天皇が60歳で即位して、
それに次いで2番目の高齢。

皇后に即位した雅子さまは、
1963年生まれの55歳。
2天皇即位9
お二人とも健康に留意して、
平成天皇ご夫妻と同様に30年間は、
新しい象徴天皇をつくり上げることに、
力を合わせて精進してほしい。

つまり89歳、あるいは、
切りのいいところで90歳まで現役。
僭越ながら、「頑張れ!」

「ほぼ日刊イトイ新聞」の糸井重里。
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「平成は一気に遠くなりにけり」

同感だ。

4月1日に新元号発表の山場があった。

平成の出来事を振り返ったり、
天皇皇后両陛下の歩みをたどったり、
「いよいよその時が来るという
準備にそわそわしていた」

「ぼくらもだんだんと、
大晦日からの年越しみたいな
心持ちになりはじめた」

除夜の鐘が鳴るわけでもないし、
紅白歌合戦があるわけでもないのに。
そしてあちこちで、
“カウントダウン”があった。

「で、12時を過ぎたら、
なんだか普通の時間になっていた」

「お祝いの夜中を
たのしみにしていたのだけれど、
あらま、
そういうものではなかったのね」

そう、一気に普通の生活に戻った。

それでも糸井重里。
「ぼくは”王様”を好きでいられることを
幸せに思う」

これにも同感。

スーパーマーケットの店頭でも、
「おめでとう 令和」IMG_60629

コンビニの棚には「令和」商品が並んだ。IMG_72799

酒売場にも「慶祝 令和」
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大吟醸の「令和」ブランド。
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小売業や消費産業は大いにやるべし。

しかしこれも普通の生活に戻る。
マーケットはクールだ。

拝察するに、その一方で、
新天皇皇后両陛下の重い日々は続く。

安倍晋三首相は今年2月23日に、
通算在職日数が2617日となって、
吉田茂元首相を抜いた。
吉田は麻生太郎副総理の祖父だ。

そして戦後単独2位の長さとなった。
歴代では現在4番めの長期政権。

さらに今年6月7日には、
伊藤博文を超えて歴代3位、
8月24日には佐藤栄作を抜いて歴代2位。
佐藤元首相は安倍晋三の大叔父にあたる。

そのうえ今年11月20日には、
桂太郎を上回って、
史上最長の内閣総理大臣の任期となる。

順調ならば2021年9月まで、
記録を更新し続ける。

それでも10年に満たない。
平成天皇はその3倍、
今上天皇もそれを目指す。

吉田茂は、
戦後日本の実質的な独立を勝ち取った。
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日本初代首相の伊藤博文は、
大日本帝国をつくり上げた。
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佐藤栄作は沖縄返還に力を注ぎ、
ノーベル平和賞を受賞した。
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そして桂太郎は、
日露戦争を勝利に導いた。
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安倍晋三は何をやれるのか。
何を残すのか。

それこそが問われる。
長いだけではいけない。

昭和天皇は64年、
平成天皇は30年、
それを目指す今上天皇。

天皇礼賛をするつもりはないが、
「頑張れ!」と応援したくなる。

ヨーロッパをリードするのが、
イギリスとフランス。

しかしイギリス人とフランス人。
ひどく仲が悪い。

1337年から1453年にわたって、
隣国同士で「百年戦争」を戦ったほどだ。

イギリスの「ユーモア」、
フランスの「エスプリ」。

対照的だ。

そのフランス人が、
ひとつだけイギリス人に対して、
うらやましいと思うことがある。

それは「王」の存在だ。

イギリスは1688年の名誉革命で、
王室を残した。

だからいまでもエリザベス女王が健在だ。
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現エリザベス2世は、
なんと1952年に即位して、
67年間も在位する。

