結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年11月28日(月曜日)

岩崎高治ライフ社長の「ピュアーな商人」と「享楽円・禁欲円」

Everybody! Good Monday!
[2022vol㊽]

2022年第48週。
11月最終週。
今週の木曜日から12月に入る。

2022年も激動の1年だった。
それも残すところ5週間。

FIFA World Cup 2022は、
予選リーグの第2試合が進行している。
次は第3試合に入る。

日本が属するグループEは、
12月1日28時、つまり2日4時から第3ゲーム。

日本はスペインとの名誉の闘いに挑む。

さて日経新聞にトップが二人、登場。
「月曜経済観測」には、
岩崎高治さん。
㈱ライフコーポレーション社長。
202205_iwasaki3

聞き手は編集委員の田中陽さん。
今、知りたいことのほとんどを、
きちんと聞いてくれた。

はじめに、
食品値上げに関して。
「値上げ前の9月にビール類の販売金額は
前年同月比26%伸びた。
駆け込み需要の反動は10月中旬で収まり、
今はほぼ前年並みとなった」

「食パンや菓子パンは値段が上がっても
前年以上の数字をあげている。
価格支配力が強い寡占市場のマヨネーズは
買い上げ点数が10月に入って1%減だが、
売上高は6%強上がった」

「輸入が大半のサーモン、マグロ、カニなどの
水産品の値上がりが激しく
『値ごろ価格』が外れてしまった。
年末にかけても流れは変わらないだろう」

「消費環境は厳しいが、
値の張るおせち料理の予約は好調だ」

私は「享楽円と禁欲円」で、
説明している。

同じ顧客が享楽円を費やす場合もあれば、
禁欲円をシビアに使う場面もある。

値の張るおせちは享楽円消費だ。

「水産物が値上がりすると
精肉の需要が高まる」

これはスーパーマーケットの特長。
商売としての「強み」と言っていい。

「その精肉は単価の高い牛から豚、
豚から鶏へと下方にシフトしているようだ」

これは禁欲円消費。

「競争が激しいハムなどの加工肉は、
ナショナルブランド(NB)から
プライベートブランド(PB)に切り替わっている」

「健康志向のPBは前年比で2倍に増えている。
低価格一辺倒ではない」

ライフの「ビオラル」は絶好調。
享楽円の分類に入る。
202205_bioral-6

「ライフに来店する顧客の購買行動から
『健康』『品質重視』など9つに分類しているが、
『価格にシビア』な顧客の売り上げは
2%程度落ち込んでいる」

「来店頻度は落ちておらず、
一回の購買金額が下がっているので
他の店舗で買い回りをしているのだろう」

価格にシビアな顧客は、
安い店に流れる。
チェリーピッカーである。
禁欲円消費者である。

「値上げした商品を特売すると
『せっかく、新価格に慣れてきたのに、
特売を見ると損した気分になる』
といった声もある」

「消費は二極化しているとよくいわれるが、
いろいろな二極化があり、
一言では説明できなくなってきている」

これこそ享楽円と禁欲円である。
高所得者層と低所得者層とへの分化ではない。

値上げラッシュは、
「今後1年で収まるとは思っていない」

「今は精査して値札を変えているが、
小売業自体のコストアップは
転嫁されていない」

「電気代は上昇が見込まれ、
価格を抑える自助努力が限界にきている」

その通り。

「物流部門は『2024年問題』という
時間外労働の上限規制が適用され、
明らかにコスト上昇になる」

これもその通り。

「価格感度や生活防衛意識の高い顧客への
対応もしっかりしながら
付加価値を生み出すような
値上げをしていくことになるだろう」

これこそ「トレードオン」である。

最後に政治への要望。
「正社員の賃金も今年は2.88%、
パートの時給は44円アップした。
人への投資は欠かせないが、
税金がかかる『103万円の壁』のために、
パートの時給を上げても
労働時間が減るだけで還元にならず、
人手不足が深刻化するだけだ。
なんとか見直してほしい」

