結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年01月24日(木曜日)

「吉野家の迷い」と新春全国セルコトップ会の強み

サトー八チローの詩「寒椿」。

寒い朝でも 寒椿
きりきりしゃんと ひらいてる
ながめていると 手をたたき
こっちのキモチも しゃんとする

寒い朝なら 寒椿
きりきりしゃんと ひらいてる
庭下駄はいて そばへ行き
何かを話して みたりする

    〈『抒情詩集』(サンリオ出版)より〉

明日からまた、寒波来襲。
しかし、大寒のその寒さを、
八チローのように楽しみたい。

日経新聞の連載『迫真プライスウオーズ』。
3回目の今日は、
「王者陥落 吉野家の迷い」。

すかいらーく創業一族の横川竟さんが、
吉野家ホールディングス会長の安部修仁さんに語りかける。
「500円の和牛牛丼でも出してみたら」

安部さんの返答。
「いや、今はもっと安値の方が必要かもしれない」

日本マクドナルド、サイゼリヤ、吉野家、
価格競争力のある外食チェーンが、
軒並み既存店マイナス。

記事は指摘する。
「もはや安ければ売れる時代でもない」

吉野家は「やすい、はやい、うまい」で先行。
しかし近年、価格設定に苦しむ。

2001年、400円の牛丼を280円に「価格破壊」。
「デフレの勝ち組」として安部さんは、
ファーストリテイリングの柳井正さんと並んで、
『日経ビジネス』の表紙を飾った。

ところが、2003年、米国でBSE発生。
米国産牛肉の現地調達がかなわなくなった。

艱難辛苦、新製品開発で乗り切るかと見えたが
オージービーフで割り切ったすき家に
間隙を突かれた。

昨2012年秋、「480円の牛焼肉丼の発表会」。
「価値追求」という一つの方向性が示されたかに見えたが、
既存店売上高は上がらない。
吉野家HDの2012年度第3四半期までの決算は最終赤字。

安部さんは、悩む。
「コストは上がるが、
消費者の節約志向は続く。
難しい」

一方、このブログでも紹介したが、
2012年10月、新フォーマットを実験。
「築地吉野家 極」。
業界最安値の250円牛丼店。

記事は、評する。
「価値追求を続ける一方で
安さにもこだわりたいとの安部の強い思いと同時に、
価格への迷いを浮き彫りにした」。

しかし私は違う見立て。

マルチフォーマット戦略として、
吉野家と極の二本立て作戦。

迷う必要はない。

記事は続ける。
「ポストデフレ時代をにらみ、
価格の設定が一段と難しくなることを
誰よりも安部が承知している」

価格設定はいつも難しい。

しかし、
「わかりやすくて、安い」
これが一番いい。

安部さんは、自信を取り戻しさえすればいい。
経営から離れた横川さんに対して、
「和牛牛丼はもう実験済みです」
このくらい言い切ってよい。

どんな価格設定が正しいのか。
そんなことは誰もわかりはしない。
まして他人にはわかるはずもない。

この『迫真プライスウオーズ』の第1回は一昨日。
「PB覇権 哲学の衝突」のタイトルだった。

イオンの岡田元也社長
「なぜ企業規模を拡大するのか?
価格決定権をメーカーから奪うためだ」

セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文会長。
「中内さんは大量生産時代の価格破壊。
質も高いセブンこそが現代の価格破壊だよ」

編集委員の中村直文さんは結論づける。
「価格への考え方は相反するが、
セブンとイオンが掲げる大義は
同じく消費者の支持。
消費が弱含む中、メーカーや卸は
小売り2強のはざまで揺れ動く」

私はこのあたり明快にしている。
コモディティはディスカウント。
ノンコモディティはそれぞれの値ごろ。

イオンはコモディティ重点型、
セブンはノンコモディティ重点型。

重点型といっても、
コモディティ一色でも、
ノンコモディティ一色でもない。

そのマーチャンダイジングミックスの按配の中身が異なる。

発言が反対でも、
それはポリシーの違い、
ビジョンの差異。

ピーター・ドラッカーは、
事業の定義として、三つの要素を挙げている。
第一は、組織を取り巻く環境。
第二は、組織の使命すなわち目的。
第三は、使命を達成するために必要な強みについての前提

取り巻く環境は同じでも、
使命や目的は異なる。
強みに関しては、同じはずはない。

イオンの使命と目的と強み、
セブン&アイの使命と目的と強み、
吉野家の使命と目的と強み、
ゼンショーの使命と目的と強み。

それぞれ違って当たり前。

自分の使命と目的と強みに自信を無くしたとき、
「価格設定の迷い」が生まれる。

ならば、自分の使命と目的と強みに、
戻ればいい。

そうすれば、自信は湧き上がってくる。

さて、昨日は午後、
2013年新春全国セルコグループトップ会
場所は新横浜国際ホテル。
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特別講演会と懇親会の2部構成。

講演は岸博幸さん
慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。
テーマは「日本経済のゆくえ」
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通産省(現・経産省)官僚出身で、
第一次小泉内閣では竹中平蔵氏の大臣補佐官として活躍。
歯に衣着せぬ霞が関批判もあり、
政治経済についてメディアでもひっぱりだこ。

そこで、会場はご覧とおりの満席。
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アベノミクスの三本の矢の評価と課題、
日本経済の本質的な問題点などを、
90分、語ってくれた。
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「日本経済の強みは現場の力」と言い切る。

「民間の力、地方の力は強いが、
政治も行政もエリートの力は弱い。

現場は頑張っているにもかかわらず、
企業が減速するのは経営ミスによるもの。

日本の開発力、海外展開は、
グローバル化、デジタル化に対応できていない」

iPhone、AKB48、宮城県女川町の復興取り組みなど、
わかりやすい事例と語り口で面白かったと好評。

第二部は懇親会。
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理事長、副理事長が入口で出迎え。
私はごあいさつをしながら、ここからの参加。
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初めに佐伯行彦さんのあいさつ。
協同組合セルコチェーン理事長。
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昨年設立50周年を迎えたセルコチェーン。
力強く「戦う集団」を宣言。
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これがセルコグループの強み。

