結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年02月11日(火曜日)

建国記念の日の『古事記・この国のかたち』と景気ウォッチャー

「建国記念の日」の祝日。
2014年が始まって、
国民の祝日は3度目。

まず、元旦の1月1日、
次に成人の日の1月13日(第二月曜日)、
そして今日の建国記念の日。

次は3月21日の春分の日。

戦前は紀元節。
『日本書紀』が記す初代神武天皇即位の日。
1872年(明治5年)に制定された祝祭日。

しかし1948年(昭和23年)に廃止。

それから1966年(昭和41年)、
「建国記念の日」を定める祝日法改正案成立。
1967年から祝日となった。

紆余曲折したが、
諸外国の独立記念日のような意味合いで、
日本国の建国の日となった。

私はこのロマンティックな建国物語に、
日本国民として誇りを持っている。

昨日、安倍晋三首相がメッセージを発表。
「私たちの愛する国、日本を
より美しい、誇りある国にしていく責任を痛感し、
決意を新たにしている」

「先人の努力に深く敬意を表すとともに、
平和と繁栄をさらに発展させ、
次の世代も安心して暮らせるよう
引き継いでいくことは
われわれに課せられた責務」

国民に対しての呼びかけ。
「先人の努力に感謝し、
自信と誇りを持てる未来に向けて
日本の繁栄を希求する
機会となることを切に希望」

このメッセージそのものには、
文句のつけようがないが、
法律の条文のようで、
メッセージ性は弱い。

20140211194356.jpg
梅原猛著『古事記』(学研M文庫)には、
日本の建国が、
現代語訳で平易に語られている。
日本語の祖語とアイヌ語がよく似ていて、
それを駆使するとなんとか、
古事記を読み解くことができる。

梅原は古事記の編纂者・稗田阿礼を、
藤原不比等と推定し、
さらに『現古事記』のもととなった『原古事記』には、
高い文学的価値があり、
その編者のひとりが
柿本人麿であると推察する。

この二つの考察は、
凄い。

建国の神武天皇は、
神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと)と表現され、
東征して日本を治める。

神話の世界の話だが、
そのプロセスは面白い。

天皇は象徴という日本国憲法の考え方を、
私は支持するものだが、
建国に関連して、
『古事記』はついつい、
頁をめくってしまう本だ。

もうひとつ、建国記念の日に、
何度も手に取るのが、
司馬遼太郎『この国のかたち』(文藝春秋)。

第六巻まであるが、
四巻に正岡子規が出てきて、
松山の方言で語る。

「人間は最も少ない報酬で
最も多く働くほど
エライ人ぞな」

「一の報酬で十の働きをする人は
百の報酬で百の働きをする人より
エライのぞな」

日本中のパートタイマーは、
経営者より、
エライぞな。

「入の多寡は人の尊卑でない事くらゐ
わかつとろがな」

建国記念の日だからこそ、
子規の言葉を噛みしめながら、
過ごしたい。

だから今月の商人舎標語。
「チェッカーさんにサービスしよう!」

それにしてもソチ・オリンピック。
日本のメダルにだけ関心を持っていると、
いまのところ成果はない。

最悪を覚悟して最善を尽くす。
その心境。

しかし、冬季オリンピック選手たちは、
ほとんどが「少ない報酬で最も多く働く人たち」だ。
すべての選手を応援したい。

もちろん日本選手の活躍には、
おおいに期待したいけれど。

さて、日経新聞が報じた1月の調査二つ。

第1は、内閣府景気ウオッチャー調査。

一言でいえば、
「景気の見通しに陰り」

4月1日の消費増税がその前提になっている。

足元の景気の実感を示す現状判断指数は54.7。
前月比1.0ポイント低下。
3カ月ぶりに低下。

「増税前に耐久消費財などにお金が流れるため、
外食や旅行など一部業界で
買い控えを懸念する声が目立ってきた」。

2~3カ月後を占う先行き判断指数は49.0。
前月比5.7ポイント低下。
判断の分かれ目の50を1年2カ月ぶりに、
0.1ポイント下回った。

第2は、1月の消費動向調査。
消費者心理を示す消費者態度指数は40.5。
前月比0.8ポイントのマイナス。
2012年12月以来1年1カ月ぶりの低水準。

消費増税後の買い控えが予測される。

しかし両調査とも、
「雇用環境を示す項目」は良好。
採用枠や賃金の増加に期待がかかっている。

建国記念の日に、
ソチ・オリンピックと、
景気ウォッチャー&消費動向調査。

なんというか、
時の経過を考えてしまう。

そしてその中で、
自分の仕事に打ち込む。

「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」

倉本長治は言葉を残した。

言葉が受け継がれた。

稗田阿礼=藤原不比等も、
柿本人麿も、
言葉や歌を残した。

ああ。

私にとっても言葉こそ、
残さねばならないものだ。

〈結城義晴〉

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