結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年01月23日(金曜日)

CGC「カテゴリーマネジメント研究会」講演と「お客様は神様か」

今日は午後から、東新宿へ。
㈱シジシージャパン主催、
「カテゴリーマネジメント研究会」
での講演。

CGC本部にほど近い電設年金会館。

今日のテーマは、
「2015スーパーマーケットのポジショニング戦略」
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会場にはCGC加盟社、
CGCジャパン本部の商品部、
情報システム部の皆さん、
そして研究会メンバーのメーカー・卸、
その担当者ら60名ほどが集った。

講義は10分の休憩をはさんで3時間。
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今年最初の講演で、
しかも3時間たっぷり。

力が入った。
プロローグは倉本長治とドラッカー、
さらにスチュー・レオナードとイータリー。

本論は、二部に分かれている。
第1はコモディティ化現象の商品問題。
プライベートブランド、
商品戦略の考え方、
ビッグデータの活用、
脱コモディティ化戦略。

第2は業態・フォーマット論から、
ポジショニング戦略まで。

結城義晴の持論を丁寧に解説。
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3時間はあっという間。
ご清聴に感謝。

研究会には、
㈱オギノ手塚帰一さんも参加。
営業企画室総括マネジャー。
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久しぶりだったのが小須賀勇さん。
ハウス食品㈱営業本部広域営業部次長。
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商人舎のアメリカ視察研修会に参加してくれた。

小泉直樹君は、
私のジュニアソフトボール監督時代の愛弟子。
今はCGCジャパンのストアサプライチーム係長。
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小学生の時から教えているから、
今でも私のことを「監督‼」と呼ぶ。

最後に事務局のメンバーと写真を撮ろうとしたら、
並び方でちょっともめて・・・・・。
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こうなりました。
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エス・ビー・システムズ㈱のDB推進チームの面々。
私の隣から浦田大輔さん、鈴木友介さん、池谷恒一さん。

そして㈱三徳新宿本店を訪問。
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この40年ほど取材に訪れている。
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それでも何度目になるだろうか、
改装されて現代化を果たしていた。

道路の対面にある三徳のリカーショップ。
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この店は高額品が売れる。
20年くらい前だろうか、
取材したことがある。

今日もドンペリのロゼが、
4万円で売られていた。

さて今週はじめの日経ビジネスオンライン。
タイトルは「『お客様は神様』じゃない」
日経ビジネスの宇賀神宰司さんと西雄大さんが執筆。

そのイントロダクション。

「土下座を強要する、店頭に居座る…。
深刻な顧客トラブルが全国的に増えている。
苦情のメールや電話も
かつてなく暴力的になっており、
社員のストレスは高まる一方だ」

「過激化する消費者から社員を守り、
多様化が進む中で競争力を維持するには、
顧客との関係を根本的に見直す必要がある」

「顧客視点が成長の源なのは当然のこと。
だが、企業は今、改めて認識すべきだ。
もう『お客様は神様ではない』、と」

このあと事例が並ぶ。

第1は、大阪のファミリーマート茨木横江店。
この店は「コンビニ土下座事件」の舞台。

昨2014年9月8日深夜、
駐車場でたむろしていた数人の男女が、
空のペットボトルに水を入れろと要求。
さらに店内で飲食を開始。
抗議した店長に商品を投げつけ、
その上で土下座を要求。

その後、男女は逮捕。
執行猶予付きの有罪判決が下っている。

第2は札幌市の「しまむら」苗穂店。
一昨年2013年9月、
購買商品が不良品だったことで、
女性顧客が店員に土下座を強要。

その他、滋賀県のボウリング場でも。
鉄道暴力は前年比14%の増加。

電話によるクレーム対応も、
過酷になる一方。

とくに高齢者による“穏やかなクレーム”は、
ここ数年、急増中。
「上司気取り型クレーム」
「昔取ったきねづか型クレーム」
などと呼ばれる。

「孤独で元気過ぎる老人」が増えている。

「面倒なクレームを持ち込むのは
圧倒的に男性高齢者、
はっきり言えば団塊の世代」

記事のまとめ。
「一部消費者は明らかに
『神様』とは言えなくなってきた。
顧客を絶対的存在と位置付け
『言いなり』になっていると、
社員が傷つくばかり。
そんな時代になってきた」

さらに商品開発の現場でも、
一つの足かせになりつつある。

「かつて日本企業の強さは、
顧客の声をあまねくかき集め、
より多くの人を満足させる製品を
開発する技術にあった」
これがマーケティングの本道だった。

「しかし、市場が成熟し、
大衆の要望が多様化すると、
“最大公約数的商品”は魅力を失う」
コモディティ化現象と、
マス・マーケティングの行き詰まり。

「逆に台頭してきたのが、
デザイン性を集中的に高めたり、
機能を大胆にそぎ落としたりした
エッジの立った製品だ」

これこそアウトスタンディングなポジショニング。

記事の結論。
「社員を守るためにも、
商品開発力を高めるためにも、
日本企業は顧客との関係を
見直す時期に来ている」

この記事の結論こそ、
全くエッジが立っていないけれど、
同じ日の日経新聞本紙。
『キャリアアップ』は、
「おもてなしの達人 コンシェルジュに聞く」

マンダリンオリエンタル東京、
田隝益美チーフコンシェルジュは言い切る。
「あるときはトラベルエージェント、
あるときは家族、友人にもなること」

「お客様に満足を超えた感動を
味わってもらうことが我々の使命だ」。

日経ビジネスと日経本紙の、
同じ日の記事のこのギャップ。

今日、私の講演の、
スチュー・レオナードとイータリー。

スチュー・レオナードの「Our Policy」
Rule1 The Customer is Always Right!
Rule2 If the Customer is Ever Wrong,
Reread Rule1.

イータリーの「Our Policy」
1 The customer is not always right
2 Eataly is not always right
3 Through our differences,
we create harmony
顧客をセグメントし、
ダーゲティングし、
ポジショニングする。

それなくしては、
この問題は解決しない。

そしてドキドキ・ワクワクする仕事をする。
ドキドキ・ワクワクしない仕事はやめる。

ピーター・ドラッカー先生は、
鋭く、現代を見透していた。

〈結城義晴〉

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