結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年12月31日(水曜日)

岡山表町商店街とイオン岡山の明暗を見定め「毎日更新宣言終了」

2014年の大晦日。

1年間、毎日更新宣言ブログを書いてきて、
今日が365回目の最後。

今年の商人舎標語。
1年通しのスローガンは、
「こまかく・きびしく・しつこく・なかよく。」

貫き通した。

それには大いに満足。

皆さんはどうだったろうか。

さて1年の最後の日も、
今年らしく、動き回った。

岡山での目覚め。
朝一番に岡山城へ。
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別名は烏城。
黒いカラスのような城。
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そして後楽園。
日本三大庭園。
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すぐに歩いて、
表町商店街へ。
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岡山第一の商店街。
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アーケードにも投資して、
すっきりした商店街が連なる。

しかし、黄色いシャッターと、
テナント募集の文字。
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シャッター通り。
閉店街。
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「謹賀新年」の言葉と日の丸が、
寒々と感じる。
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今日は大晦日。
大売出しがあってしかるべき。
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チェーン店の築地銀だこだけ、
行列。
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そして天満屋のところだけ、
人影が見える。
天満屋は岡山に本店を構える百貨店。
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その天満屋は、
残念ながら旧態依然の百貨店。
デパ地下だけ、ちょいと賑わい。

一方、岡山駅前。
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駅からの地下街は、
イオンモール岡山に続く。
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地上には案内係。
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入口の高島屋。
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行列は十勝おはぎのサザエ。

1階のイオンスタイルのコンコース。
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イオンリテール㈱の総合スーパーの、
食品売場。
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上出来の売場と商品。
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年越しそばは山盛り。
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食品フロアの奥主通路。
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表町商店街とは、
天と地。

食品フロアのレジ。
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1階は大繁盛。
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2階のイオンスタイルは、
ファッションと服飾雑貨のフロア。
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マネキンを多用したステージ。
プレゼンテーション。
格段の進化。
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ステーショナリー。
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3階の住まいとくらしのフロア。
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前面にはソファで休む人たち。

そして4階はキッズのフロア。
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キティちゃん売場。
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イオンモール倉敷から始まった
キッズ・リパブリックのノウハウが、
ふんだんに盛り込まれて、
4層の総合スーパーの最上階に目処が立った。

三世代を集めて、
大人気。
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ユニクロもキッズ・フロアに入って、
子供服を強化。
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かつての岡山市第一の商店街は、閑散。
その代わり駅前のイオンモール岡山には、
人波が押し寄せる。

人の流れが変わった。
人の流れを変えた。

どんなときにも、新しいことに、
チャレンジしなければならない。

その場に止まっていることは、すなわち、
下りのエスカレーターに乗っているだけ。

止まっていてはいけない。
常に、前向き・上向き・外向き。

それが表町商店街と、
イオンモール岡山の違い。
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今年最後の日経新聞に、
イオンの雑貨専門店「R.O.U」の記事。
2020年2月期100店体制を目指す。

イオンリテールが、
ロフトや東急ハンズに対抗して、
独自の専門店に挑戦する。

これは「総合は専門の集積」という考え方に則る。

新しい年には、
トップ集団と後続集団との差は、
ますます広がるだろう。

しかしどんな企業、どんな店も、
まだまだ遅くはない。
いつでも遅すぎることはない。

前向き・上向き・外向き。
この考えさえあれば、
誰にも明日は開かれてる。

私は今日、
夕方の新幹線で、
帰浜。
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そして久しぶりに、
紅白歌合戦を見たりしながら、
今年最後の[毎日更新宣言]執筆。

今年1年のご愛読に、
心から感謝したい。

2007年8月23日に初めて、
結城義晴の[毎日更新宣言]を発信し、
連続ブログを書き続けてきた。

そして今年2014年6月26日に、
第2500回を数えた。

だから[毎日更新宣言ブログ]は、
今日で連続2688回目。

来年の312日目が3000回。

私は1万日連続を目論んでいる。
83歳のころか。

今年、11月4日、
父を亡くした。

㈱商人舎の年賀状は出すが、
個人的なものは喪中で、
失礼した。

来る年も、
皆さんにとって、
良い日々であることを、
心から祈念しつつ、
2014年の毎日更新、
終了を宣言する。

〈結城義晴〉

2014年12月30日(火曜日)

