結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年05月16日(金曜日)

アートとエンタメの「オメガ・マート」体験記(In Las Vegas)

第13回商人舎Basicコース研修会。
無事終了して、全員が会社に帰っていった。
成果が報告されるのが楽しみだ。IMG_3294 (002)

みんなの顔を見てください。
自信と希望にあふれている。

最終日に総括講義をした後は、
「自由研修」の時間。
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私たち事務局が行ったのは、
「オメガ・マート」
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アートとエンタメの複合施設「エリア15」

その核店舗がOmega Mart。
2021年2月18日開業。
双方型・没入型アートスペース。

開業から1年で100万人以上が訪れた。

主体となっているのが、
”Meow Wolf(ミャオ・ウルフ)”。
Meowは英語の猫の鳴き声。
Wolfはオオカミ。

ニューメキシコ州都のサンタフェを拠点に、
7人のアーティストによって創設された。
スクリーンショット 2025-05-16 174307
左からショーン・ディ・イアンニ、
マット・キング、コーバス・ブリンカーホフ、
エミリー・モントーヤとケイティ・ケネディ、
ベンジー・ギアリー、ヴィンス・カドルベック。

彼らが手掛けたアートスペースの核店は、
スーパーマーケットだ。

三角形の入り口。IMG_3081 (002)

両サイドに赤い獅子が立つ。IMG_3082 (002)

宇宙船に乗り込むような入り口。IMG_3083 (002)

エリア15の中は暗い。 IMG_3084 (002)

現代アート満載。IMG_3088 (002)

「オメガ・マート」は、
ミャオウルフの2つめの展示作品だ。

展示会場は2階建てで、
2つの施設が設定されている。
架空のスーパーマーケット「オメガ・マート」と、
その親会社の「ドラムコープ(Dramcorp)」。

こんなエンターテインメントに、
スーパーマーケットが選ばれた。
それがちょっと誇らしい。

4つのテーマ状況があって、
60以上の作品が展示されている。

第1がドラムコープ社の、
フラッグシップスーパーマーケット。
第2がドラムコープ社のオフィス。
第3が「The Factory」でドラムコープの工場。
第4が「The Projected Desert」(プロジェクトデザート)。
工場が建つ砂漠の村が”セブンモノリスビレッジ”。

エリア15のなかのオメガ・マートの入り口。IMG_3094 (002)

画面に打ち込んでチケットを買う。
大人は65ドル。シニアは50ドル。IMG_3099 (002)

入り口には店員が立っている。IMG_3103 (002)

来場者は店内に入って、
探検しつつ物語を体験していく。

制作には3年が費やされた。
地元ラスベガスと海外から、
325人以上のアーティストや、
クリエーター、ミュージシャンが参加した。

一丁目一番地。IMG_3104 (002)

左手を見るとサービスカウンター。IMG_3105 (002)

本物のスーパーマーケットそっくりの店内。 IMG_3110 (002)
架空のドラムコープ社は1977年創立の同族企業。

食品、旅行、医療、エンターテインメント、
さらに調査、研究、生産、教育など、
多方面に事業を展開する巨大企業。
左がセシリア・ドラムCEO、
右が創業者のウォルター・ドラム前CEO。
ウェグマンズのコリーンとダニーのようだ。IMG_3107 (002)

1968年、ウォルターが22歳のとき、
出場したポーカー大会で、
潰れそうなコンビニを賞品として獲得した。
それがオメガ・マートに成長した。

顧客にとって本当に便利な店をつくるため、
オメガマートは旧来の方法を刷新して、
「アメリカで最も優れた食料品店」と称される。

それ以来、成功が続いて、
ウォルターはドラムコープを創業。
巨大企業に成長させた。

セシリアはウォルターの娘で、
マリン・ドラムの母。

父のウォルターが実は失踪している。
その父に代わってCEOに昇格した。

ウォルターの行方はわからない。
孫娘のマリンも行方不明。

このミステリーが、
オメガ・マートを巡る間に、
さまざまな展開を見せる。IMG_3106 (002)

ハウスホールド売場。IMG_3109 (002)

エンドはブリーチの2色陳列。IMG_3111 (002)

天井は最新のスケルトン。IMG_3112 (002)

時計回りのコンコースで、
左手がプロデュース部門。IMG_3124 (002)

ナゲットマーケットのような美しさ。IMG_3115 (002)

パプリカとキューリ。 IMG_3117 (002)

100以上のヘンテコな商品が開発された。
ダイコンは29.99ドル。IMG_3118 (002)

先が割れたダイコンは平台陳列もされている。 IMG_3114 (002)

孫娘マリンの映像。
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アボカドはチャックがついた小銭入れ。IMG_3122 (002)

開発されたアイテムが並ぶ。
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青果の次は突然、アウトドア売場。IMG_3129 (002)

そしてガーデン売場。
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その奥のトンネルを入って行くことができる。IMG_3130 (002)

するとバックには、
砂漠の村”セブンモノリスビレッジ”が現れる。IMG_3131 (002)

不思議な村だ。
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次々にアート空間が登場する。
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迷路となっていて、どこにいるかわからない。
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売場に戻る。IMG_3133 (002)

モニターには従業員の情報が出ている。IMG_3135 (002)

エンドはシャツでゴンドラにはノンフード。IMG_3136 (002)

スナック・キャンディーのアイル。IMG_3138 (002)

プロモーションコーナー。
真ん中の平台には、
タトゥー(入れ墨)の入ったチキン。 IMG_3139 (002)

ドリンクコーナー。
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そのリーチインケースを開くと、
奥に入って行ける。IMG_3141 (002)

ゆがんだドリンクが並ぶ。
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その奥にはビレッジがある。

奥壁面のデアリー(乳製品)売場。IMG_3144 (002)

エンドはCAGE FREE TOES。
ファーム・フレッシュ。
フック陳列はサンダル。
ゴンドラアイルには、
「Buy 1 Get1 Free」のPOP。IMG_3145 (002)

通路は広い。
そこにアイランド陳列が施される。IMG_3147 (002)

キャンベルスープのアイランド。IMG_3148 (002)

対面方式のミート売場が凄い。IMG_3149 (002)

