結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年03月19日(火曜日)

「微妙な段階にきた景気判断」と「基本の徹底」を一歩一歩

今日は午後から東京・大手町。
尿検査と血液検査の後で、
この道の権威の先生の診察。

この1カ月、本当に努力して、
酒を慎んで、なおかつ食事療法。

年を重ねると、体にガタが来る。
しかし、驚くほどの体調管理。

その後、麻布十番。
鳥居坂下。
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「任天堂は無関係」
“Unrelated to Nintendo”
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公道カートサービスのマリカー。
㈱MARIモビリティ開発と㈱任天堂。
「マリカー」の商標を巡って係争中。
昨年9月の東京地裁の公判では、
任天堂が勝訴。
不正競争行為の差し止めと、
1000万円の損害賠償命令。

それに抗議するマリカー。
公道カートを走らせている。
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この鳥居坂下に、
㈱ハー・ストーリィがある。
あの日野佳恵子さんの会社。
その安井久美子さんと打ち合わせ。
コンシューマーリサーチ部部長。
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「女性視点マーケティング」を謳い文句に、
日本有数の定性調査分析をする。

1時間を超えるディスカッション。
いい方向性が見えてきた。
ありがとうございました。

それから麻布十番のイオンへ。
コンビネーションストア。
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ビオセボンとピカール。
フランス仕込みの、
オーガニック専門店と、
冷凍食品専門店。
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大繁盛はしていないけれど、
確実にポジショニングを構築している。

それからJR大崎駅へ。
ゲートシティ大崎。
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その中に大きなフードコート。
1階にはスターバックス。
地下1階に成城石井とローソンが並ぶ。
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話題の店舗。
商人舎流通Supernews。
成城石井news|
バイオーダー初導入のゲートシティ大崎店(71坪)IMG_61989
2月の7日にオープン。
初めて「バイオーダー」を導入。
注文を受けてから用意して提供する。
“デリごはん” やスイーツのメニュー。

ロケーションにぴったりのコンセプト。
だが、むしろ、
隣のローソンの大型店にびっくり。

ローソン側には広いイートインもあって、
相乗効果を発揮するに違いない。

その後、品川駅に戻って、
超多忙のこの人と合流。
大久保恒夫さん。
もちろん㈱リテイルサイエンス社長。IMG_39529
二人して2時間近くの対談。

楽しみにしてください。
月刊商人舎4月号です。

そして4月4日には、
出版記念パーティーが控える。
1月25日発刊『AI流通革命3.0』
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出版記念パーティーで立ち上げるのは、
「AI流通革命3.0研究会」

結城義晴も㈱商人舎も協力する。
ご期待ください。

さて、日経新聞コラム「大機小機」
今日、重要な指摘をするのは、
コラムニストの墨田川さん。
きっぱりとものを言う人。
「微妙な段階にきた景気判断」

「本年1月まで拡大局面が続けば
戦後最長というところまで来ていた、
日本の景気の風向きが
怪しくなってきた」

同感だ。

その根拠を示す。

まず「景気動向指数」。
内閣府経済社会総合研究所の判断。
最新の2019年1月は3月に発表された。

その結果は、
「景気の下方への局面変化を示す」

しかしこれは、
「景気の山がそれ以前の
数カ月にあった可能性が
高いことを示している」

次に「景気後退確率」。
日本経済研究センターが毎月公表。

2カ月以上67%を上回ると、
景気は後退している可能性が高い。
最新の1月(3月発表)は61%。
「かなり怪しい」。

さらに「ESPフォーキャスト調査」
これも日本経済研究センターの仕事。
「景気転換点(山)はもう過ぎたか」
この問いに2月の調査では、
「イエス」がゼロだったが、
3月は5人になった。

しかし3月15日の日銀のミーティング。
「金融政策決定会合」
その景気判断は、
前月と同じ「緩やかに拡大している」。

つまり政府・日銀は、
景気拡大と言いたがっている。

小売業の実績を見ていると、
昨年の秋からもう、
落ち込みの兆候が見えて、
今年の1月2月はひどく悪い。

「仮に後退局面入りが明らかになった場合、
政府・日銀がどう対応するかだ」

コラムニストは心配する。
「政府は、この期に及んで
10月の消費税率引き上げを
延期するようなことはないだろうが、
財政面からの景気対策を打つことは
十分考えられる」

それがまた状況の悪化に油をさす。
「こうした景気対策の効果は
一時的なものであり、
財政再建をますます難しくする」

日銀も同様。
「追加緩和策を考えるかもしれない。
しかし、金融政策の手段は限られており、
無理な緩和はせっかく
正常化に向かいつつある政策の流れを
再び異常な世界へと引き戻す」

「異常な世界」に引き戻される?

