結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年09月19日(水曜日)

フードくるむ公開セミナー「白熱教室」と恒例の電通での講演&「鬼十則」

中国の反日騒動。
私にも直接、影響が出た。

計画進行中の『店ドラ』中国本土版。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』の中国語訳版。

仲介会社から、連絡があって、
「日中関係の現在の政治状況に鑑み、
正式契約を延期したい」

中国政府当局から直接、
日本書籍に関する出版禁止の通達は届いていない。
しかし、問い合わせやプレッシャーはあるようで、
出版状況の正常化を待って、
再度、正式契約締結となる。

『店ドラ』台湾版は、お陰様で好調。
『假如杜拉克是店長』
(時報文化出版企業股份有限公司)
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著者 結城義晴、訳者 連宜萍。

余勢をかって中国本土に乗り込む算段。
それはしばらく、お預けとなった。

中国との国際関係、
何としても正常化してもらいたいものだ。

さて、「フードくるむ公開セミナー白熱教室」。
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そのチラシ。

ご覧のとおり、
マイケル・サンデル教授の白熱教室を模した仕上がりで
少々こそばゆい。

しかし、良くできている。
担当の㈱折兼営業企画グループ秋田豊晴さん、
ありがとう。

㈱折兼が11月21日に、
名古屋のミッドランドホールで開催。

この日の公開セミナー午前の部が、
私の担当。
講演タイトルは、
「お客様のために
いちばん大切なこと」

午後の部では、
スターバックスの元CEO岩田松雄さんが、
「ミッション経営」について講演する。

講演タイトルにもなっている私の単行本では、
スターバックス日本の角田雄二さんのことを書いた。
その話も、もちろんする。

岩田さんとのハーモニー。
まことに楽しみだ。
皆さん、おいで下さい。
お待ちしています。

今日は、㈱電通の社内向け講演。
毎年、夏に1回、流通の最新動向を語る機会をもらうが、
今年は時間が取れずに、9月になってしまった。

会場は電通本社の25階会議室。
エレベーターからの東京の景色。
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午後1時半からスタート。
いつものように、三々五々、
受講者が集まってくる。
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進行役は中谷俊介さん。
CRプランニング・マネジメント局情報サービス部主任研究員。
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私の今年のテーマは
「米国&中国小売流通業
最新動向とポジショニング戦略」
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はじめに、消費が成熟化し、寡占化が進むアメリカ流通業と、
経済成長著しいが流通後進国・中国流通の現状を整理。
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さらに中国流通の近代化の歴史と外資企業の出店戦略、
日系企業の市場深耕の課題を、
店舗スライドを見てもらいながら解説。
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最後は、今、私が関心を寄せる顧客マーケティングの考えを述べ、
100分を一気に語り終えた。
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「ポジショニング戦略」はもともと、
広告業界で言い始められた言葉。

アル・ライズとジャック・トラウトが展開した。
だからこのあたり電通の皆さんには、
細々と説明はしなかった。

ご清聴に感謝。

最後にいつものように、
事務局の皆さんと記念ショット。
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右は望月裕さん、
電通総研ナレッジ・センター情報サービス部長。
隣は土井弘さん。
今年電通を定年退職されたが、
現在もOBとして活躍中。
そして中谷さん。
お疲れ様でした。

講演が終わってから、4人で懇談。
その時に、土井さんから何度も出たのが、
「電通」4代目社長の吉田秀雄さんのこと。

電通は「日本広告」と「日本電報通信社」との合併によって誕生。
はじめはニュース通信部門も強かったらしいが、
吉田秀雄がマーケティングの概念を取り入れ、
広告取引システムの近代化を確立。

単体企業として世界最大の広告代理店となった。

その「電通マン」の行動規範が、
「鬼十則」
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、
受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、
永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、
忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、
迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、
サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、
でないと君は卑屈未練になる。

要約すると、
①仕事は自ら創れ
②先手で働きかけよ
③大きな仕事と取り組め
④難しい仕事を狙え
⑤目的完遂まで放すな
⑥周囲を引きずり回せ
⑦計画を持て
⑧自信を持て
⑨八方に気を配れ
⑩摩擦を怖れるな

9月から始まる立教のサービス・マーケティング。
その前半は全員に課題を出す。
「モデルとなるクレドを探し、
それを参照しつつ自分のクレドをつくれ」。

この時、「電通鬼十則」、
必ずと言っていいほど、
誰かが、モデルのクレドとする。

インパクトの大きさは、
時代によって変わるものではない。

土井さんだけでなく、
㈱セブンスター社長の玉置泰さん、
それから大学の1年先輩の小杉賢二郎さんなど、
私には、電通およびそのOBに先達が多い。

先輩たちの前では、
電通に関することは書きにくいが、
全て「受け売り」と記しておこう。

しかしこの鬼十則は、
ポジティブ・シンキングそのものだ。

中国との関係是正が必須課題となった日本政治に、
私の本の発刊のためではないけれど、
ポジティブ・シンキングの「鬼十則」を、
あらためてお奨めしよう。

<結城義晴>


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