結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年02月16日(金曜日)

ロピアNYC研修「とびきり4店」と「正義を貫く者が勝つ」

世界中が悪くなっている。
それが止まらない。

アレクセイ・ナワリヌイ氏が死んだ。
ロシアの反体制派活動家。
プーチンがもっとも恐れる男。
47歳だった。
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北極圏の刑務所に収監されていた。
ヤマロ・ネネツ自治管区にある。

3月には大統領選挙が控えている。

プーチン政権がそれへの影響を考えて、
排除に動いたとの疑念が強まっている。

しかしこういった理不尽なことが行われて、
その真相を突き止めることができない。
罰することもできない。

悪い世の中だ。

ナワリヌイ氏は、
刑務所内の仮設裁判所で発言している。
ロシアのウクライナ侵攻について、
「私はこの戦争に反対です」

「この戦争は、
ロシアの問題から注意をそらすように
設計されていると思う。
それは、より大きな貧困につながるだけだ」

正しいと信じることを言う。
そんな勇気のある人間が、
殺害される。

惜しいことだ。

ナワリヌイ氏を救えなかった。
世界は悪くなっている。

残念なことだ。

私はニューヨーク7日目。
ロピア2024年米国研修第4団。

ザ・ニューヨーカー・ウィンダム2階ホール。
朝7時からセミナー。 IMG_36494

いつものようにロピアの経営理念の唱和。
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続いて接客7大用語。IMG_36444

第3陣と第4陣の団長は、
井上裕一さん。
ロピア九州本部長、42歳。IMG_36474

何度もアメリカ研修に参加しているが、
そのたびに学ぶことがある。

先輩として本部長として、
団員たちにしっかり動機づけをしてくれた。

その後、2時間の熱血講義。
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これまでに視察し学習した企業や店を、
改めて総括しつつ、
業種・業態とフォーマット戦略。
そのためのポジショニングの考え方。

ロピアの若手に理解してもらいたいことを、
事例を盛り込んで語る。

何度も書くけれど、
日本で講義をするよりも、
何十倍、何百倍も理解が進む。

その実物を、
これでもかと見せているからだ。IMG_36604

みんな、真剣に聞いてくれる。IMG_36694

そうするとまた熱が入る。IMG_36644

ロピアは「肉の宝屋藤沢店」の業種から始まった。
それが「ユータカラヤ」の業態になり、
「ロピア」のフォーマットに変わってきた。

急速に変わりつつ、
急激な成長を遂げた。

講義が終わると出発。
今日はちょっとだけ観光もした。

まずバッテリーパークのそばから、
自由の女神を臨む。
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現地ガイドの富澤由紀子さんの説明を聞く。
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やはりニューヨークに来たら、
私も自由の女神像は見たい。
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それからワンワールドトレードセンターへ。
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9・11メモリアルの説明を受ける。
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鎮魂のプール。
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そしてオキュラスで記念写真。
全員が厳粛な気持ちになった。
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つかの間の観光。
バスはブルックリンへ。

ホールフーズの環境対策店舗。
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一丁目一番地に、
冷蔵平ケースをおいて、
青果以外の商品をアピールする。
今日は生チョコレート。
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これは全米第一のスーパーマーケットの手法だ。
クローガーは必ずこの重要な売場に、
売れ筋の精肉アイテムを配置する。

入り口の青果部門に変化をつけるためだ。
ホールフーズもそれに倣っている。

創意を尊びつつ良いことは真似よ。
倉本長治の商売十訓だ。

それから見事な青果部門。
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オーガニックスーパーマーケットとして、
最強の部門である。
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鮮魚部門が独立している。
その対面売場。
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そして精肉の対面売場へ。
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精肉の対面売場の隣に、
「ファイン・カッツ」のスペースがある。
精肉のカッティングを見ることができる。
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店舗右翼はチーズ売場から、
惣菜・ベーカリーまで。
中央にはセルフデリの平ケースが並ぶ。
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最後はベーカリーだ。
パンだけでなく、ケーキとクッキーを、
焼きたてで提供する。
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2階にはイートインスペースがある。
そこから駐車場を見下ろすことができる。

駐車スペースには屋根が設けられていて、
その屋根にはソーラーシステムが施されている。
この店で使う電力はこの太陽光発電で賄われる。
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ホールフーズのフォーマットに満足して、
今度はトレーダー・ジョー。
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銀行の支店跡の物件に出店した。
天井が高く、快適な空間の店だ。
それはポジショニング要件を、
十二分に満たしている。
フォーマットは基本業態に、
ポジショニングをプラスしたものである。

入り口わきに店内チラシの配布場所がある。
「フィアレスフライヤー」と呼ぶ。
1カ月に1回の発行で、
プライベートブランドの解説が、
面白おかしく綴られている。
値段をアピールするチラシではない。
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その「フィアレスフライヤー」アイテムを、
エンドでずらりとそろえて展開している。IMG_26064

このエンドの売り方は斬新だ。IMG_37144

ニューアイテムのコーナーは、
どの店にも必ず設けられている。IMG_37064

店の入り口側のエンドと、
高い高い天井と、
銀行方式のチェックスタンド。IMG_26114

店舗中央には冷凍食品売場が、
縦に配置されている。IMG_26094

いつも行列ができるトレジョは、
ニューヨークの大繁盛店では、
この銀行方式のレジを採用する。
公平なチェックスタンドは、
並ぶ顧客にストレスを強いることがない。IMG_26034

ホールフーズとトレーダー・ジョー。
堪能した後はマンハッタンに戻る。

大注目のウェグマンズ。
アスタープレイス店。
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もともとはワナメーカー百貨店の建物。
その1階と地下1階を使った。
1階は天井も高い。
シックで快適な売場をつくった。
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その1階は即食売場。
これはセオリー。
ウェグマンズではフードサービス部門と呼ぶ。

入り口のバレンタイン売場は、
カットフルーツに変わっていた。
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即食の中で際立つのが寿司売場。
ネタとシャリの味、鮮度、メニューの豊富さ。
どれをとってもマンハッタンのトップである。IMG_26294

サラダは即食の王者だ。
ウェグマンズの得意のメニューだ。
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アジアンフードも即食。
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1階のフードサービスコーナーには、
ウェグマンズのミールソリューションの、
エッセンスが凝縮されている。
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エスカレーターで地下1階に降りると、
ウェグマンズの最大の各売場が登場する。
市場のイメージの青果部門。IMG_26274
い天井を補うために、
スケルトンにした上にボードを設ける。