これは産業を挙げて、
政治や行政に要請する問題だ。
ポリティカル・マーチャントの遺志を継ぎたい。

同じく日経新聞、
「複眼――『年収の壁』と向き合う」に、
三枝富博日本チェーンストア協会会長。
㈱イトーヨーカ堂会長。
saegusatomihiro
タイトルは「多様な働き方を阻むな」

岩崎さんの指摘にもある「年収の壁」問題。

日本チェーンストア協会加盟企業は、
パート労働者が従業員全体の8割。

「状況の改善のため、協会としては
所得税がかかる103万円の壁を
200万円まで引き上げることを要望している」

「本人の税負担の改善だけでなく、
103万円という基準以下であることを
配偶者手当の支給要件にしている企業も多い」

これも「就業調整の壁」になっている。

「税の基準が200万円に上がれば
配偶者手当の基準の引き上げにつながる
との期待もある」

「社会保障については
短時間労働者が厚生年金の加入対象となる企業は
従来501人以上だったが、
10月から101人以上になった」

「今後さらに企業規模要件を
撤廃する議論が進んでいる」

「同じ業種でも規模が小さければ
対象にならないのは公平性に欠けるため、
企業規模要件の撤廃そのものは賛成だ」

「多様な働き方を望む要望に
応えられる形になってほしい」

そう、多様な働き方に応える。

最後にライフ岩崎さんの印象的な一言。
「コロナ禍で顧客からの励ましの手紙に涙した」

そのピュアーさが岩崎高治だ。

では、みなさん、今週も、
ピュアーな商人を貫こう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年11月27日(日曜日)

FIFA World Cup Qatar/ジャパン敗戦の「自分たちの強み」

晩秋から初冬へ。
IMG_73233

木の葉が茶色に変わっている。IMG_73212

赤みを帯びている。
IMG_73222

それでもちょっと暖かい。
IMG_73262

今日は横浜駅で、
鈴木哲男さんと打ち合わせ。IMG_E72942
商人舎12月号で、
健筆を振るっていただきます。

楽しみです。

さて日本中の商売が、
ブラックフライデーから、
ブラックサタデー、
そしてブラックサンデーへ。

アマゾンは12月1日まで、
ブラックフライデーを引っ張る。

成果は上がったのだろうか。
そして上がるのだろうか。

一方で日本中、
サッカー・ワールドカップ一色。
日本対コスタリカ戦に注目した。

ジャパンは第1戦で、
ドイツ代表に歴史的勝利を収め、
コスタリカはスペインに、
7対0の歴史的大敗を喫した。

その対照的なチームの闘い。

しかしWorld Cupに出場できる32チームは、
いずれも何らかの強みを持っている。

最後はその自分の強みを出したチームが、
ゲームを制し、勝利をつかむ。

その通りになってしまった。

自陣で守備を固めて、
カウンターを狙う。

それがコスタリカの闘い方だ。
それが強みだ。

ゲームは前半から、
コスタリカのペースとなった。

ジャパンはボールと陣地を支配しながら、
相手のペースにはまってしまった。

コスタリカは辛抱強く、
チャンスを待った。

日本は後半のたった一度のミスで、
失点してしまった。

守備の大黒柱の吉田麻也が、
クリアミス。
kosutarikasenn1
そのあと相手の懐にボールが転がり込んで、
ダランとしたシュート。kosutari2

それが決まった。
kosutari3
日本にとっては残念な敗戦となった。

日本人が全員、評論家となって、
それぞれの意見をもつ。

サッカー界にとって、
ありがたいことだ。
凄いことだ。

かつてのエース本田圭佑。
アベマTVの解説で評判だ。
51M3RRXMcNL._SX334_BO1,204,203,200_
その本田のゲーム後の発言。
「自分たちで勝手に期待して、
自分たちでガッカリしている」