そして来賓あいさつ。
はじめに経済産業省中小企業庁から安久惠さん
経営支援部商業課長補佐。
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農林水産省食料産業局は池渕雅和さん
食品小売サービス課長。
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㈱商工組合中央金庫東京支店長の中川祐一さん
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そして卸のトップの皆さんが、
次々に登壇して、3分間スピーチ。
お名前の50音順で話されるが、
これは意外に大変。

三菱食品㈱社長の井上彪さん
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国分㈱会長兼社長の國分勘兵衛さん
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㈱日本アクセス社長の田中茂治さん
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三井食品㈱社長の長原光男さん
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伊藤忠食品㈱副社長の星秀一さん
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さすがにトップの皆さん。
メッセージはそれぞれの視点、
巧みな話術で会場を沸かせた。

これも恒例となったセルコチェーン役員の紹介。
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一人ひとり紹介される役員の皆さんを確認する会場の参加者。
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乾杯の音頭は、
セルコチェーン理事相談役の平富郎さん
㈱エコス会長。
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「競争に参加できないものはさっさと退場しなさい」。
「競争は経営者を磨く砥石」という平さんならではの物言い。
歯切れのいい平節(たいらぶし)、とてもよかった。

そしていよいよ懇親。
会場は懇親、名刺交換と大にぎわい。
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久々にお会いしたセルコチェーン副理事長の川崎博道さん
㈱サンシャインチェーン本部社長
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商人舎は一昨年、昨年とアメリカ視察ツアーをコーディネートした。
サンシャインチェーン、阪食、ハローデイ、エブリイの4社が、
ともにサービス&クォリティ型のスーパーマーケットを志向し、
勉強会を重ね、協業している。

その一環としてのアメリカ視察。
川崎さんをはじめ各社のトップ4人は第1回に参加。
「業態からフォーマットへの時代」を私は強調した。

それから改善、改革を進め、
「店が変わってきた、良くなってきた」との報告。
私も本当にうれしい。

30年来懇意にしているという宮本洋一さんをはさんで、
川崎さんと三人で写真。
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宮本さんは、ブルーチップ㈱社長。
後ろで顔をのぞかせているのは、
ブルーチップ営業統括部長の鍋島丈夫さん。

奥州市のケー・マート社長の千葉喜夫さん
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今年もよろしく。

全日本食品㈱社長の齋藤充弘さん(右)と、
三菱食品㈱相談役の後藤雅治さん

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日本スーパーマーケット協会会長の川野幸夫さん。
㈱ヤオコー会長

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國分勘兵衛さんとは、
インフレターゲットの2%について、
意見交換。
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㈱たいらや社長の村上篤三郎さん(中)。
商業経営問題研究会(RMLC)のコアメンバーのお1人。20130124165422.jpg
ブルーチップ宮本さんとともに、
昨年の商人舎忘年会の話で盛り上がった。

㈱エコス社長の平邦雄さん
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私の大学のかわいい後輩。

㈱ライフコーポレーション専務の並木利昭さん
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押しも押されもせぬ専務取締役。
並木さんが初めて取締役に昇格したときの4人のお祝いの会の話をした。
メンバーは元『販売革新』編集長の伊東清さん、
現ストア・ジャパン社長の和田國男さんだったか。

副理事長の桑原孝正さん。
㈱セルバ社長

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㈱さえきホールディングスとの経営統合を発表したが、
私はその決断を高く評価している。

副理事長の井原實さん。
㈱日本セルコ社長、㈱与野フードセンター社長

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こちらは㈱商業界OB会。
㈱バリュークリエイター編集主幹の緒方知行さん(左)、
商人舎エグゼクティブ・プロデューサー、アドパイン代表の松井康彦さん(中)。20130124182735.jpg
最近痩せてきたらしい緒方さんを2人で心配。

そして最後は、もちろん平富郎さんとにっこり。
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3月に平さんご夫妻とゴルフをすることになった。
3年前には一緒に富士登山を敢行。
今年はゴルフ。
互いに山登りは少し控えましょう。

中締めは井原實副理事長。
さえきセルバホールディングスの話題をまじえながらの三本締め。
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和やかなとてもいい新年会だった。

その各協会、団体の新年会行事も、
そろそろ終盤戦。

なんというか、全体に、
明るい雰囲気が横溢としている。
アベノミクスの効用。

しかしみな、それを、
心から信じているわけでもない。
どこかに不安感を抱えている。

講師の岸さんが指摘した「日本の強みは現場力」

私もまったく同感。

自分だけの使命と目的と強みを知るところから、
私たちの復活が始まる。

そのためには、
大寒の寒椿ではないが、
きりきりしゃんと、
していればいい。

〈結城義晴〉

 

 

2013年01月23日(水曜日)

2012年業態別年間販売額と「競争に参画すること・軽蔑されること」

私にとってはうれしいニュース。
「東急・メトロの池袋―横浜直通」
日経新聞の記事。

私の家は東急・妙蓮寺駅、
商人舎オフィスは横浜駅、
一方、立教大学は池袋駅。

それが一本でつながる。

スタートは 今年3月16日。
あと2カ月。

東京急行電鉄東横線と、
東京メトロ副都心線が、
相互直通運転を始める。

結果として、
池袋⇔横浜が最速38分で結ばれる。
便利になった。

それも、日中15分間隔で運転。

直通運転の区間は、
元町・中華街―森林公園(88.6km)と
元町・中華街―飯能(80.5km)。

相互直通運転による主な駅の所要時間は、
横浜⇔新宿三丁目が32分、
武蔵小杉⇔池袋が25分、
自由が丘⇔川越が1時間。
ヤオコー本部とも近くなります。

もちろん、現在の私は、
商人舎の横浜から立教大学の池袋までは、
JR東日本・湘南新宿ラインを使っている。

従って湘南ラインと東急・メトロの競合になる。
それは二つの選択肢ができて、
顧客としての結城義晴にはすこぶる便利。

何ごとも、競争が発生すると、
顧客にはありがたいことが起こる。

結城義晴著『メッセージ』より、
「競争はあなたの仕事です」

初めに、こう呼びかける。
あなたは、競争が好きですか。
他者と競争することに、喜びを感じられますか。
競争そのものを楽しむことができますか。

最後は、「競争はあなたの仕事です」

なぜか。
顧客が喜ぶから。

さて日経新聞『企業総合』欄に、
「セブンイレブン、全1万5000店にカフェ導入」

名称は「セブンカフェ」。
今夏までに、全店のレジカウンターに専用マシンを設置。
ホットコーヒーとアイスコーヒー。
ともにレギュラーサイズ(150ml)は100円、
ラージサイズは容量が異なるから値段を変える。
ホッ ト(235ml)が150円、アイス(270ml)は180円。