平台の真ん中に籠盛りを入れて、
狭い売場で多品目多SKUを実現させる。
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青果部門に続くのが鮮魚部門。
「魚屋」のステージに、
エイドリアンさんが立っていた。IMG_26254

エイドリアンさんはこの魚屋の責任者で、
解体ショーの主役を務める。

4度目のインタビューにも、
ポジティブに答えてくれた。
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「リブ・ウェル(Live Well)」と呼ばれる、
従業員のケア機能の話をしてくれた。
生活のケアから精神面のケアまで、
24時間で対応してくれる。

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ウェグマンズは、
シングルマザーの従業員を大切にする。
エイドリアンさんもそのことに賛同し、
そんなウェグマンズという会社を誇りにしている。

魚屋の解体ショーの売場のわきに、
前回訪れた時のプレゼントが飾られていた。
ロピアのロピタ君。
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私は今日も感動した。
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最後の訪問は、
イータリーNYC1号店。
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オスカー・ファリネッティは、
家電チェーンのオーナーだった。
イタリアのユニユーロ。
その会社を売却してから、
イタリア中を巡ってスローフードを研究し、
2007年にイータリーを創業した。

2010年にこのマンハッタンに出店した。
そして大成功を収めた。

ミールソリューションの極致にある。
市場であり、食堂であり、
学校である店。
それがイータリーだ。

入り口を入るとイタリアの八百屋。IMG_26614

イタリアのチーズ屋。IMG_26674

そして食堂。
チーズ屋のそばにはチーズの食堂。
野菜のそばには野菜の食堂。
肉屋、魚屋にはその食堂。IMG_26594

生パスタ屋も製造小売業だ。 IMG_26584

開業のときにはパン屋だったが、
今は売れ筋のピザ屋に変わった。
団員はここで買物。IMG_26524

そしてピザ屋の前のテーブルで食べる。
美味しそう。
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ガブリ。
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市場で買って、
そこで食べる。

これがイータリーの王道の楽しみ方です。
ここまでですべての視察研修が終わった。

そして団員はそれぞれに自由研修に入っていった。

私たちはホテルに戻った。
最後の最後は浅野先生を囲んで、
井上団長とスリーショット。  IMG_37804

実にいい研修でした。
ありがとうございました。

小売業は正義を貫ける。
そして正義を貫いた者が勝つ。

そこが私は大好きだ。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年02月15日(木曜日)

大雪で遅れたロピア第4団の奇跡的な特別弾丸研修の成果

ロピアNY視察第4団。

大雪予報によって夕方羽田発の便に乗り、
8時間遅れでニューヨークに到着。

夜が明けて、早くも滞在2日目となった。
晴天のマンハッタン。
ザ・ニューヨーカー・ウィンダム。IMG_3352

初日の視察時間がほとんど消えた。
第1~3団までは3日の弾丸視察だった。
しかし第4団はさらに特急弾丸の2日間で、
すべての工程をこなさなければならない。

そこで視察時間を捻出するために、
セミナー開始を1時間早めた。

朝7時に会議室に集合。 IMG_3343

いつものように、
ロピアの理念と7大用語の唱和。
4団の唱和リーダー役は自薦。
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結城義晴の講義は2時間。
これは短縮できない。
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アメリカ小売業を学ぶための基本的態度。
さらにアメリカ経済と米国小売業の最新情報。
ニューヨーク市とニューアークの市場分析。
結城義晴の視点から徹底解説する。IMG_3346

興奮してくると、
ハンドマイクに変えて、
手振り身振り。
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ロピアはニューヨークから学んで、
独自の成長を見せた。

それを若いチーフたちに再体験してもらう。
そのことを念押しした。IMG_3359

2日目の視察先は、
ニューヨーク州の隣のニュージャージー州。

最初に訪問するのは、
ウォルマート・スーパーセンター。IMG_3363

2月14日、バレンタインデー当日。
入口のプロモーションコーナーのブーケ。IMG_3371

導入部は青果とインストアベーカリー。
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青果の平台は、
トマトとアボカド、ナスとライムなど
コントラストのある展開。
しかもそれぞれの商品の組み合わせが、
メニューを連想させる配置だ。IMG_3369

ミート売場からシーフード売場へ。
内装は以前の紺色から明るい青色に変わった。IMG_3379

この店はビジュアルマーチャンダイジングを強化。
ステージを設けて、スポット照明を当て、
マネキンでコーディネートを提案する。IMG_3386

寝具売場もご覧の通り。
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もちろんEDLPの価格政策は変わらない。
「ロールバック」は、
EDLP価格からさらに値下げする。IMG_3389

チェックアウトはセルフレジがメーン。IMG_3383

ターゲット。
ディスカウントストア。
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食品売場はコンパクト。
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ターゲットは、
百貨店のデイトンハドソンが祖業。
アパレルは強い。
太めのマネキンを使う。
実にリアル感がある。
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レジも壁面も什器も真っ赤。
天井を張って蛍光灯を配し、
明るい店内。
床はP タイル。
ウォルマートとの違いは明確だ。IMG_25144

バレンタインデー商品は、
入り口付近のシーゾナル売場で展開。
ハート形の菓子やチョコレート。IMG_25164

アルディ。
リミテッドアソートメントのボックスストア。IMG_3415

アメリカで2300店となった。
1号店は1978年、シカゴにオープン。
私はそれを取材して販売革新誌に書いた。

それから45年。

青果はずいぶん強化されている。

ロピアの青果チーフたちは、
「品質が悪い」とコメント。
それでも顧客は低価格のアルディにやってくる。IMG_3416

カラフルな段ボールケース陳列。
PB比率9割のアルディだからできる。IMG_3418

壁面のサインやパネルも洗練されてきた。IMG_3424

コカ・コーラとアルディのPBコーラ。
比較購買させる。
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PBコーラは12本パック3.0ドル。
コカ・コーラは7.64ドル。
半額以下の脅威の価格。
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お客も良く入っている。 IMG_3438

同じビジネスモデルのライバル、
リドル。
アルディと同じドイツの企業。 IMG_3564
2017年にアメリカ上陸、
もう170店に増えた。

売場導入部のパン売場。
独特のセルフ什器で販売する。IMG_25654

団員たちは試食のために、購入。
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安くてうまいから、
来店客のほとんどがパンを購入する。IMG_3567

青果部門は品ぞろえにおいて、
アルディを圧倒している。
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バナナの品質も良い。
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長い長い陳列線の青果部門。
段ボールケースのまま陳列して販売する。
リドルはアルディとの違いを出す。

