結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年06月25日(火曜日)

糸井重里の「文章の覚悟」とドラッカー「ドキドキワクワクする仕事」

インターネット新聞『ほぼ日』。
糸井重里さんが巻頭言を書く。
「原稿用紙に、
鉛筆で文字を書いているころは、
あとで消したり直したりする手間のことを考えて、
もう少し慎重に文章を書いていた」

私はいまだに、長編の記事は
原稿用紙に万年筆で書く。
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短編やブログは、パソコンを使う。

だから原稿用紙は、
「結城義晴」専用。
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万年筆は現在、
太字のモンブランと、
細字のペリカンを併用している。

糸井さんは手書きの良さを強調する。
「うろ覚えの漢字があるときには、
はっきりと手が止まり、
辞書をひいて、
そいつをじっと眺めて書き写した」

「ある程度書き進めたところで、
気に入らない部分については、
二本線を引き
その文章をなかったことにして、
すぐ横に直した文を書いた。
それもうまくないなと思ったら、
さらに消して、書いた」

この後、凸版印刷の植字工の苦労、
オフセット印刷の写植の面倒さなど、
語られる。

私もこの世代の編集者、記者として、
若い頃を過ごした。

「ここまでで、十二分に面倒くさい。
だから、文章を書くということに
覚悟がともなった」

同感、私も覚悟して書いてきた。

「そうやって記事やら、
本やらが出来るというわけだから、
活字になるということに
資格や価値が感じられた。
本のありがたみというには、
そういう背景がある」

まったくその通り。

「いま、気軽にタイピングして、
消したり直したり、
印刷したりがいくらでもできるという時代に、
本が軽く見られるようになっているのも、
ま、そりゃ当たり前のことだなぁと思う」

最後に一言。
「線で文字を書くということは、
土を耕すことによく似てる」

だから私も原稿用紙と万年筆は、
死ぬまで使おうと決めている。

モノを考えるとき、
この組み合わせは必須だ。

文学者はもとより、
学者も政治家も、
官僚も経営者も、
ものが書ける人は、
「耕す」ことを心得ているのだろう。

そういえば、
㈱プラネット会長の玉生弘昌さんが、
本を書いた。
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ご自身、5冊目の執筆。
第Ⅱ章は、「問屋有用論」の数学的証明。
これが実に鋭くて面白い。

大いに勉強になる。

さて昨日今日、忙しかった。
昨日は㈱紀文食品で、
専務の高市泰明さんと対談。
月刊『食品商業』誌面の9月号掲載予定。

紀文の浜松町駅にほど近い海岸オフィス。
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1階の会議室で1時間半ほど対談。
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カメラマンとライターがいる。

㈱商業界の営業担当もいる。
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私の後ろには、大勢の関係者。
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そんな状況の中で、
髙市さんと私は、
コモディティとノンコモディティから、
新製品のマーケティング、
ロングセラー商品の重要性、
プロモーションと生活提案、
そして小売業とメーカーのコラボレーションなど、
大いに持論を展開し合った。
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高市さんの豊富な経験に、
触発されることも多かったし、
勉強になった。

感謝したい。

会議室の隣のキッチンスタジオ。
試食やメニューづくりが行われる。
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玄関を入ると創業者・保芦邦人氏の胸像。
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その視線の先にあるのが
保芦さんが愛用したイタリー製オートバイ。
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1929年モデルのモトグッチ・ファルコーネ。
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「グッシュ」と名付けたマシンで保芦さんは、
これに跨って各地を飛び回った
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いまでも車検を受け、
ナンバープレートをつけている。
だからいつでも走り回ることができる。
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こんなお宝を見るだけでも、
海岸オフィスに行く価値はある。

その後、日暮里。
一般財団法人ワンアジア財団。
評議員会と理事会。
私は評議員。
まあ、財団の監査役のような役目。

この財団はアジア各国の大学に助成することを、
一つの大きな機能としている。

日本、韓国、中国をはじめ、
台湾、モンゴル、インドネシア、タイ、
カンボジア、ベトナム
香港、シンガポール、
キルギス、カザフスタン、スリランカ、
そしてロシアの300の大学に、
ワンアジア共同体の講座を設けて、
助成活動をしている。

