結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年03月31日(月曜日)

セブン&アイ鈴木敏文さんの消費税後の読みとアークスのM&A

Everybody! Good Monday!
[2014vol13]

2014年第14週、
今日が最終日の3月31日、
あすから4月。

その第1週の販促企画は、
Weekly商人舎日替り連載。
「今週の販促企画」
丁寧に書かれている。

小売業では今日が、
2013年度最終日という企業も多い。

そして明日から、
消費税が8%に上がる。

日経新聞『総合・経済』欄。
鈴木敏文さんが登場。
セブン&アイ・ホールディングス会長。
聞き手は編集委員の田中陽さん。
実にいいタイミングで、
鈴木さんを引っ張り出す。
田中さんの腕の見せ所。

まず、1997年の第2回消費増税のこと。
「前回は2月ごろから
駆け込み需要が明らかにあったが、
今回3月中旬あたりから
目立つようになった」

「買い物に慎重になっているのではなく、
前回の経験による慣れだと思う」

私と商人舎が説いているのは、
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」。
今回の消費増税でもまさに、
際の勝負になったのだと思う。

「ファッション性の高い商品は
それほど動いていない。
価格でなく新しさで買うからだ」

「一方、著名な作家の絵画や工芸品は
前年の約5割増だ」

質問が面白い。
「駆け込みと増税後の買い控え。
どちらのほうが大きいと思いますか」

鈴木さん、答えて曰く。
「(駆け込みの)3月と(買い控えの)4月の
売上高を合わせて前年と比較すると
マイナスになるのではないだろうか。
商品によっても違ってくるが、
5月を含めても
前年を下回るかもしれない」

つまり増税後は、
消費が落ち込むとの読み。

そして景況感の見極めは、
「6月だ」。

このあたり、
鈴木さんの実証主義の真骨頂。
軽率に結論らしきものを明らかにしない。
仮説検証のうちの検証を大事にする。

「8%の消費税に慣れて
平時の消費活動に戻るのか、
それとも拒絶反応を起こして
生活防衛に走るのか」

それが6月には判明する。

価格競争に関する見解。
「4月以降は消費喚起のための
既存商品の価格競争が
起きるだろう」

鈴木さんでもそれを明言する。

「97年の増税時は
大手メーカーのナショナルブランド商品の
売上高が落ちた。
そして売り上げ確保のために
価格を下げた」

「逆にプライベートブランド商品は
売上高が増えた」

「競合店との差異化ができる
価値のある商品を手にする傾向は
より強い。だから我々が今回、
価格競争に加担する気持ちはさらさらない」

イオンは増税価格戦略で、
コモディティ消費には徹底して価格対応する。

この両者のポジショニングの違いが、
鮮明になってきた。

「国がいろいろな政策で
デフレ脱却目前の所まで持ってきたのに
企業が率先して
デフレを誘発するようなことは
あってはならない」
イオンやディスカウント勢に対する皮肉。

「今までになかった商品は
誰でも欲しがる」
ただし、今までなかった良い商品、
必要な商品。

そして決意表明。
「価格と価値の競争で
軍配が上がるのは
価値だと確信している」

2001年のインタビューで、
ファーストリテイリング社長の柳井正さんは、
私の質問に答えた。
「価格は必要条件であって、
必要十分条件ではない」

これは次の月刊『商人舎』4月号に書いた。

私も同感。

しかし一定の価格力を持たねば、
競争の場に立つことすらできない。

だからだろうか先週末、
アークスとベルグループの統合が、
公表された。

写真は2013年2月14日。
スーパーマーケットトレードショー、
レセプションパーティ。
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右がアークス社長・横山清さん、
左がベルグループ社長の遠藤須美夫さん。