生鮮三部門のアソートメント。
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そして非食品のポップアップセール。
毎週水曜日に売り切れ御免の新製品が到着する。IMG_25564

アルディとリドルがそろい踏みし、
しかも互いに競い合うと、
米国のコンベンショナルなスーパーマーケットは、
その過激さについていけない。

イギリスの競争がその前例となっている。

ウェグマンズ。
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ウォルマートにもターゲットにも、
コストコにも、
アルディ、リドルにも対策を打っている。

一丁目一番地は、
バレンタインの大々的なプロモーション。IMG_3448

入口の平ケースは、
先週のスーパーボウル向けから、
バレンタイン向けのメニュー提案に一変。IMG_3449

二人前の蟹爪や、魚の切り身のミールキット。
赤いハートをあしらっている。IMG_3451

クラブケーキは2個入り。
これをランチで食べた。
美味かった。
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青果部門の先頭には、
いつもはリンゴなど旬の果物を展開するが、
今日はブーケの展開。
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インストアベーカリーのスイーツ。
ハート形のパックにチョコレートがけのイチゴ。IMG_3457

そしてシーフード売場。
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丸魚をハート形に陳列して、
赤いバラを散らしている。
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チーズ売場のバレンタイン商品。IMG_3486

全米のバレンタイン商戦は、
クリスマス商戦に匹敵する。
だからウェグマンズは全店をあげて、
バレンタインプロモーションを仕掛ける。

酒売場は隣接した別棟になっている。IMG_3494

ここではインタビュー。
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ロゼのスパークリングワインを試飲。
最後はシャンパンまで開けて、大歓迎してくれた。IMG_25484

日本のお菓子をプレゼント。
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皆で記念撮影。
(逆光だったが、これもいい写真だ)IMG_3501

ショップライト。
ボランタリーチェーン。
その中でも秀逸の店。
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ウェグマンズを丁寧に真摯に学び、
そのうえでウェグマンズとの違いを出す。

売場に入る前の広い通路は、
プロモーションスペースだ。
もちろんバレンタイン商品の展開。
こちらもスーパーボウル販促から、
劇的な変化を見せている。
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売場に入るとバルーンと切り花。IMG_3508

イチゴのチョコレートタワーで実演販売。IMG_3514

1個ずつ丁寧につくられていく。
目を引くプレゼンテーションだ。
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この店のインストアベーカリーには、
力が入っている。
ケーキは対面販売だ。
バレンタインの今日は、
イチゴをメインにした商品化。
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天井高を活かした内装やサイン。
美しい店だ。
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デリブランドのボアーズヘッドを導入。
切り立てのハムやチーズを提供する。IMG_3522

レジ前では、ワインと切り花の関連販売。IMG_3529

レジにもバルーン。
バルーンは広い売場で目を引く。
プロモーションの仕掛けに効果がある。IMG_3561

ストップ&ショップ。
ニューヨーク&ニューアークで、
ショップライトに続いて、
2番目の市場シェアをもつ。
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入口のバレンタインプロモーション。

手づくりのミッキーマウスとミニーマウス。
よく見ると張りぼてで、やや粗雑。IMG_3413

常套手段の「Buy1 Get1Free」
1個買うと1個もらえる。
これをやるしかない。
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顧客のいない主通路を、
自動掃除機ロボットが動き回る。IMG_3410

コンベンショナルなスーパーマーケット。
全米4万5000店の中の4万店が、
こうしたとんがりのない店ばかりなのだ。

業態とフォーマットの違いがわかっていない。
フォーマットの実現のさせ方が身についていない。

そんな平均的な店は、
どんどん淘汰される。

何しろ競争は厳しい。
日本も同じだ。

ニュージャージー州の視察を終えて、
マンハッタンのアッパータウンへ。
そのブロードウェイを歩いて、
4店舗を視察する。

ゼイバース。
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たった1店舗の小売業だが、
ニューヨーカーから絶大な支持を得ている。IMG_E3582

主要部門が専門特化した品揃えである。
スモークフィッシュはこの店の売れ筋。IMG_3585

さっそく、井上裕一団長が、
夜の親睦のためのつまみとして購入。IMG_3586

惣菜の対面売場。
惣菜はこの店オリジナルの味付け。
その味にファンがついていて、
優良な固定客となっている。
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店頭には宅配用の専用バンがあった。
オンラインの売上げは全体の4分の1を占める。
そしてそれが伸びている。
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1店でも独自の特長を持つ店は生き残る。
マーケットニッチャーである。

特長をもたないマーケットフォロワーたちが、
ニューヨークの舞台から消え去っていく。

シタレラ。
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店内は真っ白で高級感のある造り。
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生鮮とデリは対面販売。
鮮魚コーナーの壁面には、
魚のしっぽのデザイン。
おもしろい。
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これだけの魚売場はあまりない。
そのうえでニューヨークデリに特徴がある。

シタレラの隣に、
フェアウェイマーケット。
八百屋出身のスーパーマーケット。IMG_3601

スーパーマーケットの多くが、
導入部に果物を配置するが、
フェアウェイは野菜を導入部に配する。IMG_3603

カラーコディネートされた見事な野菜の陳列。IMG_3605

売場の一角で、
ささやかなバレンタインプロモーション。IMG_3611

最後は、
トレーダー・ジョー。
地下1・2階の2層店舗。
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1階・2階には、
ドラッグストアのデュアンリードが入る。
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エスカレーターで地下1階に降りると、
壁面いっぱいの切り花や鉢植え。
もちろんバレンタイン仕様。IMG_3616

夕方は大混雑するこの店も、
今日は顧客が少ない。
恋人や家族、友人同士で、
バレンタインデーを祝う人が多いからだ。IMG_3619

冷凍食品は多くのアイテムが欠品している。
顧客の評価で「殿堂入り」した、
人気のマンダリンチキンも残りわずか。IMG_3627

トレーダー・ジョーにしかない、
品質の良いオリジナル商品を、
低価格で販売する。
トレーダー・ジョーは、
周辺のスーパーマーケットを視察すると、
抜きんでていることがよくわかる。
競争は強烈なポジショニングを、
浮き立たせる役割をもっている。IMG_E3624
特別弾丸視察の1日。

奇跡的なスケジュールは、
学習効果満点で終了した。

夜はステーキレストランでの会食。
団員は3つのレストランに分かれて会食する。
私は「スパークスステーキハウス」IMG_25734

OICグループ仕様のメニューで、
歓迎してくれた。
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食事をしながらの会話は弾んだ。
とても良い内容の話ばかりだった。IMG_3638
さまざまな企業から転職してきた、
若いチーフたちが、
よく考えて仕事をしている。