イオンとイトーヨーカ堂の倉敷・岡山を実査・対比して考える

新聞も朝刊だけで、
もう3日間、夕刊がない。

年末態勢に入って、
カウントダウン。

あと2日。
私は岡山にやってきて、
2泊3日で視察。

その2日目。

朝から、倉敷に出かけた。
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岡山県第二の都市倉敷。
その駅北口にARIO。
イトーヨーカ堂のショッピングセンター。
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旧倉敷紡績工場跡地に、
テーマパークが開設された。
「倉敷チボリ公園」。
それが経営難で2008年末に閉園。

2011年11月25日に、
テーマパーク跡にオープンしたのがARIO。
122店のテナントが入る。

核店舗は食品館イトーヨーカドー。
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セブン&アイ・グループの赤ちゃん本舗。
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そして米国ギャップのオールド・ネイビー。
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ギャップの低価格フォーマット。
ユニクロにおけるguのポジショニング。

駅前のショッピングセンターというのに、
やや閑散。

そのオールド・ネイビーの外側に、
仮設アイススケートリンク。
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そして隣接して、
三井アウトレットパーク倉敷。
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やや小ぶりで2層のアウトレットモール。
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こちらは総バーゲン状態で、
若者を中心に集客。

この駅前のARIO&アウトレットに対して、
郊外のイオンモール倉敷。
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1999年9月に、
イオンモールとして8番目の開設。
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核店舗はイオンリテールの総合スーパー。
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何度もリニューアルして、
食品売り場はできる限り、
最新型を持ち込もうとしている。
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人気のセルフ量り売り惣菜・サラダの売り場。

20世紀型としては、
今でも通用するモール。
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トイザらス&ベビザらス。
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そのほぼとなりに、
キッズ・リパブリック。
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今年11月15日にオープンした新フォーマット。
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「ほしいものが見つかる 家族で楽しいテーマパーク」。
これがコンセプト。

「買う・遊ぶ・学ぶ・探す・洒落る・聴く」
6つの体験要素を盛り込んで、
三世代で楽しめる買物体験を創り出す。

カテゴリー別に「メガ化」を進めるが、
2016年までに10店を目指す。

基本は「トイ」と「ベビー」。
そのダブル・メガストアのコンバイン型。
1フロア5288㎡(1575坪)、従業員90名態勢。
リージョナルショッピングセンターで、
総合スーパーの反対側の核店舗の機能を、
果たすことができる。

メガトイコーナーの「Montoy’s」。
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「山のようにおもちゃが揃った専門店」。

PLAYコーナーは「安全・安心」な遊戯施設。
イオンファンタジーが運営する室内遊戯施設。
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それこそ三世代が集まって、
大喜び。

この他、メガベビーコーナーや、
キッズコーナー。
さらにオム二チャネルの取り組みで、
新しい買物体験ができる「タッチ・ゲット」サービスなども。

アンパンマンと写真を撮ることもできる。
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いくつかの注文はあるが、
大いに評価できる新フォーマットだ。

ショッピングセンターは、
何度も何度も再投資して、増床し、
新フォーマットを追加しなければならない。

顧客は飽きる。

それへの対策が、
段階的に用意されていなければならない。

岡山駅に戻って、
歩けば15分ほどの、
イトーヨーカドー岡山店。
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目の前に山陽新聞本社。
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箱型のショッピングセンター。

1998年11月オープンだから、
イオンモール倉敷の直前の開設。

そしてイオンモール岡山の進出に備えて、
こちらも今年11月14日、
リニューアルオープン。
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しかし、残念ながら、
新規性は少ない。

衣料品売場はガランとしている。
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この年末商戦も、苦戦中。

一方のイオンモール岡山。
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エントランスでは、
若者たちのグループが記念写真。

モールは現代仕様。
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イオンスタイルが核店舗。
その衣料品売り場でも、
マネキンを多用したステージ陳列が際立つ。
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イトーヨーカ堂とイオン。

倉敷も岡山も、
鮮明な違いが出た。
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新しい時代に、
新しい試み。

アウトスタンディングなポジショニング、
この戦略の重要性を、
あらためて実感させられる。

〈結城義晴〉

2014年12月29日(月曜日)

地方創生総合戦略を考察しつつ、話題のイオンモール岡山へ

Everybody Good Monday!
[2014vol52]

