結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年11月23日(水曜日)

「全身で働いたあとで飯を食う喜び」千家元麿と塚原千恵子の「体を動かすことで心も生き生きとしてくる」

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

今月の商人舎標語。

「勤労感謝の日」です。
祝日法に示された趣旨。
「勤労をたつとび、生産を祝い、
国民たがいに感謝しあう」

この「勤労感謝の日」は、
日本国民に最も定着した固定日の休日。

飛鳥時代の皇極天皇のときに、
「新嘗祭(にいなめさい、しんじょうさい)」の日が始まった。
皇極天皇は642年から645年に在位した女帝。

新嘗祭の目的は「収穫物に感謝する行事」。
それが第二次世界大戦の敗戦後、
GHQの占領政策で「勤労感謝の日」と改められた。

その意味で最も古い伝統を受け継ぐ祝日ともいえる。

アメリカ・カナダでは、
サンクス・ギビングデーがある。
11月第4木曜日で、今年は11月24日。
つまり明日。

日本の勤労感謝の日と趣旨は全く同じ。
それ以外にも秋の収穫に感謝する「道教」的な祭りは世界中にある。
だとすると、「勤労感謝の日」は、
人間が農業を始めてから、
人間社会の根源とつながった祭日
ということになる。

その勤労を感謝する日に勤労する。
小売業やサービス業の尊さを、
今一度、認識したい。

「勤労をたっとび、
国民たがいに感謝しあう」

おめでとう。
ありがとう。
働く人びと。
働く商人たち。

読売新聞一面コラム『編集手帳』がひとつの詩を取り上げた。
最近、読売グループは大揉めに揉めているが、
このところ『編集手帳』はいい。

組織が揺れているときの方が、
良い仕事や良い作品が生まれたりする。

君は知つてゐるか
全力で働いて頭の疲れたあとで飯を食ふ喜びを

赤ん坊が乳を呑(の)む時、涙ぐむやうに
冷たい飯を頬張ると、
余りのうまさに自(おのずか)ら笑ひが頬を崩し
目に涙が浮かぶのを知つてゐるか…

全身で働いたあとで飯を食ふ喜び
自分は心から感謝する

白樺派の詩人・千家元麿の『飯』
千家は武者小路実篤に、師事した。
私も中学性から高校生の頃か、凝っていた。

「ごく当たり前の、もっとも身近にあるべき感謝の心をうたった詩句が
これほどまぶしく、うらやましく、映る世の中ではいけない」

コラムはこう結ばれる。
「全身で働いたあとで飯を食う喜び」。
それはどんな世の中であろうとも、
変わらない「たっとい」ことだ。

揺れている読売の人々にも、
それは同じはずだ。

さて朝日新聞の社会面に面白い記事があった。
「47都道府県幸福度ランキング」
調べてみると、
法政大学大学院政策創造研究科の坂本光司教授の仕事
研究室の社会人学生とともに仕上げた労作。

11月9日(水)、市ケ谷キャンパスで発表されていた。
既存の社会経済統計を活用して、
47都道府県の幸福度を40の指標から評価・分析、
それらを総合化したランキング。

この統計は、4つの部門を持つ。
「生活・家族」「労働・企業」「安全・安心」「医療・健康」。

朝日の記事は、
その第1位の福井県と最下位の大阪府を訪れるルポもの。

「日本一不幸せ」な大阪を訪れると、
「いや、不幸ちゃうで」 と答える人が多かった。

そこが、面白いし、
この言葉が、
幸せの本質をついている。

さてさて、昨日の日経新聞のコラム「スポートピア」
体操女子日本代表監督の塚原千恵子さん が、
「基本は正しい姿勢 」と題して書く。

私は中学高校と下手な器械体操をやっていた。
当時の女子日本チャンピオンの小田千恵子さんのファンだった。
その小田さんが「月面宙返り」の塚原光男と結婚して、
塚原千恵子と名前を変えた。

同時に指導者としても大成し、
いまや体操女子日本代表監督。

「女子体操選手に欠かせないものは何か。
それは美しい姿勢と柔らかさである

小田千恵子さん、文章も簡潔で、上手い。

「選手たちは毎日必ず、練習の前に
柔軟体操や姿勢作りにたっぷりと時間をかける。
美しい演技、高難度の技、ケガの予防。
すべてに通じる基本と言ってもいい」

塚原さんは、その効用を一般の人にも教授している。

「1時間15分のメニューをやり終えた時は、
スロートレーニングでも汗びっしょりになる。
内臓や骨に近い細かな筋肉を動かすので病気やケガの予防になるし、
美容やダイエットにも効く」

体を動かすことで心も生き生きとしてくる

今日は仕事で体を動かし、
心を生き生きとさせる日にしたい。

おめでとう。
ありがとう。
働く人びと。
働く商人たち。

<結城義晴>

2011年11月22日(火曜日)

「日本のエンゲル係数なぜ高い」と新団体「日本TCGF」とその発足の意味

少し寒くなって、
11月下旬の陽気です。

「風のように流れ去る時間があれば、
泥のごとく滞る歳月もある」
と、
朝日新聞一面コラム『天声人語』。

「オウム裁判が終結した。
語るべき人の、語るべき言葉は
最後まで聞かれぬまま」
と、
読売新聞一面コラム『編集手帳』。

「生きにくい時代には、色んな教えが『輝く未来』を競い、
悶々(もんもん)と暮らす人々を誘う」

経営コンサルタントの常とう手段の一つは、
脅し。

競争は喉を掻き切るほどになる。
売上げは激減する時代になる。
だから私の言うことを聞きなさい。
これ、常とう手段。

私は㈱商業界の時代から、
3年ごとに「コンサルタント活用講座」を特集した。
その脅しや騙しにのらないようにと。

この業界ほどコンサルタントが多い世界はない。
もちろん良心的で志高きコンサルタント諸氏もたくさんいらっしゃる。
亡くなられた渥美俊一先生や飯能の流通仙人・杉山昭次郎先生。
私の友人にもそういったコンサルタントは多い。

