結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年05月23日(月曜日)

「俺は聞いてない」とコカ・コーラ社ウッドラフの言葉

Everybody! Good Monday!
[2016vol21]

2016年第22週、
5月は第4週。

もうすでに沖縄は梅雨入り。
先週月曜日の16日午前、
沖縄気象台と鹿児島地方気象台が、
それぞれ梅雨入り宣言。

しかし、歯切れは悪い。
「梅雨入りしたとみられる」との発表。

平年に比べると遅い。
沖縄は1週間、奄美は5日。

しかし、昨年に比べると、
3日前後早かった。

関東甲信越の梅雨入りは、
昨年が6月3日、平年が6月8日ごろ。
近畿も昨年は6月3日、平年は7日ごろ。

あと2週間くらいで、
梅雨入り。

してみると、
今が一番いい季節。

跳箱の上で泣く子や夏の雲  
〈朝日俳壇より 東京都・ 岡村一道〉

身の内に活火山あり夏来る
〈同 横浜市・神尾幸子〉

全山が怒涛となりぬ青嵐  
〈同 いわき市・馬目空〉

三句とも佐賀県出身の俳人・大串章の選。

夏です。

さて昨日の夕方、帰国し、帰宅すると、
日本テレビに「笑点」が映っていた。
桂歌丸さん、最後の司会。
芸歴65年、落語芸術協会会長。

その歌丸さんは横浜・黄金町の出身。
コメントがいい。
「人間、人を泣かせることと
人を怒らせること、
これはすごく簡単ですよ。
人を笑わせること、
これはいっちばん難しいや」

そのとおり。

笑わせるのが難しいから、
ブログなどでも、
自分で書いて、自分で笑ったりする。

「(笑)」というのを、
文章の最後に入れる、あれ。

私は大嫌いで、
絶対にやらない。

笑ってもらえないことのほうが、
圧倒的に多いし、
読者のほうはむしろ、
不愉快になることも少なくない。

そして歌丸さん。
「人間にとって一番肝心な
笑いがないのが、

戦争をしている所」

この、硬骨漢ぶり。

笑いの本質を真摯に追求しているから、
戦争の本質に行き当たる。

そしてそれを語る。
本物の落語家なんだろう。

一方、朝日新聞『折々の言葉』
いまや『天声人語』より、いい。
鷲田清一さんの編著。

「俺は聞いていない」
(だめな上司は、つい)

「会社でも役所でも、
がちっとした組織で何か事が起こると、
決まってこう口走る上司がいる」

ピーター・ドラッカーに言わせれば、
「悪い組織の兆候」

アンリ・ファヨールの管理過程論によって、
硬直的な組織が出来上がると、
こういう言葉が吐き出される。

「聞いていないのではなく、
聞こうともしなかったのに」

「状況を俯瞰して
異様な気配を人より先に察知し、
きちんとした指示を出さなかったことの
弁明のはずが、
部下への叱責にすり替わる」

現京都市立芸術大学理事長・学長で、
元大阪大学総長の鷲田さん。
会社や官庁の組織に属したことがない。
にもかかわらず、わかっている。

「こういう上司はそのまた上司の
顔色をうかがうばかり」

そして手厳しい。
「聞くことも判断することも
放棄している」

この考え方に沿って商人舎では、
ミドルマネジメント研修会を、
年に2回開催している。

もう、第9回目を迎えるのが、
6月7・8・9日(火・水・木曜)
湯河原で缶詰め合宿2泊3日。

毎朝、理解度テストを行って、
自分の学習効果を自分で確認する。

今回の商人舎USAbasicコースは、
既報のように出発便が遅れ、
シアトルでトラブルに遭った。

そのため初日の日程は狂ってしまったし、
5人の参加者は2日目の午後から合流。

講義や視察は、
その人たちに理解が行くよう変更したが、
それでもハンディキャップがあった。

そこで、ご褒美も含めて、
理解度テストを免除しようかと、
事務局で審議した。

参加者のなかのリーダーにも、
そのことを打診・相談した。

そうしたら返答は、
予想に反して、
「テスト、やってください。
勉強になります」

私は、少なからず感動した。

自分のための理解度テスト。
参加者たちがそれを望んでいてくれる。

その理解度テストのもっと濃い内容を、
ミドルマネジメント研修会では実施する。

参加してください。
派遣を検討してください。

よろしくお願いします。

さて、一昨日のアトランタ。
その高級住宅街バックヘッド地区を見学。

これがボビー・ジョーンズ邸。DSCN0393-6
四大ゴルフトーナメント「マスターズ」創始者。
年間グランドスラム達成者で、「球聖」と呼ばれる。
生涯、栄誉あるアマチュアだった。
その著『Down the Fairway』には、
有名な「Old Man Par」の考え方が示されていて、
私も愛読している。

それからジョージア州知事邸。
DSCN0395-6
現在は、共和党のネイサン・ディール知事が、
ここに住んでいる。

今年の3月28日、ディール知事は、
「反同性愛法案」に拒否権を発動した硬骨漢。

LGBT(性的少数者)差別に当たるとして、
ディズニーなど大企業が批判していた法案だが、
その批判を支持した形。

この法案は、宗教関係者が、
信教の自由を守るため、
「同性カップルの結婚式などLGBTへの
サービスを拒否できる」と規定したもの。

州議会で可決され、
知事の署名で成立するはずだった。

ディールの発言。
「宗教に基づく社会を守るために
誰かを差別しなければならないとは
思わない」

そのうえで、きっぱり。
「宗教界の圧力に屈したわけでも、
もし法案が成立すれば
州から撤退すると通告していた経済界の
要求に応じたわけでもない」

「ジョージア州は
愛と誠意と寛容に満ちた開かれた州であり、
その姿を保ちたい」

拍手、拍手。
あの、ドナルド・トランプの共和党だけれど。

さらにロバート・ウッドラフ邸。
地元コカ・コーラ社で、
1923年から60年間CEOを務めた、
伝説の経営者。
DSCN0399-6
コカ・コーラを世界企業に育てたのが、
ロバート・ウィンシップ・ウッドラフ。
もちろん彼も硬骨漢。

いまでもコカ・コーラの本社社長室に、
ウッドラフの言葉が掲げられている。
「自分よりできるやつに
任せられるときには、
迷わず任せることだ」

「俺は聞いてない」の上司とは、
まったく反対。

そしてウッドラフの「最も重要な言葉」
6words(6単語)から1word(1単語)まで、
6つのフレーズでできている。

6words――
“I admit I made a mistake”
「私は自分が間違ったことを認めるよ」

5words――
“You did a good job”
「君はいい仕事をしたね」

4words――
“What is your opinion?”
「君の意見は何?」

3words――
“If you please ”
「どうぞ」「よろしければ」

2words――
“Thank you ”
「ありがとう」

And 1word――
“We”
「われわれ」

実によくできている。

「俺は聞いてない」との違い。
味わってほしい。

では、みなさん、
今週も、どうぞ、よろしければ、
Good Monday!

〈結城義晴〉

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