こんなことを書くとまた、
「脅し」に使われるかもしれない。

しかしこんな時には絶対に、
「異常な手」を打ってはいけない。

正統派、
オーソドックス、
基本の徹底。

それをコツコツと。

ピーター・ドラッカーに言わせると、
理想を求めて、
手持ちのリソースで、
ケースバイケースで、
一歩一歩。

大久保恒夫と結城義晴が、
口をそろえてそれを言う。

〈結城義晴〉

2019年03月18日(月曜日)

「岡﨑雅廣お別れの会」の「地域のお客様に愛されれば滅びない」

Everyday! Good Monday!
[2019vol11]

2019年第12週、
3月も第4週。

月刊商人舎webコンテンツ。
月曜朝一の2週間販促企画。

今週木曜日の春分の日を控えて、
今日18日(月曜)は彼岸入り。

春と秋に2回ある「彼岸」。
「暑さ寒さも彼岸まで」
春分の日を中日として7日間。

彼岸明けは24日の日曜日。

春分の日が木曜日だから、
金曜日に休暇を取ると4連休となる。

今年はこの3月の4連休で帰省する人が、
少なからずいる。

4月終わりから5月はじめの10連休が、
国民の行動パターンを変えるからだ。

つまり長期休暇となる黄金週間は、
帰省や里帰りをせずに、
海外旅行など自分たちのために使う。

だから今週末は、
帰省客が多い地域では、
そういった消費が生まれる可能性がある。

また逆に、黄金週間に帰省するから、
もう一つの長期休暇の夏のお盆には、
海外旅行などするという行動もありうる。

今年のお盆商戦も、
従来とは変化するに違いない。

小刻みに、小型の消費変化をとらえる。
今年は「コツコツ商売」となる。

少しずつ、ちょっとずつ、
顧客の支持を得て、信頼を獲得する。
それが2019年の基本的な姿勢だ。

ところで内田裕也が死んだ。
日本のロックンロールの草分け。
1939年生まれの79歳。

テレビなどでは樹木希林の夫として、
さまざまに紹介される。

しかし内田裕也は、
ロックンローラーとして価値があった。

故エルビス・プレスリーが1935年生まれ、
故ジョン・レノンが1940年、
そしてボブ・ディランは1941年。
ポール・サイモンも41年で、
ディランと同年。

ポール・マッカートニーが42年、
ミック・ジャガーが43年、
今話題の故フレディ・マーキュリーは46年。
もちろんクイーンのボーカリスト。

裕也はプレスリーより若く、
レノンやディランなどなどより年上だ。

これは、ちょっとすごいことだ。

日本でいえば、
ロカビリー御三家が少し先輩。
平尾昌晃は1937年生まれ、
故ミッキー・カーチスが1938年、
故山下敬二郎が1939年で裕也と同年。

ついでに「エレキの神様?」
故寺内タケシも同い年。

吉田拓郎は1946年生まれで、
実はフレディ・マーキュリーと同年。

沢田研二は1948年生まれ。
矢沢永吉はその一つ年下で、
1949年生まれの団塊の世代。
裕也よりひと回り年下となる。

ご冥福を祈りたい。

そして岡﨑雅廣さん。
矢沢永吉と同じ年。

㈱エブリイホーミイホールディングスの、
実質的な創業者にして、
代表取締役社長だった。

今年2月1日に急逝。
「人生100年時代」から考えると、
ひどく若い。

本当に惜しい人を亡くした。

私は2月6日のブログに、
訃報と評伝を書いた。
エブリイホーミイホールディングス社長
岡崎雅廣さん逝く

今日の彼岸入りの日に、
「岡﨑雅廣 お別れの会」が行われた。

広島県福山市。
エブリイホーミイの本社がある。

朝8時29分新横浜発の新幹線のぞみで、
福山に向かった。

富士の姿は美しい。
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岡崎さんの魂を表すようだ。IMG_38709

11時40分に福山に到着、
駅前に名城・福山城。
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線路を挟んでその向かいに、
福山ニューキャッスルホテル。
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ホテルの入り口では、
カメラクルーが撮影中。
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「お別れの会」の表示がある。IMG_38749

12時から受付なので、
私はすぐに席に着いた。

3階光耀の間には、
大型スクリーンが4カ所設置され、
岡﨑雅廣さんの生前のビデオが、
次々に流される。
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岡﨑さんの生い立ちやエブリイの歴史、
その商売に対する哲学。

従来のスーパーマーケットでは、
「欠品してはいけない」
「ロスを出してはいけない」
無理なことを要求した。

岡﨑さんは考えた。
「それなら売り切れ御免で行こう」
つまり欠品を出してもいい。
これならばロスは出ない。

「大資本のチェーンストアに、
勝てないと自覚した瞬間に、
未来が開けた」

だから「負けるものは捨てる」
そこで日用雑貨は、
品ぞろえを10分の1に減らした。

「得意分野に特化する」
そこで生鮮食品と惣菜を、
「超鮮度」「作り立て」で強化した。

さらに「類人猿分類」Management。

「経営は形ではない。
人がそうさせる」

「成功の反対は失敗ではない。
何もしないこと」

岡﨑さんの考え方が、
次々にビデオで流され、
私は1時間以上もそれを見た。

祭壇には岡﨑さんの遺影。
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1時30分からお別れの会が始まった。

