結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年12月30日(水曜日)

名古屋の年末店舗視察と「地域活性化」から学ぶこと

2015年12月30日、
朝7時の名古屋の空。DSCN8380-5
朝日が街をオレンジ色に染める。

それから1時間も経つと、
街は落ち着いてくる。DSCN8383-5
しかし暖冬。

名古屋駅のタカシマヤは、
正月明けのクリアランス・セールを告知。DSCN8386-5

1年前は岡山にいた。
話題を席巻したイオンスタイル岡山に、
3日間通った。

今年は名古屋地区。
毎年年末は店を巡っている。

イオンタウン名西。DSCN8394-5

イオンタウンはもちろん、イオングループ。
ネイバーフッドショッピングセンター専門に、

いまや北海道から九州まで、
134カ所の近隣型SCを開発運営をする。

その名古屋市西区の店。DSCN8404-5
年末年始、ショッピングセンターは、
特に力を発揮する。

核店舗はマックスバリュ・グランド。DSCN8395-5

マックスバリュ中部の運営。DSCN8396-5

イオングループの中京圏の、
スーパーマーケット事業体。
現在、愛知県46店、岐阜県8店、三重県51店、
そして滋賀県6店の、総店舗数111店舗。
年商は2015年2月期で1649億円。

もともとは三重県のフレックス。
アコレやウェルマート中部と合併して、
さらにマックスバリュ名古屋、
マックスバリュ中京を併合して、
現在の規模になった。

店づくりも年末商戦の雰囲気を盛り上げる。DSCN8402-5

おせちバイキング売場を作って、
これは意欲的だ。
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その後、競合するミユキモールへ。
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ヤマナカとエディオンが核店舗。
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モールづくりはやはりイオンに、
一日の長がある。

ヤマナカは、
中京圏のスーパーマーケットとして、
いわば老舗。

2015年度年商
957億円で67店。

創業者の故中野富彦さんは、
商業界のエルダーで、
私、ずいぶんと薫陶を受けた。

現在は、
オール日本スーパーマーケット協会の、
副会長企業で、
中野義久社長は人柄の良さで定評がある。
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そのヤマナカ庄内通り店は、
1998年11月オープン、
そして2013年3月改装。

最新のモデルになっていて、
「オーソドックス」を絵にかいたような店。
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繁盛していて安心した。

今年の商人舎標語は、
「とんがり★こだわり」だが、
それがもう一段ほしいところだ。

もう1店、ヤマナカのアップグレードモデル。
四軒家フランテ。
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私にとっては懐かしい店だ。
ヤマナカの象徴のような店舗。

しかし古くなって、
今年11月に半年かけて、
大リニューアルオープン。
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フランテのフォーマットは現在8店。
キーワードは「旬・産直・安心・品揃え」。

つまり「こだわり」を前面に出したモデル。
しかしただ高いだけだし、「とんがり」がない。
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アウトスタンディングなポジショニングが、
足りない。

残念ながら、それは、
かつての高級高額スーパーでしかない。

今年の月刊『商人舎』5月号は、
【特集】
阪急オアシスと成城石井
――何が「高級スーパー」を殺すのか?!

まさに、高級スーパーが陥った隘路に、
フランテはあると思う。

難しい課題に挑戦している。
まだそれは大いに評価できる。

ただし、困難な問題は、
解くのに苦労する。

さて、日経新聞のコラム『大機小機』
私の好きなコラムニスト隅田川さん。
「地域の現場から学ぶこと」を書く。

地域を活性化する考え方が、
上手に整理されている。

「誰もが考えるのが
成功した地域を視察して
そのノウハウを学ぶという方法」

島根県隠岐の海士町や
徳島県の上勝町はその代表。

年間数百人もの人々が、
見学にやってくる。

「しかし、見学した成果を活かして、
同じように地域おこしに成功した地域の話は
ほとんど聞かない」

これは小売業と同じだ。
いい店を視察研修する。
国内、国外でも。

しかし、見るだけが多い。

コラムニストは、
理由を3つ上げる。

第1は先行者利得。
「成功した地域はその分野で
確固とした地盤を築いており、
後発者にとっては
参入障壁が高すぎる場合が多い」

「上勝町の葉っぱビジネスは
誰でもできそうに見えるが、
既にシステム化され、
かなりのマーケットシェアを確立しているので、
表面的な行動はまねできても
自律的な産業としては
まねができないのである」

第2は比較優位。
「成功した地域は、自らの地域資源を
最大限にいかしたからこそ成功している。
海士町が生ガキや塩のブランド化に
成功したのは、こうした生産に
他の地域より比較優位があったからだ」

これはポジショニングの問題。

ポジショニングは、
自らの強みに根差していなければならない。

「資源の賦存状況は地域によって異なる。
見学に来る地域が、
海士町と同じような地域資源と
比較優位構造を備えていることは、
ほとんどありえない」

だから「他の地域がまねしても
うまくいくはずがない。
逆に、他の地域がやっていないことを
考えるべきなのである」

第3に、本当の地域活性化の理由は
現場を見ただけでは
わからないところにある。

「海士町は財政危機、上勝町は冷害によって
『このままではどうしようもない』と
いうところまで追い詰められ、
危機感に促されて
飛び抜けたリーダーが
思い切って地域を導いて行った」

「それが民間ベースの
持続的な産業につながって、
初めて持続的な地域の活性化
実現するのだ」

本気のプロデューサーの存在である。

「これに対して、現地に見学に行くのは
地方公共団体の職員や研究者だから、
そもそも思い切ったリーダーシップを
発揮できる立場にはない」

「日本の役人や研究者が
北欧の社会福祉制度を見学してきても、
日本の福祉制度が
簡単に変わるわけではないのと同じことだ」

「卓越したリーダーがリスクを覚悟の上で、
地域資源をいかした活性化の方策に
政策資源を集中させる。
それがうまくヒットすると
成功事例として表れる。
それは、極めて細い道なのである」

素晴らしい。

阪急オアシスは千野和利さん、
成城石井は大久保恒夫さんと原昭彦さん。

卓越したリーダー、
本気のプロデューサーが、
リスクを覚悟のうえで、
自らの経営資源を集中させる。

ただ真似をすればいいというものではない。

小売業でも、サービス業でも、
持続的な成果を上げるには、
「とんがり★こだわり」への、
卓越したリーダー・本気のプロデューサーが、
企業内部に存在しなければならない。

〈結城義晴〉

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