結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年09月16日(木曜日)

政府・日銀「非不胎化」市場介入と上海訪問記(その5 テスコの巻)

マスメディアお得意の世論調査。
菅直人氏続投の支持率。

朝日新聞系が、72%。
日経新聞系が、81%。

政府財務省と日本銀行とが、
円売り・ドル買いの為替介入に踏み切った結果、
1ドル85円台半ばまで急落。

ニューヨーク市場・ロンドン市場でも介入し、
1日あたりで2兆円規模となった。
これは過去最大規模。

しかも、日銀の白川方明総裁は、
「非不胎化」を行う意向をコメントしている。
これは「円売り介入によって放出した資金を回収せず、市場に放置しておくこと」。
結果、円の市場流通量が増えるため、金融緩和と同じ効果をもたらす。

東京株式市場の日経平均株価は約1カ月ぶりに、
9500円台に回復した。

やっと、少しではあるが、動き出した。

もちろん今、必要なのは、「徹底」
詳細に厳密に継続すること。
細かく、厳しく、続けること。

それができるか。

なにを?

市場介入ではない。

経済の回復へのシナリオを描き、
実行すること。

何事も、
動き出すと、
変化が起こる。

動き出して、変化を生むことが、
回復への道。

さて、昨日は、石川県加賀市片山津温泉で目覚め、
第36回商業界北陸ゼミナール
2日目の講義を聴いて、
閉講式に参加してから、帰京。

激励講演1の講師は、㈲バグジーの久保華図八社長。
超のつく人気ヘアサロンを展開するカリスマ経営者。
「顧客満足・従業員満足・リーダーシップで会社を伸ばす」

激励講演2は、
法政大学大学院政策創造研究科教授の坂本光司先生。

「日本でいちばん大切にしたい会社」

どちらもいい講演だった。
私の「『商売十訓』を解き明かす」から、
坂本先生の「日本でいちばん大切にしたい会社」まで、
一貫したポリシーを持ったゼミナールだった。

企画運営者たちの見識の高さを示した。
心から敬意を表し、感謝したい。

坂本先生の主張。
「顧客満足よりも、社員とその家族の幸せが優先されねばならない」

こう言い切るところに坂本光司の立脚点がある。

帰りの便はまた一緒だったが、
今回は別々の席で、
互いに仕事した。

さて、一昨日は東京汐留のコンラッド東京ホテルで、
「プラネットトップセミナー2010」が開催された。

はじめに㈱プラネットの玉生弘昌社長が
「多様性の時代のIT活用」と題して
プラネットの活動とこれからの展開を発表。
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そして「今後の日本の金融・経済動向」をテーマに
㈱フジマキ・ジャパンの藤巻健史社長が講演。
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詳細な資料をもとに、
為替問題、日本の累積赤字問題、ハイパーインフレの懸念、
それへの今後の対策を、分かりやすく語った。

藤巻さんは、あの藤巻幸夫さんの兄上。
幸夫さんは、伊勢丹の名物バイヤーから、
福助代表取締役社長就任、
セブンアンドアイ生活デザイン研究所代表取締役社長など歴任し、
現在、㈱藤巻兄弟社社長。
健史氏はその会長でもある。

その後、懇親会。
プラネット副社長の井上美智男さんの挨拶のあと、
集まったメーカー、卸のトップ経営者たちがそれぞれに懇親。

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㈱インテック会長の中尾哲雄さん(左)と、
玉生社長(右)。
インテックはいわゆるITベンダー企業。
プラネットはEDI企業。
25年間、互いに、
この日用品雑貨分野に不可欠の社会的インフラ・システムを支えあってきた。

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さて今日は、もうひとつの話題。
中国・上海訪問記(その5 テスコの巻)

イギリス第一位の小売業テスコ。
2009年度売上高は、59426(£m) 7兆9030億円(133円換算)
純利益 3206(£m) 4267億円。

2009年度決算時点の総店舗数は14カ国に4331店。
本国のイギリスで、2306店。
以下、タイ 571店、ポーランド 319店、韓国 242店。
タイではロータスという超優良企業、
韓国はサムソンと合弁会社を作ってサムソンテスコとして店舗展開。
「ホーム・プラス」という総合フォーマットは、
新世界百貨店グループのEマートに次いで、第2位。

ハンガリー 149店、日本 135店、アイルランド 116店、
そしてアメリカ 115店、チェコ 113店。

アメリカでは「フレッシュ&イージー」の小型店を集中展開しているが、
まだ赤字ばかりで、軌道には乗らない。

トルコ 96店、中国 70店、スロバキア 70店、マレーシア 29店。

この中国では70店で、カルフール、ウォルマートの後塵を拝している。

合計で、4331店。
さて上海のテスコ一番店。

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体育館の跡を利用した変則的な店。

テスコでも、バスを走らせて、顧客を運んでくる。
そのバス路線が店頭に掲げられている。
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カートは、スロープのレールに沿って並べられている。
カートショッピングの推奨。
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店への入り口には、ビニールのカーテン。
エアー・コントロールのため。
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1フロア3000坪ほどの店舗は、
テスコでは「テスコエキストラ」と呼ばれるバナー。