その通りだ。

ドイツに歴史的勝利を収め、
私たちは自分たちで期待を膨らませ、
コスタリカに負けて、
自分たちでガッカリしている。

それもいいのだろうが、
そもそもドイツには勝てないと思っていた。

コスタリカに勝とうと考えていた。

それが逆になっただけのこと。

気を取り直して、
スペイン戦に臨んでほしい。

「自分の強み」を見直してほしい。

勝つことだけが目的ではない。
自分らしく闘うこと、
自分の強みを出すこと。
その結果、勝つことができれば、
予選リーグを突破できれば、
それが実力の向上となる。

商売もサッカーも同じ。

コスタリカは自分らしく戦った。
日本はこの試合で自分らしくできなかった。

それがこのゲームだった。

でも、第2戦も楽しませてもらった。
ありがとう。

〈結城義晴〉

2022年11月26日(土曜日)

World Cup Qatarの「東洋の勝利」と白川静・梅原猛対談の「狂狷」

FIFA World Cup2022 Qatar。
kata-rukappu3

サウジアラビアがアルゼンチンに勝ち、
ジャパンがドイツを破り、
イランまでウェールズに勝利した。
nihonndoitu

世界からアジアが見直されている。
東洋が再認識されている。

朝日新聞「折々のことば」

2日連続で二人の哲学者の対談録から、
言葉を拾う。
51KSX376H6L._SX356_BO1,204,203,200_

白川静92歳、梅原猛77歳の時の対談。

甲骨・金文文字は、
人が神と心を交わす手段であった。
それを読み解く白川に、
梅原が古代人の心を尋ねる。

そして、東洋の精神を語り合う。

「折々のことば」第2567回。

どっかで
狂狷(きょうけん)でなかったらね、
まともな人間ではないよ。
(白川静)

「孔子も言うように、
人は中庸であるのが一番だが、
それを通せるものではない」

西洋思想の根幹にあるのが、
「中庸」だと思うし、
孔子の思想も「中庸」に重きを置く。

しかしそれを貫き通せるものではない、
と白川は指摘する。

「そこで次にめざすべきは
その反対、”狂狷”だ」

「狂」は、
「進みて取る人」。

「狷」は、
「死んでも決してそんなことはしません」と
潔癖を守る人。

「極端に走らぬことと、
(みち)をまっすぐ歩むこと」

「人はそんな”振子運動”をしながら進むのだ」

東洋から生まれた精神のあり方が、
「狂狷の振子運動」である。

「折々のことば」第2568回。
先生は年々偉くなってる。
(梅原猛)

編著者の鷲田清一さん。
「本来なら、
師が弟子に向けることばであろうに、
哲学者は畏敬(いけい)する大先輩・白川静に
面と向かいこう言い放つ」

「たしかにこの大学者は
立ち止まることを知らなかったが、
梅原も自身の視点を固めてゆく中で
ますますその凄(すご)さを
理解できるようになったはずだ」

白川静。
1910年、福井県生まれ。
順化小学校卒業後、大阪へ出て、
成器商業学校夜間部に通う。
立命館大学文学部夜間部に入学。
在籍のまま立命館中学校教師を経て、
1954年に立命館大学教授。
「興の研究」によって、
京都大学で文学博士の学位を受ける。
2004年、文化勲章受章。
2006年、96歳で没。

学ぶ環境にはなかった。
しかし学問と研究を極めた。
古代漢字研究の第一人者。
「漢文世代」の最後の碩学。

梅原猛。
1925年、宮城県生まれ。
京都大学文学部哲学科に入学。
立命館大学の専任講師となる。
学園紛争で立命館大学を辞職。
ものつくり大学初代総長、
京都市立芸術大学学長、
国際日本文化研究センター所長、
日本ペンクラブ会長などを歴任。
1999年、文化勲章受章。
2019年、93歳で没。