1杯ずつ豆をひいてドリップする。
香りや風味が引き立つブレンドコーヒー。

レジで料金を支払ってカップを受け取り、
マシンのボタンを押して、
顧客自らコーヒーを入れるセルフ式。

競争相手も同じ売り方をしている。
ファミリーマートは180ml150円、
サークルKサンクスは150ml130~180円。

セブン-イレブンの100円は、
わかりやすくて、安い。

新型マシンの導入店では、
1店当たり平均60杯の販売計画。
そうすると、サンドイッチは導入前より2割、
デザート類は3割、
売上げが増加する。

セブン-イレブンはまず、
札幌や北海道で実験をする。
今回も道内の店で実験をして、
来店客数4~5%増。

このセブン-イレブンの100円コーヒーに対して、
日経新聞の『マック原田の反省』の連載。

「おかしい。顧客が戻らない」。2012年夏、
日本マクドナルドホールディングス会長兼社長の原田泳幸。
手元に上がってくる販売実績に首をひねった。
「もはや100円メニューにお得感はない。
新たなバリューの提供が必要だ」

そこで原田さん、
「マクドナルドから助っ人を呼んだ。
店舗オペレーション歴37年のベテラン米国人と
マーケティングのプロのオーストラリア人女性だ」

「日本人社員とともにプロジェクトチームを作り、
新たな成長戦略を作り上げた」

「内容は60秒無料サービス、
リピーター率が80%を超える定番品『ビッグマック』の活性化、
朝食メニューの強化など」

今年2013年1月。
「新戦略が動き出した」
「注文から60秒以内で商品を提供できない場合、
ハンバーガーの無料券を渡すキャンペーン」

週刊誌やネットでこれが紹介され、
批判もされた。

しかし「話題性と出来たて商品」が、
「マクドナルドの価値」として、
それを訴えつづける。

ビッグマックの新たな販促の切り札も「無料」。
首都圏に大雪が降った1月14日の成人式。
新成人に単価290~340円の25万食のビッグマックを無料配布。
122万人の今年の新成人の2割超。

しかし店長らのコメント。
「人通りが減っている」
「夕食時間の落ち込みが激しい」

「市場は想像以上に悪い。
デフレ脱却の流れもあれば、消費増税もある。
お得と感じてもらえる価格を早く導き出さないと」

記事は「原田の模索は続く」と続く。

しかしこの無料作戦。
残念ながら、私は全面否定。

先の「競争はあなたの仕事です」のなかで、
私はこう書いている。

「ただし、気をつけねばならないことが二つあります。
第一は、競争をするといっても、お客たちから、
軽蔑されるようなものは避けなければならない、
絶対にやってはいけない、ということです

「商売のルールを守る。
相手方を尊重する。
お客から尊敬される

「第二のポイントは、
『差異性』を生み出す競争であることです」

無料、タダは、誰でもやれること。
それは競争の根本的な対策とはいえない。

原田泳幸の悩みは解決しないどころか、
セブン-イレブンが100円コーヒーで、
本格的に挑んでくる。

さて、今日の本論。
昨2012年の業態別販売統計。

まずは「全国百貨店売上高概況」
日本百貨店協会から先週17日発表。
調査対象は全国の百貨店86社、計249店舗。

12月の総売上高は7165億8581万円。
対前年比はマイナス1.3%。

衣料品は2062億8242万円でマイナス1.8%。
紳士服、婦人服、子ども服、すべてが振るわず。

家庭用品は314億2363万円、マイナス3.7%。
家庭用品はこれで8カ月連続のマイナス。

食料品は2609億0377万円でマイナス2.1%。
国政選挙の影響によるお歳暮商戦の不振が要因。

逆に今月も好調なのは、身のまわり品や化粧品、宝飾品。
身のまわり品は2062億8242万円でプラス0.8%。
化粧品が340億1975万円で、プラス1.7%、
そして美術・宝飾・貴金属が323億7633万円、プラス0.7%。

2012年度の売上高速報も発表されている。
年間総売上高は6兆1453億1796万円。
前年比はプラス0.3。

その要因として考えられるものは3つ。
震災の反動による大幅プラス、
本物志向、こだわり消費などの消費マインドの変化、
そして店舗の増床や改装。

16年ぶりに前年を上回る結果となった。

次に、コンビニエンスストア統計調査月報
21日に日本フランチャイズチェーン協会から発表。
調査対象は正会員のコンビニエンスストア本部10社。
ココストア、サークルKサンクス、スリーエフ、
セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、
デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、
ミニストップとローソン。

12月の既存店売上高は、
7248億7400万円。
前年同月比はマイナス2.0%。
客数はマイナス1.6%、
平均客単価もマイナス0.4%。

既存店ベースでは売上高、客数、平均客単価ともに、
7カ月連続でマイナス。

ただし、全店ベースでは、
いずれもプラスとなっている。

12月の低温傾向や降雨量の影響、
たばこの売上げ減少で、前年割れだった。

その中で、おでんや肉まんなどのカウンター商材は好調。
寒さが味方してくれた。

年間売上高は全店ベースで、
9兆0264億円。
前年比を4.4%上回った。
コンビニ各社の出店攻勢が功を奏した結果。

百貨店とは3兆円の差が出た。

さらにコンビニは大手10社だけでなく、
各地にローカルチェーンやインディペンデントが展開しているから、
コンビニ業界全体では、どうだろう10兆円は超えているだろうか。

商業統計が経済統計として、
工業統計などと統合される。

早くそのあたりを知りたいところだ。

ちなみに2012年には、
コンビニ10社で2508店舗がオープン。
総店舗数は4万6905店で、
前年比プラス5.6%。

チェーンストア販売統計月報。
日本チェーンストア協会から22日に発表。
このデータでは主に総合スーパーの動向を読み取ることができる。
売上げの半分くらいが総合スーパーのものだからだ。

