結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年06月04日(火曜日)

第15回ミドルマネジメント研修会の「仕事が人間を高める」

子を殴(う)ちしながき一瞬天の蝉
〈秋元不死男〉

中日新聞の巻頭コラム「中日春秋」が、
明治生まれの俳人の句を取り上げた。

「反抗期の男の子と父であろうか。
親が手を上げる、そのときを詠んだ句」

「痛んだのは、親の手と胸のほうであろう。
感情がはじけた後に訪れた”ながき一瞬”に、
早くも悔いがみえる」

私は他人を殴った経験がないから、
実際のところはわからないが、
明治の人の気骨や気分は、
理解できるような気がする。

自分の息子を殺害した事件。
「七十六歳の農林水産省の元次官。
手には包丁が握られていた」

息子は44歳だった。
中学生のころから、
家庭内で暴力をふるっていた。
最近は母親にも、
その暴力の矛先が向けられた。

事件の直前には、
近くの小学校の運動会の音に、
「ぶっ殺してやるぞ」などと言っていた。

すべて父親の証言だが。

川崎市登戸の児童らの殺傷事件が、
頭の中に浮かんだのかもしれない。

「怒りに満ちていて、
殺意を口にしている大人が目の前にいる。
それがわが子である」

「体力は高齢の親を上回っていようか。
知力も子どものとは違っていよう」

「追い詰められた父の気持ちと怖さ、
同情したくもなる」

安易に片付けてはいけない。

「それでも、その一瞬には、
命を奪うことのほかに、
方法があったはずである。
親なればこその手が」

何とも痛ましい。
言葉がない。

しかし自分の問題ととらえて、
深く深く考えねばならないと思う。

私は仕事こそが、
人間を人間らしくすると信じている。

今日は朝から、熱海へ。
駅前の熱海軽便鉄道7機関車の前で。IMG_71829

そしてニューウェルシティ湯河原。

商人舎ミドルマネジメント研修会。
もう15回となった。IMG_71869

午後1時から、大観の間。DSCN96139

ピーター・ドラッカー亡き後の、
マネジメント界のグル。
ヘンリー・ミンツバーグ。

「ミドルマネジャーこそが、
組織を変えていく力を持っている」
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私もそれを信じている。

そしてドラッカーの言葉。DSCN96219
“Practice comes first”
実践が第一に来る。

“Theories follow events”
理論は現実に従う。DSCN96239
英語の授業ではないけれど、
わかりやすい英語。

みんなメモを取りつつ、
真剣に聞いてくれる。DSCN96289

“As a rule, theory does not precede practice.”
「原則として、理論が実践に先行することはない」DSCN96349

それから流通産業の志、
商人の本籍地と現住所。
さらに脱グライダー商人。DSCN96479

私の主張は変わらない。

倉本長治の「商売十訓」
それがドラッカーと符合している。
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最後は戸籍のない産業。
スーパーマーケット。DSCN96569
結城義晴の2時間半の講義。
あっという間に終わって、

鈴木哲男先生の時間。DSCN96809

新刊の『流通RE戦略』を使いながら、
実践と経験に基づいた講義。DSCN96909

受講生も単行本を手に取りながら聴講。DSCN96939

マーチャンダイジング、
プロモーション、
そしてストアコンパリゾン。DSCN96949

佳境は「52週マーチャンダイジング」DSCN97019
誤解されていることばかり。

その誤解を解きつつ、
売場づくりの基本中の基本を、
丁寧に指導してくださる。DSCN97049

52週MDとは、
「毎週の重点商品を中心に
商品計画と販売計画、販促計画を
連動する組織的仕組みづくりのこと」DSCN97159

52週MDとは、
毎週、売場を変えることではない。
お客の生活サイクルに合わせて、
商売を組み立て実践することだ。

鈴木先生の定義が、
日本中の小売業と製造業、卸売業、
それぞれの現場で使われている。DSCN97189

鈴木先生の理想は、
「1日365日Day MD」

そこまでできる企業があれば、
必ず顧客から熱い支持を受ける。DSCN97289
鈴木先生の3時間半の講義も、
あっという間に終わって、
午後8時終了。

講義が終わったら、
明日の午前中担当の白部和孝先生と合流。DSCN97369
ありがとうございました。

このあと、やっと夜の食事。

それから受講生は、
各自、復習と自習。
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明日の朝、理解度テストが行われる。

みんな、一心に、
今日の講義をおさらいする。
それはテストのためだけではない。

自分の仕事に生きてくる。

“Practice comes first.
Theories follow events.
As a rule,
theory does not precede practice.”

