結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年09月16日(月曜日)

敬老の日の「人生は楽ではない・しかしそこが面白い」

Everyone, Good Monday!
[2024vol㊳]

2024年第38週。
9月第3週。

その第3月曜日は、
敬老の日の祝日。

太平洋戦争の敗戦から三年目の秋に、
兵庫県多可町が「としよりの日」を設けた。

それが国民の祝日となった。

今年、65歳以上の高齢者は3625万人。
最多記録が更新された。

朝日新聞「天声人語」
武者小路実篤を引用した。

雨が降った
それもいいだろう
本が読める

有名な言葉だ。
私は中学から高校のころ、
武者小路に嵌(はま)った。

「友情」「愛と死」「お目出たき人」、
「真理先生」「武者小路実篤詩集」など、
新潮文庫のほとんどを読み漁った。

私は勝手に「武者先生」と呼んで尊敬した。

学習院中等科で志賀直哉と親友になり、
東京帝国大学を卒業すると、
文学同人誌『白樺』を創刊した。
有島武郎、里見弴(とん)、柳宗悦なども誘って、
「白樺派」をつくった。

人道主義、理想主義を標榜し、
自ら理想郷「新しき村」を設立した。
自給自足の理想的な村の実践運動である。
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そして92歳まで生きた。

私ももうじき
満八十五歳になる。

よくも生きていたものと思う
生きている事は嬉しいものだ
死ぬ事はいやなものだ

米寿を過ぎたころからは、
耳が遠くなり、手の震えも目立った。
19850427

それでも創作を続け、
死去の半年前、こう記した。

わたしはまだ生きている
本気になって生きている
嘘をついて生きてみたいとは思わない
真から本気になって生きてみたい

人生は楽ではない
そこが面白いとまあしておく
人生は楽ではない

人生は楽ではないから、
武者小路実篤は、
迷走し続けた。

そしてその迷走を、
率直に作品にした。

幸せな人だった。

私はその後、「白樺派」を卒業し、
「無頼派」に傾倒した。
とりわけ坂口安吾に。

一方、天声人語は、
ジャン・ジャック・ルソーを思い出す。
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その『エミール』から。
「もっとも多く生きた人間は、
もっとも多く年をかさねたものではなく、
もっとも多く生を感じたものである」

コラム子。
「生と死を考え続けた先達たちの姿は
力強く、そこはかとなく美しい。
彼らの大いなる励ましを受けつつ、
自らの老いもまた、
しずかに見つめてみたい一日である」

私も静かに一日を過ごした。

人生も仕事も楽ではない。
しかしそこが面白い。

この「楽ではない面白さ」こそ、
ルソーの言う「生を感じる」ことだ。

三連休の成果は上がったのだろうか。
仕事は楽ではない。
しかしそこが面白い。

彫刻家の平櫛田中。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」

このあとの続き。
「びんぼうごくらく、
ながいきするよ」

楽な仕事は面白くはない。
生を感じることもできない。

では、みなさん、今週も、
生を感じたい。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2024年09月15日(日曜日)

ライフとMEGAドンキユニーの「通常・過剰・異常」

今日は近隣の店へ。

敬老の日に絡む三連休。
その中日の日曜日。

私の自宅のそばは競合が激しい。
一番近くにあるのが、
オーケー妙蓮寺店。
そのそばにヨークマート妙蓮寺店。

車で10分ほどのところに、
さらにオーケー西寺尾店。

そして大口にMEGAドン・キホーテ大口店、
道路を隔ててライフ大口店。

ちょっとうまいものを買おうと思ったらライフだ。IMG_6350 (002)

2018年11月19日の商人舎流通SuperNews。
ライフnews|
ライフ大口店(2層747坪)刷新/食強化でドンキ対策 IMG_6342 (002)

