結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年07月12日(木曜日)

高知ハーティカード特別講演会とヤマダ・ベスト買収の「縮小拡大」

小雨の横浜シティ・エア・ターミナルから、
羽田空港へ。

ブルーチップ㈱常務取締役の松浦克幸さんと、
二人旅。

やって来ました。
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高知龍馬空港。

「ようこそ、高知へ」
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九州の熊本・大分ほどの大雨ではないが、
パラパラと雨。

「リョーマの休日」
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ダジャレだけれど、
これは許せる。

昼食は、回転寿司。
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「寿し一貫」
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高知のスーパーマーケット企業サニーマートの回転寿司業態。

店はウェットルックのピカピカの床、
クレンリネスが競争力になるくらいで、
しかも新鮮なネタと手軽な価格。
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とてもよい店で、
昼食を堪能。

待合スペースの片隅に、
ハーティカードのポイント交換機。
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ブルーチップが主催する高知県の地域ポイントカード。
その中心企業がサニーマート。
それが「ハーティカード」。

私は今日、このハーティカード特別講演会に出講。
テーマは「地域社会とマーケティング」
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15時から16時30分までの90分。

Prologueはパラダイムの転換。
まず、変わらないもの『商売十訓』から入って、
今日のお題二つ。
第一は「地域社会とコミュニティ」。
地域社会とコミュニティを私は二つの側面からとらえた。

ひとつは、商売上の地域発想。
もうひとつは、地域社会からの発想。

従来の「立地」や「商圏・商勢圏」、
そしてショッピングセンターも、
商売やビジネスから発想した地域社会の捉え方だった。

しかしアメリカのショッピングセンターが、
大きく様変わりしている。
「ライフスタイルセンター」の台頭とそれへの変貌。

ライフスタイルセンターは、
地域・コミュニティから発想したビジネスモデルだ。

私が捉える地域とコミュニティの代表例。
ハーティカードも、
この地域社会をとらえたポイントカード・プログラム。

第二のテーマはマーケティング。
ここでマーケティングの定義や、
フィリップ・コトラーのマーケティング・マネジメント、
そして田内幸一先生が主張したマーケティング・コンセプト発展段階。
1.生産志向コンセプト
2.製品志向コンセプト
3.販売志向コンセプト
4.マーケティング志向コンセプト
5.社会志向マーケティング・コンセプト

これがまさに今日のテーマ。
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マーケティングは、
マス・マーケティングから、
ワン・ツー・ワン・マーケティングへと移行してゆく。
そこからリレーションシップ・マーケティングが登場した。
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マーケティングは地域社会の視点へと、
昇華しはじめている。

ハーティカードは、
そのマーケティングの成果の一つ。

現在このカードは会員数約80万人。
今年4月段階で、
高知県の人口は80万4891人、
世帯数は34万3283。

赤ん坊から高齢者まで含めて、
全員が一枚ずつこのカードホールダーということになる。

なぜか。

一企業のポイントカードではなく、
地域の企業が集ってこのカードが運営されているからだ。

加盟店数209店。
その209店の扱い商品・サービスとそれぞれのシェアは、
食品、外食、ファストフード30.1%、
生活雑貨21.1%、交通・自動車・ガソリン13.9%、
電器・通信10.0%、本・CD/DVD8.1%、
ファッション・衣料・服飾雑貨6.2%、
美容・健康5.3%、スポーツ・アウトドア・レジャー・趣味2.9%、
そして不動産・建築1.0%となる。

地域の消費産業がこぞって、
このカードに参画している。

優待提携店数は79店、
そしてハーティお買得券提携店が549店。

顧客それぞれに溜まったポイントは、
これらの店舗のいずれでも使うことができる。

ある種の地域マネーの機能を果たすことになる。

約80万人のカードホルダーのポイント発行は、
約10億超にも及ぶ。

講演会のあと、
ハーティカード加盟店会懇親会。

その後、重ねて、
ブルーチップ、サニーマートの幹部の皆さんと、
夕食懇親。
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左からブルーチップ㈱常務取締役の松浦克幸さん、
㈱サニーマート営業本部長兼商品部長の玉井宏和さん、
私の隣はサニーマート代表取締役社長の中村彰宏さん、
ブルーチップ代表取締役社長の宮本洋一さん。
そして特販第三グループマネジャーの大西久司さん。
楽しい懇親だった。

さて、日経新聞は一面トップで、
「ヤマダ、ベスト電器を買収」の記事。
夕刊でも一面トップで追い打ち。
「ヤマダのベスト電器買収、一両日中に発表」

これによってヤマダは、
年商2兆円を上回る。
2011年度年商1兆8355億円、
前年比マイナス14.8。

家電第2位は、日本小売業10位のエディオンで、
年商7590億円。

前年比マイナス15.8。

次が第11位のケーズホールディングスで、
7260億円。

マイナス5.8。

家電第4位は、小売業12位の、
ヨドバシカメラ6715億円、マイナス4.1。

そして第5位で小売り13位に、
ビックカメラ6121億円、前年比プラス0.6。

6月にはこの第5位のビックカメラが、
第7位のコジマを子会社化して、年商1兆円弱。
第2位に浮上。

そこで第1位のヤマダは家電第8位のベスト電器を傘下に収めて、
第2位以下に 倍以上の差をつける。

分かりやすい。

ヤマダはベストの第三者割当増資をき受けて、
発行済み株式の過半を持つ筆頭株主となる。

取得額100億円超。

2011年の家電小売り市場規模は
約8兆5000億円、

前年から1割のダウン。

マーケットの急激に縮小する中で、
資本の統合が進む。

新製品がすぐにコモディティ化してしまう家電小売業分野。
そのコモディティは寡占化される。

アークス横山清さんが言う「縮小拡大」。
縮小する市場の中で拡大すると、
拡大幅以上の社会的地位と効用が生まれる。

ヤマダ電機は、マーケットシェア23.5%で、
悠々とクリティカル・マスの17%ラインを達成している。

<結城義晴>

2012年07月11日(水曜日)