しかし。
「よこしまな扇動家の仮面は、
むろん宗教家とは限らない。

こんな年だからこそ、頼るに足る、
本物のきずなを見抜きたい」

今日の『天声人語』の結び。
いかがわしいコンサルタントかどうかは、
その人の足元を見ればよい。

ドラッカー先生は、
「その会社を訪れれば5分でわかる」と、
言い切ったものだ。

さて昨日の日経新聞『景気指標』。
「日本のエンゲル係数なぜ高い」と題して、
編集委員の太田泰彦さんが「エンゲル係数」について書く。

「家計の支出のうち、食費が占める割合」
小学校か中学校で習った。

「一般に途上国ではエンゲル係数が高く、
経済発展に伴って国民所得が上がるにつれて低下する」

国際労働機関(ILO)によれば、
ミャンマーは72.7%、
インドは43.6%。

「米国7.2%、ドイツ6.9%、英国11.4%など、
主要国は20%以下がほとんど」。

しかし日本は、
「ここ10年間は約23%
にピタリと張りついて動かない」

「日本も終戦直後(1946年)は66.7%と高かった」
「復興期と高度成長期は一貫して下がり続け、80年には28%になった」

それが23%で動かない。
なぜか。

「日本で買う食料品の値段が、
他の先進国より高いからだ」

原田さんは、断言する。

「昨年下期の実地調査(円換算)によると、
豚肉1キログラムは日本で2400円だが、
米国は828円、英国では798円。
牛乳1リットルは日本で216円するが、
米国では100円、英国では99円」

ただし私がいつも指摘するように、
これは為替レート換算。

購買力平価で1ドル120円とすると、
アメリカの豚肉が1200円くらい、
牛乳も150円くらいになるか。

だから格差はちょっとだけ是正される。
とはいっても、豚肉や牛乳はやはり高い。
だからエンゲル系数23%の一因にはなっている。
「日本は国内農業の生産コストが高いため、
関税を高くして食料品の市場を守っている」
これは実際の話。

「このため輸入品の値段も高くなり、
農業を支えるための負担が、
消費者全体に広く薄くのしかかっている」

決して農業従事者を責めるつもりはないが、
政治と行政、そして農業という産業が絡み合って、
その付けが消費者にきている。
「関税削減で食品の価格が下がれば、
エンゲル係数も下がり、
家計はそのお金を他の支出に回せる」

「すべての分野で物価水準が継続的に下落するデフレ現象とは異なり、
足元で不振の個人消費を押し上げる効果も期待できる」

「環太平洋経済連携協定(TPP)が、
輸出産業だけを利するという見方は誤りだ」
日経新聞の主張が出てきた。

最後の言葉、
「自由貿易の最大の受益者は消費者である」

「消費者代位機能」

つまりお客様の代わりに役目を果たすことだが、
これが小売業・流通業の仕事だとすると、
エンゲル係数問題は、
私たち自身のテーマとなる。

さてひとつ、大事なニュース。
「イオンやキリン、三菱食品などが
商品安定供給へ新団体」

「国民生活消費産業団体連合会」、すなわち「生団連」ではない。

「日本TCGF」
TCGFとはザ・コンシューマー・グッズ・フォーラムの頭文字。

大手小売業、食品・日用品のメーカー・卸売業が、
業界の枠を越えた新任意団体を発足した。
現在は、29社が参加。

来年3月11日までに総会が開かれ、
東日本大震災で支障が起きた商品の安定供給のあり方などを提言する。

発起人は、
イオン㈱の岡田元也社長、
キリンホールディングスの加藤壹康会長、
花王の尾崎元規社長ら。

この団体は3つのテーマを設定している。
①「震災対策共有化」
災害時の商品の安定供給などを議論する
②「消費者コミュニケーション」
原発事故に伴う風評被害を防ぐ情報発信の仕方などを検証する
③「サステナビリティ)」
環境対応における持続可能性などを論議する

3つの委員会が月に1~3回のペースで、
課題の整理と解決策を検討する。

報じたのは日経新聞と日本食料新聞。
朝日、読売は蚊帳の外。
グローバル・レベルでは、
国際組織「ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(TCGF)」がある。
ここにはウォルマートをはじめ、テスコ、ダノン、ネスレなど、
世界の小売業・食品メーカーなど大手企業がこぞって、
約650社が参画している。

日本TCGFはこの組織の日本版だが、
まだ29社で、まったくのひよっこ。

「本家」とは組織的な関係は持たない。
つまり従属関係はない。

しかし時宜を得た行動だとは思うが、
私の個人的意見は、
それこそ「生団連」との連携も必須だし、
例えば小売業を代表するイオンとセブン&アイ・ホールディングスが、
手を携えて発起人となってほしかったということ。

「士農工商」の序列の不当さを主張するためには、
こういったところでこそ「商」の一致団結がほしいものだ。

<結城義晴>

2011年11月21日(月曜日)

日本チェーンストア協会パネルディスカッション「東日本大震災からの教訓と課題」でコーディネーター

Everybody! Good Monday!
[vol47]

快晴であればなお秋惜しむかな
[朝日俳壇より 姫路市 蔭山一舟]

不明者の三八〇〇の中にいる
死者にもなれず釜石の友

[朝日歌壇より 本宮市 廣川秋男]

2011年第47週。
11月第4週。

今週は真ん中の23日水曜日が、
「勤労感謝の日」。

しかし小売業・サービス業は書き入れ時。
「勤労」が「感謝」される休日に、
小売・サービス業従事者は仕事する。

この矛盾こそ、小売サービス業の本質を示している。
人々が休んだり楽しんだりすることをサポートし、
それに奉仕する。

だから逆の意味で、私は、
「勤労感謝の日」こそ、
小売りサービス業の日だと思う。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