意義ある仕事が展開され、
私も微力ながら、
何らかのお手伝いが出来ればと考えている。

その後、立教大学池袋キャンパス。
7号館203教室で、
F&Bマーケティング講義。
今年は16人の履修生。

プライベートブランドについて、
集中的に語った。
授業が終わってから、
暑気払い。
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大いに盛り上がった。

締めの言葉で、
私は全員に言った。
「ドキドキワクワクする仕事をしよう。
ドキドキワクワクする研究をしよう」

社会人MBAの大学院。
みな、仕事をしながら、
必死の思いで勉強し、研究する。

それだけで貴重なことだ。
日本の学生はみな、
一度仕事についてから、
もう一度、大学院で勉強したらいいと思う。

その仕事と学問に、
どちらもドキドキワクワクして取り組めたら、
意義のある人生を送ることができるに違いない。

ピーター・ドラッカーが、
ジャック・ウェルチに会った時に言った。
ウェルチはゼネラル・エレクトリック前CEO。

「あなたの会社は何でもつくっている。
世界中に進出している。
しかしあなたたちが、
ドキドキワクワクする仕事だけに集中しなさい。
ドキドキワクワクしない仕事は人に任せなさい」

ここからウェルチは、
「選択と集中」のコア・イデオロギーを導き出した。

院生諸君には、是非とも、
ドキドキワクワクとともに、
モノを書く習慣をつけてもらいたい。

「文章力は人生を豊かにする」

〈結城義晴〉

2013年06月24日(月曜日)

超多忙な日々を送りつつ東京都議選のポピュリズムを憂う

Everybody! Good Monday!
[2013vol25]

2013年ももう、
半年を過ぎようとしている。
6月第5週の最終週。
来週月曜日から7月。

梅雨は真っ最中だが、
今年は雨が少ない。
空梅雨に葉擦れの音も乾きけり
〈朝日俳壇 神戸市・涌羅由美〉

商人舎magazine。
そのなかにWeekly商人舎があるが、
火曜日の常盤勝美の2週間ウェザーMD予報は、
人気の予報記事だ。

それによると、今週は、
北日本~東日本付近では、
しばらくはまとまった雨はなく、
晴れ間の見られる日が多い。

西日本方面では梅雨前線の活動がやや活発。
梅雨らしく雨の降りやすい天気の日が多いが、
気温はせいぜい平年並み。

この後、気象とMDに絡んだレクチャーが続く。

商人舎ホームページの、
2週間天気予報もいいが、
商人舎magazineの方が、
より専門的で、中身も濃い。

さて今週は、
梅雨まっ只中ではある。
しかし万緑の河畔あくまで緑。
万緑をゆつくり歩き拭く眼鏡
〈日経俳壇 燕市・池田勝栄〉

そろそろ梅雨明けが気になるが、
今年は全国的に平年並になる見込み。
だから本格的な夏の訪れは、
西日本~東日本で7月中旬、
北日本で7月下旬。

西日本、東日本はまだ3週間、
北日本で4週間、
梅雨は続く。

ちなみに2年前の震災を、
「東日本大震災」と呼ぶが、
気象用語では、
東日本は関東と中部地方を示し、
北日本が東北・北海道をいう。

だから「東日本大震災」の呼称は、
気象用語とは異なる。

私はいまだに「東北関東大震災」と、
名づけたほうが良かったと思っている。

今週は、だからまだまだ梅雨、
しかし百貨店の中元商戦は、
今週の28日から、
そごう・西武によって、
その幕が切って落とされる。

「早仕掛け」がここでも主流。

「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」
今週も、変わらぬ、一大トレンド。

私の今週は相変わらず忙しい。
何より月刊『商人舎』7月号の最終締め切り。

今日の月曜日は、
午前中、㈱紀文食品で、
髙市泰明専務と対談。
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そして営業推進室の皆さんと情報交換しつつ昼食。
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右から営業推進室長の飯嶋雄次さん、
髙市専務、
副室長の山本真砂美さん。