一方、フランスはフランス革命で、
1793年にルイ16世をギロチン台に送り、
王室制度を廃止した。

そのことをフランス人は悔やむ。

いま私も、
イギリス人や糸井重里と同じ心境。
フランス人やアメリカ人は、
そして中国人や韓国人も、
心の底でイギリス人や日本人を、
うらやましがっている。

「王様を好きでいられることを
幸せに思う」

最後にマーク・トウェインの言葉。
「人生で一番大事な日が
二日ある。
生まれた日と、
なぜ生まれたかが
わかった日である」
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今上天皇は今日、
二つ目の大事な日を、
深く自覚された違いない。

〈結城義晴〉

2019年04月30日(火曜日)

平成最後の日の「複雑さに耐えて生きること」とオクシモロン

平成最後の日。

さようなら。
ありがとう。

令和へのカウントダウン。
日本だけ大晦日で、
新年を迎えるようだ。

今日の午後5時すぎ、
「退位礼正殿の儀」が行われた。
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皇居・宮殿「松の間」。
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東京新聞巻頭コラム「筆洗」

女性飛行家の草分け。
アン・モロー・リンドバーグ。
あのチャールズ・リンドバーグの奥さん。

リンドバーグは大西洋単独飛行の英雄。
「翼よあれがパリの灯だ」

その妻アン・モローが、
日本の「サヨナラ」について書いている。
「このようにうつくしい別れの言葉を、
わたしは知らない」

アン・モローが来日したとき、
横浜港で数多の「サヨナラ」を耳にした。

そこで「サヨナラ」は、
「さやうならば」と知った。

英語の「GOOD BYE」は、
「神があなたとともにありたもうように」

「”サヨナラ”はいわば接続の言葉であり、
それ自体、何も語っていない」

その半面、別れることを
あるがままに受け入れている。

「多くを語らずとも
すべての感情が込められている。
だからこそ”うつくしい”」

平成よ、さようなら。

毎日新聞巻頭コラム「余録」

江戸時代後期の光格(こうかく)天皇。
将軍徳川家斉(いえなり)に和歌を贈った。

民草(たみくさ)
露の情けをかけよかし

代々の守りの
国の司(つかさ)

代々、国をつかさどる者は、
国民に情けをかけてほしい。

安倍晋三首相にも届くか。

「今上天皇は光格天皇の事績を、
強い関心をもって調べられた」

わかる。

熊本地震の被災地を訪ねた折の、
その平成天皇の歌。

幼子の静かに持ち来(こ)
折り紙の
ゆりの花手に
避難所を出づ

幼子の折り紙を大切にする心。
この陛下の思いを美智子さまが詠んだ。

ためらひつつ
さあれども行く傍(かたは)らに
立たむと君の
ひたに思(おぼ)せば

「被災者の迷惑を気遣いつつも、
その傍らに身を運ぼうとする思い」

いい歌だ。

この天皇・皇后両陛下は、
我々日本国民の誇りである。

同じく、昨日の「余録」

ライフネット生命創業者の出口治明さん、
一冊の本を推薦する。
「おそらく世界最高の読書論だと
僕は思っている」

それが『橋をかける』
サブタイトルは「子供時代の読書の思い出」
著者名は「美智子」とだけ記されている。
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1998年、国際児童図書評議会世界大会が、
インドで開かれた。

皇后美智子さまはビデオで、
基調講演をされた。
それを丁寧に収録した本だ。

「読書は、人生の全てが、
決して単純でないことを教えてくれました」

「私たちは、複雑さに耐えて
生きていかなければならないということ。
人と人との関係においても。
国と国との関係においても」

令和の時代への言葉である。
人と人との関係でも、
国と国との関係でも、
複雑さに耐えて、
生きていかなければならない。

その通りだと思う。

私がよく使う言葉でいえば、
Oxymoron。

江崎玲於奈さんの「私の履歴書」に出た。
2008年の1月のこと。
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それ以来私は、本当によく、
「オクシモロン」の概念を使っている。