店舗入り口から右手は非食品ゾーン。

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ベッドルームのディスプレ―。
外資系他社と比較しても、
洗練度は高い売場づくり。
しかし、だからといってより多く売れるわけではない。
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テスコは、スーパーマーケット出身だけに、
どの国の店も食品はオーソドックスで、原則的な売り場をつくる。
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生鮮部門も、安定した品質、品ぞろえではある。
だからといって、たくさん売れるとは限らない。
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惣菜は中国でも強化が欠かせない部門。
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店舗中央に対面方式で設けられた惣菜売り場。
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お茶の売場は中国では重要部門。
特別のディスプレーが施されている。
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主通路沿いには島陳列の販促スペースが設けられている。
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その島陳列平台。
POPは赤と黄の色遣いがうまい。
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菓子売り場にプライベートブランド。
カルフールやウォルマートに比べて、
テスコは自社ブランド開発に熱心だ。
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テスコは、国内では主に4つのフォーマットを展開している。
第1が、Tesco Extra。
これは、業態はハイパーマーケット(平均売場面積 6625㎡)
ほとんどの商品がここで手に入るし、
ほとんどの店舗にカフェが併設されている。

上海のこの店は、エクストラタイプ。

第2はTesco Superstores
日本でスーパースーパーマーケットと呼称された大型スーパーマーケット。
平均売場面積は、2786㎡。
ファサード看板には「Superstore」の文字はないが、
このタイプが主力フォーマット。

第3がTesco Metro。
都心型小型スーパーマーケットで、平均売場面積1081㎡。
店舗は都市中心部や郊外の大通りにある。

そして第4が、Tesco Express。
これはコンビニエンスストアタイプのミニスーパーで、平均売場面積 205㎡。
おもに食品・日用雑貨を取りそろえている。
生鮮も日本のコンビニより充実している。
店舗は都市中心部型、またはガソリンスタンドに併設型。

この上海では、第1のパナーを中心に展開するが、
今後、第4のエクスプレスも大量出店の計画中。

カルフールが土着型・個店対応型とすれば、
テスコは、明らかにチェーンストア型だ。

しかしここ中国では、チェーンストア型は、
なぜかすぐにはうまくいかない。

だからテスコ・エキストラで出店し始めたのだと思う。

テスコはアメリカでは、
小型スーパーマーケットのチェーンストアをグランドデザインとした。
「フレッシュ&イージー」である。

日本ではつるかめを買収して、
これまた小型スーパーマーケットを志向している。

どちらも成功をみてはいない。

一方、中国や韓国、タイなどでは、
最大型のハイパーマーケットで出てくる。
そしてこちらが成功を見せている。

私はテスコの幹部が、明らかに、
流通先進国と後進国とを選別した戦略構図を、
描いているのだと思う。

そして、後進国でのハイパーマーケット展開に、
自信をもっているのだと思う。

それが店舗に表れている。
焦ってはいないし、
慌ててもいない。

「どや顔」ではないけれど、
テスコの顔をしている。

それがカルフール、ウォルマートと比べて極めて面白い。

国際社会で生き残るには、
自分の顔を持たねばならないのだ。

「うかがい顔」は、
間違っても見せてはいけない。

<結城義晴>

2010年09月15日(水曜日)

民主党代表選の「選挙は手段・政治が目的」と第36回商業界北陸ゼミナールで「商売十訓」を考える

菅直人民主党代表に決定。
この間の経緯を見ていて、つくづくと、
政治家は「選挙大好き人間」なんだと感じた。

勝っても負けても、
選挙運動しているときの政治家は、
芯から嬉しそう。

しかし、
選挙は手段。
政治が目的。

それを忘れないでほしいものだ。
国民と国家のために。

政治家村では、選挙手腕の高い者が重用されるが、
選挙手腕と政治手腕、
果たして同じものではない。

ただし、選挙手腕も政治手腕も、
そこそこの者が、なぜかトップになってしまって、
現状が、それで切り抜けられる局面でないことは確か。

ニューヨーク為替市場では、
15年4カ月ぶりに1ドル82円台となった。

昨日は、羽田空港からから小松空港へ。

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JALの機内でもずっとパソコンに向かって、仕事。
小松に着いて、㈱小林太一印刷所社長の小林繁さんにお迎えいただいて、
加賀市片山津温泉「佳水郷」へ。

第36回商業界北陸ゼミナールへ。

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運営委員長の山下浩希さんが最初のご挨拶。
山下さんの誠実さ、一生懸命さがよく出たスピーチ。

豆腐業界では特に有名な人気ブログ「燃える豆魂日記」は、
山下さんが書き続けている。
これは商人舎「ほぼ毎日更新ブログ集」にリンクされている。

今回のテーマは、
「自分の流儀を変えよ。逆境からの大逆転。」
「豆魂日記」の山下さんらしい言葉使いだが、
これは「現状を否定し、自ら変われ」を謳っていることになる。

倉本初夫㈱商業界主幹の開講講演
「不況が商人を鍛える!」

それにつづいて、
記念講演「商売十訓を解き明かす」
それが私の役目。

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結城義晴の『商売十訓』の解釈と意味づけ。
90分間、それだけを語るのは初めてのこと。

まずは、基本から。
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
店主とともに滅びる」

この「3点セット」の考え方から入って、
本論。

『商売十訓』

一 損得より先きに善悪を考えよう
二 創意を尊びつつ良い事は真似ろ
三 お客に有利な商いを毎日続けよ
四 愛と真実で適正利潤を確保せよ
五 欠損は社会の為にも不善と悟れ
六 お互いに知恵と力を合せて働け
七 店の発展を社会の幸福と信ぜよ
八 公正で公平な社会的活動を行え
九 文化のために経営を合理化せよ
十 正しく生きる商人に誇りを持て