午後、ワンアジア財団の評議員会・理事会
私はこの財団の評議員。

その後、立教のF&Bマーケティング講義

明日火曜日は、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱の、
定時株主総会。

水曜日は万代ドライデイリー会総会で講演。
木曜も大阪にいて、
金曜は東京で、
日本スーパーマーケット協会総会

そして土曜日は、
横浜市立宮谷小学校同窓会
午後、立教RBS結城ゼミの研究発表会

もうちょっと、もうすこし、
そう考えて頑張ってきた。

あの角まで、
あの角まで、
そう思って走る、歩く。

そうしながら、ずいぶん、
長い道を歩んできた。

でも、もうすこし、
もう、ちょっと。

でも時には、こんなことも。

人生を投げ出したかに昼寝せり
〈朝日俳壇 栃木県壬生町・あらゐひとし〉

ついでに面白い一句。
気の小さき青大将のでかさかな
〈朝日俳壇 茅ヶ崎市・森山吐鬼〉

動物に限らない。
人間にも、こんな輩は多い。

さて東京都議選
自民党と公明党が圧勝。
なんと第三党に共産党が入った。

これこそニュースだろう。

民主党は共産党にも負けて、
日本維新の会も敗北。

1年や3カ月で、
こんなにも政党支持率が激変する。

これこそポピュリズムの世界に、
わが日本があることを証明してしまった。

民主党の海江田万里代表、
「参院選は一丸となって戦い抜く。
私も先頭に立つことを決意表明する」

日本維新の会の石原慎太郎共同代表、
「陣営を組み直すわけにいかない。
関ケ原の決戦が迫っている」

どちらも続投する考え。

しかしこのポピュリズムが蔓延していることは、
商売やビジネスを組み立てるうえでも、
充分に承知しておかねばならない。

「ポピュリズム」とは、
「情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、
その支持を求める手法、
あるいはそうした大衆の基盤に立つ運動」

<『知恵蔵』より>

私は2011年12月のこのブログで、
以下のタイトルで書いた。
「2012年は『ポピュリズムの季節到来』と『正月の営業』、
そして質問『賃金と人件費は上げるか、下げるか』」

何だかそれはまだまだ続いて、
むしろエスカレートしているみたいな気がする。

これには気をつけねばいけない。

単なる人気取りはいけない。
じっくりと信用をつくっていく時。

天気が確定しない時期、
信用や暖簾を大切にしたい。

では、みなさん。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2013年06月23日(日曜日)

ジジと夏至の頃[日曜版2013vol25]

ジジです。
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おとといは夏至。
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1年でいちばん、
夜がみじかかった。
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そして、いちばん、
昼がながい。
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お日さまも、
たかい。
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だから、朝、
あかるくなるのも、
はやい。
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空梅雨だから、
いがいに、
いい季節です。
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緑は濃く、
深くなってきました。
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rikkyoのイチョウ。
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幹はふとい。
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イチョウは、
おとうさんのともだち。
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葉がたくさん茂ってきた。
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ボクも。
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毛がふえてきた。
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もごもごしている。
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もうすぐ、カットしましょうか。
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キャンパスの緑。
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ツタがからまる。
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夏至のころのツタ。
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いきおいのいいツタ。
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でも、これから、
日が、みじかくなる。
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そうして、季節は、
うつりかわっていきます。
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しずかな、
夏至のころの、
日曜日です。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2013年06月22日(土曜日)

メディアの「巻頭コラム」を思いつつ、「元気を出そうよ」

今日は立教大学池袋キャンパス。
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大学時代には都の西北に、
こんな頻度でやってきただろうか、
こんなに足しげく教室に通っただろうかと、
思いを巡らす。

それに立教にはもう、
10年も通っている。
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蔦の絡まる本館。

兼任講師時代と特任教授になってから、
指折り数えるともう10年を超える。

こちらのほうが早稲田よりはるかに、
長い付き合いになった。
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ありがたいものだ。

この銀杏も私の友達。
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今日はその立教ビジネスデザイン研究科の、
結城ゼミ。

来週はこの第5期生のゼミで、
研究成果発表が行われる。

結城ゼミにはOB会があって、
もう23人のOB・OGがいるけれど、
その人たちが聴講に訪れる。
質問をしてくれたり、
意見を言ってくれたり、
指導をしてくれたり。
これもありがたい。