仕事は人間を鍛える。
仕事は人間を清める。
仕事は人間を高める。

人間は、それぞれに自分の仕事をもって、
その仕事から離れてはいけない。
いくつになっても、
どんな境遇でも。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2019年06月03日(月曜日)

「食育月間」の「弁当の日」と「いいもんをやすく」

Everybody! Good Monday!
[2019vol22]

2019年第23週。
今年22回目の月曜日。

ご挨拶は、
Good Monday!

梅雨入り直前の6月。
さわやかな季節。

今月は「食育月間」だ。

毎日新聞巻頭コラム。
「余禄」

「食べ物の恨みは怖い、とよく言うのは、
人の記憶に強く残るものだからに違いない」

「味だけでなく、見た目も大事」

そこで「弁当の日」

全国に広がっている。

2001年、香川県綾川町立滝宮小学校で、
当時の竹下和男校長が始めた。
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子どもたちが手づくりの弁当を持参する。
献立づくりや買物も親に頼らない。
生産者や親への感謝の気持ちが生まれる。

弁当も食育に役立つ。

しかし仕事を持つ親が、
毎朝弁当をつくるのは本当に大変だ。

家計の事情で「弁当格差」も生まれる。
「給食の方がいい」「楽だ」という親は多い。

脚本家の向田邦子さんのエッセイ。
戦前の学校の「弁当の時間」の話。
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「”おなかが痛い””忘れた”と言って
教室を出て行く同級生がいた。
砂場で遊んだり、
ボールを蹴ったりしていた。
周りの子も先生も、
自分の弁当を分けてあげようとはしない」

向田さん。
「薄情のようだが、今にして思えば、
やはり正しかったような気がする」

「自分に置き換えれば、
人に同情されて
肩身が狭い気持ちになるよりはいいのだ」

「今も昔も、子供のころの弁当には、
どこか切なさがつきまとう」

同感だ。

私が小学校のころにも、
同じようなことがあって、
貧しい家の友だちが、
弁当を持ってこなかった。

弁当の時間に、
ひとり、校庭の隅で、
水道の蛇口から水を飲んでいた。

この食育月間に、
全国の食品小売業は、
そんなことに貢献できないか。

日経新聞の「社説」。
「流通は事業モデルの転換を」

「個人消費が悪化の兆しを見せている。
人口減、少子高齢化などに加え、
10月の消費増税をにらみ
消費者が早くも節約に動いているからだ」

「国内市場が先細りする中、
流通企業は販売量を競う経営から、
消費者の購買意欲を促す事業モデルに
転換することが急務だ」

私がよく使う表現では、
「レース型競争から、
コンテスト型競争へ」
もともとは、
コンサルタントの宮崎文明さんの言葉。

嶋口充輝慶応義塾大学名誉教授は、
「戦争型競争」と「恋愛型競争」という。

レース型・コンテスト型のほうがいい。

社説には経営者のコメントが二つ。

ライフコーポレーション岩崎高治社長。
「2018年末から、
消費者の購買意欲は冷え込んでいる」

私との対談でも、
このことを言っていた。
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しまむらの北島常好社長。
「節約志向どころか、
安くても買わない消費者が増えている」

社説。
「目先の増税や景気動向に
一喜一憂するようでは成長は難しい」

「流通企業は
店舗とデジタル技術を組み合わせた経営を
磨くことで活路が見いだせる」

例として、ウォルマート。
「米アマゾン・ドット・コムに対抗し、
車から降りなくても
ネットで注文した生鮮品を
持ち帰れるサービスを導入、
再び成長力を高めている」

ドライブスルー方式のPick Up Here。
しかし、まだまだ活用頻度は少ない。

もちろん、ウォルマート・コムは、
前年比で4割伸びているが。

国内ではニトリホールディングス。
「店で実物を見たうえで、
自宅に帰った後に
スマートフォンで買えるサービスを導入。
好業績につなげている」

これはアメリカではほとんど全企業が、
当たり前のサービスとして展開中。

社説。
「買いやすさの追求とともに
消費者の悩みを解決する工夫も欠かせない」

「日常生活を支えてきたスーパーも
いつでもどこでもモノが買える今、
主力の食品を安く売るだけでは限界だ」

しかしコモディティグッズは、
安く売らねばならない。

どんなに貧しい家のこどもでも、
普通に弁当を持ってこられるように、
スーパーマーケットは貢献すべきだ。

アメリカのウォルマートやアルディ、
ウィンコやコストコは、
それを可能にしている。

岩崎さんが言うように、
「購買意欲は冷え込んでいる」
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10月の消費増税を控えて、
価格意識は高まるばかりだ。