GAP/OLD NAVY日本上陸と「スーパーマーケット再編」論議の本質

横浜は快晴のうえ、
風、強し。

もしかしたら梅雨は、
明けてしまっているのではないかと思う。

昨年も、いつ、
梅雨明け宣言が出るかと待っていたが、
確か、ずいぶん過ぎてから、
7月9日が関東の梅雨明けだった、
と宣言された気がする。

そんな今日は、朝から、
横浜市立白幡小学校へ。
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同校文化スポーツ事業の総会。
かつては学校開放事業と言った。

私は今、年に一度のお役目の会計監査。
数年前まで、この会長を務めていた。

白幡小学校は、PTA活動も盛んで、
平成24年度には優秀PTAとして表彰されている。
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私はこの学校の60周年記念事業のときに、
これもPTA会長を務めた。

ジュニア・ソフトボールの監督兼PTA会長、
㈱商業界では取締役編集担当兼『食品商業』編集長だった。
シアル・ドール国際審査員などもやっていて、
目が回るような忙しさだった気がする。

考えてみると、
ずっとこんな調子だったんだ。

梅雨明けしたかと間違うほどの暑さの校庭。
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子供たちは休み時間に、跳ね回っていた。
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横浜市は市立小学校・中学校の全教室に、
エアコンを入れる。
平成25年までの事業。
今日は副校長がそのことの報告をした。

さらにトイレをすべて改修して、
「ドライ化」するらしい。
これは子供たちに大好評。

校舎も設備も、どんどん新しくなる。

そう言えば、校門にも施錠されるようになって、
インターホンで教員室を呼び出し、
鍵を開けてもらわねば扉が開かない。
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子供たちの安全第一。
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しかし私たちは、過保護にも十分に、
気をつけておかねばいけない。

昼ごろ、商人舎オフィス。
次々に来客。

まず三井物産㈱のお二人。
堀田安紀さん(食料・リテール本部食品流通部部長補佐営業統括、右)と、
中野真樹さん(同食料営業部マネジャー)。
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8月下旬の海外視察トップセミナー
その最終打ち合わせと確認。
トップ・マネジメントのための研修会にする。

その後、㈱ダイナムのお二人。
情報管理部広報担当の池上慎平さんと菊地俊治さん。
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同社発行の「ダイナム通信」の編集チェック。
ゲラ刷りのカラー初校を、
私がアドバイスして直す。

コンセプトも記事も、写真も、
そして体裁も、ずいぶんよくなって、
品が出てきた。

さて今日のニュース。
日経新聞から。
「オールドネイビー」
お台場に日本初上陸

オールドネイビーは、
米国「ギャップ」のひとつのフォーマット。
これが北米最大のカジュアル衣料ブランド。
「GAP」バナーよりも「OLD NAVY」の方が売上高は大きい。
オールドネイビーの方が低価格で、
マス・マーケットを獲得しているからだ。
店数は約1000店。

ギャップは全米チェーンストアランキング31位。
衣料品専門店チェーンとしては第1位。
世界年商は142億8900万ドル(1ドル100円換算で1兆4289億円)。
米国内年商1兆1443億円、前年比マイナス2.3%。
店数は2436店で、これもマイナス2.6%。

しかしかつての王者リミテッドには、
大きく水をあけた。
Limited Brandsは全米チェーンストア第43位。
世界年商103億6400万ドル。
米国内年商85億9000万ドル。これはプラス9.7%。
店数は2623店で、マイナス0.8%。

ファーストリテイリングもギャップやリミテッドに、
肩を並べつつある。

それよりも米国内でも、
スペインのザラやスウェーデンのH&Mが躍進し、
ギャップやリミテッドは、
「伝統型」ファッションチェーンとなりつつある。

そのギャップのエース・フォーマットは、
日本のお台場の「ダイバーシティ東京プラザ」の中にオープンする。

記事では店内の様子が描かれている。
「レジ近くの店内中央に試着室を設けるなど、
米国の店舗を再現した。
子供服売り場の天井を飛行船や宇宙船の模型が動き回り、
子供らを喜ばせる仕掛けも施している」

「絵柄付きのTシャツを990円、タンクトップを890円で販売する。
日本人の体格に配慮し、
北米では取り扱いのない『XXS』サイズを導入」。

私は「オールドネイビー」は、
ある程度、うまくいくだろうと踏んでいる。

もちろん店を見てからでないと、
正確なコメントはできないが。

もう一本、日経新聞から昨日の続き。
「スーパー再編(下)買収先の強み活用」

続編は、イオンとセブン&アイ・ホールディングス。

イオンは昨年11月、マルナカグループを完全子会社にした。
マルナカは「香川県などでシェア首位を握り、
中四国全体の売上高は約3100億円(2011年度)」。

マルナカの特徴は、
「卸売市場のセリへの参加権を持ち、
バイヤーが旬の品を安く調達する」。
マックスバリュ西日本の担当者は語っている。
「仲卸からの二次情報に頼る当社と比べ、
産地の情報量が違う」