調査対象は57社、7895店舗。
大手総合スーパー、スーパーマーケット、
ホームセンター、ニトリ、ダイソーなどが名を連ねる。

総販売額は1兆2662億4369万円で、
既存店前年同月比はマイナス1.5%。

部門別の概況は、
食料品が7601億8357万円、マイナス1.1%、
住関品が2763億7325万円、マイナス2.0%、
サービスが44億2481万円、マイナス0.7%。

衣料品の売れ行きが特に不調で、
1391億2343万円の前年同月マイナス5.7%。
先月好調だった(プラス5.2%)反動で、
今月の動きは鈍かった。

さて、チェーンストアの年間販売動向。
総販売額は12兆5340億4600万円。
対前年比は全店でマイナス1.3%
既存店でマイナス1.9%となった。

最後にスーパーマーケット販売統計調査。
昨日22日、スーパーマーケット3協会から発表。
調査対象は310社、7358店舗。
総売上高が9435億6651万円、
既存店前年同月比はマイナス1.3%。

食品の合計は8128億7566万円で、
マイナス1.2%

生鮮3部門の合計は3051億6995万円で、
マイナス1.0%

その内訳。
青果が1133億9421万円、プラス0.8%、
水産が941億4276万円、マイナス3.1%、
畜産が976億3298万円で、マイナス0.8%。

惣菜は848億4015万円、マイナス1.3%。
日配が1676億2717万円、マイナス0.9%。
一般食品が2552億3839万円、マイナス1.6%。

非食品は870億0523万円、マイナス2.8%で、
その他が436億8563万円のマイナス1.8%。

青果が高値で、この部門だけプラスだった。

「インフレターゲット2%」が喧伝されているが、
それが実現すると、店頭では、
高騰した12月の青果部門プラス0.8%以上の価格イメージとなる。

インフレを呼び起こすことが国是のようになっているが、
これは国民の生活を脅かす。
そのことを、商人として、
いつも忘れてはならない。

今月の発表担当はオール日本スーパーマーケット協会(AJS)。
年頭ということで荒井伸也会長と松本光雄専務理事が発表。
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まず、松本専務理事が統計概況を発表。
「12月は11月を上回る数字だったが、
相場高だった青果以外がすべて、前年割れ」

「2012年の年間売上高は、
9兆6405億8528万円。
全店では前年比プラス1.0%」

「全店ベースではどの部門もプラスだが、
水産はやはり厳しく、マイナス0.1%。
エリア別にみると、首都圏と東海エリアが
全店でも前年割れをしている。
まだまだ2011年3月の震災の影響が残っているのだろう」
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「クリスマス・年末商戦は、
購買行動が縮小傾向にある中で、
12月上中旬から積極的に
販促策を仕掛けた企業は好調だった」

結城義晴言うところの「早仕掛け」作戦は功を奏した。

「今年のクリスマス・イブは祝日だったため、
ファミリー向けの商材は好調。
パティシエとコラボレーションしたケーキや、
ビュッシュド・ノエル、小型のケーキなどの
動きは良かった。
ただし、全体的に見ると、
前年並みか若干下回る商況だった」

「年末は30日に雨が降ったことが影響し、
前年比90%前後の店が多数」

「AJSの数値だが、
12月25日~31日の1週間は平均96.5%だった。
お正月商材は小型化、少量パックが好調。
逆に刺身盛り合わせ、オードブル、お節セットなどの
大型パックは不振だった」

「各社、同じ内容を仕掛けても、
結果が出たところと、出なかったところ、両方あった。
理由は明確にはわからないが、
自社の強みを活かした企業が総じて良かったのだろう」

これも結城義晴のポジショニング戦略。

次に荒井伸也会長の発言。
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「オール日本スーパーマーケット協会は
協会というよりも、“教”会である。
基本的にはメンバーの教育に重点を置き、
“知恵の共同仕入れ”を目的としている。
よって、他のスーパーマーケット協会とは、
性格が違うということをまずいっておきたい」

「生活良好(くらしりょうこう)というプライベートブランドをつくっている。
AJSは商品を共同開発するために集まった団体ではなく、
協会全体の売上高を上げようという考えにはない。
個人的な見解だが、
PBの比率は10%くらいで、NBも必要。
PB比率を増やすのが大事なのではなく、
消費者が求める品揃えにすることが重要なのだ」

「昨年はAJSに台湾の全聯実業が加入した。
初の海外会員。
台湾で初めて、
生鮮に強い食品店をやろうという考え方をもっている企業。
AJSからは生活良好の商品を提供していくことで、
相互関係が強くなっていくだろう」

スーパーマーケットの今後はどうなっていくか。
「少子高齢化が進む中で、
高齢化した人がどれだけ内食を自分でつくるのかわからない。
これまでは車での来店に対応した店舗づくりをしてきたが、
高齢者や若者の車離れで、商圏は小さくなり、
買い物の行動半径が小さくなるだろう」

今後どういう形のスーパーマーケットが求められるのか。
「各社が試行錯誤していく中で、新しい方法が出てくるだろう」

ここにAJSの“知恵の共同仕入れ”が活かされるし、
この「新しい方法」こそ結城義晴のフォーマット論。

 

各協会の2012年データを順に並べると、
チェーストアが12兆5340億4600万円。
スーパーマーケットが9兆6405億8528万円。
コンビニが9兆0264億円。
百貨店が6兆1453億1796万円。

スーパーマーケットは、
3協会トータルで310社、9兆6406億円。
コンビニ10社を8000億円上回り、
チェーンストア協会57社より3兆円下回る。
百貨店は86社で業態別にみると一番小さい。
ただし統計の精度は百貨店が一番高い。

1社1チェーン当たりの年商。
コンビニは1チェーン平均9026億円。
チェーンストア協会は1社2205億円。
百貨店は1社当たり715億円。
そしてスーパーマーケットは、311億円。

日本チェーンストア協会からは、
業態別の年商を提出してもらいたいところだ。

そうすれば何よりも総合スーパーの全体像がはっきりする。
スーパーマーケット、ホームセンター、ドラッグストアなどは、
それぞれに協会がある。

ちなみに日本の食品スーパーマーケットは、
年間販売額20兆円くらいになると思う。

だから3協会統計でも全体の半分以下ということか。
組織率の問題はまだ道半ば。

こういった小売業態間の競争が激化していると同時に、
外食・中食・内食間の競争が展開されている。

セブン-イレブンの「100円コーヒー」と、
マクドナルドの「100円メニューにお買い得感はない」。

業態間の競争を、
顧客は面白がって見ている。

軽蔑される者は、
マーケットの中で縮んでいく。

〈結城義晴〉

 