アークスは2002年、
ラルズを中核として、
八ヶ岳連峰経営を標榜して誕生。

2011年、青森のユニバース、
2012年、岩手のジョイスと経営統合。
その勢いを駆って今回、
岩手のベルグループを傘下に入れる。

アークスの2014年2月期決算は、
売上高約4600億円、経常利益150億円。

ベルグループは、
2013年3月期売上高406億円。
岩手県と宮城県に25店。

合わせてちょうど5000億円を超える。

日本のスーパーマーケット第一位は、
ライフコーポレーションで、
2014年2月期見込みで5320億円。
かなり接近することになる。

ライフは首都圏と関西圏のチェーンストアだが、
アークスは北海道と東北のチェーンとなる。

彼らの意識のなかにも、
競争の場に立つための条件が、
あるに違いない。

セブン&アイの鈴木敏文さんは、
セブン&アイの価格力を前提にして、
そのうえで価値訴求を謳う。

つまり必要条件は語られることがないが、
それは持ち合わせていて、
そのうえで価値訴求重点型であることが、
強調される。

価格と価値とを比較したり、
同じ俎上に載せたりすると、
わかりにくくなる。

私は、そう考えている。

だからバリュー・エンジニアリングがいい。
バリュー=ベネフィット÷コスト。
あるいは、
バリュー=ファンクション÷コスト。
こちらで整理するのがいいと思う。

さて、日経新聞『私の履歴書』。
今日で、東芝の岡村正さんの巻が終了。
先週土曜日の第28回で、
なぜこの3月に岡村さんが登場したのか、
それがわかった。
タイトルは「懸案」。

岡村さんが日本商工会議所会頭の時、
三度目の消費税増税が決定された。

だからそれが実施されるタイミングで、
『私の履歴書』に登場。

「日商と消費税に歴史あり」

「売上税」議論の1980年代、
東急電鉄の五島昇会頭だった。

最初の消費税導入のときは、
鹿島建設の石川六郎会頭。

三代後の日商会頭として、
全国で100回も、
地域商工会議所との対話をした。

結果は「10%までの引き上げはやむなし」。

これが岡村さんの人生、
ハイライトだったのかもしれない。

そうして、消費税は8%に上がり、
来年10月、再び10%にアップする。

この4月、5月は、
既存商品の価格競争が起こるだろう。

引き締めて、かかりたい。

今月の標語は、
「元気を出そう・元気を売ろう」
最後の日だけれど、
声に出して繰り返したい。

ではみなさん、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2014年03月30日(日曜日)

ジジと日曜日の仕事[日曜版2014vol13]

ジジです。
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きょうは日曜日。
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おとうさん、
あそぼうよ。
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なにして、
あそぶ?
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でかけるんですか?
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シゴト?
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オフィスに、いっちゃいました。
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そして、ゲンコーとゲラ。
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消費税増税で、
印刷所が大繁盛。
だからおとうさんは、前倒しで
校正をしなければならないそうです。
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税金が上がるって、
たいへんですね。
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でも、サクラがぱっと、
さきました。
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新田間川。
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イタリアレストランも、
サクラ色。
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川っぺりをあるくのは、
いいですね。
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とくに、サクラのきせつには。
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五分咲きくらい?
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これから、
もっと、さく。
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川はきもちいい。
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ボクもあるきたい。
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うつくしい。
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サクラをみるだけで、
こころがゆたかになる。
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さいたばかり。
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いっしょうけんめい、
さいている。
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ボクたちも、
いっしょうけんめい、
生きましょう。
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おとうさんも、
いっしょうけんめい、
シゴトして、はやく、
かえってきてください。

おねがいします。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2014年03月29日(土曜日)

立教大学院BD研究科’13謝恩会は恋するフォーチュンクッキー♪

今日は土曜日だが、
横浜商人舎オフィスで、
月刊『商人舎』の入稿。

その後、夕方、
池袋のメトロポリタンホテルへ。

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科、
2013年度謝恩会へ。

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司会は山﨑亮さん。
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結城ゼミの俊英。

開会の辞は、
亀川雅人教授。
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ビジネスデザイン研究科の創始者。

ミドルマネジメント教育のMBAではなく、
ビジネスの構築を意図する人財の育成。
それがこの研究科の主旨。

私もまったく同感。

撮影班は、
4月から2年次の名倉真悟さんが、
自分の会社のスタッフを引き連れて、
担当してくれた。
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心から感謝。
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乾杯の音頭は、
山中伸彦准教授。
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ともに学ぶ姿勢を強調。
これにも同感。