それでも食品や消耗雑貨の必需品は、
買わねば生活できない。

だから安くなければいけない。

「値段下げずに売る商売」と、
月刊商人舎4月号。
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コモディティは初めから安く売って、
値段を下げない。

しかし北島さんが言うように、
「節約どころか、安くても買わない」
これも正しい。

アパレルのような嗜好品や、
ノンコモディティグッズは、
気に入らなければ安くても買わない。
これは深刻だ。

だから総合スーパーの衣料品は売れない。
しまむらまでアパレルが伸びない。

ノンコモディティは、
開発努力をするしかない。
そしてそれらは、
必ずしも安く売る必要はない。

社説。
「例えば北関東を地盤とするカスミ。
18年3月から、ヘルスサポートという
無料サービスを展開。
来店客数の増加を促し、
売り上げ拡大につなげるためだ」

ヘルスサポートによって結果として、
来店客数が増加するかもしれない。

しかしカスミはそれを、
売上げ拡大のために行っているのでは、
断じて、ない。

自分の店のカスタマーの、
健康をサポートする。
真にそのためにやっているのだ。

「店内の空いた場所を利用し、月に1~2回、
買い物客の健康アドバイスを手がけている」

「血圧や脳年齢を調べ、
食べ方や健康状態に応じた食品を
紹介している」

社説の結論。
「少子高齢化が進むと
全体的に購買力は低下する一方、
健康ニーズは高まる。
サービス業としての小売業に転身し、
高齢化をチャンスにする戦略が重要だ」

これは業態からフォーマットへの転換。

しかし、ん~。

社説としては、
物足りない。

せっかくの日経新聞の社説。
「流通業」と呼ぶ小売業経営者たちが、
「よし、やるぞ!」と燃えるような、
店長やバイヤーが、
「頑張ろう!!」と奮い立つような、
そんな提言を期待したい。

それにしても、
どんな子どもも、
当たり前に、
安くておいしい弁当をもって、
学校に来られる。

そんな社会にしたいものだ。
そのことに小売業が貢献したいものだ。

では、みなさん、
いいもんを、やすく。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年06月02日(日曜日)

[日曜漫歩]横浜開港祭と浅間神社大例祭と「街はぱれえど」

6月最初の日曜日。

昨日の土曜日と今日は、
横浜開港祭。
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開港160周年。

夕方から港で花火が上がった。
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同じ日程で、6月1日・2日。
横浜浅間神社例大祭。
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商人舎オフィスから5分の神社。
毎年、全員揃って初詣する。

山門の鳥居に提灯。
右から浅・間・神・社・大・祭。
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鳥居は赤い。
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提灯が並ぶ。
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本殿前の鳥居も清められている。
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そして昼間には神輿(みこし)が出た。IMG_63949

商人舎の入る笠原第11ビルの前を通った。IMG_63959

1日中、執筆していたが、
威勢のいい掛け声が聞こえて、
外に出てみた。
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女性も神輿を担いでいる。

胸元の晒(さらし)きりりとギャル神輿
〈和田清「雲の峰」より〉
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はやらない商店街を荒神輿
〈田中嘉代子「ぐろっけ」より〉
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住む町を神輿に蹤(つ)いて廻りけり
〈菅原光恵「百鳥」より〉

今日は8705字の原稿を書いて、
そんな余裕はなかったが。IMG_71699

日曜日に仕事しながら、
泉谷しげるの昔の歌を思い出した。
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「街はぱれえど」

外を見てみろよアベックが通るぜ
いい服着てどこかに行くんだろ
俺は着たきりスズメ
今日もおそらく残業だろうな

俺の目から見たらぱれえどさ
みんなきれいに見えら
金回りもいいみたい
要するにひがんでるんだが

たまに無理して贅沢してみる
フトコロを気にしながらだけどね
心から楽しめない
仕事のコトばかり気になるから

朝仕事場に来た時
あいつの目を一番気にする
あいつしだいだもんな
おこられたくないから

今度お金が入ったら
もう一度マネをしてみよう
いい思いしてる人の
見せかけでもいいからさ

街はぱれえどさ
街はぱれえどさ
だけど誰も
誰も誘いに来ない
〈作詞・作曲 泉谷しげる〉

スリーフィンガーの弾き語りで、
ぼそぼそと歌う。

私はひがんではいないけれど、
泉谷の若いころの歌が口をついて出た。

街はお祭さ
街はお祭さ
だけど誰も
誰も誘いに来ない

〈結城義晴〉

2019年06月01日(土曜日)

無印良品銀座と臨終の際の「ああおもしろかった」

6月に入った。
令和となって1カ月、
31日が過ぎた。

デジャヴの感覚。
いつかこんな気持ちを、
味わったことがある。

既視感。

30年前の平成の始まりのときではない。
思い出せない。

この感じ。

それがいい方向に行ったのか、
悪い結果になったのか。

それも思い出せない。

6月の花嫁。
“June  Bride”