毎年、11月の標語は、
変えない。

それは小売りサービス業の記念日「勤労感謝の日」があるからだ。

2008年4月17日に「商人舎発足の会」が開催された。
私は4時間の基調講演で語った。
タイトルは「小売りサービス業が日本を救う」。

国内産業の空洞化に対しても、
小売りサービス業がその穴を埋め、
新しい産業構造をつくる。

さらにそのうえで、海外進出も視野に入ってきた。

今朝の日経新聞一面トップ記事。

「海外出店数、国内を逆転
小売り・外食 加速」

コンビニエンスストアのトップ5社は、
セブン‐イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマート、
それにサークルKサンクス、ミニストップ。
この「5社の2011年度の純増店舗数の合計は国内で約1600店」。
対して、サークルKサンクスを除く4社が海外進出しているが、
その純増数は、
「現地の運営企業と資本関係があるケースに限っても約2500店」。

今年度、海外が「国内の1.5倍」に及ぶ。

一方、ファーストリテイリングは、2012年8月期の決算までに、
主力フォーマットの「ユニクロ」を過去最高の108店、海外出店。

柳井正会長兼社長の弁。
「世界一のカジュアル衣料品店になるため、
成長するアジアに出なければならない」

フードサービスではワタミと吉野家
ワタミは2011年中に海外店舗数が26店増。
2016年までに海外に約200店を出店。

吉野家ホールディングスも20年2月期までに、
国内店舗約800店に対し、
海外店舗は1000店強の計画。

商業統計では、国内小売業は2010年に年商約135兆円。
ピークは1996年で、それから7%の減少。
外食は2010年には、ピークの1997年から約2割減。
これは外食産業総合調査研究センター調べ。

一方、アジアは所得中間層が急増している。
中産階級の増加こそ、消費産業の成長には良いマーケット条件である。
「日本の食文化やファッションは海外でも人気」が高い。

コンビニ、カジュアルファッション、フードサービス。
東南アジア進出が主体だが、
これも産業空洞化を埋めつつ、
輸出関連事業を伸ばしていくことに貢献する。
新しい時代に入ったことは確かだ。

日経新聞31面に「日本を始めよう。」の自社広告。
㈱セブン&アイ・ホールディングス会長の
鈴木敏文さん
が登場。

「日本は成熟社会で、
市場は飽和し成長力が乏しくなったといわれます。

そんなことはありません」
きっぱりと言い切る。

すばらしい。

私もまったく同感。

「消費者の志向は絶えず変化しています。
生活者のライフステージが変わることでも、
新しいニーズが生まれます。
人間は常に新しい物やサービスを求め続けるのです。
それに対応し続けていれば、
事業が行き詰まることはありません

なんと晴れ晴れしい言葉だろう。
なんと勇気づけられる物言いだろう

「勤労感謝の日」も、
私たちはこのことを自覚しつつ、
元気を出して仕事に邁進したい。

さて先週19日金曜は、
穏やかな秋の日差しをあびながら、
港区白金台の八芳園に向かった。
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特別セミナーのパネルディスカッションが開かれた。
主催は日本チェーンストア協会。
私はそのコーディネーター。

八芳園は、あの大久保彦左衛門の下屋敷跡。
江戸時代初期、徳川家康の側臣の一人。
見事な大楼門形式の正門。
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本館6階のチャットルームには、
小売業の通常会員、メーカー・卸の賛助会員が、
300名あまりが参集した。
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司会は、小笠原荘一常務理事
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協会長の清水信次さんが開会のあいさつ。
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東日本大震災での福島原発事故は、
初動で存分に費用投下すれば、
これほどにはならなかった。
天災と人災

現在は、武器ではなく行政と政治によって、
第3次世界大戦がはじまっているようなものだ。
日本は、その中で国力が落ちている。

だから生活者に密着した産業がモノを言い、
日本を変えなければならない。

そこで清水さんは12月2日に、
「国民生活消費者団体連合会」、いわゆる「生団連」を立ち上げる。
先週15日に㈱ライフコーポレーションは50周年を祝った。
岩崎高治社長に経営を任せ、
清水さんは食品産業、消費産業のために奔走している。

そしてパネルディスカッションがスタート。
テーマは「東日本大震災からの教訓と課題」。
製配販の代表がそれぞれの活動を報告し、
震災から得た課題を語り合い、共有化しようというのが趣旨。
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コーディネーターを務める私の隣は、
製造業を代表して日清食品㈱代表取締役社長の中川晋さん
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卸売業からは、
三菱食品㈱取締役専務執行役員の中嶋隆夫さん(左)。
小売業からは、
㈱イトーヨーカ堂取締役専務執行役員の竹田利明さん
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日清食品の中川さんからは鋭い指摘が次々に提起された。
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「どん兵衛のかまぼこを製造していたメーカーが、
原発事故で出荷停止になった。
パーツが1個足りないだけで生産できない事態が発生した。
どん兵衛のパッケージには小さくかまぼこが載っている。
緊急対応品として、かまぼこなしの製品を販売したが、
かまぼこのシズル写真を消し、
かまぼこ1グラム分の内容量減少の表示変更をした」

「買いだめ消費で店頭から商品が消えた。
その解決法? いま、解はない。
しかし東南海地震が起これば80兆円の損失予測されている。
構造を変えるためには、『緊急の特例』が必要ではないか

「東北・関東地方を最優先する商品供給を徹底させたが、
生産と仮需の発生で欠品が発生した。
各社から要請があり、出荷可能な得意先別に割り振った。
しかし、はたしてそうだったのか?
どこかに流通在庫があったのではないだろうか。
『公平性の論理』のジレンマとでもいうべき、営業課題が残った」

日清食品では震災前後のカップ麺の販売状況を緻密に分析している。
震災発生後の異常な販売数量、
しかし7月には、急速に流通在庫が滞留している。
今後、それをどのように平準化させるのか。
製造業の立場からは、そのことが課題であると締めくくった。