そして懇親。

私は二日酔いで、
ウーロン茶ばかり飲んでいた。

それから退任教授の挨拶。
沖本美幸先生。
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昨夜はみなとみらいの沖本邸で、
懇親した。

だから二日連続の宴。

そして結城義晴。
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「蛻変」(ぜいへん)のススメ。

心は燃やせ、
頭は冷やせ。

そして、
朝に希望、
昼に努力、
夕に努力、
夜に感謝。

余興は、
女性陣がステージに上がって、
AKB48。
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「恋するフォーチュンクッキー」
作詞・秋元康、作曲・伊藤心太郎、編曲・武藤星児、
振り付け・パパイヤ鈴木。

と、思ったら、
男性陣もほぼ全員、
出てきて躍り出した。
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恋する フォーチュンクッキー♪
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Come on! Come on! Come on!
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アンコールでは、
私たちも前に出て、
踊らされた。
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汗びっしょりで、
宿酔いが吹っ飛んだ。

教授陣も加わって、
壇上で写真。
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ハートマークです。
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今年らしくて、
いい企画だった。

最後に修了生たちから、
指導教授に花束贈呈。
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私には結城ゼミの塩田木綿子さん。

謝辞は、
今年度のリーダー宮内博明さん。
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学位授与式の夜の亀川教授のfacebookの文章を、
読み上げた。
「私たちの研究科は、
知欲にスイッチを入れるところ」

「私たちは知っていることより
知らないことの方が圧倒的に多い。
ビジネスに関する知識だけでも、
知欲に目覚めると、もう大変だろう。
勉強したくてウズウズしてくる」

「そういう教育課程を修了すると、
本当のスタートラインに立っていると感じるはずだ。
もう自分で学ぶ方法をマスターしている。
立教の経営管理学修士とは、
そういう学位である」
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しみじみとして、
感動的な謝辞だった。

散会前に、
高岡美佳教授とツーショット。
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立教大学の流通の専門家。

お世話になりました。
あとは頼みます。

そして最後の最後に、
やはり結城ゼミメンバーと写真。
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右から足立幸一さん、ゼミ長として、
十二分にリーダーシップを発揮してくれた。
山﨑亮さん、気配りと行動力で、
研究も仕事もプロフェッショナル。
細野直樹さん、歩く野球事典、
返品問題の修士論文も秀逸。
倉内和博さん、医療機器卸業界に、
必ずやイノベーションを引き起こしてくれる。
そして塩田木綿子さん、修士論文テーマは、
オーガニック農業と関係性マーケティング。
良い論文でした。

今夜は参加できなかったが、
あと二人。
河村信之さんと李ヨンギョンさん。

みんな、素晴らしかった。

それぞれに、
「蛻変」を試みてほしい。

最後に、私の著書から、
「十箇月と一瞬」

調査・研究とは、
十箇月の妊娠のようなものであり、
問題の解決とは、
ある朝の分娩のようなものである。

 

私たちは、
誕生の瞬間ばかりに
関心を払い、感動する。
つまり、結果だけを求めたがる。

しかし、
十箇月のプロセスと
その後の発育・成長にこそ
本来、意味がある。

 

人間も組織も、
企業も店舗も商品も、
本来、段階型に成長する。
階段を登るように発展する。

十箇月の停滞に耐えて、
ある、ひとつの階段を登る。
停滞が長く、つらいほど、
登るステージは高い。

 

ああ、つらい。
ああ長い。
ああ、しんどい。
ああ退屈。

だからこそ、
たったひとつのステップアップが
ああ、うれしい。
ああ尊い。

 

たとえば十箇月の
調査と研究。
一瞬の
問題解決。

この繰り返しが
仕事である。
その積み重ねが
革新となる。

修了、おめでとう。
いい人生を歩んでほしい。

〈結城義晴〉

2014年03月28日(金曜日)

みんなの党・ワタミ、二人のワタナベさんに「二相睡眠のススメ」

横浜商人舎裏の遊歩道の桜。
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一番桜だけに、
もう葉桜。
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それでも目を楽しませてくれる。