イオンは日本小売業最大売上高を誇るが、
「地域別のシェアでは2、3番手のケースも目立つ」
だから「手薄な地域をテコ入れする戦略」として、
M&Aを展開。

マルナカがその典型だった。

イオン岡田元也社長の発言。
「PBなどを軸に食品スーパーは再編に向かう」。

一方、セブン&アイは、
近商ストアに30%を出資。

同社は売上高約600億円。
マルナカと比べるとインパクトは落ちる。

しかし記事は指摘する。
「私鉄で日本一長い近鉄沿線の商圏を掘り起こす」
ただしこれはイメージに過ぎない。

近商ストアは不振に陥っているが、
「再建に成功すれば
業界再編の中で他社の信頼を得られる利点がある」

これもアークスのように、
「強い企業の連携」とは異なっていて、
靴の上から足を掻くのごとし。

鈴木敏文会長は、買収否定論者。
しかし「PB供給など支援要請は増える一方」と発言。
これが本音といったところ。

日本経済新聞の推計。
「2011年度のスーパー業界」、
「上位5グループのシェアは約4割」。

このスーパー業界というのは、
総合スーパーと食品スーパーマーケットを包含した概念。

「同じ島国の英国で、
テスコなど上位4社が7割以上のシェアを握る」
日本は「寡占化は進んでいない」

しかし総合スーパー業態で観れば、
明らかに寡占化
は進んでいて、
これは国際レベル。

食品スーパーマーケットが、
非寡占状態。

このことは指摘しておかねばならない。

ただし、だから今、
スーパーマーケットの統合が進んでいる。
しかも「強い企業同士」の。

これは「淘汰」と呼んでいいと思う。

もちろんこのブログを愛読しくれている人にはわかると思うが、
「淘汰」は、
規模の論理で起こるものでは、
断じてない。

昨日今日の日経の連載記事の総括は、以下。
「地方で強みを磨いて自主独立を貫くのか。
それとも大手の傘下に入って生き残るのか。
各地のスーパーは判断を迫られている」

どうも「スーパー」を、
十把一絡げに表現するところには、
いまさらながらに違和感を抱くし、さらに、
「自主独立か大手の傘下か」にも、
短絡を感じる。

何だか学生の調査報告レポートのようだ。
〈辛口ですみません〉

イオンのスーパーマーケットも、
アークスやバローも、
スーパーマーケットの規模の論理を追及している。

セブン&アイも近商ストアを傘下に入れるならば、
ヨークベニマル、ヨークマートが、
現場の統合の仕事をするはずだ。

CGCジャパンや全日食チェーンのようなボランタリーチェーンも、
機能している。

アークスはイオンのマックスバリュ連合と、
CGCジャパンとの、
ちょうど真ん中くらいを狙った。

この点が、秀逸だと私は思う。

東日本大震災以後、
ナショナルチェーンに参加することの意義は、
高まった。

それが一つの大きな資本の傘下なのか、
ゆるやかな連帯なのか、
あるいは持株会社の下の自主性なのか、
その繋がりの強さのレベルと組織の特性に対する認識と判断こそが、
ローカルチェーンに求められているのだと思う。

<結城義晴>

2012年07月10日(火曜日)

「競争はあなたの仕事です」とアークス、バロー、ヤオコーの競争

朝日新聞のオピニオン欄。
いつも正面からテーマを据えて、
そのテーマに対して、
正面から語ってくれる人が登場する。

今日は「プレゼンする力」。
「聴衆に対して情報を提示し、理解・納得を得る行為」、
それがプレゼンテーション。
その能力が「プレゼンする力」。

まず鷲田清一さん。
大谷大学文学部哲学科教授。
元大阪大学総長といったほうが通りがいい。
「すらすら、なめらかに話す。
言いよどんだり詰まったりしてはダメ。
何度も練習して臨む」
それが鷲田流のプレゼンテーション。

私は講演や講義、プレゼンテーションの練習はしない。
いつだって、ぶっつけ本番。

ただし、学生時代から、
挨拶や語りに対して、
積極的であろうと努力してきた。

その意味では左翼のアジ演説も拝聴した。
「演説調・軍体調」の「であります調」も、
ちょっと研究した。

しかし、鷲田さんは、最後にはこう語る。
「言葉は世界を読み取る網のようなものです。
もやもやしている問題に言葉を与えることで、
そういうことだったのか、と腑に落ち、
見晴らしがよくなる」

「そんな確かな言葉を見つけられればいい。
口べたでもいいんです」

「腑に落ち、見晴らしがよくなる」
そんな言葉を発見するのが、
おもしろいし、やりがいがある。

プレゼンテーションの醍醐味だ。

ファーストリテイリングの柳井正さんは、
「グローバル人材に求められるのは、
人種、文化、宗教を問わず
コミュニケーションができる能力です」

これを読みつつ、
ワンアジア・コンベンションを思い出した。

柳井さんは競争と教育の在り方を指摘する。
「横並び教育は世界最悪です。
競争させなければいけない。
音楽でも趣味でも競争させる」

「競うことによって
他人とは違うことを考え、
相手に伝え、
実践するようになる」

ここで結城義晴『メッセージ』から。
少し長いけれど、一挙掲載。
「競争はあなたの仕事です」


あなたは、競争が好きですか。
他者と競争することに、喜びを感じられますか。
競争そのものを楽しむことができますか。


「店は客のためにあり」
もう何度も何度も声に出し、
心の中で繰り返してきた言葉です。

この金言の中に実は
「商売とは競争することだ」という意味が
込められています。

あなた自身、ひとりのお客だとイメージしてみてください。
あなたが住んでいる町に、レストランがあるとします。
あなたは、1軒のレストランで満足しますか。
私は満足できません。

違った種類のレストランや外食業がいくつか、
それぞれのメニューや味や価格や販促を提示しながら、
お客である私に訴えかけてくれる状態。

それを、その日の気分によって、自由に選択できる状況。
そんな環境こそが、お客である私を喜ばせるものです。
すなわち、「店が客のためにある」ことをまっとうするには、
競争がなければならないのです。