「萌芽的業績は個人の創造力に負う。
そこで優れた研究者を多数、
集めたとしよう」

「彼らが個性的、独創的であればあるだけ、
独立を求め干渉されることを好まない」

「一方、研究所長は、
マネジメントの立場から
重点課題に焦点を合わせた、
秩序ある体制を求める」

「ここにはちょっとした、
二律背反がおこる」

この二律背反をオクシモロンという。

「そこで最も好ましい研究環境を、
一口でいえば、
“組織化された混沌”
とでも表現せねばならない」

「部分的に見れば、研究者は、
自由奔放に仕事を進めているので
混沌としているが、
研究所全体としては
バランスがとれ、秩序がある状態をいう」

強いプロ野球チームやサッカーチーム、
素晴らしいオーケストラやロックバンド。
成果を上げる会社組織も。

oxymoronはギリシャ語で、
日本語にすると「撞着語法」という。
パラドックス(逆説)の一形態。
「対立する語句を並べて
新しい意味を主張する語法」

oxy〈鋭い、賢い〉と、
moron〈鈍い、愚かだ〉の合成語。

ヨーゼフ・シュンペーターの言葉だが、
「創造的破壊」は、
歴史に残るオクシモロンの概念だ。

オーストリア人の後輩、
ピーター・ドラッカーは、
このオクシモロンをわかりやすく、
解き明かす仕事に終始した。

私が標榜する「日本商業の現代化」も、
オクシモロンにヒントが求められる。

美智子さまの「複雑さに耐えて」は、
オクシモロンのことだ。

明治生まれで、
もちろん大正を生き抜き、
「昭和の石田梅岩」といわれたのが、
商業界創始者の倉本長治主幹。
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石田梅岩は江戸時代の思想家。
「石門心学」といわれる考え方の開祖。
貞享2年(1685年)~延享元年(1744年)

私は平成の石田梅岩でもないし、
令和の倉本長治にもなれないが、
その志は継いでいきたいと思う。

平成最後の日に、あらためてそう思う。

長治の言葉はオクシモロンばかりだ。
店は客のためにあり、
店員とともに栄える。

この言葉は「CSとES」である。
私の本にも何度も書いた。
CSは顧客満足、
Customer Satisfaction。
ESは従業員満足、
Employee Satisfaction。

これらを両立させることは、
人と人との関係において、
きわめて複雑なことだ。
それに耐えて生きていかねばならない。

倉本長治の『商売十訓』も、
オクシモロンが多い。
「損得より先に善悪を考えよう」

善悪と損得は、複雑な関係である。

「創意を尊びつつ良いことは真似よ」
「創意と模倣」も、
二律背反のオクシモロンだ。

「文化のために経営をせよ」
これもオクシモロンである。

民間人から皇室に入った美智子妃殿下。
その一生が2000年の皇室の歴史の中の、
オクシモロンだった。

令和の時代は、
ますますオクシモロンの時代となる。

その複雑さに耐えて、
シンプルに時代を切り拓いていきたい。

さようなら、
ありがとう。

〈結城義晴〉

2019年04月29日(月曜日)

新元号Countdownとロピア・キテミテマツドの「令和の挑戦」

Everybody! Good Monday!
[2019vol17]

平成時代の毎週月曜日、
書き続けてきて568回。

今日で569回目のGood Monday! です。

平成最後のGood Monday!