2013年01月22日(火曜日)

政府日銀「2%物価上昇目標」共同声明とクレハ&立教での講演講義

政府・日銀が連携強化して、
「2%の物価上昇率目標」共同声明。

麻生太郎副総理・財務・金融相、
甘利明経済財政・再生相、
そして白川方明日本銀行総裁が、
今日、共同声明を安倍晋三首相に報告。

甘利再生相は「これだけ明確にコミットしたことはない」。
白川総裁は2%を「できるだけ早期に実現したい」。

いよいよ、動き出す。
これまでは為替と株価。
これからは需要と消費。

そうなれば小売りサービス業の出番。

日々、店を開け、働き続け、
お客様を喜ばせている商人たちこそ、
日本経済の主役の一員である。

「小売サービス業が、
現場で需要を創り出さない限り、
日本経済の復活はない」

ただし、万が一にも行き過ぎたインフレには、
気を付けておかねばならない。
「インフレは歯磨きのチューブのごとし。
出し過ぎると戻しにくい」

さて昨日の月曜日から、
恒例のペガサスクラブ政策セミナー。
東京・目白の椿山荘。
ペガサス政策セミナー_201301_02
壇上に渥美俊一先生の姿がないのが、
ひどく寂しい。

桜井多恵子さんが主となって、
2日間の講義。
ペガサス政策セミナー_201301_05

参加は450名を超える。
まだまだすごいセミナーだ。
ペガサス政策セミナー_201301_06

私は昨日、東京・品川の御殿山ガーデン。
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だからペガサスクラブには参加できず。

㈱クレハの商品説明会。
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はじめに小林豊表取締役社長のご挨拶。
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それから「NEWクレラップ キチントさん」の販売方針説明。
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佐川正取締役常務執行役員のプレゼンは、
実に的確で論理的、ちょっと驚かされた。
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その後が、私の記念講演。
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低価格消耗戦が展開されている。
しかしディスカウントの効果は限定的。
商品面ではコモディティ化現象が蔓延する。
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そのなかで、いかに脱コモディティ化を図るか、
そのための三つの方策。
そして経験価値マーケティングとは、
どんなことか。

2013年から14年の商品政策と価格政策は、
どこに機軸を置いたらいいのか。

1時間10分という短い時間でもあったので、
最初からテンションを高めて、
一気に語りきった。

ご清聴に感謝したい。

講演会のあとは、すぐに懇親会。
小林社長、佐川常務と写真。
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中座して、池袋へ。
立教大学大学院サービスマーケティングの最終講義。
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とは言っても、ゲスト講師をお招きしている。
元巣鴨信用金庫常務理事の田中実さん。

1月7日に講義していただく予定だったが、
ちょっとした行き違いがあって、
最終講義の日となってしまった。
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田中さんは、現在、
CS・ホスピタリティ実践研究所代表であり、
㈱国際ホスピタリティ研究センター研究ディレクター。

毎月2~3回講演の依頼があって、
あちこち飛び回って活躍中。

ほぼ毎日、ブログを書いていて、大好評。
「ホスピタリティおやじの独り言」
商人舎ホームページの「知識商人の輪」にも、
新しい順に4番目の位置にリンクさせてもらっている。

2時間ほど、丁寧に、
ホスピタリティの真髄を語ってもらった。
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テーマは、
「サービスからホスピタリティへ」
日本経済の復活も、
ここにかかっている。

政府と日銀だけで動かせるものではない。
1店1店の店舗、一人ひとりの商人が、
ホスピタリティを発揮して、
顧客を喜ばせ、懐を開かせて、
お金を社会の中に循環させることが、
日本経済を活性化させる。

最後に、私も入って、質疑応答。
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積極的に質問が出て、
良い講義だった。

田中さんに心から感謝。
来年もよろしくお願いします。

最終講義だったが、
これで終わってはいけない。

来週火曜日に補講をやります。
18時30分から、立教池袋キャンパス、
14号館D602号教室。
結城義晴独演会。
当然のことですが。

履修生以外にも聴講者が名乗り出ています。
補講なので、特別に学外からの参加も認めましょう。
おいでください。

頭部の帯状疱疹は一進一退。
でも講演や講義があると、
元気がでてくる。

多くの方から、
「自愛せよ、養生せよ」と、
声援をいただく。

ありがたいことだ。

しかし私は仕事をしていると、
元気を取り戻すことができる。

石川県の東京ストアーも、
現場が元気だという。

仕事をして、お客様を迎えていれば、
みんな元気になる。

「今日も一日、優しく、強く」
ありがとう。

〈結城義晴〉

2013年01月21日(月曜日)

「朝に昼に夕に、今日も一日、優しく強く」で寒中お見舞い申し上げる

Everybody! Good Monday!
[2013 vol4]

2013年もはや第4週。

糸ほどの絆となりし賀状かな

〈朝日俳壇 いわき市・坂本玄々〉

年賀状のお年玉商品当選番号が、
昨日、発表された。

今年も多くの賀状をいただいた。
心から感謝したい。

年賀状のお返しは、
寒中見舞い。

松が明けるのは1月7日。
その翌日の1月8日から、
立春の2月4日の前までに出す。

昨日は二十四節気の「大寒」。
暦の上では「一年で一番寒いとき」

『暦便覧』ではこう説明されている。
「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」

大寒のじっとしてゐるほかはなし
〈日経俳壇 静岡・植田克己〉

大寒の日から節分までの15日間そのものも、
「大寒」という。

そして節分の2月3日の翌日が「立春」。
大寒までの冬と立春からの春を分けるから、
「季節を分ける『節分』」という。

いちばん寒い時期を、楽しみたい。
こころ豊かに暮らしたい。
自分らしく生きたい。

その人の如く手袋ありにけり
〈朝日俳壇 今治市・横田青天子〉

今週は「節分」に向けた販促一色。
しかしその背景に「大寒」のコンセプトが流れている。

「インテリジェンスとは
行動のための情報である」

ハーバード大学国際問題研究所初代所長のロバート・ボウイ、
『インテリジェンスとは何か』についての明言。

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授の沖本美幸先生が、
facebookで紹介している。
「行動に役立たない情報は、Informationであり、
その情報がintelligenceになるためには、
行動に役立つことが必要です」
沖本先生は立教教授として、私の唯一の同期の桜。
俯瞰工学を研究している。