上段にコールスローサラダとチキン。
下段にハム。
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オメガ・マートの売り物タトゥー・チキン。IMG_3151 (002)

USDAマークが入ったハム。
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右のハムの切り口には、
ダビンチの「モナリザ」と、
ムンクの「叫び」の図柄が入っている。 IMG_3153 (002)

コスメコーナーには、
バーチャルメイクのシステムが入る。
鏡に顔を近づけるとメイクした自分が映る。
鏡は顔認識システムを使用している。IMG_3154 (002)

著名なナショナルブランドをもじったアイテム。IMG_3155 (002)

この売場の隙間を抜けられるようになっている。
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入って行くと、ドラムコープ社の工場がある。
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巨大な工場は2階まで続く。
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工場ではさまざまな商品が製造されている。
そのラインもアートだ。IMG_3173 (002)

ここがラスベガスであることを忘れてしまう。
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2階はドラムコープ社のオフィスだ。
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もちろんデスクもある。
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オフィスでは、
ホスピタリティ教育のビデオが流されている。
顧客の表情を読み取る。IMG_3194 (002)

フロアにトラブルが発生したらどうするか?IMG_3196 (002)

もう、わけのわからない鏡の空間。IMG_3190 (002)

売場に戻ると最後はファーマシー。IMG_3199 (002)

円形の柱回りのTシャツ売場。IMG_3157 (002)

最後にチェックスタンド。
Tシャツがずらりと品揃えされている。
これはそのまま買うことができる。IMG_3156 (002)

2時間近くも迷路を歩いた。
売場はわかりやすくて安心する。
オメガ・マートの出口を出てきた。IMG_3203 (002)
ラスベガスを訪れたら、
時間をつくっていってみてください。

それにしてもスーパーマーケットが、
アートとエンターテインメントになる。

新しいフォーマット創造のヒントになるか‽
(ご愛読を感謝して、ラスベガス研修記を終わります)

〈結城義晴〉

2025年05月15日(木曜日)

ヤオコー&バロー決算説明会の「1兆円ポジティブ志向」

帰国して、時差ボケ。
これから1週間くらい、
ボーっとしていると思う。

商人舎オフィスに出たら、
月刊商人舎5月号が届いていた。

手に取って、頬ずりしたいくらい。
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ラスベガスでも毎日、スクワットをした。IMG_3287 (002)

1セット50回に増えた。IMG_3288 (002)
これを1日に最低1回、
できれば3回やる。

余裕ができたら1回のセットを増やす。
100回セットを朝、昼、晩と3度やりたい。

ラスベガスでもやった。

最終日はいつも郊外の日本料理店「市座」。
タクシーを待つ間に50回。IMG_3289 (002)

さて渡米中に注目2社の決算説明会。
山本恭広編集長が取材して報告してくれた。

ともに売上高1兆円を視野に入れている。

5月12日(月)が、
㈱ヤオコー
会場は東京都中央区のベルサール八重洲。yaoko-ir

2階の会見場には約50人の記者が集まった。
説明者は川野澄人社長と、
上池昌伸専務取締役管理本部長。

2025年3月期決算は、
営業収益7364億円、前期比18.9%増。
営業利益334億円、13.9%増、
経常利益326億円、12.8%増、
純利益202億円、10.6%増。

単体では36期連続の増収増益。

月次既存店売上高の昨年対比の推移では、
日本スーパーマーケット協会の平均値を、
常に3~4%上回る。

既存店の好調ぶりは突出している。yaoko-ir1

前期のテーマは「価値に集中する」
具体的には3つの政策に取り組んだ。

①各部の価格政策
②生鮮の改善
③米不足への対応

とくに③について川野社長は語る。
「バイヤーの稲作体験など、
産地との関係づくりを継続してきた。
それが供給面にも貢献した」
yaoko-kawano

次期の課題も3つ挙げた。
①生鮮でまだ勝ち切れていない。
②カイゼン・育成が不十分。
③働きやすさの実現。

①の生鮮食品の競合相手として、
ロピアと生鮮市場TOPの具体名を挙げた。

「南北政策」に関しては、
首都圏の南北の地域市場の違いを説明した。
南は共働きが多く、
賃金増の恩恵を受ける世帯が多い。
北は高齢者や年金生活者が多く、
所得の伸びが見込めない。

既存店伸び率でも3%ほど開きがある。
これを川野さんは「南北格差」と表現して、
しっかりと対応する。

ヤオコーは10月から、
ホールディングス体制に移行する。yaoko-ir2

社名は「ブルーゾーンホールディングス」。
ヤオコーを親とした従来の親子関係から、
ホールディングスの下に、
ヤオコー、エイヴイ、せんどうなどが、
兄弟関係となって協力する。

いよいよ、
「500店舗 売上高1兆円」が視野に入る。

「ブルーゾーン」の名称は、
ブルーオーシャン戦略なのかと思ったが、
実は違っていた。

「100歳の人が多く暮らす、
世界5カ所の長寿地域からとった」と、
川野社長は説明した。

イタリア・サルディーニャ島、
アメリカ・カリフォルニア州ロマリンダ、
コスタリカ・ニコジャ半島、
ギリシア・イカリア島。
日本では沖縄がブルーゾーンだ。

澄人さんは100歳の世界を目指しているのか。

川野澄人さんは初めてテレビに出る。
日曜日朝7時半のTBS「がっちりマンデー!!」
gattiri,anmde
新しい素顔が見られる。
楽しみだ。

一方、5月14日には、
㈱バローホールディングス。
決算説明会の会場は、
東京都中央区日本橋の兜町平和ビル。
01valor-kabutocho

2階の会場には約20人の記者が集まった。02_valor-irroom

出席者は二人。
小池孝幸社長と、
篠花明常務取締役管理本部長。

最初に篠花本部長から業績の説明。03valor-shino

営業収益8544億円、前期比5.8%増。
営業利益232億円、1.5%増、
経常利益262億円、2.2%増、
純利益137億円、14.3%増。

営業収益は30期連続の増収。
純利益は過去最高。

ヤオコーほどではないにしても、
高いレベルの増収増益だ。

けん引役はスーパーマーケット業態である。
売上げで56%、営業利益で84%を占める。
ドラッグストア業態とホームセンター業態は、
増収したものの減益。
販管費や投資分を吸収できなかった。