どんなにすばらしい店でも、
無競争の中では改善や改革が進みません。
競争は、店の革新を促進させるものなのです。

商業とは、正々堂々の競争をお客の目の前で
展開してみせる業(なりわい)なのだと私は思います。

お客はいつも、商業の健全な競争を歓迎しています。
商業ビジネスにとって、競争は宿命のようなものなのです。


ただし、気をつけねばならないことが二つあります。
第一は、競争をするといっても、お客たちから、
軽蔑されるようなものは避けなければならない、
絶対にやってはいけない、ということです。

倉本長治師は、こう書き残しています。
「競争を戦いだと思い、相手を憎んだり、
そねんだり、傷つけたりする。
まったく困ったことだ。
商売の競争はオリンピックと同じように、
また囲碁や将棋のように、
相手方を尊重し、ルールを守って実力を競うべきである」

商売のルールを守る。
相手方を尊重する。
お客から尊敬される。
そんな競争なら、喜んで参加できるはずです。

スポーツ選手は、オリンピックに出場するために
たいへんな努力を払います。
自らを鍛える日常の努力そのものが競争であり、
オリンピックに出て、勝利に向かって奮闘することも競争です。

商売でいえば、顧客を満足させること、
自らの経営の中から適正の利益を出すこと、
そのための努力をし、仕組みをつくることが、
お客から軽蔑されない競争となります。


第二のポイントは、
「差異性」を生み出す競争であることです。

再び、先ほどのレストランの例をイメージしてみてください。
あなたの町にレストランが3軒あったとして、
それがみんな同じようなファミリーレストランだったとします。

同じような店構えに、
同じようなメニューに、
同じような価格帯。

違いがあるといっても、微差の優劣。

これでは、お客であるあなたや私は、
うんざりしてしまいます。

総合大型スーパーや食品スーパーマーケット、
ホームセンターやファミリーレストランといった新しい業態が、
おしなべてみんな経営が苦しくなっていったのは、
全体が「微差の優劣」にこだわりすぎてしまったからなのです。

これは競争のとり違えです。
結局、価格の競争にならざるをえなくなってしまった。

競争の本質は、
同業他社との本質的な「差異性」を競うものです。
「差異性」こそが利潤を生み出すのです。

世界はものすごい勢いで標準化の方向に動いています。
ITをはじめとする情報化によって、
物流システムや交通システムの高度化による商品の移動性によって。

しかし、だからこそ、
最終顧客に商品を提供する段階での
「差異性」が求められているし、
それが決定的に効力を発揮します。

そして、この「差異性」には規模の大小は関係しません。
むしろ大企業は大企業らしさを、
中企業は中企業らしさを、
小企業は小企業らしさを出すことによって、
競争力の核となる「差異性」を生み出すことができるのです。

これを「コア・コンピタンス(核となる競争力)」といいます。


100円ショップ「ダイソー」を展開して、
衰えを見せない企業のように感じられる
大創産業社長の矢野博丈さんが語っています。

「20世紀は勝つか負けるかの時代だった。
しかし、21世紀は死ぬか生きるかの時代だ」

衝撃的な発言ですが、矢野さんの言葉は、
「差異性を競う競争」がさらに
企業や店の生死をかけた熾烈なレベルに
なってきたことを示しています。

ルールを守り、相手を尊重し、
しかも顧客から尊敬される競争は、
顧客とマーケットから、
さらに強い要求をつきつけられ始めたのです。

しかし、わがままで、きびしい要求が、
お客たちから発射されるからこそ、
自らのコア・コンピタンスは明確になってきます。
それが競争の良さでもあります。

さらに、現代の会社制度とは
「敗者復活」を許容する仕組みです。
競争の敗者にも、再び立ち上がるチャンスが与えられます。
会社の従業員の皆さんは、競争によって真の能力を身につけるとき、
たとえ組織は敗れたとしても、個人は立ち直ることができます。
真の競争者はむしろ飛躍することすら可能となります。

現代の競争とは、そんなものなのです。


むしろ、はじめから競争に参画しない者、
すなわち競争を楽しめない者には
進歩も革新も与えられず、
能力開発の余地もないことをこそ
認識すべきでしょう。

だから、私は、商人や商業ビジネスに携わる人々に対して、
こう言いたいのです。
「競争は、あなたの仕事です」
〈㈱商業界刊〉

さて日経新聞に連載記事。
タイトルは「スーパー再編(上)」
日経新聞が大好きな「業界再編の最前線」。

「スーパー」という言葉を使うが、
食品スーパーマーケットの話題。
3つの小売業の事例が出てくる。

「強力なライバルが登場したが、
売上高は前年を1割上回っている」。
北海道最大手のアークス店長。

5月にイオンの「ザ・ビッグ」がオープン。
しかし「安さでひけを取らない」。
大手メーカーのダシ(500ミリリットル)は、
希望小売価格の6割引きで安さを競う。

アークスの今年度の売上高見通しは4200億円。
「イオンのスーパー事業の1割強にすぎない。
規模で劣るアークスが大手メーカー品で低価格を実現できる秘密は、
地域でのシェアの高さにある」

私はこれを「範囲の経済」と表現している。

北海道・青森・岩手3道県のシェア
は、
ユニバースやジョイスが加わって、
30%弱(スーパーの食品販売、10年度推計)。
全国チェーンのイオンのこのエリアのシェアの約2倍。

