結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2007年09月05日(水曜日)

「失ったものは、何もない」柳井正さんの言葉

やないただし

 

 

ファーストリテイリング会長兼社長。
柳井正さんの言葉。

9月4日、事業戦略説明会
で語った。

米国バーニーズのM&Aが頓挫したことに対するコメント。

負けん気に関しては、
右に出るものが見当たらないほどの,
柳井さんだが、
この言葉は、
負けん気から発せられたものではない。
本当の気持ちです。

結局は、オイルマネーのドバイ政府系投資会社が、
バーニーズを買収することになったのですが、
「米国市場やラグジュアリー市場で、わが社の知名度は高まった」

ファーストリテイリングはすでに
「セオリー」の買収など実績を持っています。

だから、バーニーズに関して、
「これだけのキャッシュを注ぎ込めるぞ」
と、内外に示したことは、
むしろ宣伝効果があった、という総括。
われわれは、こういった企業に対しても、
M&Aの意思があるぞ、というアピールもできた。

欧米、とりわけ米国産業社会には、
きわめてドライなビジネス観があります。
「ドライ商法」といいます。

「ドライ商法」の反対の言葉は、「ウェット商法」。

日本は「ウェット商法」の巣窟。

「ドライ商法」であるから、
それが次の準備となり、バネとなる。

柳井さんは、
「フランスのコントワー・デ・コトニエ級以上のブランド」
に狙いをつけていくことを表明。

バネとしているのです。

私は、ずっと言い続けています。

   企業や人間は、階段状に成長する。

どんな場合にも、停滞する時期と飛躍する時期は、交互にやってきます。

この停滞期をどう位置づけるか、
停滞期にどう次への準備をするか。

これによって、飛躍の伸びシロが大きく違ってくる。

停滞期を、「後始末」にしてしまうと、
たとえ次の飛躍があったとしても、
それは小さい。

停滞期を、「準備」や「バネ」にすると、
大きな飛躍が待っている。

「バーニーズ」の件は、
同社の停滞期を表わすものではありませんが、
彼がこれを「バネ」にしようと決断したことは確かです。

ユニクロは、
12月のパリを手始めに、
ロンドン、北京、ソウルなどに大型店を、
出店させていきます。

国内のM&Aも積極化していきます。

   失敗や頓挫、停滞を、
   「準備」に当てられるか。
   それとも「後始末」に終始するか。

これによって、
企業と人間の、
将来は決まるのです。

   「空白が、人間に箔をつける」

西端春枝さんの言葉の意味するところとつながってきます。

<結城義晴>

【写真は、毎日新聞より】

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.