毎年毎年、結城ゼミは、
大学院のそれとしては大所帯で、
だから私はこのOB・OGの力を、
最大限、借りようと考えている。

彼らもほとんどが、
自分の研究生活から離れ、
おのおのの仕事にまい進している。
その意味で現役の研究生の報告を聞くことは、
勉強にもなるし、刺激にもなる。

来週が、ほんとうに楽しみだ。

今日は結城ゼミが終ってから、
第5期生との暑気払い。

そこに1年次の院生が加わって写真。
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偶然にも参加してくれたのは、
F&Bマーケティングの履修生。
たのしいひとときだった。

さて今日はメディアの巻頭言について。

朝日新聞の『天声人語』はあまりにも有名。
しかし私は毎日新聞の『余禄』も、
日経新聞の『春秋』も、
もちろん読売新聞の『編集手帳』も読む。

世間一般では、
『天声人語』の評価が高すぎる。
『春秋』も『余禄』も『編集手帳』も、
それぞれに特性をもっていて、
それぞれによろしい。

コラムの書き手は、
ほとんどが私の同年輩の新聞記者。

わが月刊『商人舎』は、
表紙にCover Messageを入れて、
さらに巻頭コラムは、
「Message of June」として書く。

商人舎公式サイトでは、
[毎日更新宣言]を巻頭に掲げるが、
これはコラムではない。
しかしもう、この8月で、
まるまる6年となる。

月刊『商業界』の巻頭言は、
ずっと倉本長治主幹が、
意志を持った味のある文章を綴っていた。
現在は、倉本初夫主幹が書いている。

『販売革新』は、創刊以来、
巻頭コラム「Editor’s Voice」があった。
いつの間にかそれは消え去ってしまって、
今は何もない。

私などちょっと古いのかもしれないが、
巻頭言がない月刊誌は、
何にも主張がないような気がして、
ただの情報誌としか思えない。

私が編集長、編集統括、社長の頃は、
毎月、この「Editor’s Voice」に、
特別の意志を込めて、
書き続けた。

月刊『食品商業』は、
初代編集長の今西武さんの時にも、
二代目編集長の小島稔さんのころも、
巻頭言はなかった。

三代目の結城義晴が、
「Message」と題した巻頭言を始めて、
名物となった。

私はこれを書き続け、
㈱商業界の社長の時に、
そのままタイトルを『Message』として、
単行本にした。

この本の最初のMessageは、
「元気を出そう」

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気をふりまこうよ。
それがあなたの役目です。

冷夏・残暑で売れなかった。
それはお客さんの元気がなかったからか。
暖冬でまたまた売れなかった。
お客さんたちが買うことに疲れたからか。

いいえ、そうではありません。
お客さんには欲しいものが見出せなかった。
買いたい気分が生まれなかった。
商品やサービスにがっかりした。

あなたの元気は商品に乗り移る。
あなたの元気は店を活気づかせる。
あなたの元気はお客さんを励ます。
仲間を、取引先を勇気づける。

元気とは心の躍動です。
元気とは強いコミュニケーションです。

天気は人間の力ではどうにもならない。
景気も組織の力で動かせない。
しかし元気だけはあなたの力で生み出せる。
そう、元気は自分で何とかなる。

だから、元気を出そうよ。
それが今、あなたの仕事です。
元気をふりまこうよ。
それがあなたの役目です。

さて『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭言は、
「今日のダーリン」。
これはインターネット新聞。
糸井重里さんが毎日、自分で書く。

「15年以上も、毎日、
ここの文章を書いているというのは、
尋常なことではない」

凄いことですね。
15年。

「つまり、ふつうの人は
やらないことだ。

だから、ときどき、
エライでしょという気持ちになる。

1日も休んでませんというのを、
自慢したくもなる。

皆勤賞だって、
15年になったら
ちょっとしたものだ。

と、そういう気持ちが前に出てると、
やっぱり嫌らしい。
黙っていられない男というのは、
自惚れられるようなものではないのだ」

このあたり、
自嘲気味に述べるのが糸井流。

「『よく、毎日、しゃべることがあるね』
と言われるのは、
感心されているのではない、
呆れられているのだ。

どうでもいいことを、
ぺらぺらしゃべるのは芸である。

しかし、
どうでもいいわけでもなさそうなことを、
毎日毎日、
飽きもせずに書いていることは、
ただの『おしゃべり野郎』だと思う。

ほんとに、
インターネットが発達したせいなのか、
まことに、浮塵子(うんか)のごとく
『おしゃべり野郎』が発生している。
それを言い立てているわたし自身が、
そのひとりだ」