向かいのユニーが、
MEGAドンキに転換してから、
9か月後にリニューアルオープン。

入り口には、
正面に青果、右手に惣菜。
ダブルコンコース。

その後、惣菜の平台商品が増えている。IMG_6344 (002)
ベーカリーから日配部門につながって、
奥に鮮魚の対面売場。

アメリカの最新店には、
奥主通路に必ず対面売場がある。

鮮魚と精肉。

ライフ大口店では、
この鮮魚対面コーナーが、
店の楽しさをつくりだしている。IMG_6343 (002)

私もこの売場で5アイテムくらい購入した。

2階に上がると酒売場。
導入のプレゼンテーションがいい。IMG_6352 (002)

そして2階にはスギドラッグ。
この店、人気でレジに行列ができている。IMG_6351 (002)

一方、
MEGAドンキUNY大口店。IMG_6345 (002)

2018年2月2日の商人舎流通SuperNews。
ユニーnews|
ドンキとのダブルネーム第1号「大口店」2/23オープン

ドン・キホーテとユニーのダブルネーム1号店。IMG_6346 (002)

1階入り口の「驚安祭」は、
どんどん派手になっていく。IMG_6349 (002)

地下1階に降りると青果部門。IMG_6347 (002)

奥は鮮魚、精肉。
派手な演出がドンキらしい。IMG_6348 (002)
れから回り込んで惣菜。

寿司や弁当など米飯が多い。
そして客層はライフとは明らかに異なる。

若い夫婦などが多い。

ライフとドンキ、
棲み分けが進んで、
一定程度安定している。

上階の非食品売場で、
私も買物することがある。

総合スーパーの強みが生かされている。

一方のライフは、
スギドラッグとのコンビネーション。

業態の違いを前提に、
それぞれがポジショニングを構築している。

安心して、
目的に沿って買物できる。

日経新聞「私の履歴書」
今月は鈴木忠志さん。
1939年生まれの85歳。
1966年に早稲田小劇場を創立した演出家。
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そのころ「状況劇場」の唐十郎、
「天井桟敷」の寺山修司、
「自由劇場」の佐藤信とともに、
アングラ四天王と呼ばれた。

「地下」を意味する「アンダーグラウンド」は、
アメリカの前衛映画に用いられた言葉だ。

しかし日本では「アングラ演劇」となった。

その鈴木忠志さん。
1972年4月に初めて海外から招かれる。
フランス政府主催の「諸国民演劇祭」だ。

そこで出会ったのがジャン=ルイ・バロー。
演出家で俳優。
映画「天井桟敷の人々」の名演で知られる。

そのバローの劇場は、
最近まで人が住んでいた、
パリのありふれた住宅で、
仕切りの壁を壊した四角い空間だった。

真ん中にプロレスのリングのような舞台があり、
四方を囲む客席の階段はベニヤだった。

鈴木は述懐する。
「世の中には、
通常、過剰、異常という
言葉がある」

「演劇人は通常以外のエネルギーを
保持することが大切。
それが若いころの私のモットーだったが、
そのお手本が目の前にあった」

通常、過剰、異常。

アングラ四天王には、
これが共通していた。

面白い。

ライフが「通常」主体ならば、
ドンキは「過剰」主体か「異常」主体か。
それをことさらに強調している。

鈴木忠志は演劇人として、
「通常以外のエネルギー」を保持する。

「驚安」のドンキは、
演劇人のようなマインドの商人なのだろうか。

しかしスーパーマーケットは、
「通常」がいい。

そのお手本がライフなのだ。

だから私は「通常」のものはライフで買う。

けれど、たまに考えることがある。
ライフにもときには過剰と異常があっていい。

ドンキにも通常があるべきだ。

「過剰と異常」ばかりでは、
顧客は疲れる。

いつも「通常」だけでは、
顧客は飽きる。

その塩梅が「商売」であり、
ポジショニングなのだと思う。

鈴木忠志の「通常・過剰・異常」は、
商売に通じる概念なのだ。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2024年09月14日(土曜日)

久喜のイトーヨーカドーとヤオコーの「つらい思い」

東横線で渋谷に行き、
そこから湘南ラインに乗り換えて、
埼玉県の久喜まで。

長い旅をした。

そしてJR久喜駅に到着。

9月6日にヤオコーがオープンして、
山本恭広編集長が取材に来た。

私も自分の目で確認するためにやってきた。

まずは、
イトーヨーカドー久喜店。
5層の総合スーパー。
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1974年の開業だから、
50年を経過する。
伊藤雅俊社長時代の物件である。

