結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年04月24日(火曜日)

「異常値販売ブームの本質」と大久保恒夫の「イチニッパを売り込め」

昨日の雨と打って変わって、
心地よい東京の陽気。

芝公園は新緑に満ち溢れて、
森林浴ができそうなほど。
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左手をみると、
東京タワー。
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そしてザ・プリンス・パークタワー東京。
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それにしても芝公園は、
都心の、それほど大きくはない公園ながら、
若い緑に包まれる感じで、快適。
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この遊歩道を歩いて、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱の定例役員会。
略称CCL。

小さな会社ながらも、大きな志で、
小売流通業と消費財の世界にお役立ちします。
その根底にある強みは、
カスタマー情報を的確に分析し、
使えるマーケティング・ツールとして提供するところ。

さて、日経新聞最終面の『私の履歴書』。
今月は演出家の蜷川幸雄さん。

とても面白くて、毎日楽しみにして読んでいる。
今日は演出家になりたての若い頃の話。

「舞台で初めて演出料をもらった。
40、50万円だった記憶がある」

「日生劇場や帝国劇場で
年1、2本の演出を手がけるようになったとはいえ、
食べていけない。
そもそも演出家は職業として認められていなかった」

「苦しかったこの1970年代、
どうやって暮らしていたかと問われれば
『女房のヒモだった』と答えるしかないだろう」

そんな中、「長女の実花」が誕生。
蜷川は「スポック博士の育児書に忠実な主夫」となりつつ、
演出の仕事に邁進。

「汝(なんじ)の道を歩め。
そして、人々をしてその語るに任せよ」

「ひとりぼっちになったぼくは
『資本論』の序に引かれたダンテの『神曲』の一節を
心の支えとした」

「幼い実花をぼくは新宿の中央公園へつれていき、
口笛の吹き方を教えた。
西口の雑踏で、
ぼくは自分に言い聞かせるように、
実花につぶやいていた」

「人がみんな右へ行ったとしても、
自分が信じるなら、
ひとりでも左へ行くんだよ」

若いころのこの孤独。
それを受け止めて、
自分の道を歩む。

ウォルマート創業者のサム・ウォルトンの言葉。
“Swim Upstream!”

試練があるから、
成就がある。

「志定まれば、気盛んなり」
私も㈱商業界代表取締役社長を退任したあと、
この吉田松陰の言葉を心の支えとした。

「心は燃やせ、頭は冷やせ」
何度も何度も、この言葉に救われた。

さて日経新聞夕刊の記事。
「フェイスブック、利用者9億人」

アメリカの証券取引委員会に対して、
新規株式公開申請のために、
同社が修正報告書を提出し、
その中で明らかになったこと。

今年3月末時点、
フェイスブック利用者数が、
全世界で9億100万人。
昨年3月末時点では、
6億8000万人。

約2億2000万人増で、
これはプラス33%。

日々の利用者は平均5億2600万人、
こちらは前年同月比プラス41%。

このうち、携帯電話経由の利用者は、
4億8800万人。

「フェイスブックを通して利用者が書き込んだコメントや、
書き込みを他の利用者に薦める『いいね(like)』の件数は
1日平均で32億件」

世界の人口は今時点で、
70億3482万人。

世界の8分の1ほど、12.8%が、
facebook利用者ということになる。

歴史をさかのぼると1800年段階で、
世界人口は10億人だったそうだから、
その時にfacebookがあれば、
世界中の人間がみな、
利用していたことになる。

もうすぐ世界人口のクリティカル・マスを、
facebookが達成してしまいそうな勢い。
なんともすごいことだが、
私もその一人。

そして今月、遅ればせながら、
グランド・オープン。
facebookで友達になろう。
知識商人の輪を広げよう。

よろしく。

今日の日経新聞朝刊に、
「UCC、欧州大手買収」の記事。
各紙も取り上げた。

UCCホールディングスは、
欧州同業大手のスイスのユナイテッドコーヒーを、
5月下旬に買収する。

買収額は約500億円。

円高をメリットにした買収で、
私は快打だと思う。

ユナイテッドコーヒーの2011年度の売上高は約450億円。
これには家庭用コーヒー豆や外食業向け抽出機器なども含まれるが、
レギュラーコーヒーの販売量(生豆換算)は7万2000トン。