続いて三菱食品の中嶋さんは詳細な報告をもとに、
サプライチェーンの課題を挙げてくれた。
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三菱食品は3.11の本震と4.7の余震による強震で、
東北・関東エリアの100カ所以上のセンターや倉庫が被災した。
ラックやマテハン機器は倒壊し、
メザニン(中2階式の組み立て式棚)設備が損傷。
これにより収容能力が落ち、倉庫機能が低下した。

さらに大津波で、
宮城県岩沼臨空地区の4つのディストリビューションセンターが、
壊滅的な被害を受ける。

「4月7日の震度6強の余震で被災した時に、
それまで復旧作業に頑張ってきた現地の社員が、
『笑っちゃいますよ』といった。
心が折れてしまうのではないかと、本当に心配した。

気力でやっていこうと励ましながら一緒にやってきた」

「東北・関東エリアからの受注の増大、メーカーの欠品対応など、
在庫確保数が増えたが、一方で保管能力が低下していた。
倉庫の大切さを感じた。
物流センターと倉庫の違いを感じた」

中嶋さんは行政への要望として、
緊急車両運行許可証の優先発行、
燃油の優先供給、
食品流通DCへのライフラインの優先的復旧、
配荷タスクフォースの検討などを挙げてくれた。

食品流通関係者の誰もが感じた課題だ。
だからこそ、ライフラインを担う食品流通業が一丸となって、
その要望を、今後の改善のアクションにつなげたい。

最後はイトーヨーカ堂の竹田さんが、
被災直後の状況から商品動向までを説明。
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セブン&アイグループはイトーヨーカ堂、
ヨークベニマル、セブン‐イレブン、デニーズ、
セブン銀行(ATM)などが多大な被害を受けた。

「震度5弱以上の場合、
各店から安否・被災情報が本部に入ることになっている。
すべての店舗から連絡が入り、安心するも、
大津波の報が入ると同時に、東北ブロックからの連絡が途絶えた」

このブログでも取り上げたが、津波によって
石巻のヨークベニマル湊鹿妻店は壊滅的な被害にあう。

イトーヨーカ堂石巻あけぼの店も商品が散乱し、外周が陥没。
あけぼの店は、震災当日18時には営業を再開する。
「各店の店長が自主判断で夕方から店を開けた」

震災直後、カップラーメンや水、缶詰などの簡便食品が、
年末を上回る売れ行き数量になる。
しかし被災から時間が経つにつれ、商品動向が変わった。
2日後には、コンロや乾電池、ペーパー類の生活必需品、
1週間後には移動のための自転車、修理用品の売れた。

今回の震災では、中越地震を経験した原信やシジシーが、
被災した企業に、必要な商品を、必要な時期に送り届けたことで、
被災地域の住民生活を支えた。

こうした緊急時の商品動向は、
被災時のマーチャンダイジング情報として共有したい。

製配販パネラーの方々からの詳細な報告と課題提起。
私のまとめは堺屋太一さんの「非常時の5段階」
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8カ月を経て、第1段階の「救助」、第2段階の「救済」から、
第3段階の「復旧」へと至っている。
しかし、これから新しいグランドデザインをつくる第4段階の「復興」があり、
世界のモデルとなるべく第5段階の「振興」がある。

そのためにも小売流通業、
さらにサプライチェーン全体が手を携えて、
問題解決していかなければならない。

「生団連」はその一つの手段である。
そんなメッセージで、締めくくった。

最後にパネラーの方々と、
日本チェーンストア協会の井上淳専務理事(右)。
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清水さんともツーショット。
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セブン&アイ・ホールディングスの高羽康夫さんとも、
久々にお会いした。
執行役広報センターシニアオフィサー。
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白金台駅で別れ際に。

この日は、昼に立教大学大学院結城ゼミ1期生で、
その結城ゼミOB会会長の名古屋文彦さん来社。
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先週はいい日ばかりだった。

今週もいい日が待っている。
「勤労感謝の日」。

元気がでてくる。

では、みなさん。
Good Monday!

<結城義晴>

2011年11月20日(日曜日)

ジジと「ふたりのビッグ・ショー」[2011日曜版vol47]

ユウキ家のジジです。
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リフォームしたあとも、
ボクの定位置は、ここ。
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チェンバロのうえ。

ユウキヨシハルのおとうさん、
アメリカからかえってきてからも、
けっこう、いそがしい。
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コーネル・ジャパンの最後の講義や修了式。
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それからパネルディスカッションのコーディネーター。
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それがおわってから、いま、
熱心にやっていることがあります。
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これです。
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ギブソンJ-100といいます。

それから、こんなのも、
つかってる。
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やすみの日には、
あかるいうちから、
でかけていきます。
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ボクがみていると、
ギター・ケースをかかえて、
手をふって、でかけます。
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とても、うれしそう。
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でかけていくところは、
ちいさなスタジオ。
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ニノミヤさんとデュエット。

プロのシオザキさんと、
セミプロのアソウさん。
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それからふたりのビッグ・ショーのお相手、
オオクボさんとも練習。
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暗くなっても、もどってきません。
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どしてるんだろう?
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オオクボさんが、
うたいます。
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おとうさんは、
ボクのうたもやります。
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「あんまり ひざしが まぶしくて
あんまり せなかが やわらかくて
猫の目 猫の目 黄色にとけた♪」
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まあ、いっしょうけんめい、
練習しています。
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12月2日の「ふたりのビッグ・ショー」。
みなさんも、おいでください。

ボクはいきませんが・・・。

<『ジジの気分』 (未刊)より>

2011年11月19日(土曜日)