そのうえで真剣に意見を戦わせる。
それがロピアの強みになっていく。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年02月14日(水曜日)

NYC大雪のロピア米国研修第4団到着と「みんなで学べ」

「ニューヨークに今夜半から大雪」

2月12 日正午ごろ米国国立気象局は、
ニューヨーク州とニュージャージー州に、
大雪警報および沿岸洪水警報を出した。

市内の学校は翌13日、
すべて休校の措置をとった。
ジョンFケネディ空港は、
どうなるのか。

これにいち早く反応したの日本航空。
ジョンFケネディ空港の大雪を警戒して、
13日の東京-ニューヨーク便の欠航を決めた。

ロピアNY研修第4団が、
12時40分羽田発JAL005便に乗る予定だった。
それがキャンセルになった。

12日14時過ぎには、この一報が届いた。

ウィンターストーム(大雪)?
このときのマンハッタンは晴天。
予報では雪は夜の11時過ぎから、
降り始めるらしい。

現地で待機する私たち事務局は大わらわ。

17時半になると、
JAL004便に振り替えて、
ニューヨークに到着することが判明。

けれど到着は13日の18時半になる。
1日の視察工程がほぼなくなる。

事務局は頭を悩ませた。

もちろん私もさまざまな状況を想定して、
いろいろな手段を考えた。

初日のスケジュールはすべて、
こなせなくなる。

ただでさえ3泊5日の弾丸ツアー。
もともと与えられた時間は多くはない。

2015年から何年も練りに練って、
つくり上げた行程だ。
そのクオリティを落としたくはない。

全員で知恵を絞って、
すべての研修ができるように、
完全にスケジュールを再構成し、
関係各所に手配した。

夜になると雨がみぞれに変わった。

そして13日に日付が変わるころ、
雪となった。
朝にはビル群は雪で霞み始めた。

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それでも路面に雪はない。

マジソンスクエアガーデンも全景が見える。
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そのあと、午前中は横殴りの雪が降った。
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しかしそれほど積もらなかった。
警報はやや空振りだった。

事務局は17時過ぎに、
ジョンFケネディ国際空港に向かった。

そのころマンハッタンは快晴。
夕日に照らされたアンパイヤステートビル。
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ペンシルベニア駅から地下鉄に乗り、
ジャマイカ駅でターミナル行きのエアトレインに乗り換えた。
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第4団の団員たちは、
元気に笑顔でやってきた。

到着して専用バスに乗り込み、
一路、マンハッタンへ。

ハドソンヤードのホールフーズに向かう。

ハイライン側の入口は、
電飾に飾られて美しい。
エンパイヤステートビルが見える。
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ホールフーズのマンハッタン最新店。
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明日はバレンタインデー。
入口には見事な花のプレゼンテーション。
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アメリカのバレンタインデーは、
家族や大切な人に、
感謝や好意の気持ちを表す大切な日だ。

男性も女性に対して、
チョコレートや花、ジュエリーなどを贈る。
家族や友人とはプレゼントを交換し合あう。
だから切り花や鉢花は大事なアイテムだ。

ホールフーズの青果売場。
20時30分を過ぎて、
さすがに顧客は少ない。IMG_2445

斬新なチーズ売場。

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団員たちは売場や商品を写真に収める。IMG_3315

シーフード売場からミート売場へは連続の対面コーナー。IMG_2452

事前講義はバスの中の29分ほど。
だから質問も多かった。
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第4団は意欲満々。

ミート売場では盛んに写真を撮っている。
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それがこれ。
ハート形にカットしたリブステーキ。IMG_2441

広大な惣菜売場。
しかし閉店1時間前で、
商品も少なくなっていた。IMG_2443

初日の夜はいつものように、
高級ステーキレストランを予約していた。

予定が変更となって、
ホールフーズのデリで、
夕食をとることにした。

キャッシュレスのセルフレジ。
一人一人会計をする。
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こちらはグロサリー売場の奥の、
現金対応もできる対面レジ。IMG_2451

広いフードコートで、
それぞれが買った惣菜を楽しむ。IMG_3318

長旅でも元気なピースマーク。IMG_3319

オーガニックのホットデリやサラダ。
残念ながらスープは片付けられていた。
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ビールも解禁にした。
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今夜はビールを飲んで、
ぐっすり眠るのが時差ボケ解消対策だ。IMG_3322

浅野秀二先生も、
団員たちと一緒にデリで夕食。IMG_3323

そしてホテルに到着。
ロビーで部屋の鍵などを配る。
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長い長い一日だった。

それでも全員の好奇心は、
逆に高まった。

学習する組織。

今、ロピアはそれを目指している。

2024年の商人舎標語。
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みんなで学べ。

「まなぶ」は「まねぶ」から生まれた。
学ぶことは真似ることから始まる。
創意を尊びつつ良いことは真似よ。

商人は商売と仕事から学ぶ。
会社と上司と仲間から学ぶ。
顧客と取引先と地域から学ぶ。

話を聞いて学ぶ。
本を読んで学ぶ。
体験して学ぶ。

みんなが学ぶ。
しかし優先されるべきは、
個人が学ぶことだ。

個人が人生をかけて学ぶ。
それが組織学習の基礎となる。
個人の学習なしに組織の学習はない。

「みんなで学ぶ」とは、
「チーム学習」とは、
学んだ者同士が対話することだ。

対話を通じて、
ビジョンを共有し、
成果を最大化させることだ。

ポストコロナの2024年。
学習する組織をつくろう。
みんなで学ぼう。

個人が人生をかけて学ぶ。
それが組織学習の力となる。
個人の学習なしに組織の学習はない。

〈結城義晴〉

2024年02月13日(火曜日)

ロピアNYC研修第3陣帰国/メイシーズ本店を散策

日本では2月12日は、
建国記念の日の祝日の振り替え休日。

13日の火曜日は三連休が終わって、
気分は春に向かう。

気温は20度を超えるとか。

ニューヨーク時間は、
2月12日月曜日。
ロピア2024NYC研修第3陣が、
大きな収穫を得て帰国した。

日本時間の2月9日に出発して、
2月13日に帰国する3泊5日の弾丸ツアー。
それでも元気いっぱいに視察の全工程を終えた。

車中で結城義晴の最後の講義。
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ロピアの米国研修ではいつも、
スイートルームを余分に1部屋借りる。
その部屋で参加社員たちがコミュニケーションを図る。

今回は朝5時過ぎまで団員たちが、
親睦を深めた。

だから眠そうな様子。
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それでもテキストを開いてもらって、
「第4部・商品が変わる」の残りの部分と、
「エピローグ」を講義した。