結城義晴もその一人で、
いわば同行の志。

「じぶんのことだけに、
そう嫌いになるわけにもいかない。

しかし、『おしゃべり野郎』が、
自慢しちゃぁいけない」

サトカメ専務の佐藤勝人さん、
書いている。
「毎日、ブログを書いていると、
宣伝か自慢話になってしまう」

その通り。
佐藤さんには、
自覚症状があってよろしい。

糸井さんの結論。
「そう思い立ったので、
今日は謝っておくことにしよう。

毎日毎日、
勝手なおしゃべりを
続けてまいりまして、
ほんとうに申しわけありません。

これからも、
そういうふうにしか
生きられないのですが、
こまめな『おしゃべり野郎』は、
沈黙の重みに
敵わないものであることを肝に銘じ、
謙遜に生きていくようにいたします」

拍手拍手。

「‥‥ああ、ちょっとすっきりした。
『よくしゃべるもの』
『うまくしゃべるもの』が、
ほんとうは金になれない
銀までの存在であるということ、
ちょっと言ってみたかったんだよねー」

糸井師匠に座布団三枚。

まったく同感です。

私も糸井師匠と同じく、
謙虚に生きていくようにします。

だから明日は、
私の代わりにジジが語ります。

おあとがよろしいようで。

〈結城義晴〉

2013年06月21日(金曜日)

「流通ガイドライン」見直しと㈱たいらや村上篤三郎さんの交遊抄

今日の商人舎magazine。
Weekend News Summary。
22年ぶり「流通ガイドライン」見直しと
メーカー価格指定復活は
「客のため」になるのか?!

かつてはメーカー希望小売価格なるものがあった。
標準小売価格といったりした。

希望小売価格とは、
商品を製造するメーカーなどが
設定する販売参考小売価格。
そこから何割割り引くか。
それが安売りのやり方だった。

家電も加工食品も菓子も。

もちろん酒などは強く統制されて、
全国どこでもビールは同じ値段だった。

それが1991年に、
いわゆる「流通ガイドライン」ができて、
変わっていった。

正式にはこういう。
「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」
(平成三年七月十一日公正取引委員会事務局)
改正 平成十七年十一月一日

経済産業省と公正取引委員会は、
この「流通ガイドライン」を、
22年ぶりに見直そうとしている。

そのために経産省が開催しているのが、
「消費インテリジェンスに関する懇談会」
有識者が集って議論している。

米倉裕之さんがその委員。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱社長。
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商人舎magazine5月号でも
2本の記事を担当執筆してくれた。
①FSPテクノロジーのABC
「顧客ID付POSデータ活用法を明かす」
②リテールCRM最前線
「小が勝つ」時代とMeコマース!

いわば商人舎ファミリーのひとり。
米倉さんの大活躍は嬉しいが、
この件に関する考え方や状況変化を、
今週のWeekendnewsSummaryが、
ダイジェストした。

それからDaily商人舎は、2本。
①食品表示法成立! 15年春から施行へ

これは1カ月前のDaily商人舎のニュースのつづき。
食品表示法一本化によって、
現場の仕事がまた変わる。

②ロサンゼルス市、レジ袋を全面廃止に

いずれも重要なニュースだ。

さて朝日新聞の経済コラム『経済気象台』
日経新聞のコラムなどに比べると、
どうしても素人っぽさが抜けないが、
時にその素人っぽさが、
素朴な鋭い指摘になっていたりする。