「令和」へのカウントダウンは、
あと2つ。

2019年、10日間のゴールデンウィーク。
3日目となって、祝日「昭和の日」。

昭和27年生まれとしては、
ややさみしい気もするが、
それでも昭和の日は意義深い。

この昭和の日は、
昭和天皇の誕生日で、
「天皇誕生日」の祝日だった。

1989年(昭和64年)1月7日、
その昭和天皇ご崩御。
そして今上天皇のご即位。

天皇誕生日の祝日4月29日は、
この1989年以来、
「みどりの日」という名称に改定、
祝日となった。

何度も国会審議されたが、
2007年(平成19年)から、
「昭和の日」の祝日となり、
それ以前の「みどりの日」の名称は、
同じ黄金週間の5月4日に移動した。

「国民の祝日に関する法律」、
通称「祝日法」ではその趣旨を、
「激動の日々を経て、
復興を遂げた昭和の時代を顧み、
国の将来に思いをいたす」

昭和元年は1926年。
この年の12月25日に、
大正天皇がご崩御。

クリスマス当日の逝去だった。

そして当日から昭和となって、
1926年は大正であるとともに、
昭和であるという、珍しい年となった。

私の父はこの年の12月20日生まれ。
したがって最後の大正生まれだった。

わが恩師・故壽里茂早稲田大学名誉教授も、
ペガサスクラブの故渥美俊一先生も、
そして私の母も大正15年生まれ。

みんな故人となった。

清水信次さんも大正15年。
㈱ライフコーポレーション会長にして、
日本小売業協会会長。

その大正から入れ替わった昭和は、
まさに激動の時代だった。

昭和天皇は1901年のお生まれ。
したがって25歳で天皇に即位。

若い天皇だったこともあって、
第一次世界大戦(1914年~1917年)も、
第二次世界大戦(1939年~1945年)も、
自ら見聞されたし、ご経験された。

第二次ではその主体を担うこととなった。

倉本長治先生が1899年生まれ、
ピーター・ドラッカーが1909年誕生。

あの時代の気骨のある存在だった。
それを受けた今上天皇は意志の人だ。
美智子妃殿下の影響もあるだろう。

令和天皇となられる皇太子徳仁親王は、
どんな象徴天皇となるのか。

失礼ながら、
もしかしたら雨男かしれない。

今のところ、
5月1日の天気予報は雨である。

私は36年4カ月ほど、
昭和を生きた。

そしてありがたいことに、
平成の30年間はフルに生きた。
あと1日を残すが。

編集長となり、管理職となって、
すぐに平成に入ったから、
昭和は私の誕生期から成長期にあたり、
平成は成長期から成熟期にあたる。

そして令和は明らかに、
私にとっての成熟期から衰退期。
「衰退期」とは言いたくないが。

昭和はホップ、
平成はステップ、
令和はジャンプ。
こう行きたい。

佐藤一斉の言葉。

(わか)くして学べば、
すなわち壮にして為すこと有り。
壮にして学べば、
すなわち老いて衰えず。
老いて学べば、
すなわち死して朽ちず。
41y6cfhQmPL._SX356_BO1,204,203,200_

私にとって、
「少くして学べば」が昭和だった。

お陰様で、
壮にして為すこと有り、だった。

「壮にして学べば」は平成だった。
いま「老いて衰えず」に入ろうとしているか。

そして「老いて学べば」、
「死して朽ちず」。

何のために「死して朽ちず」を求めるのか。
ドラッカーの言うように、
「何によって憶えられたい」からか。

マズローの考えるように、
自己実現の欲求(Self-actualization)のためか。

あるいは老子のように、
「上善は、水の如し」の域に達するためか。

いまだわからない。

だからこそ老いても、学ぶ。
考え続ける。

私は生涯現役を貫きたい。
この心意気で生きていきたい。
いつもいつも自分に言い聞かせている。

さて今日は、午後から、
千葉県松戸市へ。

伊勢丹百貨店松戸店のあとに、
KITE MITE MATSUDOがオープン。
DSCN81178

オーナーは合同会社松戸ビルヂング。
JR常磐線と新京成線松戸駅から、
徒歩で約3分。

この伊勢丹は残念ながら、
ダメな地方都市百貨店だ。

もともとは松戸市立中部小学校があった。
この小学校を郊外に移転させ、
三菱地所が初めて商業集積を開発。
地下2階・地上11階の店舗棟、
地下3階・地上20階の事務所棟、
あわせて7万㎡を超える施設をつくった。

