結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年07月03日(木曜日)

歴史的USA研修②オースティンからダラスへ⇒低価格とプライベートブランド隆盛

商人舎7月の標語。
「Save Money! Live Better!」
<財布は閉めよ!よりよく生きよ!」

アメリカでは、まったくこのとおりです。

品質を守り、その上で価格の安さを提供する企業が好調。
アップグレードの店にやや、陰りが見え、
中庸を求めた企業は苦戦。

コストコ・ホールセールと、
ウォルマート・スーパーセンターは大繁盛。

ターゲットは、価格を前面に出し始め、
クローガー、セーフウェイ傘下のトムサムなどは、
いま一つ。

HEBは、アップスケールタイプもレギュラータイプも良好。
ホールフーズに、ちょっと陰りが見え、
ローカルチェーンは、頑張って自分の顧客をつかんでいる。

 

私たちは、6月30日、テキサス州オースティンに降り立って、
まずHEBのセントラルマーケットを訪れた。
ファサード

HEBは、さらにレギュラータイプのフード&ドラッグ、
HEB F&D

そして、HEBプラスというノンフード強化型の大型店を訪問。
2
このオースティンにヘッドオフィスを置くホールフーズは、
本部ビルの1階の2000坪の旗艦店へ。
wm

そして3時間のバスの旅でダラスへ上ると、
1
まずウォルマートへ。
アップスケールタイプ&環境配慮型の最新店ハイランドビレッジ。
3

さらにもう有名なアップスケール型モデルのプラノ店と、
3
環境対応型モデル店のマッキーニ店。
3

そして、ウォルマートの食品スーパーマーケットの
ネイバーフッド・マーケット。現在134店。
2

アメリカ小売業ランキング上位の総合店は、2社。
メンバーシップ・ホールセールクラブのコストコ。
全米小売業ランク第5位で年商644億ドル(分かりやすく1ドル100円で換算すると6兆4400億円)。488店。
4

スーパーセンターのスーパーターゲット。
ターゲットは全米第6位、年商634億ドル。
5

食品スーパーマーケットでは、全米第1位のスーパーマーケット
クローガー。
年商702億ドル。全米ランクは第4位。クローガー
そしてニューライフスタイルストアのセーフウェイ系トムサム。
セーフウェイは全米10位。年商423億ドル。
1

ローカルチェーンは、スプラウツ・ファーマーズマーケット。
これは八百屋の新フォーマット。
1
そしておなじみのマーケット・ストリート。
これはフードサービス強化型スーパーマーケット。
2

さらに最後に、私たちはリージョナルショッピングセンターを訪れた。
5
ギャラリア・ダラス。
3

超話題のアパレル・ファッション
「アバクロ」にも行った。
4

こちらも値ごろの衣料が、
現代感覚で売られ、人気。
ファッションのみでは、今、売れない。
値頃であることが、もっとも大事なのだ。
2

私は、米国FMI会長ティモシー・ハモンズさんの言葉から、歴史に残る商人舎第1回USA研修会の講義を開始した。

ハモンズさんは8つのポイントを強調。
それがそのまま現状のアメリカ小売業を示していた。

①2007年度の米国スーパーマーケットのトータル業績は、40年間で最高だった。
税引き後の純利益率は、1.92%。
これまでは、平均すると、ずっと1%ぎりぎりという水準だった。

②2008年は、経済環境が悪化し、消費が激変する。
消費者の多くは、外食を控え、家庭で食事するようになった。
食品の価格は、原材料の値上げに伴って高騰した。

③ナショナルチェーンといわれる全国展開の大企業よりも、
リージョナルチェーンが良かった。
ローカルチェーンも奮闘した。
再投資した会社が利益を出した。
 1.店そのもののハードウェアの改装
 2.情報システムへの再投資
 3.高品質の商品やハイクオリティのプライベートブランドなど、
   商品への再投資

④ウォルマートと、生き残ったスーパーマーケットがすみ分けする時代になる。

⑤焦点の部門は、処方箋薬局とインストアクリニック。
医食同源の傾向が強まる。

⑥食品の安全性から中国からの輸入食品は嫌われる。

⑦アメリカには、日本以上に強い不況感が蔓延し、
 1.低価格が強い共感をもって受け入れられている。
 2.プライベートブランドが伸びている。

⑧「企業は走り続ければ、道は開けるし、健康になる。止まれば、不健康になる」

全く、そのとおりだ。
規模は小さくとも、
自己変革をし続ける店や企業は、伸びる。

ウォルマート・プラノ店も、今週、
大きな組織替えをした。
組織を変えるから、売り場が変わる。
そのことを、怖がっていない。
勇気をもって、変わろうとしている。

イノベーションの連続。
それを自ら起こそうとする者だけが、
生き残る。

明日は、早くもニューヨークへ。

ボン・ボヤージ。

<結城義晴>

 

2008年07月02日(水曜日)

