結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年02月28日(土曜日)

坂東三津五郎の彦根城と「人材システム」の平和堂の好調

今回はなぜか、
時差ボケがひどい。

たいてい帰国してから2~3日もすると、
すっかり元に戻る。

しかし酷寒のニューヨーク生活は、
現地に滞在している時から、
ちょっと変な具合で、
毎晩、10時頃にはベッドに倒れ込んで、
午前3時頃に目覚めて仕事をしていた。

不思議なことに日本に帰ってきてからも、
夕方になるとひどい睡魔に襲われて、
午前3時頃には覚醒する。

しかし2月最後の日、
14時間ほどこんこんと眠り続けて、
一気に時差ボケが解消された。

さて、彦根城。
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美しい。
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天守、附櫓及び多聞櫓は国宝。
城跡は国の特別史跡。
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私がニューヨークにいた2月21日、
10代目坂東三津五郎が59歳で逝った。
膵臓がんだった。

その著書が、
『坂東三津五郎 粋な城めぐり』

この中に「僕にとってはいちばん
思い入れのある大好きなお城」として、
彦根城が挙げられている。

三津五郎は、
BS朝日の番組『日本の城ミステリー紀行』で、
進行役として”城案内人”を務めた。

その三津五郎が小学2年生の時、
初めて見に行った彦根城に魅了された。

彦根城は、映画『武士の一分』でも、
撮影に使われた。
三津五郎は木村拓哉と共演。

2月25日に葬儀が行われたが、
先輩の尾上菊五郎の弔辞。
「あなたは
『姫路城が好きだ、彦根城が好きだ』と
言っていたけど、
ホステス嬢やキャバクラ嬢も好きでした。
(中略)どうか向こうの世界のネオン街で、
いい店を探しておいてください。
私がそちらにいったら、
いい店を紹介してください」

その彦根城の天守閣。
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お堀に写りこんだ白壁。
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この彦根城を眺めながら、
温泉に浸かった。

体も心も癒された。
それが14時間の睡眠に繋がって、
時差ボケが治った。

ありがたい。

明けて、2月最後の日。
㈱平和堂本部。
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2014年度が終わり、
現場は2月21日から新年度に入っているが、
その2014年度決算は極めて良好。

月刊『商人舎』3月号で、
夏原陽平さんにインタビュー。
営業推進室室長兼経営戦略室統括。
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コーネル大学RMPジャパン奇跡の第二期生。
平和堂アメリカ研修でも、
何度も一緒に渡米しているが、
こうしてインタビューは初めてのこと。

テーマはテクニカルな問題だが、
結論はソシオ問題に帰結。
詳細は月刊『商人舎』3月号。

平和堂好調の理由が、
ここにあるというくらい、
いい内容だった。

ご期待いただきたい。

インタビューが終わった頃、
夏原平和社長が顔を見せてくださった。
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夏原さんは、
「まだまだ」と謙虚。
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私はアメリカの情勢や、
日本のチェーンストアの動向を語る。
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三人で写真。
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実に楽しいひと時。

その後、本部に隣接するビバシティ彦根。
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駐車場は満杯で、
次々に車が入ってくる。

食品フロアも大繁盛で、
特に「近江ちゃんぽん」の売場は目立つ。
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日清食品とのコラボレーション商品で、
今、平和堂でしか販売されていない。
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その売場の前で、
支配人の藤田慎平さんと写真。
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絶好調企業の絶好調店舗、
その支配人。
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売場をチェックする動きも、
目配りも絶好調。

2012年9月15日、
日本政府の尖閣諸島国有化問題に端を発して、
中国全土で大規模な反日デモが発生。

中国湖南省の平和堂の店舗は、
暴徒に襲われた。

夏原平和さんは自ら現地に飛んで、
問題解決と店舗の復興に邁進した。

平和堂に勤める中国人従業員たちが、
何よりも率先して動いて、
いち早く店舗は再開された。

陽平さんによると、
この時の日本国内の平和堂社員も、
大いに燃えた。

夏原社長も大いに燃えた。

どうも平和堂の現在の好調さは、
この時の試練に起因しているらしい。

私はそう感じた。

ラリー・ボシディ/ラム・チャラ著、
『経営は「実行」』。
英語タイトルは「Execution」。
この方が断然いい。

組織やリーダーが直面する「試練」が、
6分類され、それぞれのタイプに対して、
「診断作業」と「実践戦略」が提示される。

このベストセラーは示す。
人材プロセスが、
戦略プロセスや業務プロセスに、
優先される。

商人舎最高顧問の故杉山昭次郎先生。
「ソシオテクニカルシステム論」を提唱した。
組織システムと技術システムの相関性。

平和堂の好調さは、
ここに収斂している。

あらためて二人の夏原さんと話して、
私はそのことを実感した。

〈結城義晴〉

 