「節分」「大寒」から、恵方巻きまで、
インフォメーションをインテリジェンスにして、
現場で展開しなければいけない。

かつて、節分に向けた時期の中心は、
節分のひなあられや千歳あめ、ちらし寿司だったが、
現在は恵方巻きが主役。

状況は変わった。
それをいかに行動に役立てるか。
これから楽しみなシーンが、
展開されることになる。

しまったといふ目のままや金目鯛
〈朝日俳壇 シンガポール・永井恵美子〉

さすが朝日新聞の俳壇。
おもしろい。

俳句には季語がある。
金目鯛の漁期は12月から3月だから、
今が旬。

冬の旬の食べものも、
楽しみたい。

缶詰の消費期限の日の空は
晴れか曇りか日本はあるか

〈日経歌壇 盛岡・藤原建一〉

今の時期、消費期限のチェックもしておきたい。

さて、先週土曜日のブログに少なからずの反響があった。
「東京ストアー民事再生法適用申請」

トップから直接メールも入った。
実に真摯で謙虚なコメントだった。

私は、返信した。
「最悪を覚悟して、最善を尽くす」
いまは、そんな心境に違いない。

「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」

(新約聖書・ローマ人への手紙より)

東京ストアーのトップ、幹部、社員、従業員。
みな、いまは艱難と忍耐のなかにあるに違いない。
しかしそれが練られた品性としての練達を生み出す。
そして艱難、忍耐、練達から生まれた希望は、
絶対に失望に終わることがない。

石川県のスーパーマーケット業界で、
地元資本の企業は、
マルエーに次いで東京ストアー。

地元顧客からの支援は熱いはずだ。

まだまだ民事再生法で、
再建、再興を目指す。
私は、昨年と今年の商人舎標語を、
東京ストアーに捧げた。

昨年は、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」
そして今年は、
「今日も一日、優しく、強く」

この二つの標語は対になっている。
だから、こう使う。

「朝に希望、今日も一日、優しく、強く」

「昼に努力、今日も一日、優しく、強く」

「夕に感謝、今日も一日、優しく、強く」

私は還暦を超えて、最近、
帯状疱疹にかかってしまった。
これは60代が一番多くかかる病気で、
水疱瘡のウィルス菌が再発する。

「体を温めてください」と、
お喋りで親切な女医に言われた。

そこで晩はもちろん、
朝にも湯につかる。

そこで朝湯のときには、
標語を声に出して言う。
「朝に希望、今日も一日、優しく、強く」

夜、湯船でくつろぐときにも、
標語を声に出して言う。
「夕に感謝、今日も一日、優しく、強く」

日中は、ランチの後につぶやく。
「昼に努力、今日も一日、優しく、強く」

このくりかえし、
繰り返し。

力が湧いてくる。
元気がでてくる。
前向きになる。

試してください。

寒中 お見舞い申し上げます。

では皆さん、今週も。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2013年01月20日(日曜日)

ジジと大寒[日曜版2013vol3]

ジジです。
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きょうは、大寒。

こよみのうえでは、
いちばん寒い日。
だから「おおきく、さむい」とかく。

でも、とっても、
あたたかい日曜日でした。
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成人の日の月曜日は、
あんなすごい雪だったのに。
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おうちも雪。
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ベランダも雪。
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ボクは、おうちのなかで、
ねむっていました。
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まだ雪がすこし、
のこっています。
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きれいです。

ほかのところにも、
雪がのこってる。

rikkyoにも。
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おうちのなかには、
シクラメン。
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こうして、すこしずつ、
春になっていくのでしょう。
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春がまちどおしい気がします。
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あたたかくて、あかるい春。
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ボクは、あたらしい器で、
おいしく食べています。
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とても気にいった。
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フェルメールのまえでは、
とくにおいしく感じられる。
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わかるでしょ?
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ユウキヨシハルのおとうさんは、
ちょっとビョーキ。
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タイジョー・ホーシンが、
あたまにできた。
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そしてズツー。

だからこんなに薬、
もらってきた。
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のむ薬とつける薬。
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のんで、つけて、
でかけていった。
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いそがしい。
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はやくかえって、
やすんでください。
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きょうは、大寒です。
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ほんとうは寒い日なんです。
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と、おもっていたら、
かえってきました。
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おかえりなさい。

ゆったり、ゆっくり、
おやすみしましょう。

〈『ジジの気分』(未刊だけれど、いつか写真集?)より〉

2013年01月19日(土曜日)

石川県の東京ストアー民事再生法申請、商人の本籍地と現住所

この1週間、頭痛がした。
よく見ると頭部に湿疹がある。
病院に行ったら、
帯状疱疹と診断され、
強力な薬を処方してくれた。

そのまま午後から立教大学。
結城ゼミの論文審査会発表練習。

論文の出来栄えはいいので、
私は安心しているが、
発表する当の本人たちは、
気が気でない。

終ったら、陽が暮れてしまったが、
池袋の立教キャンパスは、
雪が残って美しい。
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ゼミはホットだったが、
キャンパスはクール。
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伝統の第一食堂が輝いて見える。
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伝統といえば、
東京ストアーが、金沢地裁に、
民事再生法適用を申請した。
昨日、2013年1月18日のこと。

