結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年01月12日(土曜日)

平成24年度「財界経営者賞」で平和堂・夏原平和社長が受賞

春が訪れたかと思うほど、
暖かい横浜。

つい「小春日和」などと言いたくなるが、
「小春」とは陰暦10月のこと。
今流の太陽暦では11月頃にあたる。

晩秋から初冬にかけて、
移動性高気圧に覆われた時など、
穏やかで暖かい陽気となる。
それが小春日和。

残念ながら今日は、小春日和ではないが、
もう本格的な春かと勘違いさせるほどの日和。

そんな日に、おめでたい話。
一昨日1月10日、
平成24年度「財界賞」「経営者賞」の贈呈式があった。
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㈱財界研究所主催。

「百万人行かずとも我行かん」

「この日本国を蘇生させる」
こんなスピリッツを持つ財界人、産業人を表彰する。

『財界』創業者は三鬼陽之助。
1907年生まれの明治人。

㈱商業界創業者の倉本長治主幹は、
1899年生まれだから、
三鬼よりも8つ年上になる。

三鬼はダイヤモンド社、東洋経済新報社などを経て、
昭和28年に㈱財界研究所を創設し社長となり、
同時に『財界』を創刊、主幹となる。

㈱商業界は昭和23年創立、
月刊『商業界』も同じく昭和23年の創刊。

どちらも『財界』よりちょっと伝統がある。

倉本長治と三鬼陽之助は、
知り合いだったに違いない。

私も現在の村田主幹とは、知友である。

その三鬼の思いは、
「経営者にも文壇の芥川賞、直木賞のような賞があるべきだ」

そこで『財界』創刊の昭和28年度から財界賞を創設、
経営者賞は昭和30年度にスタート。

私は㈱商業界社長のとき、
同じような趣旨で、「商人大賞」をつくった。

2005年第1回受賞は、
ファーストリテイリング柳井正さん。
2006年第2回は、
ロックフィールドの岩田弘三さん、
2007年第3回は、
コメリの捧賢一さん。

そして2008年第4回は、
スタジオアリスの本村昌次さん、
2009年第5回は、
びっくりドンキーの㈱アレフ庄司昭夫さん。
庄司さんは故人となってしまった。

ここで商人大賞は途切れた。
私も商業界社長を退いていたし。

だから財界賞が59年も続いていることに、
敬意を表している。

私は行けなかったが、
商人舎編集チームが取材。

所は東京・丸の内の東京會舘「ローズルーム」。

財界研究所社長にして、
『財界』主幹の村田博文さんがあいさつ。
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村田さんは、「いま何よりも民間企業の成長が必要」と強調。
「今回の受賞者は様々な問題を抱える日本で、
需要創造に積極的に取り組んでいる経営者」と評価した。

次に、女子レスリングの伊調馨選手登場。
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いわゆる花を添えるという役目だが、
アテネオリンピック、北京オリンピック、
そしてロンドンオリンピックの、
女子63kg級金メダリスト。

身長166cmだが、受賞者全員が、
フォールされてしまいそうなくらい勢いがあった。

続いてすぐに授賞式。
選考委員を代表して、
作家の堺屋太一さんがプレゼンターとなり、
受賞者に表彰状とプレートが贈呈された。
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その今年度の「財界賞」。
米倉弘昌さん。
日本経済団体連合会会長

住友化学会長。
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日本経済界のリーダーとして、
日中関係の改善に取り組んできたし、
政府に対しても積極的に発言してきた。
それが高く評価された。

「財界賞特別賞」は、
稲盛和夫さん。
日本航空名誉会長で、
ご存知、京セラ名誉会長。
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当時78歳という高齢にもかかわらず、
経営破綻した日航の再建を引き受けた後、
わずか2年8カ月で再上場させ、
ナショナルフラッグを復活に導いた手腕が評価された。

「経営者賞」に選ばれたのは6人。

まず、岡藤正広さん。
伊藤忠商事社長。
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「解は現場にある」をモットーに、
資源分野に偏らないバランスに優れた商社経営に
取り組んでいることが評価された。

続いて、東日本旅客鉄道会長の清野智さん。
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東京駅丸の内駅舎を、
国のシンボルとして再生させたほか、
東日本大震災でも新幹線の無事故を守った。
安全への取り組みなどが評価された。

次は、
高原豪久さん。
ユニ・チャーム社長。
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新興国への積極的な展開で業績好調。
現地浸透し、需要創造する企業のお手本との評価。

4人目は、
YKK会長CEOの吉田忠裕さん

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ファスナー最大手企業として、
世界71カ国・地域にグローバル展開。
その経営手腕が評価された。

そして、小売業界からは、
平和堂社長の夏原平和さん。
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昨年9月の反日デモで、
中国・湖南省の店舗が破壊・略奪された。
現地幹部・従業員とともに、
わずか1カ月半で営業を再開させた。

その現地社会と一体となった経営が、
大きく評価された。
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審査委員長・堺屋さんから授与され、
嬉しそう。
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最後は木村皓一さん。
ミキハウスの
三起商行社長。
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「子供服のベンツ」と言われるまでに、
ミキハウスのブランド力を向上させ、
値下げをせずに経営。

さらにスポーツを支援し、
五輪メダリストを輩出している。

祝辞は日本商工会議所会頭の岡村正さん。
東芝相談役。
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そして乾杯の音頭は、
キッコーマン名誉会長の茂木友三郎さん。
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昔の財界賞は重厚長大産業が主流だった。
しかし村田さんの時代になって、
軽薄短小産業や小売り・サービス産業の経営に、
多くの賞が贈られるようになってきた。

当然のことではあるが、
とてもいい方向にある。

平和堂、ミキハウス、
ユニ・チャーム、YKK。

経営者が代表して賞をもらったが、
これは全従業員の名誉ある受賞だと思う。

そのことを私は強調しておきたい。

日本の平和堂の皆さん、
中国の平和堂の皆さん、
心よりおめでとう。

〈結城義晴〉

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