結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年05月05日(木曜日)

「元気がある」の決定力とトランプ共和党候補指名獲得

子が育つ筍飯(たけのこめし)の大盛りよ
〈清水基吉〉
俳人は1944年の芥川賞作家でもある。
筍ご飯の大盛り。
今日にかぎらず、
育ち盛りのこどもたちには、
腹いっぱい食べさせたい。

そんな、やや無邪気な幸せこそが、
ほんとうの幸せなのかもしれない。

銀も金も玉も何せむに
まされる宝子にしかめやも
〈『万葉集』山上憶良〉

「銀」は「しろかね」、「金」は「くがね」。
「玉」は宝石、あるいは翡翠。

銀も金も宝石も、なんでもない。
こどもよりも勝る宝はない。

今日はこどもの日。

つつじの花が美しい。 DSCN8542-6

真っ白なつつじです。DSCN8541-6

もちろんマーガレットも美しい。
DSCN8532-6

今日木曜日のこどもの日と、
日曜日の母の日とセットで、
今週は母子週間。

Weekly商人舎の2週間販促企画は、
このことを強調する。

木曜日の日替わり連載は、
林廣美の今週のお惣菜。
連載はもう161回を数える。

今週末のメニューは、
「ミニ海老天丼とうどんのセット」
http://magazine.shoninsha.co.jp/wp-content/uploads/2016/05/20160505_hayasi.jpg
「売上げが鈍い時は
海老を売り込むと効果てきめん!」

いかにも林先生らしい一言。
「思い付き」や「気づき」などを、
マーケティングと勘違いしている輩、
本当に多い。

林先生の惣菜マーケティングは、
筋金入りの最新データ主義と現場主義。
それに基づいた凄いノウハウが、
必ず入っている。

だから、ちっとも古くならない。
NHKなどからも引っ張りだこ。
そして主婦にも大受け。

さて、祭日には糸井重里。
『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭言。

またまた、糸井が納得した言葉。
「じぶんには元気がなかった」

だれが、どういう時期に言ったことか、
いつものように忘れている。

しかし、その人は言った。
「じぶんには
『元気がなかった』からだめだった」

「元気のある人の言うことには、
説得力がある」

糸井は述懐する。
「悪い人でも、間違ったことを言ってる人でも、
人を説得したり味方につけようと思う人は、
とにかく『元気』であることを表現する」

「皮肉な言い方をすれば、
元気を装っている」

納得。

ただし商人は、
毎日毎日の仕事だから、
「元気を装う」ときもある。

「政治家やら、実業家の人たちなんかは、
病気であることをできるだけ隠そうとする」

逆にちょいとした病気まで売り物にする者も、
ひどくクサいけれど。

「大きくて健康で気も強い、
ということが、百万のことばより
ものを言うことがあるのだと思う」

その通り。

「胸に秘めた考えや、
言ってることの内容はともかく、
まず『元気がある』が
勝負の決定力を持ってしまう」

「考えようによっては
由々しきことではあるし、
そんなのずるいよ、
ということでもあろう」

しかし、糸井は考える。
「それでも、実際にじぶんが、
『元気のない』ものを前にしたときに、
どういうふうに感じるものだろうか」

「その考えはいいかもしれないけれど、
ついていきにくいんだよなぁ」
そう、言ってしまいそうだ。

反対に、自分がいい考えを発表するとき。
「いかにも元気のない表現をしてしまったら、
『とてもいい考え』が
伝わったような気がしないだろう」

最後にたとえ話。
「たぶん、お笑いの芸人さんたちも
元気が売り物だ」

商人も確かに、
お笑いの芸人さんと、
似たところがある。

だから元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。

もちろん、胸に秘めた考え、
言うことの内容。

それが良くなければいけない。

損得よりさきに善悪を考えよう。
創意を尊びつつ良いことは真似よ。

こどもたちにも、
このことは伝えたい。

最後に、アメリカ大統領予備選挙。

共和党では党候補が決まった。
ドナルド・トランプ氏(69歳)。

インディアナ州の予備選後、
対抗のテッド・クルーズ上院議員(45歳)が、
選挙戦からの撤退を表明。

アメリカの共和党は、
エイブラハム・リンカーンが第2代党首で、
セオドア・ルーズベルト、
ドワイト・アイゼンハワーや、
ドナルド・レーガン、
ジョージ・ブッシュなど、
歴代大統領を輩出。
保守主義およびキリスト教の立場をとる。

一方、リベラル派の民主党は、
第3代大統領トーマス・ジェファーソンの流れをくみ、
フランクリン・ルーズベルト、
ジョン・F・ケネディ、
ジミー・カーター、
ビル・クリントンなど輩出。

現バラク・オバマ大統領も民主党。

その民主党は、
ヒラリー・クリントン前米国務長官(68歳)が、
ほぼ確定的。

正統派クリントン女史と、
異端の不動産王トランプ氏。

政治には門外漢、
既成政治を激しく非難。

そのトランプ候補こそ、
「元気を装う」天才のようだ。

党の指名争いでも、
「いずれ失速」と予想されたが、
経済格差に苦しみ、
「元気」を欲した共和党員の、
不満の受け皿となって、
指名権を獲得。

ただし、政策は、
「非現実的な内容が多い」

内容はないけれど、
元気な大統領候補。

困ったことになってきた。
日本にとっても。

米国在住の映画評論家・町山智浩さんは、
「トランプ氏は日本と中国の違いさえ
分かっていない。米国人の典型です」

だからこそ、そんなアメリカ人の、
一部から支持されている。

指名権争いで負けたクルーズ氏。
「有権者は別の道を選んだ。
わが国の未来への無限の楽観とともに
選挙戦を停止する」

無限の楽観がなければ、
つまりほんのわずかでも悲観を挟めば、
わが国の未来はない。

こういう意味だ。

リンカーンの共和党を、
ドナルド・トランプが引き継ぐ。
それだけでも大変なことだが、
まだトランプ大統領が、
誕生したわけでもない。

アメリカ合衆国国民は、
11月にもう一度だけ、
その真の見識が問われることになる。

ただしトランプが共和党代表になるという、
そんなアメリカ合衆国と、
私たちが付き合っていかねばならないことは、
確かなのだ。

銀も金も玉も何せむに
まされる宝子にしかめやも

ドナルド・トランプは、
この憶良の歌を知る由もない。

〈結城義晴〉

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