2014年、最終週。

今年の1月元旦は水曜日だった。
そして大晦日も水曜日。

閏年でなければ、
365日は52週と1日。

覚えやすい。
元旦と大晦日、
同じ曜日。
今年の第1週は水曜日から始まり、
第2週の月曜日に、
Good Mondayと呼びかけて、
それが第1回目だったから、
今日は第52回目のGood Monday。

なんとなく、ほっとした。

刻々の二十四時間師走かな
〈『ホトトギス』2002年12月より 稲畑汀子〉

今日は福の日。
29日だから、
「フ・ク」と読んで、
福の日。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

それが生きるエネルギー。
福の日には、
そんなことを訴えたい。

師走の終わり、年の暮れ。
感謝の気持ちで終わりたい。

猫も又師走の顔をしてをりぬ
〈『ホトトギス』2005年12月 稲畑廣太郎〉
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ことごとく骨折り損の年の暮
〈『狩』2004年12月 小川匠太郎〉

それでも明日への希望を持って、
最終週を過ごしたい。

さて私はぐっすり眠って、
昼頃、新横浜駅。
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横浜は氷雨。

日本の鉄道はすごい。

のぞみ臨時列車が山手線並みに、
3分間隔で運行されている。
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乗り込むと、これ。
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崎陽軒のシウマイと、
ザ・プレミアムモルツ。

アポイントのない取材。
これも許してもらおう。

厚木のあたりでは、
丹沢山系が雲の間に間に顔を出す。
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富士山も雲に隠れているけれど、
富士川のところでちらと、
裾野を見せてくれた。
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名古屋あたりになると、
雨は上がって、
晴れ間が見える。
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京都、大阪、神戸、
そして岡山。
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その岡山駅から地下道がつくられて、
イオンモール岡山までつながった。
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今年12月最大の話題は、
このイオンモール岡山。
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イトーヨーカドー岡山店と、
500メートル程の至近距離。
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7&Iのマークが見える。
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そのイオンモール岡山。
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この店は成功するに違いない。
その理由は明日、紹介しよう。

日経新聞の社説。
「国に頼らずに地域主導で地方創生を」

政府がまとめた意欲的な計画が、
地方創生総合戦略と人口長期ビジョン。

「5年間で地方での若者雇用を30万人分創出し、
地方への人材回帰の流れをつくる」計画。

最終的な目標は、
2060年時点で1億人程度の人口の維持。

そのために、5年間の計画をつくった。
さらに政策ごとの成果指標を明示。

この総合戦略の最大の柱は、
東京一極集中の是正。

年間約10万人の東京圏への転入超過数を、
2020年にゼロにすることで、
一極集中を止める目標が盛り込まれた。

今後は、政府の基本計画をもとに、
全国の自治体が地方版の戦略をつくる。

単なるバラマキにならないようにすると同時に、
交付金などを使って政府が支援する。

その際、各地域ごとに、
過去の政策を真摯に反省する必要がある。

社説は訴える。
「農業でも商業でもそれぞれの地方には
様々な既得権が巣くっている。
そこから見直して新陳代謝を促さないと
地方経済の立て直しは難しい」

地方再生のためは、
コンパクトシティの考え方がいいと思う。
そのとき商業の役割は大きい。

「国に依存するだけでは何も変わらない。
東京を悪者扱いしても
地方が活性化するわけではない」
そのとおり。

地方行政と民間企業が、
手を取り合って、
地方創生をする。

その意味でイオンモール岡山の試みは、
郊外だけでない中心街の商業施設の、
可能性を見せてくれる。

さて年末商戦は、
際の勝負。

早仕掛け・早仕舞い・際の勝負。

そのなかでいよいよ、
際の勝負と早仕舞いの段階。

それでも、根底にあるのは、
いつもいつもお客様のこと。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

それを提供する仕事の喜びを、
今一度、心に満たして、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2014年12月28日(日曜日)

ジジの感謝[日曜版2104vol53]

おおきなおしり。
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こちらも。
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ジジです。
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ことしが、おわります。
ありがとうございました。

いい年でした。
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ボクにとっても、
おとうさんにとっても。

感謝します。
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ヨシハルおとうさん、
ことしさいごのゴルフ。
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東名高速。

協会のコンペ。
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とても、いい天気。
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うれしそう。
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ごあいさつ。
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玉生さんと田上さん。
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みんな、やる気、まんまん。
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そしていい景色。
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うつくしい。
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富士山。
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すばらしい。
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おとうさん、
とてもまんぞくして、
かえってきました。
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かえってきたらすぐ、
ベッドにはいって、
ぐっすり、ねてます。
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おとうさん、1年間、
おつかれさまでした。