2015年02月27日(金曜日)

孔子の「志学・而立・不惑・知名」と「耳順・従心」の正道と邪道

2015年2月もあと二日。
朝から横浜商人舎オフィス。

月刊『商人舎』3月号の入稿仕事。
つまり、原稿を整理したり、
タイトルをつけたり、
資料を作ったり、
写真を選んでトリミングしたり、
それをデザイナーの七海真理さんに送る。

入稿係は商人舎編集スタッフの鈴木綾子。

表紙と扉・messageの原稿を書いて
綾子さんに渡し、
イラストなど選んでもらって、
それから新横浜へ。

新幹線のぞみ。

小田原、熱海を過ぎ、
三島の辺りに来ると、
富士の山が見えるはず。
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しかし今日は、
雲に隠れて、
裾野しか見えない。

それでも一瞬、
頂きが顔を見せたか。DSCN3457
この一瞬が、逆に、
すばらしいものに感じられた。

富士川を渡る時も、
富士は微かに存在していた。
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さて新聞報道で、
民主党代表の岡田克也さんが、
網膜剥離の再手術。

昨年末の代表選挙前にも、
左目の網膜剥離手術を受けたが、
その二度目の緊急手術。

私の場合は右目だが、
10歳のころに白内障手術、
53歳の春、㈱商業界社長のころ、
網膜剥離の手術を受けた。

これは辛かった。

手術自体もしんどいが、
会社の改革に邁進していたから、
ちょっとの期間でも、
戦線を離脱することは辛かった。

だから岡田さんの気分、
よくわかる。

人生において最も大切な時期に、
網膜剥離になる。

多分に、ストレスも原因している。

私の場合は、
その後、㈱商人舎を設立したばかりの春、
今度は緑内障の手術を受けることになった。

55歳だった。

岡田克也さんは今、61歳。

孔子は『論語』に、
有名な言葉を残している。

「十有五にして学に志し、
三十にして立つ。
四十にして惑わず。
五十にして天命を知り、
六十にして耳従う。
七十にして心の欲する所に従いて
矩を踰えず」

15歳は「志学」(しがく)、
30歳が「而立」(じりつ)、
40歳が「不惑」(ふわく)、
50歳は「知名」(ちめい)。
そして60歳が「耳順」(じじゅん)。
70歳は「従心」(じゅうしん)。

「耳順は」、
他者の言葉を素直に聞ける心境。

70歳の「従心」の最後のところは、
「のりをこえず」と読む。

心のままに動いても、
正道からはずれないこと。

岡田さんは自身、
「まだ耳順ならず」と宣言しているが、
年齢では私も彼も「耳順」。

不思議なことに私は、
志学の前に白内障に掛かり、
知名の時に網膜剥離と緑内障を患った。

実際にこの時に大きな転機が訪れ、
天命を知った。
すなわち知名。

そして今、耳順。
他者の言葉に、素直に耳を傾ける。

とは言っても、
非常識で正道を外れた者の言葉には、
私も「耳順ならず」。

一応、耳は傾けるが、
首肯はしない。

正道を外れることを「邪道」という。

近頃も、我が産業に、
邪道を語る者がいる。

邪道に対しては、
耳順ならず。

それを貫かねば、
「従心」に至ることができない。

微かに見える富士の存在を感じながら、
私はそんなことを考えた。

〈結城義晴〉

2015年02月26日(木曜日)

ユナイテッドの6年計画とロピア米国ニューヨーク研修記・終幕

2015年2月も、あと3日。

28日しかないのに、
10日間、ニューヨークに滞在していた。
その前後に、月刊『商人舎』の、
2月号と3月号の編集業務。

私にとっては楽しいことばかりで、
実にありがたい。

今日は朝から、
雨の東京・御成門。
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東京プリンスホテルの後ろに、
ニョッキリとそびえ立つ東京タワー。
雨にけぶる。