コーネル・ジャパン第3期「総括講義と修了式」、結城義晴の最後のメッセージは「基幹産業化」と「志定まれば、気盛んなり」

プロ野球日本シリーズは、
例年以上に淡々と進んで、第6戦。

互いに本拠地で負け続け、
今日はソフトバンク・ホークスが福岡に戻って、
みたび中日ドラゴンズに惜敗。

スコアは1対2。
これで3勝3敗。

明日の最終戦に、
2011年度の日本一決定は持ち越された。

この間、読売巨人軍は、
「会長ナベツネ対専務キヨタケ」のありがちな争い。

当然ながらすぐに決着がついて、
キヨタケはあっけなく、クビ。

日本シリーズの直前に勃発し、
最終戦前に、お騒がせの大団円。
しかしどちらが勝ったかは、
本当のところ藪の中。

スポーツの方が、
組織の人事や人間の葛藤よりも、
断然わかりやすいし、
しかも、気分がいい。

週末の関東地方は、豪雨。
しかし妙に生暖かくて、
得体のしれない11月・12月の展開を予感させる。

さて、コーネル・ジャパン第3期2日目は、
最終講義を終え、
いよいよ最後の最後の「修了式」。

本来ならニューヨーク州イサカのコーネル大学で行う修了式だが、
東日本大震災の影響もあって、
11月17日の、この補講の最終日になった。
サミットのレイバースケジューリングを学んだ17日午後、
最後の副学長の総括講義。
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第3期生に贈ったメッセージは、
「基幹産業」。
コーネル・ジャパンの本来の目的は、この考え方にある。
小売業や食品産業が、日本社会の基幹産業になる、
私たちはそれを目指して共に学ぶ。
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「産業の空洞化」が叫ばれているが、
それは一方で、
「消費産業の基幹産業化」を促す現象でもある。

「重厚長大」産業から「軽薄短小」産業への、
「基幹の役割」の転換と移行。
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私たちはこの2011年の今、
しっかりとそのことを自覚し、
産業のなかの中核を担う覚悟を持たねばならない。

そして実行の第3期生へのメッセージは
「志定まれば、気盛んなり。」
吉田松陰の言葉。

目標が定まれば、意気が高まり、
実現に向けて全力を尽くすことができる。
実行の3期生ならではの言葉。
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私自身、㈱商業界を辞して、
商人舎をつくった2008年、
この言葉をスローガンにした。
そして、「自ら、変われ!」を実践した。

自ら、志を定めれば、
自ずから、気は盛んになる。

コーネル・ジャパン第3期生にとって、
東日本大震災に遭遇した今年こそ、
その時だ。
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総括講義のあとは、
コーネル大学修了証書の授与式。
コーネル大学学部長であり、
ジャパン学長のエドワード・マクラフリン教授のサインと
副学長・結城義晴の筆による署名が入っている。

一人ひとりに心を込め、卒業証書を手渡す。
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修了証を受け取ると、
ひとりずつ、一言ずつ、
決意を語ってくれた。
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最初に読み上げられたのは、
「顧問」と一目置かれた㈱キョーエイの森雅之さん。
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第1期には級長の太田順康と副級長の大久保恒夫がいた。
第2期には「番長」の柄谷康夫がいた。
そして第3期には「顧問」の森雅之がいた。

㈱ランドロームジャパンの村越淳司さん。
ゴルフでも宴会でも、いつも懇親の輪の真ん中にいた。
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㈱JR東日本ウォータービジネスの浜田剛さん。
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毎回、ソフトドリンクをありがとう。

東日本大震災で活躍した㈱シジシージャパン、
辻信之さんもコーネル第3期で活躍してくれた。
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㈱いかりスーパーマーケットのレストラン事業部の松尾圭祐さん。
フードサービス畑ながら、食品産業とスーパーマーケットを学んでくれた。
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「外食と内食の融合」がテーマとなる2010年代。
松尾さんにはその架け橋となってもらいたい。

超多忙な中、修了にこぎつけた三井物産㈱の小林将人さん。
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シミュレーションでは見事、店長を務めた。

㈱ユニバースの長崎善人さん。

東北人の忍耐強さと包容力が際立っていた。
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㈱カスミの髙橋茂幸さん。
「優しさと厳しさ」を兼ね備えた実務の人。
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紅一点、第3期のマドンナ。
㈱アンデルセンの髙木明子さん。
男所帯の中で、よく頑張った。
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第3期生の中から誕生しました!
社長に就任した㈱タカヤナギの高柳智史さん。
二重におめでとう。
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関西コーネルを陰ながら支えた
㈱伊藤軒の羽倉修一さん。
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㈱よこまちの横町正俊さん。
いつもいつも明るく場を盛り上げてくれた。
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㈱マルエツの本間正治さん。
問題意識の高さは群を抜いた。
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㈱紀ノ国屋の阿部智則さん。
新生「紀ノ国屋」の誕生は彼の双肩にかかる。
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穏やかで生真面目な㈱阪食の廣田亘さん。
廣田さんも実行の第3期を象徴する知識商人。
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㈱万代の山口成樹さんは、
いつも後方の席から全体を見通していた。
クールな知識商人。
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ジン・ジャーマン杯で優勝を飾った国分㈱千木良治さん。
食品卸売業の立場から「基幹産業化」に貢献してくれるはず。
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国太楼の尾関篤さん。
スーパーマーケットの実務を知る「製造業の営業本部」をつくってほしい。
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北海道から毎回通ってくれた㈱ラルズの松尾直人さん。
「実行の3期生」を代表する実行のスーパーマーケットマン。
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笑顔で人気の実務派、
㈱関西スーパーマーケットの岡秀夫さん。
質疑応答ではいつも質問を発してくれた。
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㈱マミーマートの青木繁さん
青木さんも質疑応答に積極的に加わってくれた。
スーパーマーケットへの情熱を内に秘めた人。
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面倒見のいい親分肌の㈱万代の黒田久徳さん。
こわもては外見だけ。
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その黒田さんにいつも面倒をみてもらっていた、
「まっちゃん」こと、
㈱タカキベーカリーの松本剛さん。
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タカキベーカリーからは2人のアイドルが誕生した。