おとうさん、1年間、
ありがとうございました。

ボクもいっしょに、
ぐっすり、ねむりました。
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夢のなかで、
来年のことを、
かんがえました。
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〈『ジジの気分』(未刊)より〉

ブログ『ジジの気分』。
1年間のご愛読、
ありがとうございました。

2014年12月27日(土曜日)

2013家計貯蓄率マイナス黄信号とネットスーパーの明白な試練

今日の土曜日から、
次の日曜日まで、
最長9日間の連休。

今日から、
空も陸も、帰省ラッシュ。

それが2014年末から、
2015年始の連休。

銀座通りには、イルミネーションが煌く。
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商人舎オフィスは、
今日12月27日から1月7日まで、
冬季休業とさせていただきます。

よろしくお願いします。

もちろん、
毎日更新宣言ブログは、
年中無休。

商人舎magazineも、
デイリー商人舎、
ウィークリー商人舎、
土日祭日以外は公開します。

私は年末の29日、30日、31日と、
岡山・倉敷へ。

ショッピングセンターや、
話題の店を視察して歩きます。

今年は、1年中、
忙しく動き回った。

それを大晦日まで、
貫徹したい。

ただひたすら、
そう願っています。

さて、ちょっと心配な話。

2013年度の国民経済計算確報で、
家計貯蓄率がマイナス1.3%となった。
調査可能な1955年度以降初めて。

家計貯蓄率は、
所得のうち貯金に回した比率。

13年度に国民は285兆5000億円の所得を得た。
個人消費には289兆2000億円を使った。

その差し引きとなる家計貯蓄は、
マイナス3兆7000億円。

だから家計貯蓄率はマイナス1.3%。
要警戒の黄信号。

消費に回してくれること自体、
小売サービス業にとっては嬉しいことだが、
家計所得全体はいまのままでは、
今後、大きな伸びは見込めない。
団塊の世代のほとんどが、
年金生活に入ったからだ。