UCCとユナイテッドコーヒーの販売量を単純合算すると、
16万4000トン。

これは世界第1の米国フォルジャーズ、
第2のイスラエルのストラウス
に次ぎ、
第3のドイツのチボーと並ぶ。

UCC上島珈琲㈱単体の年商は、
2011年3月期で1106億円だが、
UCCグループ連結売上高は、
3413億円。

ここにユナイテッドの450億円が加わる。

上島豪太社長はビジョンを語る。
「コーヒー文化が浸透し、
世界市場の中心である欧州に進出できる」

現在のUCCの海外事業は約70億円で、
全体の3%。

それが20%に飛躍する。

北欧から東欧まで、
ヨーロッパ各国の販売網を活かして、
既存商品の売り込みをかける。

しかしメリットは、もうひとつ。
コーヒー豆は世界的に高騰が続く。
UCCは世界30カ国からコーヒー豆を調達しているが、
ユナイテッドコーヒーとの連携で、
有利な調達交渉を進めることができる。

やはり、円高メリットを活かしたクリーンヒットだと思う。

さてもうひとつ、
昨日の日経MJの『底流を読む』。
デスクの白鳥和生さんが、
「異常値販売ブーム」と題して評論。

「小売業界で最近のはやり言葉といえば、
『異常値(販売)』だろう」
ちょっと異常なくらい。

「売れっ子のコンサルタントも
ブログなどでよく使っているが、
発祥は定かではない」

「意味するところは
特定の品目で
圧倒的な売上げをつくること」

事例を挙げる。
「おはぎを1店舗で平日5000個売るスーパー、
さいちなどが有名」

「最近はダイエーやマルエツといった有力スーパーも
社内で『異常値』に取り組もうと掛け声がかけられている」

「なぜいま、異常値販売なのか」
白鳥さんは、回答を出す。

「最大の狙いは販売スタッフの意識向上や、
達成感の醸成にある」

この指摘は正しいように思う。

白鳥さんは異常値を稼ぎ出すポイントを挙げる。
「販売方法を見直すこと。
販売のタイミング。
店頭販促(POP)広告の工夫」
「組織的には本部と店舗の連携」
「対象商品の選定や確保」
だからバイヤーの腕も試される。

私は最後の要素「対象商品」がとても大切だと思う。

「さいちのおはぎ」こそ、
異常値ブームの原点にあるからだ。

白鳥さんは、
セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長を持ち出す。
「売り切る力」である。

「在庫リスクを小売自らが取る自主マーチャンダイジングを推進するのと、
軌を一にした言葉で、『製配販』の連携のなか、
小売り本来のビジネスに立ち返ることを求めたものだった」

これは小売業経営の真髄をついたものだった。
白鳥さんは「異常値」を、
「ブレイクスルー(突破口)を期待」と評するが、
確かにこの意味合いも大きい。

しかし、ことスーパーマーケットに関して言えば、
異常値がそうそう、頻発し、
その品目がくるくる変わるのは、
本来、困ったことのはずだ。

生鮮食品でいえば、
売れたら補充、売れたら補充。
それが大原則。
「ジャスト・イン・タイム」という。
これは荒井伸也先生の持論。
安土敏名で『日本スーパーマーケット原論』(パルス出版)に書かれている。

店舗と売り場のすべてを効果的に使って、
顧客の生活全般を支えるのが、
スーパーマーケットの本質だからだ。

ウォルマートのエブリデー・ロープライス。
これは「売上げの波動を最小限」にするために行われる。

しかしその本質のうえに立って、
通常と異なる作為が展開される。

ウォルマートでは、
「ロールバック」という。

㈱成城石井社長時代の大久保恒夫さんは、
「イチニッパを売り込め」をスローガンにした。

1部門16アイテム、
8部門で128アイテム。
これを選んで、
値段を下げないで売り込む。

売り込み方法は5つ。

第1が、「優位置陳列」。
顧客が多く通るところ、よく目が届くところを、
大久保さんは「優位置」と称する。

第2は、フェースを広げる。
目立ちやすくするためだ。

第3は、「豊富感」。
そのために在庫を多く持って、わっと積み上げる。

第4に、「POP」をつける。
商品のよさをアピールするため。

最後に第5に、「接客」をする。
声を掛ける。

この5つの方法を的確に、
確実に行うことによって、
値段を下げないで、
「3倍売れます」。

大久保さんは胸を張る。

結城義晴の知識商人対談、
大久保恒夫の巻「イチニッパを売り込め」を、
熟読してみてほしい。

「意識向上」や「達成感醸成」。
白鳥さんが指摘した「異常値」の最大の狙い。
しかしそれだけでなく、
売上げも利益も上がる「イチニッパ」の実現。

あっちもこっちも「異常値」を目指すと、
もはやそれは異常値ではなくなり、
自分の売上げの先食いに終わってしまう。

<結城義晴>

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