そして愛宕ヒルズのツインタワービル。DSCN3440-5
手前が愛宕グリーンヒルズMORIタワー、
向こうが愛宕グリーンヒルズフォレストタワー。
MORIタワーがオフィス棟、
フォレストタワーが住居棟。

カスタマー・コミュニケーションズ㈱。DSCN3437-5

恒例の取締役会。

会社には毎月のように、
エネルギッシュで優秀な人財が入社し、
飛躍的な成長を遂げている。
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女性陣も増えた。

今、健全な会社には、
女性が増えている。

会社の環境も抜群。
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オフィスの窓側は、
こんな快適な空間。
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私が今日、強調したのは、
「選択と集中」。

そう、ジャック・ウェルチ。
ゼネラルエレクトリックの中興の祖。

自分の強みをさらに強くし、
それに集中すること。

ドキドキ・ワクワクする仕事だけ、やること。
ドキドキ・ワクワクしない仕事は、やめること。

代表取締役社長の米倉裕之さんも、
全く同じことを考えていたようで、
リニューアルしたホームページに、
「私たちがやめたこと」を6つ挙げた。

1. ID-POS/POSプラットフォーム以外の
事業やサービスは基本的に自前では行いません。

2. カスタマーセンターの外注は行いません。

3. 無為な価格競争はしません。

4. 顧客の囲い込みをしません。

5. 商品やサービスの販売促進のメールを
顧客に送りません。

6. 提供価値に反する顧客拡大施策を行いません。

米倉さんは東京海上火災、
ゼネラルエレクトリック、
ぐるなびを経て、現職。
49歳の逸材。

会社も米倉さんも、
将来は大いに楽しみだ。

さて、日経新聞が単独取材。
ユナイテッド・スーパーマーケット・
ホールディングスの
上田真社長。

同社はマルエツとカスミ、マックスバリュ関東が、
3月2日に経営統合して発足する。

昨日の2月25日に、
マルエツとカスミは上場廃止。
代わって同社が東証1部に上場。
イオンの連結子会社、
総合商社の丸紅では持ち分法適用会社。

単純に3社の店舗数を合計すると、
首都圏中心に約480店舗。
2015年2月期の売上高約6400億円、
営業利益は105億円の見通し。
今季の営業利益率は1.6%。

売上規模はライフコーポレーションを抜いて、
スーパーマーケット業界第1位となる。

単独取材記事は、
6年後の2021年2月期予想を明らかにする。
売上高(営業収益)1兆円、
連結営業利益300億円程度。
営業利益率3.0%の会社。
そして店舗数は1000店。

つまり6年間で、
今の1.56倍に規模拡大し、
営業利益は3%を確保する。

平均すると、
毎年8%ずつ積み上げねば、
これは達成できない。

現在の480店で6400億円が、
6年後は1000店で1兆円に。

現在は1店平均年商13億3333万円、
6年後は10億円。

つまりエクスプレスストアのような小型店も、
今後、どんどん展開するというわけ。

そんな計画。

1兆円のスーパーマーケットの誕生は、
私など、感慨深いものだが、
3%の利益率は国際的にはむしろ当たり前。

トップ企業には、
国際レベルを志向して欲しい。

しかし日経も見出しに使ったが、
略称の「USMH」。
なとかならんもんか。

「ユナイテッド」でいいでしょう。
余計なお世話だが。

さて、ユナイテッド6年計画の、
2倍くらいの成長率のロピア。

そのニューヨーク研修団第4班。
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一昨日帰国したが、
2日目の夜、交流会を開いた。

ホテルはレジデンス・イン・マリオットの、
タイムズスクエア。

その33階のスイートルーム3305室を借りた。

各自、キッチン付きの自室で、
それぞれに料理をつくって、
ここに持ち寄る。

材料はこの日、視察研修した各店舗。
ウォルマート、
ウェグマンズ、トレーダー・ジョー、
フェアウェイ・マーケット、ゼイバーズ。
ストップ&ショップもアルディ、
シタレラも訪れたが、
トレーダー・ジョーやウェグマンズに
買物人気が集まった。

