結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年12月14日(金曜日)

西水美恵子さんに教わって同じ音楽を聴いて「ダンスを踊ろう!」

『ほぼ日刊イトイ新聞』。
糸井重里さんが、
西水美恵子さんと連載対談。
西水さんは元世界銀行副総裁。
実は㈱万代常務の西水啓介さんの叔母様。

この10回の対談が今日、終わった。
中身は「素晴らしい」の一言。

示唆に富んだやり取りは、
仕事にも人生にも、
大いに役に立つ。

連載のタイトルは、
「それはまるで、ダンスのように!」

20121214200220.png

是非、読んでほしいが、
ちょっとだけ引用。

西水さんは世界銀行で途上国の支援に当たった。
そして「支援の中心に据えるべきもの」を強く実感する。

中核となるのは、
「その人々にとっての『宝物』です」

宝物とは、
「彼らが持っているすばらしいもの全体」。

「彼らの持つ可能性もそうですし、
土地を愛する気持ちもそう。
家族や、コミュニティの仲間たち。
もちろん思い出も、宝物です」

「そうした『宝物』を軸にしながら、
決してそれらを損なうことなく
発展や復興を後ろから支えるのが、
『よそ者』にできる支援だと思うんです」

その「後押し」の方法として参考になるのが、
南アジア諸国のNGOに共通する支援のやりかた。

金で支援することではない。
建物や設備を寄付することでもない。

それは、ひとことでいえば、
「未来のリーダーを発掘して、育てる」こと。
支援しようとするコミュニティから
未来のリーダーを見つけてきては、
半年から1年ぐらいの
「リーダーシップ養成塾」に入ってもらう。

「具体的には、未来のリーダーたちを見て、
それぞれに足りない、リーダーが持つべき‥‥
『ツール』とでも言えばいいでしょうか、
読み書きができなかったら『文字』を。
計算ができなかったら『算数』を。
人前で話せなかったら『スピーチ』を。
足りないツールを、徹底的に教えこむんですよ」

実際に、この方法がうまく機能している。
「養成後、各リーダーたちには村に帰って
みんなすばらしい活動をするんです」

「そうした養成をするNGOは、
ひとつの村の中に
男性、女性両方のリーダーを育てることも
非常に重視しています。

村がうまくいくためには、
男性の目で村を見ることと、
女性の目で村を見ることの両方必要なんだ」

西水さんが学んだこと。
「やっぱり人間、
誰しもリーダーシップ精神を持って
生まれてきているんですよ。

ですが、そのリーダーシップ精神は、
教育制度をはじめとした
人々が大人になっていくプロセスのなかで、
殻のなかに閉じ込められていることが
非常に多いんです」

私もそう思う。
私は日本の小売業やサービス業のマネジメントの在り方に、
この「殻の中に閉じ込めるもの」があると考える。
いや、それだけではない。
製造業や金融業の大企業にも、
行政やアカデミズムにも、
それがあった。

「リーダーシップ養成塾というのは、
その『殻』を壊すための手助けをする機関なんです」

西水さんのたとえ話がいい。
「卵があったときに、
中がまだ未熟だとしても、
壊さないように注意しつつ、
殻にひびを割ってあげるというか」

「リーダーシップ精神というのは
いくら周りからの手助けがあっても、
最終的にはその本人が
自分で卵から生まれないとだめなので、
『自分で生まれる』ように手助けをするんです」

私自身、ずっとそうだったし、
ピーター・ドラッカー先生や上田惇生先生がそうだ。

商人舎ミドルマネジメント研修会は、
まさにこの「卵のひび入れづくり」のようなものだ。

「地域コミュニティの発展というものは、
サポートすることはできるけれど
やっぱり根本的に
『自助自立精神』で動いていないと
だめなんですよ」
これは企業そのものでもある。

そうでなければ、
「何年にもわたって成長が続く」とか、
「環境を壊さないよう成長する」とか、
いろいろな意味で「持続性の高い地域づくり」はできない。

「よそ者に頼る地域づくりというのは、
最終的にはモノだけが残って、
そのモノを破壊する方向に行ってしまう」

企業が「よそ者」のコンサルタントを雇う時など、
この点は最重点でチェックされなければいけない。

企業が持つ「宝物」が、
破壊されてしまうリスクがあるからだ。

「もともとからいる
地域の中のリーダーを大切にして、
そのリーダーを中心に発展をすすめるというのは、
とても重要なことだと思うんです」

西水さんの話でもうひとつ重要なことが出てくる。
ブータン国王の言葉。
「善い民主制はダンスという芸術に似る。
指導者と民のダンスだ」

「素晴らしいダンスというのは、
『ビジョンや価値観の共有』によって
生まれるものです」

「同じ価値観やビジョン」
ダンスでは、それは同じ音楽のこと。

「リードする人も、される人も、
同じ音楽をいっしょに聴いて、心を合わせて、
そのよろこびが『ダンスになる』」

「お互いの関係でいろいろあっても、
作りあげようとする芸術作品は
いつでも『ひとつ』なんです」

「『ひとつ』の作品をいっしょに作るんだから、
そのときに大切なのは、
お互いが同じ音楽を聞いていること」

教育はダンスのようなもの。
人づくりや人財の養成もダンスのようなもの。

経営者と従業員もダンスを踊っている。
上司と部下もダンスを踊っている。

教授と学生・ゼミ生も、
ダンスを踊っている。

おんなじ音楽を聴きながら。

さて今日も1日、横浜の商人舎オフィス。
朝から来客。

イオンリテールワーカーズユニオンの皆さん。
UAゼンセンイオングループ労働組合連合会傘下。
「流通の未来を自分たちでつくる会」を柱に、
2年前から新しい労働組合活動を進めている。
その第3期の取り組みや彼らの方針に対して、
私なりのアドバイス。

さらに来年3月から4月にかけて、
総勢40名ほどのアメリカ視察ツアーを実施する。
そのコーディネーターを私が担当する。

左から越川泰江さん、中央執行書記次長。
杉山潮さん、中央執行働き方の改革・教育情宣局次長。
いちばん右は、野下聖子さん、
イオンコンパス㈱組織営業担当。
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経営者と労働組合も、
ダンスを踊っている。

私も、彼らとダンスを踊る。

私は「殻の中に閉じ込められたリーダーシップ」を、
同じ音楽を聴きながら、
いっしょにダンスを踊って、
「卵の殻にひびを入れる」。

知識商人とは、
自助自立精神を持って、

ともにダンスを踊ることができるリーダーだ。

今日は西水さんと糸井さんに、
心から感謝したい。

〈結城義晴〉

 

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