店というのは凄いものだ。
半世紀もこの地域に貢献し続けてきた。

1階が食品と催事売場。
セルフレジを導入し、
その横でハロウィンプロモーションを展開。
全品セブンプレミアム。
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フードマルシェは1000坪くらいで広い。
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改装してヤオコー出店に備えた。
鮮魚売場と精肉売場には、
対面方式を導入している。

惣菜売場も広大で、
品揃えは豊富だ。

それでもどうしても、
「古い」印象がぬぐえない。

アメリカでは「コンベンショナル型」と呼ばれ、
古い店々が残っている。

そんな店が最新フォーマットに、
圧倒されていることが多い。

しかし古い店でも、
その年月の経過をより良く生かして、
新しい店にない「魅力」にすることができる。

たとえばニューヨーク・マンハッタンでは、
ゼイバーズがそんな店だ。

サンフランシスコではバークレーボウル。
たった2店舗だが凄い人気だ。

私は古いほうの創業店が好きだ。
店も什器も古いけれど、
顧客から「私の店」と評価されている。

イトーヨーカドーも、
そんな店にできないか。

「古さ」もポジショニングにすることができる。
私はそれを確信している。

2階と3階が本来、アパレルの売場。
2階には自前のドラッグストアを入れた。

3階にはアダストリアの「ファウンドグッド」。
最新のキッズコーナーを導入したが、
あまり目立たない。IMG_6331 (002)

4階にはキャンドゥが入っているし、
3階にはノジマが誘致される。

それも悪くはないが、
館全体をイトーヨーカ堂らしさで、
おおいつくすことはできないか。

たとえばドン・キホーテのように。

しかしそれはもう無理な注文だ。
首脳陣はそれをあきらめている。

古い店を効率の尺度だけでリニューアルしても、
それは新しい店にはかなわない。

店は都市と同じだ。
京都や奈良の街は、
魅力を失わない。

ロンドンもパリも。
アメリカではボストンも。

そんな店ができないか。

一方、
ヤオコー久喜吉羽店。
市街の一番外側に、
近隣型ショッピングセンターとして、
開発された。

農地の転用である。
それでも久喜駅から徒歩で15分。IMG_6338 (002)

ヤオコーとダイソーが核店舗。IMG_6334 (002)

店舗面積は891坪でヤオコー最大規模。
初年度年商は27億円。

左サイドの入り口に設けられたのが、
青果と惣菜のダブルコンコース。

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この店は月刊商人舎10月号で詳解する。

店舗入り口の左サイドに、
「ヤオコー・デリ&カフェ」が設けられた。
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イートインコーナー。
バイオーダーのメニューが提供される。

モーニングセットは、
厚切りのロイヤルブレッドのトーストと、
卵とベーコン。

ランチセットは、
惣菜売場の手仕込み豚かつを使った、
かつ重、あるいはとんかつ定食。

私は出来立てのかつ重定食をいただいた。
おいしかったが、
もう少しメニューがあったほうがうれしい。IMG_6339 (002)

他は抜かりのないヤオコー最新型。
床のカラーにオレンジ色を使わなかったのは、
私としては残念だ。

イニシャルコストもオペレーションコストも、
予算を大幅に上回るのだろう。

その判断を否定するつもりはない。

いい店で好調なスタートに満足した。IMG_6340 (002)

さて、朝日新聞「折々のことば」
第3204回。
なんだかうまくいったな
と思うことは、
全部、
つらい思いをしたあとだった

(小田和正)

オフコースの小田和正さん。

だから、
「つらいことは信用できる」

「でも無理はしていない、
「無理しないというのは楽をすることではない」

「これまでずっと自分に負荷をかけてきた」

「70歳を迎える今もステージでは
キーを下げずに歌い、走る。
そのつど駆け抜け、後で繕ったりしない」

「楽したものは信用できないから」
『時は待ってくれない』から。
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小田さんは私の中学高校の5年先輩。
尊敬もしている。