一昨日の毎日新聞巻頭コラム『余禄』。

ブリギッテ・シテーガさんの著書から引き出す。
『世界が認めたニッポンの居眠り』
(阪急コミュニケーションズ刊)
オーストリア生まれの文化人類学者。

世界には三つの眠りの文化がある。
「夜だけ眠る単相睡眠文化
昼寝が制度化された二相睡眠文化、
各個人が気ままにうたた寝できる仮眠文化」。

日本の「イネムリ」を位置づけてくれる。

そして、厚生労働省検討会の睡眠の指針。
「睡眠不足の勤労世代に
30分以内の短い昼寝を推奨」。
二相睡眠のススメ。

さらに熟年世代へのアドバイス。
「寝床で長く過ごしすぎると
熟睡感が得られず逆効果」。

桜を愛でつつ、
「春眠暁を覚えず」をも、
逆に楽しみたい。

朝、藤中整形外科。
左肘が痛い。

ゴルフ肘ではない。
それほど練習もラウンドもしていない。

肘をついてパソコンを打ち込むから、
左肘の先端の神経が痛んだらしい。

その後、商人舎オフィスに出社して、
それでも肘をついて、一日原稿書き。

午後、、JTBの小阪裕介君が来訪。
4月のロンドン・バルセロナ視察研修、
その最終打ち合わせ。

さらに9月上旬の新企画。
ハワイ・リテール視察研修。
いい内容です。

近く発表します。

立教大学院の仕事が終わったら、
次々にアイデアや企画が生まれる。

ありがたいことです。

その後、みなとみらいへ。
MMタワーに沖本美幸邸を訪問。

29階から横浜港を臨む。
絶景。
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横浜開港祭の花火には、
うってつけのポジション。

沖本先生は私と一緒に、
立教大学大学院の特任教授に就任し、
一緒に退任した。

見事な家具が揃ったリビングルーム。
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ここに立教の青淵正幸先生、
修了生の大石華愛さん、
4月から2年次の内田英二さん、
林大輔さんが集まった。
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(沖本先生のfacebookからお借りしました。
青淵先生の写真は撮り損ね。この写真は林さんがシャッターを切った)

沖本先生や私は完全に、
「寝床で長く過ごしすぎない組」。

大石さんや内田さん、林さんは、
「30分以内の短い昼寝組」。

青淵先生も、
後者に近いか。

いずれにしても楽しい懇親。
心から感謝したい。

さて、みんなの党代表の渡辺喜美衆議院議員。
DHC吉田嘉明会長から、
選挙前に8億円の借入れ。

DHCはDaigaku Honyaku Centerの略。
つまり「大学翻訳センター」。
大学研究室に対する洋書翻訳委託業で創業。
その後、化粧品の通信販売で当てて、
現在、年商1200億円くらい。

渡辺喜美の政治生命。
風前のともしび。

一方、居酒屋のワタミ。
2013年度連結売上高は1578億円。
2014年度中に60店を閉店する。
全店舗数の約1割。

閉店店舗の人員で、
他の店舗の慢性的人手不足解消を狙う。

2008年6月、
ワタミフードサービスの女性従業員が自殺。
2012年2月、神奈川労働局が、
過労による労働災害を正式認定。

創業者は渡邉美樹参議院議員。

二人のワタナベ国会議員も、
そしてすべての働く人たちも、
「二相睡眠のススメ」には、
おおいに耳を傾け、
心安らかに生きるべきだろう。

〈結城義晴〉

2014年03月27日(木曜日)

セブン-イレブン・JR西日本「駅中コンビニ」と帯広「パンドラの箱」

商人舎オフィスの裏の遊歩道。
このあたりの一番桜。
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これからソメイヨシノの季節。

今日は、グレート・アイランド倶楽部で、
第10回ドクターズ杯。

私は初めてのベストグロスだったが、
ハンディキャップが辛くて、5位。

優勝は伊藤園副社長の江島祥仁さん。
三度目のドクターを獲得。

おめでとうございます。

そのまま、松井康彦さんと、
商人舎オフィスに戻った。
商人舎エグゼクティブプロデュサー・アドパイン代表。
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お疲れ様。

夕方、顧問税理士の宮田昇先生、来訪。
後藤周太郎税理士も同道。
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㈱商人舎6回目の決算。