一つひとつのフレーズに、
深い意味がある。

昭和30年代の初めに、
故倉本長治主幹によってつくられたこの十訓。

ピーター・ドラッカー先生に通ずる。
完全にドラッカー思想にシンクロする。

倉本長治、1899年、東京の生まれ。
ピーター・ドラッカー、1909年、オーストリア・ウィーン生まれ。

ちょうど10歳の差。
しかも、二人は互いにまったくの面識なし。
それでも、その主張は一致する。

「企業の目的として有効な定義はひとつしかない。
すなわち顧客の創造である」

ドラッカーのこの言葉、
倉本長治の「店は客のためにある」と同義。

ドラッカーの「Integrity(真摯さ)」。
これは突き詰めると、「損得よりも善悪」になる。

マネージャーとして、
「始めから、
身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」 

そして、「企業経営において、
必要なことが二つあり、これしかない。
マーケティングとイノベーションである」

ドラッカーのいうイノベーションは、
「創意を尊びつつ良いことを真似ろ」

ドラッカーのいうマーケティングは、
「お客に有利な商いを毎日続けよ」

商売十訓は、ドラッカーに通じる。

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これが私の講演の趣旨。

その後、16時15分から4つの分科会。
すべて実務家の講演。

でんかのヤマグチの㈱ヤマグチ山口勉社長。

㈱チャンピオンカレー社長の南政広さん。

㈱能登前・幸寿し社長の橋本公生さん。

㈱花とも社長の記州陽子さん。

それから320人全員の夕食。

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最前列に倉本初夫商業界主幹と私。

本当においしい食事だった。

中締めは、梶谷晋弘さん。
「100年企業」実現を目指す㈱芝寿し社長。

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梶谷さんのスピーチはいつも素晴らしい。
簡潔明瞭、配慮が行き届いていて、
しかも胸を打つ。

その後、夜8時から12カ所に分かれて、
「車座討論会」

私はその中の「結城塾」を担当。
3時間近くも、質問に答え、
問題を一緒に考えた。

「商売十訓」への質問も相次いだ。
考えながら答えているうちに、
私には、発見があった。
「商売十訓」と「自ら変われ」の関係。
そして「蛻変の関係」。

最後に残った皆さんには個別相談。

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そして、最後の最後に、事務局もいっしょに写真。

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黄色いTシャツを着ているのが事務局。
右から、小林繁さん、
運営委員長の山下浩希さん、
真ん中が、清水正人さん。

その後、私の隣に座っている㈱マツオカ常務の川尻章さんが、
私の部屋に来てくれて、懇談。

充実した一日だった。

ありがとう。

<結城義晴>

[追伸]
上海訪問記は明日から再開の予定です。

2010年09月14日(火曜日)

「細かく、厳しく、続ける」徹底と上海訪問記(その4 カルフールの巻)

今日から、石川県・加賀市の片山津温泉。
第36回商業界北陸ゼミナール。

商業界ゼミナールと銘打たれているが、
主催は、商業界石川県同友会。
共催が、商業界富山県同友会と商業界福井県同友会。
これを㈱商業界がサポートする。

私は、14時45分から90分の記念講演。
テーマは『商売十訓を解き明かす』

その後、20時から『結城塾』という車座討論会でディスカッション。

北陸ゼミナールにご参加の皆さんは、
結城塾へもおいで下さい。

さて今日は、民主党代表選挙の日。
今日午後には、
日本国の首相が交代するかどうかが決まる。

私は何度も書いている。

危機を打開するために必須のことは、
「何をどうやるか」よりも、
「何をどう一貫してやり続けるか」

塩野七生さんの言葉。
「一貫してやり続ける」とは、私の言う「徹底」
一 細かく
二 厳しく
三 続ける

すなわち詳細に、厳密に、継続すること。

それがリーダーとしてできるのは誰か。
帯に短し襷に長しは、 常のこと。

さて、いかに相成りますやら。

昨日は、1日、横浜の商人舎オフィス。
9月に入ってから、
立教大学院結城ゼミの合宿、
渥美俊一先生のお別れの会、
商業界九州ゼミナール、
そして上海訪問と立て続けに、
スケジュールがつづいた。

だから久しぶりの商人舎オフィス。

午後から、来客。
まず、㈱阪食専務取締役執行役員の松元努さん。

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松元さんは、今年3月の商人舎USA視察研修会Hot編にご参加、
団長を務めて、見事、リーダーシップを発揮してくれた。

その松元さんと、
もっともっと役に立つこと、面白いことをしよう、
日本のスーパーマーケットをリードしよう、
そんな話に花を咲かせた。
面白いことができます。
日本のスーパーマーケットをリードする学びの場が生れます。

一貫してやり続けましょう。

それから、
㈱日本フードサービス専門学院の竹石忠さんと、
㈱シェフ代表取締役社長の原田真さん。
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この11月16日火曜日、セミナーを開催します。