「つらい思いをしたことは、
信用できる」

イトーヨーカドーも、
ヤオコーも、
つらい思いをしなければ、
古い店も、新しい店も、
信頼されない。

イトーヨーカ堂はもっともっと、
つらい思いをして、
古さの良さを出してもらいたい。

ヤオコーも無理をする必要はないけれど、
楽をしてはいけない。

楽をしないとは、
70歳を超えても、
基準を変えず高みを望むということだ。

私も小田さんに倣っている。

〈結城義晴〉

2024年09月13日(金曜日)

「ジャムの法則」の「選択肢」と「サミットカップ&万代カップ」

「ジャムの法則」
コロンビア大学シーナ・アイエンガー教授の説。
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スーパーマーケットの店頭に、
二つのテーブルを設置する。
一つのテーブルには6アイテムのジャムを、
もう一つには24アイテムのジャムを並べる。

そして試食販売をする。

6アイテムのほうは、
試食した顧客の30%が買った。
24アイテムのほうは3%しか買わなかった。

選択肢が多すぎることは混乱を引き起こし、
購買という選択に至らないのだ。

「選択肢が多いと、逆に選べない」スクリーンショット 2024-09-13 23180122

朝日新聞「天声人語」が取り上げた。

自民党総裁選の9人の立候補者の話。
過去最多となった。

ジャムと総裁候補を同じに扱ってはいけないか。

コラム。
「でも、なぜだろう。
どうしても疑念がわいてくる」

「派手なポスターまでつくった党は、
もうすぐあるらしい総選挙の
“顔選び”と思ってないか。
この場をPRに使おうという打算はないか」

ジャムの法則のアイエンガー教授。
「選択とは、将来と向き合うこと」

「9人にしかと耳を傾け、見極めたい」

さて商人舎流通Supernews。

万代news|
「万代頂決戦—万代カップ2024」開催、メーカー16社参加

「万代頂(いただき)決戦」
万代カップ2024。
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人気メーカー16社の自慢のメニューを、
万代アプリユーザーの投票によって競い合う。
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これは「サミットカップ2024」の模倣だ。
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月刊商人舎8月号特集でも取り上げた。

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万代とサミットは今、親しく交流している。
阿部秀行社長と服部哲也社長も信頼し合っている。
サミットの了解を得たうえでの企画だろう。
食品メーカー16社もそれを承知して参加している。

関東のサミットと関西の万代。
直接競合はしない。

創意を尊びつつ良いことは真似ろ。
倉本長治。

他の地域でも真似が出てくるかもしれない。
しかしキチンと話し合いをして、
了解を得たうえで礼節をもって、
真似てほしいものだ。

16社の16品目を並べていたのでは、
「選択肢が多いと、逆に選べない」となる。

トーナメント方式で、
対決してもらうと、
顧客は選択しやすい。

その選択を重ねて、
最後にトップを選ぶ。

「選択とは、将来と向き合うこと」
その通りだ。

〈結城義晴〉

2024年09月12日(木曜日)

「家計調査」のサンプル数7213と「KURASHI360」の6000万人

暑さは続く。

それでも花は咲く。

ムクゲ。
アオイ科フヨウ属。
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道の辺(べ)の木槿(むくげ)は馬に喰はれけり
〈松尾芭蕉〉

芭蕉は馬子にひかれた馬に乗っていた。
その馬が道端のムクゲを食べた。
見たまんま。

しかし馬とムクゲ。
昔の旅はのどかだ。

そしてフヨウの花。
これもアオイ科フヨウ属。
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霧雨の空を芙蓉の天気哉
〈松尾芭蕉〉