白川静と梅原猛は、
立命館大学勤務時代に同僚だった。
白川は梅原の大先輩だった。

そして梅原は白川に学んだ。
「人は誰かの許(もと)で学ばんとするが、
その意味は学んではじめてわかる」

誰かから学ぶときには、
まず学ぶ側が成長すると考えられる。

しかし学ぶ者がいるとき、
学ばれる者こそが、
「年々、偉くなる」

学ばれる者こそ、
学び続けている。

これを「学びの逆説」という。

こんな対談、してみたい。
時間をかけて。

イングランドで発祥したと言われるサッカー。
それを南米諸国が国技のようにして学んで、
ブラジルやアルゼンチンは、
サッカー大国となった。

大国となっても南米の選手たちは、
今も欧州リーグに参加して、
学び続けている。

ジャパンの8人のアスリートも、
ドイツのブンデスリーガに所属して、
学び続けている。

そしてそのドイツに恩返しをした。

狂狷(きょうけん)でなかったら、
まともな人間ではないし、
サッカーでも勝てない。

「狂狷」がジャパンを勝たせてくれた。
それが試合を見ているとわかる。

ありがたい。

〈結城義晴〉

2022年11月25日(金曜日)

Black Fridayの平富郎エコス会長対談の「百まで百まで」

ブラックフライデー。

アメリカでは11月第4木曜日が、
サンクスギビングデー。
感謝祭。

全米の小売業は休業する。
そして金曜日の朝から、
いっせいに大セールを展開する。

ウォルマート、ターゲット、
メイシーズ、ノードストローム、
クローガー、アルバートソンなどなど、
顧客は早朝から行列を作って、
その大セールを待ち望み、楽しむ。

だから黒字の金曜日となる。
Black Friday。

感謝祭の1週間は、
日本に喩えれば、
正月休みのようなもので、
ブラックフライデーは、
いわば「初荷」である。

その初荷の商品は、
1年で最大の特売特価だ。

新しい商品もずらりと並ぶ。

日本のブラックフライデーも、
一つの販促として定着してきた。

しかしそれはUSAのBlack Fridayには、
遠く及ばない。

それでも定着してきたイベントは、
どんどん活用すべし。

世界中がサッカーのワールドカップに湧く。
その潮流にも乗って、
イベントを企画し、それを楽しみ、
さらに収穫を得る。

商売のいいところだ。

ちょっと軽い感じかもしれないが、
商売は軽くて、柔らかくて、素早いものだ。

今日はその商売の哲人を訪れた。

東京・昭島の㈱エコス本部。
平富郎さんと対談。IMG_72302
今、83歳。
年を越して1月には84歳になる。

18歳の時に八百屋の引き売りから始めた。
IMG_72772
会長室に写真がある。
「この時が一番儲かった」

26歳の時に会社を設立し、
36歳の時、その社長に就任し、
45歳の時に株式会社を設立して、
代表取締役社長に就任。

そして57歳で株式上場した。
「このときにやっと男になった」

その後、合併戦略を推進して、
現在、1348億円のスーパーマーケットとなった。

大きな時代の変化に耐えつつ、
平さんはそれを克服してきた。

その変化への向き合い方を聞いた。

いい話だった。

林信太郎先生、
川崎進一先生、
上野光平先生。

多くの先生たちからも学んだ。

平さんは毎年、
年初に書き初めをする。

今年の言葉は、
「健康第一主義」IMG_72712

現在もすこぶる健康だ。

私は平さんが71歳のときに、
一緒に富士山に登った。
DSCN3782_01
経営は平邦雄社長、典子副社長に任せて、
悠々自適の日々だ。

多くの役職は後進に譲った。
「辞めるときは自分一人で決めて、
スパッと辞める」

その代わりに現在も、
隔週でゴルフをする。

70歳の2009年から始めて、
80歳の2019年に、
ホールインワンを達成した。IMG_72462
平成31年4月2日。
本厚木カントリークラブ。
7番ホール、130ヤード。