今日は「コンビニの向かう先」

今日のコラムも、
コンビニが誕生してからの40年を、
素直な驚きをもって書いている。

全国で5万店を超え、
年間売上高は9兆円を超える。
サービス機能も充実。

それによってさまざまな影響が出た。
例えば、自動販売機台数は、
2000年から2011年までに10%減少、
販売金額は4分の3に減った。

昨年度の決算では、
セブン-イレブン、ローソン、ファミマ、
いずれも過去最高営業利益。

しかし既存店売上げは、
伸び悩んでいて、
だからカップコーヒー販売や、
飲食スペース併設を始めた。

これまで八百屋などの専門店や、
自動販売機の代替機能で伸びてきて、
こんどはスタバやタリーズの領域に
進出しようとしている。

ああ、すごいなあ。
「コンビニの機能は、
どこまでのびていくのであろうか?」

そんな記事。

この欄は、
第一線で活躍する経済人や学者が書く。

しかし業種間・業態間競争によって、
代替されていくのは当たり前のこと。

ある業態が驚くほどの伸びを示すならば、
それは取って代られる既存業種や業態の
衰退のスピードが速いから。
ある業態のサイズが大きければ、
取って代られる既存業種や業態の
市場規模が大きいから。

日本のコンビニの成長は、
それが奪ってきた業種店の
衰退スピードと市場規模に、
裏打ちされたものである。

食品スーパーマーケットこそ、
かつての商店街の八百屋、魚屋、肉屋、
そして公設市場の代替機能だった。

その代替するマーケットが縮小してくると、
成長のスピードは衰える。

その点、タイや中国の伝統市場、自由市場は、
まだまだ強大なマーケットだ。

だから彼の地のスーパーマーケットは、
将来的にはスピードアップしつつ、
巨大なマーケットとなるに違いない。

半分水が入っているコップの話。
ああ半分も入っていると考えるか、
まだ半分空だと思うか。

コンビニ業界はいつも、
間口をあけて、
あっちもこっちも、
水は半分空だと考えている。

スーパーマーケット業界は、
あっちからもこっちからも、
半分水が浸水してきたと考えすぎる。

そのマインドにおいて、
コンビニが勝り、
スーパーマーケットが劣る。

そんなことを考える。

さて日経新聞の『交遊抄』に、
村上篤三郎さん登場。
㈱たいらや社長。
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このブログの常連で、
商人舎ファミリー。
商業経営問題研究会メンバー。

「ある体験を思い出すと身震いがする。
30歳代半ば、
西友ストアー駒沢店の店長を任された。
本部から視察に来た常務が
目にしたのは不良在庫の山。
段ボールのホコリをサーッと指でかき取り、
常務は私のワイシャツに擦りつけた」

この表現力、
村上さん、
ただ者でないことがわかる。

「殴られこそしなかったが、
これほど商品管理の大切さが
身に染みたことはない。
その常務は中島侑三さん」

村上さんの交遊抄は、
中島侑三さんとのエピソード。

危機管理に当たった企業戦士の中島さん。

「人が助けてくれると思うな」。
危機管理は1人の責任者が自己完結し行動せよ。
それが中島さんの持論。

「経営に携わるようになった私は
その言葉の重さをかみしめている」

現在は、リタイアし、
世界遺産を描く画家として活躍。
「頂いた絵を見るたび、
厳しくも優しい先輩の忠言が心に響く」

かつての西友は、
素晴らしい人物を輩出した。

村上さんもその一人だが、
私にも上野光平先生をはじめとして、
西友には素晴らしい先達が多い。

何しろ私はかつて、
西友ストアー時代の課長研修に、
特別参加した経験を持つ。

実は西友通のジャーナリストでもあった。

現在の㈱アップルランド社長の小磯恵司さんは、
その課長研修の同期生。

村上さんの交遊抄を読みながら、
懐かしい日々のことを思い出した。

今日は商人舎ファミリー活躍の日だった。
うれしかった。

〈結城義晴〉

2013年06月20日(木曜日)