「大手食品メーカーは地域ごとに
販売ノルマなどを設けるケースが多く、
そこでシェアが高いほど価格交渉は有利」

横山清社長は「クリティカル・マス」と表現。

次は中部地区に店舗展開するバロー。
2011年度売上高は4105億円。
前年比プラス8.3%と絶好調。

ローコストオペレーションとプライベートブランドが特徴。
「18円の豆腐、48円の緑茶(500ミリリットル)などがずらり」

このプライベートブランドは、
日本のドラッグストアのほか、
米国や韓国のスーパーマ-ケットにも供給されている。

そしてここでは「規模の経済」を働かせる。

最後はヤオコーとライフコーポレーション、
その業務提携。

「首都圏での食品販売額は4000億円規模となり、
首位のイトーヨーカ堂(推計約4500億円)に一気に迫る」

23期連続増収増益&独立路線のヤオコー。
ライフスタイルアソートメントをさらに極める。
川野清巳社長の言葉。
「井の中の蛙(かわず)では生き残れない」

新しく流通担当になった記者が、
仕入れたばかりの情報を
整理した習作のような記事。

しかしよくまとまっている。

アークス、バロー、ヤオコー。
それぞれに差異性があるところが、よい。

ルールを守り、
相手を尊重し、
しかも顧客から尊敬される競争。

日本中が、そうあってほしいものだ。

<結城義晴>

2012年07月09日(月曜日)

伊藤園大陳コンテスト最終審査会と「口開けて腸見する柘榴かな」

Everybody! Good Monday!
[2012vol28]

2012年第28週です。
7月の第2週。

気象庁の報告では、
今年の梅雨明けは、
沖縄で6月23日、奄美で6月29日。
どちらも平年と同じころだった。

昨年は沖縄が平年より14日遅く、
奄美も7日遅かった。

九州南部から東海までが7月8日、
それ以北の東北北部までも7月9日。
こちらは、昨年の梅雨明けが、
平年よりも6日から19日も早かった。

今年は今のところ、
平年と同じくらいと考えてよいかもしれない。

平年の梅雨明け時期の情報が役に立つ。
以下、平年の梅雨明け。
九州南部7月14日ごろ
九州北部7月19日ごろ
四国7月18日ごろ
中国7月21日ごろ
近畿7月21日ごろ
東海7月21日ごろ
関東甲信7月21日ごろ
北陸7月24日ごろ
東北南部7月25日ごろ
東北北部 7月28日ごろ

「平年」を気象庁用語では、
「30年間の平均値」
西暦年の1位の数字が1になる10年ごとに更新しているから、
この平年値は、2011年に更新された、
1980年から2010年までの平均。

このあたりを目途に、
準備してください。

従って今週は、
昨年と同じならば、
今日明日が梅雨明けとなって、
週末に向かって、
カアーッと暑い夏になるところだが、
まだまだ蒸し暑さが残りそう。

口開けて腸(はらわた)見する柘榴(ざくろ)かな
「日本人とユダヤ人」という本の最初の言葉。
イザヤ・ベンダサン名の山本七平著。

口を開き、言葉に出して、
感情をあらわにすることを、
厳しく戒める。

夏になるとそんな気分になる。
しかし柘榴の花の季語は夏だが、
柘榴の実は秋。

それでも暑くなると、
なぜかこの句を思い出す。

がんばるが何かを許す言い訳にならないように
今日もがんばる

〈日経歌壇 東京・安藤匡宏〉
「がんばる」「頑張れ」
なるべく使わないようにしているが、
ついつい使ってしまう言葉。
それを二つも使って、
歌を詠む。

埋もれし元のわが身を掘り出だす
これダイエットの本意なるべし

〈日経歌壇 京都・黒部美栄子〉
ダイエットの新解釈。

さて私の今週は、ちょっと楽。

今日は午後から、
東京・清水橋の㈱伊藤園本社。
「伊藤園春の大陳コンテスト最終審査会」。
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『食品商業』誌上で展開される恒例の企画。
私はずっとその審査委員長。
真剣な審査風景。
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右から『食品商業』編集長の三浦美浩くん、
伊藤園の本庄大介社長、本庄周介副社長、江島祥仁副社長
左が商人舎エグゼクティブプロデューサー・アドパイン代表の松井康彦さん。
そして雑誌用の写真撮影。
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今回は事務局も全員入ってもらって、
このブログ用の写真。
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みなさん、ご苦労様でした。
いつもありがとう。

その後、恒例になっているが、
江島副社長の部屋で、
抹茶をいただきながら、情報交換。
facebookのことが話題になった。
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その後、夕方から、
立教のフード&ベバレッジ・マーケティングの講義。
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今日は「プライベートブランド論」を語ります。
3時間あるので、丁寧に丁寧に教授することができる。

それがとてもいい。
私自身にとっても。

研究棟からみる池袋。
梅雨明けを思わせるような青空がひろがっている。
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講義の直前まで、
研究室でレジュメチェックとブログ書き。
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私の今週のスケジュール。

明日、明後日は横浜の商人舎オフィス。
ゆっくりできるが、来客あり。
そして執筆作業。

木曜日・金曜日は高知に出張。
ブルーチップ㈱の松浦克幸常務に頼まれて、
㈱サニーマートでの講演の仕事。

そして土曜日から1週間、
アメリカはテキサス州ダラスと、
カリフォルニア州サンフランシスコ・サクラメント。

ダラスはきっと暑いだろう。
「熱い」といったほうがいいくらい。

しかし、
口開けて腸見する柘榴かな
暑くなると、思い出す。

みなさんも、
Good Monday!