2026年3月期は、
業績を営業収益9020億円にもっていく。
27年3月期には1兆円か。

スーパーマーケットは、
関西と関東への出店を加速する。
ドラッグストアは、
生鮮食品と調剤を強化する。

続いて小池社長が、
グループ戦略を説明した。
2023年8月に、
田代正美社長(現会長)の後任として、
取締役社長に就任。
1972年生まれの52歳。04valor-koike1

グループの成長戦略で、
核になるのはスーパーマーケット事業だ。

1店舗当たりの売上高向上にこだわる。
そのためにグループシナジーを活用する。

愛知県稲沢では複合施設が大ヒットした。
ホームセンターとスーパーマーケットを核に、
BBQ施設、農園、スイーツ工房、
さらにドッグランを組み合わせた体験型施設だ。valor-ir

話題となっている関東出店については
「全く未知の領域ではない。
すでにホームセンター、ペット事業で、
180億円の売上げをもっている」
自信を見せる。

すでに「バロー横浜店」(仮称)では、
社員募集を始めている。

この店はヤマダ電機の撤退跡に出店する。
5月11日閉店のテックランド横浜本店(戸塚)だ。

ヤマダにとっては狭いけれど、
バローにとっては十分な物件だ。

バローも1兆円に向けて、
ポジティブ志向だ。

川野澄人さん49歳、
小池孝幸さん52歳。
若い経営者による積極政策、
業界に新しい局面が到来している。

〈結城義晴〉

2025年05月14日(水曜日)

第13回米国ベーシック研修終了、帰国しました。

第13回商人舎US Basic Course研修会
5泊7日のラスベガスでの勉強。

無事終了して、帰国しました。
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ありがとうございました。

ずいぶん、いろいろと語ったけれど、
振り返ってみると、あっという間でした。

このブログですでに2回書いた話。

むかし、昔。その昔。

太陽と月と雲が、
一緒に旅をした。

宿に泊まって、朝、
雲が目覚めてみると、
太陽と月はすでに、
出発していた。

雲はしみじみと、言った。
「月日のたつのは、早いものだ」

宿の主人が、雲に聞いた。
「お客さんはいつ、ご出発で‽」

雲は答えた。
「私は、夕立です」

私たちは午前3時半にホテルロビーに集合して、
バスに乗り込んだ。

バスの中で最後の講義。

「イノベーションとは、
顧客にとっての価値の創造である」

「それは科学的・技術的重要度ではなく、
顧客への貢献によって評価される」

だから、
「イノベーションの必要性を最も強調すべきは、
技術変化が劇的でない事業においてである」

小売業、製造業、卸売業の現場こそ、
小さなイノベーションが貴重なものとなる。

最後のメッセージは、
「自ら、変われ!」

自分が変わらねば、
仲間を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
職場を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
店を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
会社を変えることは出来ない。

私自身の実感だ。
商業界から商人舎へと変わって、
ほんとうに良かった。

それまでの仕事を一切止めて、
まったく新しいことを始めた。

自ら、変われ!

それは誰にも可能なことだ。

ラスベガス空港に着いた。
まだ星が出ていた。IMG_3206 (002)

ガランとしたロビー。IMG_3207 (002)

4時からチェックインが始まった。IMG_3208 (002)

私は椅子に座って、
パソコンを開けて仕事。IMG_3291 (002)

「キューティー」こと上松磨代さんとお別れ。IMG_3292 (002)

㈱ユーラス生鮮部部長の持田将さんは、
この後シアトルに向かう。
アメリカンチェリーの買い付け。
頑張ってほしい。IMG_3293 (002)

最後の写真指導。
スマイルをお願いした。
ラスベガスでは「Money!」と言う。
ネバダ大学のライト教授から教わった。IMG_3295 (002)

Money!!
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モノレールに乗って、
さらに長いながいエスカレーター。IMG_3210 (002)

出発ゲートの「Las Vegas」のネオン。IMG_3214 (002)

ここにもスロットマシンが並ぶ。IMG_3213 (002)

乗り込むと日が昇り始めた。IMG_3215 (002)

大きな街になった。
まだまだ発展している。IMG_3220 (002)

上空から見るとやはり砂漠だ。IMG_3225 (002)

40分ほどでカリフォルニア。
緑が見えてくる。IMG_3228 (002)

そして大ロサンゼルス。
「大」をつけてふさわしいのは、
「大ロンドン」とこの「大ロサンゼルス」だ。
ニューヨークにもパリにも「大」は似合わない。IMG_3230 (002)

フリーウェイが走る。IMG_3233 (002)

ロサンゼルスならではの高速道だ。IMG_3235 (002)

そしてロサンゼルス国際空港。IMG_3236 (002)

東京からラスベガスへの直行便がない。
だから行きはサンフランシスコ経由、
帰りはロサンゼルス経由。IMG_3239 (002)

降り立ったゲートの隣が出発ゲート。
そこで最後の説明。IMG_3243 (002)

佐藤公彦添乗員。IMG_3244 (002)

JTBきっての「カリスマ佐藤」
私のツアーには必ず同行してくれる。IMG_3247 (002)

ゲート前で大阪屋ショップのお二人。
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私の隣から荒井雄太さんと清水英之さん。

すぐに太平洋上空だが、
15分ほどで再びアメリカ大陸が見える。
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そのあとはずっと雲の上。IMG_3251 (002)

今回はパソコンは開かず、
映画を見て、食事をして、眠った。
よほど疲れたのか。

11時間後に犬吠埼が見えた。IMG_3261 (002)

そして千葉県上空。IMG_3270 (002)

日本も夏だ。
積乱雲。
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その下に東京湾が現れた。IMG_3273 (002)

TOKYO Bayは静かだった。IMG_3275 (002)

羽田に近づいた。IMG_3276 (002)

タンカーが波をきる。IMG_3277 (002)

そしてランディング。

このユナイテッド機にお世話になった。IMG_3279 (002)

バッゲージクレイムまで歩く。
アメリカもクレンリネスにはうるさいが、
日本の清潔感は世界でも飛びぬけている。
誇らしいと思った。
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荷物を受け取った人から、
ばらばらに解散。
お別れの握手をした。

仕事に戻ってからの成果を期待したい。
そのために「自ら、変われ!」

リムジンバスで横浜へ。
ベイブリッジは美しい。
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最後にマリンタワーが見えた。
1961年に建設、開館した。
高さ106m。

私は開館の年、小学生。
歩いて展望台まで登った。IMG_3285 (002)
帰ってきました。

お疲れ様、
ありがとう。

月日が経つのは早いけれど、
自ら変わることは、
気持ちがいい。

お願いします。
みんな、頑張って。

〈結城義晴〉

2025年05月13日(火曜日)

米国Basic研修の調査発表&表彰式と総括講義

Everybody, Good Monday!
[2025vol⑲]

2025年第20週。

日本ではもう火曜日だけれど、
アメリカはまだ月曜日。

だから、
Good Monday!