まず弔辞。
広島銀行会長の池田晃治さんが、
丁寧で心のこもったメッセージを贈った。
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それから岡﨑浩樹新社長がお礼の言葉。
ご長男で㈱エブリイの社長だったが、
グループ代表に就任した。

父・雅廣さんの遺志を継ぐことを、
力強く宣言した。

エブリイホーミイには今、
5000人の従業員がいる。

その5000人の「人」が原動力である。

「金を残すよりも、
事業を残すよりも、
人を残す」

亡き岡﨑雅廣さんの言葉を綴った。

「これからの流通業は大変な時代だ。
しかし地域のお客様に、
愛される店をつくれば、
絶対につぶれない」

岡﨑浩樹さんは最後に語った。
「時代は大きく変わっていくけれど、
変らないものこそ大切です。
その変わらないものを、
深く掘り下げていく。
それが私の使命です」

岡﨑三兄弟。
長男の浩樹さん、
次男の裕輔さん、
三男の真悟さん。

何よりも強い絆だ。

広島銀行の池田さんは、
「毛利元就の三本の矢」にたとえたが、
その三人の力を合わせて、
「岡﨑ワールド」を進化させ、
拡大させてほしい。

シンプルなお別れの会だった。
それが岡﨑さんらしくて、
とてもよかった。

池田晃治さんの弔辞、
岡﨑浩樹さんのお礼の言葉。
そして献花。

会場には弦楽四重奏のライブ。
ヘンデルのラルゴが流れる。
「オンブラ・マイ・フ」

千野和利さんも、
矢野博丈さんも、
粛々と献花した。

千野さんはいま、
全国スーパーマーケット協会副会長、
㈱阪急オアシス前会長。
矢野さんは㈱大創産業会長。

メーカーのトップの面々も、
次々に献花した。

私も献花して、合掌。

浩樹さん、裕輔さん、真悟さん、
そして喪主の和江さん。
静かにあいさつした。

さらに専務取締役の小林史郎さんにも。

「よろしく頼みます。
応援します」
私のほうからささやいた。

会場には、
オンブラ・マイ・フが流れ続けた。

Ombra mai fù
di vegetabile,
cara ed amabile,
soave più

私の耳には、
この美しい旋律が、
いつまでも残った。

心からご冥福を祈りたい。

では、皆さん、今週も、
地域のお客様に、
愛されれば、
絶対に滅びない。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年03月17日(日曜日)

[日曜の考察]人生100年時代の生活防衛意識と「どう生きたか」

淀井敏夫作「放つ」
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1969年(昭和44年)の作品。
文化勲章受章の彫刻家。
1911年2月15日生まれで、
2005年2月14日没。

94歳まで生きた長寿のアーティスト。

水曜日の3月13日に、
大阪に泊まったとき、
シェラトン都ホテルの、
1階ロビーに展示されていた。

「人生100年時代の罪」
その水曜日13日の日経新聞。
経済コラムが「大機小機」

「人生100年時代」という考え方は、
リンダ・グラットンと、
アンドリュー・スコットのアイデア。
ともにロンドン・ビジネススクール教授。
著書は『LIFE SHIFT』
サブタイトルが「100年時代の人生戦略」
日本版の出版は2016年10月。
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私も何度か引用したし、
影響を受けた。

「人が長く生きるようになれば、
職業生活に関する考え方も
変わらざるをえない」

「人生が短かった時代は、
『教育→仕事→引退』という
古い3ステージの生き方で問題なかった」

「しかし寿命が延びれば、
二番目の『仕事』のステージが長くなる。
引退年齢が70~80歳になり、
長い間働くようになるのである」

著者たちは、
「働くこと」と「仕事」に関して、
人生の「新しいステージ」、
つまり「マルチステージ」が必要だと説く。

そのとき、「エイジ」と「ステージ」は、
かならずしもイコールではなくなる。

しかしこれを受けて2017年9月、
安倍晋三政権が立ち上げたのが、
「人生100年時代構想推進室」

首相は国民に呼びかけた。
「新たなことにチャレンジしようという
意欲のある人たちが学び直し、
新たな人生を始めることができる」

「そういう社会にすることで、
日本は活力ある社会を維持し、
発展することが可能になる」

考え方はいい。

「人類の歴史は、
悪意とも言える
冷徹さで実行した場合の成功例と、
善意あふれる動機で
はじめられたことの失敗例で、
おおかた埋まっている」
(塩野七生『ローマ人の物語Ⅺ 終わりの始まり』)
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「人生100年時代構想推進室」には、
善意あふれる動機の臭いがプンプンする。

