
「光の春」は二月ですが、
今日は、光の春のような日です。

ベランダのお花も、
かがやいています。
部屋にはってくる光も。

今日はボクも、ひとあしさきに、
春のキブン、マンキツします。

でも、「春眠暁を覚えず」とも、
いうそうです。
シュンミンにも、ずいぶん早いけれど、
ボクは、そんなキブン。

ユウキヨシハルのおとうさんが、
仕事場でシゴトするとき、
いつもボクは、足もとの、
カーペットのうえで、
「シュンミン」です。
このごろおとうさんは、
シゴトばかり。

だから、ボクも、
「シュンミン」ばかり。
「シュンミン」のあとは、いつものテレビの前。

ここも、あたたかいから。
これから、顔をあらいます。
まず、舌で、
鼻を、ぺロリ。

それから、舌で、
手を、ペロペロ。

前足と、おもっているニンゲンもいますが、
ボクにとっては、手です。

手で、顔を、きれいに、
ふきます。

これを、まいにち、
かならず、します。
ボクは、きれい好きなんです。

去年は、二月のはじめに雪がふった。
つぎの週に、光の春がやってきた。
そのあとで、ほんとうの春が、
やってくるんです。
ボクも、シュンミンしながら、
春をこころまちしています。
おとうさんのシゴトが、おわりになることも、
こころまちしています。
<『ジジの気分』(未刊)より>





















