結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年02月17日(金曜日)

コンビニ複数店ジー増加策とユニーのサークルKサンクス完全子会社化

日経新聞『文化往来』で、
角田光代さんの「曽根崎心中」を評論。

近松門左衛門が人形浄瑠璃向けに書いたものを、
翻案した同タイトルの小説。

書き終えた角田さんの述懐。
「恋を発展させた形が愛と思っていたが、
恋と愛は別物だと分かった」

英語で表せば、
恋も愛も、
どちらもlove。

「恋をまっとうさせると心中になる」
と、角田さん。

つまり、心中から逆に考察すると、
恋に至るのであって、
心中は愛からは起こらない。

シェークスピアのロミオとジュリエットは恋だった。
曽根崎心中の徳兵衛とお初も恋だった。

しかし十字架で磔されたイエス・キリストは、
愛だった。

心中を、自殺を、キリストは禁じた。

両者は全く正反対の概念だ。

44歳の直木賞作家角田光代が今、
そのことに気がついたということの方が驚きだが。

今日は午後、池袋の立教大学キャンパス。
20120217191755.jpg
入試も終わって、合格発表の時期。

蔦の絡まる1号館ボードに、
合格者の番号が掲示されていた。
20120217191735.jpg

さて、昨日の日経新聞の記事。
「コンビニ大手、複数店オーナー拡大」

複数の店舗を経営し、運営する加盟店オーナーの比率。
大手チェーン5社合計で、
2007年度末12%強が、
2011年度末20%強になる。

「総店舗数に対する複数店オーナーの店舗の比率は、
07年度末の約26%から11年度末は40%強まで伸びる」。

つまり複数店といっても、
一人で3店、4店、5店、10店と、
支店経営するオーナーがいるということ。
それを増やそうという動きがあるということ。

その複数店オーナー、
セブン-イレブンは少ない。
ファミリーマートは55%、
ローソンは50%。

我が商人舎の発起人の一人泉澤豊さんは、
その究極の達人。

セブン-イレブン加盟店から始めて、
複数店に挑戦。
同チェーンが複数店を歓迎していなかったので、
サンクスに乗り換えて、
経営する㈱CVSベイエリアは、
上場企業となった

このたびサークルKサンクスを離れて、
ローソンのエリアフランチャイザーに転身。

泉澤さんが先鞭をつけたようなものだが、
大手チェーン各社は、
「複数店オーナーに優遇策を導入」。
ローソンは積極的で、
2010年春から新しい制度を設けた。
名づけて「マネジメントオーナー」制。

4店舗以上を持つジーをこう呼ぶ。
現在、64人。

「ほとんどが法人経営で、
本部は人材育成や税務を指南する」。
新浪剛史さん、このあたり上手ですね。

さらに2店目以降の加盟金を減額する。

ファミリーマート。
「5店、10店と増えるごとに、
本部が利益に応じて支払う奨励金の率を引き上げる」。

あまり歓迎していなかったセブン-イレブンも、
一昨年の2010年に、とうとう、
「ロイヤルティ率の軽減幅を3ポイント引き上げた」。

コンビニのフランチャイズ・システム自体にも、
イノベーションが図られている。

しかしこれによって、
コンビニの店舗拡大はさらに加速される。
大手5チェーンの来期出店計画は、
約3400店で、過去最高。

「飽和状態が迫っている」

こう評されることを嫌うこの業界だが、
算数で考えても、それは否定できない。

複数店経営オーナーが増え、
エリア・フランチャイザーやマルチ・フランチャイザーが増加してくると、
次の戦略目標を定めねばならない。

考えられるのは、二つしかない。
第1は業態やフォーマットの新開発と転換、
第2は海外進出。
もう一つあるとすれば、
今日の日経新聞の記事。
「ユニー、サークルKサンクスを完全子会社化」
そう、コンビニチェーンとしての成長拡大はそこそこであっても、
グループの収益構造に大いに貢献してくれればいい。
この考え方。

ユニーは小売業界第5位、
チェーンストア第3位。

2011年2月3月期決算で、
第1位セブン&アイ・ホールディングス、
第2位イオン
第3位ヤマダ電機
第4位三越伊勢丹ホールディングス。

この4社に次ぐ第5位。

しかし、中部地方に本拠を置くこともあって、
マスコミへの露出度も低く、
実力に比べて評価は高くない。

私は、それが「ユニーの強み」だと思っているが、
そのユニーがコンビニ子会社のサークルKサンクスを、
株式公開買い付けで完全子会社化する。
目途は7月中旬で、サークルKサンクスは上場廃止。
サークルKサンクスの昨2011年12月末時点の店舗数は、
6248店。
堂々たる4ケタチェーンだ。

しかし先ほどのCVSベイエリアの離脱など、
事件も起こっている。

そこでグループ・シナジーの最大化を図る。
この戦略は正しい。
業界内からは「遅い」という声も聞こえているが。

私はいつも言う。
「正しいことをする場合、
いつだって、まだまだ遅くはない」

持株会社の名称は「ユニーグループ・ホールディングス」。
ユニーの前村哲路社長が会長兼最高経営責任者(CEO)、
サークルKサンクスの中村元彦社長が社長兼最高執行責任者(COO)。
これも今のところ、妥当な人事で、
これしかない。

当面はサークルKサンクスがユニー・グループを、
収益面で支えるに違いない。

セブン&アイ・ホールディングスにおけるセブン-イレブンのように。

サークルKサンクスは、
グループの相乗効果を活かしつつ、
飽和の中の二つの戦略を志向する。
記事にもあるように、
「早ければ来年中にもサンクスの海外1号店を出す計画」。

しかしこの面でも、出遅れ感は否めない。
それでも「正しいことをする場合、
いつだって、まだまだ遅くはない」

頑張ろう、前村さん。
ユニーの強みを活かして。

では、みなさん、より週末を。

<結城義晴>

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