昨年度は、
月刊『商人舎』や商人舎magazineを発刊。
実に有意義な仕事であることを実感したが、
それらの経費も増加して、
残念ながら黒字にはならなかった。

みなさん、是非ともご協力ください。

新年度が始まっていますが、
よろしくお願いします。

宮田先生、後藤税理士、
そして山崎香織税理士、
ありがとうございました。

さて、日経新聞一面トップ記事。
「駅にコンビニ500店」

あらゆるメディアが報じた。
日経は西日本のコンビニ出店競争の視点。
近畿・北陸・中国の2月末の店舗数は、
ローソンが約3300店、
セブンが約3200店。

「セブンの国内『空白』地帯の解消」と、
日経は書く。

商人舎Magazineの、
Daily商人舎でも取り上げた。

ただし、商人舎独自の問題提起をした。
ご覧いただきたい。

さて、昨日の日経新聞総合欄。
『迫真号砲・流通再編2』
「パンドラの箱、帯広で開く」

北海道帯広市。
いちまるとダイイチ、
そして福原の3社。

代理戦争を描く。

まず、2002年、
福原が北海道最大のラルズと経営統合。
アークス方程式が打ち出された。

それに対して、いちまるは、
当時ラルズと提携関係にあった。
そこで2005年に解消。
ダイイチと共闘体制を採る。

しかしダイイチは昨年7月、
イトーヨーカ堂と資本業務提携。

さらにいちまる・ダイイチ・ヨーカ堂、
3社連携が持ちかけられた。

ところが、日経の記事によるといちまるは、
「容認できない要求を突きつけられる」。

そこでいちまるは、
「ダイイチとの決別を決意」。

今度は9月、
イオンから4割の出資を受ける。

一方、ダイイチも、
「2007年ごろにはイオンのグループ子会社と
経営統合する構想もあった」。
マックスバリュ北海道だ。

だが、ヨーカ堂は、
「イオンよりも独立性を重んじてくれる」。
それがダイイチ社長の鈴木達雄さんの判断。

「大手の代理戦争ともいえる競争が始まった」

最後はダイイチの鈴木さんの苦笑。
「私はパンドラの箱を開けてしまったな」

期せずして同じ昨日の日経新聞コラム。
『大機小機』は「M&Aの落とし穴」。

「M&A完了後も、気は抜けない」。
三つの鍵を指摘する。

①何を目的にM&Aをやるのか。
これを「戦略整合性」という。

②いくらで買収するのか。
「経済合理性」。

③どのような効果を出すのか。

「シナジーの実現性」。

北海道帯広の3社三すくみは、
M&Aの中の資本提携で、
この視点はイトーヨーカ堂やイオン、
アークスにこそ必要なものだが、
戦略整合性、経済合理性と、
シナジーの実現性は、
変わらないセオリー。

開けられたパンドラの箱。
今からでも遅くはない。

当事者全員が、
戦略整合性とシナジーの実現性は、
検証しておくべきだろう。

〈結城義晴〉

2014年03月26日(水曜日)

立教大学大学院学位授与式で一緒に修了! おめでとう・ありがとう。

昨日は立教大学の卒業式と、
大学院の学位授与式。
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キャンパスはすっかり春。
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私は11号館地下1階の控室へ。
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ガウンを着せてもらう。
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いかがでしょうか。
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にっこり。
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そして出発。
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整列。
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待機。
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式場のタッカーホール。
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式場の入り口。
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聖歌隊が入って、
教授団の入場です。
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一歩一歩、壇上へ。
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いちばんうしろは、
チャプレンのみなさん。
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そして登壇。
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聖歌317番が流れる。
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立教大学大学院4研究科の、
学位授与式が始まった。
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宮﨑光チャプレンの聖書朗読。
「教える人は教えに、
勧める人は勧めに、
精を出しなさい。
施しをする人は惜しまず施し、
指導する人は熱心に指導し、
慈善を行う人は快く行いなさい」

(ローマの信徒への手紙第12章)