それでいて、年金や社会保障費は、
今後も増加の一途。

経済低成長のため、国の税収は伸び悩む。
しかし年金・医療費に対する国庫負担は増える。

結果として見えてくるのは、
貯蓄を食いつぶしつつ、
生活水準を維持するという生き方。

つまりは、節約消費だ。

2013年度がそのトレンドの中にあった。

2014年度は4月1日から、
消費税が増税された。

その2014年が終わろうとしているが、
そしてその家計貯蓄率はまた、
来年の今頃、発表されるのだろうが、

基調にあるのが、
節約消費であることは、
忘れてはならない。

さて、一昨日、昨日と、
日経新聞で連載された記事。
「試練のネットスーパー」

ネットスーパー展開企業がもがいている。

ニーズは高まっている。
しかし採算確保は苦しい。

初めから私の指摘はこの点にあった。

まずは住友商事の「サミットネットスーパー」。
2009年参入。

約30万人の会員を獲得。
しかし5年間で撤退。

年間収支は10億円超の赤字。
初期投資を合わせて累積損失は100億円。

物流センターから広範囲に届ける配送体制。
これが致命的だった。
ネットスーパーの市場規模は現在1000億円超。
5年間で2.5倍に拡大するとの試算もある。

西友は「ハイブリッド型」。
ドライグロサリー3万品目は物流センターから配る。
野菜や牛乳などは店舗から配る仕組み。

イトーヨーカ堂は専用物流拠点を都内に設け、
サービスエリアを半径9キロの都心部に限る。

三重県のサンシの宅配事業は、
フレッシュシステム以来30年の歴史。

全13店のうち7店で配送業務をする。
こちらは店舗ピッキング方式。

ネットスーパーで5%の営業利益率。

高収益の要因。
夕方までの当日配送を希望する場合は、
注文は午前中までのルールを崩さない。

つまり例外をできる限りなくすこと。

さらに140人の配達員はベテランパート。
会員に鍵付きのロッカーを無償貸与し、
不在時にも商品を置く だけで配達が済む。

どちらもコスト問題を、
割り切って解決すること。

沖縄県のサンエーは今年5月スタート。
離島も多いし、センター機能が充実していて、
シェアが極めて高い。

こちらも成功するに違いない。

来年は、ヤオコーが実験を開始。
同社もサンシのフレッシュシステムを展開していたが、
それは失敗に終わっている。

ニーズはある。
しかしコストが合わない。

それだけの事業だ。

家計貯蓄率が下がる時代。
節約の時代。

便利で安い宅配。

イノベーションが起こせたら、
そしてそのイノベーションが、
模倣困難性と稀少性を持っていたら、
間違いなく圧倒的なマーケットリーダーが、
登場するに違いない。

来年も盛んに話題にされるテーマであるが、
問題点は実にはっきりしている。

私には成功の方向は見えている。
イギリスのテスコの考え方を、
いかに咀嚼し、独自のシステムにするか。
ずっとそれは指摘しているが、

本気のプロデューサーが、
このプロジェクトにいるかいないか。

それが鍵を握るに違いない。

〈結城義晴〉

2014年12月26日(金曜日)

ダイエー上場廃止と中内功の「魂」と「思い」を受け継ぐ者たち

ダイエー、上場廃止。
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私はこのロゴマークが、
大好きだった。
一番好きだった。

デザイナーはレイ・ヨシムラ。
DAIEIのDの文字が、
オレンジ色でシンボライズされている。

昨日、最後のダイエー株取引が行われ、
終値は134円。
この時点の時価総額は533億円。

1971年、旧大阪証券取引所に上場。
それ以来、43年間の株式公開企業として、
先駆的な仕事をし続けたダイエー。

1972年
に三越の売上高を抜いて、
小売業トップの座につき、
1980年2月には、
小売業界で初めて、
売上高1兆円を達成。

私はその瞬間に、
神戸三宮のフォルクスに特設された会場で、
取材をしつつ、
当時の中内功社長の写真を撮っていた。

1988年には、
福岡ダイエーホークスを所有し、
同年4月、流通科学大学を開設。

業績は別にしてこの頃が、
ダイエーと中内さんの絶頂期だった。

1990年、バブル崩壊。
そして1995年、阪神淡路大震災。

そして21世紀に入った2001年、
中内さんが社長を退き、
高木邦夫さんが社長に就任。

この時、私は、
㈱商業界の取締役『販売革新』編集長。

高木さんにもインタビューし、
特集記事を編集した。

さらに2004年、
産業再生機構の支援で、
再建を進めたが、
2005年9月19日、
中内功さん、ご逝去。
83歳だった。

このときに、
ダイエーは終わった、
と思っていた。

11月20日、
赤坂プリンスホテルで、
「中内功氏を偲ぶ会」が開かれた。

私はこの会の総合司会。
当時、㈱商業界代表取締役だった。

その模様がこのブログの、
2005年12月20日編に、
書かれている。

懐かしい。

その後、追悼文集も、
私の手で編集。

この文集に、
自分でも文章を寄せた。

中内功さんのご逝去に寄せて
――孤独で純粋な人間の生と死

㈱商業界社長 結城義晴

最高経営責任者は、
例外なく、孤独なものだが、
中内功さんは、
とりわけ孤独な人だった。
度外れて、孤独な人だった。

会社や事業が、
孤高のレベルに巨大化したから、
孤独が募ったのではなかった。
経営への責任感が強すぎて、
孤独になったのでもなかった。
その人間としての本質が、
孤独な存在だったのだと思う。

孤独だから、先頭に立って、
誰よりも勇敢に戦った。
孤独だから、時として部下に、
信じられないくらい厳しく当たった。
孤独だから、周辺に、
とてつもなく優しい配慮があった。

1980年2月。
ダイエーが小売業ではじめて
1兆円を達成した瞬間、
中内さんの目は笑ってはいなかった。
私は、不思議なものを見た気がした。

中内さんは次々に、
仕事を生み出した。
私は「皿回し芸人」と揶揄した。
しかし「千手観音の腕を持つ」とも評した。

孤独で純粋でとびきりの勉強家が、
時代の要求をびんびんと感じとり、
居ても立ってもいられぬといった気概で、
多くの仕事をつくり出していった。

1998年2月、
最後の商業界箱根ゼミナールの、
その最終講座。

中内さんにとっても
最後の公けの講演だった。

こんなことを、
中内さんは語ってくれた。
「皆さん、赤ちゃんはどうして
生まれてくると思いますか。
それは、若い男性と若い女性の、
赤ちゃんがほしいという『思い』から
生まれてくるのです。
事業も会社も『思い』から
生まれてくるのです」