<結城義晴>

2012年07月08日(日曜日)

ジジと国際歌合戦[日曜版2012vol28]

ジジです。
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あ・つ・い~。

ユウキヨシハルのおとうさん、
いないし。
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おとうさんは、
カンコクのインチョン。
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ワンアジア・コンベンション2012。

おつかれさまです。
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15の国の84の大学の先生があつまって、
はなしあい。

ともだちも、たくさんできた。

まあ、よかったですね。
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ボクも、うれしいです。
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さいごのパーティでは、
歌合戦になった。
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はじめに、
ニッポンのひとたちがうたった。
おとうさんも。

うさぎおいし かのやま
こぶなつりし かのかわ
ゆめはいまも めぐりて
わすれがたき ふるさと♪

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それから、
カンコクの先生たち。
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バングラディシュの女のひと。
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みんな、
じぶんの国の歌を、
おおごえで、
ろうろうと、
うたう。
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モンゴルの先生たちは、
ほんとうにじょうず。
おすもうさんみたいにおおきいし。
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マレーシアの先生たち。
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中国のせんせいたちは、
ちょっと、わがままなかんじ?
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まんなかの先生がうたっているとき、
後ろの先生たちは、そうだんしていた。

おもしろい。
ボクも、めがさめます。
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いろんな歌。
みんな大学の先生。
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キルギスタンの先生は、
代表して、ひとりでうたった。
うつくしい歌声だった。
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おとうさんは、
草原の風の音のようだと、
おもった。

さいごは、
カザフスタンの先生たち。
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男らしい。

ほんとうに、
いい歌合戦だった。

いつか、アジア共同体ができる。

そのために、大学の先生たちが、
研究しながら、提案する。
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おとうさんも、
そのなかま。

歌合戦がおわって、
全員で写真。
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そろそろ、
かえってくるころです。
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けさのインチョンは、
いいおてんき。
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ホテルのまどから、
空港が、すぐそこにみえる。
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こっちから、かえってくるのかな?
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インチョン・エア・ポート。
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コリアン・エアー。
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もうすぐです。
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カンコクの空。
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ニッポンの空。
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おかえりなさい。
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おとうさん、
おつかれさま。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2012年07月07日(土曜日)

ワンアジアコンベンション仁川の結論「アイデンティティとダイバーシティ」

7月7日、七夕。

日本、韓国、台湾、中国、ベトナムなどに、
七夕の風習がある。

昨日から韓国・インチョン。
こちらでは七夕を「チルソク」と発する。

ただし陰暦では7月7日だが、
現代の陽暦では8月25日。

チルソクの祝いは、だから、
今日7月7日ではない。

韓国にも、日本や中国と同じ「星伝説」がある。

しかし韓国人はロマンティック。
織姫と彦星の恋愛に重点を置いて、
「恋人たちの日」としている。
あくまでも8月25日のことだけれど。

キョヌビョル(牽牛星)とジッニョビョル(織女星)が、
オジャッキョ(烏鵲橋)で1年に1度だけ会える。
烏鵲橋とは、数万羽のカラスやカササギが、
連なってつくった橋のこと。

韓国の人々は、
これを「永遠の愛の象徴」ととらえる。

現代では恋人に限らず、家族同士でも、
花などのプレンゼントを贈る。

ちょっと違うことは、「七夕」の雨に対する考え方。
日本では雨は織姫と彦星の逢瀬の障害となるが、
韓国では「二人の再会のうれし涙」となる。
さらに翌日に降る雨は「別れを惜しむ涙」とまで解釈してしまう。

韓国のソルチクは、
なんてロマンティックで、
前向きなのだろう。

さてインチョンのワンアジア・コンベンション。
昨日は歓迎晩餐会。

司会はサニー・ムンさん。
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きれいなイングリッシュを使う。

歓迎の挨拶は、
ワンアジアクラブ仁川会長、
パク・ゼフンさん。

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仁川大学教授でもある。

そしてワンアジア財団理事長の佐藤洋治さん。
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㈱ダイナム・ジャパン・ホールディングス社長。
今夕の朝日新聞一面に、
香港株式市場への上場のニュースが、
流れた。

スタンディング・バフェ方式で、
2時間の懇親。

日系二世アメリカ人の国広ジョージ国士舘大学教授。
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建築学の先生。

湖南大学教授のシン・イイソブさんと、
ワンアジア財団評議員の谷口昌貴さん。
㈱ニラク会長。
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シンさんは、孫文とアン・ジュングンの研究者。

会場では管楽四重奏。
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ポピュラーなメロディーを奏で続けてくれた。

最後にワンアジアクラブ・ウランバートル代表から、
ワンアジアクラブ仁川へプレゼント。
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partyのあとは、バスを仕立てて、
45人の有志が集まって、懇親会へ。
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アジア共同体に向けたエネルギーを感じ取った。

カラリ、明けて、
今日、七夕の日。
いよいよ、コンベンションのスタート。
私も会場で、
ワンアジア財団理事・評議員の皆さんと一緒に、
いい席に陣取った。
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最初の挨拶は、ワンアジア財団理事長・佐藤洋治さん。
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佐藤さんは私財89億円を寄付して、
財団をつくった。

このワンアジアクラブ運動のリーダー。
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ワンアジア共同体構築のために、
乗り越えねばならない壁を、
三つあげた。

第1に、自己の壁。
第2に、企業や組織の壁。
そして第3に国家や民族の壁。

これは参集したすべての人々に共感された。

挨拶の二番目は、昨夜と同じ、
ワンアジアクラブ仁川会長のパク・ゼフンさん。

そして祝辞は二人。
最初は仁川広域市長のソン・ヨンギルさん。
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仁川をアジアの中心にしようとの意欲に満ちていた。

祝辞の二人目は、
韓国外国語大学総長、
パク・チョルさん。

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84の大学が参加しているが、
そのアカデミズムを代表しての祝辞だった。