2025年も、もう20週。
早いものだ。

ラスベガスにやって来て5日目。
ここまで来ると、
さらに時間は速く過ぎる。

いつものように朝8時に集合。
4回目の最後のセミナー。

団員たちは8班に分かれて、
2日目と3日目の視察店で商品調査をした。

今朝はその発表。
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先頭を切って手を挙げたのが、
精肉担当のD班。
サーロインステーキを調査した。
調査結果をPF(Price Facing)グラフに起こして、
各社の商品戦略を分析、発表する。IMG_5399

D班はさらに鶏卵も調査。
日本のスーパーマーケットで、
事前に卵の調査をしてきた。
それを活用した多角的な分析だ。
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発表が終わると、
他の団員からの質問が飛ぶ。IMG_5404

私も質問をしたり、
補足の解説をしたりする。
これを8班すべてで行う。IMG_5405

2番手はG班のデアリー調査。
1ガロンの牛乳(ホールミルク)の品揃えを調査した。
各社の戦略が鮮明にPFグラフに出た。IMG_5408

ベイクドグッズ担当のF班は、
ベーグルをテーマにした。
コストコでは品揃えしていない。
そんな、調査結果を報告。IMG_5410

H班は冷凍食品の中から、
冷凍フライドポテトを選定して調査した。
その結論をアナログの手書きスタイルで示して、
意外な評価を得た。IMG_5414

ここでも鋭い指摘や質問。IMG_5415

デリ担当のE班はポテトサラダを選んだ。
サラダの中で最もポピュラーなカップサラダだ。IMG_5416

テキストの地図を使って、
パワーポイントで解説する。IMG_5418

A班の加工食品チームはケチャップを調査。
作表もプレゼンも全員出場で、
しかも鋭かった。
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ノンフードを担当したのはB班。
4歳児サイズのベビーオムツを調べた。
調査も分析も良かった。IMG_5431

最後の発表は、青果のバナナを調べたC班。IMG_5432

凝ったプレゼン資料だったが、
トラブルもあって、
他チームの力を借りながらの発表。IMG_5433

すべての発表が終わると、
私と事務局とで議論して、
1・2・3位を決めて発表する。

その前に理解度判定テストの優秀者を発表。IMG_5437

6人が85点以上を採った。
私の隣の出口さんは100点満点だった。
㈱プラネット勤務。
レンゴー㈱の清水勇輝さんは95点。
頼もしい20代だ。
全員に月刊商人舎の年間購読をプレゼント。IMG_5466

そして商品調査&戦略分析では、
3位チームがデリのE班。
賞品はトレーダー・ジョーのハンドクリーム。IMG_5481

2位は精肉担当のD班。
賞品はトレーダー・ジョーの日焼け止めスプレー。
これ、ゴルフの時に私も愛用。IMG_5496

ファンファーレがひときわ高鳴るなか、
1位はケチャップを調べたA班加工食品チーム。

私の著書『チェーンストア』を贈呈。

両手を高らかに挙げてバンザーイ。
おめでとう‼
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今年は各班が、
それぞれの部門の主力商品に挑戦した。
脇役商品の調査では、
歪(いびつ)な結果が出ることがある。
しかし米国チェーンストアは、
主力商品では間違いを起こさない。

結果としてマーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャー、
そしてニッチャーのポジショニング戦略が、
実に鮮明になった。

ボンズの凋落ぶりは、
全カテゴリーで証明されてしまった。

ウィンコフーズの健闘が光った。

発表のあとは改めて、
商品調査における注意点や戦略的な視点を解説。IMG_5514
視察だけではどうしても論理的な戦略論に偏る。
商品調査をすることで、実務と戦略の距離が、
近づいて、身のある勉強ができる。

この調査結果は全員に共有される。

すべてのチームに拍手を送りたい。

発表から表彰まで、
予定の時間をオーバーしたので、
総括講義は30分。
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あらためて米国チェーンストアの理念を確認。
ウォルマートの基本哲学。
“サムの10ルール”

創業者サム・ウォルトンが残した十訓。
OIP (5)
1.自己の仕事に献身・専心せよ

2.世間に逆流・逆行せよ

3.顧客の期待を超越せよ

4.競争相手よりも経費を管理せよ

5.自分たちの成功を祝福・賛美せよ

6.従業員の意見を傾聴せよ

7.パートナーと意思を疎通せよ

8.パートナーの意欲を向上させよ

9.従業員と利益を共有せよ

10.従業員の仕事すべてを評価・感謝せよ

前の5訓が、
「店が客のためにあって、成功する法」
うしろの5訓が、
「店員とともに栄える法」

サムと倉本長治はつながっている。

さらにサムの「小さく考えよ」

1.ひとつずつ考えよ

2.意思疎通せよ!意思疎通せよ!意思疎通せよ!