特に研修をする際、
買物の目的で店を訪れるのが、
一番、理解が深まる。
断然、学習効果が高まる。

店の本質を見抜くことができる。

顧客の立場で、
料理・調理をしようと思って、
売場や商品、サービスを吟味するからだ。

視察しても写真ばかり撮っていると、
肝心なものが全く見えない。

帰ってから写真を見ようという、
安易な気持ちが働いて、
自分の目と耳で観察することが、
おろそかになる。
科学的に観察・分析することもできないし、
五感で感じとることもできない。

ロピアの幹部は、
商人舎の海外研修には必ず参加してくれるが、
写真などほとんど撮らない。

それがロピアの企業文化でもある。

ゴルフでも、
「スコアをつけずにラウンドしてみよ」と、
ハービー・ペニックや中井学ら、
様々なティーチングプロが、
教えてくれている。

さて自慢の料理を紹介しよう。

サラダ。
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スープ。
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手作りハンバーガー。
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これはうまかった。
焼肉。
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これも。
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白身魚のソテー?
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マグロの刺身。
レストランシェフ御用達の塩で食べる。
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これも美味。

あとは連続写真。
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嬉しそう。
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満足そう。
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自慢げだ。DSCN3137-5

しかし真打は、これ。
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福島道夫さんのローストビーフ。
ロピア取締役。
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カットして、頬張る。
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この笑顔。
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このプライムの骨付き肉は、
イータリーで購入。
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イータリーのブッチャーが自慢げに、
肉塊をかざしてくれた。

厳重に梱包してくれる。
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それを取り出す。
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骨付き肉の存在感。
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ほとんどの部位は厚めにカットして、
ローストする。
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あとは、他の材料と組み合わせて調理。
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極上のシチューとトマトとチーズのラビオリ。
イータリーの材料を使ったところが、
ほんとうにいい。
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福島さんの腕前は確かで、
最高にうまかった。

そしてワインを持つのは、
小林清泰先生。
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㈱ケノス社長。

旨い料理には、
極上のワインを。

ファー・ニエンテの白。
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こうして、ロピアの組織文化は、
鮮明になり、育成され、
蓄積され、伝承されていく。
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それこそが模倣困難性と稀少性を持った、
アウトスタンディングなポジショニングとなる。

階下は雪景色。
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またとない体験が、
雪の中で昇華していった。
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私には、それが見えた気がした。

ではこれにて、
2015ロピア・ニューヨーク研修記、
終幕。

2カ月にわたるご愛読、
心から感謝。

〈結城義晴〉

 

2015年02月25日(水曜日)

ロピア米国研修3日目と「成功は諦めなかった者だけが得る」

昨日帰国して、
気温の変化はあることはある。
しかしそれによって体調を崩すことはないが、
どうやら花粉の方が厄介だ。

新聞など読み返していると、
日経新聞『私の履歴書』は、
日揮グループ代表の重久吉弘さん。
その2月20日のタイトルは「社長就任」。

「世間では、社長に指名された時の
感想を求められると
『青天の霹靂(へきれき)だった』
『自分に社長が務まるのか悩んだ』と
答えることになっている。
だが、本当は多くの新社長は
そんなことは考えていない」

この率直さが、すごくいい。

「不遜と言われるのを
百も承知のうえで告白すると、
前任の渡辺英二社長から
『次は君にやってもらう』と言われた時に
私は『やっとこの時が来た』と思った」

社長になって、
成功する人は残らず、
この重久さんと同じ心持ちのはずだ。

実は、私もそうだった。

「だが、やはり神様は
この大きな人生の節目で
私に試練を与えて下さった」

社長就任年度の当期純利益は、
122億円の赤字。
翌年度も102億円の赤字。

「これも自分に与えられた運命だと
腹をくくるしかなかった」

私も、同じようなものだった。

そして「陽が差し始めた」
社長就任3年目。

その後は猪突猛進。
「成功とは諦めなかった者だけが得る」

これもよくある成功物語。
しかし、そのよくある話に、
とても共感する。

とても及ばないが、
私も同類だから。

さて、ロピア米国研修の第4班。

ニューヨーク3日目は、
朝のユニオンスクエアから始まった。
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雪混じりだが、
それだけに寒くはない。