山口毅君の起業を祝う会の「生きる。見る、聞く。書く、語る。考える」

サッカー・コンフェデレーションズカップ。
日本はイタリアに4対3で惜敗。

おわりのところだけちょっと見たが、
細かいパス回しはとてもよかった。

しかし点取り合戦になると、
どうしても弱い。

互いに得意の試合展開ではなかった。

善戦と惜敗。

残念ながら、
そこまで。

今日の商人舎magazine。
Daily商人舎がいい。
「そごう・西武の今夏バーゲン早仕掛け6割増」

今年の夏の商戦、
かくて早仕掛け合戦と化す。

今日は体調が悪くて、
午前中は自宅のベッドで静養。

午後、東京池尻。
東邦大学医学部付属大橋病院。

視野検査。

白内障、網膜剥離、緑内障の右目。
三度の大手術の結果、
水晶体と硝子体を除去して、
視力はほとんどない。

そのうえ、どんどん視野も狭まっている。
検査でそれが判明。

元気を取り戻して、
横浜の商人舎オフィスへ。

ちょこっと仕事して、
再び夕方から、東京・飯田橋へ。

ホテルメトロポリタン・エドモント。
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山口毅さんの起業を祝う会。
立教大学大学院結城ゼミ3期生。

山口君は、
特別の才能をもっている。

立教の社会人MBA第9期生のなかで、
その独特の才能によっていち早く存在感を確立し、
そして2月22日、起業した。
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まず、神妙な顔つきで、
山口君のあいさつ。

株式会社レゾーナ。
英語のresonanceに由来する造語。
「共感」「共鳴」「響き」
そして「余韻」といった意味を持つ。

お客様の心に響く商品。
共感・共鳴していただく商品。
感動の余韻を残していただく商品。

そんな化粧品を開発する会社。

私の音頭で乾杯。

この会には、
立教ビジネスデザイン研究科の同期生が、
参集した。

結城ゼミ3期生の岡本あゆ子さん。
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あかりちゃん。
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あかりちゃんを見ていると、
その未来と、この社会に、
希望が湧いてくる。

あかりちゃんに見つめられていると、
その透き通った瞳に、
心洗われる。

ありがとう。

その岡本さんが代表して、
山口君に記念品の贈呈。
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そして記念写真。
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ついでに小島貴子先生と私も、
プレゼントを頂戴した。
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右から山口君、
幹事の佐藤康裕君、
小島先生。

山口君に対して、
色紙に激励の言葉を書いた。

それは公開しない。
山口君にだけ伝わればいいから。

それから別の色紙に、
私自身の10年後の目標を書かされた。
こちらは公開してもいいでしょう。

「10年後の目標」
とにかく、
生きている。

見ている。
聞いている。

書いている。
語っている。

考えている。
考えつづけている。〈結城義晴〉

まあ、こんなところでしょう。

自分の色紙などもって、
全員で写真。
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山口毅とレゾーナ。

頑張れ。

最後に、
小林一茶の夏の句。
大の字に寝て涼しさよ淋しさよ
〈文化十年〉

人のなす罪より低し雲の峰
〈文政九年〉

人生は善戦と惜敗ではいけない。

〈結城義晴〉

2013年06月19日(水曜日)

篠原欣子の「綱渡りの日々」と『ハイフライヤー』の「一皮むける経験」

吹き飛ばされそうな強風。
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強風のパンチをかわす青りんご
〈現代俳句協会 長内博〉

月刊『商人舎』創刊から3カ月。
風が吹き荒れる中、今日は、
商人舎magazineサイトの打ち合わせ。

関係者が一堂にそろって、
17時から19時半まで。
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web解析ソフトを使って、
現状を把握しながら討論。
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さらにより良いものに仕上げます。

サイト構築のカギを握るのがこの二人。
㈱プラージュ社長の磯浩一郎さんと長谷川温子さん。
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実に、実り多い会議だった。
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右からWEBデザイナーの田中翔太さん、
プラージュの長谷川さん、磯さん。
そして私の隣が渋木克久チーフエディター。
一番左は、WEBコンサルタントの猪股信吾さん。