フリーウェイが渋滞していたので、
50分ほどの講義。
最後は「自ら、変われ!」

Behaviorから変えよう。
だれにでもすぐにでも、
Behaviorは変えることができる。

快晴のJFK空港に到着。
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空港は空いている。
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早速、JALカウンターでチェックイン。
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カウンターは空いていて、
すぐに全員が搭乗手続きを終了。
そして記念撮影のために集合する。
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研修の成果を各自持ち帰る、
笑顔の帰国。
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帰国してから成果を上げてほしい。
自ら、変わってほしい。

見送って、居残るのは4人。
ホテルに戻って、
それからすぐにランチ。

そして私はホテルから歩いて3分、
メイシーズ本店に行った。
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全米ナンバー1の百貨店。
2023年1月期で年商244億4200万ドル。
150円で換算すると3兆6663億円。
伸び率はマイナス0.1%。
つまり前年割れ。

純利益は11億7700万ドル。
1766億円。
こちらは17.7%のダウン。

店舗は全米43州と、
グアム、プエルトリコに783店。
バナーはメイシーズ566店、
ブルーミングデール57店。

全米のほとんどの百貨店を買収してきた。

一般的な百貨店がメイシーズ、
超高級百貨店がブルーミングデール。

私はこのバナーの統一は、
メイシーズをさらに衰退させたと思う。

本店は2012年に4億ドルをかけて改装した。
このときテリー・ラングレンCEOが、
「オムニ・チャネル宣言」を発した。

しかし今、ウォルマートが、
「オムニチャネルリテイラー宣言」をして、
メイシーズのコンセプトは奪われてしまった。

その本店は6番街と7番街大通りと、
34丁目と35丁目のストリートに囲まれた、
巨大な長方形のブロックすべてを占める。

19万8500㎡の店舗面積。
6万坪を超える。

2009年3月3日に韓国釜山市に、
新世界センタムシティ百貨店が開業して、
その世界最大の座は譲った。
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売場にも他を圧倒するものが薄れてきた。
ロンドンのハロッズにはかなわないだろう。

残念ながら。

マンハッタンは春のような陽気で、
街角を歩く足取りも軽かった。

第3陣を送り出して、
気分もよかった。

しかし、この夜、
大変なことが起ころうとしていた。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年02月12日(月曜日)

ロピアNYC研修第3陣のWegmans/EATALY/Whole Foods

ロピア2024ニューヨーク研修第3陣。
視察も最終日。

朝8時から恒例の結城義晴の講義。
全員が集まったら時間前でも始める。

初めにロピアの理念と7大用語の唱和。
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リーダーが元気よく、皆をリードする。IMG_3133

講義の前に井上裕一団長のあいさつ。
ロピア九州営業本部長。
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井上さんは商人舎の海外視察にも、
何度も参加している。

ニューヨークで学んだことを、
一つでもいいから、
現場で実践してほしいとエール。

そして講義。
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はじめに「商人の本籍地と現住所」の話をした。IMG_3146

ロピアは中途採用者やスカウト組が多い。
つまり異なる本籍地をもつ者が多数在籍する。
「人材の多様性」が特長の組織である。

それぞれの本籍地で学んだことを大切にしつつ、
現住所のロピアで躍動してほしい。

2日目の講義は、
ロピアの経営戦略の根幹となっている理論を、
ロピアの事情に合わせて語る。

レース型競争とコンテスト型競争、
寡占・鼎占・複占と範囲の経済。
マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャー、
フォロワーとニッチャー。

そして業種・業態とフォーマット。
ポジショニング戦略。

アメリカの現物を見せた後で、
理論を説明すると、
日本で講義をするよりも、
はるかに理解が進む。

第3陣だから三度目の講義だ。
しかし同じ話を三回繰り返すわけではない。

それぞれにチームの理解度を測りながら、
強調するところ、繰り返すところなど、
ポイントを変えて講義をする。
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ホールフーズの元副社長ウォルター・ロブの言葉。
「私たちはマーケットシェアの概念の代わりに、
マインドシェアを使っています。
マインドシェアとは顧客の心の中に占める、
ホールフーズの占有率です」

これこそロピアの戦略だ。

最後の最後は、
ポジショニング戦略10の決め手。
その第1の決め手。
「変化が激しくなるほど、
変わらないものの価値は上がる」

講義が終わると、ちょっとだけ観光。IMG_3161

遠くに自由の女神が見える。 IMG_3158

9・11メモリアル。
ワンワールドトレードセンター。
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2001年の世界貿易センターの同時多発テロでは、
ツインタワーにいた3000人ほどの人が亡くなった。
グラウンドゼロの慰霊プールには、
犠牲になった一人ひとりの名前が刻まれている。
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そしてワールドトレードセンター駅のオキュラス。
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世界一美しい駅舎と言われる。
そこで静かに記念撮影。
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短い観光を終えて、
向かったのは、
ウェマンズ。
ワナメイカー百貨店跡地のビル。
1階と地下1階が売場の2層店舗。
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昨日はウェグマンズの郊外店を見た。
今日はマンハッタン進出1号店、
大都市型の店舗を学び。IMG_3174

真っ先に「SAKANAYA」責任者の、
エイドリアンさんにインタビュー。
日本の魚屋をマンハッタンで再現した。
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彼は本当に勉強熱心で、
ウェグマンズで働くことに、
強い使命感をもっている。
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いつも違ったエピソードを交えて、
面白く話してくれる。
団員の質問にも丁寧に答える好青年だ。

ロピアから彼に感謝の意を込めて、
ロピタ君をプレゼント。IMG_3203

マシュー店長と、
現地コーディネーターの浅野秀二さんと。
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そして早速、売場に飾ってくれた。
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休日の今日はマグロの解体ショーが行われる。
エイドリアンさん自ら包丁を握り、
ショー化されたプレゼンテーションを展開する。

みごとな完全養殖の本マグロが、
解体ショーを待っている。
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ロピアの面々も、
売場づくりや商品を丹念に観察する。IMG_3206

今夜は全米ナンバー1のイベント、
「スーパーボウル」が開催される。
食品を買って自宅でTV観賞する人、
スポーツバーで応援する人。
昼にもかかわらず、
自宅派の買い出し客でレジには長蛇の列。
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車中では店舗を見た後の解説講義をする。
これによって理解が深まるし、
見解が集約される。IMG_3220