1999年1月、ダイエー社長退任。
中内さんはひっそりと漏らした。
「楽しいことは何もなかった、ですなぁ」
――発言を聞いて、
がっかりしたという声があいついだ。

しかし私は、
極めて孤独で純粋な人間の「魂」が、
自分の孤独を、客観的に突き放して
見定めた言葉なのだと感じた。

孤独で純粋な人間の「魂」が、
日本の流通業を
産業の入り口まで導いてくれた。

孤独で純粋な人間の「思い」が、
顧客の喝采を呼び、
ダイエーを歴史の中に刻んだ。

この「魂」と「思い」を受け継ぐことのできる
純粋な人間集団の登場を、
待つばかりである。

合掌。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ダイエーはあの時、
中内さんの死とともに、
終わっていた。

その後のダイエーは、
もう、抜け殻。

だから今さら、
ダイエーの上場廃止や、
イオンの子会社化を、
悲しむことはない。

ただし、中内功の魂と思いを、
是非とも受け継いでもらいたいと、
これだけは切に願うものだ。

ふたたび、合掌。

〈結城義晴〉

2014年12月25日(木曜日)

川野幸夫さんの「食品スーパーと総合スーパーを混同するな!」

第47回衆議院選挙の圧勝を受けて、
第3次安倍内閣がスタートした。

いかに史上最低の投票率で、
史上最低の総選挙であったとしても、
決まった政権には仕事してもらわねば困る。

存分に働いてもらおう。

今回、ただ一人の新任閣僚は、
中谷元・防衛大臣。

中谷氏にもしっかり仕事してもらおう。

仕事内閣であってほしいものだ。

今日はクリスマス。

そして今日は年末際の和風の売場イメージに、
どんでん返しをする日。
私は劇的な激変だから、
「劇激変」と表現している。

てっちゃん会会長の大越鉄夫さんをはじめ、
全国から「劇激変」の報告が寄せられ、
私は大満足。
今日、明日が劇激変。
ここで感動を呼び込む。

そうすると、27日土曜日からの、
年末一色の商戦がぐっとやりやすくなる。

28日日曜日は、大掃除、年賀状など、
歳末の気分が盛り上がる。

そして29日、30日、31日の大晦日へ。
さて今日の私は朝から、
東京・御成門。

東京タワーが本当に美しい。
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愛宕ヒルズもくっきり。
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芝大門センタービル。
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そのカスタマー・コミュニケーションズ㈱。
略称CCL。
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TRUE DATAがキャッチフレーズ。

社内はご覧のように、
快適な空間。
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恒例の取締役会。

いつもいつも新しいチャレンジ。
それが新生CCLの特徴。

会議が終わると、急いで横浜に。
商人舎オフィスで、
月刊『商人舎』1月号の入稿。

そしてまた夕方、日本橋へ。

今度は日本スーパーマーケット協会。
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こちらも恒例の記者会見。

スーパーマーケット販売月報の報告。

しかし今年最後の記者会見なので、
川野幸夫会長がお出ましくださって、
2014年の総括と2015年の展望。
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消費増税問題から、
軽減税率問題、
さらにスーパーマーケット経営のあり方など、
実に丁寧に明快に語ってくれた。

その中でマスコミに要望したのが、
総合スーパーと食品スーパーの、
業態の違いを明確にして、
報道して欲しいということ。

欧米ではハイパーマーケットと、
スーパーマーケットは、
業界でもマスコミでも常識中の常識。

それが日本では理解されていない。

「スーパー」と十把一絡げ。

私は「戸籍のない産業」と表現しているが、
総合スーパーの陰に押し隠されてきた。

川野さんはそれが我慢ならない。

実に力強い、いい話でした。

これはウィークリー商人舎だろうな。
やはり。

会合が終わったら、
専務理事お二人と写真。
20141226011502.jpg
右がに竹井信治専務。
日本スーパーマーケット協会。
左が松本光雄専務。
オール日本スーパーマーケット協会。

今年もお世話になりました。
ありがとうございました。

その後、川野会長に呼び止められて、
二人で特別の懇談。
20141226011511.jpg
川野さんのご苦労、お察しします。

その辛抱強さが協会を支え、
スーパーマーケット産業を盛り上げている。

しかしヤオコーの会社は絶好調。
だから川野さんも激務に耐えられる。
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来年もよろしくお願いします。
ありがとうございました。

〈結城義晴〉

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