オープンは、1974年4月19日で、
伊勢丹が核店舗として入居した。
昭和49年のことだ。

前年に第4次中東戦争が勃発し、
第1次オイルショックに突入していた。

伊勢丹としては、
新宿本店、立川店、吉祥寺店に次ぐ、
4番目の百貨店だった。

現在の競争状況からすると、
伊勢丹松戸店は百貨店としては、
商圏が狭すぎるし、
面積も足りないし、
ワンフロアが狭小すぎる。

2002年(平成14年)から、
73カ月の「いざなみ景気」を終えると、
売上げも上がらず、
利益も出なくなって、
昨年3月31日に閉店。

その閉店のあとに、
テナントビルのキテミテマツドが開設。
売場面積は6万2181㎡(1万8810坪)。
テナント数は最終的に約50店となる。

その地下1階に、満を持して、
ロピアが入居した。
DSCN81189
4月13日(土)に、
グランドフロアの1階と、
地下1階全フロアを使って、
核店舗「ロピア」がオープン。

バックヤードなどを全部入れると、
3000㎡を超える。

店に行ってみると、
すぐに執行役員の柴田昇さんとばったり。
この中核店舗では初代店長を務める。  DSCN81219

青果部門が広がった。
インショップ名は「八百物屋あづま」。
バックヤードも搬入スペースも広い。
伊勢丹が使っていたスペースを、
存分に活用した。
IMG_60359

鮮魚部門は天井をブラックにして、
スポットライトを多用。DSCN81269

日本橋魚萬のブランドを付けた。
IMG_60399

LOPIAのロゴも、
この日本橋魚萬では水色。IMG_60369

多面売場には丸魚や貝類。IMG_60409

刺身はサクしか売らない。
盛り合わせは注文して調理してもらう。IMG_60419

「米屋」は米のショップで、
米俵が積み上げられる。
DSCN81249

そして惣菜の超目玉は、
店内手づくりのLOPIA Pizza。
DSCN81279

この店では、
「肉屋のスーパーマーケット」を謳う。
肉売場は圧倒的な商品力。IMG_60439

そして冷凍食品に力を入れた。
IMG_60459

この蓋をつけたドイツ型の冷凍ケースも、
ロピアの価格力で購買は落ちない。DSCN81309

若い顧客が多いのは、
ロピアがファミリーを、
主客層に設定しているからだ。IMG_60489

壁面はロピア社員の、
アーティストたちがデザイン。IMG_60479

売場では驚くほどの量の試食が、
次々に展開される。DSCN81319

開店以来、レジは混みっぱなし。
セミセルフレジを採用しているが、
顧客は引きも切らずやってくる。
IMG_60499

セミセルフのキャッシング機能は、
サッカー台の周りに広く配置した。
IMG_60529

チェックスタンドの向かいに、
専門店を3店配置した。

肉の「黒犇(くろほん)」は、
すべて対面売場の肉と肉惣菜。
IMG_60349

ベーカリーショップは対面とセルフ売場。IMG_60509

そして「海鮮丼 魚萬」。
イートインも設置した海鮮丼の店は、
魚売場のショップと同名。
IMG_60519

そしてこの店の隠れた実験。
高級和食店「黒泉」。

福島道夫ロピア社長と写真。
DSCN81369

この黒泉には、メニューはない。
シェフが厳選した高級食材を、
創作料理として仕上げる。
高級な肉づくし。

シックで落ち着いた店内は、
カウンターのみ。

この黒泉のオープンが、
今日、4月29日。

私は最初の顧客として、
招待してもらった。

これでもかと、
少量の創作料理が次々に出てきて、
十二分に堪能した。

最後に感想や意見を述べておいた。

食品小売業はどんどん売っても、
顧客は一時に食べきらず、
自宅にストックすることもできる。

外食業はその「場」で、
適量を食べて満足する。

その適量より、
ほんのちょっと多めに提供するのは、
とてもお買い得になるが、
多すぎるのはサービスにならない。

かと言って適正な絞り込みは必要だが、
削り込みすぎてもいけない。

そこが一番難しい。

だから「お任せ」の名門寿司屋など、
顧客の側で「最後に握って」と、
終わりを告げることができる。

このあたり、考えてみたらいいのでは?