「宝くじは買わなければ当たらない。
ホールインワンは狙わないとできない」

これには私、学んだ。

それから応接室の骨董品。
香取秀真(かとりほつま)の逸品。IMG_72362

平櫛田中(ひらぐしでんちゅう)の書。
「六十七十は
はなたれこぞう

おとこざかりは
百から百から」
IMG_72412
平櫛田中はこのブログでもよく紹介する。
「きょうもおしごと
おまんまうまいよ」

平櫛田中は107歳まで生きた彫刻家だ。

たっぷりと話を聞いていら、
ランチをした。

ありがとうございました。
IMG_72822

帰りは青梅線中神駅。
IMG_72872

立川から南武線で川崎駅へ。
東海道線のホームが改装されて、
広くなった。
IMG_72802

そのホームから立て看板が見えた。

がさがさ⇒ユースキン⇒すべすべ
IMG_72792
平さんの言葉をずっと考えていた。

この複合危機のときを、
平さんは極めて前向きにとらえる。

平櫛田中のように、
百まで百まで。

六十七十ははなたれこぞう。
納得した。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

2022年11月24日(木曜日)

横浜港南台の[オーケーvsロピア]の「お客様は神様です」

FIFA World Cup Qatar。
日本代表の勝利に興奮冷めやらず。

朝一番で横浜の港南台へ。
中学高校時代に毎日乗った根岸線で、
港南台駅。
そこから歩いて10分。

オーケー港南台店のオープン。IMG_71572

店の前の道路を挟んで、公園がある。IMG_71562

ちょっと早く着いたので、
公園のベンチで仕事。IMG_71632

オーケーnews|
オーケー港南台店(横浜・442坪)11/24新規オープンIMG_71642
賃貸物件で売場面積は442坪。
1階が売場で、
上階が駐車場96台。

生活圏のやや小型の店だ。

通常の開店は8時半だが、
オープン日なので9時の予定と知らされた。

しかし顧客が80人くらい並んだので、
8時半に早められた。

開店と同時に店内に入って、
買物した。

オープン用の商品はそれほど多くはなかった。

オーケーは新店オープンであっても、
通常通りの売場づくりをする。

それでも開店記念の幕の内弁当があった。

それを買った。
399円。

公園のベンチに戻って、
山本恭広編集長と試食。

ブランチのような試食だ。IMG_72012

卵焼きには「祝 開店」の文字が入っている。IMG_72022

二宮涼太郎社長も店内を巡回していたが、
忙しそうなので挨拶はしなかった。

恐縮。

いろいろと学ぶことがあった。
オーケーのオープンにおいて、
一つだけ通常の状態と違うところがある。
オーケーの強みの部分だ。

それは月刊商人舎12月号で紹介する。
お楽しみに。

オーケーから歩いて10分。
ロピア港南台店。IMG_72252
オーケーの一番の競合相手は、
この店だ。

ザ・コンボ港南台店だった。
以前のハックキミサワの経営。

それが撤退して、
ロピアモールとなった。

1階にダイソー、
地階にロピアとマツモトキヨシ。

ロピアは競合対策も施さず、
通常のオペレーション。IMG_72042

午前中のアイドルタイムだが、
それでも結構、顧客が入っている。IMG_72142

大髙善興ヨークベニマル会長の言葉を思い出した。
「今日、来てくださるお客さまが、
本当のロイヤルカスタマーなんだよ」

ロピアの店内を一巡りしてから、
JR港南台駅前にもどった。IMG_72302

ショッピングセンター「バーズ」。
その1階と地階に無印良品。

良品計画news|
関東最大規模&大型食専門売場導入の「無印良品 港南台バーズ」IMG_72322

食品はクイーンズ伊勢丹。
コラボレーションで話題になった。IMG_72352
売場面積は約1548坪。
地下1階は食の専門売場とオープンキッチン、
1階は衣料品・生活雑貨。
暮らしをサポートするサービスを展開。