林廣美先生と結城義晴の二人のビッグセミナー。
林先生はご存知、日本フードサービス専門学院学院長。

テーマは「決定版・儲かる惣菜マーチャンダイジング」

詳細は近日発表予定。

詳細を決めるために、
林先生の側近の竹石さんと、
林先生のパートナーの原田さんが訪問してくれた。

しかし、決まっていることがある。
テーマと講演者と場所と時間。
場所は東京・お台場の「タイム24」
時間は、11月16日(火曜日)の13時~18時。

ご参加の方は、スケジュール表にメモを。

さて、中国・上海訪問記(その4)は、
かの地のカルフール。

昨日のウォルマートは全米第1位の小売業で世界でも断トツ第1位小売業。
何しろ2001年から石油メジャーや自動車産業を抑えて、
堂々世界第1位の企業となっている。

カルフールはフランス第1位の小売業で、
小売業ではウォルマートに次いで世界第2位。

2009年12月現在、
世界での総店舗数は1万5661店。
ハイパーマーケット1395店、
スーパーマーケット2949店、
ハードディスカウント6475店、
コンビニ4698店、
キャッシュ&キャリー144店。

地域別では、本国フランスで5440店。
次いで、スペインが3100店、
イタリア1545店、
ギリシャ・キプロス919店、
トルコ 866店、ベルギー 696店、
ブラジル605店、アルゼンチン601店、
ポルトガル524店、
そして10番目に中国が516店。
その後にポーランドの312店が続く。

上海には、先進国それぞれにトップで、
世界的な小売業が目白押しに進出。
カルフールは、この中で、
中国第1位の小売業となっている。

なぜ、カルフールが一番なのか。
第1の理由は、一番先に進出したから。
「一番乗り」作戦。

中国の地元のチェーンストアが出来上がる前に、
進出を果たした。
それも一番乗りで。

これは日本の事情とは違う。
なぜ一番乗りできたか。
自国内でのトップになるのが早かったから。
同時に、自国内に「出店規制法」があって、
国内飽和が待ち構えていたから。

企業も大きくなると、「成長」が必須の課題となる。
株式公開していると、なおさらのこと。

そこで自分の国の中では成長が見込めないとなると、
他国へ進出する。

他国といっても、ヨーロッパなどでは、
隣国が陸続きだから、
とりあえず近隣に進出する。

侵略戦争などと全く発想は同じ。
ある意味で「帝国主義」の考え方。

そうしてヨーロッパへの進出とともに、
かつての植民地の国々へも、
チェーンストアとして侵略を始める。

もちろんこれは製造業や商社などが先行し、
小売業・外食など拠点型産業は遅れてでていくことになる。

そのセオリーも解明されている。
ダニング教授の「OLIパラダイム」
今年の立教大学大学院・結城ゼミの渋木克久君が、
深く研究をしている。

カルフールが中国第1位になった第2の理由。
私は、この企業の特徴は土着型経営にあると思う。

「個店経営」という考え方があるが、
カルフールこそ「個店経営」。

各店舗に意思決定を委ねる比率が、
アメリカのチェーンストアと比べて、高い。
百貨店の集積による多店化とでもいったらよいか。

このタイプの経営は、発展途上国で一定の成功をみる。

一方、流通先進国では、うまくいかない。
1980年代にアメリカに進出し、失敗、撤退。
2000年には日本にも進出し、退却。
現在その店舗はイオンが譲り受けて運営。
韓国でも、新世界百貨店のEマートにコテンパンにやられて、撤退。
ウォルマートに店舗を売却した。

しかし、今のところ、中国では一番。
「一番乗り戦略」が成功した。
さて私たちが訪れたのは、上海一番の繁盛店。

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カルフールは2フロアだが、
この建物の2階と3階に売り場を持っている。
その2階入口を入ってすぐに青果売り場。

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平台陳列が多用される。
上海でも一番の小売業。
だからカルフールの鮮度と価格が標準となる。
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天井はむき出し、大きなPOPが付けられ、
おなじみのカルフールスタイル。
営業の特徴は「重点販売主義」。
売り込み商品を明確にして、単品大量で徹底して売り込む。
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鮮魚売り場は氷を敷き詰めてつくる。
欧米のスーパーマーケットの常とう手段。
これで温度管理が徹底されるわけではないが、
鮮度感の演出には大いに役立つ。

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日配品売り場は多段ケースで、品揃えを誇る。

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10個入り卵1パック12.10元。約150円。
これぞ「重点販売」の典型。
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冷凍食品売り場はセミ多段で、品揃えと低価格を主張。

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菓子売り場はデコレーションが施され、にぎやか。
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ポッキー1箱4.50元。

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2階から3階にスロープ式エスカレーターを設置する。
フランス本国でもカルフールの常とう的な店づくり。
大型のカートで連続的に買い物してもらうという狙いがある。
そしてここは重要なプロモーションスペースでもある。

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3階に上がると家電製品売場。
消費が爆発している上海では、
家電は売れ筋商品。
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さらに衣料品売場。
ウォルマートよりもよくできている。
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カルフールでも自転車・バイクは核売り場を構成している。

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3階の出入り口付近にはAV家電製品売場。

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ハイパーマーケットは、
カルフールがつくりだした業態。

「ハイパーマルシェ」という。

衣食住フルラインの「総合的便利性」を売り物にした業態
高度成長のときに大きく伸びる業態といってよい。
日本の高度成長に成長したダイエーのあれです。
ウォルマートのスーパーセンターは、
ハイパーマーケットの洗練・完成型。