皆さんも一度行ってみてください。
予約が必須です。

スーパーマーケットの奥にある、
目立たないレストラン。

この事業の責任者の鈴木義和さんと、
総料理長の泉弘樹さん。IMG_60599
「黒泉」のブランド名は、
泉さんの名前から付けられた。

まだまだ内輪の顧客だけ受け付けて、
6月からグランドオープン。

その間にどんどんイノベーションが進む。

ロピアの新しい構想の一端がここにある。
いわば令和のロピアである。

では、皆さん、今週も、
挑戦し続けよう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年04月28日(日曜日)

[日曜日の雑記帳]ジジは自分の名前を知っていた。

「ネコは自分の名前を知っている」
ナショナルジオグラフィック日本版に掲載。

上智大学の齋藤慈子准教授。
総合人間科学部心理学科の心理学者。
学術誌「Scientific Reports」に論文を発表。

「ネコは、ネズミの捕まえ方から、
缶を開ける音が何を意味するのかまで、
多くのことを知っている」

「さらには、自分の名前も
聞き分けているらしい」

私の家にもネコがいた。
ジジという名前だった。
DSCN38889
平成17年3月7日に生まれ、
10年10カ月生きた。

そして平成28年1月4日午前11時49分。
死んだ。

考えてみると、
ジジは、平成の猫だった。

齋藤准教授が大学院で選んだテーマは、
「霊長類の認知に関する研究」。

齋藤さんはネコ好きだ。
「ネコが大好きです。
ネコはとてもかわいらしく、
とてもわがままです。
なでて欲しいときは寄って来ますが、
放っておいて欲しいときには
離れていきます」

そこでその後、
ネコに研究対象を絞り込んだ。

わかる。

齋藤准教授のこれまでの実験研究は。
ネコにある能力を観察すること。

人のジェスチャーを理解する。
隠してある食べ物を見つける。
飼い主の声を聞き分ける。
自分を見て名前を呼ぶ人に、
食べ物をねだったりする。

これらすべてが示唆しているのは、
ネコが自分の名前を聞き分けていることだ。

齋藤さんの研究チームの研究方法。

日本の家庭と猫カフェで、
飼い主と見知らぬ人の両方に、
ネコの名前を呼んでもらう。

そこで耳や頭の動き、尾の振り方など、
名前を聞き分けていることを示す反応を、
丹念に録画する。

今回の研究では、
4種類の異なる実験を、
延べ112匹のネコに行った。

例えば、
音がその猫の名前と似ている、
4つの名詞で呼びかける。
家庭や猫カフェで飼われている、
他のネコの名前で呼びかける。

その結果、ネコは自分の名前に対して、
「有意な反応」を示した。

飼い主が名前を呼んだ時だけでなく、
見知らぬ人が呼んだ時でも、
興味を示した。

齋藤さんの説明。
「ネコは、自分の名前の響きと、
食べ物やなでられることなどのご褒美を
結びつけて覚えているのかもしれない」

一方、イヌは自分の名前に、
反応するよう生まれついている。

「人は、イヌが従順かつよく反応するよう、
何世紀にもわたり交配してきた。
一方、ネコはヤマネコが、
ネズミを追いかけて農村に入り込み、
ほぼ自然に家畜化していった」

イヌが家畜化したのは
ネコより2万年も早い。

また、イヌのしつけ教室で
最初に行われることの1つは、
名前を呼ばれたときに
反応するよう訓練することだ。

そうすることで、イヌに
何かをさせることやしつけが容易になる。

「イエネコはまだ進化している」
齋藤さんのコメント。

「その要因は人」にある。

「10~20年前まで、
ペットのネコの大半は、
屋外でほとんどの時間を過ごし、
家にいるのは夜や天気が悪い時だけだった」

ところが、近年、ネコは、
室内で生活するようになってきた。

人とより密接に関わるようになれば、
人の合図を読み取り反応する能力は、
さらに強まるかもしれない。

「ネコの社会性は、
進化の途上なのです」
齋藤准教授の結論。

2014年2月2日のブログ[ジジの気分]再再掲。
「ジジとじゃん・けん・ぽん」

ジジです。
20140202192112.jpg

きょうは、すごく、
あたたかい。
20140202192137.jpg
春みたいです。

ユウキヨシハルのおとうさん、
ボクとあそんでくれるみたいです。
20140202192155.jpg

なに、するんですか?
20140202192245.jpg

「じゃんけんぽんは、
どう?