フヨウの花は強い日ざしの日には、
葉の陰に咲いたり、
花びらがだらんとしている。

けれど朝晩は花がピンとしている。

霧雨が降る日は朝晩と同じだ。
「芙蓉の天気」なのだ。

さて商人舎流通スーパーニュース。

7月家計調査|
2人以上世帯消費支出は29万円0.1%増/3カ月ぶりに増加

総務省統計局「家計調査報告」。
その7月版。

集計サンプル数は全国の二人以上の7213世帯。
これはとても重要なことだ。

サンプル数が7213。

全国平均の数字を時系列で見ていくと、
当たらずとも遠からずか。

しかしこれを地域別に品種レベルで集計すると、
一応、数字は出てくるものの、
信頼できるデータではなくなる。

たとえば札幌市の人口は約196万人、
全国の人口は1億2119万人。
札幌市は日本全体の1.6%である。

家計調査のサンプル数の7213人に、
1.6%を掛けると115人となる。

つまり家計調査の札幌市の数字は、
100世帯ほどの調査ということになる。

出店調査などで、
家計調査データを使うことがあるが、
まるで当たらない。

サンプルの母数が少な過ぎるからだ。

それでも毎月のトレンドを知るにはいいだろう。
だから商人舎流通スーパーニュースでは、
短くお知らせしている。

その7月の消費支出は29万0931円。

費目別の消費支出(2人以上世帯・実質)。
前年同月比プラスは、
「住居」17.3%増、「保健医療」1.6%増、
「教育」8.9%増、「教養娯楽」5.6%増の4費目。
一方、マイナスは「食料」1.7%減、
「被覆および履物」5.7%減、
「家具・家事用品」2.0%減、
「光熱・水道」4.6%減、
「交通・通信」4.3%減の5費目。

全体傾向を見るならば、
家計調査でもいい。

しかしさらに細かな費目を、
マーチャンダイジングなどに使おうとしたら、
これでは役に立たない。

もっと精度のあるデータがある。

たとえば㈱True Dataの、
KURASHI360。
「クラシサンロクマル」と読む。

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True Dataは、
6000万人規模の購買データをもつ。
スーパーマーケットとドラッグストア。

母数は家計調査が7213、
KURASHI360は6000万。

このKURASHI360データは、
郵便番号単位のエリアの消費傾向を数値化している。

個人情報を使わず、
郵便番号単位のエリアごとに、
食品データと生活購買データ、
さらに自動車データまで提供する。

食品はスーパーマーケットとドラッグストアの、
ポイントデータをベースに、
品目別の動向を明らかにする。
日用品、化粧品、OTC医薬品もしかり。

個店のマーチャンダイジング、
プロモーションなどに使うには、
KURASHI360がいい。

市町村単位でも県単位でも、
リージョナル単位でも、
精度が高い。

さてもうひとつのニュース。

ベルクnews|
遺族を支援する新制度「従業員遺族サポート制度」9月導入

従業員が不幸にも亡くなった際に、
その遺族を支援する「従業員遺族サポート制度」を、
9月から導入する。

「遺児育英支援金」は最大642万円。
18歳、大学生は22歳以下の子を、
扶養していた従業員が亡くなった場合、
学業を奨励し、遺族家庭の経済的な負担を軽減する。
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実にいい制度だ。

さらに「遺族就業サポート」は、
亡くなった従業員の配偶者や子が、
ベルクグループでの就業を希望する場合、
可能な限り支援を行う。
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ベルクはこういった従業員へのサポートを、
地道に充実させている。
高く評価したい。

〈結城義晴〉

2024年09月11日(水曜日)

特集「’24アメリカの歩き方」と大統領討論会の「人間の尊厳」

今日の全国の気温。
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最高気温は名古屋が35.9℃、
広島は35.6℃、大阪は35.3℃。
福岡も35.1℃の猛暑日。

それでも朝夕は少し涼しくなった。
IMG_6305 (002)

午前中、家でレターを書いて、
午後、久しぶりに商人舎オフィスに出社。

アロハです。

月刊商人舎9月号を手に取る。
特集「’24アメリカの歩き方」 IMG_6310 (002)2

すでに注文が届いています。
ありがとうございます。

少しだけ中身を見せましょうか。IMG_6311 (002)