洗練、完成といっても、
アメリカでの洗練・完成型。
洗練や完成は、ドメスティックなもの。
だからほかの国でそれが成功するとは限らない。

実際に上海のウォルマートは、
スーパーセンターとは言えない店づくりになっている。
上海ではむしろ、ハイパーマーケットになろうとしている。

それに対してカルフール。
もともとのハイパーマーケット。

だから悠々と「どや顔」をしている。

「どや!」と威張っている。
それが中国人、上海人に受けている。

そしてこの10年で600万人も人口を増やした上海は、
今、高度成長とバブルの真っただ中。

カルフールの「どや顔」。
皆さんも一度、見ておくといい。(テスコ、メトロにつづきます)

<結城義晴>

2010年09月13日(月曜日)

「どや顔」と「伺い顔」、そして上海訪問記(その3 ウォルマートの巻)

Everybody! Good Monday!
[2010 vol37]

昨日、上海の短い旅から帰国した。

そして今日から、2010年9月第3週。
年の初めから勘定すると、第37週目。

上海では、夕方、スコールのような大雨が降って、
気温は26度前後。

東京・横浜は、まだ35度を越える猛暑日。
それでも朝夕は、ずいぶん涼しくなった。

元気全開で、秋を楽しみたいものです。

今週は、明日、14日火曜日が、
民主党代表選挙の投開票日。

日本の総理大臣に直結する選挙だけに、
大いに注目しなければならないが、
いかんせん、民主党内の党首選び。

これは党員、サポーターか、
地方自治体議員、国会議員でなければ参加できない。

私はもちろん特定の政党を支持するものではないから、
今回は傍観者。

しかしその傍観者の生活や仕事に、
大きく影響を及ぼす選挙になる。

しかも日本国の政治経済は、緊急課題山積。
国際的にみても、歴史をふりかえっても、類をみないほど、
現在の日本のリーダー選びは重要だ。

その人物が明日、決まる。

今週末は、新しい首相に沸き上がるときとなる。

今週末から来週まで、
20日月曜日の敬老の日、23日木曜日の秋分の日など、
祭日が挟まって、飛び石連休。

4月末から5月はじめの「ゴールデンウィーク」に対して、
この9月下旬を「シルバーウィーク」 と呼ぶことがある。

「祝日法」で、敬老の日が第3月曜日に固定されている。
曜日周りで秋分の日が、水曜日となり、
間の火曜日が「国民の休日」となって、5連休になる場合、
とくに「シルバーウィーク」が強調される。
昨2009年がその典型。

今年は、飛び石連休。
昨年対比のみの基準で営業計画を作っていると、
「今年は予算達成できない」といったことになるかもしれない。

ご注意あれ。

「ゆめゆめ欲かくべからず」。

さて今、若者たちの中ではやっている言葉。

「どや顔」

関西弁で「どや!」
と、見栄を切ったときの顔。

自慢顔。
得意顔。
したり顔。

中国を歩いていて、彼らは、
この「どや顔」ばかりであることに気づいた。

しかしここには、
裏付けとしての自信がある。
本質的な熱意がある。
欲の強さがある。

それに対して日本人。
一国の首相になろうとするのに、
ご機嫌伺い顔。

「どや顔」をすると、
マスコミや国民大衆から、
すぐさま非難批判の大合唱。

クレージーキャッツにたとえると、
ハナ肇・植木等が「どや顔」タイプ。
一昨日亡くなった谷啓は典型的な「伺い顔」タイプ。

とうとう、みんな故人になってしまった。

小沢一郎は「どや顔」型。
菅直人は「伺い顔」型。

今や日本人は、総谷啓化。
成熟社会の「伺い顔」。
高度成長型の「どや顔」は、
敬遠される。

かくして「どや顔」は、
お笑いの世界に押し込められてしまう。

政界から引退したハマコーの「どや顔」は、
故横山やすしの「どや顔」に通ずる。

しかし、努力と研鑽の挙句に生まれる「どや顔」。
私は、嫌いではない。

今の中国人の「どや顔」、
私は嫌いではない。

その中国の小売業。

世界第1のウォルマートは、2010年1月31日段階で、
中国に279店を展開。

1991年にメキシコに進出してから、
ウォルマートの世界戦略は始まった。
その前年の1990年にアメリカ第1の小売業に躍り出た、翌年のこと。

そして翌1992年、創業者のサム・ウォルトンは逝去している。

それから20年。

メキシコでは、1469店。
店数第2はブラジル434店。
第3はイギリスと日本の371店。
次はカナダ317店。

チリ252店、コスタリカ170店、グアテマラ164店と3桁が続く。

エルサルバドル77店、プエルトリコ56店、
ニカラグア55店、ホンジュラス53店と中米が続き、
アルゼンチンは43店。
そして今後が期待されるインドに1店。

インターナショナル部門は、合計4112店。

国際部門の年商は1001億ドル。
1ドル100円で換算すると10兆円。
2009年が988億ドルだったから、
年間に13億ドルの伸びと、やや伸長率は縮んだ。

ドイツや韓国からは、2006年段階で、
すでに撤退を決め込んでいる。

ドイツの店舗は、メトロに売り、
韓国の店舗は、新世界百貨店グループが経営するEマートに売却。

日本でも、撤退の意思決定が下されれば、
西友をイオンにでも譲渡することになるのだろうが、
現在も、さらなる買収先を探しているらしい。
まず、200店を超えると売却は考えにくい。
だが、この中国とインドは、
ともに人口13億人、12億人という巨大な消費国家。