さらにバーズには、
相鉄ローゼンが入っている。
そうてつローゼン港南台店。
その店頭入口で「藤沢市場祭り」を展開。

地場野菜の産直大売り出し。
今日一番の集客を見せていた。
驚いた。IMG_72392

それから隣に、
ダイエーイオンフードスタイル港南台店。IMG_72542
4層の箱形総合スーパー。

駅前で3店の競合。

ダイエーブラックフライデーを開催中。IMG_72482
「港南台の陣」
面白い。

月刊商人舎12月号、
お楽しみに。

さて、新潟日報の巻頭コラム「日報抄」

長岡市越路地域出身の歌手を紹介。
「三波春夫でございます」
51AwaTOU70L._SY291_BO1,204,203,200_QL40_ML2_

「三波さんは公演の幕が開く直前、
しゃっくりが止まらなくなったことがある。
開幕のベルが鳴り響き、音楽が始まる。
ままよ、と舞台に足を踏み入れた」

「客席からは歓声と拍手の波。
マイクの前に立つと、
うそのようにしゃっくりは消えた」

「私は、この時、
お客様によって癒やされ、
そして、お客様の力によって
舞台の上に生かされたのです」

三波さんは著書で振り返る。

「聴衆は舞台に立つ己に力を与える
神のような存在であり、
いい加減な芸を披露することなど許されない」

名せりふは、
「お客様は神様です」

その背景には、
真摯な思いがあった。

お客様によって癒やされ、
お客様によって生かされる。

「客にこびるのではなく、
舞台に上がる心構えを、
この言葉に込めた」

「お客様は神様です」とは、
その顧客に媚びることではない。
顧客を相手にする舞台に立つ心構えである。

オーケーにもロピアにも、
相鉄ローゼンにもダイエーにも、
それを感じた。

〈結城義晴〉

2022年11月23日(水曜日)

勤労感謝の日の「何かが、大きく、変わった。」

勤労感謝の日。

「日本の再建の基礎は労働と生産にある。
勤労をもっと尊重しなければならない」
戦後まもない「祝日法」の国会審議での発言。

毎日新聞「余禄」が取り上げた。

「生産感謝の日」や「感謝の日」などの案が議論され、
「勤労感謝の日」で決着した。

よかった。

戦前は「新嘗祭」(にいなめさい)の祭日だった。
新穀を神にささげる宮中行事。

島崎藤村の言葉。
「汗は人生の報酬」

同感だ。

コラムニスト。
「勤勉を美徳と考えてきたのが日本である。
一方、汗を流して働く国民は
警察官やスポーツ選手ぐらいという国もある」

カタールである。

「四半世紀前までは日本の援助を受けたが、
天然ガス開発で高層ビルが林立する
超近代的国家に変身した」

そのQatarでは、
「汗をかく仕事の大半は
人口の9割を占める、
出稼ぎの外国人労働者が担う」

この過酷な労働環境や人権侵害を、
欧米諸国は批判している。

もちろんQatarでも、
労働法の改正など改善の動きもある。

「だが、国民の間では福祉が充実しすぎて
若者の肥満や労働意欲の減退が
社会問題化していると聞く」

これはよろしくない。

労働意欲こそが、
国の根幹となる。

北海道新聞の「卓上四季」
タイトルは「エンヤコーラー」

「授業参観の教室で着飾った母親の中に
汚れた法被にもんぺ姿の人がいた」

「誰の親だ?」
ざわつく空気。

「駆け寄ったのは
貧しさゆえにいじめられていた児童」

「母は周囲の目も気にせず子の身なりを整え、
垂れた鼻水を口にふくみ取り除いた」

「ある日の下校途中、
建設現場で働くその人を見た」

「網に入れた重しを木組みで引き上げて落とす
地ならし作業」

「息子に友達ができたことが
うれしかったのだろう。
薄汚れた姿を隠すでもなく掛け声を上げた」

「ヨシオのためならエンヤコーラー」

美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」の
モデルとなった話。
その著『愛の大売り出し』に載っている。
51ag39arUTL._SX316_BO1,204,203,200_
小学2年生だった美輪さんは思った。
「こういう思いやりの愛情が
たっぷりあるひとが一番偉いんだ」