伝統のあるスーパーマーケットだ。
1959年(昭和34年)創業。

石川県金沢市発祥の企業だが、
「東京ストアー」というネーミング。

創業者の故箕田会長は、
気骨のある商人だった。
商業界同友会にも参加していた。

石川県のローカル・チェーンとして、
最大18店舗を展開。
2001年3月期決算では年商182億円。

昨2012年3月期には、
年商136億円で、2億5000万円弱の赤字。
負債総額は約55億円。

石川県内11店舗の営業は継続される。

2011年9月から中小企業金融円滑化法を利用、
金融機関に借入金の返済条件を変更してもらって、
その間に3店舗を営業譲渡。

しかしこういった時には、
条件のいい店しか売れない。

だから経営改善は、
なかなか進まない。

東京ストアーは、
オール日本スーパーマーケット協会に加盟しているが、
その機関誌の『AJSネットワーク』に、
毎月毎月、私はもう5年以上も連載原稿を書いている。

「スーパーマーケット応援団長の『辛口時評』」。
今週月曜日の成人の日に原稿を送って、
火曜日に校正をして、2月1日に発行される2月号。

連載第63回目のタイトルは、
「商人の本籍地と現住所」。

リード文は、こうなっている。
「中小企業金融円滑化法期限切れで、
倒産や企業統合が起こる。
その時の心構えは?」

「日本のスーパーマーケット業界に関して、
今年最大の出来事は、
企業統合や合併、買収だろうと思います。
そしてこれは経営者にとっても、
働く人たちにとっても、直接、
自分の人生に関わる問題となります」

ズバリ当たってしまった。

会社が倒産しても、
民事再生法や会社更生法を適用されても、
商人にはまだまだ十分に、
良い人生の可能性が残っている。

まず、このことを言いたい。
嘆き悲しんだり、諦めたりする必要は、
まったくない。

こんな時の考え方は、
「商人の本籍地と現住所」。

商人の本籍地は、初めて入った会社、
あるいは経営者として代々、受け継いできた会社。

商人の現住所は、
買収・合併されて移籍する会社。
あるいは退職して、転職する会社。

本籍地は変わっても、
現住所で精一杯生きる。

それが商人の本籍地と現住所。
日本人はだれもがそうして生きている。

本籍地で学んだこと、身に着けたことは、
何一つ無駄にはならない。
商人を止めてしまわない限り、
必ず現住所で活かされる。

東京ストアーは民事再生を申請して、
自力復活を意図する。

それが成就するのかどうかは分からないが、
精一杯、努力するしかない。

東京ストア-のホームページには、
代表取締役・箕田秀夫さんの名で、
「民事再生申し立てのお知らせ」が出ている。

「このような事態に至り、
お客様・お取引先の皆様を初めとする関係者の皆様に
ご迷惑・ご心配をお掛けすることとなりましたことにつき、
誠に申し訳なく、心からお詫び申し上げます。

ご高承のとおり、民事再生手続は
会社が再建していくための手続です。
従って、弊社の経営する各スーパーマーケット店舗は、
原則これまでどおり営業を継続いたします。

弊社としましては、皆様にお掛けするご迷惑を最小限に留めるべく、
事業再建に向けて最大限の努力をする所存でございますので、
誠に勝手ではございますが、今後ともご愛顧・ご高配賜りますよう、
よろしくお願い申し上げます」

このお詫びの文章は、いい。
箕田さん、頑張れ。
東京ストアーの皆さん、頑張れ。

いまこそ、真価が問われるときだ。

1997年9月に、
ヤオハンが破たんした時にも、
伊豆のお店にはお客さんがわんさか訪れて、
買い物してくれた。

私はこの目で目撃し、感動した。

これまでのことは、振り返るな。
明日だけを見つめて、
お客様と仲間とお取引先のことだけを考え、
行動せよ。

特にトップは、
自分のことは二の次、三の次、四の次、五の次、
最後にせよ。

それが責任を取るということだ。

そうすれば、むしろ、
堂々としていることができる。
凛としていることもできる。
真すぐ前を見詰めることができる。

会社を手放すことがあるかもしれない。
それでもお客様、従業員、お取引先のことを考えよ。

商人は顧客と共に生きる。
仲間と共に生きる。

会社と共に生きるのは、
第二次的な要件なのだ。

〈結城義晴〉

2013年01月18日(金曜日)

FORTUNE働きたい企業順位と日本チェーンストア協会賀詞交歓会

今朝の日経MJ『マーケティングスキル』欄に、
寄稿しました。
「顧客はいつも正しいのか」
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このブログの読者にはおなじみの話。
スチュー・レオナードとイータリー。
その「アワー・ポリシー」の差異。
これがマーケティング・スキルのベースとなる。

日経MJは流通サービス業界で圧倒的最大メディア。
月曜、水曜、金曜の週3回発刊。

早速、ユースキン製薬㈱社長の野渡和義さんから、
メールが入った。
「炯眼に脱帽」

野渡さんは、
私の中学高校の器械体操部の3年先輩。
先輩から褒められると、本当にうれしい。

ありがとうございました。

今日はそれ以外にもうれしいことがあった。
米国『FORTUNE』誌の「働きたい企業ランキング」
2013年版が発表された。

まず、ベスト10企業
1    Google, Inc.
2    SAS
3    CHG Healthcare Services
4    The Boston Consulting Group, Inc.
5    Wegmans Food Markets, Inc.
6    NetApp
7    Hilcorp Energy Company
8    Edward Jones
9    Ultimate Software
10    Camden Property Trust

ウェグマンズが第5位。
2005年に第1位のウェグマンズは、
その後、第2位、第3位、第4位ときて、
今年は第5位。

それでも、ウェグマンズの素晴らしさは、変わらない。

以下、小売業、サービス業だけピックアップ

16位に収納用品チェーンストアのコンテナストア、
17位にアウトドア用品小売業のREI。
16    The Container Store
17    Recreational Equipment, Inc. (REI)

靴のEコマースザッポスは31位。
31    Zappos.com

そしてサクラメントのナゲット・マーケットが37位。
12店舗のインディペンデント・スーパーマーケット。
37    Nugget Market, Inc.

紳士服チェーンのメンズウェアハウスは50位。
50    Men’s Wearhouse

ホテルのマリオットは64位、
外食のダーデン・レストランツが65位、
コンビニのクイック・トリップが66位と並ぶ。
64    Marriott International, Inc.
65    Darden Restaurants
66    QuikTrip

そしてホールフーズ・マーケットは、
今年、71位。
それでも昨年100億ドル突破。
71    Whole Foods Market

中古車販売小売業のカーマックスが74位。
74    CarMax

ちなみにビル・ゲイツのマイクロソフトは75位。
75    Microsoft Corporation

全米第3位のスーパーマーケットパブリックスは77位。
このランキングの常連。
77    Publix Super Markets

ビルダ・ベア・ワークショップは78位。
自分自身で作るクマなどのぬいぐるみ、
洋服、アクセサリー類の販売小売業。
78    Build-A-Bear Workshop

フォーシーズンズ・ホテルが83位。
83    Four Seasons Hotels & Resorts

そしてノードストロームは88位。
あの「伝説のサービス」の百貨店。
ノードストロームがここに位置づけられることで、
他の小売サービス業の価値は格段に高まる。
88    Nordstrom, Inc.