じゃあボクは、右手。
20140202193533.jpg

さいしょは、グー!
20140202193609.jpg

じゃん・けん・ぽん!
20140202193634.jpg
「わあ、おとうさんのかちだ!」
・・・・・・・・・。

「もういっかい?

さいしょは、グー!
じゃん・けん・ぽん!!
20140202193659.jpg

あいこで、しょっ!
20140202193723.jpg
「また、お父さんのかちだーっ。
うれしいっ!」

・・・・・・・なんか、
ボク、つまんない。

「まけてあげるから、
もいっかい、やろっ!?」

さいしょは、グー!
20140202193756.jpg

じゃんけん・ポン!
20140202193822.jpg
こんどは、ボクのかち?

ちょっと、うれしい。

もいっかい。

さいしょは、グー。
じゃん・けん・ぽん!
20140202193841.jpg
わあ、ボク、
また、かった。

・・・・・・・・でも、
なんだか、
つまんない。

ボクはグーしか、だしてないし!
20140202192215.jpg
じゃん・けん・ぽんって、
ボクには、むいてないみたいです――。

懐かしい。

ネコは自分の名前を知っている。
それどころか考えることもできる。
それを私は確信している。

〈結城義晴〉

2019年04月27日(土曜日)

平成最後の「責了 お疲れさま~」と令和の「相対的貧困層対策」

平成最後の原稿執筆。
平成最後の雑誌編集。
平成最後の責了。

「おつかれさま~」
IMG_60259

商人舎の亀谷しづえと城山佳代子。IMG_60269

「夜中まで仕事が続くのは、
私の所為です」

「100%、結城義晴の所為です」IMG_60279

「すみません」
IMG_60299

「社長なのに、自覚が足りない。
もう40年以上も書き続けてきたのに、
まだまだ修行が足りません」
IMG_60319

「でも、絶対に手は抜かない。
いい原稿を書き続けます。
それだけは信じてください。
わかってください」
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「令和に入っても、
よろしくお願いします」

日経新聞の経済コラム「大機小機」
コラムニストは硬骨漢の一直さん。

タイトルは、
「”令和”経済の最大課題」

いきなり大上段に構えたテーマ。
勇気あるなぁ。

ただし出だしの一文は慎重だ。
「世の変化を予測するのは
ますます難しくなってきた」

正直言って、同感。

「しかし、確かなのは
デジタル経済の急進展と
人工知能(AI)の進化で
生活環境が大きく変化することだ」

これも同感。

そこで重要な疑問を投げる。
歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ教授、
その名著『ホモ・デウス』
イスラエルのヘブライ大学教授。
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「人知をも超えるAIの登場で
仕事がなくなる余剰人員をどうするのか」

「AIの開発やデジタル産業で、
必然的に二極化が生じる」

膨大な利益をあげる一部の企業家・資本家、
仕事のない大多数の人類。

その通りだ。

一方、『ネットワーク経済の法則』
カール・シャピロ&ハル・バリアン共著。
お二人ともカリフォルニア大学教授。
20年前に書いた、
インターネット経済の原理。
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「情報経済の中心原理は、
利用者が増えれば増えるほど
利用者の便益が高まり、
利用者がさらに増える
というネットワーク効果だ」