「心に届く歌が洗練されたものとは限らない。
初めて披露した時、とっぴな労働歌に
最初は爆笑したお客が
最後はみな涙ぐみおえつした」

そんな名曲が1965年、
放送されなくなった。

「建設作業や貧しさを差別している」とされた。

肉体労働や貧しさの現実を知らない「有識者」こそ、
差別意識があるのではないかという反論は
かき消された。

美輪さん。
「言葉はハサミと同じ。
道具になるか凶器になるかは使う人次第」

コラムニスト。
「どんな仕事も必ず
誰かが必要としているもの。
その思いに自然と頭が下がる
勤労感謝の日である」

働くことの意義をかみしめ、
感謝する日としたい。

日本の「勤労感謝の日」の祝日が水曜日。
木曜日は欧米の「感謝祭」。

そして金曜日はBlackFriday。

商売にとっても、
感謝、感謝の1週間だ。

その日本の感謝の日の1日の最後に、
FIFA World Cup Qatar。
kata-rukappu2
歴史的偉業。
日本代表がドイツ代表に逆転勝ちした。

試合前から、ドキドキしていた。
ゲームの最中は集中した。

点が入ると、
思わず大声を出して、
飛び上がった。

昨日のこのブログで書いた。

「何かが、大きく、変わっている。」

「サウジの大金星は、
もしかしたら金星ではなく、
大異変の始まりを告げる予兆なかもしれない」

その通りだった。

FIFAランキング24位の日本。
同11位だがWカップを4度制覇したドイツ。

前半はPKで先制を許した。

アルゼンチン対サウジアラビアの展開と同じ。

森保一監督は後半に、
守備のシステムを、
4バックから3バックに変え、
次々と攻撃的な選手を投入した。

途中出場の堂安律が75分に左足でゴール。
nihonndoitu
83分にはこれも途中出場の浅野拓磨が、
長い山なりの縦パスをうまく受けて、
ディフェンダーと並走しながら、
右足で見事なゴール。

E組の日本は勝ち点3。
27日にコスタリカ、
12月1日にスペインと対戦する。

何かが、大きく、変わった。

私の予想は的中した。

それでも汗は人生の報酬である。
これは変わらない。

〈結城義晴〉

2022年11月22日(火曜日)

FIFA World Cup 2022/サウジ番狂わせの「何かが大きく変わる」

11月22日は、
二十四節気の小雪。

雪が降りはじめるころ。
まだ、積もるほど降らないから、
「小雪」(しょうせつ)と名づけられた。

小雪の次は、「大雪」(たいせつ)、
大雪が降る季節。

そしてその次が「冬至」(とうじ)。

小雪の前が「立冬」。
そして「冬至」から「立春」まで。

寒い季節だが、
この流れはとてもいい。

立冬、
小雪、
大雪、
冬至。

冬至、
小寒、
大寒、
立春。

その小寒も三つに分けられる。
二十四節気がほぼ15日間区切りで、
それがさらに三つに分けられる。
「初候」「次候」「末候」。
それぞれほぼ5日区切りとなる。

「七十二候」(しちじゅうにこう)と呼ばれる。

小雪の初候は「虹蔵不見」。
「にじ かくれて みえず」。
虹が見られなくなる。

次候は「朔風払葉」。
「きたかぜ このはを はらう」
北風が落下した木の葉を払いのける。

真っ向は「橘始黄」。
「たちばな はじめて きばむ」。
橘の実が黄色くなり始める。

西洋にはない繊細な季節の区切り方で、
私はとても気に入っている。

さてそんな季節感はまったくないカタール。
FIFAワールドカップ。
kata-ruwa-duro

8グループごとに、
4チームで1次リーグが行われ、
その1回戦が展開されている。

日本はグループEで、
ドイツ、スペイン、コスタリカの組。

そのグループC。
3度目の優勝を狙うアルゼンチン。
対戦相手はサウジアラビア。

アルゼンチンは前半開始10分に、
世界のエースともいうべきリオネル・メッシが、
ペナルティキック。massi

ゴールキーパーと1対1。messi 2

キーパーの予測を完全にはずした。
messi3

そして余裕のゴロゴロシュートを入れた。messi4

メッシはそのあとも縦パスから抜け出して、
見事なシュートを決めたが、
これはサウジの巧みな守備にあってノーゴール。
サウジはハイラインのオフサイドトラップをかけた。