世界銀行の調査。
2016年時点で日本の平均寿命は84歳、
香港に次ぐ世界第2位。

日経のコラム。
「平均寿命は延び続けており、
人生100年も夢ではない」

「健康で長生きして、
人生を通じて新たなことに挑戦したり、
学んだりできることが素晴らしいのは
言うまでもない」

しかしコラムニストの問題提起。
「急速に普及した”人生100年時代”は
日本経済や社会に
負の影響ももたらしてはいないか」

「定年後40年?
足りるかな、お金」

これはテレビCMの文句。
俳優の佐々木蔵之介がつぶやく。
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アパート経営のシノケンが、
長い老後に備えた資産運用を勧める。

コラムニスト。
「人生が長くなると
やりたいことができる時間が増える半面、
長い老後をどう暮らすのか
という不安が生じる」

「”人生100年”という言葉は、
国民にその現実を突きつけた」

同感。

米コンサルティング会社の調査。
日本の年金制度への評価は、
世界の34カ国・地域で29位だった。
「制度の持続性への評価が低い」

さらに総務省の家計調査。
2018年の平均貯蓄率は26.6%。
2000年以降で最高。

「収入は増えても、将来への不安から
消費を抑える傾向が強まっているのだ」

納得しつつ、恐ろしさを感じる。

「安倍政権下では、
高齢者や女性の労働市場参加で
雇用者は増え、雇用者報酬は増えたが、
なかなか消費は盛り上がらない」

「その理由の一つには、
人生100年時代に備えた
人々の生活防衛もあるのではないか」

100年時代の生活防衛マインド。
大いにあると思う。

昨2018年の秋以降、
さらに2019年の年が明けてから、
消費に鈍痛のような兆候が現れた。

「人間五十年、
下天のうちをくらぶれば……」
織田信長が好んだ「敦盛」の一節。
「敦盛」は幸若舞という踊り芸の演目で、
平家の平敦盛と源氏の熊谷直実の物語。
一之谷の合戦場が舞台だった。

この敦盛の「人間五十年」を、
信長は好んで謡い、舞った。

そして48歳で死んだ。

コラムニスト。
「人生100年時代であれば、
あれだけ信長は
天下統一を急いだだろうか」

「人の生きる長さは、
その行動にも大きな影響を
及ぼすのではないだろうか」

同感だ。

10月の消費増税、
3月から始まった商品値上げ。
その上に100年時代の生活防衛意識。

5月から新しい象徴天皇と新しい元号。
新しい時代を迎えるほどに、
人生100年時代を意識させられる。
そして生活防衛の意識は高まる。

危うい国際政治情勢や、
国内の原発問題など。

来年2020年には、
東京オリンピックが開催されるし、
2025年には大阪万博も開かれる。

しかし、不安感はぬぐえない。
人生100年時代の生活防衛。

商売にとっても重大な問題だ。

「どれだけ生きたかではなく、
どう生きたかが重要だ」
アブラハム・リンカーン。
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人生100年時代に生きるからこそ、
どう生きたかを考えねばならない。

〈結城義晴〉

2019年03月16日(土曜日)

「消える車内販売」とカリスマ販売員・茂木久美子の「4つの秘訣」

日本を代表する名城の一つ。
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彦根城。
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天守閣が国宝指定されている。
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それは日本に五城。
姫路城、松江城、松本城、犬山城。

そして彦根城。
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この彦根城は、
滋賀県民の誇り。

その滋賀県民は、
4大新聞の讀賣、朝日の次に、
地方紙の京都新聞を読む。
かつては滋賀新聞などもあったが、
休刊・廃刊している。

だから京都新聞には、
「滋賀ニュース」のカテゴリーがある。

こうして見ると新聞の世界も、
ナショナルチェーンが複占し、
リージョナルチェーンが残っている。
あくまでも新聞の世界だが、
ローカルチェーンは消えた。

その京都新聞巻頭コラム「梵語」。
今日のタイトルは、
「消える車内販売」

「新幹線や特急の車内販売は、
スーパーで買うより割高だ。
だから、価格以上の
プラスアルファを提供したい」

山形新幹線の「カリスマ販売員」。
茂木久美子さん。
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その著書に記されている。

「コーヒーを買ってもらったら
“入れたてですよ”と一言を添える」

「ありがとうございますの後に
“また来ますね”と言う」

「ちょっとした言葉遣いで、
乗客に声をかけてもらえる頻度は
大きく変わる」

私も2009年5月7日、
このブログで書いている。
「JRカリスマ車内販売員」
茂木久美子さんの4つの秘訣

第一に、
商機を増やす。

当時の話だが、
山形・東京の片道で通常は3、4往復。
茂木さんは片道3時間で7往復。

現代風に言い換えると、
「オムニチャネル化」である。

第二、
スピードアップ。  

顧客1人あたりの時間を最小限にする。

スピードアップのための秘訣。
お釣りを素早く渡す。

右ポケットには100円玉と500円玉。
左のポケットには10円玉と50円玉。

顧客の手の動きをみて、
どんなお金を出すかを読み取って、
「間髪入れず釣りを渡す」。

現在はスイカなどで払ってしまう。
さらにキャッシュレス化が進めば、
これらは必要がなくなるが。

それでもスピードアップは鉄則だ。

第三は、
マーケティング。 

1回目に車両を1往復した時点で、
客層を見極める。
そして売り込み商品を決める。
「今日は年配客やグループ客が多い。
年配のお客様には、
幕の内弁当が人気なのです」