3.地に耳をつけよ(神は現場にあり)

4.現場に責任を、そして権限を与えよ

5.アイデアを沸き立たせよ

6.組織の贅肉を落とせ、悪しき官僚化と闘え

このあと「チェーンストア」の意味と、
その5つの基本となる特徴を解説。

さらにローゼンワールドの3つの信条と、
結城義晴の「5つの利」を紹介。
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最後の最後は、
「ロイヤルカスタマー」

ロイヤルカスタマーとは、
その店、その企業の商品やサービスに満足し、
繰り返し利用してくれる顧客。
つまり固定客、常連客。
繰り返しの来店こそ商売の本質だ。

そして方程式。
[顧客ロイヤルティ]=
[Core Business Quality]×[Hospitality Quality]

顧客ロイヤルティとは、
商売の核となる商品のクオリティと、
ホスピタリティのクオリティが、
掛け算されたものだ。

ロイヤルカスタマーを増やして、
顧客ロイヤルティを高め続けてほしい。

それが最後のメッセージだ。

セミナーはこれで終了。
私は語り切った。
ご清聴を感謝して、
大きな拍手をもらった。
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ミーティングルームを出ると、
マツモトの皆さんが待っていてくれた。
全員で、やる気のポーズ。IMG_5539

その後は各自、自由研修に散っていった。

私たち事務局は、
Omega Martに行った。
(それは明日のブログで)

では、みなさん、今週も、
ロイヤルカスタマーを増やし続けよう。

Good Monday!
(つづきます)

〈結城義晴〉

2025年05月12日(月曜日)

ビル・ゲイツの「金の使い方」とBasic研修のテストと視察

CNN。
IMG_3053 (002)

ビル・ゲイツが登場。
マイクロソフトの創業者。IMG_3062 (002)

今年70歳を迎える。
「私が死んだら、人々は私について
色々なことを言うだろう。
しかし、『裕福なまま亡くなった』とは
言わせないと決意している」

ゲイツ財団は世界最大級の慈善団体である。
設立以来、1000億ドルあまりを寄付してきた。

さらに今後20年間で自身の個人資産の
ほぼ全額を寄付すると表明。
約2000億ドルとなる。

そしてテスラ創業者のイーロン・マスクを非難した。
「世界で最も貧しい子どもたちを殺している」

マスクは政府効率化省(DOGE)で、
国際開発局(USAID)の支援も削減もしようとする。

ゲイツはそれを問題視する。

IMG_3054 (002)

ゲイツは億万長者の模範となろうとしている。
世界中の何億人もの人々を貧困から救おうとしている。

仕事をする。
事業をする。
そして金を儲ける。

問題はその儲けた金の使い方だ。
IMG_3057 (002)

さてラスベガス4日目。
商人舎ベーシック研修。
朝からミーティングルームで講義。IMG_5263

4日目の朝は恒例の理解度判定テスト。

3日間の講義の中から、
4つの設問を設けた。
30分間で回答を書く。

なかなか大変。

テストを受けることによって、
講義内容の重要な点を、
自分のものとしているかを、
自身で知ることができる。
IMG_E5256

私の講義の初めに、
テキストを開いてもらって、
テストの回答を確認しつつ、
あらためて説明を加える。
理解度判定テストでは、
この時間が大切だ。
IMG_5260

3日目の講義は抜け落ちていた内容を、
捕捉しながら、強調したい点を解説する。IMG_5262

米国チェーンストアの「鼎占と複占」
寡占は少数の競争者が、
ある一定の市場のほとんどを支配し、
互いに競争している状態。

そこから鼎占に至る。
三者によって市場のほとんどが支配されてしまう状態。
さらに複占は二者によって支配されてしまう状態。

アメリカの主要な業態は、
みな鼎占から複占になっている。
その複占の企業群の経費率と粗利益率、
そして営業利益率。

売場を見たうえでこの数値を確認すると、
みな、驚く。

あの売場をこの経費率でつくっているのか。
その驚きが自分の仕事の革新の原動力となる。

それから商品問題。
プライベートブランドの問題。

最後にバリューエンジニアリング論。IMG_5358
3日目の講義が終わると、
商品調査のまとめの時間を設けた。

そして最後の視察スタート。

昼食を兼ねて、インアウトバーガーへ。IMG_5368

大谷翔平選手がおいしいと言った、
話題のハンバーガーチェーン。
味もいいけれど、オペレーションがすごい。
それを知るために必ず訪問する。IMG_5362

42人の注文をあっという間にこなしてくれる。
しかも、おいしくて新鮮。IMG_5364

4日目の視察はショッピングセンター巡り。
まず「ダウンタウン・サマリン」へ。
強力な新しい2つの商業集積。
ライフスタイルセンターと
パワーセンターが連なる。 IMG_5381

ライフスタイルセンターは街並みを再現して、
物販だけでなく、ライフスタイルを楽しむ。
街並みを歩いてゆったりとした時間を過ごす施設。

核店舗は百貨店のメイシーズ。IMG_5384

300mほど歩くと、
アーケードのある一角が現れる。
毎週土曜日にフリーマーケットが開催される。 IMG_5374

その一等地にはルルレモン。
ヨガをテーマにした店。
バッグやウェアなどが揃って、
アスレジャーショップとして大人気だ。IMG_5375

スーラ・ターブルは食器専門店。IMG_5373

ところどころに子どもの遊び場や、
休憩のための小さな公園がある。IMG_5378

もう一つの核店舗が、
地方百貨店チェーンのディラーズ。IMG_5387

このディラーズを境に、
パワーセンターに変貌する。
ノードストロームラックなどの
オフプライス店が揃う。

その一角にあるトレーダー・ジョー。 IMG_3072
街並みを歩くのがライフスタイルセンター。
パワーセンターは車で移動する。

だから、パワーセンターの広大な駐車場は、
大人気のトレーダー・ジョーの前から、
どんどん埋まっていく。

店内は母の日一色。
花を求める顧客で混雑している。 IMG_5389

20本入りのチューリップは12.99ドル。
安いし、洗練された色使いだ。 IMG_3066

一方でバラやカーネーションなど、
華やかなブーケも用意されている。IMG_3068

第一エンドには果物が並ぶ。
斬新な商品選択だ。IMG_3069

鉢植えや切り花をもつ顧客たち。IMG_3064

レジもご覧の通りの賑わい。
IMG_3071
スーパーマーケットの最後の視察に、
トレーダー・ジョーをもってきた。

みんな満足してくれた。

そして研修会最後の視察地は、
アウトレットセンター。
「プレミアムアウトレット・ノース」IMG_5395

ラスベガスには2つのアウトレットセンターがある。
ノース(北)とサウス(南)だ。
ノースの方が広くて、店数も多い。
充実している。
IMG_3076

全体にアパレルは苦戦している。
好調はスポーツやアスレジャー。
米国の消費が落ち込み始めている。
それがアウトレットセンターにも表れている。
IMG_5394
ベーシック研修団のみんなの顔つきにも、
少し安堵の色が見えてきた。