そういわれるくらい6月はいい季節。
しかし日本には梅雨があって、
それほどいい気候ではない。

ただし、6月に入って、
梅雨入りするまでは、
日本でもヨーロッパ並みに、
いい気候ということになる。

論理的。

そのいい季節が、
これからの1週間だ。
楽しみたい。

私は今週金曜日の7日から、
イタリアはミラノへ出張。

向こうは最高です。

さて6月の行催事。
月刊商人舎Webコンテンツ。
月曜朝一2週間販促企画から。

6月は「環境月間」「まちづくり月間」、
そして「食育月間」。

テーマ資源だらけ。

そのうえ9月30日までの3カ間は、
「夏の省エネキャンペーン」期間。

6月5日は環境庁制定の「環境の日」。
国連が定めた「世界環境デー」でもある。

6月4日(火)~9日(日)は、
歯と口の健康週間。

6月7日(金)からは、
サッカー女子 ワールドカップ。
7月7日(日)の七夕までフランスで。

さらに6月13日(木)から週末まで、
ゴルフ全米オープン。
ロサンゼルスのペブルビーチ。

そして6月第3日曜日、
16日は「父の日」

私は早々と今日の夕方、
息子と娘からプレゼントを贈られた。
ありがとう。

そして6月22日(土)は夏至。
この日から、7月7日までは、
「CO2削減/ライトダウンキャンペーン」

この期間、
省エネ、CO2削減のために、
ライトダウンされる商業施設も多い。

いいことだ。

6月23日(日)は沖縄慰霊の日。
1945年6月23日に、
太平洋戦争の沖縄戦の組織的戦闘が終結。
糸満市摩文仁の平和祈念公園で、
沖縄全戦没者追悼式が行われる。

月末の6月28日(金)・29日(土)は、
G20首脳会合。
インテックス大阪。

この間、最大のイベントは、
各地の梅雨入り。

6月は意外に行催事が多い。
なおかつ梅雨。

1カ月を通して、
「今日も一日、慌てず急げ」
よろしく。

さて昨日は、
アスクル㈱の本社を訪れた後、
銀座・吉祥ですき焼きランチ。

玉生弘昌さんとご一緒。
玉生さんは㈱プラネット会長。

美味を堪能。

そのあと、
無印良品銀座を訪問。
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商人舎流通Supernews。
4月4日(木)のオープン。
「MUJI HOTEL GINZA」と「MUJI Diner」を併設。
世界旗艦店と位置づけられる。

東京都中央区銀座3丁目。
読売並木通りビル。

「無印良品 銀座」の売場は、
1階から6階までの6フロア構成。

1階は斬新なデザインの食品売場。

入口に価格表示の主張。
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ブレンドティー工房では、
有機栽培の緑茶、ほうじ茶、
さらにルイボス茶をベースにした、
ブレンドティーを32種類、量り売り。
オーダーを受けてからブレンドする。IMG_71639

素材を生かした日替わり弁当や丼。IMG_71609

天井近くまで陳列する。
米国ベッド・バス&ビヨンドのようだ。IMG_71629
4階では「本の仕立てサービス」
5階は「MUJI SUPPORT」
6階は、複合的なデザイン文化の発信基地、
「ATELIER MUJI GINZA」

地下1階が「MUJI Diner」。
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朝食は営業時間7時30分~11時。
つくりたての豆乳がゆ、
おにぎりとみそ汁、
焼きたてのパンと目玉焼きなど。
朝食セットを用意する。

昼食は11時~15時。
毎朝、小田原漁港から届く、
鮮魚の日替わり定食を用意する。

夕食は17時~22時。
こちらも小田原漁港から届く魚介類や、
厳選した肉や野菜などで、
カジュアルなディナーを提案する。

そして上層階は「MUJI HOTEL GINZA」
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中国の深圳、北京に続いてのオープン。
フロントは6階に設置され、
7~10階に79部屋の客室。
一度泊まってみたい。

しかし無印良品銀座。
大いに感じるところがあった。

このテーマを、
今度の単行本の第1章で書こうと思う。
ありがとう。

最後に朝日新聞「折々のことば」
第1479回。

「ああおもしろかった」と
臨終の際にどこまで言えるかが、
限りある生の勝ち負けを
決めるものさしだと
私自身は思っている。
(筑紫哲也『スローライフ』から)
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「あえて”勝ち負け”と言うなら」
との但し書きがある。