「乗客の顔やしぐさを記憶して
タイミングよく声をかける」

「車内のようすが把握できるよう
ワゴンを後ろ向きに引く」

茂木さんはマーケティングして、
今日の客層と売れ筋を把握する。

そして第四に、
ホスピタリティ。  

「お砂糖とミルク、いんだっけか」
コーヒーを買ってくれた年配の顧客には、
山形弁。

顧客に応じて、
自然に言葉も使い分ける。

その茂木さんも、
販売員として壁にぶつかった。
そのときの上司の言葉。
「買ってあげたいと
思われる人になればいい」

自分にしかできないホスピタリティ。
これこそ販売員としての、
ポジショニングである。

今日の梵語のコラムは、
JRダイヤ改正を話題にする。
新幹線や在来線特急の多くで、
車内販売が大幅に縮小される。

理由は第1に利用者減少、
第2に販売員の人手不足。

茂木さんは現在、
年間200回を超える講演をこなす、
コンサルタント。

その茂木さんの言葉。
「乗車率が低くても
お客さんにじっくり対応すれば
“売上げはさほど下がらない”」

コラムの結論。
「利益を出すのが難しい時代、
コスト削減は大切だ。
だが、現場の工夫や乗客の期待まで
削ることになっては得策とはいえまい」

「車内販売に限らないが」

同感だ。

客数減、人手不足。
だからコスト削減。

しかし、
現場の工夫と顧客の期待まで、
削ってはいけない。

客数が少なくても、
お客さんにじっくり対応すれば
“売上げはさほど下がらない”

彦根からの帰り道で、
改めてそんなことを思った。

考え終わって、
疲れきって、
ずっと寝ていた。

だから車内販売には、
まったく気づかなかった。

〈結城義晴〉

2019年03月15日(金曜日)

平和堂第17団アメリカ研修会事前講義の「時代観と反骨と勇気」

㈱平和堂本社HATOC(ハトック)。DSCN9453-1
「平和堂」の社名は、
夏原平和さんの名前に由来する。
現・代表取締役会長。

創業者はその父上の、
故夏原平次郎さん。

夏原平和さんは、
1944年9月15日の生まれだから、
戦中派。

太平洋戦争はその誕生の1年後に終結する。
まさに「1億総特攻」「1億総玉砕」など、
悲惨な戦意高揚が叫ばれた時代に、
平次郎さんは生まれた長男に、
「平和」と名づけた。

なんという時代観、
なんという反骨精神、
なんという勇気だろう。

そして戦後に始めた自分の商売に、
「平和」の屋号をつけた。

時代観と反骨と勇気が、
チェーンストアへとつながった。

一昨年2016年3月1日に60周年。
いま、「百年企業」を目指す。

エントランス壁面の絵。
36人の人間と108羽のハト。DSCN9391-1

プロバスケットボールチーム、
滋賀レイクスターズ。DSCN9390-1
平和堂はbリーグのこのチームの、
オフィシャルパートナー。
夏祭りやクリスマスイベントなど、
コラボ企画の時にも協力してもらう。

今日はアメリカ研修事前講義。
4月の第17団に対してはガイダンス。
昨年10月の第16団は報告会。DSCN9394-1
商人舎と結城義晴は、
「知識商人の養成」を標榜している。
この平和堂のアメリカ研修も、
その一環である。

午前中は事前講義。
2011年から始まって、
春と秋に40人ほどの米国研修をする。
それが9年目に入って、第17回目。
17団ともなると、
店舗では店長、店次長は終了して、
ほとんどが主任クラスとなる。
バイヤーも若手中心だ。

だから講義は基本から、
丁寧にわかりやすく語る。DSCN9395-1

この視察研修の目的、
知覚しておかねばならない基礎データ。
ウォルマートとアマゾンを中心に動く、
アメリカ市場の最新動向など。
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今回は店舗視察の考え方と方法を、
特に詳しくレクチャーした。
彼らにとって一生の勉強法となるからだ。
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昼食はHATOCの社員食堂で、
ハンバーグランチ。
ご一緒したのは、
平松正嗣社長と夏原行平専務。
情報交換を兼ねたランチミーティング。

そして午後は、第16団の報告会。

17団のメンバーに加え、
平松社長をはじめ経営幹部、
地区長などが参集。DSCN9410-1

はじめに16団副団長のあいさつ。DSCN9414-1

玉垣寛さん。
SM営業部SM第五エリアマネジャー。DSCN9413-1JPG

米国視察から帰国したら、
チームごとにイノベーションに取り組む。
6班がその成果をそれぞれ発表する。

第16団の取り組みテーマは3つある。

共通のテーマ、
班ごとのテーマ、
そして個人が実践したテーマだ。DSCN9415-1

スライドで取り組みを報告して、
その成果を発表する。

1班が15分の持ち時間で、
2班ずつ発表する。
DSCN9420-1

その後、参加している地区長や
本部長から具体的で鋭い質問が飛ぶ。
DSCN9421-1

2班の発表と質疑応答が終わると、
結城義晴の総括。
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もちろん質問だけではなく、
指摘や指導がこの場でなされる。
DSCN9424-1