理解度判定テストが終わり、
商品調査のグラフ作成もほぼ終わった。

店舗視察も終わって、
あとは発表のみ。

そのあとには自由研修が待っている。

学んだあとの楽しみ方には、
稼いだ後の金の使い方に通ずるものがある。
(つづきます)

〈結城義晴〉

 

2025年05月11日(日曜日)

ラスベガス3日目/ポジショニング戦略の講義とリアル店舗

母の日。
アメリカでもマザーズデー。

大谷翔平の12号ホームラン。
3ランで試合を決めた。
そして大リーグ本塁打トップに躍り出た。GqkRmWHXgAA1iPp

こちらで見ていると、
日本で観戦しているよりも、
実感がある。

ただし普通のテレビでは見られない。
放映されていない。

だからカジノやスポーツバーの映像で知る。

ラスベガス3日目の朝。
今日も8時から結城義晴の講義。
IMG_5100

昨日訪れた店の復習と、
今日訪問する企業の予習。

それから、
「森の中の二人の男と熊の話」

森の中を二人の男が歩いていた。
そこへ熊が出てきた。
一人の男が、叫んだ。
「早く逃げよう」
もう一人は、言った。
「君より早く逃げさえすればいい」

21世紀に入ってから、
アメリカのローカルチェーンは、
ウォルマートという熊が出てきて、
選択を迫られた。

ウォルマートと真っ向から戦うか。
それともどこかの傘下に入るか。
あるいは廃業するか。

真っ向から戦ったのは、
テキサス州のHEBと、
ニューヨーク州のウェグマンズ。

クローガーに逃げた男は助かり、
それ以外は熊に食われた。

ネバダ州では、
スミスがクローガー傘下になり、
ボンズがセーフウェイに糾合され、
アルバートソンのグループとなった。

そして大きな差がついた。IMG_5103

2回目の講義では、
このベーシック研修の中核理論。
フォーマットとポジショニング論。IMG_5108

新しいフォーマットを創造するとき、
「コンバイン」(結合)の方法は有効だ。

ウォルマートのスーパーセンターは、
このコンバインによって生まれた、
最強のフォーマットだ。IMG_5110

講義が終わると、視察&調査。

ホールフーズ・マーケットへ。
そして全員写真。
IMG_5115

それからインタビュー。IMG_5129

チームリーダーのマイクさんが丁寧に答えてくれた。IMG_5128

団員からグッドクエッションがたくさん出た。

その質問に答えて、
ホールフーズで働く喜びを語ってくれた。
待遇の良さ、やりがいを与えてくれることも、
マイクさんは強調した。

ただし私の質問ははぐらかされた。

今、ホールフーズは、
グロサリーや非食品で「SALE」を連発している。
つまりディスカウント攻勢を続けている。

その理由は明らかにされなかった。

多分、アメリカの深刻な消費不況が、
それをさせているのだろう。
日本も例外ではない。

しかしこの店は25%が、
オンライン販売である。
Amazonの力を借りて、
非常にスムーズにその機能を獲得した。

顧客はスマホで発注するだけで、
ホールフーズの商品を手に入れることができる。

店頭からは4分の1の顧客が去ったが、
売上げは変わらない、いや増大した。

確かな商品を提供できる小売業にとって、
近い将来、店舗は商品見本の展示場になる。
そんなことを感じた。

マイクさんと固い握手。
IMG_5138

母の日に向けて派手な花売場。IMG_5120

オーガニックスーパーマーケットにとって、
青果部門は店の顔である。
IMG_2852

精肉と鮮魚は対面売場で、
顧客の注文に応じる。
その担当者たちの商品知識や調理技術は、
最高のレベルである。
IMG_2860

グロサリーは「SALE」のオンパレード。IMG_2861

ベーカリーからデリは、
ホールフーズの真骨頂でもある。IMG_2868

店舗中央の「ホールボディ」売場。
非食品部門だがここでも「SALE」。IMG_2883

この店にもビールバーがあり、
惣菜を購入して食べることもできる。
いわゆる「グロサラント」である。IMG_2882

チェックスタンドは大きく変わった。
セルフレジが広がった。IMG_2884

ネイバーフッド・マーケット。
ウォルマートのスーパーマーケット。IMG_2918

売場の先頭はデリ。
壁面ではバイオーダーの対面売場もある。IMG_2890

そして青果売場。
スーパーセンターに比べるとコンパクトだが、
日常づかいの必要な商品は揃う。IMG_2893

エンドはウォルマートの原則に則り、
1~2アイテムの品揃え。IMG_2901

アメリカのスーパーマーケットは
フード&ドラッグが基本。
処方箋を扱うファーマシーを併設している。IMG_2908

店内ではオンライン注文品をピッキングする
カートが動き回っている。IMG_2889

コロナを経て、
オンライン販売は急成長している。

車で商品を引き取る、
カーブサイド・ピックアップ(Curbside pickup)が多い。
配送費用がかからないからだ。IMG_2911

セルフレジも増えた。
ニューヨーク市では、万引きに悩まされて
セルフレジを辞めた店舗が多い。
ラスベガスではセルフレジが主流。IMG_2914

レジの奥にあるピッキングカート置き場。
顧客が取りに来るのを待つ。IMG_2915

カスタマーセンター。
商品の返品はここで受け付ける。IMG_2916

ターゲット。
ウォルマートと同じディスカウントストアを展開する。IMG_2922

ターゲットのロゴの下に「drive up」のサイン。
ターゲットもオンライン販売を強化している。

オンライン商品を引き取りに来る顧客の専用駐車場。
IMG_2921

売場先頭のプロモーションコーナーは、
もちろんマザーズデーのブーケ。IMG_2926

ディスカウントストアだから、
生鮮食品は限定的だ。IMG_2934

顧客が商品検索したり、
価格を調べたりするための、
デジタルボード。
売場の随所においてある。
もちろんターゲットのアプリをダウンロードしていれば、
同じことができる。IMG_2938