そして研究科ごとに、
代表に学位記授与。

その後、吉岡知哉総長の式辞。
600年の歴史をさかのぼって、
ユマニスト(humaniste)と識者の話。

おわりに立教大学のリベラル・アーツを語って、
吉岡さんは祝辞とした。

よかった。

祈祷、祝祷に続いて、
校歌斉唱。

最後に聖歌333に送られて、
降壇。
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すぐに着替えて、
祭壇の前で、
結城ゼミ5期生3人と写真。
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右から山﨑亮さん、
足立幸一さん、
倉内和博さん。

さらに清水満さん、入江泰之さんが、
加わってくれた。
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その後、ひとり一人に学位記が授与され、
最後に第一食堂。
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伝統のホール。
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懇親。
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結城ゼミ+1で写真。
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今年修了の7人で、
結城ゼミOB・OGは、
30人になりました。
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全員が優秀な成績で、
修士となりました。

結城義晴も一緒に、
修了しました。

すべての皆さんに、
心から感謝します。

さて、日経web刊。
丹羽宇一郎氏の経営者ブログ。
「トップの発言は撤回できない」

元伊藤忠商事社長・会長、
さらに初の民間出身中国大使。

「最近、それなりの地位にある方が発言し、
思いのほか騒動になったり、
反発があったりすると、すぐに撤回して
火消しに務めようとする動きが目立ちます」

しかし、
「組織のトップの発言は
最後の砦です。

決してキャンセルできないし、
もし舌禍事件となり
事態が予想を超えて悪化すれば、
トップは辞任するなりして
責任を取らねばならないのです。
トップの発言というのはそれだけ重い」

まったくもって、ごもっとも。

そのトップに就任した人ふたり。

イトーヨーカ堂の戸井和久さん。
現在、取締役兼常務執行役員。

月刊『商人舎』9月号で、
亀井淳社長とともに、
インタビューに応じていただいた。
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5月15日付けで社長兼COOに就任。

戸井さんは食品の専門家。
2011年から衣料品事業部を統括し、
3年で立て直した。

手堅くて、しかも現場に強いトップが、
イトーヨーカ堂全体を蘇生させる。

59歳。

亀井淳さん(69歳)は顧問。
ご苦労様でした。
これからは、ゆっくりしてください。

会長兼CEOは変わらず、
鈴木敏文さん(81歳)。

一方、ローソンは、
玉塚元一COOが社長の座につく。

5月1日付け。

新浪剛史さんは、
代表取締役会長。

今回、玉塚さんの意思だと思うが、
CEO職、COO職を廃止。
社長の権限を強化するため。

ここはイトーヨーカ堂とは異なる。
つまりあちらはCEOの力が、
依然として強いということ。

玉塚さんは、
4年後の2018年2月期の数値目標を発表。
連結営業利益1000億円、
自己資本利益率20%。

昨2013年2月期は、
営業利益662億円、
自己資本比率15.2%だった。

日経新聞の記事では、
玉塚さんの見解が披露されている。
「小商圏における製造小売企業として
世界一になる」

そのためにM&Aに意欲を示す。
「シナジーや関連性のある企業など
様々チャンスがある」

この発言は、
実現可能性の高い数値目標と比べると、
大風呂敷の感が強いが、
丹羽さんの指摘することとは違う。

すぐに撤回することも、
その必要もないだろう。

社長として、
世界一の小商圏製造小売業を、
目指し続ければいいからだ。

しかしローソンの眼前の、
セブン-イレブンという高い高い壁。

これは慶應義塾體育會蹴球部が、
早稲田大学ラグビー蹴球部を破るのとは、
わけが違う。

慶応蹴球部とオールブラックスぐらいの差、
といったら言い過ぎか。

トップの発言としては、
それが成し遂げられなければ、
責任をとるくらいの心持ちだろうし、
そのことを玉塚さんは言いたいのだろう。

しかし、いずれにしても玉塚さんは、
ユマニストではなさそうだ。

教える人は教えに、
指導する人は指導に、
精を出そう。

社長は社長職に、
会長は会長職に、
精を出そう。

勧める人は勧めに、
売る人は売りに、
つくる人はつくりに、
精を出そう。

立教大学大学院修了生諸君、
心から、おめでとう。

〈結城義晴〉

 

2014年03月25日(火曜日)