これを3回繰り返して、
全6班の発表が終わる。

午後1時から始まって、
発表は4時まで続く。DSCN9425-1

最後に全体の総括。DSCN9426-1

私は今回の取り組みを評価しつつ、
平和堂全体のイノベーションに対して、
3つの観点から分析し、指摘した。DSCN9429-1

前回派遣されたメンバーの報告を聞いて、
次に派遣されるメンバーが、
その上のレベルの取り組みに挑戦する。

数珠つなぎのように、
これが8年間、16回、
連綿と続けられてきた。

それが平和堂の進化に貢献した。

平和堂のアメリカ視察は、
ダラスとサンフランシスコの2都市。
同じ地で、同じ企業の店を見る。

それがすでに16回、630名を超える。
共通認識ができあがって、
改善・改革への協力体制が出来上がる。
DSCN9428-1

第16団団長の廣政久美子さんのあいさつ。
初の女性団長として、皆を統率した。
DSCN9432-1

最後の最後は平松社長の総括。

平松さんは、
PDCAに関してもコメントした。

Planに時間をかけるのではなく、
Doを素早くしなやかに、
Checkでブレーキをかけることなく、
アクションをスピーディーに。
現場の旺盛な意欲の大切さを強調した

「とっとと、やろう。
だめならすぐやめる」

実にいい総括だった。DSCN9437-1

1カ月後に出発する17団のメンバーは
班に分かれて視察の目的やテーマを、
ディスカッション。DSCN9459-1

一方、16団のメンバーは、
社員食堂で懇親会。
乾杯の音頭は上原秀郎さん。
平和堂和迩店店長・第1班班長。DSCN9456-1

ここでは班ごとに、
視察のときの写真を写して、
楽しい思い出を語り合う。DSCN9458-1

私は途中で抜け出して、
第16団の6班の視察テーマ発表を聞く。DSCN9461-1

そしてそれぞれのテーマを講評し、
視察の心構えを語る。

ここで指摘するのは、
Serendipity。
決めた目的でも、
途中でこちらの方がいいと思ったら、
方向転換する姿勢を持つこと。DSCN94639

私の隣から第17団のリーダー。
阿部千博団長と野村博副団長。

阿部さんはGMS営業部長、
野村さんはアルプラザ長浜支配人。

必ず成功させましょう。DSCN9466-1

再び懇親会場。

大いに盛り上がって
一丁締め。

よ~!
DSCN9471.-1JPG

シャン!!
DSCN9472-1

恒例のハトッピーポーズで、
全員の記念撮影。DSCN94789

廣政団長、お疲れさまでした。
素晴らしいリーダーシップだった。DSCN9482-1

平松さん、今年もともに、
知識商人を育てましょう。
平和堂をいい会社にしましょう。DSCN9480-1
夏原平次郎の時代観と反骨と勇気が、
平和堂には貫かれていなければならない。

〈結城義晴〉

2019年03月14日(木曜日)

万代知識商人大学第4期開講講義の「ミッションとビジョン」

今日はホワイトデー。
世の男性陣は、さて、
きちんとお返しをしているのだろうか。

さて商人舎流通Supernews。
米国の2018年度決算が次々に発表されている。
今日は2社。

ノードストロームnews|
‘18通期増収増益/ラック業態3.5%増・ECは3割増

ロス・ストアーズnews|
’18年通期増収増益/売上高150億ドル・純利益17%増

アメリカのアパレルやノンフードは、
もうラック業態しか伸びないのではないか。
そんな気分になる決算だ。

日本の非食品分野はもっと深刻だが。

大きな節目が来ている。

さて昨夜大阪入りをして、
今朝は東大阪市の㈱万代本社へ。

万代知識商人大学第4期。
今日からスタートする。

本部の横に併設された会議棟が、
この企業内大学の校舎。
DSCN9302-1

第4期生は万代社員30名、
グループ会社のアドバンスから2名。
総勢32名。
DSCN9225-1

司会進行は津田睦さん。
人事部マネジャー。
DSCN9354-1

初めに開講式。

阿部秀行社長が
第4期生たちに向けてメッセージ。
DSCN9230-1

「自分の可能性にチャレンジし、
周りの皆を巻き込んでいく。
そうしたリーダーシップを発揮して、
新たな挑戦をしよう」
期待を語った。

後列では経営幹部全員が見守る。DSCN9232-1

そして学長の結城義晴からのあいさつ。DSCN9234-1

皆、緊張しつつ、
真剣にメモを取る。DSCN9240-1

そして辞令の授与式。

阿部社長自ら、
辞令を読み上げて手渡す。
DSCN9243-1

一人ひとりの名前が読み上げられ、
32名全員が正式に、
万代知識商人大学第4期生となった。DSCN9244-1

営業部門から芝純常務が、
営業トップらしいメッセージを寄せた。
「愛される店づくりをしよう、
そして利益を上げよう」
DSCN9248-1

管理部門からは不破栄副社長。DSCN9251-1

不破さんはいつも、
含蓄のある話をしてくれる。
「五感を鍛えたうえで、
さらに物事の本質を掴む第六感を養う。
そのためにこの1年を一番勉強した年、
成長した年にしましょう」DSCN9254-1