筑紫さんらしい。
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「社会的な活動も同じで、
いくら正しいことに取り組んでいても、
“それが苦しげに見えたら”、
つまり当人がそれを
楽しんでいるのでなければ、
共感は集められない」

MUJIもみんな楽しんでいる。

「もちろん、”おもしろさ”の中身は
多様であればあるほどよい」

これこそ、それぞれのポジショニングだ。
ありがとう。

〈結城義晴〉

2019年05月31日(金曜日)

ASKUL岩田彰一郎・Planet玉生弘昌対談と「ダイバーシティ考」

今日の5月31日は、
「世界禁煙デー」
World No-Tobacco Day。

禁煙を推進するための記念日。
世界保健機関(WHO)は1988年に、
設立40周年を迎えた。

この40周年を記念して、
「第1回世界禁煙デー」を定め、
翌1989年から毎年5月31日を、
「No-Tobacco Day」としている。

日本では1992年から、
5月31日からの1週間を、
「禁煙週間」としている。

私も30代の終わりころまで、
煙草を吸っていた。

ショートホープが好きだったし、
Zippoライターのオイルの匂いも、
大いに気に入っていた。

ちょっと気取って、
手巻き煙草のDrumを、
持ち歩いていた時期もある。

商人舎最高顧問をお願いした、
杉山昭次郎先生は、
いつもパイプ煙草を嗜んでいた。

月刊食品商業の編集長となったころは、
ピースライトを吸っていた。

左手で煙草を持ちながら、
右手は万年筆で原稿用紙に執筆していた。
それが許される環境にあった。

㈱商業界のオフィスの5階フロアは、
編集部がデスクを連ねていたが、
大部屋が煙で濛々としていた。

ところが原稿用紙とペンが、
コンピュータに変わって、
両手を使わねばならなくなった。
さらに初期のコンピュータは、
煙に弱いと言われたりした。

そこでいつの間にか、
止めてしまった。

仕事のために「卒煙」した。
それがすんなり、できた。

それ以来、もう30年近くになる。
だから皆さんにお勧めする。

卒煙しよう。

さて今日は朝から、
東京・豊洲。

あの豊洲市場があるところ。

アスクル㈱本社。
フロアの中央を木製通路が走る。
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ワンフロアが広くて見通しがいい。
もちろん煙草の煙などない。
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こちらでは数名のグループが、
ワークショップのような形で、
議論している。
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さらにセミナーが開かれていて、
30名くらいが聴講していた。
講師はマネジャー。
テーマは「ベイズの定理」
ベイズ統計学の基礎理論。
「確率および条件付き確率に関する定理」
凄いことを学んでいる。
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私は学校のような会社だと思った。

そのアスクル代表取締役社長兼CEOが、
岩田彰一郎さん。
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そして㈱プラネット代表取締役会長、
玉生弘昌さん。
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お二人に対談していただいた。
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玉生さんも岩田さんも、
ライオン㈱ご出身の先輩後輩。

玉生さんはプラネットを興し、
岩田さんはアスクルを起業した。

大変面白くて、意義のある内容で、
私も乗り出して話を聞き、
資料を拝見した。
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詳細は月刊商人舎7月号まで、
お待ちいただきたい。

最後に三人で腕を組んでポーズ。
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ありがとうございました。

さて今日の日経新聞コラム「大機小機」
コラムニストは桃李さん。
タイトルは、
「ダイバーシティ考」

「デジタル革命で市場が一気に国際化して、
物理的、言語的、文化的距離が克服され、
ニーズや技術も多様化して
様変わりしている」

「この変化に対応して
競争力を持つ企業なら、
自然に人材は多様になる。
というより、
そのような多様性があるからこそ
発展する企業になる」

同感。

「変化への対応力が
企業成長の本質であり、
その欠如は競争力の低下や低成長、
デフレ継続の基本的な原因になる」

セブン&アイ・ホールディングスの社是。
「基本の徹底と変化への対応」

「見方を変えれば、
変化対応力ではなく、
男性中心の年功序列制に基づく、
現経営陣や従業員層の給与体系を含めた
既得権益が問題の本質である」

そう、既得権益こそ、
闘わねばならない壁である。

「そうした問題を知る
無私の精神を持つ経営者の率いる企業は
変化を受容して成長するが、
自己保身の経営者がいる企業は
急速に衰退する」

玉生さんも岩田さんも、
「無私の精神を持つ経営者」である。

ライオン㈱そのものが、
無私の精神をバックボーンとしている。

明治24年(1891年)の創業。
創始者の小林富次郎は、
熱心なクリスチャンだった。

「法衣を着た実業家」あるいは、
「算盤を抱いた宗教家」と言われた。

コラムニスト。
「変化は痛みを伴う厳しい過程を経る。
自らの任期は短いので、
当面の収益に貢献しない長期的課題を
先延ばしている間に衰退が進む」

だから経営者の任期は短くてはいけない。

「ダイバーシティの形式を整えるのではなく
ニーズ、市場、技術、思考法などの
変化に対応した新商品・サービスの
開発力、競争力を強化する」

「要は、企業経営の本質が
問われているのだ」

その通り。

月刊商人舎2015年6月号[特集]は、
女性が働きたい店・会社・産業
「日本小売業ダイバーシティ」を厳しく中間総括する!!
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もう3年も前になるが、
その[Message of June]

ダイバーシティ産業の強みを活かそう!