ウォルマートは、必死に中国に溶け込もうとしている。
それが店舗によく表れている。

私たちが訪れたのは、
ウォルマート南浦大橋店。
英語でNanpu Bridge店。

上海一番の繁盛店で、フォーマットはスーパーセンター。
2フロアの5000坪くらい。
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ウォルマートのコーポレート・カラーはブルーだが、
中国では入り口から店内から、真っ赤っ赤。

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日本人が中華街の大きな中華料理店に入っていく感じ。

入ると、大きな門のようなデコレーションがある。
「中秋享好礼」。

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そしてアイランドディスプレーのオンパレード。
まず青果部門から。

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主通路はコの字型だが、長い長いナマズの寝床風コの字型。

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「キャベツ1個0.99元」
1元12円だから、11円くらい。
驚くべき安さ。
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葉物コーナーは、みずみずしい鮮度を持つ。

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中国野菜コーナーはケース陳列。
ここも鮮度良し。

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他の店舗では見られなかったバナナの大量陳列。
ウォルマートらしい展開。

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青果部門の右壁面に鮮魚部門。
活魚の水槽から始まる。

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その活魚。
泳いでいる魚もあるが、
白い腹を上に向けて、浮かんでいるものもある。

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鮮魚につづいて、精肉売り場。

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アール型の対面コーナーから、多段のセルフサービスコーナーへ。

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冷凍食品売場はアイランド型売場。

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ベーカリー売場は広い。

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エスカレーターの横には日本食売場。
これはちょっと勘弁願いたい。

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中通路の加工食品売場では、
メーカーの派遣社員が売り込みを展開。
中国では、これでもローコストオペレーションとなる。

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2層のスーパーセンターで、1階はオール食品売り場。
その意味では、スーパーセンターを名乗っても、
米国流とは全く違う。

なぜか。

発展途上で「高度成長」真っただ中の中国では、
食品で支持を受けなければ、大型店として成り立たないからだ。

その意味で、日本の高度成長時代に、
ダイエーや西友、イトーヨーカ堂が、
食品の強化に、「これ努めた」のも、うなずける。

スロープ式のエスカレーターで2階へ上がると、非食品の売り場。
エスカレーター脇は大切なプロモーションスペース。

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自転車売り場。
中国では電動自転車が大人気。

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主通路上では、大々的にプロモーション。
アメリカ本国の「プロジェクト・インパクト」とは正反対の政策。
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アメリカでは「アクションアレー」と呼ぶが、
島陳列ディスプレーは上海小売業界で、
最も工夫が凝らされている。
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衣料品は、「チーピー」そのもの。
現在の上海の大衆の生活水準がこのあたりにあるのかもしれないが、
南京西路にオープンしたユニクロなどと比べると、
まだまだ「安かろう悪かろう」。
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ウォルマートが、「低価格高品質」を中国に持ち込むことは、十分可能だ。
なぜ、衣料品で、それをしないのか、不思議でならない。

家電売り場はウォルマート流のつくりとオペレーションだが、
決して安くはないし、総合店としても完成されていないため、閑散としている。

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子供服売り場こそ、ウォルマートの力を発揮すべき部門だと思うが。

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壁面ではシーズン商品のダウンジャケットを展開。

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最後に店頭のカスタマーサービスコーナー。

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周辺の住宅地や駅から無料バスを走らせ、集客する。
これはどの店も常套手段。
ローコストオペレーションだからといって、バス抜きでは集客力に響く。
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ウォルマートが必死で、上海や中国に溶け込もうとしているのはわかる。
しかし、強みは強みとして生かせないのか。

ウォルマートの「どや顔」を見せつけないのか。
ウォルマートは、アメリカでは食品の後発企業だ。
中国では、その食品に力を入れざるを得ない事情は理解できる。
だからといって、非食品がこの状態では、
「強み」の薄い小売業となる。

「どや顔」のない店となる。

中国は日本と違って、
「どや顔」が受ける国。

なぜそれをしないのか。

カルフールのほうが「どや顔」をしている。

最後に、案内してくれたシン・チエさん。
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日本の関西学院大学に留学後、
日本企業に就職し、その企業の中国支社に移り、
さらに中国の消費財メーカーに転身し、
副社長を務めた才媛。

上海流通視察の折には、
シンさんを御用命ください(ご連絡は、商人舎まで)。

ご覧のように、シンさんも私も、
「どや顔」ではない。(上海訪問記は明日につづきます)

では、みなさん、
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2010年09月12日(日曜日)

ジジと上海[2010日曜版vol37]

ヨコハマのジジです。

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うしろむきで、キョーシュク。

ユウキヨシハルのおとうさん、
また、ヒコーキにのって、
いってしまいました。

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シャンハイ航空という。

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チューゴクのシャンハイ。
人口ではチューゴク最大。
世界で7番目に人がおおい都市。

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そのシャンハイいちばんの名所バンド。

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おおきな河がながれていて、
夜景が、とてもきれいなところ。

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いちばんたかくて、とちゅうにまるいタマのようなものがあるのが、
ユーメイなテレビタワー。

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それにしても中国の人のエネルギー、
ものすごい。

金曜日のよる8時ごろ。
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おとうさんは、「金融牛」といっしょに写真。

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チューゴクでは、
ケーキがいいと「牛市」という。
ケーキがわるいと「熊市」という。
だから牛は、エンギがいい。

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それからホテルもよかった。
ウェスティン。
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どこからでも見える。
チューリップみたいなかたち。

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ロビーのチョーコク。

ホテルにおちついたら、
人ごみにでかける。

たいへんです。

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「ユウエン」。
中国のふるい庭園。

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まんなかに池があるけど、
ここもひとだらけ。

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ボクは、ひとごみ、
にがてです。

いったことがない。

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でも、お寺は、
ひかくてきに、
しずかです。

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その名も「静安寺」。
おおきな大仏さま。

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これは、のぞいてみてもいいかな?