その後、基調演説。
UNESCAP前事務総長、
キム・ハクスさん。

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素晴らしい基調演説だった。
UNESCAPは国連アジア太平洋経済社会委員会。
United Nations Economic and Social Commission
for Asia and the Pacific。
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この人の見識は、
アジア共同体には不可欠だ。

続いて基調講演。
早稲田大学教授のリム・ホァシン先生。
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シンガポール生まれの中国人だが、
マレーシアで育ち、
イギリスや日本で学んで、
現在、早稲田の教授。

「私自身の生い立ちがワンアジアみたいなもの」と、
挨拶してから、ヨーロッパ連合(EU)や、
NAFTA(北米自由貿易協定)などと、
ASEAN10+3+3などの数字をもとに、
現状を分析。

ASEANの10カ国と、
+3はJapan、South Korea、China、
+3はAustralia、New Zealand、India。

リム先生の講義も素晴らしかった。
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ここで午前中が終わり。
私は財団理事評議員の皆さんや、
バングラディッシュのお二人と並んで、
お弁当を食べた。
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左はアブドラ・アワル・ミントウさん。
ワンアジアクラブ・ダッカ会長。

それからインドネシア教育大学のディアンニ・リスダさん。
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リスダさんはあとで報告者として活躍。
日本語がとても上手。

1時間半の昼食休憩の後、
午後は分科会。
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メインのボールルームを三つに割って、
歴史・教育のセッション。
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ここでリスダさんを入れて、
6人の大学教授陣が報告。
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キルギス・ロシアスラブ大学、国立曁南大学、湖南大学、
復旦大学、カザフスタン国立大学の教授たち。

第二は政治経済セッション。
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ここでも漢陽大学、河南大学、キルギス国立大学、
北京大学、中山大学の教授陣、
そして早稲田大学のリム・ホァシン教授が講義。
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第3は、文化および芸術のセッション。
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こちらも盛り上がった。
国士舘大学の国広ジョージ教授から始まって、
祥明大学、同済大学、延邊大学、シティメディア大学の教授陣。
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各セッションごとに、
英語と日本語、ロシア語の韓国語への同時通訳が付く。
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全ての報告が終わると、
セッションごとに、
討論者の教授が2人ずつ出て、
総括しつつ議論を投げかける。
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ここでは日本の先生方も活躍。
歴史・教育セッションでは、
東京大学の谷垣真理子教授。

政治経済セッションでは、
嘉悦大学の黒瀬直宏教授。
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黒瀬先生はPTB有識者懇談会で、
毎回、ご一緒している。

そして文化芸術セッションでは、
日本大学の原一平教授。

討論者に対して、
報告者の先生方が一言ずつ回答して、
終わる。

分科会のあとはコーヒーブレイクをとって、
夕方5時半から総括報告。
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三つの分科会の座長が三人並んで、
順番に総括。

左から日本大学・木村政司教授。
仁川大学・パク・ゼフン教授。
ご存知、ワンアジアクラブ仁川会長。
そして仁荷大学・崔元植教授。

木村さんは、
「共同体とはスイートホームのようなもの。
文化の価値による共同体づくりが重要。
コンティネンタル・シンキングも大切」

崔さんは、訴えた。
「歴史とアジアの多様性を犠牲にしないワンアジア、
一人の英雄ではなく、みんなが一緒になれるワンアジア」

そして今回出ずっぱりのパクさんは、
「政治経済もバリュー体系と認識の問題、
そして歴史問題抜きには前に進まない。
アイデンティティこそ重要だ」

多様性をダイバーシティという。
アジアの多様性は、ヨーロッパやアメリカとは異なる。
それはまさに21世紀的なものだと思う。

日本の「商業現代化」に似ている。

ダイバーシティを重視するからこそ、
アイデンティティは欠かせない。

私にはこれが結論のように感じられた。

そして、ヨーロッパ共同体に関する、
さらなる研究が不可欠であることも。

EUを研究して、EUに対して、
創意を尊びつつ良いことは真似よ。

すぐさま閉会式と晩餐。
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ワンアジアクラブ仁川会長のパクさん。
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「アジア共同体は一つの分野で議論してもダメ。
いろいろな分野で同時進行するべき。
トップダウンでなく、ボトムダウン。
ワンアジアクラブは、
産学でボトムアップを推進する」。

そしてこちらも出ずっぱりの佐藤洋治さん。
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ひとこと「ネバーギブアップ!」

みなさん、お疲れ様でした。
実に有意義なコンベンションだった。

食事をしながら韓国打楽器音楽を楽しむ。
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そして恒例の国別歌合戦があって、
最後に記念写真。
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晩餐会に出ていた聴講生の学生たちは遠慮したが、
ワンアジアクラブ会員、
事務局、大学教授陣内揃って、
全員が元気になった。

2年後にまた、
ワンアジアクラブ・コンベンションが開催される。

5年のうちに、アジア300の大学で助成事業が展開され、
やがてコンベンションには4000人級の参加者が集う時が来る。

アジア共同体をつくるさきがけを、
アカデミズムが務める。

これは大いに意義のある仕事だ。

現在、評議員の私も、
その一助となることができれば本望だ。

みなさん、良い週末を。
明日、帰ります。

<結城義晴>

2012年07月06日(金曜日)

韓国・仁川で『冷淡・軽税党と親切・重税党』、イオンとセブンを考える

7月に入って1週間。
蒸し暑い日が続く。

今日は朝、横浜の商人舎オフィスに寄って、
それから横浜シティエアーターミナルからリムジンバスで、
成田空港第1ターミナル北ウィングへ向かう。
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バスの窓から見える横浜の港と市街。