「男並み女を使え!」
故渥美俊一先生の言葉。
「なるほど・・・・・」
全員、目からウロコだった。

しかし結果としてこれは、
男社会を助長させた。
女性を排除した。
多様性を無視した。

時代はダイバーシティ。
いや、時代ではない。
流通業こそ、ダイバーシティ。
サービス業こそ、ダイバーシティ。

もともとダイバーシティ産業だからこそ、
かつてチェーンストアは標準化を強調した。
ダイバーシティ産業だからこそ、
最初はマニュアルが必須だった。

しかしそれは、
レース型競争下のセオリーだった。
コンテスト型競争下では、
ダイバーシティ産業の強みを活かせばいい。

象徴的な目標は、
女性が働きたい店を作ることだ。
女性が働きやすい会社に変えることだ。
女性が活躍する産業を構築することだ。

女性が働きやすい職場は、
誰もが働きやすい。
女性が活躍しやすい組織は、
誰にもそれぞれの活躍の場が約束されている。

女性がドキドキワクワク働く店は、
顧客がドキドキワクワクする。
女性がニコニコ働く店は、
顧客もニコニコする。

こんな店、こんな会社、
そしてこんな産業は、
人間の尊厳に対して、
真摯に向き合うことになる。

〈結城義晴〉

2019年05月30日(木曜日)

ライフ&アマゾンの協業とマハティール首相の「米中に自制求める」

昨日の雨が上がって、
梅雨までの凄く快適な季節。
二十四節気(にじゅうしせっき)では、
小満(しょうまん)。
「万物が次第に成長して、
一定の大きさに達して来るころ」

1年を24等分する二十四節季気に対して、
さらにそれを3等分して、
1年を5日ずつ72に分けるのが、
七十二候(しちじゅうにこう)。

今日はその小満の中の真ん中、
つまり「次候」の「紅花栄」の終わりごろ。
週末は「末候」の「麦秋至」へ。

紅花(べにばな)から、
麦秋(ばくしゅう)へ。

麦は秋に植えて、初夏に収穫する。
「麦秋」は、その麦が熟して、
畑が黄金色になって、
刈り取りの時期となる季節。

麦にとっての収穫の秋であることから、
この言葉が生まれた。

そういえば小津安二郎監督に、
「麦秋」という映画があった。
原節子主演の三部作の第二作。
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季節を楽しみたい。
そんな心を持ちたい。

原節子・小津安二郎麦の秋
〈吉田汀史『一切』2002年より〉

さて、商人舎流通Supernews
ライフnews|
アマゾンと協業/Prime Now会員への商品販売を年内開始

(株)ライフコーポレーションと、
アマゾンジャパン合同会社が協業する。

ライフが「Prime Now」に、
食品スーパーマーケットとして、
国内企業で初出店。

最短2時間で商品が届く配送サービス。

楽天とウォルマート西友。
セブン&アイとアスクル。

アメリカでは、
クローガーとウォルグリーン。
ターゲットとCVSヘルス。

アライアンス(同盟)や協業はもう、
当たり前の戦略。

それも巨大チェーン同士の、
超巨大なコラボレーション。

【結城義晴の述懐】を書いておいた。
いよいよ、来た。そんな感じだ。
アメリカでホールフーズマーケットを
傘下に収めたアマゾン。
日本でもスーパーマーケットチェーンを
物色していた。
もちろん買収や資本参加という
形にはこだわらずに。
そこにライフが手を挙げた格好だ。
ライフにとっても
アマゾンのネット販売によって、
売上げは拡大するし、
市場占拠率は高まる。
「Amazon Effect」と恐れるだけでなく、
懐に飛び込んで、成果を得る。

このラストワンマイルは、
勝者総取りの様相を呈する。

月刊商人舎5月号特集
「ラストワンマイルの優勝劣敗」

ご覧いただきたい。
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最後に日経新聞夕刊一面トップ記事。
マハティール首相の講演。
「米中に自制求める」

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その講演の場は、第25回国際交流会議。
「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)

