
6月のそら。

きもちいい。
6月のそら。
ボクは、
6月の、
つゆにはいるまえの、
今日のような日が、
だいすきです。

6月は、
「水無月」と、かいて、
「みなづき」と、よみます。
「つゆで、そらの水がなくなる月」と、
かんがえる人がおおい。
でも、はんたいに、
「水の月」とする説もあります。
ボクだけでなく、
みな、すき、な月のはずです。
部屋のなかにも、
やわらかい光が、
はいってきます。

ボクは、
おなかいっぱいで、
ちょっと、ねむい。

部屋のカベにかかっているお面。
これはブキミ。

おきなの面。

おじいさんのお面。
こちらはやさしい。
ボクも、
やさしいきもちになりました。
6月を、
やさしいきもちで、
すごす。

とても、
おだやかです。

これも部屋のカベにかかっている。

気はながく、
心はまるく、
腹たてず、
人はおおきく、
己ちいさく。

ボクの、
6月のすごしかたです。
<『ジジの気分』(未刊)より>





