どんな場面でも仕切り役に徹してくれたこのひと、
㈱平和堂の福嶋繁さん。
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㈱ユニバースの三浦建彦さん。
アークスグループの一員になり、
ますます活躍してくれそうだ。
コーネル第3期生のなかで、
最も成長したひとり。
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㈱ジョイスの阿部修さん。
修了論文は力作だった。
残念ながら7月の修了ツアーに参加できなかった阿部さんのために 、
お土産が手渡された。
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㈱マルエツの釜萢直人さん。
いつも一番前の席で、
先生方に質問を投げかけ続けた
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昭和産業㈱の藤原勇一さん。
キョーエイ森さんの誘いで、
初めて踊った阿波踊りには、
私とともに「はまった!」
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㈱いかりスーパーマーケットの行光恒夫さん。
「コーネル・ジャパンはどんなセミナーよりも価値があった」と述懐。
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最後はこの人、三井物産㈱の小竹経一さん。
開講講座での英語での質問に、
第3期生は度肝を抜かれたらしい。
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しかし「実行の3期生」のなかで、
最も「税変」が期待できるのは、この人。
「商業の基幹産業化」に貢献してほしい。

そうして第3期生全員に修了証書を渡し、
名残惜しいがコーネル・ジャパン第3期はすべて終了。
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すべての人に、
心から感謝。

と、おもいきや、
何やらホワイトボードの裏側から連絡事項が現れた。
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そして協力部隊が集まった。
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仕切りはやっぱり福嶋さん。
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第3期生からの感謝状ともいえる寄せ書きの贈呈。
うれしかった。
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びっしりと書かれた一人一人のメッセージ。
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このサプライズを演出してくれた高木マドンナ。
ありがとう。
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花束もいただいた。
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さらには、アンデルセンのクッキー詰め合わせ。
マドンナ、ありがとう。
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事務局スタッフにも寄せ書きやプレゼント。
本当にありがとう。
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最後は全員で記念撮影。
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伝説の第1期、
奇跡の第2期、
そして実行の第3期。

総勢86名。

コーネル・ジャパンに集った「志高き知識商人」たち。
彼らとともに私は、「学ぶ喜び」を味わった。

3年間ありがとう。

この86人のメンバーによって、
Cornell Innovation Associationが結成される予定。
略して「CIA」。

CIAの今後の活躍を期待しつつ、
3年間の日々に、心から感謝。

<結城義晴>

2011年11月18日(金曜日)

コーネル・ジャパン最後の講義「サミットのレイバー・スケジューリング」のユニークさを学ぶ

今朝の日経新聞「消費」欄の見出しタイトル。
「クリ」出さず家で「スマス」

座布団1枚!

今年のクリスマスには、
外に繰り出さず、
家の中で済ます。

だから「クリ」出さず、
家で「スマス」。

覚えてください。
今年のトレンド。

それが「クリ」出さず家で「スマス」。

記事は、以下のように言う。
「節電意識の高まりや身近な人との『きずな』重視」で、
「自宅を中心に家族や恋人など、ごく親しい人たちと過ごす予定が多い」

「なるべく電気を使わないツリーや電飾が人気」、
「ホームパーティー向けのケーキ予約も好調」。
「家族同士で贈り物をする人も増える傾向」。

私はずっと言い続け、
『店ドラ』では本のなかにまで書いてしまった。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

それを「ホーム」で実感する。
「クリ」出さず家で「スマス」

「幸せ」と言えば、
来日中のブータンの国王夫妻。
ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王。
東日本大震災の被災地・福島を訪問してくれた。
ワンチュク現国王は世界最年少の元首。

その父君のジグメ・シンゲ・ワンチュク前国王が考え出したGNH。
国民総幸福量「Gross National Happiness」。
「国民全体の幸福度」。

1972年代というからもう40年も前のこと、
GNPの代わりに唱え始めた。

9つの構成要素がある。
1.心理的幸福
2.健康
3.教育
4.文化
5.環境
6.コミュニティ
7.良い統治
8.生活水準
9.自分の時間の使い方

日本の今年末も、
ブータンのGNHの気分が高まる。

これは私たちにとって、
決して悪いことではない。

さて昨日の11月18日木曜日。
コーネル・ジャパン第3期の最終講義。
実行の第3期生も、この最後の日を迎えた。

昨夜の酒もなんのその。
朝、8時に全員、元気に、
サミットミナノ分倍河原店に集合。
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店長をはじめ店舗サポート部のスタッフの皆さんが迎えてくれた。
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早速、朝の開店準備作業を視察。
青果のバックヤードで説明してくれたのは、
店舗サポート部生産性向上推進グループの椎名跣さん(いちばん左)。
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精肉部門の説明は、同じく吉田暁さん(左)。
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グロサリー部門の説明をしてくれたのは、
今年5月に商人舎USAベーシック視察に参加してくれた磯川雅樹さん(左)。
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成長している磯川さんと思わず握手。
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開店前8時50分には、レジ前に集合して、
チェッカーの朝礼を全員で見学。

毎年、この講義で見学するのがこれ。

どのスーパーマーケット店舗でも、毎朝、
例外なくレジチェッカーの朝礼をやっている。
その中で、サミットのチェッカー朝礼は、
とりわけすばらしい。
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50人の視察者に囲まれても、
動じることなく朝礼は淡々と進む。
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一通り朝礼が終わると、
見学者たちから拍手が巻き起こった。

朝礼が終了すると、もう8時58分。
各自が自分の役割を果たすべく、行動。
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9時オープンのために、
最後のクレンリネスチェック。
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そして9時。

朝日を浴びるサミットミナノ分倍河原店。
その一日が始まった。
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視察を終えた私たちは、
府中駅前のホテルにもどり、再び講義。

サミットのスタッフの皆さんにも参加願って、
レイバースケジューリングの考え方や実際の仕組みなどを、
レクチャーしてもらう。
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私の隣は、今回の視察研修を仕切ってくれた中村聖広報室マネジャー。
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中村さんからはミナノ分倍河原店の概要が説明された。
売り場面積831坪、バックヤード385坪。
このバックヤードから弾き出す年商35億1000万円。
駐車台数445台。