その結果、
「”勝者総取り”現象が起きる」

奇しくも、
私が今日書いた平成最後の雑誌原稿は、
結論がこれだった。

グーグル、フェイスブック、アマゾン、
一握りがネットワーク世界を支配し、
所得格差は驚くほど拡大する。

そのフェイスブックの共同創業者、
クリス・ヒューズ(35歳)の近著。
『1%の富裕層のお金でみんなが幸せになる方法』
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現在の米国の所得差を指摘。
「資産上位0.1%層が下位90%と
同等の富を所有している」

「大多数は臨時雇いなどで
不安定な生活を強いられている」

この層がトランプ大統領を支える。

そこでヒューズの提案。
「上位1%の富裕層の税負担を増やし、
それを原資に低所得層に
使途自由な一定金額を給付する」
つまり「保証所得」導入の提言。

「少額でも一定額が安定給付されれば、
人々の気持ちは安らぎ前向きになる」
ヒューズは多数の実証研究を示す。

そこでコラムニストの提案。
「日本でも就業者の約40%が
非正規労働者である」

「絶対的貧困層は減っているが、
仕事はあっても不安定な相対的貧困層が
米国と同様に増えている」

「この不安定な中間層への支援制度を
早急に確立すべきだ」

「財源は、日本でも
富裕層に依存せざるをえまい。
逆進性の強い消費税の大幅引き上げは
相対的貧困層を追い詰める」

「来るべき令和の時代の最大課題は
このままでは増え続けるとみられる
相対的貧困層対策である」

同感だ。

政治家にはこのあたり、
よく了解しておいてもらいたいものだ。

しかしこのとき、
亡き大髙善二郎さんの言葉を思い出す。
㈱ヨークベニマル元社長。

「われわれのコストダウンの努力を、
率直に価格に反映させる。
その結果、去年の今月と比べて、
同じ商品を同じ量、買っていただいて、
1カ月に1万円分、お客様に還元できたら、
それがこの地域のお客様全員に、
1万円のベースアップをしたことになる」

これはクリス・ヒューズの提案に繋がる。
「少額でも一定額が安定給付されれば、
人々の気持ちは安らぎ、前向きになる」

日経新聞夕刊の記事。
「イオン、割安PB7割拡充」

日経の割安PBのことを、
米国では「競争的ブランド」という。
「コンペティティブブランド」

イオンの場合、
ネーミングは「ベストプライス」。

「今後1年で食品の低価格品を
現状より7割多い約500品目に増やす」

「品質は維持しながら、
包装資材を簡素化する。
物流費用も抑える」

記事の分析は、
「食品メーカーが、
相次いで値上げに動くなか、
イオンは逆に割安感をアピールして
消費者を取り込む」

善二郎さんの考え方からすると、
消費者を取り込むのは副次的効果だ。
私もそう考えてほしいと思うし、
そう教えている。

「イオンは2019年度に、
同商品群の売上高を
前年度比1割以上増やす計画で、
販売増でも利益を確保する」

これは「利は売りにあり」
商売の原則だ。

今春、
ポテトチップスやしょうゆで、
ベストプライスを強化した。

ホームページにも掲載しているが、
「特選丸大豆しょうゆ」(200ml)は、
税別158円で、
メーカーの同容量の商品と比べて、
30円程度安い。
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私が標榜するのは、
「値段下げずに売る商売」
月刊商人舎4月号。

しかしコンペティティブブランドは、
初めから超低価格が出せる開発を目指す。

バリュー・エンジニアリングの手法だ。

その品ぞろえを増やす。
イオンならばできる。

ウォルマートやアルディのストラテジー、
クローガーやテキサスのHEBの戦略。

本来はこのブランドこそ、
「値段下げずに売る商売」である。

もう、初めから、
ぎりぎりまで下げているのだから。

できる企業、できるグループと、
できない企業、できないグループがある。

しかしイオンはこれによって、
所得格差を埋める政策をとらねばならぬ。
イオンの責任において。

そうでない企業は、
自分のポジションを構築する。

どちらの戦略や政策でも、
小売業やサービス業は、
人々の気持ちを前向きにできる。

令和時代にもこの志は貫きたい。

〈結城義晴〉

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鈴木哲男・著

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