無事に開講式を終えて、
今日の第1講義に入る。

今日一日のテーマは
「ミッションマネジメント」。

私は冒頭で、
商業近代化を唱えた倉本長治と、
ドラッカーの考え方を整理しつつ、
商業が果たすべき使命を講義。
DSCN9258-1

会社のミッションやビジョンこそ、
すべてのスタートとなるし基盤になる。
使命のない商売は続かない。DSCN9262-1

万代には二大ビジョンがある。
「日本一買い物に行きたい店舗
日本一働きたい会社」
このビジョンこそ、
行動の指針としなければならない。
DSCN9264-1
会社のミッションやビジョンは、
お経のように唱えているだけでは、
いけない。もったいない。

日々、道具のように使いこなし、
活用しなければならない。

そのことを強調して、
すぐに行動することを求めた。

そして改めて阿部社長が、
32名の幹部候補生に向けて、
万代のビジョンを講義。
DSCN9272-1

受講生たちにとっては、
社長や経営幹部から直接講話を聴く。
これが企業内大学の良さだ。DSCN9273-1

午前の講義を終えた阿部社長と、
日本のスーパーマーケットの最新情勢を、
意見交換。
DSCN9275-1

昼食は本社の下にある万代渋川店で購入。DSCN9282-1

一丁目一番地はサラダ野菜。
よりどり3個350円。DSCN9278-1

鮮魚の目玉は、
1尾100円のエビ。
DSCN9283-1

店内に大感謝祭の告知POP。DSCN9284-1

コロッケバイキング1個68円の売場。
DSCN9277-1
私はつくり立て牛焼肉弁当450円を購入。
もちろん、鯖鮨も。
ちょっと食べ過ぎた。

午後の講義は、
結城義晴が担当。

商売の使命・万代の使命と題して、
災害時の小売業の活躍から、
人間力経営までをスライドで講義。DSCN9289-1

さらにAIやビッグデータがもたらす、
小売業のイノベーションの方向性を示す。DSCN9291-1
ミッションマネジメントの要諦を、
さまざまな角度から、
2時間30分ほど講義。

最後は、結城義晴の文章法・訓練法を解説。

万代知識商人大学では、
毎月、レポートを提出させる。
最後は卒論を書く。DSCN9295-1

だから文章の書き方や体裁を、
月刊商人舎の私の記事を参照しながら、
ていねいに解説した。DSCN9297-1

2019年3月から2020年1月まで、
9回の講義とアメリカ修了ツアー。
1泊2日の合宿もある。DSCN9304-1

いよいよ始まった、
万代知識商人大学第4期。

創設者の加藤徹さんも、
開校式から講義まで、
ずっと聴講してくれた。
加藤さんは現在、
親会社の㈱万代油脂工業社長。DSCN9257-1
ありがたい。

そして講義を終えると、
あわただしく彦根に移動。

彦根城がホテルの窓から見える。DSCN9364-1

彦根では㈱平和堂のお二人と交流。
田中仁史さん(中)と本持真二さん。
田中さんは取締役食品統括、
本持さんは教育人事部長。
IMG_38629
田中さんの情報網はすごい。
しかもよく勉強している。
貴重な情報交換ができて、
実に有益だった。

まさにパラダイム転換の時だ。

〈結城義晴

2019年03月13日(水曜日)

「ドンキUNY業態転換」100店構想と「消費増税ポイント還元」

月刊商人舎3月号。201903_coverpage
おかげさまで、
月刊商人舎webコンテンツも、
アクセス数がうなぎ上り。

ありがとうございます。201903_contents

その好調ぶりは、
この2年間の出店スピードが示す。

ドン・キホーテUNYのダブルネーム化は、
昨2018年2月から始まった。

そして今年12月までになんと28店。

さらに2020年もそれが続く。

今日の商人舎流通Supernews。
ドンキnews|
2020年ユニーのダブルネーム業態転換店第1弾発表

2020年の2月に4店が転換。
⑴アピタ小牧(愛知県小牧市堀の内)
⑵アピタ岐阜(岐阜県岐阜市加納神明町)
⑶アピタ大口(愛知県丹羽郡大口町)
⑷アピタ市原(千葉県市原市青柳北)