長谷川さんと猪股さんに、
座布団5枚ずつ。

これから1カ月、
商人舎magazineが、
また大幅にリニューアルされます。

楽しみにしてください。

今日のWeekly Special

「ライフ怒涛の出店!
川崎・中原井田店482坪の全貌」

商人舎ゼネラルマネジャー亀谷しづえ、
渾身の描き下ろし。

是非読んでください。
見てください。

写真60枚を使った最新店の全貌。

Daily商人舎は、2本。
①西鉄ストア、コンシェルジュサービス導入

②Wegmans本格イタリアン・レストラン開店

ますます充実。
商人舎magazine。

内容と見やすさと使い勝手。
全てよくなります。

さて、モーガン・マッコール。
南カリフォルニア大学ビジネススクール教授。

『ハイフライヤー』(プレジデント社)という本がある。

教授のことが、こう紹介されている。
「早期選抜、次世代リーダー育成、
そして経営者の脱線に関する研究の第一人者」。

リーダーシップの研究で注目されている組織が、
Center for Creative Leadershipだが、
この略称CCLの研究成果から、教授は、主張する。
「リーダーシップは
経験を通じて学ぶことができる」

そして導き出したのが、
Quantum Leap Experienceの概念。

翻訳者の神戸大学家内壽宏教授は、
「一皮むけた経験」と訳す。

『経営は「実行」』(日経新聞社刊)のなかで、
著者のラリー・ボシディは、
リーダーに必須の要素として、
「試練を潜り抜けること」と断じる。

試練に立ち向かう。
そして大きくジャンプするような経験を積む。

それがリーダーの要件となる。

日経新聞の『私の履歴書』。
テンプスタッフ創業者篠原欣子さんが主人公。
東証一部上場の人材派遣会社。
その創業の物語。

今日は、「女の底力 給与支払い、大わらわ」
創業間もないころの綱渡りの日々。
「1978年ごろの登録スタッフは約500人だった」

「客先で仕事をするスタッフの働く期間、
毎日の労働時間、時給などはてんでんばらばらだ。
各自の働いた記録は半月ごとに
郵送されてくる『タイムシート』に記されている。
それを一枚一枚見ながら
8時間の法定労働と残業時間にわけ、
時給と割増賃金をかけて賃金総額を算出する」

「そんな計算を4人の社員がそろばんでした。
間違いは許されないから何度も検算するが、
これもそろばんだ。
電卓はあったが高価だった」

「記帳に追われながらも、
顧客からの電話が鳴れば彼女たちも応対する。
毎晩、終電が当たり前。
電車がなくなるとタクシー代を支給した。
交通機関がストを構えたりすれば、
彼女たちは貸布団屋さんから借りた布団を
床に敷いて泊まり込んだ」

「こんな日々だったが
私は楽しくて仕方がなかった。

仕事に追われているという意識はなくて、
20代から30代の社員たちの口からも
『休みたい』とか『辞めたい』という
言葉を聞いたことがない」

「私たちは社長と社員ではなく、
固く結ばれたチームだった」

今、商人舎はこの一つのチームです。
そうありたいと考えています。

篠原さんはこうして、
試練を乗り越え、
一皮むける。
そんな経験をする。

『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭言。
今日はイノベーションの方法について述懐する。

「ぴょーんと高く跳ぶ前には、
ぐっと身を屈めます。
背伸びをした状態から、
ジャンプすることはない。
身を屈めている間は、
視線も低い位置にあるので、
遠くを見通せないとも言えるでしょう」

「ほんとうに大きなアイディアが出るときにも、
その直前には、
無力感に襲われることがあります」

「ほんとに『イノベーション』と言われるようなことは、
いままでのやり方ではできないので、
ふつうのアイディアを、
自ら却下してしまうわけです」

「そうすると、
なにもできてないという時間が過ぎていく。
落込みますよね、こういうのって」

「落ちこみとか無力感とかは、
知恵熱みたいなもの
で、
これなしには、
高さはつかめないんだと思うのです」

ここで糸井節。
「どうして、そんなに確信をもって言うか?
しょっちゅう、じぶんに、
そう言い聞かせてるからさ」

そして結論。
「すいすいすいっと、
好調を重ねてってできることと、
気持ちわるくなるほどの無力感のあとで
誕生を迎えるビッグアイディアと、
両方なんですよね」

まったく同感。

すいすいすいっとできることなど、
そうあるものではない。

とくに創業期には、
あっちこっち、迷い続ける。
それでも、とにかく忙しい。

その挙句、
落ち込み、無力感、
そして知恵熱。

しかしこの試練を超えて、
一皮むける経験の中から、
真のイノベーションが生まれる。

〈結城義晴〉

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