次に向かったのは、
イータリー。
マンハッタン1号店。IMG_2306

美しいカゴ盛りの柑橘類。 IMG_3225

青果売場はイタリアの八百屋風で、
コンパクトだ。
白い什器使いで商品が映える。IMG_3227

EATALYは、EATとITALYを合わせた造語。
イタリア料理を食べさせ、
イタリア食材を売る店だ。

店内にはさまざまなレストランがある。IMG_3233

パスタとワインを提供する店。IMG_3235

テーブルの上で生パスタをつくっている、
その作業を鏡に反射させて、顧客に見せる。
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食べる、買う、学ぶ。
食堂であり、市場であり、学校である。
それがイータリーのコンセプトだ。

私はカフェで一休み。IMG_3250

カプチーノと小さなケーキをいただいた。IMG_3246

最後はハドソンヤードへ。IMG_2330

その一角のオフィスビルに、
ホールフーズが出店した。IMG_2308

1階のエスカレーターのところに、
美しいバナナとリンゴの陳列。
そしてバレンタインプロモーション。
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都市型店舗として、
全体に白を基調にして、
洗練されたデザインを施す。IMG_2316

バナナ売場もユニークだ。
ウェグマンズが市場風ならば、
ホールフーズはアーティスティック。
そんなプレゼンテーションの違いがある。IMG_2318

シーフード売場は対面方式の平冷蔵ケース。
これもウェグマンズの魚屋とは対比的だ。
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レジは完全セルフ。
アメリカのスーパーマーケットではもう、
当たり前になってきた。IMG_2328

ホールフーズには、
広いイートインコーナーがある。
これがウェグマンズ・アスタープレイス店と、
大きな違いとなっている。

団員たちはホールフーズで買ったスープやデリと、
持ち込んだウェグマンズの寿司やデリでランチ。
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大きな口でかぶりつく。
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おいしい顔をどうぞ。
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「おいしい?」IMG_3256

みんなポーズをとってくれた。IMG_3260

こうして最終日の視察は終了した。

ホテルに戻ると、
いよいよ自由研修時間。

トレーダー・ジョーや、
ホールフーズを巡るもよし。
メイシーズで買い物するもよし。
メトロポリタン美術館の鑑賞もよし、
五番街散策もよし。

大いにニューヨークを楽しんでほしい。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年02月11日(日曜日)

ロピア研修第3団の2日目はニュージャージーとブロードウェイ

日本は建国記念の日。
その3連休。

建国記念の日の祝日は、
戦前までは「紀元節」だった。

その紀元節は、
「日本書紀」で神武天皇が即位した日とされる。
神話の世界の話だが紀元前660年1月1日。
これは旧暦だから、明治時代になって、
グレゴリオ暦に変えて2月11日となった。

だから建国記念の日は、
中国などで行われる「春節」と近い。
春節は旧暦の元日である。
今年の春節は2月10日。

アメリカでも中国人の多いエリアでは、
春節をプロモーションテーマにする。

ザ・ニューヨーカー・ウィズダム。
今年のロピア研修会の宿泊ホテル。
ミッドタウンにあって、
ペンシルバニア駅があり、
マディソンスクエアガーデンがある。
メイシーズ本店も近くにある。
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2階のホールで、
朝8時から最初の講義。

初めにロピアの経営理念の唱和、
そして接客七大用語。IMG_2806

ロピアでは社員が集合したときに、
必ずこの唱和が行われる。IMG_2807

リーダー役が先導して、
そのあとで全員が繰り返す。IMG_2810

唱和が終わると、
結城義晴の第1回講義。IMG_2816

まず米国小売業から学ぶために、
知っておかねばならないことを説明する。

それから視察店舗の企業の特長。
そしてその位置づけ。IMG_2827

10時までの2時間講義。
ロピアの企業コンセプトや、
ストアフォーマットと絡めて、
結城義晴の戦略論を語る。IMG_2835

10時に講義を終えると専用バスに乗り込む。
ハドソン川をくぐって、
ニュージャージー州へ。

ウェグマンズ。IMG_2995

青果部門の導入部には、
バレンタインプロモーション。 IMG_2970

一丁目一番地の売場で、
強烈なファーストインプレッションを与える。
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バルーンを使って、切り花を売り込む。IMG_2922

 

カットフルーツコーナーでも、
バレンタインがテーマ。 IMG_2890

もう一つの販促テーマは、
スーパーボウル。
アメリカンフットボールのNFLで、
2023年シーズンの年間王者を決定する。
ウェグマンズの合言葉は「For the Win」

明日の2月11日に行われる。
全米ナンバー1のスポーツイベントだ。
58回目を迎えて、
すべてのアメリカ人が、
このイベントを楽しむ。
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スタジアムで楽しめる人はほんの一握り。
大抵は家でTV観賞する。
その際のデリや調理済み食品、
スナックなどを品揃えする。IMG_2958

サンドイッチの大容量サイズ。
大きな丸型容器に、
花が開いたように盛り付ける。IMG_2959

ミールキットメニューを揃える。
焼くだけ、あるいはオーブンに入れるだけ。
しかも、ファミリーパックサイズ。IMG_2886

スナック売場のスーパーボウルの仕掛け。IMG_2080

足元はフィールドコートの演出。IMG_2081

レジにもバルーンを掲げて、
プロモーションを盛り上げる。IMG_2924

私たちはリカーショップで、
インタビュー。
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店長はいわく、
「今、トレンドはビールのカクテル」。
それを試飲をさせてくれた。IMG_2980

全員でウェグマンズのロゴの前で記念撮影。IMG_2989

やはりウェグマンズはいい。
大満足。
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車内ではオレオクッキーと、
オレオ仕様のウェグマンズのPBを試食。IMG_2999

ショップライト。
ボランタリーチェーンだが、
この店はその中でも最高峰。IMG_3001

入口を入った導入部ではやはり、
スーパーボウルのプロモーション。IMG_2086

「Great For Game Day」
サンドイッチやチキンウィング。IMG_2087

アメフトボールの形をしたケーキ。
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売場に入ると、
バレンタインプロモーション。IMG_2092

インストアベーカリーでも
華やかなプレゼンテーション。IMG_2093

スーパーボール向けのカップケーキ。
丁寧な商品づくりだ。IMG_E3011

青果部門はウェグマンズほどではないが、
力の入った品ぞろえだ。
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私はランチにスモークブリスケットを、
ハーフポンド注文した。IMG_2098

スライスしてもらって、
イートインスペースで寿司と食べた。
醤油をかけたらうまかった。IMG_3019

ショップ&ライトの向かい側に、
リドル。
ドイツのボックスストア。
リミテッドアソートメントストアで、
アルディのライバル。IMG_2129
格安のプライベートブランドを開発する。

