結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年02月02日(月曜日)

後藤健二さんの「眼差しと歩み」そしてイオン銀行「業界の非常識」

Everybody! Good Monday!
[2015vol5]

2015年も2月に入り、
第6週。

明日は2月3日、節分。
そして明後日は、立春。

もう一度か二度か、あるいは三度くらいか、
極寒と呼ばれるような寒さが訪れるのだろうが、
明日、明後日で、気分は、
ずっと春らしくなる。

梅開く切なき声の洩るゝかに
〈朝日俳壇より 福岡県鞍手町・松野賢珠〉

梅の季節です。

それにしてもイスラム国人質事件。
後藤健二さんが殺害されてしまった。

朝日新聞『天声人語』。
イラン映画のマフマルバフ監督の言葉を引いた。
「タリバーンは遠くから見れば
危険なイスラム原理主義だが、
近くで個々を見れば飢えた孤児である」

その上で後藤さんの「眼差し」を指摘する。
「貧困や無知といった暴力の温床を絶ちたいと、
弱い人々の姿を伝え続けた」

そしてコラムニスト。
「無念のいかばかりかを汲み、
今は祈りを捧げたい」

晧晧と寒満月の孤高かな
〈朝日俳壇より 大阪市・山田天〉

毎日新聞『余録』は、
ジャーナリスト後藤健二のスタンス。
「地球上の困難の中で暮らす人々に寄り添いたい」

「テロリストがどんな毒をふりまこうと、
たじろがずに引き継ぎたい強靱な善意である」

日経新聞『春秋』。
「こみ上げる怒りに身を委ね、
憎しみの連鎖に陥りたくない。
命の尊さと平和を忘れぬ誓いを胸に、
ひたすら手を合わせる」

日本国政府も日本人も、
ひどく難しい局面に足を踏み入れた。

安倍晋三首相は初めから、
悲観も楽観もせず、
実にクールだった。
怒りを口に出したが、
心底、怒っているようには見えなかった。

一方では、トマ・ピケティが来日し、
「不平等」を解析し、「格差」を問い質す。
フランスの経済学者で、
大ベストセラー『21世紀の資本』の著者。

イスラム問題の根底にも、
宗教戦争、民族問題とともに、
南北問題や社会的不平等が横たわっている。

われわれ一般の日本人の想像を、
はるかに超えたところに、
問題の根がある。

後藤さんはそれを、
現場を歩くことで見ていた。


口笛や雪寄せつけぬ寒の月

〈日経俳壇 今治市・松本京子〉
心より、ご冥福を祈りたい。

さて「第11回日経金融機関ランキング」。
日経新聞の調査。

総合得点1位はソニー銀行。

2位にイオン銀行が、
5位にセブン銀行が入って、
小売業系が健闘した。

セブン銀行は昨年、同率1位、
イオン銀行は6位からの躍進。

3位は住信SBIネット銀行、
4位は大垣共立銀行。

総合得点は新興銀行が上位を占めたが、
顧客満足度項目の中の「信頼性」では、
やはり三菱東京UFJ銀行が4位、
三井住友銀行が5位。
トップテンのうち6行が大手銀行だった。

ちなみに1位は、
ソニー銀行と大垣共立銀行。

「品ぞろえ・提案力」でもソニー銀行が1位。
本業が芳しくないのに、
こういった新興事業はいい。

つまり進取の精神が大事だということ。

日経新聞では、
「インターネット専業銀行が
前回に続いて上位を占める」と評価。

その中で、有店舗銀行2社を取材。

2位はその名のとおり、
イオンが2007年に設立した銀行。

森山高光社長が語る特徴は、
「小売業の視点から考える」
つまり、小売業の顧客を、
ターゲティングするというマーケティング。

だからイオンモールなどの約130の店舗は、
基本的に午前9時から午後9時までの営業。

小売業では当たり前。

平日営業で、午後3時まで。
これが、銀行界の基本。

しかしイオン銀行幕張新都心店は、
年末年始・土日祭日を含めて365日営業。

店内には無料のドリンクコーナーを設置。
待合スペースも非常に広い。

「買い物に来たついでに立ち寄れる気軽さ」
これは小売業の強みだ。

さらに住宅ローンを借りた顧客には、
イオングループ小売店舗での買い物が、
5年間5%引きのサービス。

だから口座保有者の7割が女性。
今回も女性のみの調査では第1位。

女性を制するもの、
商売を制する。

銀行に限らず、
購買の意思決定者を
ターゲティングするビジネスモデル。

いけます。

もうひとつの事例は、
4位の大垣共立銀行。

岐阜県大垣市に本拠を置く地方銀行。
小売業で言えばローカルチェーン。

さまざまなアイデアで、
サービス強化型営業を展開する。

エブリデープラザ、OKプラザ、
コンビニプラザにドライブスルー店舗。

記事にあるのは、
「手のひらの静脈を読み取って取引ができるATM」

生体情報の登録者数は、
25万人を超えたが、
入出金にカードは不要で、
災害時などに強みを発揮する。

さらに顔認証システムを導入した貸金庫まである。

業界の常識を破る。

つまりその業界の非常識は、
他の業界の常識であったりする。

だから業界と業界の間の現場を見て歩く。
それがイノベーションにつながる。

亡くなった後藤健二さんは、
イスラム教国と日本との間を歩いた。

その後藤さんの遺志はいつか、
宗教問題解決のためのイノベーションに、
つながらないものかと思う。

明日は節分。
今年の恵方は、
西南西。

シリアの方向は、
果たして恵方なのだろうか。

では、みなさん。
それぞれにGood Monday!

合掌。

〈結城義晴〉

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