結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年12月09日(水曜日)

万代熊取店・大和田店と阪急オアシス箕面船場店訪問

朝、目覚めると、堺港。
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昨日の講演は、うまくできたし、
満足感に浸った。

さて、ワタミの「過労自殺」訴訟。
東京地裁で和解が成立。

経緯はまず、2008年4月、
森美菜さんがワタミフードサービス入社。
神奈川県内の店舗に配属。
休日もほとんど取れず、
連日、午後から深夜、あるいは早朝にかけて、
長時間勤務を強いられて、
6月に自殺。

残業は月140時間以上、
過重労働が原因。

適応障害を発病したとして、
2012年2月に労災認定された。

森さんの遺族は12年9月に、
ワタミに対して協議を申し入れる。

13年、遺族は提訴。
ワタミ側は当初、
「法的責任はない」として争っていた。

2013年5月、ワタミ創業者の渡辺美樹氏、
自民党から参院選への立候補表明。

2014年3月、渡辺氏は東京地裁で、
「法的責任は見解に相違」と陳述。

しかしこの2015年12月、
ワタミ側が法的責任を認め、和解。

ワタミ側は約1億3000円を支払い、謝罪。
社員らの長時間労働防止策も盛り込んだ。

至極、当たり前のことだが、
研修会などを労働時間と認定する。

これは意外に重要なことで、
内部、外部の研修会への参加も、
労働時間である。

渡辺美樹氏の著書の言葉。
「365日24時間、死ぬまで働け」

朝日新聞によると、
裁判で明らかになった、
ワタミの実態はすさまじい。

店の営業は深夜に及ぶ。
終電以降もタクシーは使えないため、
始発まで店内で待機した。

仕事を終えて深夜帰宅した同じ日に、
東京の本社で早朝研修があった。
研修では、渡辺氏の理念集を丸暗記する。
満点をとるまでテストが繰り返された。

休日にはボランティア名目の研修。
渡辺氏の著作を読んで感想を書く課題もあった。
これも勤務時間外にこなさないといけない。

ワタミの労働環境の詳細も、
裁判で明らかになった。

「就業規則を労基署に届けていない」
「法定の休憩時間を与えていない」
「残業代を支払っていない」
「1日8時間を超えて働かせるときに
必要な協定が結ばれていない」
「始業・終業時刻を書面で示していない」
「健康診断を受けさせていない」

これらは労務管理の基本ばかり。

裁判で当初、渡辺氏は争う姿勢を見せた。
「道義的責任はあるが、法的責任はない」
しかし和解に際して、渡辺氏は認めた。
「自らの経営理念が過重労働を強いた」
「最も重大な損害賠償責任がある」

遺族代理人の玉木一成弁護士、
「広範な過重労働対策を認めさせた。
判決を得る以上の成果があった」

つまり、今後、こういった過重労働は、
判例に基づいて取り締まられるということだ。

ワタミや外食産業のこと、
他人事だととらえてはならない。

ただし、働く人たちが、
自分の意思で勉強することまで、
規制するわけにはいかない。

これが大事なところだ。

さて、朝一番で、
万代熊取店へ。

泉南郡熊取町に位置する。
昨日8日にオープンした、
万代2015年の集大成の店。
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1階が万代、2階にセリア、しまむら3業態が揃う。

案内してくれたのは
第5運営部長の塩崎芳弘さんと、
店長の竹中天志さん(右)。IMG_1532-1

売場面積580坪で、
レジの外側には、
インストアベーカリーと不二家ショップ。
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どちらも万代の直営部門だ。

ペコちゃんがお客を迎える。
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青果の導入部には、
地産地消の「近郊野菜」コーナー。
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鮮魚売場は対面式。
魚種が多く、加工度も高い。
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精肉売場では、
牛肉はもちろんのこと、
豚肉の品揃えが圧巻。
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昨日のオープン初日は、
3100万円を売り上げた。

2日目の今日も朝から、お客でにぎわう。
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熊取店の不二家は、
直営で運営していることもあって、
店舗外装にペコちゃんのイラスト。
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万代の600坪クラスの威力を見せつけた店だ。

次に向かったのは門真市、
万代大和田店。
熊取店の3日前、12月5日のオープン。
大和田商店街の中の、こちらは293坪。
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この300坪型が万代の「強み」。
300坪20億円が目標だが、
それも達成しそうな勢いだ。

万代では今、立ち売りを強化している。
売場にスタッフが出て、
お客に試食をすすめ、声掛けし、
商品を推奨販売する。

この日、鮮魚部門では、
マグロの解体ショーと立ち売り。
マグロのカブトを持って、
大きな声でお客に呼びかけるスタッフたち。IMG_7290-1

次々にお客が寄ってくる。
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そして試食しては、
次々に買ってゆく。
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惣菜売場では、
シシャモフライの試食と立ち売り。
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私の隣から、
第2運営部エリアマネジャーの楠誠司さん、
大和田店店長の田村将吾さん、
そして取締役の黒田久徳さん。IMG_7317-1
楠さんは10月に、
サンフランシスコ社員研修の団長を務めてくれた。

黒田さんはコーネル大学ジャパン実行の三期生。
黒田さんも10月にアメリカ視察をご一緒。
皆さん、丁寧に説明してくれて感謝。

黒田さんには、忙しい中、
急きょ、朝からずっと、
付き合ってもらった。

そして話題のもう1店。
阪急オアシス 箕面船場店。
11月18日にグランドオープン。
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1階が阪急オアシス、2階、3階がエディオン。
阪食が2年がかりで仕上げた渾身の店舗。

突然の訪問だったが、
志水孝行さんとバッタリ。
取締役執行役員店舗統括部長
兼店舗企画部長。

志村さんが店内をくまなく説明してくれた。
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キッチンスタジオでは、
チーズ、オリーブ、ハムソーを対面販売。
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育成商品は、人手をかけて販売する。
これが阪食のポリシーだ。

志水さんが店にいた理由。
それは青森からやって来た、
紅屋商事のお二人を案内していたから。

その紅屋社長の秦勝重さんと竹谷尚敏さん(右)。
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竹谷さんは私のFacebook友達で、
SM事業部営業企画部兼新規事業部マネージャー。

この店は阪食らしいオリジナル商品満載の
そして店づくりに趣向を凝らした意欲作。

万代、阪急オアシスの新店は、
『Weekly商人舎』で詳細を報告しよう。

しかし、万代も阪急オアシスも、
それぞれにしっかりと、
ポジショニングを確立している。

「業態の確立」の時代は、
とうの昔に終わった。

「業態確立」ができていない企業は、
生き残ってはいけない。

これは「労務管理の基本」と同じこと。
当たり前のことだ。

そのうえで、独自のポジショニングを築く。

それは同時に独自の教育体系と、
社員・従業員の「ハイコンシャス」に、
基づいていなければならない。

〈結城義晴〉

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