歴史的USA研修①HEBセントラルマーケットの心臓・プロデュースデパートメントの圧巻

現地時間6月30日、オースティン空港に到着したら、
まず、すぐにHEBセントラルマーケットへ。
ファサード
14年前にオープンした店だが、
今も、絶大なる人気で、多数の固定客を集めている。

HEBは、ご存知、テキサス州の雄たるリージョナルチェーン。
310店舗で、年商135億ドル(1兆4850億円、1ドル110円換算)。

そのHEBのアップスケールタイプ。
現在8店舗。
約2000坪の大型スーパーマーケット。

ここでは、レクチャーを受ける。
フーディーズという役職の女性二人。
レクチャー

レクチャーの前に、実はランチ。
今回は、2階の屋外フードコートで、
ハンバーガーのサービスを受けた。

熱々のハンバーグを、パンにはさんで、
野菜と一緒に、バーキューソースで食べる。
一列にならんで、給仕してもらう。
738

そして昼ごはん。
美味。
皆、笑顔がこぼれる。
syokuji
「有名な過酷なツアーのはずが、
最初からこんなにゆったりと楽しんでいいのでしょうか」
そんな声が聞こえるが、
大丈夫、ご心配なく。

どんどん過酷になってゆくし、
楽しさも増してくる。
楽しみながら、苦しむ。
商人舎得意の「オクシモロン」

さて二人のフーディーズから、
この店のコンセプトと現状を聞く。
フーディーズとは、食事コンサルタントのこと。
この店に7人ほど在駐している。
二人
それから二手に分かれて、店内ツアー。
人数が多いので、二つにグループ分けしないと、
お客様と店に迷惑がかかる。

セントラルマーケットは、
リサーチとディベロップメントのためにオープン。
このオースティンの住民は、
高学歴・高所得者が多い。
そのターゲット顧客の食生活動向を探り、
この店で成功した商品や売り方を、
HEBのレギュラー店舗に反映させる。

さて、入口は、常に旬の商品で季節感を主張する。
この時期は、メロンで夏を訴える。
入口

セントラルマーケットは、
何よりも第1に生鮮の中の青果部門を重視する。
何しろワンウェイコントロールで顧客を引っ張り続ける。
その最初の売り場こそが、
最後の売り場まで期待を抱かせ続ける爆発力を、
もたなければならないからだ。

入口の季節プレゼンテーションのコーナーを右に折れると、
左右に野菜売り場が続く。
左
通路真ん中に量りや島陳列の商品が並ぶが、
両サイドの商品が目に飛び込んでくる。

左は、箱に盛られた果菜類。
キューリ、ピーマンなど。
migi
陳列什器は木製で、比較的腰高。
それでも顧客の目線に商品が飛び込んでくる感じ。
商品をまっすぐに見る。
そして自然に手に取る。

右手は、氷を敷き詰めたうえに、
ブロッコリ、カリフラワーなど並ぶ。
野菜から、品揃えが始まるところが、
セントラルマーケットの最大の特徴。
オーガニック
顧客が料理する、あるいは食事する時、
いちばん大切で頻度が高いのが、野菜である。
果物ではない。
その野菜を、鮮度と品質と品揃えで、
これでもかと主張する。
それがセントラルマーケットの「スペシャルティ」なのだ。
ディフェレンスなのだ。

奥正面には、オーガニック野菜のコーナー。
葉物を中心に品揃えされている。
奥
ホールフーズはオーガニック・プロデュースが200前後の品揃え。
セントラルマーケットは、そこまでいかないが、100を超える。
各品種の中にオーガニックをちりばめているが、
葉物を中心に、奥正面にこのコーナーをつくることで、
大きなマグネットの役割を果たしている。

ワンウェイコントロールでも、
いやワンウェイコントロールだからこそ、
強力な磁石売り場は不可欠なのだ。

奥正面を右に曲がると、
まだまだ青果部門の視野が広がる。
圧巻の売り場であることに、
今更ながら納得させられる。
puramu

その右手は、タマネギ、イモ類などの根菜類。
根菜も敷き詰められた氷の上に陳列されると、
実に美しい。
プラム

左手に、果物が登場する。
プラムだけでこれだけの売り場が出来上がる。
p

奥は、リンゴ一色。
リンゴも味と食べ方、料理用途の多様性を訴えるが、
この世界最大級の品揃え。
アメリカのスーパーマーケットの果実売り場の実力を見るには、
リンゴを調べればよい。
最低、20品種のアソートメントは必要だ。
リンゴ

左手は、プラムからバナナに続くコーナー。
青果売り場の最後は、これもアメリカ人の必需品のバナナ。
タイガー・ウッズが、ゴルフプレー中にバナナを食べるのは、
タイガーの個人的な嗜好ではない。
アメリカ人は、皆、バナナが必需品なのだ。
角

