結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年12月07日(金曜日)

日経MJ結城義晴寄稿「ウォルマート、年末商戦の心得」の全体最適

今日、夕方の5時18分、
東北から関東にかけて強い地震。

青森、岩手、宮城、茨城、栃木の各県で震度5弱、
横浜でも震度4。

震源は三陸沖、
震源の深さは約10キロ。
マグニチュード7.3と推定された。

「またか」

私は横浜の商人舎オフィスにいたが、
ゆったりとした横揺れから始まって、
昨年3月の無気味な地震を思い出した。

5時53分、宮城県金華山沖で0.2メートル、
6時2分、宮城県石巻市鮎川で1メートルの津波が観測された。

NHKは津波発生地区に対して、
「避難してください」と命令口調を繰り返した。

私は、この対応に、
ちょっと安心した。

しかし、いつ、再び来るかわからない。
そのことに対しては、
あの3・11を忘れないと同時に、
絶対に気を緩めてはいけない。

さて、今朝の日経MJをご覧になった方はいるだろうか。
14面『マーケティング・スキル』の欄に寄稿した。
20121207194132.jpg
タイトルは「ウォルマート、年末商戦の心得」

日経新聞消費産業部の竹蓋(たけふた)幸広さんが、
タイトルをつけてくれた。

私は担当編集者に完全に委ねる。
新聞も雑誌も、全体があって、個々の記事がある。
全体最適が何よりも大事だと考えるからだ。

いい記事になった。
感謝したい。

今日の昼ごろには、
日経MJデスクの白鳥和生さんから電話。
消費産業部次長。

私の寄稿に対するお礼の言葉。

丁寧な対応に、ここでも感謝。

月に1回くらい、寄稿していこうと思う。
ご愛読を願っておきたい。

その今日の日経MJ。
一面は「ライフネット生命」の特集記事。
2008年開業のインターネット専業の生保。
現在、快進撃。

11月の契約件数15万件を突破。
これ、私が主張する「フォーマット化」の現象。
生保業態にも新しいフォーマットが誕生している。

立教ビジネスデザイン研究科サービスマーケティングの課題、
ザキヤマ君はこの記事をもとにレポートを書けば、
いい成績が収められるに違いない。

ライフネット生命は、
「正直さ」すなわちオネスティと、
「顔の見える経営」に徹した。

私のサービスマーケティングの授業そのもの。

日経MJ2面の「マーケティング八塩圭子ゼミ」。
テーマは「選挙投票と購買行動」。
ヘンリー・アサエルの「購買行動類型」を、
今回の衆議院選に当てはめた。

アサエルは消費者の購買行動によって、
製品を4タイプに分類。
座標軸は、
第1に「関与水準(消費者と製品の関わり合いの程度)」、
第2に「ブランド間の知覚差異」。

これで4つのタイプのマトリックスができる。

八塩さんは、関与水準が低くて、差異がない領域の、
つまりコモディティ領域を、
今回の日本の12政党乱立にたとえる。
「慣性型購買行動」の対象となる領域。
だから「政党も今まさにコモディティ―となってしまっている」。

面白い視点だし、
マスコミ受けしそうな切り口。

政治にも行政にも、
マーケティングは必須。

日経MJ最終面には、
「選挙の師走 消費走らず?」の記事。
編集委員の田中陽さんが健筆をふるった。
「選挙があるとその時期は消費が弱くなる」
このジンクスの検証。

結論は、
「景気の不透明感、ボーナス減に選挙のジンクスも重なり、
今年の師走商戦は流通業界にとって厳しい展開が予想される」

日経MJの5面「総合小売り」欄。
「西友、より安い食品の新PB」の記事。
これは10月2日の日経本紙一面のイオンの「格安PB」の記事と同意。
つまり「コンペティティブブランド」のこと。
私流にいえば「競争的・闘争的ブランド」。

イオンにつづいて、ウォルマート西友も、
コンペティティブブランドを強化する。

ウォルマートはアメリカでは、
この競争型を「サムズ」ブランドで対応している。
そう、メンバーシップホールセールクラブのバナーと同じ。
日本では「みなさまのお墨付き」と命名。
これは、日本的で、すごくいい。

このページは左上に、
「イオン、北関東最大級モール」の記事。
イオンモール水戸内原オープン。
店舗面積8万㎡。

この面の下段では、
カコミ記事の『ハッスル店長』。
ここにはイトーヨーカドー鷺宮店長・長島義彦さん登場。
「従業員による接客と挨拶の徹底」を掲げる。
大久保恒夫流だ。
「まずは店長が率先垂範。
パワーがいると思うが、
明るい笑顔で乗り切りたい」
店長のコメントはどんなメディアのどんなコメントもいい。

だから私は店長が大好きだ。

今日の日経MJ。
とてもいい。

私は立教大学院の講義で、
前期・後期ともに、参考文献を日経MJにしている。
いま、業界マスコミに最も求められることは、
ニュースの鮮度と見識である。

その意味で日経MJは最も価値あるメディアだと思う。

さて、日経本紙では、
一面に「セブン&アイ、PB売上高1兆円に」の記事。
実は私、昨日からこの情報を得ていた。

セブン&アイ・ホールディングスが2015年度に、
セブン・プレミアムの売上高を現在の2倍に引き上げる。
2012年度は前年度比17%増の4900億円。
全体の約8%。

2015年度には14~15%に高まる。

この実現に向けて、
「既存商品より価格帯の高い商品」、
すなわちクォリティブランドを増やす。

「大手食品メーカーや有名な外食店と組み、
高品質の原料にこだわったPBの品目数を
現在の10品程度から3年で300品に拡充」
現在の10アイテムアは論外。
300で一人前。

こちらはこちらで頑張れ。

プライベートブランドの分類は4つ。
①エコノミーブランド。
これは大半のトレード・オフによる商品。

②クォリティブランド。
セブン&アイが取組む。

③ライフスタイルブランド。
イオンの「トップバリュレディミール・トップバリュ共環宣言」
「トップバリュグリーンアイ ・トップバリュヘルシーアイ」などなど。
しかし売れないのが悩みの種。

④コンペティティブ・ブランド。
イオンのトップバリュベストプライスと、
西友の「みなさまのお墨付き」。

やっと複数社で分類のラインナップが揃ってきた。

説明しやすいし、議論しやすい。

もう、十把一絡げで、
プライベートブランドを、
「いいの悪いの」
「やるべきだの駄目だの」と、
論じる時代は終わっている。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.