マレーシアのマハティール首相。
アメリカと中国の覇権争いに対して、
「世界にとって決して良いことではない」

たとえが、いい。
「2頭の大きな象に踏みつけられるのは草だ」
この草とはもちろんアジア諸国民のこと。

中国は南シナ海の軍事拠点化を進める。
「戦争に発展すれば
東南アジア全体が破壊される。
南シナ海に戦艦が停泊するようなことが
あってはならない」

一方、米国に対しても、
「戦艦を送る脅しのアプローチを
使うべきではない」

「すべての国が、
机の上での交渉で
解決すべきだ」

中国に対する向き合い方。
「新しい強力な中国を
認識しなければならない。
西側諸国は中国がいつか
民主化すると思っているがそうではない。
政権を変えようと強制してはいけない」

「お互いが良い関係を築けば、
そこから変化が起きる。
中国はオープンで開放的だ」

「軍事分野でお互い兵器を
開発するようなまねは金の無駄だ。
完全に禁止すべきだ」

日本と中国や韓国との関係。
「独仏は何世紀も対立し戦争をしたが、
過去に縛られていない。
日中や日韓などでは
過去の対立が今も続いている」

ASEAN諸国は領土対立を乗り越えてきた。
その過去にも言及して、述懐する。
「現在は交渉で解決するという合意がある。
だからこそ経済繁栄を享受できる」

マハティール首相は93歳。
22年間も首相を務めてきた。

有名な「ルック・イースト政策」は、
経済発展のモデルを、
欧米ではなく、日本に求める。

だから「東を向こう」の東方政策である。

200年かけて発展した欧米に対して、
極めて短期間で追いついた日本にこそ、
学ぶべきだという信念を持つ。

何よりもマレー民族としての誇りがある。
アジア的価値観を肯定的に評価する。
ヨーロッパ文明には冷徹な目を向ける。

「米国がイラクにしようとしていることは、
白昼強盗と同じだった」
アメリカに対しても真っ向から言い切る。

そして「戦争の無益さと犯罪性」を、
徹底的に指摘する。

イズミの山西義政さん、96歳。
セブン&アイの伊藤雅俊さん、95歳。
イオンの岡田卓也さん、93歳。
そしてライフの清水信次さん、93歳。

岡田さんと清水さんは今、
マハティールさんと同年だ。

90歳を超えて、
100歳に近づく人たちの、
正々堂々の発言と行動。

マハティールさんの言葉に、
心から感動した。

〈結城義晴〉

2019年05月29日(水曜日)

川崎登戸通り魔事件の「絶望」とカード情報漏洩事件の「スケール」

人間とて
犬や猫と

さして変りはない
もっとひどいと
言えるくらいかも知れない

ただ人間には
それができる

その自分のひどさに
気づくことが

そしてそのために
祈ることさえ

故まど・みちおさんの詩『それが できる』
index

まど・みちをさんも、
絶望したのかもしれない。
その中からわずかの光明を見出した。

自分のひどさに気づく。
そして祈る。

それが人間だ。

中日新聞の「中日春秋」が、
この詩を引用。

川崎登戸通り魔事件。

51歳の岩崎隆一容疑者が、
スクールバスを待つ児童らに近づいて、
刃物を振り回し、2人を殺害、
17人に重軽傷を負わせた。

直後に岩崎容疑者は自殺した。

言葉がない。

ひどい事件であるし、
ひどい社会になりつつあるのか。

この痛ましい事件のあと、
ネット上では「無敵の人」論議が喧しい。

この言葉は「ネットスラング」。
つまりインターネット上で使われる、
俗語、卑語、隠語。

「ニコニコ大百科」の定義。
「簡単に言ってしまえば、
『失うものが何も無い人間』のこと。
失うものが何もないので
社会的な信用が失墜する事も恐れないし
財産も職も失わない、犯罪を起こし、
一般人を巻き込むことに
何の躊躇もしない人々を指す」

ネットスラングには嫌な言葉も多い。

しかしそんな言葉で、
早計に片付けてはいけない。

朝日新聞では、
新潟青陵大学大学院の碓井真史教授。
犯罪心理に詳しい社会心理学者。

「まだ詳しくわからない点が多いが、
疎外感や強い被害者意識から、
自分の人生を終わりにしよう、
周りも道連れにしようと思って、
無差別殺傷事件を起こす事例が多い。
死刑になってもいいと思っているから、
刑罰を重くしても
事件を防ぐことはできない」