北ウィングはリニューアルされて、
驚くほどセンスアップした。
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13時の大韓航空に乗って2時間半で着くはず。

機中、仕事を始めたが進まず、
本を読み始めたがこれも乗らず、
映画を見た。

「アーティスト」
語るまでもないサイレントムービーの名作。

しかし終わりまで見ることもかなわず、
朝鮮半島が眼下に。
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仁川国際空港に到着。
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いまや、日本の成田を凌ぐハブ空港。

原稿書きも、読書も映画鑑賞も、
今日は、どうも中途半端なことばかり。
しかしそれも旅の楽しさ。

着いたら空港のワンアジア・デスクで案内してもらって、
ハイアットリージェンシー・インチョンへ。
空港近隣のホテルで、5分もかからない。
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今回の行動範囲はこのホテルだけ。
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これから始まるワンアジアクラブの大会と、
ワンアジア・アカデミズムのディスカッション。
楽しみです。
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部屋の窓から見渡す光景。
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仁川の日没は遅い。
パリやロンドンのようだ。

着いた時には雨が降っていたが、
夕方には陽が差してきた。

さて今朝の日経新聞コラム『大機小機』。
分かりやすさが、すごくいい。

タイトルは、
「『冷淡・軽税党』か『親切・重税党』か」

この言葉遣いは、京都大学の故高坂正尭教授のもの。
亡くなられてしまったが、生前から私も尊敬している。

コラムニストのミスト氏は、
結論を高坂先生にもってゆく。

衆議院の消費増税案通過後、
3党協議で社会保障国民会議の設立が決まった。
コラムニストはこの会議体に注目する。

これから1年、
有識者や国会議員がメンバーとなって、
消費税率引き上げと、
一体である年金・医療・介護・少子化対策など、
を総合的・集中的に検討する。

「民自公の消費税率引き上げ賛同者が集う超党派の議論の場は、
今後の政界再編にもつながりうる」
これが一つの政治的な流れ。

もうひとつは、
大阪維新の会に代表される立場。
みんなの党や自民党の一部とも相通じる。
「新自由主義・保守主義・小さな政府」の流れ。

「歳出削減を行えば、消費税率引き上げは必要ない」との主張。

話題の「小沢新党」も、立場はこちら側。

その結果、我が国の政治の考え方は二つに分かれる。
第1が、「小さな政府・新自由主義」、
第2が、「中規模の政府・
(あえていえば)日本型資本主義」。

そしてそれが高坂先生のわかりやすい分類につながる。
つまり第1の「冷淡・軽税党」と、
第2の「親切・重税党」。

あなたもこのことは考えてみる必要がある。
そうすればポピュリズムに惑わされる危険性も減る。

「ポピュリズム」とは、
「情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、
その支持を求める手法、
あるいはそうした大衆の基盤に立つ運動」。

大阪の橋本徹市長が、
よく、ポピュリズムと批判を受ける。

小さな政府は冷淡・軽税党。
中規模の政府は親切・重税党。
言いえて妙。

ちなみに共産党一党独裁の中国は、
超のつく大きな政府。

高坂先生の分類は、
わが国民にとっても歓迎すべき見識。

「社会思想は、時の経済社会の状況に応じて大きく変化する。
一方の考え方が行き過ぎれば政権交代により是正していく、
これが、基本的に欧米で起きている政権交代の意味である」
コラムニストの結論。

ただし、それ以外の考え方も、
頭から否定すべきではない。
それが正しい、と私は思う。

日本の小売業界にも、ふたつの大きな勢力がある。
イオンとセブン&アイ・ホールディングス。
相次いで、第1四半期決算が発表された。

昨日は、セブン&アイの発表。
2012年3~5月期の連結決算は、
売上高に当たる営業収益は8%増の1兆2070億円、
経常利益が前年同期比2%減の669億円。
つまりは増収減益。

総合スーパーのイトーヨーカ堂は、
既存店売上高が3%減。
衣料品は好調、にもかかわらず食品が落ち込んだ。
ちょっと異変。

コンビニのセブン-イレブンは、
国内外で販売が好調で12%増の504億円。
営業利益は、
セブン-イレブン・ジャパン 454億円、前期比103.9%、
イトーヨーカ堂 23億円、42.7%、
ヨークベニマル 29億円、54.6%。

セブン&アイの利益は、
3分の2がセブン-イレブンのもの。

売上高総利益(粗利益)率は、
0.3ポイント低下して、それでも30.0%。
ここにもセブン-イレブンの影響がある。

一方、イオンの第1四半期決算は一昨日発表。
営業収益は11%増の1兆3264億円で、
経常利益が前年同期比18%増の364億円。
第1四半期の3~5月期としては過去最高。

イオンは「増収増益」。
昨年11月1日付で、
マルナカグループを買収。
それが売上高を急激にアップさせた。

プライベートブランドのトップバリュも、
3カ月で売上高1524億円、前年同期比134.4%。

SC部門の営業利益が12%増の103億円。
金融部門の営業利益はなんと41%増で63億円。

イオンとセブン&アイ。

イオンがどちらかと言えば「中規模政府」派で、
セブン&アイが「小さな政府」派か。

チェーンストア企業経営でも、
大きな本部・中くらいの本部派と、
小さな本部派に分けられる。

私はどちらでなければならないとは考えない。

ただし、どちらの戦略を選択するかは、
企業ごとに明確にしておかねばならない。

組織は戦略に従う。
そしてそれは自社の強みに、
根差していなければならない。

さて、日本の政治は、
いま、どちらが望まれるのだろうか。

考えつつ、週末へ。
私はずっとインチョン。

みなさん、良い週末を。

<結城義晴>

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