第1次商圏は4046世帯。
第2次商圏は1万6618世帯。

この商圏内に競争店は、
いなげや、コープとうきょう、さくら市場、京王ストアがある。
府中本町駅前にあったイトーヨーカ堂は撤退。
それがサミットの35億円の売上高にも影響している。

レイバースケジューリングの根幹にかかわる人員配置。
社員25名、パートタイマー73.7人。

人時売上高は、サミット全体の既存店で、
1万4000円。

この指標が基準になる。

中村さんの説明のあとで、
左から第8ブロックマネジャーの田村源栄さん、
ミナト分倍河原店店長の澤田洋さんの説明。
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写真右の店舗サポート部マネジャーの赤迫伸一さんには、
3年続けて、解説をお願いした。

澤田洋店長には、
開店前の忙しい中で対応してもらった。
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そして質疑応答。
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今年9月からサミットは、
1店舗を除いて、
100店で朝の開店時間を1時間繰り上げた。
すなわち9時開店。
従来は10時開店だった。

サミットはモニター制度を設けているが、
そのモニターからの要望のなかで強かったのが、
開店時間の繰り上げ。

9時に開店するが、
出勤時間は変わらない。
作業開始時間は8時。
そして開店9時。

1時間で開店できる状態をつくる。

ここにサミットのレイバースケジューリングが活きる。
レイバースケジューリング・システムがなければ、
開店時間の1時間前倒しなど、
できるはずがない。

どうするのか。

ひとつはマンアワーを投入して、
朝の時間帯の作業量を増やす。

しかし作業の平準化は、必須命題。
マンアワーを余分に投入しては、
利益を削ることになる。

そこで第2に、
前日の夜間にあらかじめ準備作業をする。

第3に開店時の売り場状態をコントロールする。
顧客の不便にならない範囲で、
品揃えの状態を下げる。

そして開店してから、状態を100%に持っていく。

こういった試行錯誤を店ごとに繰り返す。
そして最善のレベルを模索する。

その時にレイバースケジューリングの仕組みが活きる。
これなくしてはオペレーションの改革もできない。

サミットにとって、
レイバースケジューリングは、
イノベーションを生み出すものなのである。

私がコーディネートを務め、
質疑応答が繰り返された。

店長もブロック長も、店舗サポート部のメンバーも、
丁寧に一つ一つ答えてくれた。

途中から、髙野保男先生にも、質疑応答に加わってもらった。
高野さんはそのサミットのレイバースケジューリングの基礎をつくった人。
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高野さんが加わり、
サミットを取材し続けてきた私も解説に参加し、
9人で質問に答え続けた。

私の最後のまとめは、
「組織は戦略に従う」
そう、アルフレッド・チャンドラー・ジュニア。

そして「システムも戦略に従う」

トレーダー・ジョーには彼らのオペレーションがある。
ウェグマンズにも、ホールフーズにも、
その戦略に従ったユニークなオペレーションがある。

もちろんウォルマートにも、
実にユニークなオペレーション・システムがある。

優れた企業には優れたオペレーションの仕組みがある。
サミットのオペレーションは、
こういった国際レベルに引けを取らない。

最後にサミットの皆さんと記念撮影。
3年間、お世話になりました。
ありがとうございました。
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髙野さんにも2日間にわたり、講義いただき感謝。
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そして、この後、私の総括講義と
コーネル・ジャパン第3期生の修了証書の授与式イベント。
それは明日に続きます。

ユニークな戦略とユニークな組織。
それが企業の幸せをつくるのだと思う。

<結城義晴>

2011年11月17日(木曜日)

コーネル・ジャパン「実行の第3期生」最後の補講「作業システム編」と笑顔・エガオの懇親

「悲しいだろう みんな同じさ
同じ夜を むかえてる」

吉田拓郎作詞作曲の「どうしてこんなに悲しいんだろう」。
1971年の曲。

大学時代によく、口づさんだ。

「どうしてだろう このむなしさは
誰かに逢えば しずまるかい」

二番がいい。

「人の心は 暖かいのサ
明日はもう一度 ふれたいな」

秋が深まってくると、
こんな気分になる。

もうひとつ。
これはサトウハチロー作詞。
作曲は加藤和彦。

そう、フォーク・クルセダーズ。
「悲しくてやりきれない」
1968年のリリース。

「胸にしみる 空のかがやき
今日も遠くながめ 涙をながす
悲しくて 悲しくて
とてもやりきれない
このやるせない モヤモヤを
だれかに 告げようか」

ふたつの歌をみると、
「悲しみ」は「誰か」に、
癒してもらわねばならないらしい。

今朝の日経新聞の「twitter pickup」から。

糸井重里さんの11月11日の「ほぼ日」。
「この3月に、ほとんどの人たちが、
『この痛みは、みんなで分けよう』と思ったはずです。
その覚悟が薄められていかないようにと、ぼくは、
しつこく東日本大震災のことを言っていきます」

俵万智さんの11月10日のつぶやき。
「毎月十日前後になると、
息子が『地震から何日たった?』と聞いてくる。
偶然かなと思っていたけれど、
今夜も寝る前に同じことを言った。
明日で八か月」

「悲しみ」は「誰か」に、
癒してもらわねばならない。

「悲しみ」は、みんなで、
分け合いたい。

明日は、しつこく、
「東日本大震災の教訓と課題」。
パネルディスカッションで語り合います。

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル

「【新】校本宮澤賢治全集第十三巻(上)覚書・手帳」から、
「雨ニモマケズ」。

そして、結城義晴。

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。

お客さまに笑顔がもどる。
街に活気が蘇える。
あなたの商品のおかげです。
あなたのサービスのたまものです。

たとえ店頭から、            、
商品が消え失せようとも。
たとえ倉庫が、
空になろうとも。

あなたは店を開けようよ。
あなたは売場に立ち続けようよ。
店で元気を出そう。
売場で元気を売ろう。

たとえ地震に
襲われようとも。
たとえ津波に
見舞われようとも。

元気をだそう。
元気を売ろう。
それがあなたの仕事です。

それがあなたの役目です。

おなじみの「元気を売ろう」。

さて昨日、今日と、
コーネル大学RMPジャパンの第三期生最終補講
RMPは、「リテール・マネジメント・プログラム」。

東京・府中駅前、
コンチネンタルホテルでの1泊2日の合宿。
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レイバースケジューリングの講義と、
サミット㈱での現場研修