零下3度くらい。

これでも寒くはない。
体が慣れてしまったからか。

まず、トレーダー・ジョー。
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日曜日の朝9時。
入口ではこの店だけのイラストが、
顧客を迎えてくれる。
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花売り場の壁面には、
ユニオンスクエアのペインティング。
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そしてバナナ売り場が、
まっさきに目に飛び込んでくる。
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もうレジには行列。
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相変わらず、
トレーダー・ジョーはすごい。

それからユニオンスクエアのウォルグリーン。
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1階はコンビニ機能のアップ・マーケット。     DSCN3175-5
広々とした2階にファーマシー&ビューティ。

そしてホールフーズ。
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地下1階がスーパーマーケットの、
定番売り場。
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いつも、どの店でも、
見事すぎるくらいの青果の陳列。
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精肉の対面売り場は、
5段階肥育基準で肉質を、
顧客にわかりやすく提案。
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コーヒー売り場も、
トレーダー・ジョーにはない専門性。DSCN3213-5
TJは売れ筋に絞り込んだ単品量販型。
WFMは専門性を掘り込んだ品揃え型。

そのポジショニングの差異が、
両者をアメリカで最も優れた2社にした。

顧客はレジで色の下に並ぶ。
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順番に空いたチェックスタンドの番号が出る。
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そこに行けばいい。

顧客のストレスも不満も少ない。

さらにガーデン・オブ・エデン。
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入口の果物の陳列には、
いつもうっとりする。
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この芸術性。
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この密度あるプレゼンテーション。
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それから独特の店内。  DSCN3185ー5

一番奥に惣菜コーナー。DSCN3186-5

一番奥にあるということは、
この店が惣菜屋だということを意味している。DSCN3188-5
この店にしかない美味しい惣菜。
それが主役。

青果部門も加工食品も、
その意味では脇役だ。

その脇役が輝いているから、
見事な舞台となる。

そして対面売り場の加工肉。
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トレーダー・ジョーやホールフーズが、
このユニオンスクエアに出店してきて、
ガーデン・オブ・エデンは一時、
苦境に陥った。

しかしトレーダー・ジョーにも、
ホールフーズにもないものを、
彼らは持っていた。

つまりポジショニングがあった。

だから生き残った。

ユニオンスクエアの競争を、
歩いて、見る。
繁盛店型企業のロピアの若手には、
本当に勉強になる。

その後は、五番街のフューチャーストアへ。DSCN3246-5

イータリー。
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入口には八百屋。
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奥には肉屋。
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店舗真ん中あたりに、
生パスタ屋。
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そして中央ホールには、
ピザ屋。
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合言葉は、
Eat BETTER cook SIMPULER.
「より良く食べよ、
よりシンプルに調理せよ」

イータリー、ちょっと客足が減ったが、
その未来型店舗の軌道はブレない。
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そして最後に、
チェルシー・マーケット。
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入口脇に、ショッピングモールのレイアウト。
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モール真ん中あたりの掲示板。
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小洒落た装飾。
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ナビスコの工場跡にできた商業集積。
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いま、ニューヨークで最もホットなスポット。

今日も昼食は魚屋。
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店名は「ロブスター・プレイス」。
ニューヨーク随一のシーフードストア。

団長の福島道夫さんが、
次々に注文する。
㈱ロピア取締役。
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まずロブスター。
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超大型のロブスターを、
実に上手に茹でて、
食べやすいように調理してくれる。
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1尾70ドル也。

そして生牡蠣。
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グランドセントラル駅のオイスターバーなど、
相手にならないくらい鮮度があって、うまい。

みんなのこの笑顔が、
それを証明している。
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私は小林清泰先生と、
インショップの立ちの寿司屋で、
サッポロビールと大トロなどなど。DSCN3276-5
小林先生は、
㈱ケノス社長の一級建築士。

ニューヨーク随一の魚屋は、
リテールとフードサービス、
内食と中食と外食の融合。
イータリーの影響は、
こんなところにまで出ている。

日本のスーパーマーケットも、
やがてこのフュージョンを、
それぞれに志向する時が来るだろう。

「成功とは諦めなかった者だけが得る」
重久吉弘さんの言葉は、
ありきたりだけれど真理だ。
(もう少し、つづきます)