プロモーションコーナーのテーマは「Summer」。
夏物の小物雑貨を展開する。
コーポレートカラーの赤を基調とした色使い。IMG_2940

ターゲットもセルフレジが主体。IMG_2945

同じディスカウントストアでも、
ウォルマートとターゲットの違いは歴然だ。
それがポジショニング戦略である。IMG_5151

トレーダー・ジョー。
ラスベガス地区の繁盛店。IMG_2954

マザーズデープロモーションは徹底している。
入口からずらりとブーケを展開。
IMG_2956

店の先頭部分では、
特設平台で展開。IMG_2983

スイカをエンド展開、珍しい。
パレットで荷姿ごと並べる。
IMG_2962

試食コーナーも完全に復活した。
イラストが面白い。IMG_2963

奥主通路でも切り花や鉢花の展開。IMG_2965

そしてゴンドラエンドもすべて、
切り花と鉢花。
IMG_2980

切り花とクッキーの関連ギフト販売。IMG_2981

買上げ点数が少ない顧客向けのレジ。
レジ前は長い行列。
IMG_2959

通常のレジは2人態勢。
粛々とこなしていく。
見事なプロモーションとオペレーション。IMG_2985

同じショッピングセンターにある
アジア系スーパーマーケット。
シーフードシティ。
IMG_2988

売場の導入部はテナントのデリショップ。
IMG_2989

核部門はもちろんシーフード。IMG_2992

シーフードからミート売場へ。
部門構成はスーパーマーケットだ。IMG_2994

平台に氷を敷き詰めて生魚を販売。
これがウケている。IMG_2995

隣接してダイソー。
昨年オープン。
IMG_5173

日本の高品質の商品を販売して、
ダラーストアの中で鮮明なポジショニング。IMG_2953

アメリカ人には、
新鮮さを感じる商品ばかり。
店数も急激に増えている。IMG_2948

売場の至る所に換算表が掲げてある。
基本売価は1.75ドル。IMG_2949

明るく陽気な従業員もとてもいい。IMG_5179

最後にコストコ。IMG_3012

アメリカでも日本でも、
その他の国々でも、
コストコは変わらない。

商品が違うだけで、
経営も運営も店づくりも、
完璧な標準化が貫かれている。

星条旗が売られている。
5月最終月曜日のメモリアルデー向けの提案だ。IMG_5241[1]

店舗中央の広いスペースでは、
売り切れ御免のポップアップセールが展開される。IMG_3001

店舗の奥が生鮮食品売場。IMG_5211

右手に青果部門の冷蔵庫がある。
部屋全体を冷やす。IMG_3004

奥壁面沿いは平ケースに、
大容量にアイテムが並ぶ。
ベイカリー、ミート、デリ。IMG_3005

乳製品にも冷蔵室がある。IMG_5226

アメリカでも商品の高騰が続く卵。
コストコはその価格も在庫量も圧倒的だ。IMG_5228

フロアマネジャーがフォークリフトを引いて、
商品の販売位置を変えている。
これがコストコの唯一と言っていい、
売場変化の手法だ。

売場の位置を変えることで、
売上げ不振のアイテムが売れるようになる。IMG_5232
消費不況でも節約志向でも、
コストコは一番人気だ。

最後にイータリー。
パークMGMホテルの前面改装のときに、
1階に誘致された。IMG_3024

階段で写真。
IMG_5253

イータリーは買う、食べる、学ぶをコンセプトに、
イタリア料理、イタリア食材を集めた店だ。IMG_3017

しかしホテルの1階フロアに入ったことで、
買う機能が削減され、学ぶ機能も喪失した。
IMG_3021

食べる機能は充実しているが、
それではイータリーではない。
市場であり、食堂であり、学校である。
それがイータリーなのだ。
IMG_3016

OICグループとロピアの面々。
元気に視察し、もりもりと食べる。
それがロピアの社風だ。IMG_5249

ホテルに帰ってから、夕食へ。

ベラージオホテルの前では、
噴水ショーが展開されている。IMG_3035

パリスには実物の半分のサイズの、
エッフェル塔がある。 IMG_3033

私たちはその噴水ショーが見える店へ行った。
「ビアパーク」
IMG_3043

飲みながら、食べながら、
噴水ショーを楽しめる。
IMG_3038

事務局のカリスマ佐藤とJTBの吉田和司さん。
そして亀谷しづえGM。IMG_3042

お疲れ様。

ラスベガスの中心部には、
消費不況はない。

大衆の生活圏で大きな異変が起こっている。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2025年05月10日(土曜日)

新教皇の「正義感」とラスベガス2日目の商品調査

コンクラーベで、
新ローマ教皇が決まった。

ベルーの市民権を持つアメリカ人。
史上初の米国出身のローマ法王。
レオ14世と名乗る。
Archbishop-Joseph-E.-Kurtz

ドナルド・トランプ大統領も、
「大変光栄だ」とご満悦。

1955年、シカゴ生まれ。
Xではロバート・プレボストの名で、
アカウントを持つ。

教皇になる前の最後の投稿。

エルサルバドルのブケレ大統領が、
トランプ大統領と会談をして、
不法移民の強制送還をした。

プレポスト氏は、
「心は痛まないのか」と発言した。

バンス米国副大統領の発言。
「隣人やコミュニティよりも、
家族への愛を優先すべきだ」

これに対して「バンス氏は間違っている。
キリストは他者への愛を順位づけしていない」

この正義感は頼もしい。

さて私はラスベガス2日目。

朝8時から結城義晴の講義。
IMG_4918

アメリカ視察の基本知識から、
マーケットデータ、
ラスベガスの特徴などまで、
簡潔に頭に入れてもらう。

ここで月刊商人舎5月号のことを、
少しだけ話題にした。
「特集・現場の生産性」
202505_coverpage

生産性対策には、
アナログとデジタルがある。

アナログはデジタルの基礎となり、
いざという時のカバー機能がある。

それは「自動化」に対する、
トヨタの「自働化」である。
トヨタは人間がオートメーションを助ける。
だから「自化」と称する。
IMG_4932

さらに今日視察する企業の情報を整理する。
とくにウォルマートのEDLPは、
その歴史と仕組みまで丁寧に解説した。

最近、日本でもEDLP政策を採用する企業が増えた。
しかし表面的な政策や甘いコストダウンが多い。
IMG_4924

最後はスーパーマーケットの、
部門別売上構成比の話。
これを知っているだけで、
自分で店を判断できるようになる。
IMG_4937

講義が終わると、班ごとに打ち合わせ。

ベーシックコースでは、
2日目と3日目に視察先店舗の商品調査を行う。
今回は8班に分かれて、
生鮮や加工食品、デアリー(乳製品)、
そして日用雑貨を調査する。IMG_4938