コーネル・ジャパンならではの名物授業。

3月の大震災で講座が延期となったため、
昨年の10月にスタートした第3期は、
13カ月にわたって行われたことになる。

すでに、アメリカへの研修修了ツアーも終わっている。
だから、最終補講の講義と研修は、
心から打ち解けて、皆が学び、同時に楽しんだ。
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さて、その初日の昨日は、まず、
副学長の私のあいさつから。
この授業で何を学び、サミットで何を視察するのか。
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コーネル・ジャパンは毎年、社長が誕生している。
第1期生からは、㈱ジョイスの小苅米秀樹社長、
第2期生からは、㈱ベルプラスの澤田司社長、
㈱成城石井の原昭彦社長。
そして第3期からも、今回、新社長が誕生した。
㈱タカヤナギの高柳智史さん
皆が大きな拍手で祝福した。
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私は自分のことのようにうれしく、
そして誇りに思う。
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第一講座は荒井伸也首席講師の
「ストアマネジメントシステム」

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荒井先生は講義が佳境に入ったころ、
なにやらホワイトボードにイラストを描き始めた。
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ゴルフのスイングをたとえにして、
店舗のマネジメントシステムを語り始めた。
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これが解説イラスト。

グリップが店長。
クラブヘッドが売場、
ボディは本部、
右足は財務、左足は理念。
そして頭はトップ・マネジメントやコンセプト。
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「人生で一番打ち込んだ」と自ら語るゴルフ・フリークの荒井先生は、
進化しつつ、また新たな境地を開いた(!?)

第2・第3講座の講師はタクト企画代表・髙野保男先生
テーマは「作業システムの概要」
髙野さんはサミットのレイバースケジューリングのベースを築き、
独立後は全国のスーパーマーケット企業の指導を行っている。
いまやレイバースケジューリングの第一人者。
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充実した講義内容はもちろんだが、
指導先の実際の作業映像に、皆、熱心に見入った。
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18時に講義は、終了。

その後、全員で、隣駅の分倍河原駅前にある、
サミットミナト分倍河原店の事前視察に向かう。
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ミナト分倍河原店の夕方の売り場状態を視察する。
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それぞれの視点で店舗を19時半まで見学。
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すっかり、腹が空き、のども乾いた。
ミナト分倍河原店を後に、
ホテルの前の居酒屋で懇親。
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明日は最終講義。
なごり惜しい。
そんな気持ちを心の底に、
みんな盛り上がった。
大いに語り、笑い、楽しんだ。

そんな第3期生のとっておきの笑顔を一挙に紹介しよう。
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「カンパ~イ!」

左から㈱万代の黒田久徳さん、
㈱タカキベーカリーの松本剛さん、
コーネル杯優勝の國分㈱千木良治さん、
㈱カスミの髙橋茂幸さん、
㈱国太楼の尾関篤さん。
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荒井先生と恭子夫人。
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第3期生からいつの間にか名付けられた愛称「顧問」。
㈱キョーエイの森雅之常務。
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高柳新社長と
みんなのアイドル「まっちゃん」はいい気分。
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左から㈱マミーマートの青木繁さん、
㈱ユニバースの三浦建彦さん、
㈱マルエツの釜萢直人さん。
いい笑顔だ。
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小売業も卸売業もメーカーも、
みな同級生。
㈱関西スーパーマーケットの岡秀夫さん(左)と
㈱伊藤軒の羽倉修一さん。
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なぜか日本人はVサインが好き。
三井物産㈱小林将人さんと
㈱シジシ―ジャパンの辻信之さん。
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よく飲んだ。
㈱ジョイスの阿部修さん(左から2人目)と
その隣で目を閉じ、陶酔気分の㈱よこまちの横町正俊さん。
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右から㈱紀ノ国屋の阿部智則さん、
㈱マルエツの本間正治さん、
やっぱり目を閉じている横町さん。
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満面の笑顔の事務局・太田美和子さんと㈱阪食の廣田亘さん。
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こちらは首絞め。これも楽し。
㈱ユニバースの長崎善人さんと
苦しそうな㈱ランドロームジャパンの村越淳司さん。
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まっちゃんを介抱する黒田さんと釜萢さん。
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居酒屋は50人が入り、貸切状態。
奥まった席の輪の中心には、㈱ラルズの松尾直人さん(右から2人目)。
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松尾さんと太田さん。 1と2で3? 3期生!
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席を変えて、あちこちで交流。
私の隣から㈱万代の山口成樹さん、
㈱いかりスーパーマーケットの行光恒夫さん、松尾圭祐さん、
尾関さん。
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行光さんと松尾さんも1と2と3期生!!
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3期生紅一点の髙木明子さんは、
まったくもってマドンナ的存在。
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なんだか、夜が更けるにつれ、
ふれあい度が増しているようだ。
昭和産業㈱藤原勇一さんの横には、
事務局の中間徳子さん。
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2期生で㈱義津屋の伊藤彰浩社長を横でにらんでいるのは、
おでことほっぺたにシールを張り付けた三井物産㈱小竹経一さん。
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私もしこたま飲んだ。
うれしい酔いだった。

最後に、荒井先生への寄せ書き贈呈。
一人一人が感謝をこめてメッセージを書き記した。

プレゼンテーターは福嶋繫さん。
第3期生の仕切り屋。
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本当に、いい一日だった。

「悲しみ」は「誰か」に、
癒してもらわねばならない。

「悲しみ」は、みんなで、
分け合いたい。

「喜び」も、みんなで、
分かち合いたい。


すべての人々に感謝しつつ。

<結城義晴>

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