入口ではこちらもスーパーボウル販促。IMG_3022

さらに入ると、
バレンタインのブーケ。
ボックスストアでも、
プロモーションテーマをしっかり打ち出す。IMG_3023

売場の導入部にあるのが、
インストアベーカリー。
オリジナルの什器で販売する。
団員たちは購入して試食。

1個が79セント、89セント。
結構うまい。
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今週のお買い得品コーナーで、
バレンタインチョコの展開。IMG_2118

アルディよりも生鮮が充実している。
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店の真ん中には平台の非食品売場。
水曜日に新商品が届く。
それらはすべて、
売り切れ御免のポップアップ販売。
これがリドルの特長だ。IMG_21243

さらに、
ストップ&ショップ。
東海岸のローカルチェーン。
オランダのアホールドデレーズに買収された。

ニューヨーク市では、
ショップライトに次いで、
2位の市場シェアをもつ。IMG_2130

入口の切り花はもちろん、
バレンタイン。
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しかし売場には割引セールのPOPが氾濫。

1個買えば、1個タダでもらえる販促。
コンベンショナルなスーパーマーケットが、
ほかにやることがないから展開する売り方だ。IMG_2134

エブリデーロープライスの後ろでは、
セール、セールのPOP。
自己矛盾。
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こちらの売場は、
カテゴリーごと欠品だらけ。
補充もされていない。IMG_2148

コンベンショナルなスーパーマーケット視察も、
とんがりの意味を考えるときに役に立つ。

マンハッタンに戻る前に、ちょっと観光。
対岸の摩天楼が見えるハミルトンパーク。IMG_2158

ラブラブロピア♪で記念写真。IMG_3054 - frame at 0m3s

マンハッタンに戻って、
アッパータウンへ。
ブロード沿いの店舗を見て回る。

ゼイバース。
たった1店舗だけだが、
常連顧客に支えられて繁盛している。IMG_3057

入口のささやかなバレンタイン向けの切り花。IMG_3061

チョコレートコーナー。
棚に赤いハート形のモチーフを飾るだけ。
シンプルだ。
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バレンタインもスーパーボウルも、
あまり意識していない。
いつものゼイバースだ。

世界中から集められたチーズの売場は圧巻。IMG_2165

フィッシュスモークが特徴。
ゼイバースの強みの一つだ。IMG_2168

パンの種類も豊富。IMG_2169

2階にキッチン用品などの雑貨を品揃えする。
階段の踊り場では、
ゼイバースブランド商品を陳列。
エコバックやマグカップ。IMG_2161

団員たちも、
お土産としてずいぶん購入していた。

隣接しているゼイバースカフェ。
ここでも団員たちが行列している。
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少し南下すると、
シタレラ。
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ニューヨークデリを対面で販売する。IMG_2177

魚屋出身とあって、
魚種も豊富だ。
もちろん対面販売。

魚のしっぽだけデザインされた壁面が面白い。IMG_2180

対面のミート売場。IMG_2181

団員からは「値段が高い」の声。
その通り。

アッパータウンの高所得者層を、
メイン顧客にして生き残る。

シタレラと並ぶように、
フェアウェイマーケット。IMG_3086

店舗の外側、道路に面して、
簡単な囲いを付けて、
お買い得品コーナーを設ける。IMG_2182

切り花もこの一角にある。IMG_3103

フェアウェイは青果が強い。
しかし10年前に比べると、
ずいぶん商品陳列量が減った。IMG_2184

対面のデリ売場。
シタレラとも違う、
独特の味付けで競い合う。
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量り売りのオリーブバー。
これだけの種類を揃える。IMG_2191

棚には商品がぎっしり。
ニューヨーカーの多様なニーズに応える。IMG_2193

シタレラが高所得者狙いなら、
フェアウェイマーケットは幅広い客層を狙う。

最後の視察店は
トレーダー・ジョー。IMG_3105

地下1階・2階の2層店舗。
トレーダー・ジョーが出店して、
周辺のスーパーマーケットは、
大きな影響を受けた。
このエリアの一番店だ。

地下1階の青果売場の先頭に、
バレンタインブーケ。IMG_3111

ベーカリー売場のバレンタインコーナー。
チョコやクッキーなどが並ぶ。IMG_3114

壁面のイラストが変わった。IMG_22044


夕方5時ごろになると、
冷凍食品は品切れを起こしてくる。

それでも一番人気は欠品させない。
「殿堂入り」したマンダリンチキンオレンジ。
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ゼイバースもトレーダー・ジョーも、
スーパーボウルやバレンタインの販促は、
控えめだ。

隣のデュアンリード。
ニューヨーク発祥のドラッグストアチェーン。
現在はウォルグリーン傘下。IMG_2217

アメリカのドラッグストアは、
日本のコンビニエンスストアの役割を兼ねる。

1階のコンビニ売場には、
ちょっとだけバルーンを揚げて、
バレンタイン販促。
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視察研修2日目はニュージャージーから、
マンハッタンまで。

今日は最高気温が15度で春のような陽気。
視察日和だった。

夜は団長の井上裕一さんを囲んで
日本食レストランで会食。
井上さんはロピア九州営業本部長。
コーディネーターの浅野秀二さん、
現地ガイドの富澤由紀子さんと、
商人舎GM亀谷しづえの5人。IMG_3130

朝の講義から始まって、
車中講義を続けた、長い1日だった。
少し疲れた。

それでも充実したロピアNYC研修。
一人ひとりが目に見えるように成長している。

〈結城義晴〉

2024年02月10日(土曜日)

ロピアのイトーヨーカ堂店舗事業継承とNYC研修第3陣の初日

ロピアは2015年から、
アメリカ研修を継続している。
いつも1月から2月。

チーフ以上の全員が、
例外なくニューヨークを学ぶ。

アメリカの大都市圏で、
どんなポジショニング競争が展開されているか。
どんなイノベーションが起こっているか。
そのスピード感はどれくらいか。

それを学ぶ。

日本では話題騒然。
商人舎流通SuperNews。
イトーヨーカ堂news|
北海道·東北·信越の10店舗をロピア、ベニマルに事業承継

イトーヨーカ堂の撤収作戦。
北海道・東北・信越エリア。
ロピアを運営する㈱OICグループに、
北海道の屯田店、琴似店、
青森県の青森店、弘前店、
岩手県の花巻店が事業継承される。
新潟県の丸大新潟店は株式譲渡される。
長野県のアリオ上田店には、
2025年2月頃、ロピアが出店する。