5月並み陽気とユニバース三浦紘一「Customers,our Priority」

今日は日本列島、
5月中旬並みの陽気。

東京都心22.0度、横浜市22.1度、
前橋市23.2度、宇都宮市22.6度、
仙台市でも19.2度。

ソメイヨシノも一斉に開花。

私は昨日の夜、青森県八戸市から帰浜。

その昨日午後は、インタビュー。
お相手は㈱ユニバース社長の三浦紘一さん、
㈱アークス会長でもある。
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2時間半の長丁場となった。
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終始にこやかに、
そしてじっくり考えながら、
真摯に質問に答えていただいた。

内容は月刊『商人舎』4月10日号にて。
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三浦紘一さんほど、
「商売に対してストイック」な経営者は、
日本中を探しても見当たらない。

それがユニバースという会社に貫かれている。

そのユニバースの考え方。
「Customers,our Priority」。

「Customers(「顧客」)」とは、
「繰り返し、ご来店してくださるお客様」。

「Priority」は最優先する対象。

だからユニバースは、
いつでもどこでも、
何かを決める時にも、
日常の行動や新たな行動を起こす時にも、
「Customers,our Priority」を基準にする。

「いつでもどこでも 顧客最優先」。

ホームページの企業理念の項にある。
「変わらなければいけないもの」と同時に
「変えてはいけないもの」がある。

「Customers,our Priority」の姿勢を貫く。
それが唯一、変えてはならないもの。

消費増税に対する考え方にも、
それは貫かれていて、
三浦紘一の真骨頂が表れていた。

実にいい話でした。

4月号、是非、手に取って、
ご覧ください。

三浦さんに、深謝。
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Interviewが終わったら、
幹部の皆さんが見送ってくれた。
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左から三浦建彦さん、取締役営業企画部長。
重田博さん、常務取締役。
井上浩一さん、取締役情報システム部長。

三浦建彦さんはコーネル・ジャパン実行の3期生。
おなじく3期生の長崎善人常務が、
今回の段取りを組んでくれた。
皆さん、ありがとうございました。

さて日経新聞経済欄。
「夏の成長『10%』の条件」

「17年ぶりの消費増税まで1週間」。
現場はいま、売価変更などで、
慌ただしいが、
記事は、4月以降の景気を見通し、
アベノミクスの次の課題を探る。

来年10月に消費税率が10%に上げられる予定。
今年末にその判断が迫られる。

しかし「すべては7~9月にかかっている」。
財務省幹部のつぶやき。

その7・8・9月期の国内総生産は、
11月に公表される。

民間調査機関による最新の予測。
この3カ月の実質成長率は、
年率で2.2%。

内閣官房では、
10%増税の判断基準の条件の一つとして、
「2~3%の実質成長率」達成を挙げる。

日本総合研究所湯元健治副理事長。
「増税後に株価が下がれば、
消費は大きく落ち込む恐れがある」。

今、期待がかかるのは、
国内設備投資と海外輸出振興。

しかし前者は昨年11月がピーク。
今、設備投資は盛り上がりに欠ける。

後者は「円安にもかかわらず伸びない」。

記事の結論。
「安倍首相はまずは
法人税改革に取り組むつもりだろう」。

これでは、日本の将来、
思いやられる。

小売りサービス業が、
いかに国内消費を盛り上げるか。

風が吹いたら桶屋が儲かる。
そんな気分ではいけない。

自分の店の需要を最大化する。
自分の商品の売上げを伸ばして、
顧客の生活を豊かに導く。

日経の記事には書かれていないが、
一人ひとりの商人の、
その一つひとつの仕事が、
日本の経済を支える。

国内総生産をつくり上げる。

三浦さんとユニバースの理念、
「Customers,our Priority」。
「いつでもどこでも 顧客最優先」。

これが貫かれたら、
法人税改革しか手だてがないという状況を
打ち破ることができるに違いない。

変わらなければいけないもの、
変えてはいけないもの。

この見極めがカギを握る。

首相や政治家、官僚や行政だけではなく、
商人たち一人ひとりが、
消費をつくるし、景気をつくる。

5月並みのポカポカ陽気の中で、
「Customers,our Priority」を思う。

〈結城義晴〉

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