それでもアルゼンチン代表チーム全体に、
「与し易し」の感、ありあり。messi5

前半、サウジアラビアは、
1本もシュートを打てずに終わった。

しかし後半、サウジアラビアは怒涛の反撃。

後半3分、縦パスを受けたサレー・アル・シェフリ。
俊足のミッドフィルダー。
ペナルティエリアを左側に、
回り込むようにドリブルで進んで、
左足シュート。

ツーバウンドでゴール右隅に決まって、同点。

さらに後半7分、
ペナルティエリア左側で、
こぼれ球を拾ったサレム・アル・ドサリ。
背番号10のエース。

マーカーをかわして、得意の右足シュート。
かすかにゴールキーパーの手に触れたが、
カーブをかけた一撃はゴール右隅に決まった。

スタジアムは熱狂。

アラーの神も応援したに違いない。

残り時間、アルゼンチンは猛攻をかけたが、
ゴールキーパーが立て続けにスーパーセーブ。
31歳のモハンメド・アルオワイス。

サウジはイエローカード6枚を受け、
サイドバックのヤーセル・アル・シャハラニは、
味方のアルオワイスのジャンプした膝が、
同じく飛び上がった顔面に入って、
担架で運び出された。

死力を尽くした防御で、
歴史的勝利を収めた。

アルゼンチンはFIFAランキング3位、
サウジアラビアは同51位。

番狂わせ。

何かが、大きく、変わっている。

アルゼンチンのメッシは、
ワールドカップ5度目の出場の35歳。
おそらく最後の大舞台になるだろう。

これまでメッシが唯一手にしていないのが、
ワールドカップ優勝。

それだけ、思いが深いはずだ。

そのメッシのコメント。
「このような形でスタートするとは
思いもしなかった。
非常に辛い打撃だ。
今、僕たちは
本当のグループであることを
示さなければならない」
51suxOqZVXL._SX336_BO1,204,203,200_
サウジアラビアのアジア予選は、
日本と同じBグループだった。
その予選を勝点23の首位で通過した。
7勝1敗2分け。

この1敗は日本に2対0で負けたもの。

日本は同22の次点だった。
7勝2敗1分け。
2敗はサウジとオマーンに負けた試合。

だからサウジは強い。

しかし「アジア勢弱し」の風評も根強くあって、
それをひっくり返してくれた。

ドイツは意外かもしれないが、
最新FIFAランキングでは11位だ。

1位 ブラジル
2位 ベルギー
3位 アルゼンチン
4位 フランス
5位 イングランド
6位 イタリア
7位 スペイン
8位 オランダ
9位 ポルトガル
10位 デンマーク
11位 ドイツ

そのドイツに挑むジャパンは24位。

アジア・オセアニア勢のランキングは、
20位 イラン
24位 日本
28位 韓国
38位 オーストラリア
50位 カタール
51位 サウジアラビア

ドイツ代表が優勝候補の一角であることは確かだが、
日本代表にもチャンスはある。

今月の月刊商人舎特集は、
何かが、大きく、変わる。
業態トップ企業たちの「成長フォーマット」開発スタディズ
202211_coverpage
[Cover Message]
偶然の出来事が重なる。
それが人間の想像力を刺激する。
本号がそれだった。

「何かが、大きく、変わる」

イスラム圏でのWカップ開催もあって、
世界が大きく変わっている気がする。

イギリスのBBCは開会式を放映しなかった。
イングランドチームは、
開幕戦で片足をついて抗議した。

ウクライナ戦争が展開されている中で、
世界中がサッカーゲームに湧いている。

それでも、
何かが、大きく、変わっている。

サウジの大金星は、
もしかしたら金星ではなく、
大異変の始まりを告げる予兆なかもしれない。

期待は膨らむ。

いざ、ドイツ戦へ。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2025年11月
« 10月  
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.