厳選17都市圏ガイド。IMG_6314 (002)

ニューヨーク都市圏はいつも躍動している。
ロサンゼルス都市圏は凡庸な大消費地になっている。

ミネアポリス都市圏は地元のターゲットが、
コロナ禍中にウォルマートにシェアを奪われて、
第3位に落ちてしまった。

一方、ボストン都市圏は、
「奇跡のスーパーマーケット」マーケットバスケットが、
以前として21.3%のトップシェア。
旧態依然の保守的なマーケットだ。

テキサス州では4つの都市圏を取り上げた。
ダラス都市圏、ヒューストン都市圏、
オースティン都市圏、サンアントニオ都市圏。
日本のローカルチェーンのモデルHEBが、
ウォルマートとクローガーと戦う。

それはローカルチェーンに勇気を与えてくれる。

サンフランシスコ都市圏、シアトル都市圏、
そしてラスベガス都市圏、フェニックス都市圏。

商人舎のUS研修の舞台となる都市は、
いずれも学び甲斐のある店ばかりだ。

それから米国第3のシカゴ都市圏。

アトランタ都市圏とマイアミ都市圏では、
パブリックスの出店戦略の違いを見ることができる。

そしてホノルル都市圏。
ウォルマート本部のあるフェイエットビル都市圏。

重要な都市圏は網羅されている。

今回メジャーリーグやバスケットボールリーグ、
アメリカンフットボールのチームなども、
原稿のなかに書き込んだ。

良く学び、よく遊べ。
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アメリカの楽しみ方だ。
そして世界最高峰の、
アメリカ流サービスを堪能してもらいたい。

会社には「セルコレポート」が届いていた。
私の連載は「艱難は商人を鍛える」
今回は「大規模小売店舗法」という艱難に、
日本のチェーンストアが鍛えられた話。
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ご愛読をお願いしておきます。

さてアメリカ大統領選挙に関して、
候補者二人のディベートがあった。
ぺンシルバニア州フィラデルフィア。

カマラ・ハリス副大統領と、
ドナルド・トランプ前大統領。
スクリーンショット 2024-09-12 140332
民主党ハリス59歳、
共和党トランプ78歳。

ABCテレビが放映したが、
6710万人が視聴した。

このディベートでは、
カマラ・ハリスが勝った。

それは明らかだ。

アメリカ大統領選挙では、
11月5日に一般投票が行われる。
しかしペンシルベニア州では9月16日から、
期日前投票の申請受け付けが始まる。

アメリカでも期日前投票の割合が高まっている。
この討論は期日前投票には影響を与えるだろう。

それにしてもトランプ発言。
最もひどかったのは、
「オハイオ州スプリングフィールドでは、
ハイチ系移民が近隣住民のペットを食べている」

ハイチはカリブ海の国だ。
キューバとジャマイカの東に、
イスパニョーラ島がある。

この島の東側にはドミニカ共和国があり、
西側の8分の3ほどをハイチ共和国が占める。

現在米国のハイチ系市民は約110万人。
その約半分が移民だ。

トランプは繰り返した。
「(オハイオに)やってきた連中は、
犬や猫を食べている」

ハイチ系住民の間では、
身の危険を感じるとの声があがっている。

スプリングフィールド市の広報担当者。
「誰かが住民のペットを食べたとの、
信ぴょう性のある報告は寄せられていない」

討論会の司会は、
男性のデビッド・ミューア氏と、
女性のリンジー・デービス氏だった。
二人ともABCのキャスターだ。

この件に関してはミューア氏が即座に、
そんな報告は上がっていないと否定した。

トランプ発言でもう一つ酷かったのは、
人工妊娠中絶を巡るもの。
「一部の赤ん坊が生まれた直後に
処刑されている」

デービス氏がすぐに言った。
「この国には、
生まれた赤ん坊を殺すことが
合法の州はない」

相変わらずのトランプだった。

多分、よほどのことがない限り、
カマラ・ハリスが大統領になるだろう。

そう思った。

「’24アメリカの歩き方」では、
フィラデルフィア都市圏も、
オハイオ州もお勧めしてはいない。

しかしニューヨークからフィラデルフィアまでは、
車で1時間45分ほど。

足を伸ばしてみるのもいい。

アメリカ独立宣言が起草された、
伝統のある街だ。

独立宣言には書かれている。
すべての人
生まれながらにして平等であり、
すべての人は神から
侵されざるべき権利を与えられている、
その権利には、生命、自由、
そして幸福の追求が含まれている」
stone.tif
そんな由緒ある街でのディベートで、
人間の尊厳を貶める悪意に満ちた発言は、
許されるものではない。