〈結城義晴〉

2015年02月24日(火曜日)

ロープライス・ユートピアと「良いものをどんどん安く」

帰国しました。

極寒のニューヨーク・マンハッタン。
10日間の滞在。
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バッテリーパークから、
アッパーニューヨーク湾を望む。
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氷の塊が流れる。

遠くに自由の女神像。
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1886年、自由の国の象徴として、
フランスから贈られた女神像。

かつて2000万人のヨーロッパ人が、
この海の向こうからやってきた。
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自由の新世界に夢を描いて。
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ロピア米国研修団第4班も、
この地で夢を描いた。
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ロープライス・ユートピアを、
創り上げる夢を。

「良い品をどんどん安く」
この言葉のもつ本来の強靭さは、
生態系のごとく循環の構造を有するところにある。

良い品を売る。適切な品質を提供する。
すると、顧客は喜ぶ。
そんな顧客が増えると、品はどんどん売れる。

どんどん売れてゆけば、一品一品が安くなる。
売れれば売れるほど安くなる。
「利は売りにあり」で利益が生じる。

利益が、次の良い品をつくることに貢献する。
この新しい「良い品」によって顧客はもっと喜ぶ。
そしてますます、どんどん売れる。

ますますどんどん売れれば、
さらに一品一品は
安くなる。

安くなるから、いっそう大きな利益が生まれる。
それが、さらにさらに、
良い品をつくることに機能する。

こうして「良い品」のレベルは飛躍し、
「どんどん」の量は爆発し、
「安く」の水準は国際級になってゆく。

   真理は、
   常に循環しつつ、
   構成要素そのものを高めていく。

   真理は、この体系にこそ宿っている。
   真理とは、自ら進化する構造を
   内包するものなのだ。

だから「良い品をどんどん安く」の、
一挙実現を図ると、
失敗する。

三つの要素を、
いっぺんに果たそうとすると、挫折する。
仕事や商売の成長と発展に、短絡はない。

いつも三段論法で、
一つ一つ確かめながら、
こつこつと積み上げる。

その蓄積のパワーが、
循環の体系を
拡大再生産に向かわせる。

循環と螺旋のイメージを解し、
信じる者だけに、
真理は味方するのである。
〈結城義晴著『Message』より〉

 

おなじ品ならより安く、
おんなじ値ならより良い品を。

これはまさに、
「良いものをどんどん安く」に通ずる、
商売の本質である。

そして今日のジョンFケネディ空港。
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滑走路の向こうに、
マンハッタンの街が見える。
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望遠レンズが幻のように、
摩天楼を浮かび上がらせる。
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飛び立つと、一瞬、
マンハッタン。DSCN3425-5

そして海岸線。
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12時間55分。

日本国千葉県成田市上空。DSCN3430ー5

最後に事務局でハドル。DSCN3431ー6
㈱ロピア人事総務部の三枝敏さん、
取締役の福島道夫さん。
左は㈱ケノス社長の小林清泰さん。

バゲージクレイムでハドルを組んで写真を撮ったら、
税関係員に注意されたので、もう一度。
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お疲れ様でした。

必ず大きな成果が上がるでしょう。
間違いない。
(3日目の夜の交流会と最終日の報告、つづきます)

〈結城義晴〉

 

2015年02月23日(月曜日)

雪のNY、ポジショニングのある店・ない店、それぞれの繁盛

Everybody! Good Monday!
[2015vol8]

2015年第9週。
2月の第4週で最終週。

今週末の日曜日から、
弥生3月が始まる。

春です。

あはき日を集めて咲きぬ冬菫
〈朝日俳壇より 熊本県菊陽町・ 井芹眞一郎〉

春潮のどつと光を乗せて来る
〈朝日俳壇より 岡山市・名木田純子〉

あ~あ、時の行くのは早い。

ニューヨークは真冬だけれど。

そのニューヨークでの生活は、
9日目に入った。

しかしブログは7日目の行動日誌。

朝一番で、ロピア米国研修四度目の講義。
DSCN2877-5

そのまえに、
今回の団長・福島道夫さんから、
連絡と注意事項。
㈱ロピア取締役で、
1月初旬の第1班から今回の第4班まで、
ずっと私と一緒。
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この研修の総責任者。