異なる企業の人たちが、
交流しながら協力して調査する。
この調査を通じて、
チームワークを体験する。IMG_4941

2日目の最初の店舗は、
スミスのマーケットプレース。
非食品強化型の大型店。IMG_4945

マザーズデイを目前に、
店頭では見事なブーケの展開。
IMG_4946

導入部の青果売場も専門的な陳列だ。IMG_4961

団員はそれぞれの調査売場で、
議論しながら調べていく。
IMG_4950

私は売場を回りながら、
質問に答えて団員をフォローする。IMG_4954

ミート担当の班は、
どのアイテムを調査するか議論している。IMG_4997

スミスのデリを購入して、
イートインスペースで中食。

私はボアーズヘッドのサンドイッチとサラダ。
ボアーズヘッドは加工肉とチーズのブランド。
クローガー系の店舗だけでなく、
多くのスーパーマーケットに導入されている。IMG_4956

イートインスペースには、
ビールバーが併設されている。
気温36度のこの日に、
地元住民が次々にビールを飲みに来る。IMG_4958

視察中のアルコールは原則禁止。
だからピザやデリを、
コーヒーやソフトドリンクで楽しむ。
IMG_4959

ラスベガスにも、
アルディがやってきた。
すでに3店舗が出店している。
IMG_2721 (002)

その中の1店舗を視察。
入り口を入るとすぐに、
クイックミール売場が始まる。
それからプロデュース(青果)へ続く。
IMG_2722 (002)

ベッド・バス&ビヨンドの居抜き店舗だ。
IMG_4964

奥壁面沿いの売場では、
縁の薄いリーチインケースを採用。
商品が目立つし、清潔感がある。
IMG_4967

アルディでも調査。
リミテッドアソートメント店舗で、
商品が絞り込んであるから調査はしやすい。IMG_4972

そして、
ウォルマート・スーパーセンター。IMG_4977

青果の導入部にはスイカの大陳。
大型のアルミのケースで展開する。
ロールバックして上手に売り込んでいる。IMG_4986

マザーズデイのプロモーション。
IMG_4982

団員の商品調査もスムーズになってきた。IMG_4989

インフレで価格志向の高まるアメリカ。
アルディもウォルマートも、
お客がよく入っている。

スプラウツ・ファーマーズマーケット。
ナチュラル&オーガニックのスーパーマーケット。IMG_5008

奥壁面に青果売場を設ける。
独特の売場づくりだが、
これがポジショニングとなる。IMG_5006

真剣に商品を見て回る。IMG_5004

隣にトータルワイン。
酒の専門店チェーン。
IMG_5011

ワインの品揃えは秀逸。
週末にはビールやワインのテイスティングを行う。
ミーティングルームもあって、
酒に関する各種セミナーも開催する。IMG_5013

バスを待つ間に、
日課のスクワット。IMG_5015

ウィンコフーズ。
従業員が所有する会社。
IMG_2763 (002)

入り口にウォール・オブ・バリュー。
価値ある壁。
ここだけコストコの売場が再現される。
IMG_2768 (002)

そして価格比較POP。
ウォルマート、スミス、ボンズと、
ウィンコの売価が比較され、
ウィンコがこれだけ安いと告知される。
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ここでも調査。
IMG_2766 (002)

そしてボンズ。
アルバートンソン傘下の地元企業。IMG_5018

花売り場はバルーンを使って、
スミスを真似た印象だ。IMG_5020

クラブカードを使って、
ロープライスを打ち出す。
しかし競争的なロープライスではない。
つまり安くはない。IMG_5023

残念ながら、顧客は数えるほどしかいない。
いかにも保守的といった男性顧客が多い。
IMG_5033

この売場には驚いた。IMG_2781 (002)

アルバートソンは、
クローガーとの合併が破談になった。
これで、衰退が早まるかもしれない。
そんな印象を受けた。

2日目最後の視察店は、
ホールフーズ・マーケット。IMG_5035

入り口に小型の切り花コーナー。
もちろん母の日に向けたもの。IMG_5037

カラフルな青果売場。
IMG_5038

ホールフーズはアイテム数が多い。
調査もその分、大変になる。IMG_5042

イートインスペースを兼ねたビールバー。
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ホールフーズのこの店は、
オープンからずいぶん時間が経っている。
それでもホールフーズの店の美しさは損なわれていない。

そして顧客がしっかりついている。

アメリカの消費者の財布のひもは固い。
価格志向、節約志向はますます強まっている。
それだけに企業の優劣が際立ってきている。

ホールフーズで視察は終了。

ホテルに戻って、わずかに仮眠。

夕食はパリスホテル地下のレストラン。
マーサ・スチュアートの店。
「ザ・ベッドフォード」
IMG_3031 (002)

マーサはカリスマ主婦で実業家。
極上の家庭料理に大満足。
IMG_5056

レンゴー㈱澤田利憲さんと清水勇輝さん。
澤田さんは開発本部副本部長。
清水さんはデザイン・マーケティングセンター所属。

日穀製粉㈱の大月翔平さんと平林成介さん。
平林さんは開発本部部長代理、
大月さんは営業本部東京営業所勤務。

㈱伊藤園の大野哲哉さん、チルド営業部長。
そして㈱スズキヤの長谷部厳一さん。
長谷部さんは鮮魚担当バイヤー。
ベーシックコースは13年ぶり、2度目の参加。

ラスベガス2日目は、
粛々と過ぎていった。

節約モードは強烈だ。
だからディスカウントの店はいいが、
普通の価格政策の店からは、
どんどん顧客が去りつつある。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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