結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年12月26日(金曜日)

ダイエー上場廃止と中内功の「魂」と「思い」を受け継ぐ者たち

ダイエー、上場廃止。
20141227031311.jpg
私はこのロゴマークが、
大好きだった。
一番好きだった。

デザイナーはレイ・ヨシムラ。
DAIEIのDの文字が、
オレンジ色でシンボライズされている。

昨日、最後のダイエー株取引が行われ、
終値は134円。
この時点の時価総額は533億円。

1971年、旧大阪証券取引所に上場。
それ以来、43年間の株式公開企業として、
先駆的な仕事をし続けたダイエー。

1972年
に三越の売上高を抜いて、
小売業トップの座につき、
1980年2月には、
小売業界で初めて、
売上高1兆円を達成。

私はその瞬間に、
神戸三宮のフォルクスに特設された会場で、
取材をしつつ、
当時の中内功社長の写真を撮っていた。

1988年には、
福岡ダイエーホークスを所有し、
同年4月、流通科学大学を開設。

業績は別にしてこの頃が、
ダイエーと中内さんの絶頂期だった。

1990年、バブル崩壊。
そして1995年、阪神淡路大震災。

そして21世紀に入った2001年、
中内さんが社長を退き、
高木邦夫さんが社長に就任。

この時、私は、
㈱商業界の取締役『販売革新』編集長。

高木さんにもインタビューし、
特集記事を編集した。

さらに2004年、
産業再生機構の支援で、
再建を進めたが、
2005年9月19日、
中内功さん、ご逝去。
83歳だった。

このときに、
ダイエーは終わった、
と思っていた。

11月20日、
赤坂プリンスホテルで、
「中内功氏を偲ぶ会」が開かれた。

私はこの会の総合司会。
当時、㈱商業界代表取締役だった。

その模様がこのブログの、
2005年12月20日編に、
書かれている。

懐かしい。

その後、追悼文集も、
私の手で編集。

この文集に、
自分でも文章を寄せた。

中内功さんのご逝去に寄せて
――孤独で純粋な人間の生と死

㈱商業界社長 結城義晴

最高経営責任者は、
例外なく、孤独なものだが、
中内功さんは、
とりわけ孤独な人だった。
度外れて、孤独な人だった。

会社や事業が、
孤高のレベルに巨大化したから、
孤独が募ったのではなかった。
経営への責任感が強すぎて、
孤独になったのでもなかった。
その人間としての本質が、
孤独な存在だったのだと思う。

孤独だから、先頭に立って、
誰よりも勇敢に戦った。
孤独だから、時として部下に、
信じられないくらい厳しく当たった。
孤独だから、周辺に、
とてつもなく優しい配慮があった。

1980年2月。
ダイエーが小売業ではじめて
1兆円を達成した瞬間、
中内さんの目は笑ってはいなかった。
私は、不思議なものを見た気がした。

中内さんは次々に、
仕事を生み出した。
私は「皿回し芸人」と揶揄した。
しかし「千手観音の腕を持つ」とも評した。

孤独で純粋でとびきりの勉強家が、
時代の要求をびんびんと感じとり、
居ても立ってもいられぬといった気概で、
多くの仕事をつくり出していった。

1998年2月、
最後の商業界箱根ゼミナールの、
その最終講座。

中内さんにとっても
最後の公けの講演だった。

こんなことを、
中内さんは語ってくれた。
「皆さん、赤ちゃんはどうして
生まれてくると思いますか。
それは、若い男性と若い女性の、
赤ちゃんがほしいという『思い』から
生まれてくるのです。
事業も会社も『思い』から
生まれてくるのです」

1999年1月、ダイエー社長退任。
中内さんはひっそりと漏らした。
「楽しいことは何もなかった、ですなぁ」
――発言を聞いて、
がっかりしたという声があいついだ。

しかし私は、
極めて孤独で純粋な人間の「魂」が、
自分の孤独を、客観的に突き放して
見定めた言葉なのだと感じた。

孤独で純粋な人間の「魂」が、
日本の流通業を
産業の入り口まで導いてくれた。

孤独で純粋な人間の「思い」が、
顧客の喝采を呼び、
ダイエーを歴史の中に刻んだ。

この「魂」と「思い」を受け継ぐことのできる
純粋な人間集団の登場を、
待つばかりである。

合掌。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ダイエーはあの時、
中内さんの死とともに、
終わっていた。

その後のダイエーは、
もう、抜け殻。

だから今さら、
ダイエーの上場廃止や、
イオンの子会社化を、
悲しむことはない。

ただし、中内功の魂と思いを、
是非とも受け継いでもらいたいと、
これだけは切に願うものだ。

ふたたび、合掌。

〈結城義晴〉


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