その福島さんがリーダーとなって、
ロピアの経営理念の唱和。  DSCN2881-5
「同じ商品ならばより安く、
同じ価格ならばより良いものを」

その後、2時間の講義。
これも4度目の同じテキスト同じ内容。
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しかし私は全く同じ話はしない。

聞き手の期待、要求に答えねばならないからだ。DSCN2889-5

4班は女性も多いし、若い人も多かった。
だから、私のモットー。
難しいことを易しく、
易しいことを面白く、
面白いことをより深く。 DSCN2899-5

今回強調したのは、
とんがり★こだわり。

とんがれ、
こだわれ、
自分らしくあれ。DSCN2898-5

講義が終わると、
視察へ。
ます、世界のウォルマート。DSCN2913-5

商人舎magazineのデイリー商人舎で、
2014年度決算が報告されている。
前年比2.0%の増収で、増益。

売場はよくできている。DSCN2905-5

もちろん早仕掛け・早仕舞い・際の勝負。

イースターの売場が、
早くも入口脇に設置されている。DSCN2910-5

今年のイースターは、
4月5日。

25万平方フィートの売場を、
最大限に活用して、
早仕掛け・早仕舞い・際の勝負。DSCN2911-5
CEOのダグ・マクミロン。
「最優先すべきは
最高の店を運営することだ」

そのとおり。

次にストップ&ショップ。
このエリアのトップシェア。
アホールドUSA傘下のローカルチェーン。DSCN2916-5

土曜日の午前中、
顧客がいつもより多い。

しかし入口の一丁目一番地の売場は、
品切れし始めている。
DSCN2917-5

チラシアイテムがもう売り切れ寸前。
DSCN2936-5

その後ろの青果の平台にも、
品切れ商品。
DSCN2921-5

何より、青果部門で最重要アイテムのバナナが、
この状態。
DSCN2924-5

入口正面の水の陳列も、
ここまで減った。
DSCN2935-5

「ボーナス・バイ」と書かれた、
特売アイテムに品切れ続出。DSCN2928-5

それでいて、
レジは混雑し、
顧客を待たせている。
DSCN2932-5
ポジショニングの欠落した、
コンベンショナル型スーパーマーケット。

チェリーピッカーの顧客ばかり。
その顧客が特売商品を品切れさせるが、
同時にレジ待ちさせられる。

あとは「ラガード」と呼ばれる、
高齢者の顧客ばかり。

ストップ&ショップ。
将来多難。

3店目はウェグマンズ。DSCN2965-5

雪が激しくなった。
DSCN2964-5

しかし店内には熱気がある。DSCN2940-5

フードサービス部門とスーパーマーケット部門。
そのマッチング。

青果部門はなんといっても強い。DSCN2944-5

牛乳はコンシスタントロープライス。DSCN2946-5
つまりエブリデーロープライス。

ウェグマンズは、
グルメスーパーマーケットではない。

別棟のリカーショップは、
価格帯別の品揃えもする。DSCN2949-5
このリカーショップは、
大いに研究の余地がある。

4店目はアルディ。DSCN2985-5
雪はさらに激しくなった。

今やアルディは、
安かろう悪かろうのディスカウンターではない。DSCN2979-5

そして土曜日の午後、
混み合っている。
DSCN2981-5
ウォルマートよりも安い。
それがアルディのポジショニング。

そして、
安いけどきれい、

安いけどスピーディ、
安いけど良い。

これからのディスカウンターのあり方を、
アルディとウォルマートが示している。

雪の中、バスは丁寧に走って、
マンハッタンへ戻る。

ゼイバーズ。
DSCN3002-5
たった1店のデリショップ。

まず、このチーズ売場。DSCN2992-5

ベーカリーも大人気。
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そしてコーヒー売場。
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すごい客数。
確実に顧客をもっていて、
ポジショニングを確立している。

だから、ネットでの販売額が、
全体の4分の1を占める。

ネットで売れるには、
独自のポジショニングが必須なのだ。

つづいてウェアウェイマーケット本店。
DSCN3057-5

外売場にボリューム陳列中。DSCN3056-5

インストアでも陳列作業。DSCN3014-5

そしてご覧の出来栄え。
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サラダ野菜もボリューム感満点。DSCN3020-5