2023年までの期間を目途として、
アピタ、ピアゴ約100店舗を、
ダブルネーム店舗に業態転換していく。

もう一つの、
ドンキnews|
ピアゴ転換の「MEGAドン・キホーテUNY伝法寺店」3/27開業

愛知県一宮市のピアゴ伝法寺店が、
MEGAドン・キホーテUNYに転換。

もう、ユニーがなくなって、
みな、ドンキに変わっていく。

なぜうまくいっているのか。
月刊商人舎でそれが解明される。

根本的な理由は、
不可逆性の転回。
じっくり読んでみてください。

今日は夕方、新幹線で西へ。
IMG_61749

富士の姿は見事としか言いようがない。IMG_61839
明日から頑張ります。

さて、日経電子版。
「消費増税ポイント還元」の記事。

今年最大の2つの変化。

第1は5月の新天皇即位、
第2は10月の消費税10%増税。

この増税に合わせて政府は、
キャッシュレス決済への、
ポイント還元を実施する。

期間は9カ月で、
10月1日から2020年6月末まで。
中小の飲食店や小売店の買い物代金を、
キャッシュレスで決済した消費者に、
国が5%分をポイントなどで還元する。
コンビニなどフランチャイズ店でも、
2%を還元する。

理由は2つ挙げられている。
第1は、増税後の消費の落ち込みを防ぐ。
ポイント還元して消費を喚起するらしい。

第2は、キャッシュレス決済比率を上げる。
なぜキャッシュレス比率を上げるのか。
「欧米よりも低いから」と表現されるが、
まったく理由になっていない。

しかしキャッシュレス比率が上がると、
税収が増えると言われる。

欧米ではそれが証明されている。

だから経済産業省は12日、
この制度に参加する事業者に対して、
登録受け付けを始めた。

そしてこの事業に対してまず、
大手カード会社5社と、
非金融系の決済事業者5社が参加する。

合計10社。

日経の取材。

カード会社では、
JCB、楽天カード、三井住友カード、
三菱UFJニコス、クレディセゾン。
5社のカード取扱高合計は、
国内の過半を占める。

だから他のカード会社も追随する。
20160110_cover_01

非金融系の決済事業者は、
ペイペイやNTTドコモ、メルカリ、LINE、
そしてスタートアップのオリガミ。

話題のペイペイは、
ヤフーとソフトバンクの出資企業。

この事業によって消費者は、
クレジットカードやQRコードなど、
多様な決済サービスで還元が受けられる。

しかしこれまで、
経産省とカード業界との調整は、
難航していた。

その理由。
第1に、中小店舗での決済だけに、
5%が還元される。
それが政府の方針。

しかしカード会社のシステムは、
加盟店の識別が規模別になっていない。
だからそのための大幅改修が必要だ。

経産省が共通システムをつくる。
カード会社側の負担が軽減される。

第2位の壁は手数料問題。

政府方針は、
加盟店から受け取る手数料に、
上限を設けていた。
その上限は3.25%。

しかしカード会社は、
信用力の低い加盟店には、
5%を超える高い手数料を設定している。

そこで政府は手数料の上限設定に関して、
恒久措置にすることを見送ることにした。

中小企業の定義も明確ではない。
弥縫策を講じる。

政府は必死だ。

キャッシュレス化によって、
税収が増える。

2015年の調査だが、
日本のキャッシュレス比率は18.4%。

アメリカが45.0%、
イギリスが54.9%。

フランスは39.4%、
ドイツに至っては14.9%。

韓国が89.1%、
中国が60.0%。

「欧米並みに」という理由だけで、
非現金化比率を上げるのが、
そんなに意味があるのか。
そして税収が増えるのか。

ドイツの14.9%という数字も、
反対の意味で、の説得力がある。

キャッシュレスは便利だし、
消費者にとっては、
現金を引き出す手間が省ける。
私自身、その比率が増えている。

店の側はレジのコスト削減ができる。
これは小売業やサービス業にとって、
大きなメリットだ。

昨日の日経新聞コラム「大機小機」
タイトルは、
「拝金主義と国債」

「日本の財政状況は最悪だ。
本年10月の消費増税は避けて通れない」

その通り。

財政破綻寸前の現状で、
国債を増やし続けて賄っている。

そしてこのままでは我が国の国債は、
税金で返済しきれない規模に膨れ上がる。
「財政が破綻して、国債は価値を失う」

「莫大な量の金融資産」が信用を失って、
それが一斉に、
「物やサービスの購入に向けられたら、
物価が高騰して円が価値を失い、
市場取引が滞る」

「ところが、国民が、
お金を使わず持ち続けるなら、
金融市場は破綻しない。
国民が拝金主義を徹底すれば、
国家財政も金融市場も支えられる」

不思議な現象が起こる。

現状は、
「家計の金融資産保有額が増大し続けても
消費増に結びつかない」

健全な消費を生み出すには、
まずは財政破綻を避けるべきだ。

だから消費増税はすべきだ。

しかしその時に、
小賢しい弥縫策はいただけない。

健全な消費は、
公平で公正な競争の中からしか、
生まれない。

〈結城義晴〉

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