ちなみに、
コンサルティング・ファームのアクセンチュアは91位。
ゴールドマンサックスも93位で、
スターバックスが94位。
91    Accenture
93    Goldman Sachs Group, Inc.
94    Starbucks

カジュアル・ファッションのエアロ・ポステールが第97位。
97    Aéropostale, Inc.

小売業は13社、
外食が2社、ホテルが2社。

小売りサービス業が17%、
小売業だけなら13%。
スーパーマーケットは4社。
ウェグマンズ、
ナゲット・マーケット、
ホールフーズ、
パブリックス。

凄いことだ。

士農工商の序列らしきものは、
アメリカにもあったし、まだある。
しかしそれを覆す小売サービス業の、
努力・努力・努力。

カスタマー・サティスファクションと、
エンプロイー・サティスファクション。
その両立。

従業員満足があるからこそ、
米国小売サービス業の地位は高まった。

しかし常連だったスチュー・レオナードは、
残念ながら、昨年から姿を消した。

日経MJの記事でも、スチュー・レオナードは、
客数・客単価が下がってきたことを指摘した。
店を見ればそれが如実に表れているが、
このランキングにもそれが出てきている。

さて今日は夕方から、日比谷の帝国ホテルへ。
日本チェーンストア協会主催の新年賀詞交換会。
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会場の孔雀の間の金屏風には、
会長、副会長の皆さんが、
参列者をお出迎え。
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会長は㈱ライフコーポレーションの清水信次さん。

副会長は、あいうえお順で、
イオン㈱の岡田元也さん、
イズミヤ㈱林紀男さん、
㈱イトーヨーカ堂の亀井淳さん、
㈱カスミの小濵裕正さん、
サミット㈱の田尻一さん、
㈱ゼンショーホールディングスの小川賢太郎さん、
㈱ダイエーの桑原道夫さん、
㈱大創産業の矢野博丈さん、
㈱ニトリホールディングス似鳥昭雄さん、
㈱フジ尾﨑英雄さん、
㈱平和堂の夏原平和さん、
㈱丸井グループ青井浩さん、
㈱マルエツ髙橋惠三さん、
㈱ヤオコー川野幸夫さん、
そしてユニー㈱佐々木孝治さん。

ずらり並ぶと、まったく壮観。

次々に、会員、賛助会員、報道関係者が入場する。
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私も列に並んで、あいさつしながら入場。
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はじめに協会会長の清水信次さんの主催者あいさつ。
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清水さんは今年4月、87歳になるが、
まったくもってお元気。
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毎朝7時半に起床し、8時には出社。
月曜から土曜まで出勤する。
「今の日本には国家目的がない。
オリンピックを誘致するために、
全国民が燃えなければならない。
だから東京だけのオリンピックではだめ。
日本全体のオリンピックにすることだ。
みなさん、よろしく」
清水節、健在。
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ここから来賓あいさつが始まったが、
政権与党に返り咲いた自民党、公明党の面々が駆けつけた。

経済産業副大臣の菅原一秀さん。
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農林水産副大臣の加治屋義人さん。
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そして石破茂自民党幹事長。
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もともと話は理論的でうまいが、
笑顔が出るようになった。

公明党幹事長の井上義久さん。
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財務副大臣の小渕優子さん。
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乾杯のあいさつは、
キリン㈱社長の磯崎功典さん。
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1月1日に3社統合して、
キリン㈱となった。

そして懇親。
はじめに話し込んだのは、
㈱エコスの平富郎会長。
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昨日オープンした新店の売り上げ情報を、
携帯でダウンロードして見せてくれた。
予算の150%を達成して、いい出だし。
うれしそうだった。

奥様とご一緒のゴルフのお約束、
しました。

㈱ヤオコー会長の川野幸夫さん。
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「士農工商の序列がある。
それを結城さんと一緒に覆したい」
まったく同感です。

㈱大創産業社長の矢野博丈さんとは、
役員の皆さんが見守る中で、情報交換。
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そしておどけて記念ショット。
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そこに、㈱平和堂社長の夏原平和さん。
夏原さんは財界経営者賞を受賞したばかり。
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私からの祝福の言葉に、
本当にうれしそうだった。

㈱イトーヨーカ堂の亀井淳さん。
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蕎麦打ち名人。
一度食べてみたい。

㈱いなげや社長の遠藤正敏さん(中)と
㈱三浦屋社長でいなげや取締役の倉橋久和さん(右)。

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三浦屋はいなげやグループとなった。

㈱ライフコーポレーション社長の岩崎高治さん。
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最近、ライフの新店を見たばかり。
その話をしたら、すかさず「どこの店ですか?」
小売業の優れた経営者が必ず返す質問。
岩崎さんも完全に小売屋になった。
私はほんとうにうれしい。

第一屋製パン㈱の皆さんと。
私の隣は社長の細貝理栄さん。
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㈱伊藤園社長の本庄大介さん(右)と、
副社長の本庄周介さん(左)。
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私の隣は商人舎エグゼクティブ・プロデューサー松井康彦さん。
アドパイン代表。

日清オイリオグループ㈱専務の芋川文男さん(左)と、
東京支店次長の大場克仁さん(右)。
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三井物産㈱の皆さんと。
私の隣は食品流通部長の中山裕之さん。
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㈱商業界社長の中嶋正樹さん。
先輩の私と松井さんが両脇を固めて撮影。
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そして清水信次さん。
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東京オリンピックが誘致成功して開催される2020年まで、
健在でいてほしい。

最後は協会専務理事の井上淳さん。
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お疲れ様でした。

今日はいい1日だった。
今日も一日、優しく、強く。

それを貫くことができた。

そしてこれを貫いていけば、
日本のチェーンストアも小売業も、
アメリカのように、
働きたい企業ランキング上位社が、
続々出てくるに違いない。

〈結城義晴〉

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