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もちろん、おとうさんは、
シゴトもしました。

ウォルマート。

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あんないしてくれたのが、
ジェーン・シンさん。

シティ・ショップでは、
カイセツしました。

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お店にいくと、おとうさん、
いつも、元気がでてきます。

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ユニクロのあたらしいお店は、
すばらしかった。

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シャンハイの夜は、
おいしい食事がまっている。

これは、うらやましい。

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シーズンには、ちょっとはやいけれど、
やっぱり、シャンハイガニとショーコー酒。

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バンドからプートンをみおろすレストラン。
M on the Bund。

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ここではフランス料理と赤ワイン。

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おとうさんは、
チューゴクのエネルギーをすいとって、
ゲンキをもらって、
かえってくるとおもいます。

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これからいそがしい秋。
でも、たのしみです。

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秋にむかって、ゲンキのでたおとうさん、
ボクは、あんしんしています。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2010年09月11日(土曜日)

中国・上海訪問記[その2]外灘に登場した「金融牛」と「牛市・熊市」 

民主党代表選挙の投開票が14日に迫った。
来週の火曜日。

菅直人と小沢一郎の一騎打ち。
各紙とも、自前の調査をかけて報道。
どこまで客観的かは、わからない。

国会議員票822ポイントは拮抗し、
地方議員票100ポイント、
党員・サポーター票300ポイントで、
「菅有利」と伝える。

塩野七生さんは、著書『日本人へ 国家と歴史編』で、
エッセイを書いている。

「拝啓 小沢一郎様」

民主党が政権をとる前の話。

アメリカもイギリスも、
フランス、ドイツも、
ロシアや中国も、
そしてイタリアさえも
政権が安定している。
その外にいるのは日本だけ。

「危機を打開するには、何をどうやるか、よりも、
何をどう一貫してやり続けるか、のほうが重要です」

まさしくその通り。

そこで、民主党が政権をとったと仮定して、
「私にはどうしても、選挙で民主党が勝ちさえすれば、
それがイコール日本の政治の安定になるとは思えないのです」

鋭い。

完璧に当たっている。

そのうえで小沢一郎氏に直言する。
「こうなると大手術をするしかないのではないでしょうか。
自民党と民主党の、今すぐの大連立です」

「それをやれるのは、小沢様、あなた御一人です」

「あなたも、私の作品を読んで下さるお一人と聞きました。
ならばおわかりでしょう。
古代のローマ人が、『勝って歩み寄る』名人であったことを。
あなたも、政治屋ではなくて政治家として、
名を残したいとは思われませんか?」

国民に、そして民主党地方議員や党員・サポーターに、
「今すぐの大手術」の緊急性がわかっているかどうか。

これが、問題ではあるが。

さて、一昨日から中国・上海。
ウェスティンホテルに宿泊して、
快適な視察をこなしている。

ウォルマート、カルフール、テスコ、メトロ。
地元のセンチュリーマート、シティ・ショップ。

そして中国人にも大人気のユニクロなどなど。

今日は週末なので、
そのレポートは来週月曜日からお届けするとして、
今日は「金融牛」のお話。

上海の観光メッカは、外灘(ワイタン)。
バンド(Bund)と通称される。

黄浦江と蘇州河の合流地点から南の黄浦江西岸地区。
大きな河川沿いに租界時代の西洋建築が並ぶ。
日没からその建築物がライトアップされ、
別世界のようだ。

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その一角に人だかり。

近づいてみると、
巨大な牛の銅像。

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「金融牛」

牛は、中国では「粘り強く、勤勉で、豊かなもの」の象徴。
まあ、現代の中国人も、ほとんどの人が、
牛のようになりたいと思っている。

古代、商売は物々交換から始まったとされるが、
最も早く等価交換の対象の一つとされたのが牛。
「貨幣の起源」のひとつともいわれている。

バンドの対岸の新都心・浦東区には、
上海証券取引所の地上27階、地下3階の建物がそびえている。
いわば、共産党一党独裁政権下における市場経済主義の象徴。

そのロビーにも、大理石の牛が鎮座する。

今年6月15日。
このバンドに登場したのが、この牛の銅像「金融牛」。
経済発展の願いが込められた銅像は、
全長5.2m、高さ3.2m。
作者は、Arturo Di Modica氏。
Modica氏は、イタリア系のアーティストで、
ニューヨーク・ウォール街の雄牛像「チャージング・ブル」も制作している。

