結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2007年09月12日(水曜日)

ヤマダ電機「ディスカウントストア」へ舵を切る

ヤマダ電機ロゴ
これは、私の予測である。
ヤマダ電機」は近く、
「ヤマダ」に社名、店名を変えるに違いない。
そして、アメリカの小売業フォーマット「ディスカウントストア」に、
徐々に、転換していくに違いない。

12日日経新聞の記事によると、ヤマダの方針は以下。
「全国主要都市の80店を拡張する。
現在1000坪の売り場面積の店舗を2倍の2000坪に。
そして家電以外の生活雑貨や家具も品揃えに加える。
品揃え品目数を1.5倍に拡大する」

これも日経の記事だが、
現在の小売業の売上高ランキングは、
①セブン&アイ・ホールディングス 5兆3378億円
②イオン 4兆8248億円
二強となる。

ついで、
③ヤマダ電機 1兆4436億円
④ダイエー 1兆2939億円
⑤ユニー 1兆2289億円
⑥高島屋 1兆0494億円
となる。

小売業で、1兆円を超えた企業は、この6社。

私は「日本のディスカウンター1000億円限界説」を唱えてきた。
これまで、さまざまな総合品揃えの「安売り王」が登場しては、
飛躍的な成長を遂げた。
しかしなぜか、年商1000億円を前に、あるいは超えた段階で、
成長は止まる。
停滞する。

この1000億円を超えたのは、
わずかにダイソードン・キホーテしかなかった。

ダイソーは明らかに、
アメリカ流のフォーマット「バラエティストア」であった。

ドンキは、深夜営業という競争の薄いマーケット把握で、
1000億円を超えた。

他の「総合ディスカウンター」は、
一言で言えば「バッタ屋」であった。

だから、仕入れが行き当たりばったり。
計画性がない。

1000億円までは、数人の人間力でいけるが、
それ以上となると、会社の総合力が要求される。

すなわち、フォーマットとして、確立されねばならなくなる。

さて、ヤマダは、家電という専門マーケットの小売業として、
1兆円を超えた。
そして、「会社の総合力」を獲得した。

「会社の総合力」に関しては、
別の項を設けるが、
専門店のほうが、「会社の総合力」を構築するのに、
時間がかからない。

これは、事例を見ると明らかだ。

ヤマダは、家電量販店で、
「クリティカル・マス」に到達し、
特別のご利益を享受したから
「会社の総合力」を手に入れることが出来たのだ。

そして、つぎに進むのが「生活の総合化」である。
すなわち「ディスカウントストア」である。

1960年代、アメリカに起こった「ディスカウントストア」。
当時は1000社が雨後の竹の子のように、誕生した。

クレスゲという「バラエティストア」は、
ハリー・カニンガム氏の強力なリーダーシップの下、
「Kマート」に転換し、大成功を収めた。

サム・ウォルトンも、1962年、
「ディスカウントストア」を始めた。

非食品分野の総合品揃え廉価店。

ヤマダがこの「ディスカウントストア」に舵を切り始めたことは、明白。

ヤマダには、不思議なDNAがある。
売れるものには、動物的感覚で吸い付いていく会社である。

それが、家電において、「クリティカル・マス」を獲得した次の段階で目指すのが、
「生活財の総合品揃え」である。

そしてこれは、歴史上、アメリカ合衆国において、
「ディスカウントストア」といフォーマットとして登場した店である。

しかし、「ディスカウントストア」は、
「コモディティグッズ」の総合店である。
これが、第1の条件である。
絶対に忘れてはいけない。

日本に初めて、「ディスカウントストア」が誕生するかもしれない。
そんな期待を抱かせるヤマダの動向である。

ただしアメリカでは、現在、
ディスカウントストアは衰退フォーマットである。

ご存知、「スーパーセンター」という、
「衣食住薬」フルラインのコモディティ・リテーラーに、
飲み込まれたのである。

ヤマダ電機がヤマダに、名称を変える日。
私の予測、当たるも八卦、当たらぬも八卦。

これも、乞う、ご期待。

<結城義晴>

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