〈結城義晴〉

2024年09月10日(火曜日)

商人舎9月号「’24アメリカの歩き方」とプラネットトップセミナー

 月刊商人舎9月号、本日発刊。202409_coverpage

[特集]’24アメリカの歩き方
US-Retail視察研究ガイドブック

[Cover Message]
第47代合衆国大統領を決める選挙が展開されている。民主党の青い州、共和党の赤い州。そして激戦区の紫の州。青い州はリベラル、赤い州はコンサバティブ。紫はその中間。しかしそれぞれの州のチェーンストアは青と赤に分けられるわけではない。世界のウォルマートはどちらかと言えば赤い州で強い。青い州からは排除される傾向がある。ターゲットは青い州で人気だ。だが小売業やサービス業は、青と赤を包含して人気を博すのが常道だ。
その青と赤の議論がかまびすしいアメリカ合衆国の17の都市圏を行く。2024年の「アメリカの歩き方」を特集しよう。
冷戦時代の1962年、ジョン・F・ケネディ大統領は言った。「アメリカとソ連の差は、スーパーマーケットがあるか否かである」。「スーパーマーケットを通して、豊かさが実現されていく社会こそ、全国民が願い求めている社会である」。アメリカのリテールはこの言葉を励みにしている。「1時間で買えるバスケットの中身の違いこそ、米ソの違いである」。私たちはそれを確認するためにアメリカを視察研究する。いざ。

[Contents]202409_contents

5年ぶりに「アメリカの歩き方」をお届けします。
今回は17都市圏。

編集部総出で原稿を書いた。
書いているだけで行った気になる。
楽しい執筆だった。

アメリカに行かなくても、
読むだけで十分、楽しめる。

紙の雑誌だけではページが足りなくなって、
網(ウェブ)のページにコラムを書いた。

コラム➀「アメリカの時差」
202409_timezone

コラム②「売価の注意点」
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IDとパスワードをもっている方は必ず、
webページも見てください。

[特別寄稿]は小島健輔さん。
米国カジュアルチェーンに学ぶもの
「アスレジャー」がUSアパレルを変貌させた!
202409_kojima_title

[Message of September]
来た、見た、勝った。

その場を訪れる。
観察し、分析する。
そして行動し、成果を上げる。

来た、見た、勝った。
Veni, vidi, vici!
I came, I saw, I conquered.

ローマの将軍ユリウス・カエサルは、
ガリアを制圧しローマに凱旋すると、
すぐにオリエントに向かう。

そしてこの遠征の最後にトルコのゼラで、
ポントス王ファルナケスを破る。
早馬を飛ばして元老院に勝利の手紙を送る。

カエサルは文章の達人だった。
来た、見た、勝った、と書いた。
シンプルで的確な表現だ。

アメリカを訪れる。
ヨーロッパに足を伸ばす。
アジアを訪問する。

そんなときにいつも、
私は合言葉を唱える。
来た、見た、勝った。

まずは自ら行ってみる。
現地で現物を観察し、分析する。
そして行動し、学びつつ成果を上げる。

来た、見た、勝った。
「来た」と「見た」が前提となって、
「勝った」がもたらされる。

アメリカを訪れても、
見る、聞く、買う、食べるでは足りない。
勝ったがなければ意味がない。

知っただけでは、
本当に学んだことにはならない。
実行しなければ成長はない。〈結城義晴〉
202409_Message-768x537

さて今日は東京・汐留。
コンラッド東京。
IMG_6302 (002)