上海市は、「外灘金融集積地帯」計画を推進中。
このバンドを含む黄浦江西岸に金融機関を集積させるプラン。

「金融牛は中国と上海の経済の活力を表現している。
外灘の金融文化のシンボルにしたい」

金融牛の色は中国人が好きな赤色。
尻尾は上向きに、跳ね上げられ、
頭は少しだけ上を向いている。

中国の証券界では、面白い用語を使う。
相場が上がり続けることを「牛市」といい、
下がり続けることを「熊市」という。

牛は、「粘り強く、勤勉で、豊かなもの」の象徴。
「貨幣の起源」のひとつ。
対して、熊は、下を向いてノソノソ歩くものの象徴。

私も、日本商業に「牛市」の到来を願って、
金融牛と一緒に写真。

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この牛、なかなか使いこなすのは難しいかもしれない。

しかし、危機を打開するには、
「何をどうやるか」よりも、
「何をどう一貫してやり続けるか」

一貫してやり続けるものに、
「牛」は粘り強く、勤勉に従うに違いない。

では、みなさん、良い週末を。
私も、週末には帰国します。

<結城義晴>

2010年09月10日(金曜日)

日本&インド経済連携協定と結城義晴の中国・上海訪問記[その1]

日本振興銀行が経営破綻。
金融庁から行政処分を受けて経営再建中だった。
今年6月末時点で、総額1870億円の債務超過となっていたが、
この9月の中間決算で、さらに大幅債務超過の見込み。
そこで東京地裁に民事再生法の適用を申請する。

今朝、金融庁は全業務の停止を命令。
本店と全国約110の支店は開店しなかった。
従って、預金の引き出しもできなくなった。
今後は、金融庁が一時期、政府の管理下に置き、
「受け皿」金融機関を探して、売却によって再建の予定。

しかし、ここへきての金融機関の破たんは、
経済界のマインドの沈下を増進させる。

一方、嬉しいニュースもある。
日本とインドは、
経済連携協定(EPA)に大筋合意。

朝日新聞が一面トップで取り上げた。
EPA合意によって、
両国間の貿易・サービスなどの自由化が進められる。
中国に次ぐ12億人以上の人口を抱えるインド。
しかも中国以上の今後の成長が見込まれるインド。

インドから日本への輸出額の97%の商品、、
日本からインドへの輸出額の90%の物品、
それぞれ10年かけて関税が撤廃される。

昨年度の日本からインドへの輸出は約5913億円、
逆にインドから日本への輸出は約3478億円。

これは今のところ、中国、アメリカとの貿易量の5%前後にすぎない。

しかしインドにおける耐久消費財の普及率は、
1世帯当たり、自動車が2.7%、カラーテレビは31.7%と、
今後の需要拡大のポテンシャリティは大きい。

現在、日本から輸出する家電や自動車部品、鉄鋼製品には
7.5~10%の関税がかけられているが、
これらが10年間で撤廃される。

現在100%の税率がかけられている乗用車の関税だけは、
対象外だというが、
しかし、他の消費財など、
インドが日本のマーケットのひとつとなる公算は大きい。

さらに日本からインドへ、インドから日本への、
人的交流、技術交流も促進される。

この交流が何よりも重要だと思う。

さて私は、昨日、
その国際交流ではないが、
中国・上海を訪れた。

正午に羽田空港国際線ターミナル。
この10月に新ターミナルが誕生する。

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従って、最後の旧ターミナルからの出発となる。

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「行ってきます」

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上海航空のFM0816便。

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2時間もすると、東シナ海が見えてくる。

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そして2時間半後、茶色の海。

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千切れ雲が綿飴のようだが、
中国本土が見えてくる。
ここはヨーロッパまで続くユーラシア大陸の東のはずれ。

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上海の郊外には、開発著しい住宅群。

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日本では、もう見られない「サバブ」地区。
「サバブとは、単なる都市郊外地区ではない。
新興住宅地のこと」

故渥美俊一先生の説明の仕方。

それが上海には、次々に誕生している。

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摩天楼とまでは言わないが、
ダウンタウンが見えてきた。

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中国の人口は約13億人。
上海市は、1888万人。

2010年の国際連合の統計では、
都市圏人口では、世界第7位。
第1位東京、
第2位デリー、
第3位サンパウロ、
第4位ムンバイ、
第5位メキシコシティ、
そして第6位ニューヨーク。

もちろん中国第1の都市。
中国全体の面積は960万㎡で日本の25倍。
上海は6341㎡。

現地ガイドによると、
フリーウェイサイドのマンションの価格は、
平均4000万円くらい。

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上海のサラリーマンの平均月収が7万円ほどだというが、
「一生かかっても払えない」

「今、上海はバブル真っ只中」

交通渋滞も激しい。

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さてホテルに落ち着いて、
ワイタンへ。

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租界時代に建てられた西洋建築が並ぶ。

上海浦東発展銀行。
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対岸のプードン地区には、超有名なテレビタワー。

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そして何よりもすごいのが、
観光の人の波。

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エネルギーの塊。

これを見て、感じるだけで、
国際交流を果たした気分になる。

もちろん、中華人民共和国は、
共産党一党独裁の国家。

上海市初代市長・陳毅の銅像。
1949年、上海市を解放した陳毅は、
上海市人民政府を成立させ、市長に就任。

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この商才にたけ、エネルギーを溢れさせた、我儘な国民を、
一つにできるのはマルクス・レーニン主義しかないのかとも思ってしまう。
毛沢東や周恩来、そして陳毅らにしか、
できなかったのではないかと感じてしまう。

21世紀のテレビタワーと、
20世紀の陳毅像。

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これが今の中国だ。
胸躍る中国だ。(明日につづきます)

<結城義晴>

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