6時50分の便で福岡空港へ。
8時45分到着。
秋空だがまだ暑い。
福岡県早良郡早良町大字小笠木脇山村。
私より1カ月後に生まれた。
それからずっと意識し合い、
互いに競い合って生きてきた。
一緒にいた時間は少ないが、
73年近くの時を共有した。
それは靖博の父と私の父も同じだった。
こんなに早く亡くなるなど、
信じられなかった。
「靖博の分まで生きるぞ」
棺の中の従弟に、
心の中でそう、声をかけた。
告別式から斎場まで、
私が骨壺を持った。
火葬が終わって、
骨を骨壺に収めて、
また骨壺を持った。
靖博の妹の庸子がすべてを仕切った。
やるべきことをやり切って、
庸子は立派だった。
兄思いの賢い妹だ。
それにしても72歳と11カ月。
惜しい。
心から冥福を祈りたい。
私は福岡空港に着いたらすぐに、
メガセンタートライアル福岡空港店へ。
どうしても見ておきたかった。
入り口にはこの告知。
西友の「みなさまのお墨付き」販売開始。
導入部はハロウィンプロモーション。
ドン・キホーテのようだ。
衣料品はまだまだ。
ウォルマートをベンチマークして、
その「スーパーセンター」を追い求めてきた。
西友を買収してこのフォーマットで、
日本最大企業となった。
しかしウォルマートには、
まだまだおいくつことができない。
たとえばスーパーマーケットでは、
ヤオコーをはじめとしてチェーンは、
アメリカやヨーロッパの企業と、
肩を並べるレベルが見えてきた。
しかしハイパーマーケット業態では、
まだまだ遠く及ばない。
売場と商品でそれが出来なければ、
生産性や効率化、デジタル化を進めても、
店としての機能を果たすことはできない。
トライアルの隣に、
資(すけ)さんうどんの店。
2024年から、
すかいらーくホールディングス傘下。
九州を中心に87店。
靖博の葬儀を終え、
初七日の法要は失礼して、
福岡空港からトンボ返り。
そのつもりが、
東京・神奈川の大雨で、
羽田空港が午後3時から機能停止してしまった。
福岡の空港内で1時間以上待って、
飛び立った。
羽田に着いてからも、
滑走路で待たされた。
結局、8時過ぎに降り立って、
横浜に戻った。
東京都と神奈川県には、
「記録的短時間大雨情報」が発せられた。
数年に一度程度しか発生しない大雨。
東京都目黒区では午後3時20分までの1時間に、
約130ミリの雨が降った。
横浜市都筑区でも1時間約100ミリの雨。
そのうえ激しい雷。
朝日新聞「折々のことば」
第3477回。
家族の死に直面したときの
子どもの反応は、
非常に全身的、
身体的なものです。
〈養老孟司〉
「幼くして父を亡くした時、その枕元で
『お父さんにさよならを言いなさい』
という声が聞こえた」
「さよならを言わないことが
当時の自分にできたおそらく唯一の抵抗で、
その後ずっと挨拶のできない人だった」
編著者の鷲田誠一さん。
「私でも他人でもない二人称の人の死は、
自分自身の部分的な喪失でもあるのだろう」
二人称の人の死は、
自分自身の部分的喪失でもある。
だから「その分まで生きる」と、
私は思ったのだろう。
合掌。
〈結城義晴〉