プラネット・トップセミナー2024」

毎年恒例。
日用品・化粧品・薬品の、
製造業・卸売業のトップが集う。
社長、会長がずらりと揃う凄いセミナーだ。

開会挨拶は坂田政一さん。
㈱プラネット代表取締役社長。IMG_6266 (002)2

プラネットを説明するには、
このイラストがいい。
スクリーンショット 2024-09-11 015231
168社の資材サプライヤーと、
884社の製造業を、
「資材EDI」でつなぐ。

さらにその884社のメーカーと、
490社の卸売業とを、
「基幹EDI」で結ぶ。
EDIはElectronic Data Interchange、
電子データ交換のこと。

日用品・化粧品・薬品の流通に関して、
プラネットは産業インフラとなっている。

取引先データベースは約49万件、
商品データベースは769社18万9972アイテム。

凄い会社です。

それから今村佳嗣さん。
執行役員マーケティング&イノベーション推進ユニット長。
タイトルは、
「これからのプラネットが目指す業界への貢献」 IMG_6273 (002)2
資料をもとに理路整然と説明した。

休憩の後は基調講演。
落語家・林家たい平師匠。ダウンロードtaihei
写真撮影はできないので、
一般社団法人落語協会のプロフィールから。

テーマは、
「笑顔のもとに笑顔が集まる」

90分の講演は長編落語3本分。
たい平師匠はメモもレジュメも見ずに、
淀みなく1時間半を語り切った。

しかし目は真剣そのものだった。
落語とは違うのだろう。

笑点メンバーの話題、
落語家になるための修業時代の話、
泣かせる話もあった。

最後は小噺と『星雲のうた』
そして鶯の声色。

そのあとで、
玉生弘昌さんの挨拶。
㈱プラネット代表取締役会長。
「プラネットの創業から40年」IMG_6286 (002)2

9月8日(日曜日)に満80歳を迎えた玉生さん。
10月24日の株主総会で、
代表取締役会長を退任する。IMG_6280 (002)2
その最後の挨拶を兼ねた講演。
実に淡々としていた。

玉生さんには3つの「出会い」があった。
第1はヒューレットパッカードの、
卓上コンピュータとの出会い。

第2はインテック創業者の金岡幸二社長との出会い。

第3は綿貫民輔元衆議院議長との出会い。

これらの出会いをもとに、
VAN事業を構築し、成功させた。
VANはValue-Added Network、付加価値通信網。IMG_6285 (002)2

玉生さんは二つの会社を創業した。
もちろんプラネットと、
それからTrue Data。

そして自ら両者を位置づける。
プラネットは定型業務のDX、守りのDX。
True Dataは非定形業務のDX、攻めのDX。

最後に、玉生さんは10月に単行本を上梓する。
ダイヤモンド社刊、
『経営者のための経済学史』

以前から教えていただいていたので、
私は知っていた。

それにしても凄いテーマだ。

あのヨーゼフ・シュンペーターも書いている。
『経済学史――学説ならびに方法の諸段階』

玉生さんらしい切り口と、
わかりやすい経済学史になると思う。
大いに楽しみだ。

講演会のあとは懇親会。
IMG_6288 (002)

開会あいさつは松本俊男さん。
プラネット代表取締役副社長。IMG_6290 (002)2

乾杯のスピーチと音頭は、
掬川正純ライオン㈱代表取締役会長。IMG_6291 (002)2

㈱True Dataのお二人。
米倉裕之代表取締役社長と、
島崎尚子取締役。
IMG_6297 (002)2
玉生さんはこれからも変わらず、
True Dataの取締役として指導してくださる。

中締めは、
須崎裕明㈱あらた代表取締役社長。IMG_6295 (002)2
全体最適や最大公約数は、
通用しなくなった」

同感。

帰り際に、
プラネットの松本さん(中)と滝山重治さん。
これからも頑張ってください。
IMG_6299 (002)

それにしても『経済学史』への挑戦。
凄いことだ、脱帽。

〈結城義晴〉

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