ニコニコ大百科の「無敵の人」に通じる。

「気の長い話だが、
社会の中で
絶望を感じる人を

減らすしかない」

どんな人にも、
自分に合った仕事があるといい。
その中で商売の仕事は人間を、
絶望から救うと思う。

さて昨日5月28日と今日29日は、
2月期決算上場企業の株主総会のピーク。

今日はイオンやイズミ、ベルク。
昨日はユニー・ファミマ、ウェルシア、
サンエー、ヤマザワ、ケーヨーなど。

その中で、引退して、
名誉会長に退く人事が二つ。

イズミの山西義政さんと、
ヤマザワの山澤進さん。

商人舎流通Supernews。

イズミnews|
創業者山西義政会長(96歳)退任、名誉会長へ
ヤマザワnews|
役員異動で山澤進取締役会長は5/28名誉会長に就任

山西義政さんは96歳。
山澤進さんは89歳。

山西さんは1991年に藍綬褒章を受賞、
山澤さんは2010年に旭日小綬章を受章。

いろいろと経緯はあろうが、
心から功績を称え、
労をねぎらいたい。

もう一つ重大な流通Supernews。
ヤマダ電機news|
不正アクセスでクレジットカード情報3万7832件流出

ヤマダ電機の2つの通販サイト、
「ヤマダウェブコム」と「ヤマダモール」。

何者かから不正アクセスされて、
クレジットカードの個人情報が、
最大で3万7832件流出した。

そして一部のカードで、
カード番号と有効期限、
さらにセキュリティーコードが、
不正利用された恐れがある。

同じく5月14日の商人舎流通Supernews。

ファーストリテイリングnews|
ユニクロ・GU顧客情報46万件に不正アクセス

(株)ファーストリテイリングでも、
第三者による不正ログインが発生した。
「ユニクロ公式オンラインストア」と、
「ジーユー公式オンラインストア」。

今年4月23日から5月10日にかけて、
「リスト型攻撃」手法で侵入された。
正式にはリスト型アカウントハッキング。
こちらは46万1091件だった。

同社はすぐにパスワードを無効化し、
顧客にはパスワードの再設定を要請。

閲覧された可能性があるが、
情報流出による被害は確認されていない。

アメリカでも同様な事件が起こった。
2013年のホリデーシーズンでのこと。

「Targetの4000万件の漏洩事件」

盗まれたのは顧客氏名から、
カード番号、有効期限、
3桁のセキュリティーコード、
そして個人識別番号(PIN)などの情報。

すなわちクレジットカードの裏側の、
磁気テープに記録されている情報が全部、
ハッキング被害にあったわけ。

ターゲットの場合、
eコマースで使用した被害がない。
そこで店舗のPOSシステム周辺の、
ネットワーク・ハッキングと見られている。

この事件の深刻さは2点ある。
第1が情報漏洩は実店舗で起きたこと。
第2がそれが全店舗一斉であったこと。

この2013年末の事件のあと、
ターゲットは減収減益に陥った。

顧客から敬遠されてしまったからだ。

2014年1月期決算では726億ドルで、
前年比マイナス1.0%。
純利益は197億1000万ドルで、
こちらは34.3%の減益。

2015年1月期は売上高は726億ドルで、
プラス1.9%の伸びを示したが、
最終的な純損失は16億3600万ドル。

2016年1月期はちょっと持ち直して、
売上げは1.6%増の737億8500万ドル、
純利益は33億6300万ドル。

しかしまた2017年1月期には、
売上げがマイナス5.8%、純利益18.6%減。

2018年、2019年は、
従来のターゲットに戻りつつあるが、
回復まで3年もかかって、
企業体力は衰弱してしまった。

日本でも相次いで、
クレジットカード情報漏洩事件発生。

顧客は安心してカードを使えなくなる。
それが一番の問題である。

しかしヨーロッパは、
2002年にスマートチップを採用した。
ICチップ付きカード化である。

それ以降、クレジットカード詐欺は、
年々減っていった。

一方、米国では、それへの移行が遅れた。
ターゲット事件の原因の一つとなった。

しかし現在、米国でもICチップ決済が、
事実上義務付けられて、
安全対策が進んだ。

日本でも2020年に向けて、
「日本再興戦略」の改訂が閣議決定され、
その影響で日本クレジット協会が、
100%のICカード化を目指すと発表。

もちろん東京オリンピックが節目となる。

ヤマダ電機は今のところ4万件弱、
ファーストリテイリングが46万件、
ターゲットはなんと4000万件。

スケールが小さいうちに、
経済界こぞって、そして産業を挙げて、
対処しておくべきだろう。

ただしヤマダ電機の今回の対応、
ちょいと遅すぎる。

自分たちのひどさ、
至らなさに気づけ。

まど・みちをさんが、
あの世から祈ってくれている。

〈結城義晴〉

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