そしてバナナ売り場とリンゴ売り場の間の島陳列で、
赤と緑の小ぶりのリンゴで決める。
美しい。
sima

セントラルマーケットは、
1週間に100万ドルを売る。

日本円にして1億円超。
だから年間55億円くらいになる。
1週間の客数は4万人。
この4万人が、必ず、青果部門から入る。

まず、季節のプレゼンテーション売り場。
そして野菜から果物へ。
最後はバナナとリンゴで締める。

おそらく世界一のプロディース売り場。
顧客の食生活の優先順位と、
商品が主役の旬。
この二つの理屈で、
セントラルマーケットは出来上がっている。

<つづく、結城義晴>

 

2008年07月01日(火曜日)

7月の商人舎標語は「Save Money! Live Better!」<財布を閉めよ!よりよく生きよ!>⇒ウォルマートを飲み込んだ

2008年7月です。

今月の商人舎標語を、
発表します。

「Save Money! Live Better!」
「財布を閉めろ!よりよく生きよ!」

英語で恐縮。

今、アメリカ・テキサス州にいるからだけでは、
ありません。

実はこれ、ウォルマートの新しい標語。
昨年秋から、あの「Always Low Price」に代わって、
企業キャッチフレーズになった言葉なのです。

「オールウェイズ・ロープライス」は17年間使われたといいます。
そのまえは「エブリデー・ロープライス」

それが「Save Money! Live Better!」に転換されたのは、
ウォルマートの時代の捉え方に、変化が生じたからです。

ウォルマートは、いまや、
安さだけでは足りないと考えています。

彼らは今、
お客様の節約とより良い暮らしが、
直結しなければならないと考えています。
だから彼らは、究極として、
安さを追求しつつ、カスタマーのよりよい暮らしを提供する。

節約とより良い暮らし。
その提供。
新しい標語には、
この強い意志が表明されているのです。

このウォルマートのキャッチフレーズを飲み込んで、
商人舎の7月の標語にしたのは、
二つの理由からです。

6月が「節約、倹約。もったいない」で、
8月が北京オリンピックの爆発。

その間をつなぐ7月には、
「節約、倹約しつつ、生活を楽しんでもらいたい」
こう、お客様に訴えたいからです。

日本の消費者は、「少しでも安いものを買う」と、
考えているようです。
1日付日本経済新聞に、
このことが書いてあります。

同時に、私たちビジネスを展開する会社も店も人も、
経費の節約に努めつつ、より良い生き残り方をしましょう、と、
主張したいからです。

それが今年の7月です。

通常の7月ならば、
「夏だ、暑さだ、売りまくれ」
こんなところでしょう。

しかし、今年は、この不況感。

 

企業に関しては、アメリカ上位500社の第1四半期の売上高は、
前年対比でマイナスの11.3%でした。
これは6年ぶりのことと言います。

日本でも同様の傾向が見え始めています。

それを振り払うには、
まずしっかりと利益を確保しておいて、
その上で、8月に向かって、
より良く経営する、より良く仕事する、
より良く生きる。
この謙虚さが必要です。

だから「Save Money! Live Better!」
「財布を閉めよ! より良く生きよ!」

いかがでしょう。
それにこれを1カ月間使えば、
世界のウォルマートのキャッチフレーズを、
覚えてしまうこともできるのです。

この商人舎標語は、お客様と店側が共有することをも、
ねらっています。

言葉を共有しましょう。

お客様の立場、お客様の気分になれなくて、
どうして「知識商人」といえましょう。

重要なのは、言葉の共有です。

 

さて、6月30日、成田空港。
全員集合して、結団式。
鈴木さんあ
㈱たいらや専務取締役・鈴木定男さんが今回の団長さん。
傘下団員の紹介と団長挨拶のあと、
私のガイダンス。
「事故のないよう、一人ひとりの収穫が最大化されるよう」

レクチャー
「自ら変わるために、アメリカで研修する。
目的は、自分のイノベーション」

ビールとウーロン茶で、乾杯。
乾杯

午前11時30分、アメリカン航空176便で出発。
今回は、ユナイテッド航空ではない。
成田

12時間のフライトで、ダラス国際空港到着。
ダラスの空は青い。
ダラス

私は、昨夜、徹夜で雑誌記事を書いていたので、
映画を1本見て、ビールとワインを飲んだら、
あとは熟睡。
これ、時差解消法としては、かなり有効。

到着すると、荷物を拾いに、
バッゲージクレームへ。
乗り換えてオースティンに行くのですが、
ここで一度荷物をピックアップしなければならない。
ダラス2

42名となると、全員の荷物が出てくるまで、
待たねばならない。
でも、皆、緊張感いっぱいで、
疲れも見えない。
ダラス3

乗り換えて、オースティンへ。
AA1717便。
だらす5

オースティンでは、バーバラ・ジョーダンの像が迎えてくれた。
オースhチン
出迎えてくれた浅野秀二さんと固い握手。
サンフランシスコに住むコーディネーター。
私は、いつも、ダブルコーディネーター方式をとります。

アメリカ人の生活やアメリカの社会については、
在住のコーディネーターが不可欠です。

いよいよ始まります。

鈴木定男団長の言葉を借りれば、
「歴史的第1回商人舎研修会」。
いよいよ始まった。
歴史的な充実を追求します。

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
ミドルマネジメント研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.