石破茂第28代自由民主党総裁。
夕方の6時から東京の首相官邸で、
辞意を表明した。
一方、阪神タイガース。
兵庫県の甲子園球場で、
セントラルリーグの優勝を決めた。
自民党の初代総裁は鳩山一郎。
1956年4月5日に就任して、
8か月後の1956年12月14日に、
日ソ国交回復を花道に退任した。
二代総裁は石橋湛山。
リベラル派のトップだったが、
脳梗塞を発症して65日で辞任。
主治医は聖路加病院の日野原重明だった。
以下、池田勇人、佐藤榮作と続いて、
自民党の骨格が出来上がっていく。
その後、1970年代は、三角大福時代。
田中角栄、三木武夫、大平正芳、福田赳夫。
中曽根康弘は5年間。
自民党の内規で2期4年の任期を、
1年延ばした。
以後は竹下登、海部俊樹、宮澤喜一と続いて、
橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗。
そのあとに小泉純一郎。
「自民党をぶっ壊す」と叫びつつ、
郵政民営化を果たして、
任期満了の5年で交代。
そして安倍晋三。
福田康夫、麻生太郎。
ここで民主党に政権を譲って、
安倍晋三の再任から復権。
これが長期政権となって、
そのあとは菅義偉、岸田文雄、石破茂。
戦後の歴代総理大臣の中で、
クリスチャンだったのが、
吉田茂、片山哲(日本社会党)、鳩山一郎、
大平正芳、細川護熙(日本新党)、麻生太郎、
鳩山由紀夫(民主党)、そして石破茂。
この中で自民党総裁のキリスト教徒は、
鳩山一郎、大平正芳、麻生太郎、石破茂。
大平は惜しい早世だった。
麻生がキリスト者とは意外だが、
吉田茂の孫だから、
代々クリスチャンなのだろう。
どちらにしても自民党には今、
抜本的なコンセプトの突き詰めが必要だ。
もともとは保守系の自由党と、
中道系の日本民主党が、
1955年の保守合同によって、
自由民主党となった。
そこまで理念を遡らせる必要が、
あるのかもしれない。
石破茂のあとは、
小泉進次郎か高市早苗か。
技量で見れば、
私は林芳正もありだと思う。
とはいっても私は自民党支持者ではない。
そのほかの右も左も支持するものではない。
イデオロギーではなく、
もう少し原点的なところから、
日本の政治を考えていたいと思っている。
石破茂はこれから、
公明党委員長だった矢野絢也のように、
秀逸の政治評論家となるに違いない。
そっちのほうが向いていた。
一方の阪神タイガース。
球団創設90周年の節目に、
史上最速の優勝決定。
就任1年目の藤川球児監督の快挙。
NHKの野球解説者を務めた後で、
優勝監督になったのは、
故星野仙一と原辰徳、
そして藤川球児か。
そうするとNHKで解説するのは、
監督として成功する条件なのかもしれない。
岡田彰布監督が、
2023年優勝、2024年2位で、
基礎を築いたチームを、
藤川がうまくまとめて、
独走優勝。
何しろ現時点まで、
セリーグ6チームの成績は、
1強5弱。
タイガースだけが勝ち越していて、
2位以下は全チームが負け数のほうが多い。
持ち駒はほとんど変わらず。
現有勢力で他に大きな差をつけた。
これはマネジメントの勝利だ。
それは私にとってもうれしいことだ。
プロ野球に関しては、
もともと西鉄ライオンズのファンだった。
三原脩監督のもと、
中西太、豊田泰光、稲尾和久、仰木彬。
日本シリーズ史上初の、
3連敗からの4連勝でジャイアンツを破った。
東京のセリーグの、人気チームに、
福岡のパリーグの、個性チームが、
絵に描いたような逆転劇。
1978年のオフ。
そのライオンズとタイガースで、
トレードが行われた。
阪神からは田淵幸一と古沢憲司。
ライオンズの真弓明信・若菜嘉晴・竹之内雅史。
私はそれ以来、タイガースファンになった。
1985年は吉田義雄監督のもと、
バース、掛布、岡田のクリーンアップで優勝。
日本シリーズも制した。
2003年は星野仙一監督、
2005年は岡田監督で、
セリーグ優勝。
さらに2023年も岡田が監督で優勝し、
日本一となった。
だから藤川監督以下、
選手諸君の躍動に期待しよう。
4番の佐藤輝明が今シーズンに覚醒して、
現時点で36本塁打、89打点の二冠王。
3番森下翔太は20本塁打、80打点でリーグ2位。
5番大山悠輔もリーグ3位の66打点。
3人で合計235打点。
チームの得点はリーグ最多の437点。
エースの才木浩人は、
防御率1.62、12勝。
ともにリーグ1位。
すべてがかみ合った最高のチームだった。
石破茂の辞任と、
藤川タイガースの優勝。
妙な日曜日だった。
〈結城義晴〉