ヨークベニマルには、
宮城県の石巻あけぼの店が、
2025 年3月頃、事業継承される。

ダイイチは、
北海道のアリオ札幌店食品売場に、
2025 年3月頃出店する。
アリオは営業を継続する。

とくにOICグループは、
6店舗の事業を継承し、
アリオ上田には出店する。

ロピアの成長の勢いが増してくる。

羽田を飛び立った私たちは、
12時間ほどのフライト。

ブログを書いて、
映画を4本くらい見て、
二度食事をすると、
朝日が昇ってくる。
美しい。
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眼下には雪景色。
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予定よりも早く、
JFケネディ空港に到着。

今年のロピア研修第3陣。

1月に第1陣、第2陣の総勢80名ほどを、
コーディネートし、引率した。
2月は9日から17日まで、
第3陣と第4陣を引率する。

すぐに専用バスに乗り込み、
視察がスタート。

ウォルマート。
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直近の2023年1月の年商は、
61億1289万ドル。
1ドル150円換算ならば、92兆6934億円。

日本の国会予算は、
2023年度の一般会計が114兆円だが、
それに近い数値を売り上げる。

小売業世界第1位にして、
世界ナンバー1の売上高を誇る企業だ。

このニューヨーク郊外の、
パワーセンター内のこの店は大繁盛店。
金曜日の昼過ぎ、
カートがこれだけしか残っていない。
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よく顧客が入っている。
金曜日の昼前。
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団員たちはそれぞれに
店内を視察する。
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ランチ用に対面売場でデリを購入。IMG_2644

現地JTBスタッフの富澤由紀子さんが、
サポートしてくれて、
無事購入。
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バレンタインプロモーション。
ウォルマートは催事に強い。IMG_1987

バイク売場。
アメリカで一番自転車を売る企業。
特徴的な陳列什器。
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フィッシング関連のコーナーも、
品ぞろえが充実している。
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そして売場では、
オンライン販売のピックアップカート。IMG_1997

ウォルマートは、
プラスチックのショッピングバッグを中止した。
代わりにオリジナルのエコバッグを販売する。
1月に来店したときはにはなかった。

結構、顧客が購入して使用していた。
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1時間の視察を終え、全員で記念撮影。
いつものように、指示をする。IMG_2646

手でハートマーク。
ラブラブロピア♪
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ターゲット。
こちらもパワーセンター内の核店舗。
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ウォルマートと同じ業態展開で、
ウォルマートとの違いを鮮明にして、対峙する。
年商1091億2000万ドル。
16兆3680億円。

入口右手のCVSファーマシー。
2015年に、
インストアファーマシーとクリニック部門を、
CVSヘルスに19億ドルで売却。
アライアンス関係を築く。
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この店はディスカウントストア。
だから青果は絞り込まれている。IMG_2660

入口正面にある「Target Elevate」。
働く女性たちのための、
ビューティ売場。
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ターゲットはアパレルが強い。
母娘のコーディネート。
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そして真っ赤なレジ。
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カーブサイドピックアップは、
オンライン上で注文した商品を、
店舗の駐車場で受け取ることができる

その専用駐車場「ドライブアップ」IMG_2732

米国でもコロナパンデミックを経て、
ネットスーパーの需要が急速に伸びた。

団員たち質問に答えながら、
ターゲットを後にする。
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隣接するパワーセンターには、
アルディ。
ドイツのボックスストア。IMG_2748

本体も非上場企業で、
アメリカのアルディも非上場。
2300店の規模になった。

1万平方フィート(281坪)の小型店。
PBが95%を占める。

1000店を超え、2000店を超えると、
利益も出て、品ぞろえも拡大され、
最近は3000SKUにまで拡大している。IMG_2747

壁面のカラフルなパネルなど、
店内は洗練されてきた。
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副店長にインタビュー。
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通訳は浅野秀二先生。

この店は電子棚札を導入したばかり。
効率的な運営になったと、
副店長は胸を張った。
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全員で記念写真。
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ロピアのマ秀コット「ロピタ君」をプレゼント。
喜んでくれた。
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小一時間ほどかけてブルックリンへ。

トレーダー・ジョー。
アルディ傘下の大人気チェーン。
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レジのそばで試食が復活していた。
ポップアップの簡易な試食台だが、
復活は嬉しい。

ドライイチジクとチーズ。
早速試食。

おいしかったので土産で購入。
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この店は銀行の跡に出店した。
だから天井は高く、快適な売場空間。IMG_2054

2列に並ばせて順番に案内する、
銀行方式のレジ。
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店頭にあった菊の鉢植え。
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上段のマネーツリー。
春節をターゲットにした品ぞろえだ。
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初日最後の視察店は、
ホールフーズ環境対策店。

2階に水耕栽培の温室「ゴッサムグリーン」がある。
収穫した野菜は店内で販売する。
究極の地産地消。
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入口を入ると広い風防室。
上を見上げると温室が見える。IMG_2795

美しいプレゼンテーションの青果売場。
IMG_2794

導入部では平ケースで、
チキンウィングのパックを販売。
スーパーボウルをTVで楽しむ人たちに向けて、
チキンの提案。
IMG_2066

青果を抜けるフィッシュマーケット。
独立したシーフード部門を持つのが、
ホールフーズの特徴。IMG_2792

惣菜売場のスープやホットデリのセルフバー。IMG_2784

セルフレジ。
有人レジを縮小して、
セルフレジコーナーを拡げている。IMG_2781

アマゾン傘下になり、
プライム会員向けオンライン受注は、
販売の大きな柱になっている。IMG_2796

ピックアップされた商品を保存するスペース。
IMG_2797

カーブサイドピックアップ。
店員が車まで運び、
トランクに詰め込む。IMG_2798

環境対策店の駐車場の屋根は
ソーラーパネル。
美しい店だ。
改めてそう思った。IMG_2779

夕食は3グループに分かれて、
マンハッタンの有名ステーキ店へ。

これまでは、
ウルフギャングやベンジャミンを、
40数名で予約して食事した。

しかし今回は団体ではなく、
個人が食べるディナーの雰囲気を、
団員に味わわせたい。

そこで3グループに分かれて、
ステーキハウスを訪れた。

私はストリップハウス。
IMG_2800

乾杯はブルックリンラガー。
IMG_2803

赤ワインとおいしいステーキ。
そして美味しいワイン。
IMG_2071

私はニューヨークストリップロインを注文した。
そして大満足。

長旅の初日の疲れが吹っ飛んだ。
ありがとう。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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