バラ売りも迫力がある。DSCN3021-5
迫力あるボリューム陳列は、
鮮度と安さを強調してくれる。

精肉の対面売場。
DSCN3026-5

プライムのドライエージ・ビーフ。DSCN3029-5
この厚さが大事。

2階にはオーガニック青果専用の売場。 DSCN3032-5

見事なひな壇陳列。
DSCN3033-5
いつ見ても素晴らしい。

 

そして壁のイラスト。
DSCN3039-5

Fairwayの象徴。
DSCN3040-5

「Like No Other Market」DSCN3043-5

隣のシタレラ。
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典型的なデリショップ。DSCN3053-5

鮮魚も強化。
DSCN3054-5

2階のコーヒー売場もユニーク。
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2階の窓から、
雪景色を楽しむ。
DSCN3050-5

そして最後はトレーダー・ジョー。DSCN3093-5
地下1階・2階のツーフロア店舗。

隣はデュアン・リードのドラッグストア。
DSCN3102-5

 

もう夕方のトレーダー・ジョー。
すごい混雑。
DSCN3082-5

エンドプレゼンテーションは、
いつも、どの店も、素晴らしい。DSCN3072-5

そしてレジには長い行列。DSCN3084-5

地上入口では、
雪の中、入場制限を始めた。
DSCN3103-5
2層の売場が混雑しすぎるからだ。

それでも雪の中、
じっと待ってくれる顧客。DSCN3105-5
トレーダー・ジョーの、
ロイヤルティの高さが現れている。

ストップ&ショップ以外の店は、
独自のポジショニングで競争している。

ウォルマートはなによりも、
48兆円の規模が、
他の追随を許さないポジションにある。

そのうえで1店1店を、
最高のレベルに持っていこうとする。

たった1店のゼイバーズにも、
ポジショニングがある。

もちろんトレーダー・ジョーも、
ウェグマンズも、
フェアウェイマーケットも。

そしてアルディにも、
強烈な特徴があり、
それがポジショニングとなっている。

レース型競争は終わった。
コンテスト型競争へ。

特徴のない者は、
退場するしかない。

そのことを肝に銘じて、
今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

 

2015年02月22日(日曜日)

ジジとニューヨーク三ツ星レストラン[日曜版2015vol8]

ジジです。
2月22日、猫の日だそうです。
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でも、ヨシハルおとうさん、
まだ、ニューヨーク。

雪です。
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タイムズスクエアも雪。
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ライオンキングも雪。
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おとといは、
晴れていた。
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でも、そのほうが、さむいみたい。
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キャラクターきぐるみたち。
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おおきなスクリーン。
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おとうさんが、
うつった。
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おとうさんは、
おいしいものを、
たべています。

おとといは、三ツ星レストラン。
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ル・ベルナルダン。
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ソムリエのレディとへんなおじさん。
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ソムリエは銀のカップを、
首からぶらさげている。
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これでテースティングする。

まず、オードブル。
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ウニ。
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トリュフ。
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おいしい。

これも。
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濃厚。
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まだまだ、たくさん。

シャンパン、ホワイトワイン、
レッドワイン。

最後はケーキ。
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ミシュラン三ツ星レストラン。
ニューヨークに6店。

The Chef’s Table at Brooklyn Fare
Le Bernardin
Eleven Madison Park
Jean-Georges
Masa
Per Se

おとうさん、堪能。
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きのうの土曜日の夜は、
ウルフギャング。
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超人気。
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ロピアのみんなと。
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50人。
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まず、ワイン。
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コバヤシさんと、
チアーズ。
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ファー・ミエンテ。
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それからディナー。
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オードブル・サラダ。
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それからシーフード。
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みんなで食べると、
おいしい。
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みんな、真剣。
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メインディッシュは、
プライム・ドライエージ・ビーフの
ポーターハウスステーキ。
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おとうさん、堪能。
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最後は、ケーキ。
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チェッカー・トレーナーのトミタさんが、
おすすめ。

ボクも、おなかすいた。
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ちょっとだけど。
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いいかな?
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では・・・。
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いただきます。
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なんだか、おとうさんとは、
ずいぶん、違うかんじ。
IMG_5408ー5
うらやましい~。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

 

 

 

 

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